JP2004296960A - 熱電素子とその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】携帯用情報機器の温度差発電や局所冷却などに利用できる様な小型の熱電素子を、本来の熱電半導体が占める部分からあまり大きさが変わらず、さらに容易な製造方法で提供する。また、実装する場合のスペース効率も良く、取り扱いや実装温度条件なども制御が簡単な素子を提供する。
【解決手段】複数のn型とp型熱電半導体素子を絶縁スペーサを介して固定し、熱電半導体素子の端面に配線電極を設けて隣り合った熱電半導体素子を電気的に交互に接続し、連続した熱電半導体素子の端部には引出電極を設ける。さらに引出電極が設けられている面の配線電極を覆い、かつ引出電極の少なくとも一部分が露出するように絶縁膜を設け、絶縁膜の上にはその一部分が2つの引出電極にそれぞれ電気的に接続するよう設けられる2つの電極パッドとを有する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は温度差発電や冷却に用いる熱電素子の構造と製造方法に関するものであり、特に小型素子の構造とそれを実現するための製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
熱電対はその両端に温度差を与えることにより電極間に電圧を発生し、反対に電極から電流を流すと温度差を生じる性質を持ち、この熱・電気変換特性を利用して作られているのが熱電素子である。
【0003】
たとえば熱電素子は熱を電気エネルギーに変換できる方法として発電素子に、あるいは電気エネルギーで対象物を冷やしたりする冷却素子に応用される。
【0004】ところで熱電素子は構造やその動作が簡単なため、他の熱/電気変換システムに比べて小型化に有利なところから発電素子としては腕時計などの携帯用電子機器内部での発電、また冷却素子としては半導体素子やセンサー素子などの局所的な冷却への応用が広がっている。
【0005】
熱電素子として発電あるいは冷却に使われている半導体材料の中でもっとも一般的なのはビスマス(Bi)とテルル(Te)を主成分にしたいわゆるBiTe合金である。この材料は室温近辺で現在もっとも性能が良いため各所で多用されている。BiTe合金は添加物によりp型とn型の極性を有するものがあるが、熱電素子では両者を柱状に成形し、端部を電気的に交互に複数接続して構成されている。
従来の熱電素子の構造と製造方法は、たとえば、セラミック製の二枚の平板状の基板には所定のパターンにて金属膜電極が形成されている(例えば、特許文献1参照。)。複数のp型とn型の熱電半導体は柱状に加工され半田層を介して二枚の金属膜電極に接合する。このときp型とn型の熱電半導体は交互にならび、複数の熱電対が直列化した構成となっている。そして最後に片側の基板には二本のリード線が取り付けられる。
【0006】
【特許文献1】
特開平2−205081号公報 (第1図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1での構造は基本的な構成が古くから提案され、現在では一般に商業的にも用いられる、熱電素子の安定した構造を提供しているものである。
【0008】
しかしながら、それは従来の熱電素子が1cm角以上ほどの比較的大きなものであり、利用する環境にも余裕があったからである。しかし、数mmほどの局所を冷却したり、込み入った電子機器のなかで用いる場合は、さらに小型の熱電素子が必要であり、必ずしも従来の構造が小型化に適しているとは考えられない。
【0009】
従来構造の課題としてまず上げられるのが、上下基板の大きさである。従来の熱電素子では基板の電極を利用して配線を行い、外部への引出も基板を介して行う。そのため、基板にはリード線を取り付けるための余分なスペースが必要である。リード線接合部分は作業上の問題から素子に比例して狭くすることは困難であるため、素子の小型化は難しい。
【0010】
また、リード線自体も外部に引き回すことを考えると、実用上はリード線があることで素子以上の実装空間が必要になる。
【0011】
次に基板の厚みも問題である。熱電素子の基板には比較的強度のあるセラミックスが利用されるが、それでもせいぜい実用出来る厚みは0.2mmほどである。さらに半田の厚みが上下合わせて少なくとも0.05mmは必要であるためいくら熱電対を短く加工しても、0.45mmがどうしても付加されてしまう。これは1mm以下の薄型素子を作製する場合、大きな問題である。
【0012】
また、これは素子の小型化だけには限らないが、従来構造のもう一つの課題は半田を各所に利用することである。素子には熱電半導体と基板を接合するための半田とリード線を接続するための半田が存在する。さらに、熱電素子を容易にかつ熱接触良くヒートシンクや発熱体に取り付けるためには、しばしば半田が用いられる。この時基板の電極との反対面には全面に金属膜が施されている。
【0013】
このように従来の熱電素子は実際に使うまでに3回の半田付け工程がある。半田は所定の温度で溶融することから、それぞれの半田付け工程で他の半田が融解しないように、半田の材料を変えなければならない。これは、材料選定および工程管理を非常に難しくするものである。
【0014】
