JP2006114554A - 熱電変換モジュールおよびその製造方法 - Google Patents

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Yasuhiro Suzuki
康弘 鈴木
Jun Niekawa
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Abstract

【課題】 容易に歩留まりよく製造可能で信頼性の高い熱電変換モジュールとその製造方法を提供する。
【解決手段】 上下に互いに間隔を介して対向配置された第1と第2の基板6,7の対向表面に複数の電極2を互いに間隔を介して配設し、第1と第2の基板6,7の間に互いに間隔を介して配置されたP型とN型の複数の熱電変換素子5(5a,5b)を対応する電極を介して接続する。熱電変換素子5(5a,5b)はそれぞれ、四角柱形状の柱部3と、柱部3の一端側に段部を介して柱部3よりも幅と奥行きの少なくとも一方が大きく形成された柱補強部4とを有する構成とする。P型の熱電変換素子5aの柱補強部4の端部を第1の基板6の電極2上に固定して柱部3の他端側を第2の基板7の電極2上に固定し、N型の熱電変換素子5bの柱補強部4の端部を第2の基板7の電極2上に固定して柱部3の他端側を第1の基板6の電極2上に固定する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば光通信用部品、理化学機器、携帯用クーラ、半導体プロセス中でのプロセス温度管理等に用いられて冷却や加熱を行う熱電変換モジュールや、ゼーベック効果を利用して発電を行う熱電変換モジュールおよびその製造方法に関するものである。
ペルチェモジュール等の熱電変換モジュールが、光通信分野等の様々な分野に用いられている。熱電変換モジュールは、例えば図7(a)に示すように、互いに間隔を介して上下に配置された基板6,7の間に、複数の熱電変換素子5(5a,5b)を立設配置して形成されている。
基板6,7は、電気絶縁性を有する電気絶縁性基板であり、例えばアルミナ(Al)等のセラミックにより形成されている。基板6,7には、それぞれ、その片面側(対向面側)に複数の導通用の電極2が互いに間隔を介して配列形成されている。基板6と基板7は、電極2の位置を互いにずらした状態で電極形成面16,17を対向させて配置されており、前記熱電変換素子5が対応する電極2を介して直列に接続されている。なお、電極2上には図示されていない半田が形成されて該半田を介して熱電変換素子5が電極2上に固定されている。
ペルチェモジュールにおいて、熱電変換素子5(5a,5b)は、ペルチェ素子として一般的に知られており、P型半導体により形成されたP型(p型)の熱電変換素子5aと、N型(n型)半導体により形成されたN型の熱電変換素子5bとを有する。P型の熱電変換素子5aとN型の熱電変換素子5bは交互に配置され、電極2を介して直列に接続されてPN素子対が形成されている。
P型の熱電変換素子5aとN型の熱電変換素子5bは、それぞれ、例えばビスマス・テルル等の金属間化合物にアンチモン、セレン等の元素を添加することにより形成されている。1つの熱電変換素子5(5a,5b)は直径0.6〜3mm程度、長さ0.5〜3mm程度の円柱形状または同程度の大きさの角柱形状に形成されている。
熱電変換モジュールの製造するときは、例えば図7(b)に示すように、基板6,7の片面側にそれぞれ電極2を形成し、この電極2の表面側に半田(図示せず)を形成し、基板7上に形成された電極2上に前記半田を介してP型の熱電変換素子5aとN型の熱電変換素子5bを例えばピンセット等により交互に配置する。そして、これらのP型の熱電変換素子5aとN型の熱電変換素子5b上に基板6を設け、この状態で行われる加熱により半田を融解させて、P型の熱電変換素子5aとN型の熱電変換素子5bを、半田を介して対応する電極2上に固定する。
なお、熱電変換モジュールの製造方法は、上記以外にも様々な方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
