JP4284589B2 - 熱電半導体の製造方法、熱電変換素子の製造方法及び熱電変換装置の製造方法 - Google Patents

熱電半導体の製造方法、熱電変換素子の製造方法及び熱電変換装置の製造方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばペルチェ素子等の熱電変換素子を使用した熱電変換装置に用いる熱電半導体の製造方法、熱電変換素子の製造方法及びこれらを用いた熱電変換装置の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ペルチェ効果を利用したペルチェ冷却素子は、熱電(変換)半導体を利用したヒートポンプの一種として知られており、直流電圧を印加することにより、素子の一方の面においては発熱し、他方の面においては吸熱するという特徴を持っており、この原理を活用して、半導体プロセス用恒温プレート、保温庫及びCPU(Central Processing Unit)クーラー等への応用が拡大している。このペルチェ冷却素子は、発熱側と吸熱側との温度差が小さいほど、冷却効果が高くなる。
【0003】
これとは別に、ゼーベック効果を利用したゼーベック発電素子も知られており、素子の片面に熱を加え、素子の上部と下部とで温度差をつけることにより、効率は低いが発電することができ、この原理は発電式の腕時計や小型蓄電池等に活用されている。このゼーベック発電素子は、素子の上部と下部との温度差が大きくなるほど、発生する起電力(熱起電力)が大きくなる。
【0004】
ここで、上記のペルチェ効果及びゼーベック効果等を総称して熱電変換効果と称し、これらの効果を利用したペルチェ冷却素子及びゼーベック発電素子を熱電変換素子と称する。
【0005】
上記のペルチェ冷却素子とゼーベック発電素子とは、動作方法が異なるが、全く同じ構造を有している。
【0006】
図19について、従来の一般的な熱電変換素子(例えば、ペルチェ冷却素子)の構造を説明する。
【0007】
熱電変換素子57を具備した熱電変換装置80においては、板状の金属性下部電極53をそれぞれ形成したアルミナ、窒化アルミニウム等のセラミックス基板の上部支持体74及び下部支持体75の間に、Sb2Te3−Bi2Te3合金等で構成されるp型熱電半導体エレメント(以下、p型エレメント又は単にエレメントと称することがある。)52と、Bi2Te3−Bi2Se3合金等で構成されるn型熱電半導体エレメント(以下、n型エレメント又は単にエレメントと称することがある。)51とを交互に配列し、それぞれの熱電半導体のエレメントを金属性下部電極53にはんだ付けした構造となっている。
【0008】
片方のセラミックス基板74(上部支持体)上には半導体発熱部品等の発熱体58が接触して固定されており、対向する他方のセラミックス基板74(下部支持体)の下部電極53には、熱電変換素子57に直流電圧を印加するためのリード線55が接続されている。
【0009】
そして、一方の基板面側ではn型熱電半導体エレメント51からp型熱電半導体エレメント52へと通電することにより吸熱を行い、他方の基板面側ではp型熱電半導体エレメント52からn型熱電半導体エレメント51へと通電することにより発熱を行うようになっている。
【0010】
ここで、n型熱電半導体エレメント51及びp型熱電半導体エレメント52の材質としての熱電変換材料には、一般に、下記の式で表される性能指数Zが高い材料が用いられる。
【0011】
Z=α2・σ/κ
(但し、αは、熱電半導体材料に1K(ケルビン温度)の温度差が生じた時に得られる起電力のことであって、ゼーベック係数と呼ばれ、またσは熱電半
導体材料の電気伝導率を表し、κは熱電半導体材料の熱伝導率を表す。)
【0012】
従って、性能指数Zの値を大きくするには、電気的な性能を表すα2・σの値を大きくするだけでなく、熱伝導率κの値を小さくしなければならない。
【0013】
しかし、一般に、熱電半導体材料においては、σの値が大きくなると、αの値が小さくなる傾向がある。
【0014】
現在、一般にペルチェ冷却素子として用いられている熱電半導体材料の材質はBi2Te3系の材料であり、その性能指数Zは3.0×10-3-1程度である。
【0015】
他方、図20のように、熱電変換素子57の発熱体に対する熱吸収効率を高くするために、セラミックス基板74を除いたスケルトン構造の熱電変換素子57が提案されている。
【0016】
このスケルトン構造は、n型熱電半導体エレメント51及びp型熱電半導体エレメント52が下部金属電極53及び上部金属電極54によって連結されたもの(この連結状態は、図19に示した装置でも同様である。)であり、各エレメントが、同一形状で向きの同じ2列の上部電極54と、折り返し位置で向きの変更された3列の下部電極53とにより、蛇行状に直列接続されたものである。
【0017】
上記した如き熱電変換装置は、n型エレメント及びp型エレメント51、52が電極53及び電極54を経由し、直列に繋がれているが、エレメントの本数が多いほどペルチェ素子としては吸熱量が大きくなり、ゼーベック発電素子としては発生する起電力が大きくなる。そのため、単位面積あたりのエレメントの本数を多くするようにエレメントの断面積が決められる。なお、現状の細いエレメントのサイズは0.5mm×0.5mm×1.0mm程度である。
【0018】
次に、上記のような熱電変換装置(モジュール)を製造するには、例えば図21に示すように、セラミックス基板からなる下部支持体74上に配線パターン(金属下部電極)53を形成し、セラミックス基板74にn型熱電半導体エレメント51とp型熱電半導体エレメント52とを手作業もしくはロボット81(ロボットアーム)を用いて配置し、各エレメントを上下から挟持した状態ではんだ付けすることにより、図19に示したような熱電変換装置80を組立てる。この場合、n型熱電半導体エレメント51とp型熱電半導体エレメント52とは交互に配置し、下部電極53により直列接続する。
【0019】
ところで、同形状、同色のn型熱電半導体エレメント51とp型熱電半導体エレメント52とを交互に配置しなければならないので、各エレメントを誤った位置に配置したり、小型化したエレメントを扱うために、エレメントの割れや欠けなどの品質上の問題が生じ、組立作業に多大の手数と困難さを伴うという欠点が生じる。
【0020】
そして、エレメント51及び52の配置に上記したようにロボット81を用いた場合、エレメント間の間隔がロボット81のアームの寸法に依存するために、高密度実装工程には不向きである。逆に、n型及びp型エレメント51及び52間の間隔が狭いと、電極にはんだ付けした時に、本来は接続されてはならない電極間ではんだのブリッジが生じてエレメント間で短絡する可能性がある。
【0021】
これらの問題を解決するために、各基板上にn型及びp型熱電半導体ブロックを接合してそれぞれのブロックをダイシングすることにより、n型熱電半導体エレメント51が配列されている基板とp型熱電半導体エレメント52が配列されている基板とを作製し、これらの両基板をエレメントの側で合わせる方法がある。
【0022】
また、n型とp型との熱電半導体ブロックにそれぞれ、細かいピッチで細い溝加工を施して、n型溝入ブロックとp型溝入ブロックとを作成し、これらの溝入加工部同士を垂直にはめ合わせてから接着層で固着して一体化し、熱電変換素子を作製する方法も提案されている。