また製造工程においても従来は不透明な基板に配された電極と熱電半導体素子が電気的に接合していたため、小型の熱電素子になるに従い取り扱いが難しくなると共に、パターンの微細化により位置あわせが非常に難しくなると言う問題もあった。
【0015】
そこで本発明の目的は上記の問題を解決し、本来の熱電半導体が占める部分からあまり大きさが変わらず、小型で薄型の熱電素子を容易な製造方法で提供するものである。また、取り扱いも容易で実装温度条件なども制御が簡単な素子を提供する。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために本発明の熱電素子の構造および製造方法においては下記に記載する手段を採用する。
【0017】
すなわち本発明の熱電素子は、複数のn型熱電半導体素子とp型熱電半導体素子と、その間隙に設けられる絶縁スペーサと、n型熱電半導体素子とp型熱電半導体素子の端面に設け、隣り合ったn型熱電半導体素子とp型熱電半導体素子とを電気的に交互に接続する配線電極と、連続したn型熱電半導体素子とp型熱電半導体素子の端部に位置する2つの熱電半導体素子に設けられる引出電極と、引出電極が設けられている面の配線電極を覆い、かつ引出電極の少なくとも一部分が露出するように設けられる絶縁膜と、絶縁膜の上にはその一部分が2つの引出電極にそれぞれ電気的に接続するよう設けられる2つの電極パッドとを有することを特徴とする。
【0018】
さらに望ましくは絶縁膜は無機物粒子を混入した熱伝導性樹脂からなる、また電極パッドは電気伝導性樹脂と金属膜との複合膜である、または絶縁膜は金属粒子を含む熱伝導性樹脂である。
【0019】
さらには電極パッドを有する面の反対面には配線電極を覆うように裏面絶縁膜を有し、裏面絶縁膜の上には金属パッドを有する、さらには電極パッドまたは金属パッドの表面は半田付け可能な金属膜からなる。
【0020】
また製造方法は、複数のn型熱電半導体素子とp型熱電電半導体素子とを絶縁スペーサを介して固定する工程と、n型熱電半導体素子とp型熱電半導体素子の端面に配線電極を形成してn型熱電半導体素子とp型熱電半導体素子とを接続すると同時に、直列化した熱電半導体素子の両端部には引出電極を形成する工程と、引出電極が形成された面にある配線電極を覆い、かつ引出電極の少なくとも一部分を露出させるように絶縁膜を形成する工程と、絶縁膜の上にはその一部分が2つの引出電極にそれぞれ電気的に接続するよう2つの電極パッドを形成する工程とを有することを特徴とする。
【0021】
さらなる製造方法としては、複数のn型熱電半導体素子とp型熱電電半導体素子とを絶縁スペーサを介して固定する工程と、n型熱電半導体素子とp型熱電半導体素子の端面に配線電極を形成して、直列化したn型熱電半導体素子とp型熱電半導体素子を複数同時に形成するとともに、それぞれの直列化した熱電半導体素子の両端部には引出電極を形成する工程と、引出電極が形成された面にある配線電極を覆い、かつ引出電極の少なくとも一部分を露出させるように絶縁膜を複数個同時に形成する工程と、それぞれの絶縁膜の上にはその一部分が2つの引出電極にそれぞれ電気的に接続するよう2つの電極パッドを形成する工程と、同時に形成された複数個の熱電素子を1個ずつ分割する工程とを有することを特徴とする。
【0022】
電極パッドは金属粒子を含む電気伝導性樹脂を塗布した後に、金属粒子を核として無電解メッキ法により金属膜を形成してなる、あるいは絶縁膜は少量の金属粒子を含む熱伝導性樹脂を塗布して形成し、電極パッドは絶縁膜に含まれる金属粒子を核として金属膜を無電解メッキ法により形成してなる、さらには絶縁膜の形成工程に引き続き、絶縁膜を形成した面と反対面には裏面絶縁膜を形成する工程と、電極パッドを形成する工程と同時あるいは引き続いて、裏面絶縁膜の上には金属パッドを形成する工程を有することが好ましい。
【0023】
〔作用〕
本発明の熱電素子はセラミック板などの基板材料を用いないことから、配列した熱電半導体素子の外形と熱電素子外形がほぼ同じであり、余分なリード取り付け部も必要ないことから、小型の熱電素子として有利である。
【0024】
さらにセラミック板などの基板材料の代わりに薄い絶縁膜が配されているだけであり、また熱電半導体素子と基板を接合する半田材も用いないことから、熱電素子の厚みはほとんどが熱電半導体素子の長さとなり、薄型の熱電素子として有利である。
【0025】
また、熱電素子の片面に配されている2つの電極パッドで直接外部回路との接続が可能となるため、リード線を用いる必要が無く実装が容易になると共に、熱電素子以外の余分な空間を設ける必要が無くなりスペース効率が良くなる。
【0026】
さらに本発明の熱電素子の内部には半田材が全く使われていないため、基板や冷却対象物に半田付けで実装する場合、どの種類の半田でも利用が可能となり、実装条件の幅が広がる。
【0027】
そして、本発明の熱電素子の製造工程では、基板を用いた目視不可能な位置あわせが必要なく、マスク合わせ工程のみで電気的接続が出来るため、微小な素子の作製に有利である。
【0028】
さらに本発明の製造工程では、電極パッドを形成するまでを多数個の熱電素子を同時に処理できることから、微小な熱電素子を製造しても個別にハンドリングする工程が無く、非常に製造が容易となる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の熱電素子の構造および製造方法おける最適な実施形態を説明する。
【0030】
