JP4275938B2 - 熱電変換モジュールの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば光通信用部品、理化学機器、携帯用クーラ、半導体プロセス中でのプロセス温度管理等に用いられて冷却や加熱を行う熱電変換モジュールや、ゼーベック効果を利用して発電を行う熱電変換モジュールの製造方法に関するものである。
【0002】
【背景技術】
ペルチェモジュール等の熱電変換モジュールが、光通信分野等の様々な分野に用いられている。熱電変換モジュールは、例えば図5(a)に示すように、互いに間隔を介して上下に配置された基板6,7の間に、複数の熱電変換素子5(5a,5b)を立設配置して形成されている。
【0003】
基板6,7は、電気絶縁性を有する電気絶縁性基板であり、例えばアルミナ(Al2O3)等のセラミックにより形成されている。基板6,7には、それぞれ、その片面側(対向面側)に複数の導通用の電極2が互いに間隔を介して配列形成されている。基板6と基板7は、電極2の位置を互いにずらした状態で電極形成面16,17を対向させて配置されており、前記熱電変換素子5が対応する電極2を介して直列に接続されている。なお、電極2上には図示されていない半田が形成されて該半田を介して熱電変換素子5が電極2上に固定されている。
【0004】
熱電変換素子5(5a,5b)は、ペルチェ素子として一般的に知られており、P型半導体により形成されたP型の熱電変換素子5aと、N型半導体により形成されたN型の熱電変換素子5bとを有する。P型の熱電変換素子5aとN型の熱電変換素子5bは交互に配置され、電極2を介して直列に接続されてPN素子対が形成されている。
【0005】
P型の熱電変換素子5aとN型の熱電変換素子5bは、それぞれ、例えばビスマス・テルル等の金属間化合物にアンチモン、セレン等の元素を添加することにより形成されている。従来の一般的なペルチェモジュールにおいて、1つの熱電変換素子5(5a,5b)は直径0.6〜3mm程度、長さ0.5〜3mm程度の円柱形状または同程度の大きさの角柱形状に形成されている。また、前記基板6,7は、例えば厚さ3mm程度に形成され、例えば一辺の長さが10mm程度の四辺形状に形成されている。
【0006】
熱電変換モジュールを製造するときは、例えば図5(b)に示すように、基板6,7の片面側にそれぞれ電極2を形成し、この電極2の表面側に半田(図示せず)を形成し、基板7上に形成された電極2上に前記半田を介してP型の熱電変換素子5aとN型の熱電変換素子5bを例えばピンセット等により交互に配置する。そして、これらのP型の熱電変換素子5aとN型の熱電変換素子5b上に基板6を設け、この状態で行われる加熱により半田を融解させて、P型の熱電変換素子5aとN型の熱電変換素子5bを、半田を介して対応する電極2上に固定する。
【0007】
熱電変換モジュールの製造方法は、上記以外にも様々な方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0008】
熱電変換モジュールは、リード線28から電極2に電流を流すと、P型の熱電変換素子5aとN型の熱電変換素子5bに電流が流れて、熱電変換素子5(5a,5b)と電極2との接合部(界面)で冷却・加熱効果が生じる。つまり、前記接合部を流れる電流の方向によって熱電変換素子5(5a,5b)の一方の端部が発熱せしめられると共に他方の端部が冷却せしめられるいわゆるペルチェ効果が生じる。
【0009】
このペルチェ効果によって熱電変換素子5(5a,5b)の一方の端部、例えば上端部が発熱せしめられると、この熱が基板6を介して、基板6の上側に設けられた部材に伝えられ、この部材の加熱が行われる。また、その逆に、ペルチェ効果によって熱電変換素子5(5a,5b)の例えば上端部が冷却せしめられると、基板6を介し、基板6の上側に設けられた部材の冷却(吸熱)が行われる。
【0010】
【特許文献1】
特開平8−222770号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年、例えば基板6,7の大きさが2〜3mm四方の熱電変換モジュール等、小型の熱電変換モジュールが形成されるようになり、この小型の熱電変換モジュールに適用される熱電変換素子5の大きさも小さくなっているため、図5(b)に示したように、ピンセット等を用いたり、熱電素子を吸引把握するロボットを用いるなどで、P型の熱電変換素子5aとN型の熱電変換素子5bを交互に配置して熱電変換モジュールを形成する作業は非常に大変であった。そのため、小型の熱電変換モジュールを歩留まりよく製造することが難しかった。