【0023】
しかし、これらの方法においては、半導体ブロックに溝を形成したり溝入加工後に連結部を削り落とすこと等が必要なために材料のロスがかなり大きい。
【0024】
これに対して図22〜図25に示すような熱電変換装置80の作製方法が考えられる。
【0025】
まず、図22(a)に示すように、エレメント51及び52に相当する厚さのn型及びp型熱電半導体エレメント材51A及び52Aを高分子材(図示せず)で貼り合わせてブロック82とする。
【0026】
その後、図23(b)に示すように、ブロック82を切断ライン83に沿って切断して、図23(c)に示すように、棒状のn型及びp型熱電半導体エレメント材51A及び52Aの接合体からなる分割ブロック84を形成する。
【0027】
次に、図24(d)に示すように、横倒しにした分割ブロック84を切断ライン85に沿って切断して、図24(e)に示すように、n型及びp型熱電半導体エレメント51及び52が交互に配置された棒状エレメント接合体86を作成し、図24(f)に示すように、複数の棒状エレメント接合体86を各導電型エレメント51及び52が交互に配置されるパターンで貼り合わせて、平板状エレメント接合体87を形成する。
【0028】
次に、図25(g)に示すように、平板状エレメント接合体87の上下面に電極材料を蒸着してからパターニングして、図20に示したと同様のパターンに上部電極54と下部電極53とをそれぞれ形成した後に、図25(h)に示すように、用途に応じて各電極を介してエレメント接合体87の上下面に上部支持体75及び下部支持体(保護板)74を接着し、更にはリード線55を接続して、熱電変換装置80を完成する。
【0029】
ここで、現在一般に市販されている熱電変換半導体の材料としては、例えば、SbTe−BiTe合金等で構成されるp型熱電半導体エレメント材と、BiTe−BiSe合金等で構成されるn型熱電半導体エレメント材とが使用されている。
【0030】
そして、これらの材料の製造方法としては、例えば、ブリッジマン法等の一方向凝固処理によってインゴットを作製し、作製されたインゴットを切断してそのままエレメントにする方法や、ブリッジマン法等の一方向凝固処理によってインゴットを作製した後に、このインゴットを粉砕して粉体とし、この粉体を固めて粉体成形体とした後に焼結することにより、強度の高い熱電半導体エレメント材を作製する方法等が一般に知られている。
【0031】
例えば、ホットプレス法、PAS(Plasma Actived Sintering)法又はSPS(Spark Plasma Sintering)法と一般に呼ばれる通電焼結法等の焼結法によりその材料を作製している。
【0032】
ここで、図26に示すように、ホットプレス法又は通電焼結法等に用いる加工法の一例について説明する。
【0033】
まず、図26(a)に示すように、円筒形のダイス93の中央部に設けられた円筒形の貫通孔部92内に、熱電半導体材料からなるインゴットを粉砕した後に円筒形に成形した被焼結材(粉体成形体)91を、孔部92内で上下方向から挟むようにして、パンチ90A及びパンチ90Bを孔部92の上下方向からそれぞれ孔部92内に挿入する。
【0034】
その後に、図26(b)に示すように、パンチ90A及びパンチ90Bによる加圧によって被焼結材91を上下方向から挟む。
【0035】
そして、図27(a)に示すように、薄板形状の被焼結材91を上下方向から圧縮又は通電しつつ焼結することにより、配向性を示す結晶軸方向が圧縮方向になり、圧縮加工面に対して垂直なa軸方向に熱電特性の高い部分が生じ、その結果、焼結材91の中央部に低配向領域71bが生じると共に両側部(圧縮面付近)には高配向領域71aが平面方向に生じる。
【0036】
また、ホットプレス法として、例えばビスマステールル系のエレメント材を溶融し、この溶融されたエレメント材を冷却して合金とした後でこれを粉体にし、この粉体のエレメント材をホットプレス法によってプレスして薄板形状の熱電半導体エレメント材を作製し、この薄板形状の熱電半導体エレメント材を複数枚重ね、その後この複数の熱電半導体エレメント材の薄板面に対して、垂直方向から再度ホットプレス法によって圧縮する方法がある(例えば、特許文献1参照)。
【0037】
更に、PAS法として、チャンバー内部の圧縮及び焼結用の器具内に紛体状の熱電半導体エレメント材を充填し、その粉体を圧縮しかつこの粉体にパルス電流を通電することによって、粉体内に吸着している吸着ガスを放出し粉体同士を焼結させることによって、成形された熱電半導体エレメント材を形成する方法がある(例えば、特許文献2参照)。
【0038】
次に、図27(b)から図28に示すように、圧縮又は通電焼結工程の際に被焼結材91内に生じる物性的メカニズムの発生原理を説明する。
【0039】
まず、図27(b)及び図27(c)は、被焼結材91を構成する粉末の粒子94の模式図であるが、図27(b)は粒子94の焼結前の状態を示している。
【0040】
そして、図27(c)に概略的に示すように、この粒子94を圧縮又は通電焼結すると粒子94がa軸方向に押しつぶされることになり、被焼結材91全体が粒子94同士の焼結による結合により、焼結前の被焼結材91よりも平板状になると共に、結晶軸方向が圧縮方向となり易く、圧縮面付近のa軸方向においては熱電特性の良い高配向領域71aが生じる。
【0041】
即ち、図28の分子構造図に示すように、n型エレメント51及びp型エレメント52に用いるBi−Te系材料である被焼結材91の構造の場合には、Pb−Te、Si−Ge等の材料とは違って六方晶の構造であるために、a軸の方向に熱電特性が高くなる。このように、Bi−Teを焼結するとプレス面付近のプレス方向に対して垂直方向に熱電特性が良い方向(a軸方向)が揃い易くなることが理解できる。
【0042】
【特許文献1】
特開2002−185052号公報(第3項右欄、第5項の図1)
【特許文献2】
特許3245793号公報(第3項右欄〜第4項左欄、第7項の図1)
【0043】
【発明が解決しようとする課題】
次に、図29(a)に示すように、上下方向から圧縮されかつ焼結加工が施されると、上面96と下面97(圧縮面)との間の内部に低配向領域71bが生じ、圧縮面付近に高配向領域71aが平面方向に生じるが、この薄板状の焼結又はプレス成形体95の厚さを例えば1.0mmとする。
【0044】
そして、図29(b)には、焼結又はプレス成形体95をX線回折スペクトルを用いて測定し、板厚(単位:mm)方向での位置毎に得られたスペクトル強度(任意値)を示す。
【0045】
このスペクトルは、角度(2θ)が約43度〜約44度の位置においてピーク強度が高く、その他の位置での強度が低ければ、a軸の配向度が高く、良好な配向状態であることを示し、そうでなければ低配向状態であることを示している。
【0046】
この結果によれば、板厚方向での位置が下面から0mm(下面)〜0.2mm、/0.8mm〜1.0mm(上面)では、角度(2θ)が約43度〜44度の領域においてピーク強度が高く、その他の位置においては強度が低いので、これらの板厚方向の位置、即ち圧縮面から少なくとも0.2mm以内が高配向領域であることが分る。