ペルチェモジュールは、リード線28から電極2に電流を流すと、P型の熱電変換素子5aとN型の熱電変換素子5bに電流が流れて、熱電変換素子5(5a,5b)と電極2との接合部(界面)で冷却・加熱効果が生じる。つまり、前記接合部を流れる電流の方向によって熱電変換素子5(5a,5b)の一方の端部が発熱せしめられると共に他方の端部が冷却せしめられるいわゆるペルチェ効果が生じる。
このペルチェ効果によって熱電変換素子5(5a,5b)の一方の端部、例えば上端部が発熱せしめられると、この熱が基板6を介して、基板6の上側に設けられた部材に伝えられ、この部材の加熱が行われる。また、その逆に、ペルチェ効果によって熱電変換素子5(5a,5b)の例えば上端部が冷却せしめられると、基板6を介し、基板6の上側に設けられた部材の冷却(吸熱)が行われる。
特開平8−222770号公報
しかしながら、近年、熱電変換モジュールの小型化の要求が高まっており、このような小型の熱電変換モジュールの製造に際し、図7(b)に示したように、ピンセット等を用いてP型の熱電変換素子5aとN型の熱電変換素子5bを交互に配置する作業は非常に大変であった。そのため、小型の熱電変換モジュールを歩留まりよく製造することが難しかった。
そこで、本発明者は、P型の熱電変換素子5aとN型の熱電変換素子5bをそれぞれ一括して対応する基板上に配列形成することを考え、以下のような方法を試行してみた。つまり、例えば図5(a)に示すように、透明ガラス板部材の仮固定部材12に千鳥格子縞状のマスク8を形成し、図5(b)に示すように、仮固定部材12の表面側に、透明両面テープ22、UVダイシングテープ23、熱電変換素子形成用板材1を順に配置して熱電変換素子形成用板材1を仮固定部材12に固定する。
そして、図5(c)に示すように、ダイシングソー20で、熱電変換素子形成用板材1を熱電変換素子形成用板材1の表面側から仮固定部材12の千鳥格子状の境界線に沿って切断することにより、熱電変換素子形成用板材1を格子縞状に切断して複数の熱電変換素子5を形成する。その後、図5(d)に示すように、仮固定部材12の表面側から紫外光(UV)を照射すると、仮固定部材12のマスク8を形成していない部分上に形成された熱電変換素子5が、UVダイシングテープ23から離れて仮固定部材12から離れ、仮固定部材12上には、互いに間隔を介して互い違いに熱電変換素子5が配列形成される。
その後、図5(e)に示すように、例えば熱電変換素子5を対応する基板6上に対向配置して、例えばセラミックヒーター21等により加熱することにより、基板6上の対応する電極2上に熱電変換素子5を固定すれば、図5(f)に示すように、複数の熱電変換素子5を一括して、対応する基板6上に配列形成できる。
しかしながら、上記方法を小型の熱電変換モジュールの製造に適用しようとすると、個々の熱電変換素子5が例えば0.1mm〜0.5mm程度で小さいために、熱電変換素子形成用板材1をダイシングソー20により切断して熱電変換素子5を形成する際に、熱電変換素子5の仮固定部材12上への固定強度が不足して、図6(a)に示すように、熱電変換素子5が仮固定部材12上で倒れてしまったり、図6(b)に示すように、熱電変換素子5が動いてしまって整列できなかったり、仮固定部材12上から外に飛び出してしまったりする。
そうすると、熱電変換素子5を基板6上に設計通りに整列配置させることができないため、図5に示した方法を用いて、小型の熱電変換モジュールを歩留まり良く製造することは困難だった。なお、図6(a)は、図の簡略化のために、透明両面テープ22、UVダイシングテープ23を省略して示している。
本発明は、上記課題を解決するために成されたものであり、その目的は、小型の熱電変換モジュールであっても、容易に歩留まりよく製造することができる熱電変換モジュールおよびその製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は次のような構成をもって課題を解決するための手段としている。すなわち、第1の発明の熱電変換モジュールは、上下に互いに間隔を介して対向配置された第1と第2の基板の対向表面に複数の電極が互いに間隔を介して配設され、前記第1と第2の基板の間に互いに間隔を介して配置されたP型とN型の複数の熱電変換素子が対応する電極を介して接続されている熱電変換モジュールにおいて、前記熱電変換素子はそれぞれ、四角柱形状の柱部と、該柱部の一端側に段部を介して柱部よりも幅と奥行きの少なくとも一方が大きく形成された柱補強部とを有しており、P型の熱電変換素子の柱補強部端部が第1の基板の電極上に固定されて柱部の他端側が第2の基板の電極上に固定され、N型の熱電変換素子の柱補強部端部が第2の基板の電極上に固定されて柱部他端側が第1の基板の電極上に固定されている構成をもって課題を解決する手段としている。