〔第1の実施の形態:図1〜図9〕
図1に示すように熱電素子には、まず柱状のn型熱電半導体素子10と柱状のp型熱電半導体素子11が規則的に配置している。ここではn型熱電半導体素子10にBiSeTe合金を、p型熱電半導体素子11にはBiSbTe合金をそれぞれ用いている。その配列は図2に示すように、n型熱電半導体素子10とp型熱電半導体素子11が縦横交互に繰り返される構造となっている。
【0031】
n型熱電半導体素子10とp型熱電半導体素子11の柱の側面を電気的に絶縁しさらに両者を固定するために、それぞれの素子の間隙にはエポキシ系接着剤からなる絶縁スペーサ20を設けている。
【0032】
そして図3に示すようにn型熱電半導体素子10とp型熱電半導体素子11の両端面には金属膜からなる配線電極30を設けている。ただし、図の都合上柱の一方の端面側の配線電極30は図3には見えていない。配線電極30は隣り合ったn型熱電半導体素子10とp型熱電半導体素子11とを柱の端面において接続しており、かつ上下の配線電極30は接続するn型熱電半導体素子10とp型熱電半導体素子11の柱が一本ずつずれた配置をとっており、これによって多数のn型熱電半導体素子10とp型熱電半導体素子11とが交互に直列化する構造となっている。ここでは配線電極30の材料にニッケル/銅/ニッケルの多層膜を用いている。
【0033】
直列化したn型熱電半導体素子10とp型熱電半導体素子11との初めと終わりの両端部には、引出電極40を設けている。引出電極40の材料などは配線電極30と同じであるが、熱電半導体素子の配列の始めと終わりに位置するために1本の熱電半導体素子にしか接触していない。また、引出電極40は1つの熱電素子で2個であるため、図3のように熱電半導体素子の片方の端面側にその2個があり、もう一方の端面側は配線電極30のみである。
【0034】
引出電極40がある面の配線電極30の上には、絶縁膜50が面内すべての配線電極30が覆われるように施されている。絶縁膜50は熱伝導が良好なように、アルミナなどの絶縁性の無機物微粒子を混入したエポキシ樹脂からなり、その厚みは約20μmである。絶縁膜50は配線電極30をすべて保護するような形になっているが、引出電極40の全面あるいは一部分は露出するように形成されている。
【0035】
さらに絶縁膜50の上には2つの電極パッド60が、お互いに直接は接触しないようギャップを保ちつつ、絶縁膜50のほぼ全面を覆うように形成されている。2つの電極パッド60はそれぞれが2つの引出電極40の片方ずつに電気的に接続出来るよう、絶縁膜50から部分的にはみ出した構造となっている。つまりは2つの電極パッド60は引出電極40の面積を大きくした構造となっており、外部より電極パッド60のどこかに接触すれば、この熱電素子を電気的に動作させることができる。ここでは電極パッド60には銀やパラジウム粒子を混入したエポキシ樹脂からなる導電性樹脂膜と、ニッケルと金の金属膜を用いており、厚みは導電性樹脂膜が約20μm、金属膜が約1μmほどである。
【0036】
図4には電極パッド60を施した面の反対面の構造を示している。反対面は配線電極30があるだけで引出電極40が無いことから、前記の電極パッド60は必要なく電気的には新たな加工は必要ない。ただし、実際に熱電素子を用いる場合は信頼性をあげるために、配線電極30を覆って保護するように裏面絶縁膜51を形成することが望ましい。裏面絶縁膜51にも絶縁膜50と同じく、アルミナ粒子入りのエポキシ樹脂を用いる。
【0037】
またさらに、裏面絶縁膜51の上に金属パッド61をほぼ全面に施すことで、冷却対象物やヒートシンクに半田付けすることも可能となる。金属パッド61にも前記の電極パッド60と同じ導電性樹脂膜とニッケルと金の多層膜を用いる。
【0038】
さて、本発明の熱電素子を実際に利用するときの構造例を図5を用いて説明する。簡略して描いてあるが、回路基板70の一部分には接合パッド71が施されている。本発明の熱電素子はこのような接合パッド71に電極パッド60を対向させるように配置し、半田を介して接合する。また、金属パッド61側には発熱体などの冷却対象物80を接合する。この時も熱伝導を良くするには半田を用いることが望ましい。
【0039】
回路基板70の接合パッド71は制御回路に通じ、熱電素子を電気的にコントロールできるようになる。ここでは金属パッド61側から電極パッド60側へ熱は移動するように制御され、回路基板70から外部に放熱される。その為回路基板70は熱伝導性を良くしておくことが望ましい。
【0040】
続いて本発明の熱電素子の製造方法について説明する。はじめに、図6に示すようにn型熱電半導体とp型熱電半導体とに縦溝1を形成し、縦隔壁2を残してn型櫛歯素子3とp型櫛歯素子4を作製する。この時、n型櫛歯素子3とp型櫛歯素子4とで、縦溝1のピッチを同一にし、かつ一方のブロックの縦溝1幅が他方のブロックの縦隔壁2幅よりも大きくなるようにする。ここではn型熱電半導体としてBiSeTe合金の焼結体、p型熱電半導体としてBiSbTe合金の焼結体を用いた。
【0041】
この縦溝1の幅への制限は、後述の工程でn型櫛歯素子3とp型櫛歯素子4を溝同士で嵌め合わせるために設定してある。この縦溝1幅と縦隔壁2幅の差が後工程で絶縁スペーサの幅を決定するため、確実に絶縁をとることと、嵌め合わせの工程での作業性を考慮すると、縦溝1幅と縦隔壁2幅との差は10μm以上あることが好ましい。なお、縦溝1の加工はダイシングソーによる研削加工により行う。