【0047】
これに反し、板厚方向での位置が圧縮面から0.4mm〜0.6mmの領域は、角度(2θ)が約43度〜約44度でピーク強度が低く、その他の位置においては強度が大きく生じるので、低配向領域である。
【0048】
従って、焼結又はプレス成形体95においては、外面から内部に近づくにつれて配向度が低下する傾向があることを知ることができる。
【0049】
ここで、BiTe系の材料である熱電半導体エレメント材である焼結又はプレス成形体95が上記のように異方性(配向性)を有しているために、上記のようなホットプレス法、PAS法又はSPS法と一般に呼ばれる通電焼結法等の焼結法によりエレメント材を作製する際には、ブリッジマン法やゾーンメルティング法等の一方向凝固法で作製する時に比べ、インゴットとして作製した後に一旦粉砕し、この粉体を圧縮焼結しても、エレメント材内の結晶の配向度が内部で下がって低配向領域が生じ易く、このために、作製された熱電半導体エレメント材の性能指数Zは明らかに低下してしまう。
【0050】
図30には、焼結又はプレス成形体95における板厚方向での配向度(任意値)を表す。ここでは、配向度が相対比で0.8以上である領域を高配向領域71aとする。
【0051】
これによると、板厚方向の距離z(mm)が0mm(下面)〜0.4mmの下面付近においては、配向度が0.8〜1.0であってa軸についての高配向領域71aとなっており、また、板厚方向の距離z(mm)が0.6mm〜1.0mm(上面)の上面付近においても、配向度が0.8〜1.0であってa軸についての高配向領域71aとなっている。しかし、板厚方向の距離z(mm)が0.4mm〜0.6mmの内部においては、配向度が0.5〜0.8となってa軸についての低配向領域71b(図中の斜線で示した部分)となっている。
【0052】
但し、上記の一方向凝固法でインゴットを作製する際には、このインゴットを加工してエレメント材を切り出す時に、結晶性が高くてa軸方向が揃うために一定の方向においてはへき開性があって脆いので、薄板への切出し加工等が困難となり、また既に成形されたインゴットを加工するために、切出し形状の自由度が小さくなる。
【0053】
このため、上記の圧縮又は通電焼結法等を用いるならば、インゴットの切出し加工を行う必要がなく、エレメントへの加工の自由度が大きくなる。しかし、上記したように、粉体の圧縮焼結は、得られた成形体の内部での配向度が低下してしまうという欠点を回避できない。
【0054】
本発明は、上記のような状況に鑑みて成されたものであって、その目的は、高配向度で性能のばらつきも少ない熱電半導体、熱電変換素子又は装置を作業性良く製造することができる製造方法を提供することにある。
【0055】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、熱電半導体材料を少なくとも圧縮加工して圧縮加工体を形成する工程を経て所定形状の圧縮加工体を作製する工程と;前記圧縮加工体のうち、圧縮加工面より内部の領域を前記圧縮加工面に沿って所定厚みだけ除去する工程と;を有する、熱電半導体の製造方法であって、
前記圧縮加工面側が高配向領域であり、前記内部が低配向領域であり、前記高配向領 域が相対比で0.8以上の配向度を有している前記圧縮加工体のうち、前記低配向領域 を前記圧縮加工面と平行に除去する、
熱電半導体の製造方法に係るものである。
【0056】
本発明は又、上記の前記熱電半導体を得る工程と;前記熱電半導体として得られた互いに導電型の異なる第1及び第2熱電半導体を絶縁材を介して接合して熱電半導体接合体を形成する工程と;前記熱電半導体接合体を分割してエレメント接合体を形成する工程と;複数の前記エレメント接合体を接合し、この両面に第1電極及び第2電極をそれぞれ形成する工程と;を有する熱電変換素子又は装置の製造方法であって、
前記圧縮加工面側が高配向領域であり、前記内部が低配向領域であり、前記高配向領 域が相対比で0.8以上の配向度を有している前記圧縮加工体のうち、前記低配向領域 を前記圧縮加工面と平行に除去する、
熱電変換素子又は装置の製造方法に係るものである。
【0057】
本発明は又、熱電半導体材料を少なくとも圧縮加工して圧縮加工体を形成する工程と;前記圧縮加工体として得られた互いに導電型の異なる第1及び第2圧縮加工体を絶縁材を介して接合して熱電半導体接合体を形成する工程と;前記熱電半導体接合体を前記圧縮加工面と交差する方向に切断してエレメント接合体を形成する工程と;第1支持体上に第1電極を介して前記エレメント接合体を固定する工程と;前記エレメント接合体の熱電半導体のうち、前記圧縮加工面より内部の領域を前記圧縮加工面に沿って所定厚みだけ除去して一対の熱電半導体エレメント列に分割すると共に、前記電極も各列に分割する工程と;を有する熱電変換素子又は装置の製造方法であって、
前記圧縮加工面側が高配向領域であり、前記内部が低配向領域であり、前記高配向領 域が相対比で0.8以上の配向度を有している前記エレメント接合体のうち、前記低配 向領域を前記圧縮加工面と平行に除去する、
熱電変換素子又は装置の製造方法も提供するものである。
【0058】
ここで、本発明において前記圧縮加工体とは、熱電半導体材料を少なくとも圧縮加工して形成する加工体は勿論、この圧縮加工体を切断して分割した状態の加工体も包含するものである。また、前記熱電半導体、熱電変換素子とは、熱電変換装置を製造するための材料、熱電変換装置の部品又は部分としての素子を意味する。そして、電極がエレメント側に形成されている場合だけでなく、支持体側にある場合でも熱電変換素子とし、支持体のない状態(スケルトン)であっても熱電変換装置となる場合がある。
【0059】
本発明によれば、前記熱電半導体材料の前記圧縮加工体のうち、前記圧縮加工面より内部の領域(前記低配向領域)を前記圧縮加工面と平行に除去する工程を有するために、前記圧縮加工体内部の圧縮加工性の不十分な低配向領域を除去し、前記圧縮加工性及び熱電変換特性の良好な高配向の熱電半導体を得ることができる。従って、このような高配向度で性能のばらつきの少ない前記熱電半導体の分割、接合等によって、高性能の熱電変換素子又は装置を作業性良く製造することができる。
【0062】
【発明の実施の形態】
本発明においては、前記高配向領域からなる前記熱電半導体の厚さを0.4mm〜2mm以下とするのが好ましい。
【0063】
また、前記圧縮加工体を前記圧縮加工面と交差する方向に切断し、この切断片に対し前記除去工程を行ってもよい。
【0064】
また、凝固法によって熱電半導体インゴットを作製し、このインゴットを粉体化し、この粉体を圧縮焼結して前記圧縮加工体を得るのが好ましい。
【0065】
また、前記熱電変換素子又は装置の強度を向上させるために、前記第1及び第2電極の少なくとも一方の面に支持体を形成するのがよい。
【0066】
また、前記熱電半導体エレメント列をこのエレメント列と交差する方向に分割して個々の熱電半導体エレメントに分離するのが好ましい。
【0067】
この場合、前記熱電変換素子又は装置としての強度向上のために、熱電半導体エレメント上に第2電極を介して第2支持体を接合するのがよい。
【0068】