【0012】
本発明は、上記課題を解決するために成されたものであり、その目的は、小型の熱電変換モジュールであっても、容易に歩留まりよく製造することができる熱電変換モジュールの製造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は次のような構成をもって課題を解決するための手段としている。すなわち、第1の発明は、P型およびN型の熱電変換素子形成用板材の表面側と裏面側に、表面側の半田メッキ形成部位と裏面側の半田メッキ形成部位の位置を同じ位置としてそれぞれ千鳥格子縞状の半田メッキを形成した素子形成用メッキ済部材を形成するメッキ工程と、前記素子形成用メッキ済部材の裏面側を仮固定部材に固定する仮固定工程と、前記素子形成用メッキ済部材の表面側から裏面側にかけて前記半田メッキの境界線に沿った切り込みを形成することにより前記仮固定部材に固定された状態の熱電変換素子を複数形成する素子形成工程と、該素子形成工程により形成されたP型およびN型の熱電変換素子の表面側をそれぞれ対応する基板の電極形成面上に対向配置して熱電変換素子の表面側を加熱することにより、表面側に半田メッキが形成されている熱電変換素子のみを対応する基板の対応する電極上に半田固定する素子固定工程と、該素子固定工程後に、仮固定部材と表面側に半田メッキが形成されていない熱電変換素子を対応する基板から外すことにより、熱電変換素子をそれぞれ対応する基板の面方向に互いに間隔を介して配列形成する素子配列工程と、該素子配列工程後に、P型の熱電変換素子が形成された第1の基板の電極形成面とN型の熱電変換素子が形成された第2の基板の電極形成面とを互いに対向させてP型の熱電変換素子とN型の熱電変換素子を基板面に沿って互い違いに嵌め込み配置した後、P型の熱電変換素子を第2の基板の対応する電極に半田固定しN型の熱電変換素子を第1の基板の対応する電極に半田固定する工程とを有する構成をもって課題を解決する手段としている。
【0014】
また、第2の発明は、上記第1の発明の構成に加え、前記素子固定工程は、熱電変換素子の裏面側を冷却しながら熱電変換素子の表面側の加熱を行う構成をもって課題を解決する手段としている。
【0016】
さらに、第3の発明は、上記第1又は第2の発明の構成に加え、前記仮固定工程は、第1の接合剤を介して仮固定部材の表面側を素子形成用メッキ済部材の裏面側に固定する工程と、前記仮固定部材の裏面側に前記第1の接合剤と異なる接合方法によって第2の接合剤を介して仮接合部材を接合によって設ける工程とを有するものとし、前記素子形成用メッキ済部材の半田メッキの境界線に沿い、素子形成用メッキ済部材を素子形成工程により形成される複数の熱電変換素子を有するユニット毎に区分けする線に沿った切り込みを素子形成用メッキ済部材の表面側から前記仮固定部材の裏面側にかけて形成した後、前記第2の接合剤による接合を解除して素子形成用メッキ済部材を仮固定部材付きの複数のユニットに区分けしてP型とN型の複数のユニットをそれぞれ形成するユニット形成工程を有し、該ユニット形成工程の後に素子固定工程を行い、然る後に、前記第1の接合剤による接合を前記第2の接合剤による接合解除と異なる方法で解除して素子配列工程を行う構成をもって課題を解決する手段としている。
【0017】
さらに、第4の発明は、上記第3の発明の構成に加え、前記第1と第2の互いに異なる接合剤は紫外光により接合解除が行われるUV剥離系接合剤と、加熱により接合解除が行われる熱剥離系接合剤と、化学反応により接合解除が行われる化学剥離系接合剤のいずれかにより選択されている構成をもって課題を解決する手段としている。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、本実施形態例の説明において、従来例と同一名称部分には同一符号を付し、その重複説明は省略又は簡略化する。
【0020】