【0042】
つづいてn型櫛歯素子3とp型櫛歯素子4を、互いに縦溝1に相手の縦隔壁2を挿入し合って組み合わせて一体化する。両者を組み合わせた図を図7に示す。組み合わせた2つの櫛歯素子は嵌合部に絶縁スペーサ20を設けて固着することで一体化する。流動性の高い絶縁性接着剤中に組み合わせた櫛歯素子を部分的に浸漬し、毛管現象により接着剤を縦溝1と縦隔壁2との隙間に充填すれば絶縁を保ちつつ絶縁スペーサ20で固着が行える。ここで絶縁スペーサ20に用いる接着剤としては低粘度のエポキシ系の接着剤を用いることとする。
【0043】
次にこのように組み合わせた櫛歯素子を2つ用意し、図8に示すようにそれぞれ横溝6と横隔壁7を形成するように再度の加工を行い、一体化櫛歯素子8を形成する。この時も横溝6の幅が横隔壁7の幅よりも大きくなるよう、ダイシングソーによる研削加工により行う。さらに2つの一体化櫛歯素子8は互いの横隔壁7に横溝6を挿入するように組み合わせる。この時横隔壁7が並ぶ方向にも、横隔壁7に含まれるn型熱電半導体素子10とp型熱電半導体素子11が隣り合うように位置あわせをして組み合わせる。
【0044】
図には示していないが、この後初めの組合せを行ったときと同じように、エポキシ系接着剤を横隔壁7の間にも充填し固着させ、再度絶縁スペーサ20を形成する。
【0045】
横溝6は図8のようにn型櫛歯素子3の面から形成しても、これとは逆にp型櫛歯素子4側の面から形成してもよい。この時切り込む側のn型櫛歯素子3あるいはp型櫛歯素子4の溝が形成されていない基台部分は除去した後に溝加工を行った方が良い。基台部を除去するのは、初めに加工した縦溝1が観察できることから、横溝6との直交性がとりやすいためである。また、基台部がない方が、加工深さが小さくなるため深さ方向での柱曲がりが低減できる効果もある。
【0046】
絶縁スペーサ20で固めた2つの一体化櫛歯素子8はその上下面を研削で除去し平坦化し、図2の様にn型熱電半導体素子10とp型熱電半導体素子11が柱状に規則的に並んだ状態に作り上げる。こののち、特に高い信頼性が必要な場合は、研削面の加工変質層を除去する意味で硝酸や塩酸などのエッチング液をもちいて、加工面を数ミクロンエッチングした方がよい。
【0047】
つづいてn型熱電半導体素子10とp型熱電半導体素子11との配線を行う。まずニッケルからなる金属板に開口部を設け、開口部から隣り合ったn型熱電半導体素子10とp型熱電半導体素子11の端面が見えるように位置合わせを行い密着して固定する。真空蒸着装置に設置し、ニッケルあるいはパラジウムを100nm蒸着する。この方法は一般にマスク蒸着法と呼ばれるものである。ここで蒸着層は隣り合った2本の熱電半導体素子端面をすべて覆う必要はなく、2本が電気的に接続できる形状なら多少小さくても良い。
【0048】
蒸着工程につづいて無電解ニッケルメッキ液に浸漬し、ニッケルの皮膜を形成する。ニッケル皮膜は蒸着によって形成したニッケルあるいはパラジウムを反応の核として成長することから、蒸着層の上にまず形成される。また、蒸着金属はn型熱電半導体素子10とp型熱電半導体素子11にも形成されているため、棒状素子の露出している端面にもニッケル皮膜は形成される。無電解メッキだけで十分なメッキ厚が確保できない場合は、さらに電解ニッケルメッキを行うが、総厚としてニッケルメッキの厚みは数μmである。
【0049】
ニッケル膜は熱電半導体との密着をとるためと不純物の拡散を防ぐために施すが、ニッケルメッキだけでは比抵抗がやや大きいため、さらに配線抵抗を下げるためにニッケルメッキにつづいて銅メッキを行う。銅メッキは無電解メッキが難しいことから、電解メッキを利用する。銅メッキは必要に応じて数μmから数10μmの厚みで形成する。
【0050】
さらに銅メッキにつづいて再度ニッケルメッキを行う。この時のニッケルは無電解処理あるいは電解処理のどちらの方法にて形成しても良い。最後のニッケルは銅を腐食から守る意味とこのあとの工程での絶縁膜50との密着を良くするためであるので、それほど厚みは必要なく1μmほどでよい。これらの工程により図3に見られる配線電極30が出来上がる。図3では便宜的に配線電極30は長方形に描いているが、蒸着層が熱電半導体素子端面の辺より幅が狭い場合は、絶縁スペーサ20の上に位置する部分だけは実際には配線電極30がくびれた構造になる。
【0051】
配線電極30によりすべてのn型熱電半導体素子10とp型熱電半導体素子11は連続するが、当然ながら両端の半導体素子はとなりの半導体素子とはつながらない端面が出来る。上記の配線工程ではこの2つの端面にもメッキ膜は同様に形成でき、これを引出電極40とする。本実施の形態では構造上2つの引出電極40は同一面内に形成される。
【0052】
引き続き引出電極40が形成されている面には絶縁膜50を形成する。絶縁膜50にはエポキシ系接着剤に10μm前後の大きさのアルミナ粒子を混入した樹脂を用いる。アルミナ粒子を混入しているのは樹脂の熱伝導性を増大させるためである。図9に示すように絶縁膜50は引出電極40がある面のすべての配線電極30を覆うように形成する。しかし、引出電極40の少なくとも一部分は露出させるように形成するため、所望の形状になるようにスクリーンマスクを用いた印刷工程で塗布する。塗布した後必要に応じて樹脂は熱硬化あるいは光照射で硬化させる。