また、前記エレメント接合体に前記第1電極及び前記第2電極をそれぞれ被着形成した後、前記支持体をこれらの電極上に固定してもよい。
【0069】
また、前記エレメント接合体に前記第1電極又は前記第2電極を被着形成した後、前記エレメント接合体を前記支持体上に固定してもよい。
【0070】
また、前記熱電半導体エレメント間に絶縁材を充填し、露呈した前記熱電半導体エレメントに前記第2電極を形成してもよい。このように、前記分割又は切断位置に絶縁物質を充填すると、各エレメント接合体間が補強され、強度的に有利であり、また断熱効果も得られる。
【0071】
また、導電型が異なるか或いは導電型の同じ2つの前記熱電半導体エレメントを分割溝を介して対向し合って配列してもよい。
【0072】
また、前記エレメント接合体を複数列に配列し、互いに隣接するエレメント接合体列の端部において前記第2電極の側で、一方の列の第1熱電半導体エレメントと他方の列の第2熱電半導体エレメントとを、前記第1又は第2熱電半導体エレメントの列を越えて接続してもよい。
【0073】
また、前記第1電極又は第2電極と前記熱電半導体エレメントとの間に反応防止層を設けると、電極形成時の熱で電極材料と熱電半導体エレメント材料とが反応して変質することを防止できる。例えば、熱電エレメント上に電極層をスパッタ、蒸着等により被着する場合は、電極層となる銅又はアルミ金を熱電エレメント材料と反応させないために、金、ニッケル、モリブデンやタングステン等の反応防止層を設けることが望ましい。
【0074】
また、熱伝導効率を高めるために、グラファイト等の高熱伝導体を一体化した支持体を、前記エレメント接合体の少なくとも前記第2電極の側に配するのが好ましい。
【0075】
また、前記第2電極側に発熱体を配置し、前記第1電極側を放熱側とすることができる。
【0076】
更に、前記熱電半導体エレメント材としては、ペルチェ素子材料の代表的な例として知られるSb2Te3−Bi2Te3合金、Bi2Te3−Bi2Se3合金等や、Si−Ge合金、CoSb3系合金、FeSi2系合金、YbAl3系合金、NaCo24、Pb−Te系合金などの合金又は酸化物熱電変換材料及び導電性ポリマーからなる有機物熱電変換材料が挙げられるが、これに限定されるものではない(以下、同様)。
【0077】
また、少なくとも、直列接続を行う熱電半導体エレメントへの通電ロスを抑えるために、電極上にニッケルめっき、金めっき、はんだバンプ等を施しても良い。
【0078】
また、熱電半導体エレメント上に電極を設けて支持体を接着してよいが、これ以外にも、セラミックス等の支持体上に電極をめっき、ペースト印刷で形成したり、メタライズやDBC(Direct Bonding-Copper)等で形成し、これを熱電半導体エレメントと接着してもよい(この場合も、前記反応防止層を電極の上に設けることが望ましい)。
【0079】
なお、前記支持体は、セラミックス、例えばアルミナ、ジルコニア、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、炭化ケイ素等の良熱伝導性材料が望ましい。
【0080】
また、これに代えて、高分子体、又はグラファイト等の高熱伝導体を一体化した前記高分子体からなる支持体を、前記熱電エレメントの少なくとも前記第2電極の側に配すると、装置の安定保持及び均一な熱電変換効果の点で望ましく、特に、前記高分子体のフィルムのほぼ全面に亘って、前記高熱伝導体のシートを設けるのがよい。
【0081】
この場合、前記高分子体の材質として、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート及びポリエーテルサルホンからなる群から選ばれた少なくとも一種、又は高熱伝導性のフィラーが充填された熱伝導性シリコーンゴムを用いることが熱電変換装置に可撓性を持たせる点で望ましい。また、前記高熱伝導体として、グラファイトシート、アルミニウム箔又は銅箔が被着されていることが、面内に熱が分散し易いため、面内の熱分布を均一にして熱電変換効率を高める点で望ましい。
【0082】
そして、一方の面側に発熱体を配置し、他方の面側を放熱側とする熱電変換装置、特にペルチェ素子又はゼーベック発電素子を用いた装置を構成することができる。
【0083】
次に、本発明の好ましい実施の形態を図面参照下に具体的に説明する。
【0084】
第1の実施の形態
本実施の形態においては、図1(a)に示すように、一方向凝固法で得られたインゴットを粉砕し、この粉体を成形した薄板形状のn型熱電半導体エレメント材1Aを上下方向から圧縮して焼結することにより、結晶軸方向が圧縮方向であってこれと直交するa軸方向に熱電特性が高い部分を生じさせるが、圧縮加工後のエレメント材1Aの中央部には低配向領域1bが生じ、圧縮面付近には高配向領域1aが平面方向に生じる。
【0085】
このような圧縮焼結自体は図29等で既述したものと同様である。即ち、n型熱電半導体エレメント材1Aの作製方法としては、例えば、ビスマス、テルル又はセレン等の純度5N(99.999%)以上の原材料を所定の比で調合し、それを溶融した後に得られたインゴットを粉砕し、この粉体を一次成形することによって、例えば、長さ及び幅10mmで厚さ2mmの板状のn型熱電半導体エレメント材料を得る。
【0086】
そして、これをホットプレス法又はPAS法又はSPS法によって圧縮焼結加工することにより、面内方向に平行にa軸がそろった高配向領域1aとa軸があまりそろっていない低配向領域1bを有し、長さ及び幅10mm及び厚さ1.2mmの薄板状のn型熱電半導体エレメント材1Aを得ることができる。ここで、図中に示した矢印は結晶のa軸方向を示している。
【0087】
次に、図1(b)に示すように、圧縮後のn型熱電半導体エレメント材1Aを、後の工程で作製されるn型熱電半導体エレメントの高さと同じである幅(1.0mm)で、ダイシングブレード15を用いてa軸方向に対して交差する方向に切断することによって、例えば、長さ10mm、厚さ1.2mm及び幅1mmの角柱状のn型熱電半導体エレメント材1Aを得る。
【0088】
ここで、前記高配向領域からなるエレメント材1Aの厚さを0.4mm〜2mm以下とするのが好ましい。
【0089】
次に、図1(c)に示すように、この角柱状のn型熱電半導体エレメント材1Aを横方向に90度倒し、長さ10mm、厚さ1.0mm及び幅1.2mmの角柱状のn型熱電半導体エレメント材1Aとして、上下方向に平行にa軸がそろった高配向領域1a及びa軸があまりそろっていない低配向領域1bを上面に露呈させる。
【0090】
次に、図2(d)に示すように、n型熱電半導体エレメント材1Aにおいて中央部に存在する低配向領域1bのみをダイシングブレード15によって切断除去する。
【0091】
この時に、例えば、ダイシングブレード15の刃厚を180μmとする場合には、切断時のダイシングブレード15の刃のぶれによる切断部分の増大が幾分生じるために、実際の切断部の幅は200μmと大きめになる。
【0092】
これにより、図2(e)に示すように、熱電変換性能の高い高配向領域1aのみからなり、長さ10mm、幅0.5mm及び高さ1mmの角棒状のエレメント材1Aを2本得ることができる。
【0093】