また、第2の発明の熱電変換モジュールは、上記第1の発明の構成に加え、前記柱補強部の上下方向の長さを10μm以上とした構成をもって課題を解決する手段としている。
さらに、第3の発明の熱電変換モジュールの製造方法は、上記第1または第2の発明の熱電変換モジュールを製造する熱電変換モジュールの製造方法であって、P型およびN型の熱電変換素子形成用板材をそれぞれ別個の対応する仮固定部材上に固定し、第1のダイシングソーにより熱電変換素子形成用板材の表面から厚み方向途中部にかけて切り込んで形成した切り込みを熱電変換素子形成用板材に格子縞状に形成し、然る後に、前記第1のダイシングソーよりも刃幅が狭い第2のダイシングソーにより前記切り込みの先端部から熱電変換素子形成用板材の裏面にかけて厚み方向に切り込むことにより熱電変換素子形成用板材を格子縞状に切断して、柱部と柱補強部とを有する複数のP型とN型の熱電変換素子をそれぞれ対応する仮固定部材上に配列形成する熱電変換素子形成工程を有する構成をもって課題を解決する手段としている。
さらに、第4の発明の熱電変換モジュールの製造方法は、上記第3の発明の構成に加え、前記仮固定部材は透明板部材により形成して該透明板部材の板面に千鳥格子縞状のマスクを形成し、紫外光照射によって接合が解除される接合剤を介してP型およびN型の熱電変換素子形成用板材をそれぞれ対応する仮固定部材上に固定し、熱電変換素子形成工程により前記熱電変換素子形成用板材の表面側から前記マスクの境界線に沿って熱電変換素子形成用板材の切断を行って熱電変換素子を仮固定部材上に複数配列形成し、然る後に透明板部材の表面側から紫外光を照射して前記複数の熱電変換素子のうち前記マスク形成部位を除く部位上に配列している熱電変換素子を前記仮固定部材から離脱させることにより複数の熱電変換素子を前記仮固定部材上に互いに間隔を介して互い違いに配列する素子仮固定整列工程を有する構成をもって課題を解決する手段としている。
さらに、第5の発明の熱電変換モジュールの製造方法は、上記第3または第4の発明の構成に加え、前記仮固定部材上に固定されたP型の熱電変換素子の柱部先端側を第2の基板の電極形成面に対向配置し、仮固定部材上に固定されたN型の熱電変換素子の柱部先端側を第1の基板の電極形成面上に対向配置し、それぞれの基板と共に対応するP型とN型の熱電変換素子を加熱することにより、P型の熱電変換素子の柱部先端側を第2の基板の対応する電極上に一括固定し、N型の熱電変換素子の柱部先端側を第1の基板の対応する電極上に一括固定する素子配列工程を有する構成をもって課題を解決する手段としている。
さらに、第6の発明は、上記第5の発明の構成に加え、前記素子配列工程後に、仮固定部材をP型とN型の熱電変換素子から外し、P型の熱電変換素子が固定された第2の基板の電極形成面とN型の熱電変換素子が固定された第1の基板の電極形成面とを互いに対向させてP型の熱電変換素子とN型の熱電変換素子を基板面に沿って互い違いに嵌め込み配置した後、P型の熱電変換素子の柱補強部端部を第1の基板の対応する電極上に一括固定し、N型の熱電変換素子の柱補強部端部を第2の基板の対応する電極上に一括固定する工程を有する構成をもって課題を解決する手段としている。
本発明の熱電変換モジュールによれば、熱電変換素子が柱部と柱補強部を有するので、熱電変換素子の固定安定性が増し、長期信頼性の高い熱電変換モジュールとすることができる。
また、本発明の熱電変換モジュールにおいて、柱補強部の上下方向の長さを10μm以上とすることにより、柱補強部の強度をより高くすることができる。つまり、柱補強部の上下方向の長さを10μm以下とするとモジュール製造時の強度が弱く、モジュール製造時に熱電変換素子の割れが発生する可能性があるが、柱補強部の上下方向の長さを10μm以上とすることにより、熱電変換素子の割れ等の発生を抑制でき、上記優れた効果を奏する熱電変換モジュールを容易に得ることができ、より信頼性が向上する。
