JP2602646B2 - 電子腕時計用熱電素子の製造方法 - Google Patents

電子腕時計用熱電素子の製造方法

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恵二 佐藤
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    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10NELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10N10/00Thermoelectric devices comprising a junction of dissimilar materials, i.e. devices exhibiting Seebeck or Peltier effects
    • H10N10/01Manufacture or treatment

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Electromechanical Clocks (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は電子腕時計のエネルギー源として利用する熱
電素子の製造方法に関するものである。
〔発明の概要〕
本発明は得られる温度差が小さく、限られた素子容積
のため微細な熱電材料を数千個も形成する必要がある電
子腕時計用熱電素子の製造方法において、耐熱断熱性基
板に厚膜法により熱電材料を形成し、これを有機樹脂層
を介在して積層し、その後電極を形成することにより性
能のすぐれた熱電素子を簡易に製造することを可能とす
るものである。
〔従来の技術〕
電子腕時計において、体温を利用した熱電素子と大容
量コンデンサや2次電池の組合わせにより半永久電源を
形成することができる。
ところが腕時計においては熱電素子の得ることのでき
る温度差は1〜3℃と小さく、しかもその面積は最大6c
m2程度である。
常温付近でも最もすぐれた性能指数をもつものとして
(Bi,Sb)(Te,Se)系熱電材料があるが、この材料
でも実用可能なゼーベック係数はN形およびP形ともに
200μV/K程度であり、従って温度差2℃で電圧2Vを得る
には5千個もの素子が必要となる。
このような微細で数多い素子を1個1個組立てること
は不可能であるために、たとえば昭和61年電気学会全国
大会講演論文集No1194にみられるように厚膜法を利用す
ることが考えられる。
〔発明が解決しようとする問題点〕
熱電素子の製造方法として(Bi,Sb)(Te,Se)
熱電材料を厚膜法で形成する場合、焼結を行うために基
板としてはガラス・磁器・雲母のような耐熱断熱性基板
を使用する必要があり、これらは空気や、有機樹脂に比
較して熱伝導率が大きいため、素子にかかる温度差が小
さくなるという欠点がある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明では耐熱断熱性基板に厚膜法により熱電材料を
形成し、これを有機樹脂層を介在しながら積層する。
〔作用〕
有機樹脂層を介在させることにより素子が得ることの
できる温度差が大きくなる。
〔実施例〕
以下図面に基づき説明する。
耐熱断熱性基板上への熱電材料の形成方法としては第
1図に部分断面図に示すように、耐熱断熱性基板1にた
とえばN形熱電材料2を一定の幅と厚みで、一定間隔で
ストライプ状に厚膜法で形成する。
この場合、(Bi,Sb)(Te,Se)系の原料粉末にプ
ロピレングリコールなどを溶剤とした加え、スクリーン
印刷法により、ガラス・磁器・雲母などの上に印刷す
る。これを非酸化性雰囲気で500℃付近で焼結する。
あるいは第2図に部分断面図に示すように耐熱断熱性
基板1の一方の面にN形熱電材料2、他方の面にP形熱
電材料3を全面に形成する。
これを焼結後、エッチングまたはレーザー加工により
第3図に部分断面図として示すように、耐熱断熱性基板
1の両面に、N形熱電材料2およびP形熱電材料3をス
トライプ状に加工する。
耐熱断熱性基板上の熱電材料はまた第4図に部分断面
図として示すように、耐熱断熱性基板1の両面にN形熱
電材料2とP形熱電材料3とを交互にストライプ状に形
成することも考えられる。
以上にほんの数例を示したが、厚膜法により耐熱断熱
性基板上に熱電材料を形成する方法は数多く考えられ
る。
(Bi,Sb)(Se,Te)系の熱電材料は非酸化性雰囲
気での比較的低温での焼結とするため、良好な溶剤ある
いは結合剤が使用できないため、形状制御性あるいは寸
法精度が劣る欠点がある。
また同一基板面上にN形およびP形熱電材料を寸法精
度良くストライプ状に形成するのは難しい。
一方、基板面上に全面に熱電材料を形成し、エッチン
グ、レーザー加工などでストライプ状に加工する方法は
比較的良好な形状と寸法精度を得ることができる。
上記のようにして熱電材料がストライプ状に形成され
た耐熱断熱性基板は第5図に部分平面図に示すように積
層する。
すなわち有機樹脂4とN形熱電材料2とP形熱電材料
3が形成された耐熱断熱性基板1を交互に順に所定の数
だけ積層する。
耐熱断熱性基板上のひとつの面の熱電材料がP形また
はN形のいずれか一方のみである場合は、電極形成の都
合上、第6図に部分平面図で示すように、最上層および
最下層の熱電材料はたとえば耐熱断熱性基板4の1部に
よりN形熱電材料2は下の層のP形熱電材料3に対し、
1列おきに、置換されるなどの工夫が必要となる。
耐熱断熱性基板上に熱電材料を全面に形成した場合に
は、第7図に部分平面図として示すようにN形熱電材料
2およびP形熱電材料3を両面に形成した耐熱断熱性基
板1を有機樹脂4と交互に積層し、次に第8図に部分平
面図として示すように積層面に垂直に、温度差を与える
方向に平行に一定間隔で切断する。これを第9図に部分
平面図として示すように周囲を有機樹脂4で保護し、電
極形成のため、熱電材料の一部に絶縁被覆5を形成す
る。
このあと第10図に部分平面図で示すように電極6を形
成する。
このようにして製造した熱電素子は第11図に部分断面
図に示すように電極6の上に絶縁層7を形成し、伝熱板
8を形成する。
このようにして熱電材料と熱電材料の間の空気層とす
るか、あるいは有機樹脂で埋めることにより、そしてこ
の空気層あるいは有機樹脂の部分をできるだけ多くする
ことにより、厚膜法などで、熱電材料を形成する基板と
して比較的熱伝導率の大きな耐熱断熱性のガラス・磁器
等を使用しても、素子にかかる温度差を大きくすること
ができ、生ずる電圧が大きくなり、変換効率も向上す
る。
〔発明の効果〕
以上述べたように、本発明によれば、腕時計のエネル
ギー源のような、小形で高集積度の必要な熱電素子が厚
膜法により簡易に高性能なものが製造できる。
【図面の簡単な説明】
第1図から第4図は耐熱断熱性基板への熱電材料の形成
状態を示す部分断面図であり、第5図から第9図は熱電
材料を形成した耐熱断熱性基板と有機樹脂の積層状態を
示す部分平面図であり、第10図は積層体の電極を示す部
分平面図であり、第11図は熱電素子の完成状態を示す部
分断面図である。 1……耐熱断熱性基板 2……N形熱電材料 3……P形熱電材料 4……有機樹脂 5……絶縁被覆 6……電極 7……絶縁層 8……伝熱板