次に、ビスマス、テルル又はアンチモン等の純度5N(99.999%)以上の原材料及びドーパントを所定の比率で調合し、上記の図1(a)〜図2(e)と同様の工程を経ることによって、長さ10mm、幅0.5mm及び高さ1mmの角棒状のp型熱電半導体エレメント材12Aを作製する。
【0094】
次に、図2(f)に示すように、長さ10mm、幅0.5mm及び高さ1mmの角棒状のn型熱電半導体エレメント材1Aの側面と、同サイズ及び形状の角棒状のp型熱電半導体エレメント材12Aの側面とを、a軸方向が上下方向になるようにして、幅0.01mm(10μm)の絶縁材3を介して貼り合わせる。
【0095】
次に、図2(g)に示すように、この貼り合わせたものをダイシングブレード15によって0.5mm幅で切断して個片化する。このようにして、図3(h)に示すように、長さ1.01mm、幅0.5mm及び高さ1mmの、n型熱電半導体エレメント1とp型熱電半導体エレメント12とからなるエレメント対5を得る。
【0096】
次に、図3(i)に示すように、エレメント対5を平板状に複数組み合わせて接着剤(図示せず)で貼り合せ、各導電型の熱電半導体エレメント1及び12が交互に配置された状態のパターンの平板状エレメント接合体6を形成する。
【0097】
この平板状エレメント接合体6は、エレメント対5が36対(エレメント数72本、長さ方向12個及び幅方向6個)組み合わされ、長さ6.06mm、幅3.0mm及び高さ1.0mmの寸法(但し、接着剤の厚みは無視)の平板状エレメント接合体6(熱電変換素子ブロック)である。
【0098】
次に、図4(j)に示すように、平板状エレメント接合体6の上下面に、n型熱電半導体エレメント1とp型熱電半導体エレメント12とを接続するために、電極材料として金を蒸着してパターニングすることによって、図20に示したのと同様のパターンに上部電極7と下部電極8とをそれぞれ形成する。
【0099】
その後、図4(k)に示すように、用途に応じて上部電極7及び下部電極8の外面に、エレメント保護用のセラミックス基板である上部支持体24及び下部支持体(保護板)19を接着し、更には配線用のリード線10を下部電極8に接続して熱電変換装置11を完成する。
【0100】
この熱電変換装置について、図5(A)及び図5(B)に示すように、上記の熱電半導体エレメント材1Aに相当する焼結又はプレス成形体28における配向度と板厚方向の距離z(mm)との相関特性を示す。ここで、配向度が0.8以上の領域を高配向領域1aとし、配向度が0.8未満の領域を低配向領域1bとする。これは、配向度が0.8未満であると、熱伝達特性が低くてエレメントの材質としては不適当となるからである。
【0101】
図5(A)に示すように、板厚方向の距離z(mm)が0mm(下面)〜0.4mmの領域は、配向度が0.8〜1.0となってa軸が高配向した領域1aであることを示す。また、板厚方向の距離z(mm)が0.6mm〜1.0mm(上面)の領域も、配向度が0.8〜1.0となってa軸が高配向した領域1aであることを示す。また、板厚方向の距離z(mm)が0.4mm〜0.6mmの領域(図中の斜線で示した部分)は、配向度が0.5〜0.8となって低配向領域1bであることを示す。
【0102】
そこで、図5(B)に示すように、図2で述べたように低配向領域1bをダイシングブレード等で切断除去することによって、配向度が0.8以上の高配向領域1aのみからなるn型熱電半導体エレメント材1A(又はp型熱電半導体エレメント材12A)を得ることができる。
【0103】
なお、上部電極7又は下部電極8の形成工程においては、例えば、DBC(Direct Bonding Copper)法等により、上記の窒化アルミからなる支持体19又は24上に100μmの厚さの銅電極7又は8を設け、これをエッチングして電極パターンを形成し、更にその上に腐食防止及び熱電半導体エレメント1及び12内への銅原子の拡散防止又は反応防止のために金メッキを行うこともできる。
【0104】
この銅からなる電極層7及び8と金からなる反応防止層の形成方法については、DBC法に限らずめっき等のメタライズ等で設けてもよい。また、エレメント1及び12への電極7及び8の接続工程においては、リフローによるはんだ接続法、導電性接着剤による接着法、メタライズされた電極面の熱拡散接合法及び超音波接合法等によって行ってもよい。
【0105】
また、上部及び下部支持体19及び24は、熱電変換装置11の稼動に伴う加熱による熱膨張等で変形し易い材質であるが、この変形を抑制するために、上部及び下部支持体19及び24の外側の面で、上部及び下部電極7及び8面に対し上部及び下部支持体19及び24の反対側の面にも、同様に厚さ100μmの銅層及び金メッキ層を設ければ、熱膨張時の変形を抑制し易くすることもできる。
【0106】
また、このように、各支持体19及び24の外側の面に電極として使用可能な銅層や金メッキ層を設けることにより、これらの層を発熱素子の外部端子として用いてもよく、更には、電極として用いることによって熱電変換素子と冷却部とを直接にはんだ付けすることも可能となる.
【0107】
支持体19及び24として使用可能なセラミックス板は、窒化アルミのみならず、ジルコニア、窒化ケイ素、アルミナ及び炭化ケイ素等の熱伝導性の良い材料で形成するのが望ましい。
【0108】
ここでは、例えば、材質が窒化アルミで、幅5mm、長さ5mm及び高さ0.3mmのサイズのセラミック基板であり、これらの上部支持体24上及び下部支持体19を用いることによって、平板状エレメント接合体6、上下の電極7及び8等を加えると、幅5mm、長さ5mm及び高さ2.0mmの熱電変換装置11を作製することができる。
【0109】
なお、支持体19及び24であるセラミックス基板や半導体基板をより薄くしたり厚くしたりしてもよいし、この熱電変換素子11におけるエレメント1及び12の寸法や対数および各電極の寸法は任意に変更し得るものである。また、これらの熱電変換素子11のn型エレメント材1とp型エレメント材12との配置パターンが逆になっても何ら問題は無い。
【0110】
本実施の形態によれば、圧縮焼結加工されたn型熱電半導体エレメント材1A(又はp型熱電半導体エレメント材12A)について圧縮加工面より内部の低配向度領域1bを圧縮加工面に沿って所定厚みだけ切断して除去するために、高配向度領域のみからなる熱電変換特性の良好な熱電半導体エレメント材1A又は12Aを得ることができるので、これらの熱電変換特性の良好な熱電半導体エレメント材を用いることによって、高配向で熱電変換性能が高くて均一な高効率の熱電変換装置11を製造することができる。
【0111】
また、エレメント対5を複数貼り合わせて平板状エレメント接合体6を形成するので、平板状エレメント接合体6の形状が保持され、取扱いが容易となり、図21に示したものと比べて熱電変換装置の組み立てが容易となる。
【0112】
第2の実施の形態
本実施の形態においては、図6(a)〜図7(c)に示すように、それぞれが独立した状態のエレメント対5を、下部支持体19上に形成された下部電極8上に一定の間隔を設けて配置する以外は、第1の実施の形態と同様である。
【0113】
まず、図6(a)に示すように、上記の図1(a)〜図3(h)の工程を経てエレメント対5を作製した後に、下部支持体19上に所定パターンに形成された下部電極8上に、それぞれのエレメント対5を一定の間隔を置いて配置し、固定していく。