【0053】
さらに図1に示すように絶縁膜50の上には電極パッド60を形成する。電極パッド60は2つ形成し、2つで絶縁膜50のほぼ全面を覆うようになるが、互いに直接は接しないようになっている。さらに電極パッド60はその一部は絶縁膜50からはみ出し引出電極40に接触するような構造にする。電極パッド60の形成にはまずパラジウム、銀などの金属微粒子を含有するエポキシ樹脂を所望のパターンを形成したスクリーンマスクを用いて塗布する。金属微粒子の量が多ければこれだけで導通はするが、半田付け性も考慮してさらにその上にメッキ膜を形成する。
【0054】
金属微粒子を核として、無電解メッキ法をもちいてまずニッケル膜を形成する。その後、やはり無電解メッキ法を用いて金膜を形成することで電極パッド60は完成する。ここで、引出電極40にはニッケル膜が露出しているため、メッキ中に引出電極40上にも再度メッキが施される。スクリーン印刷した金属微粒子を含むエポキシ膜は引出電極40に接触しているため、両者のメッキ膜は完全に連続したものとなり、電気的に良好な接触が行える。以上のように電極パッド60は導電性エポキシ樹脂膜とニッケルと金の3層膜となる。
【0055】
以上の工程から本発明の熱電素子の基本構造は完成するが、必要に応じて電極パッド60を形成した面と反対面にも図4に示すような膜形成を行う。ここでは絶縁膜50と同じ材料と方法で、まず、裏面絶縁膜51を全面に形成し、電極パッド60を形成した後、引き続いて電極パッド60と同じ材料と方法で金属パッド61を裏面絶縁膜51のほぼ全面に形成する。
【0056】
ここで述べた工程の説明では熱電素子は1個ずつ作製しているが、熱電素子の数倍の大きさの熱電半導体を出発材料とし、櫛歯素子の形成も熱電素子に含まれる熱電半導体素子よりも数倍多く加工することで、多数個の同時作製が可能である。図10には熱電素子の約6倍の大きさの熱電半導体を用い、櫛歯素子形成、組合せ、絶縁スペーサ20形成、一体化櫛歯素子8の形成、再度の組合せと絶縁スペーサ20の形成、上下面の加工をすべて行い形成された、n型熱電半導体素子10とp型熱電半導体素子11の平面的な配置を示している。
【0057】
この数多くの熱電半導体素子群には前記の工程と同じように配線電極30、引出電極40、絶縁膜50、電極パッド60、必要に応じて裏面絶縁膜51と金属パッド61を形成し、その後図10に示すA−AA、B−BB、C−CCの3本の鎖線で示す部分で分割加工することで、6個の熱電素子を同時に作成することも可能である。多数個同時作製により製造の効率化が図れるものである。
【0058】
本発明の第1の実施の形態では絶縁膜50、裏面絶縁膜51、電極パッド50、金属パッド61などを印刷法により形成しているが、真空中での成膜方法も利用できる。たとえば、絶縁膜50や裏面絶縁膜51には酸化シリコン、酸化アルミ、窒化シリコンなどの絶縁性皮膜を真空蒸着やスパッタリング法で形成する。この時、絶縁膜50は引出電極40を露出させるようにパターン化が必要であるため、配線電極30を形成するときに用いたような、開口部を持った金属板をマスクとして利用する。
【0059】
さらに電極パッド60や金属パッド61も真空蒸着法などでニッケルや金を形成すればよい。あるいはニッケルのみを蒸着した後にさらにメッキを加えてニッケルと金の2層膜にしても良い。また、あるいは印刷法と真空成膜法を複合した製造方法も可能である。
【0060】
〔第2の実施の形態:図6〜図8、図11〜図13〕
図13には第2の実施の形態における熱電素子の構造を示す。基本的にn型熱電半導体素子10、p型熱電半導体素子11、絶縁スペーサ20、配線電極30、引出電極40、絶縁膜50および電極パッド60から構成されることは第1の実施の形態と同じである。
【0061】
ここで第2の実施の形態においては、n型熱電半導体素子10とp型熱電半導体素子11の配列が一つの方向では偶数であるのに対し、他の方向では奇数になっているところが第1の実施例とは異なる。これは熱電素子としての性能には全く関係ないが、配線電極30の構成が変わることで特に絶縁膜50と電極パッド60の構成に違いが現れる。
【0062】
そこで第2の実施の形態については製造方法を中心に説明する。第2の実施の形態では、基本的に製造は第1の実施の形態で述べた多数個処理の方法を利用する。第2の実施の形態でも図6に示したような熱電半導体の櫛歯型の加工、図7に示した櫛歯素子の組合せと絶縁スペーサ20の形成、図8に示した横溝加工と組合せと絶縁スペーサ20の形成、さらに続く図2に示した上下面の研削除去と平坦化も第1の実施の形態と同じである。
【0063】
さらに柱の端面には配線電極30と引出電極40を形成するが、その工程も第1の実施の形態と同じである。ここでの配線した素子の構造を図11に示す。図11には便宜上1個の熱電素子を示しているが、実際の製造工程では電極作製時にはまだ多数個がつながったままであり、分割はされていない。そこで当然ながら、図示していないが図11の外周部の熱電半導体素子の周囲にも絶縁スペーサ20は存在している。
【0064】
ここで第1の実施の形態と異なるのは、本構造では引出電極40がある面の配線電極30は奇数個熱電半導体素子が並ぶ列に並行した配線電極30がほとんどを占め、それと直交する配線電極30は1つの辺にしか無いことである。これによって、偶数列熱電半導体素子が並ぶ列の中心の2本をまたぐ配線電極30が存在しなくなる。