なお、本発明の熱電変換モジュールにおいて、柱補強部の上下方向の長さをむやみに厚くすると、熱電変換素子間距離が平均的に狭くなり、熱電変換モジュール内で発生するジュール熱の放熱効果が低下し、結果として熱電変換モジュールの熱電性能が低下することになるので、柱補強部の上下方向の長さはこのような熱電性能低下を生じない適宜の長さ(例えば熱電変換素子の上下方向の全長の半分以下)に適宜設定される。
また、本発明の熱電変換モジュールの製造方法によれば、熱電変換モジュール製造中に、熱電変換素子の仮固定部材上への固定強度が不足して、仮固定部材上で倒れてしまったり、動いてしまって整列できなかったり、仮固定部材上から外に飛び出してしまったりすることを抑制でき、熱電変換素子を歩留まり良く形成できるので、小型の熱電変換モジュールを歩留まりよく製造することができる。
また、本発明の熱電変換モジュールの製造方法において、仮固定整列工程を有する構成によれば、複数の熱電変換素子を効率的に仮固定部材上に整列配列することができる。
さらに、本発明の熱電変換モジュールの製造方法において、素子配列工程を有する構成によれば、P型とN型の熱電変換素子を効率的に、一括して、仮固定部材上から対応する基板上に配列固定することができる。
さらに、本発明の熱電変換モジュールの製造方法において、素子配列工程後に、仮固定部材をP型とN型の熱電変換素子から外し、P型の熱電変換素子が固定された第2の基板の電極形成面とN型の熱電変換素子が固定された第1の基板の電極形成面とを互いに対向させてP型の熱電変換素子とN型の熱電変換素子を基板面に沿って互い違いに嵌め込み配置して一括固定する工程を有する構成によれば、熱電変換モジュールの組み立て作業を容易に行うことができる。
さらに、本発明の熱電変換モジュールおよびその製造方法において、柱補強部の上下方向の長さを適宜設定することにより、モジュール製造時の熱電変換素子の強度を確保すると共に、熱電変換素子間の距離をある程度離すことができ、ジュール熱の放熱効果の良好な熱電変換モジュールを実現できる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、本実施形態例の説明において、従来例と同一名称部分には同一符号を付し、その重複説明は省略又は簡略化する。
図1(a)には、本発明に係る熱電変換モジュールの一実施形態例が模式的な斜視図によって示されている。図1(a)に示すように、本実施形態例の熱電変換モジュールは、従来例と同様に上下に互いに間隔を介して対向配置された第1の基板6と第2の基板7を有しており、図1(a)は、第1の基板6の一部を透かして示している。第1と第2の基板6,7の対向表面には複数の電極2が互いに間隔を介して配設され、基板6,7の電極2は対向位置をずらして配置されている。なお、第1の基板6側の電極2は、図の簡略化のために一部のみ示している。熱電変換素子5(5a,5b)は対応する電極2を介して接続されている。
本実施形態例の熱電変換モジュールの特徴的な構成は、熱電変換素子5(5a,5b)がそれぞれ、四角柱形状の柱部3と、該柱部3の一端側に段部を介して柱部3よりも幅と奥行きの少なくとも一方が大きく形成された柱補強部4とを有していることである。P型の熱電変換素子5aの柱補強部4の端部が第1の基板6の電極2上に固定されて柱部3の他端側が第2の基板7の電極2上に固定され、N型の熱電変換素子5bの柱補強部4の端部が第2の基板7の電極2上に固定されて柱部3の他端側が第1の基板6の電極2上に固定されている。
図1(b)には、熱電変換素子5(5a,5b)の一つの形態例が示されており、この熱電変換素子5(5a,5b)は、柱補強部4の幅と奥行きの両方が柱部3より大きく形成されている。本実施形態例において、熱電変換素子5(5a,5b)の上下方向の長さは例えば300μmに形成され、図1(b)のBに示す柱補強部4の上下方向の長さは、10μm以上の値、例えば30μm以上形成されている。