【0114】
その結果、図6(b)に示すように、複数のエレメント対5を分離溝21及び22によって例えば0.4mmの間隔で配置固定することにより、下部支持体19上で下部電極8によって互いに接続することができる。
【0115】
次に、図7(c)に示すように、上部電極(図示せず)を形成した上部支持体24を下部支持体19上のエレメント対5上に重ねて固定し、上部電極と接続して、熱電変換素子2を組み込んだ熱電変換装置11を作製する。ここで、上部電極及び下部電極8はめっき等で形成することができ、またエレメント1及び12への上部電極及び下部電極8の接続は、リフローによるはんだ接続、導電性接着剤、メタライズされた電極面の熱拡散接合、超音波接合等によって行ってもよい。
【0116】
図8には上下電極7及び8の電極パターンを示すが、上部電極7を下部電極8上において各エレメント1及び12に対応して重ね合せて、上部電極7と下部電極8とをエレメント1及び2にそれぞれ接続すれば、例えばペルチェ素子として使用する場合には、電流が上部支持体24の側(発熱体側)ではn型熱電半導体エレメント1からp型熱電半導体エレメント12へと流れて吸熱し、下部支持体19の側(放熱側)ではp型熱電半導体エレメント12からn型熱電半導体エレメント1へと流れて発熱する(これは、第1の実施の形態でも同様)。
【0117】
本実施の形態によれば、下部電極8を予め下部支持体19上に設けた後に平面状エレメント接合体6と接合するために、平面状エレメント接合体6の上面又は下面に直接下部電極8を設ける場合と比べて、電極形成時での電極材料と半導体材料との反応防止策を考慮しなくてもよいという利点がある。
【0118】
その他、本実施の形態においても、上述の第1の実施の形態で述べたのと同様の作用及び効果が得られる。
【0119】
第3の実施の形態
本実施の形態は、図9〜図16に示すように、上述したと同様に圧縮加工された熱電半導体エレメント材を複数枚貼り合わせた後に、切断して分割ブロックを作製し、この分割ブロックを下部支持体上の下部電極材料層上に固定し、この固定した状態で分割ブロック内の低配向領域及び下部電極材料層の一部を切断して、エレメント対を下部電極上に形成する。
【0120】
本実施の形態においては、図9(a)に示すように、図1(a)に示したのと同様の作製工程を経て、例えば、幅4.5mm、長さ4.5mm及び高さ0.95mmの寸法を持つ薄板状のn型熱電半導体エレメント材1Aと、これと同サイズ及び形状のp型熱電半導体エレメント材12Aとを作製する。
【0121】
次に、これらを、図9(b)及び図10(c)に示すように、例えば、厚さ10μmの絶縁材3を介して複数枚貼り合わせて、接合体ブロック14とする。ここでa軸方向は上下方向となる。
【0122】
次に、図10(b)に示すように、接合体ブロック14を薄板の厚み方向にダイシングブレード15等により切断し、図11(e)に示すように、所定幅例えば1mm幅の分割ブロック29を作製する。更に、図11(f)に示すように、この分割ブロック29を横倒ししてa軸方向を上面に存在させる。
【0123】
次に、図12(g)に示すように、分割ブロック29を固定するために、例えば幅5mm、長さ5mm及び厚さ0.3mmの窒化ケイ素からなる下部支持体19を作製する。
【0124】
この下部支持体19上には、例えば、金からなる厚さ1μmの保護膜(反応防止膜)16と、銅からなる厚さ100μmの電極層17とで構成される下部電極材料層18を、DBC法等によって形成しておく。
【0125】
次に、図12(h)に示すように、分割ブロック29を下部電極材料層18上にはんだ等を用いて接着固定する。各エレメント材1A及び12Aには高配向領域1a及び低配向領域1bがそれぞれ存在している。
【0126】
このとき、熱電材料の性能の高い方向(a軸方向)が下部支持体19の面に対して直交する方向に自動的に配置されることになる。
【0127】
次に、図13(i)に示すように、n型及びp型熱電半導体エレメント材1A及び12Aの中央位置にある低配向領域1b部分を、電極材料層18の一部と共にそれぞれ、エレメント材の長辺方向に平行してダイシングブレード15によって切断除去する。この切断工程においては、各エレメント材1A及び12Aが絶縁材3で強固に接合されているために、ダイシングブレード15の刃ブレやエレメント材の欠け等を生じさせずに良好に行うことができる。
【0128】
これによって、図13(j)に示すように、各エレメント材1A及び12Aを電極材料層18と共に所定幅に分割することができる。
【0129】
この切断分割工程によって、n型エレメント材1A及びp型エレメント材12Aの対が絶縁材3を介して一体化された各エレメント接合体20を作製する。各接合体20間の分離溝21は、ダイシングブレード15の刃厚に相当する間隔である。
【0130】
このように、下部支持体19上に固定された分割ブロック29を切断する際には、この工程を行うと同時に下部支持体19上の下部電極8も切断して分離するが、分割された下部電極8同士の接触による短絡を確実に防ぐために、若干であればセラミックス基板である下部支持体19の一部をも切削してしまっても止むを得ないが、もし確実に電極間のみを分離できるならば、強度上の点から下部支持体19を部分的にでも切削しないのが好ましい。
【0131】
次に、図14(k)に示すように、ダイシングブレード15によって接合体20を短辺方向に平行して切断する。この切断工程においても、各エレメント材1A及び12Aが絶縁材3で強固に接合されているために、切断工程が良好に行える。
【0132】
即ち、最初にダイシングした方向に対して直交する方向に接合体20を切断し、エレメント対5としてそれぞれ孤立させると共に電極材料層18も分断する。この切断された部分の幅を例えば0.15mmとし、孤立したエレメント対5のサイズを幅0.4mm、長さ0.4mm及び高さ1.0mmとしてよいし、エレメント対5の数を32対(p型エレメント12を32個及びn型エレメント1を32個)使用する構造としてもよい。
【0133】
これによって、図14(l)に示すように、接合体20は、分離溝21及び22によって、所定の寸法の各n型熱電半導体エレメント1及びp型熱電半導体エレメント12との対に、それぞれのエレメントの下部に設けられている下部電極材料層18と共に分割されるために、これらのエレメント1及び12が絶縁材3で接合一体化されかつ下部電極8で互いに接続された複数のエレメント対5の集合体を作製することができる。
【0134】
次に、図15(m)に示すように、例えば、幅5mm、長さ5mm及び高さ0.3mmの窒化ケイ素からなる上部支持体24の下面に、所定パターンの上部電極7をDBC法等で形成する。この電極パターン7は例えばドライエッチング、スクリーン印刷法及びめっき法等で形成してよい(但し、図面では理解容易のために、上部支持体24を透視して上部電極7が示されている:以下、同様)。
【0135】
次に、図15(n)に示すように、複数のエレメント対5が接続された下部電極8に配線用のリード線10を接続する。
【0136】