以下、図1に基づき、本発明に係る熱電変換モジュールの製造方法の第1実施形態例について説明する。本実施形態例では、まず、図1(a)に示すように、P型とN型の熱電変換素子形成用板材1をそれぞれ形成する。なお、図1(a)には1つの熱電変換素子形成用板材1が示されているが、P型とN型の熱電変換素子形成用板材1はそれぞれ1つ以上ずつ形成される。また、P型およびN型の熱電変換素子形成用板材1は、周知の如く、例えばインゴットをスライス加工して板状に形成される。
【0021】
次に、図1(b)に示すように、熱電変換素子形成用板材1の表面側と裏面側に、それぞれ千鳥格子縞状のメッキ用レジスト材3を形成する。この際、図2(b)に示すように、熱電変換素子形成用板材1の上下に配置されるレジスト用マスク8を位置合わせし、表面側のメッキ用レジスト材3の形成部位と裏面側のメッキ用レジスト材3の形成部位の位置を同じ位置としてメッキ用レジスト材3を形成する。
【0022】
その後、図1(c)に示すように、上記メッキ用レジスト材3の形成部位を除く部位に半田メッキ4を施す。この工程は、熱電変換素子形成用板材1の表面側と裏面側に、表面側の半田メッキ形成部位と裏面側の半田メッキ形成部位の位置を同じ位置として、それぞれ千鳥格子縞状の半田メッキ4を形成した素子形成用メッキ済部材10を形成するメッキ工程である。
【0023】
なお、上記千鳥格子縞状の半田メッキ4およびメッキ用レジスト材3は、例えば図2(a)に示すように、1つの熱電変換素子形成用板材1の表面に多数形成され、1つの半田メッキ4の寸法は、例えば約200μm×約200μmといったように小さく、1つの熱電変換素子形成用板材1に例えば数千個の半田メッキ4が形成されるものである。ただし、図1は、説明を分かりやすくするために、それぞれの半田メッキ4やメッキ用レジスト材3を大きく、かつ、その個数を少なく示している。
【0024】
また、半田メッキ4は、例えば5μmのNiの上側に8μmのSuSbを重ねて形成されるものであり、例えば13μm程度の薄いメッキであるが、説明を分かりやすくするために、図1においては、半田メッキ4の厚みを誇張して示している。上記工程によるメッキ用レジスト材3および半田メッキ4の形成は、非常に容易に、かつ、正確に行うことができる。
【0025】
上記半田メッキ4の形成後、本実施形態例では、素子形成用メッキ済部材10の裏面側を仮固定部材12に固定する仮固定工程を行う。この仮固定工程は、図1(d)に示すように、第1の接合剤11を介して仮固定部材12の表面側を素子形成用メッキ済部材10の裏面側に固定する工程と、仮固定部材12の裏面側に第1の接合剤11と異なる接合方法によって第2の接合剤13を介して仮接合部材14を接合によって設ける工程とを有するものとする。この工程により、積層体30を形成する。
【0026】
一例として、本実施形態例では、図3(a)に示す素子形成用メッキ済部材10の厚みT1を例えば0.2mm、仮固定部材12の厚みT2を例えば1mm、仮接合部材14の厚みT3を例えば2mmとしている。また、仮固定部材12はカーボンの板材とし、仮接合部材14はガラスの板材としている。
【0027】
第1と第2の接合剤11,13は、接合方法と接合解除方法を互いに異にしており、第1の接合剤11は、加熱により接合解除が行われる熱剥離系接合剤のワックスとし、第2の接合剤13は、紫外光により接合解除が行われるUV剥離系接合剤のUV剥離テープとしている。
【0028】
上記仮固定工程の後、本実施形態例では、図1(e)および図3(a)、(b)に示すように、素子形成用メッキ済部材10の表面側から裏面側にかけて前記半田メッキ4の境界線に沿った切り込みを形成することにより、仮固定部材12に固定された状態の熱電変換素子5を複数形成する素子形成工程を行う。
【0029】
また、素子形成用メッキ済部材10の半田メッキ4の境界線に沿い、素子形成用メッキ済部材10を素子形成工程により形成される複数の熱電変換素子5を有するユニット毎に区分けする線に沿った切り込みを、素子形成用メッキ済部材10の表面側から仮固定部材12の裏面側にかけて形成する。
【0030】
この際、本実施形態例においては、図3(a)に示すように、仮接合部材14を素子形成用メッキ済部材10および仮固定部材12より大きい板材とし、切り込み形成用のダイシングソー20のブレード幅Wを例えば60μmとしている。また、上記工程によって形成される熱電変換素子5は、角柱形状となる。
【0031】