【0065】
引き続き配線電極30の上には絶縁膜50を塗布する。絶縁膜50には熱伝導を良くするためにアルミナの微粒子を混入した熱伝導性エポキシ樹脂を用いるが、さらにここでは微量のパラジウム粒子を混入しておく。パラジウム粒子は部分的に膜の表面に出現すれば良く、膜内ではお互い接触しない程度の量を入れているため、膜は絶縁性を保持している。
【0066】
本実施の形態の絶縁膜50は図12に示すように、2つの膜から構成されている。2つの膜はすべての配線電極30を覆うように配置するが、引出電極40は部分的に露出させるように形成する。そして2つの絶縁膜20はその境界が、前述した偶数列熱電半導体素子が並ぶ列の中心の2本の間にある絶縁スペーサ20部分に位置している。このように形状を規制するために絶縁膜50は所定のパターンに加工したスクリーンマスクを利用し、印刷法により約20μmの厚みで塗布して形成する。
【0067】
絶縁膜50の上全面には図13に示すようにメッキ法を用いて電極パッド60を形成する。絶縁膜50が形成された素子は無電解ニッケル液に浸漬する。絶縁膜50にはパラジウム粒子が混入しているため、表面に現れた粒子を核としてニッケル膜が成長する。ニッケルを形成した後今度は金をやはり無電解メッキ法により形成し、約1μm厚の2つの電極パッド60が出来上がる。
【0068】
メッキ膜は絶縁膜50の全面に成長するとともに、露出している引出電極40上にも成長する。絶縁膜50は一部引出電極40に接しているため、その上の電極パッド60は引出電極40上の膜と連続して成長し、両者は電気的に連続した膜となる。つまりは2つの電極パッド60は引出電極40の面積を大きくした構造となっており、外部より電極パッド60のどこかに接触すれば、この熱電素子を電気的に動作させることができる。
【0069】
また、絶縁膜50はすべての配線電極30を覆っているということは、膜の外周部は引出電極40の部分を除いてすべて絶縁スペーサ20に接している。その為、配線電極30に電極パッド60は接触することはない。そして絶縁膜50は2つに分かれており、その間にあるのも絶縁スペーサ20であるため、電極パッド60も独立して2つ形成される。
【0070】
ただし必要に応じて電極パッド60を形成したのと反対面、つまり引出電極40の無い面には絶縁膜50の形成に引き続き全面に絶縁膜と同じ方法で裏面絶縁膜51を形成する。そして電極パッド60の製造と同時に同じ方法で裏面絶縁膜の上には金属パッド61を形成する。そして、最後に多数個つながった素子は、ダイシング加工により1つずつの熱電素子に分割する。この時、ダイシングする部分は絶縁スペーサ20部でするのが望ましい。
【0071】
以上第2の実施の形態では、絶縁膜50がメッキによる電極パッド60形成の活性層も兼ね備えているため、第1の実施の形態の熱電素子よりさらに薄く作ることが可能である。また、工程的にもエポキシ膜の塗布が一回ですむためさらに容易である。
【0072】
また外周部にある熱電半導体素子の側面にもすべて絶縁スペーサ20があり、さらに上下面は絶縁膜50、裏面絶縁膜51、電極パッド60、金属パッド61で覆うことにより、熱電半導体素子および電極との接合部が全く露出する部分がないことから、信頼性の優れた素子とすることもできる。
【0073】
〔第3の実施の形態:図6〜図7、図14〜図18〕
図18には第3の実施の形態における熱電素子の構造を示す。基本的にn型熱電半導体素子10、p型熱電半導体素子11、絶縁スペーサ20、配線電極30、2つの引出電極40、絶縁膜50および2つの電極パッド60から構成されることは第1の実施の形態と同じである。
【0074】
ただし第3の実施の形態においては、n型熱電半導体素子10とp型熱電半導体素子11の配置が異なり、n型熱電半導体素子10だけで構成される列とp型熱電半導体素子11だけで形成される列とが交互に配置されている。そして、2つの引出電極40は互いに対角の位置に配置している。これらは素子の製造方法に起因するところが大きいので製造方法を中心に説明を加える。
【0075】
本実施の形態においても図6に示したn型熱電半導体とp型熱電半導体の櫛歯素子への加工、図7に示した組合せと絶縁スペーサ20の形成は第1の実施の形態と同じである。
【0076】
つづいて本実施の形態では図14に示すような横溝6の加工を行い、横隔壁7を残して一体化櫛歯素子8を形成する。今回の加工では横溝6はワイヤーソーを用いた研磨工程で行い、溝幅は隔壁幅より小さくなっている。この横溝6にはエポキシ樹脂を充填し硬化させ、再度絶縁スペーサ20を形成する。
【0077】
絶縁スペーサ20を形成した一体化櫛歯素子8は、図15に示すようにその上下面を研削工程により除去し、平滑化する。図15からわかるように本工程では一体化櫛歯素子8同士の組合せは行わないため、n型熱電半導体素子10だけが並んだ列とp型熱電半導体素子11だけが並んだ列とが交互に繰り返した構成となっている。また同種の熱電半導体素子だけが並んだ列は奇数の素子で構成され、異種の熱電半導体素子が並んだ列は偶数の素子で構成されている。
【0078】
この後、熱電半導体素子の端面には第1の実施の形態と同じ方法で配線電極30と引出電極40を形成する。配線電極30と引出電極40の配置を図16に示す。配線電極30は隣り合ったn型熱電半導体素子10とp型熱電半導体素子11とを柱の両端面において交互に直列化する構造となっている。ただしL字形状の配線電極30が数カ所含まれ、そこでは同種の熱電半導体素子を2本並列化して利用している。