次に、図15(o)に示すように、上部電極パターン7を形成した上部支持体24を下部支持体19上の複数のエレメント対5と接続して、熱電変換素子2を組み込んだ熱電変換装置11を作製する。ここで、電極の接続方法については、リフローによるはんだ接続法、導電性接着剤、メタライズされた電極面の熱拡散接合及び超音波接合等を用いてもよい。
【0137】
図16(a)及び図16(b)には、上下の電極7及び8のパターンを示すが、図示の状態で上部電極7を下部電極8上に各エレメントに対応して重ね合せ、各エレメント1及び12にそれぞれ接続すれば、ペルチェ素子として、電流の向きが上部支持体24の側(発熱体側)ではn型熱電半導体エレメント1からp型熱電半導体エレメント12へと流れて吸熱し、下部支持体19の側(放熱側)ではp型熱電半導体エレメント12からn型熱電半導体エレメント1へと流れて発熱する。
【0138】
なお、上部電極7の形成パターンにおいては、互いに隣接するエレメント接合体の列の端部で、一方の列のエレメント1と他方の列のエレメント12とを、前者又は後者のエレメント1又は12の列を越えて接続する上部電極接続パターン7aを設けるのが、各列間でのエレメント1及び12同士の接続を行う上で望ましい。
【0139】
上記したように、本実施の形態によれば、複数のn型熱電半導体エレメント1〜1間及び複数のp型熱電半導体エレメント12〜12間が分割されていることが特徴的である。
【0140】
このような構造を作製するには、予め、比較的厚めの各熱電半導体エレメント材1A及び12Aからなる接合体ブロック14(図10(c)を参照)に加工し、これを分割して各熱電半導体エレメント材1A及び12Aからなる接合体の分割ブロック29を形成し、下部電極材料層18の設けられた下部支持体19上に分割ブロック29を固定した後に、分割ブロック29及び下部電極材料層18の一部を所定幅で切断して分割することによって、所定幅の各熱電半導体エレメント1及び12の対を容易かつ高効率に形成することができる。
【0141】
従って、図21に示した従来例のように、チップ状に加工したエレメントをロボット又は手作業で1つ1つ配列して個々に組立、接合する場合や、薄い熱電エレメント材の接合体を切断する場合に比べて、小型化したエレメントを用いた組立の作業性が格段に向上し、その製造能率が大幅に向上し、かつ切断、分割前に薄板状の各熱電半導体エレメント材1及び12を位置決めして接合すればよいことから、異なる種類のエレメント材を誤って配置してしまうことがなく、位置決めを確実に簡素かつ安価に行える。
【0142】
また、エレメント接合体20は強度的にも十分であって十分な厚さも有しているために、切断時の割れや欠けがなくなると共に切断を容易かつ確実に行なえ、高密度のエレメント実装が可能となる。
【0143】
また、元のp型及びn型熱電半導体エレメント材1A及び12Aの板厚を薄くし、これに対応してダイシングブレード15の刃厚も薄くすれば、より微細に加工された小型の熱電変換素子を作成することが可能となる。
【0144】
その他、本実施の形態においても、上述の第1の実施の形態で述べたのと同様の作用及び効果が得られる。
【0145】
第4の実施の形態
本実施の形態は、図17(a)〜図18(d)に示すように、上記の図15(n)と同様に、下部支持体19上にそれぞれ物理的又は電気的に独立したエレメント対5及びその下部にある下部電極8を配置したものを作製し、続いてこのエレメント対5間に樹脂を充填し、その充填を行う際に樹脂上に露呈するエレメント対5の上に上部電極を設ける。
【0146】
まず、図17(a)に示すように、上記の図9(a)〜図14(l)の工程を経ることによって、複数の孤立化したエレメント対5及びその下部にある下部電極8が下部支持体19上に配置固定された状態のものを作製する。
【0147】
次に、図17(b)に示すように、所定のエレメント対5の下部電極8にそれぞれリード線10を接続した後、エレメント対5間の分離溝21及び22にエポキシ樹脂等の樹脂25を充填して各エレメント対5間に埋め込む。この場合、樹脂25の上面には各エレメント1及び12の端面を露呈させておく。
【0148】
次に、図18(c)に示すように、樹脂25及び各エレメント1及び12の端面上に、上部電極7の材料、例えば、銅(Cu)をスパッタ法又は蒸着法等で被着し、その後にパターニングすることによって、図16(b)に示した上部電極パターンと同じパターンで、各エレメント1及び12に接続された上部電極7及び上部電極パターン7aを形成して熱電変換装置11を完成する。
【0149】
本実施の形態においては、図18(c)に示すように、エレメント対5間の分離溝21及び22に樹脂25を充填して、エレメント対5全体を樹脂25で固めているために、熱電変換素子としての強度が向上しかつエレメント対5間の断熱性も確保することができる。
【0150】
また、樹脂25上に露呈させた各エレメント対5の端面に上部電極7等を形成することができるので、樹脂25が上部電極7等の形成の基板及び保護板として機能することができ、これによって上部支持体を不要とすることが可能となると共に、その際には熱電変換装置11の全厚を減らしてより薄型化することができる。
【0151】
また、上部支持体24上に上部電極7を設けることができるために、上部電極7上に発熱体(図示せず)を直接に配置固定することもでき、吸熱効率を向上させることができる。また、下部電極8の一部がエレメント対5の下部から下部支持体19の側面にはみ出しているので、この部分にリード線10を接続し易くなる。
【0152】
また、図18(d)に示すように、熱電変換素子11の上部に発熱体(図示せず)を固定する時には、熱電変換素子11と発熱体との間を絶縁するために、例えば、熱電変換素子11の上部にアルミナ等のセラミックス板を設けてもよいし、ポリエチレンテレフタレート又はポリイミド等の高分子シート26を一体化して形成してもよい。
【0153】
ここで、高分子シート26はフレキシブルな材質であるが熱伝導率が悪いために、熱電変換素子11の稼動時に熱電変換素子11の面内で熱分布が不均一となる場合がある。
【0154】
これを防ぐには、熱電変換素子11の面内で熱を均一に放熱するために、例えば、熱伝導性の良好なグラファイトシート、銅箔及びアルミ箔等の高熱伝導性シート27を高分子シート26のほぼ全面に亘って高分子シート26の間に挟んだ構造によって上部支持体24を形成するのが好ましい。
【0155】
その他、本実施の形態においても、上述の第1の実施の形態で述べたのと同様の作用及び効果が得ることができる。
【0156】
以上に述べた本発明の実施の形態は、本発明の技術的思想に基づいて更に変形が可能である。
【0157】
例えば、エレメント材料の大きさ等に応じて圧縮加工条件を変化させることによって、切断量を最低限に抑えることもできる。
【0158】
また、上述の例では、n型熱電半導体とp型熱電半導体とを貼り合わせているが、この貼り合わせ工程の際に、これらの熱電半導体の配列順序等を上述したものと逆にしてもよい。また、発熱側の支持体又は吸熱側の支持体に形成する電極のパターンも種々変更してよいし、熱電半導体エレメントのサイズ、対の数及び形成方法等も様々であってよい。
【0159】
また、熱電変換装置の各構成部分、例えば熱電半導体エレメントは勿論、各エレメント間を接着する接着材、電極材等の材質や形状、及び電極の熱電エレメント又は支持体への形成方法、熱電半導体エレメント材の切断手段や切断方法等も変更してよい。