上記工程の後、ガラス製の仮接合部材14を通して紫外光を照射することにより、UV剥離テープによって形成されている第2の接合剤13による接合を解除して、図1(f)に示すように、素子形成用メッキ済部材10を仮固定部材12付きの複数のユニット15に区分けしてP型とN型の複数のユニットをそれぞれ形成するユニット形成工程を行う。
【0032】
該ユニット形成工程の後に、前記素子形成工程により形成されたP型およびN型の熱電変換素子5の表面側を、それぞれ対応する基板6,7の電極形成面上に対向配置して熱電変換素子5の表面側を加熱することにより、表面側に半田メッキ4が形成されている熱電変換素子5のみを対応する基板6,7の対応する電極2上に半田固定する素子固定工程を行う。
【0033】
この素子固定工程は、図1(g)に示すように、P型とN型のそれぞれのユニット15の表面側を、対応する基板6,7の電極形成面16,17上に対向配置し、例えばセラミックヒーター21等の加熱手段を用いて基板6,7を加熱することにより行う。この加熱によって、半田メッキ4を溶解させ、その後、半田メッキ4を凝固させることにより、表面側に半田メッキ4が形成されている熱電変換素子5(5a,5b)のみを対応する基板6,7の対応する電極2(図1には図示せず)上に半田固定する。
【0034】
素子固定工程の際、熱電変換素子5の裏面側を例えばヒートシンクや空冷等によって冷却しながら熱電変換素子5の表面側の加熱を行う。また、ユニット15が基板6,7上で動かないように、例えば鉄等の金属製のおもりをユニット15上に設けることが好ましい。
【0035】
なお、図1(g)は、P型のユニット15を用いてP型の熱電変換素子5aを基板6上に固定する図を示しているが、N型のユニット15を用いてN型の熱電変換素子5bを基板7上に固定する場合も同様に行われる。
【0036】
本実施形態例では、上記素子固定工程後に、図1(h)に示すように、仮固定部材12と表面側に半田メッキ4が形成されていない熱電変換素子5を対応する基板6,7から外すことにより、熱電変換素子5をそれぞれ対応する基板6,7の面方向に互いに間隔を介して配列形成する素子配列工程を行う。この工程は、第1の接合剤11による接合を前記第2の接合剤13による接合解除と異なる方法で解除して行う。
【0037】
本実施形態例において、第1の接合剤13はワックスとしており、上記ユニット15をエタノール溶液22中に入れて加熱することにより接合解除を行っている。なお、図1(h)は、P型の熱電変換素子5aを基板6の面方向に配列する図を示しているが、N型の熱電変換素子5bも同様の操作によって基板7上に配列形成される。
【0038】
上記素子配列工程の後、図1(i)に示すように、P型の熱電変換素子5(5a)が形成された基板6の電極形成面16と前記N型の熱電変換素子5(5b)が形成された基板7の電極形成面17とを互いに対向させてP型の熱電変換素子5aとN型の熱電変換素子5bを基板6,7の面に沿って互い違いに嵌め込み配置する。
【0039】
その後、図1(j)に示すように、例えばセラミックヒーター21等の加熱手段を用いて、基板6,7を挟み込んで加熱することにより、P型の熱電変換素子5aを第2の基板7の対応する電極2に半田固定し、N型の熱電変換素子5bを第1の基板6の対応する電極2に半田固定する。なお、この半田固定を的確に行うために、図1(j)に示すように、基板6の上側から圧力を加えてもよい。
【0040】
本実施形態例の熱電変換モジュールの製造方法は、以上のように、複数のP型の熱電変換素子5aと複数のN型の熱電変換素子5bをそれぞれ一括形成し、対応する基板6,7上に一括して配列固定できるので、これら熱電変換素子5(5a,5b)の配列固定を非常に容易に行うことができる。
【0041】
そして、本実施形態例は、上記工程後に、対応するP型とN型の熱電変換素子5(5a,5b)を配列形成した基板6,7を対向させてP型の熱電変換素子5aとN型の熱電変換素子5bを基板面に沿って互い違いに嵌め込み配置することにより、非常に容易に、歩留まりよく熱電変換モジュールを製造することができる。
【0042】
さらに、本実施形態例では、半田メッキ4を千鳥格子縞状に形成することにより、基板6,7に固定する熱電変換素子5の表面側と裏面側に半田メッキ4を形成し、半田メッキ4を形成しなかった熱電変換素子5は素子配列工程時に基板6,7から外して再利用できる。したがって、本実施形態例は、熱電変換素子形成用の部材を無駄にすることなく、地球環境を配慮した製造方法を実現できる。
【0043】