【0079】
配線電極30の上には配線電極30をすべて覆い隠すように絶縁膜50を形成する。図17には絶縁膜50の構成を示す。そして、絶縁膜50の上にはその一部が引出電極40と接するように2つの電極パッド60を形成する。絶縁膜50と電極パッド60の材料と形成方法も第1の実施の形態と同じである。さらに必要に応じてこれも第1の実施の形態と同じ方法で、電極パッド60の反対面には裏面絶縁膜51と金属パッド61を形成する。
【0080】
この第3の実施の形態においても、熱電素子の作製は一個ずつ行うこともできるが、数個分の大きさの熱電半導体から加工を始め、多数個同時に処理を行うことも可能である。
【0081】
以上の第3の実施の形態では、第1および第2の実施の形態と比べると、2次組合せを行わないことから、材料使用効率が良くなるためコスト的に有利であるとともに、工程的にも容易になり量産化に有利となる。
【0082】
最後に実施の形態の図面内で示しているn型熱電半導体素子10とp型熱電半導体素子11との配置は便宜上表したもので、両者を入れ替えたとしても交互に配置されていれば熱電素子としての特性には問題ない。
【0083】
さらに本実施の形態の熱電素子は複数のn型熱電半導体素子10と複数のp型熱電半導体素子11が縦横に二次元的に複数並んだ構成になっているが、n型熱電半導体素子10とp型熱電半導体素子11が一列に一次元的に並んだだけの素子でも良い。
【0084】
つまりその場合は、図7に示した組合せ工程に引き続き上下面の研削工程に入ることであり、横溝加工が無くなるとともに、配線がパターンの折返しが無く簡素化されることから、製造工程がさらに容易になり、材料の使用効率もさらに向上する。
【0085】
【発明の効果】
本発明の熱電素子はセラミック板などの基板材料を用いないことから、配列した熱電半導体素子の外形と熱電素子外形がほぼ同じであり、余分なリード取り付け部も必要ないことから、小型の熱電素子として有利である。
【0086】
さらにセラミック板などの基板材料の代わりに薄い絶縁膜が配されているだけであり、また熱電半導体素子と基板を接合する半田材も用いないことから、熱電素子の厚みはほとんどが熱電半導体素子の長さとなり、薄型の熱電素子として有利である。
【0087】
また、熱電素子の片面に配されている2つの電極パッドで直接外部回路との接続が可能となるため、リード線を用いる必要が無く実装が容易になると共に、熱電素子以外の余分な空間を設ける必要が無くなりスペース効率が良くなる。
【0088】
さらに本発明の熱電素子の内部には半田材が全く使われていないため、基板や冷却対象物に半田付けで実装する場合、どの種類の半田でも利用が可能となり、実装条件の幅が広がる。
【0089】
そして、本発明の熱電素子の製造工程では、基板を用いた目視不可能な位置あわせが必要なく、マスク合わせ工程のみで電気的接続が出来るため、微小な素子の作製に有利である。
【0090】
さらに本発明の製造工程では、電極パッドを形成するまでを多数個の熱電素子を同時に処理できることから、微小な熱電素子を製造しても個別にハンドリングする工程が無く、非常に製造が容易となる。
【0091】
以上のように本発明は、基板を用いないことから小型、薄型の熱電素子を比較的容易な方法にて提供できるものである。また、備えている電極パッドを利用することで電気的な接合と熱的な接合が同時に行え、余分なスペースが必要なく、使用面でも非常に有効な特徴を有している。本発明で得られる小型の熱電素子は携帯用電子機器内部での温度差発電あるいは半導体素子の局所冷却などへ利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における熱電素子の構造を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態における熱電素子の熱電半導体素子の配列構造を示す斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態における熱電素子の配線電極の構造を示す斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態における熱電素子の裏面の構造を示す斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態における熱電素子の実装形態を示す斜視図である
【図6】本発明の実施の形態における熱電素子の製造工程を示す斜視図である
【図7】本発明の実施の形態における熱電素子の製造工程を示す斜視図である
【図8】本発明の実施の形態における熱電素子の製造工程を示す斜視図である
【図9】本発明の実施の形態における熱電素子の製造工程を示す斜視図である
【図10】本発明の実施の形態における熱電素子の製造工程を示す平面図である
【図11】本発明の第2の実施の形態における熱電素子の配線電極の構造を示す斜視図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態における熱電素子の製造工程を示す斜視図である。
【図13】本発明の第2の実施の形態における熱電素子を示す斜視図である。
【図14】本発明の第3の実施の形態における熱電素子の製造工程を示す斜視図である。