【0160】
また、熱電変換装置の表面側に高熱伝導性シートを有する高分子シートを設けた上述の例において、高分子シートのみを設けることも可能であり、或いは高分子シートは設けなくてもよい。
【0161】
また、熱電変換装置は、例えば図4(k)の状態のものであるが、図4(j)のような状態、即ち支持体のない状態でも、図20に示したようなスケルトン構造の熱電変換装置として提供できる。
【0162】
なお、上述した例では、ヒートポンプ等として好適なペルチェ素子について説明したが、発電素子としてのゼーベック素子にも勿論適用可能である。
【0163】
【発明の効果】
上述したように、本発明によれば、前記熱電半導体材料の前記圧縮加工体のうち、前記圧縮加工面より内部の領域(前記低配向領域)を前記圧縮加工面と平行に除去する工程を有するために、前記圧縮加工体内部の圧縮加工性の不十分な低配向領域を除去し、前記圧縮加工性及び熱電変換特性の良好な高配向の熱電半導体を得ることができる。従って、このような高配向度で性能のばらつきの少ない前記熱電半導体の分割、接合等によって、高性能の熱電変換素子又は装置を作業性良く製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による熱電変換装置の製造方法の一工程を示す斜視図である。
【図2】同、他の一工程を示す斜視図である。
【図3】同、他の一工程を示す斜視図である。
【図4】同、他の一工程を示す斜視図及び完成された熱電変換装置を示す斜視図である。
【図5】同、切断前の焼結又はプレス成形体の配向度と板厚方向の距離との相関特性を示すグラフ(A)、及び切断後の焼結又はプレス成形体の配向度と板厚方向の距離との相関特性を示すグラフ(B)である。
【図6】本発明の第2の実施の形態による熱電変換装置の製造方法の一工程を示す斜視図である。
【図7】同、完成された熱電変換装置の斜視図である。
【図8】同、電極パターンを示す平面図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態による熱電変換装置の製造方法の一工程を示す斜視図である。
【図10】同、他の一工程を示す斜視図である。
【図11】同、他の一工程を示す斜視図である。
【図12】同、他の一工程を示す斜視図である。
【図13】同、他の一工程を示す斜視図である。
【図14】同、他の一工程を示す斜視図である。
【図15】同、他の一工程を示す斜視図及び完成された熱電変換装置の斜視図である。
【図16】同、電極パターンを示す平面図である。
【図17】本発明の第4の実施の形態による熱電変換装置の製造方法の一工程を示す斜視図である。
【図18】同、完成された熱電変換装置の斜視図及びその部分拡大断面図である。
【図19】従来例による熱電変換装置の斜視図である。
【図20】同、他の熱電変換素子の概略図(斜視、正面、側面、上面、下面)である。
【図21】同、熱電変換素子の組立て時の熱電エレメント配置方法を示す要部正面図である。
【図22】同、更に他の熱電変換装置の製造方法の一工程を示す斜視図である。
【図23】同、他の一工程を示す斜視図である。
【図24】同、他の一工程を示す斜視図である。
【図25】同、他の一工程を示す斜視図及び完成された熱電変換装置の斜視図である。
【図26】同、ホットプレス又は通電焼結工程を示す斜視図である。
【図27】同、熱電変換装置の製造方法の一工程を示す斜視図、並びに圧縮焼結による熱電変換材料の変化を示す模式図である。
【図28】同、熱電変換材料のファン・デル・ワールス力結合を含む分子構造図である。
【図29】同、圧縮焼結後の焼結又はプレス成形体の斜視図、及び板厚方向でのX線回折スペクトル図である。
【図30】同、焼結又はプレス成形体の配向度と板厚方向の距離との相関特性を示すグラフである。
【符号の説明】
1…n型熱電半導体エレメント、1A…n型熱電半導体エレメント材、
1a…高配向領域、1b…低配向領域、2…熱電変換素子、3…絶縁材、
5…エレメント対、6…平板状エレメント接合体、7…上部電極、
7a…上部電極接続パターン、8…下部電極、10…リード線、
11…熱電変換装置、12…p型熱電半導体エレメント、
12A…p型熱電半導体エレメント材、14…接合体ブロック、
15…ダイシングブレード、16…保護膜、17…電極層、
18…下部電極材料層、19…下部支持体、20…エレメント接合体、
21、22…分離溝、24…上部支持体、25…樹脂、26…高分子シート、
27…高熱伝導性シート、28…焼結又はプレス成形体、29…分割ブロック

Claims (3)

  1. 熱電半導体材料を少なくとも圧縮加工して圧縮加工体を形成する工程を経て所定形状の圧縮加工体を作製する工程と;前記圧縮加工体のうち、圧縮加工面より内部の領域を前記圧縮加工面に沿って所定厚みだけ除去する工程と;を有する、熱電半導体の製造方法であって、
    前記圧縮加工面側が高配向領域であり、前記内部が低配向領域であり、前記高配向領 域が相対比で0.8以上の配向度を有している前記圧縮加工体のうち、前記低配向領域 を前記圧縮加工面と平行に除去する、
    熱電半導体の製造方法
  2. 熱電半導体材料を少なくとも圧縮加工して圧縮加工体を形成する工程を経て所定形状の圧縮加工体を作製する工程と;前記圧縮加工体のうち、圧縮加工面より内部の領域を前記圧縮加工面に沿って所定厚みだけ除去して熱電半導体を得る工程と;前記熱電半導体として得られた互いに導電型の異なる第1及び第2熱電半導体を絶縁材を介して接合して熱電半導体接合体を形成する工程と;前記熱電半導体接合体を分割してエレメント接合体を形成する工程と;複数の前記エレメント接合体を接合し、この両面に第1電極及び第2電極をそれぞれ形成する工程と;を有する熱電変換素子又は装置の製造方法であって、
    前記圧縮加工面側が高配向領域であり、前記内部が低配向領域であり、前記高配向領 域が相対比で0.8以上の配向度を有している前記圧縮加工体のうち、前記低配向領域 を前記圧縮加工面と平行に除去する、
    熱電変換素子又は装置の製造方法
  3. 熱電半導体材料を少なくとも圧縮加工して圧縮加工体を形成する工程と;前記圧縮加工体として得られた互いに導電型の異なる第1及び第2圧縮加工体を絶縁材を介して接合して熱電半導体接合体を形成する工程と;前記熱電半導体接合体を前記圧縮加工面と交差する方向に切断してエレメント接合体を形成する工程と;第1支持体上に第1電極を介して前記エレメント接合体を固定する工程と;前記エレメント接合体の熱電半導体のうち、前記圧縮加工面より内部の領域を前記圧縮加工面に沿って所定厚みだけ除去して一対の熱電半導体エレメント列に分割すると共に、前記電極も各列に分割する工程と;を有する熱電変換素子又は装置の製造方法であって、
    前記圧縮加工面側が高配向領域であり、前記内部が低配向領域であり、前記高配向領 域が相対比で0.8以上の配向度を有している前記エレメント接合体のうち、前記低配 向領域を前記圧縮加工面と平行に除去する、
    熱電変換素子又は装置の製造方法
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