次に、本発明に係る熱電変換モジュールの製造方法の第2実施形態例について説明する。第2実施形態例の製造方法は上記第1実施形態例とほぼ同様であり、第2実施形態例が上記第1実施形態例と異なる特徴的なことは、図1(d)の工程により形成する積層体30の構成を第1実施形態例と異なる構成とし、それに伴い、第1、第2の接合剤11,13の接合解除工程を上記第1実施形態例と異なるものとしたことである。
【0044】
つまり、第2実施形態例では、第1の接合剤11をUV剥離テープとし、仮固定部材12をガラスの板材とし、第2の接合剤13をワックスとし、仮接合部材14をカーボンの板材として熱電変換モジュールを形成する。
【0045】
そして、第2実施形態例では、図1(e)から図1(f)に至る工程において、図1(e)に示す積層体30をエタノール溶液22中で加熱して第2の接合剤13による接合解除を解除し(つまり、ワックスを溶融させ)、複数のユニット15を形成する。また、第2実施形態例では、図1(g)で熱電変換素子5を対応する基板6,7に固定した後に、UV照射によって第1の接合剤11による接合を解除(つまり、UV剥離テープを除去)する。
【0046】
第2実施形態例は、上記製造方法により、上記第1実施形態例と同様の効果を奏することができる。
【0047】
次に、本発明に係る熱電変換モジュールの製造方法の第3実施形態例について説明する。なお、第3実施形態例の説明において、上記第1、第2実施形態例と同様の工程についてはその重複説明を省略または簡略化する。
【0048】
第3実施形態例は、図1(d)から図1(h)に至る工程を上記第1、第2実施形態例と異なる工程としている。つまり、第3実施形態例は、図1(a)〜(c)の工程を行い、熱電変換素子形成用板材1の表面側と裏面側に、それぞれ千鳥格子縞状の半田メッキ4を形成した素子形成用メッキ済部材10を形成した後に、図4(a)に示すように、素子形成用メッキ済部材10を接合剤9を介して仮固定部材12に固定する仮固定工程を行っている。
【0049】
第3実施形態例において、接合剤9はUV剥離系接合剤であるUV剥離接着剤とし、仮固定部材12はガラスの板としている。
【0050】
上記仮固定工程の後、第3実施形態例では、図4(b)に示すように、例えばダイシングソー20等を用いて素子形成用メッキ済部材10の表面側から裏面側にかけて前記半田メッキ4の境界線に沿った切り込みを形成することにより、図4(c)に示すように、仮固定部材12に固定された状態の熱電変換素子5を複数形成する素子形成工程を行う。
【0051】
次に、素子形成工程により形成されたP型およびN型の熱電変換素子5の表面側を、それぞれ対応する基板6,7の電極形成面上に対向配置して熱電変換素子5の表面側を加熱することにより、表面側に半田メッキ4が形成されている熱電変換素子5のみを対応する基板6,7の対応する電極2上に半田固定する素子固定工程を行う。
【0052】
この素子固定工程は、図4(d)に示すように、熱電変換素子5の表面側を、対応する基板6,7の電極形成面16,17上に対向配置し、例えばセラミックヒーター21等の加熱手段を用いて基板6,7を加熱することにより行う。この加熱によって、半田メッキ4を溶解させ、その後、半田メッキ4を凝固させることにより、表面側に半田メッキ4が形成されている熱電変換素子5(5a,5b)のみを対応する基板6,7の対応する電極2上に半田固定する。
【0053】
この際、上記第1実施形態例と同様に、熱電変換素子5の裏面側を冷却したり、仮固定部材12上におもりを乗せたりする。また、図4(d)は、P型のユニット15を用いてP型の熱電変換素子5aを基板6上に固定する図を示しているが、N型のユニット15を用いてN型の熱電変換素子5bを基板7上に固定する場合も同様に行われる。
【0054】
第3実施形態例では、上記素子固定工程後に、図4(e)に示すように、ガラス製の仮固定部材12を通して紫外光を照射することにより、UV剥離接着剤によって形成されている接合剤9による接合を解除して表面側に半田メッキ4が形成されていない熱電変換素子5を対応する基板6,7から外すことにより、熱電変換素子5をそれぞれ対応する基板6,7の面方向に互いに間隔を介して配列形成する素子配列工程を行う。
【0055】