【図15】本発明の第3の実施の形態における熱電素子の製造工程を示す斜視図である。
【図16】本発明の第3の実施の形態における熱電素子の製造工程を示す斜視図である。
【図17】本発明の第3の実施の形態における熱電素子の製造工程を示す斜視図である。
【図18】本発明の第3の実施の形態における熱電素子を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 縦溝
2 縦隔壁
3 n型櫛歯素子
4 p型櫛歯素子
6 横溝
7 横隔壁
8 一体化櫛歯素子
10 n型熱電半導体素子
11 p型熱電半導体素子
20 絶縁スペーサ
30 配線電極
40 引出電極
50 絶縁膜
51 裏面絶縁膜
60 電極パッド
61 金属パッド
70 回路基板
71 接合パッド
80 冷却対象物

Claims (12)

  1. 複数のn型熱電半導体素子とp型熱電半導体素子と、
    前記複数のn型熱電半導体素子とp型熱電半導体素子の間隙に設けられる絶縁スペーサと、
    前記n型熱電半導体素子と前記p型熱電半導体素子の端面に設け、隣り合ったn型熱電半導体素子とp型熱電半導体素子とを電気的に交互に接続する配線電極と、
    連続したn型熱電半導体素子とp型熱電半導体素子の端部に位置する2つの熱電半導体素子に設けられる引出電極と、
    該引出電極が設けられている面の配線電極を覆い、該引出電極の少なくとも一部分が露出するように設けられる絶縁膜と、
    該絶縁膜の上にはその一部分が2つの引出電極にそれぞれ電気的に接続するよう設けられる2つの電極パッドとを有する熱電素子。
  2. 前記絶縁膜が無機物粒子を混入した熱伝導性樹脂からなることを特徴とする請求項1に記載の熱電素子。
  3. 前記電極パッドが電気伝導性樹脂と金属膜との複合膜であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の熱電素子。
  4. 前記絶縁膜が金属粒子を含む熱伝導性樹脂であることを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3に記載の熱電素子。
  5. 前記電極パッドを有する面の反対面には前記配線電極を覆うように裏面絶縁膜を有し、該裏面絶縁膜の上には金属パッドを有することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の熱電素子。
  6. 前記電極パッドまたは前記金属パッドの表面が半田付け可能な金属膜からなることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の熱電素子。
  7. 前記n型熱電半導体素子と前記p型熱電半導体素子の端面以外の部分が絶縁スペーサで覆われていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の熱電素子。
  8. 複数のn型熱電半導体素子とp型熱電電半導体素子とを絶縁スペーサを介して固定する工程と、
    前記n型熱電半導体素子と前記p型熱電半導体素子の端面に配線電極を形成して前記n型熱電半導体素子と前記p型熱電半導体素子とを接続すると同時に、直列化した熱電半導体素子の両端部には引出電極を形成する工程と、
    該引出電極が形成された面にある配線電極を覆い、該引出電極の少なくとも一部分を露出させるように絶縁膜を形成する工程と、
    該絶縁膜の上にはその一部分が2つの引出電極にそれぞれ電気的に接続するよう2つの電極パッドを形成する工程とを有する熱電素子の製造方法。
  9. 複数のn型熱電半導体素子とp型熱電電半導体素子とを絶縁スペーサを介して固定する工程と、
    前記n型熱電半導体素子と前記p型熱電半導体素子の端面に配線電極を形成して、直列化したn型熱電半導体素子とp型熱電半導体素子を複数同時に形成するとともに、それぞれの直列化した熱電半導体素子の両端部には引出電極を形成する工程と、
    該引出電極が形成された面にある配線電極を覆い、該引出電極の少なくとも一部分を露出させるように絶縁膜を複数個同時に形成する工程と、
    該絶縁膜の上にはその一部分が2つの引出電極にそれぞれ電気的に接続するよう2つの電極パッドを形成する工程と、
    同時に形成された複数個の熱電素子を1個ずつ分割する工程とを有する熱電素子の製造方法。
  10. 前記電極パッドが金属粒子を含む電気伝導性樹脂を塗布した後に、前記金属粒子を核として無電解メッキ法により金属膜を形成してなることを特徴とする請求項8はたは請求項9に記載の熱電素子の製造方法。
  11. 前記絶縁膜が金属粒子を含む熱伝導性樹脂を塗布して形成し、前記電極パッドが前記絶縁膜に含まれる前記金属粒子を核として金属膜を無電解メッキ法により形成してなることを特徴とする請求項8または請求項9に記載の熱電素子の製造方法。
  12. 前記絶縁膜の形成工程に引き続き、前記絶縁膜を形成した面と反対面には裏面絶縁膜を形成する工程と、前記電極パッドを形成する工程と同時または引き続いて、前記裏面絶縁膜の上には金属パッドを形成する工程とを有することを特徴とする請求項8から請求項11のいずれか一項に記載の熱電素子の製造方法。
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