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】無機耐熱断熱性基板の片面または両面に厚
    膜法により(Bi,Sb)(Te,Se)を有する熱電材料を
    形成し、前記無機耐熱性基板を有機樹脂を介在しながら
    積層し、電極を形成することを特徴とする電子腕時計用
    熱電素子の製造方法。
  2. 【請求項2】前記熱電材料を前記無機耐熱断熱性基板上
    にストライプ状に形成することを特徴とする特許請求の
    範囲第1項記載の電子腕時計用熱電材料の製造方法。
  3. 【請求項3】前記熱電材料を前記無機耐熱断熱性基板の
    全面に形成し、レーザーまたはエッチングによりストラ
    イプ状に加工することを特徴とする特許請求の範囲第1
    項記載の電子腕時計用熱電材料の製造方法。
  4. 【請求項4】前記熱電材料を前記無機耐熱断熱性基板全
    面に形成し、積層後、積層面に垂直で、かつ温度差を与
    える方向に平行に一定間隔に分離し、電極を形成するこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の電子腕時計
    用熱電材料の製造方法。
  5. 【請求項5】前記無機耐熱断熱性基板の一方の面にN形
    の前記熱電材料および他方の面にP形の前記熱電材料を
    形成することを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の
    電子腕時計用熱電材料の製造方法。
  6. 【請求項6】前記無機耐熱断熱性基板と前記熱電材料と
    前記有機樹脂からなる積層体において最上層の前記熱電
    材料と最下層の前記熱電材料がストライプ状でかつ1列
    おきに交互に前記熱電材料ご絶縁材料で置換されている
    ことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の電子腕時
    計用熱電材料の製造方法。
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