その後、第3実施形態例も上記第1、第2実施形態例と同様に、図1(i)、(j)に示すように、P型の熱電変換素子5aとN型の熱電変換素子5bを基板6,7の面に沿って互い違いに嵌め込み配置し、P型の熱電変換素子5aを第2の基板7の対応する電極2に半田固定し、N型の熱電変換素子5bを第1の基板6の対応する電極2に半田固定する。
【0056】
なお、第3実施形態例において、素子形成用メッキ済部材10を1つの基板6,7の大きさに対応する大きさに切断してから、図4(a)に示した仮固定工程を行ってもよいし、図4(d)に示す素子固定工程時に、複数の基板6または7をそれぞれ同一平面上に複数配置して、それぞれの基板6,7に対応する熱電変換素子5を半田固定してもよい。
【0057】
第3実施形態例は以上のような製造方法であり、上記第1、第2実施形態例と同様の効果を奏することができる。
【0058】
なお、本発明は上記各実施形態例に限定されることはなく、様々な実施の態様を採り得る。例えば、上記第1、第2実施形態例のように、第1と第2の互いに異なる接合剤11,13を適用する場合、これらの接合剤11,13は接合方法と接合解除方法が互いに異なればよい。つまり、第1と第2の互いに異なる接合剤11,13は、例えば加熱により接合解除が行われる熱剥離系接合剤と、化学反応により接合解除が行われる化学剥離系接合剤のいずれかにより選択することができる。
【0059】
上記UV剥離系接合剤の例としてUV剥離接着剤等があり、熱剥離系接合剤の例として熱剥離シート等がある。
【0060】
また、上記各実施形態例では、図1(i)においてP型の熱電変換素子5aとN型の熱電変換素子5bを基板6,7の面に沿って互い違いに嵌め込み配置した後、図1(j)に示したように、セラミックヒーター21を用いて、基板6,7を挟み込んで加熱したが、P型とN型の熱電変換素子5a,5bを基板6,7の面に沿って互い違いに嵌め込み配置した後、例えばその状態で仮組み固定し、その状態で、リフロー炉中を通してリフロー炉で半田メッキ4を溶解させ、その後、凝固させてもよい。
【0061】
さらに、上記説明は熱電変換モジュールとしてのペルチェモジュールの製造方法について例を挙げて説明したが、本発明の熱電変換モジュールの製造方法は、ゼーベック効果を利用して発電を行う熱電変換モジュールの製造方法にも適用できる。
【0062】
【発明の効果】
本発明によれば、複数のP型の熱電変換素子と複数のN型の熱電変換素子をそれぞれ一括形成し、対応する基板上に一括して固定できるので、非常に容易に、歩留まりよく熱電変換モジュールを製造することができる。
【0063】
また、本発明において、素子固定工程は、熱電変換素子の裏面側を冷却しながら熱電変換素子の表面側の加熱を行う構成によれば、熱電変換素子の表面側を加熱することにより、その余熱で、熱電変換素子の裏面側に形成された半田が加熱されることを抑制できるので、たとえ半田の溶融固定に時間がかかっても、表面側に半田が形成された熱電変換素子をより的確に基板上に固定することができる。
【0064】
さらに、本発明において、素子固定工程後に、仮固定部材と表面側に半田メッキが形成されていない熱電変換素子を対応する基板から外すことにより、熱電変換素子をそれぞれ対応する基板の面方向に互いに間隔を介して配列形成する素子配列工程を有する構成としたので、熱電変換素子の配列を容易に行うことができる。
【0065】
さらに、本発明において、仮固定工程は、第1の接合剤を介して仮固定部材の表面側を素子形成用メッキ済部材の裏面側に固定する工程と、前記仮固定部材の裏面側に前記第1の接合剤と異なる接合方法によって第2の接合剤を介して仮接合部材を接合によって設ける工程とを有するものとし、P型とN型の複数のユニットをそれぞれ形成して素子固定工程と素子配列工程を行う構成によれば、千鳥格子縞状の半田メッキ形成を広い面積に一括して行い、その後、基板の大きさに対応するユニットを形成して素子固定を行えるので、容易に、かつ、的確に熱電変換モジュールを製造できる。
【0066】
さらに、本発明において、第1と第2の互いに異なる接合剤を用いる構成において、これらの接合剤は、UV剥離系接合剤と、熱剥離系接合剤と、化学剥離系接合剤のいずれかにより選択されている構成によれば、これらの接合剤を用いて、容易、かつ、的確に熱電変換モジュールの製造を実現することができる。
【0067】
さらに、本発明において、素子配列工程後に、P型とN型の熱電変換素子を配列形成した基板を対向させてP型の熱電変換素子とN型の熱電変換素子を基板面に沿って互い違いに嵌め込み配置する構成としたので、熱電変換モジュールの組み立て作業を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る熱電変換モジュールの製造方法の第1実施形態例を模式的に示す説明図である。
【図2】上記実施形態例で適用される半田メッキの形成態様の説明図(a)とメッキ用レジスト形成方法の説明図(b)である。
【図3】上記実施形態例で適用される熱電変換素子形成工程の説明図である。
【図4】本発明に係る熱電変換モジュールの製造方法の第3実施形態例の工程の一部を模式的に示す説明図である。
【図5】従来の熱電変換モジュールとその製造方法例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 熱電変換素子形成用板材
2 電極
3 メッキ用レジスト材
4 半田メッキ
5,5a,5b 熱電変換素子
6,7 基板
9 接合剤
10 素子形成用メッキ済み部材
11 第1の接合剤
12 仮固定部材
13 第3の接合剤
14 仮接合部材
Claims (4)
- P型およびN型の熱電変換素子形成用板材の表面側と裏面側に、表面側の半田メッキ形成部位と裏面側の半田メッキ形成部位の位置を同じ位置としてそれぞれ千鳥格子縞状の半田メッキを形成した素子形成用メッキ済部材を形成するメッキ工程と、前記素子形成用メッキ済部材の裏面側を仮固定部材に固定する仮固定工程と、前記素子形成用メッキ済部材の表面側から裏面側にかけて前記半田メッキの境界線に沿った切り込みを形成することにより前記仮固定部材に固定された状態の熱電変換素子を複数形成する素子形成工程と、該素子形成工程により形成されたP型およびN型の熱電変換素子の表面側をそれぞれ対応する基板の電極形成面上に対向配置して熱電変換素子の表面側を加熱することにより、表面側に半田メッキが形成されている熱電変換素子のみを対応する基板の対応する電極上に半田固定する素子固定工程と、該素子固定工程後に、仮固定部材と表面側に半田メッキが形成されていない熱電変換素子を対応する基板から外すことにより、熱電変換素子をそれぞれ対応する基板の面方向に互いに間隔を介して配列形成する素子配列工程と、該素子配列工程後に、P型の熱電変換素子が形成された第1の基板の電極形成面とN型の熱電変換素子が形成された第2の基板の電極形成面とを互いに対向させてP型の熱電変換素子とN型の熱電変換素子を基板面に沿って互い違いに嵌め込み配置した後、P型の熱電変換素子を第2の基板の対応する電極に半田固定しN型の熱電変換素子を第1の基板の対応する電極に半田固定する工程とを有することを特徴とする熱電変換モジュールの製造方法。
- 素子固定工程は、熱電変換素子の裏面側を冷却しながら熱電変換素子の表面側の加熱を行うことを特徴とする請求項1記載の熱電変換モジュールの製造方法。
- 仮固定工程は、第1の接合剤を介して仮固定部材の表面側を素子形成用メッキ済部材の裏面側に固定する工程と、前記仮固定部材の裏面側に前記第1の接合剤と異なる接合方法によって第2の接合剤を介して仮接合部材を接合によって設ける工程とを有するものとし、前記素子形成用メッキ済部材の半田メッキの境界線に沿い、素子形成用メッキ済部材を素子形成工程により形成される複数の熱電変換素子を有するユニット毎に区分けする線に沿った切り込みを素子形成用メッキ済部材の表面側から前記仮固定部材の裏面側にかけて形成した後、前記第2の接合剤による接合を解除して素子形成用メッキ済部材を仮固定部材付きの複数のユニットに区分けしてP型とN型の複数のユニットをそれぞれ形成するユニット形成工程を有し、該ユニット形成工程の後に素子固定工程を行い、然る後に、前記第1の接合剤による接合を前記第2の接合剤による接合解除と異なる方法で解除して素子配列工程を行うことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の熱電変換モジュールの製造方法。
- 第1と第2の互いに異なる接合剤は紫外光により接合解除が行われるUV剥離系接合剤と、加熱により接合解除が行われる熱剥離系接合剤と、化学反応により接合解除が行われる化学剥離系接合剤のいずれかにより選択されていることを特徴とする請求項3記載の熱電変換モジュールの製造方法。
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