また、図3には、本実施形態例の熱電変換モジュールの製造方法が模式的に示されており、本実施形態例の熱電変換モジュールは、以下のようにして製造される。つまり、本発明者が試行した前記方法と同様に、図3(a)に示すように、透明板部材により形成した仮固定部材12の板面に千鳥格子縞状のマスク8を形成し、図3(b)に示すように、紫外光照射によって接合が解除される接合剤であるUVテープ23を介してP型およびN型の熱電変換素子形成用板材1をそれぞれ別個の対応する仮固定部材12上に固定する。なお、UVテープ23は透明両面テープ22を介して仮固定部材12上に設ける。また、P型およびN型の熱電変換素子熱電変換素子形成用板材1は、周知の如く、例えばインゴットをスライス加工して板状に形成される。
次に、図3(c)および、図2(a)に示すように、熱電変換素子形成用板材1の表面側から前記マスク8の境界線に沿って熱電変換素子形成用板材1に切り込み10を形成する。この切り込み10は、第1のダイシングソー20(20a)により熱電変換素子形成用板材1の表面から厚み方向途中部にかけて切り込んで形成し、図2(b)に示すように、熱電変換素子形成用板材1に格子縞状に形成する。
然る後に、図3(d)および、図2(c)に示すように、前記第1のダイシングソー20aよりも刃幅が狭い第2のダイシングソー20(20b)により前記切り込み10の先端部から熱電変換素子形成用板材1の裏面にかけて厚み方向に切り込むことにより熱電変換素子形成用板材1を格子縞状に切断して、図2(d)に示すように、柱部3と柱補強部4とを有する複数のP型とN型の熱電変換素子5(5a,5b)をそれぞれ対応する仮固定部材12上に配列形成する。これら、図3(c)、(d)および、図2(a)〜(d)に示した工程は、熱電変換素子形成工程という。
ところで、本発明者は、図6に示したような、熱電変換素子5の配列の不具合を引き起こす原因が、図4(a)に示すように、ダイシングソー20により熱電変換素子形成用板材1を切断する際に、図4(b)に示すように、ダイシングソー20が特に切断の入り口付近と出口付近で面振れすることによると考えた。
つまり、熱電変換素子形成用板材1と仮固定部材12とは材質が異なるために、熱電変換素子形成用板材1と仮固定部材12とを一緒にダイシングソー20により切断すると、ダイシングソー20の面が回転の振動で振れやすく、特に、切断の入り口付近と出口付近での振れ量が大きくなる。なお、図4(b)は、ダイシングソー20の面振れの動向を分かりやすくするために、その量(切断の入り口付近と出口付近での凹部10の形成量)を誇張して示している。
また、ダイシングソー20の刃幅が相対的に大きいと、図4(c)に示すように、熱電変換素子形成用板材1を格子縞状に切断する際に、図4(d)に示す熱電変換素子5とダイシングソー20間に生じる摩擦によって、図4(c)の矢印Cの方向に働く熱電変換素子5への摩擦振動が大きくなり、この摩擦振動が熱電変換素子5の仮固定接着力を上回り、摩擦振動により生じる水平方向のモーメントによって熱電変換素子5が飛び散ったり、配列が乱れたりすることにつながる。
そして、個々の熱電変換素子5が小さいと、熱電変換素子形成用板材1をダイシングソー20により切断して熱電変換素子5を形成する際に、熱電変換素子5の仮固定部材12上への固定強度が不足して、図6に示したように、熱電変換素子5の転倒や位置ずれ、剥離が生じると考えられる。
そこで、本実施形態例では、図2(a)〜(d)に示したように、熱電変換素子5の形成に際し、第1のダイシングソー20aと、この第1のダイシングソー20aより刃幅が狭い第2のダイシングソー20bを用いた2段階の切断を行うことにし、第1のダイシングソー20aによる切断は、熱電変換素子形成用板材1の厚み方向途中までにすることにより、たとえ切断の入り口付近と出口付近であっても面振れが大きくならないようにした。
また、第2のダイシングソー20bがたとえ切断の入り口付近と出口付近で面振れしても、その面振れの範囲が第1のダイシングソー20aの刃幅以内となるようにすることで、図6に示したような、熱電変換素子5の転倒や位置ずれ、飛散等が生じないようにした。
そして、上記熱電変換素子形成工程の後、本実施形態例では、図3(e)に示すように、透明板部材の仮固定部材12の表面側から紫外光(UV)を照射して、前記複数の熱電変換素子5のうち前記マスク8の形成部位を除く部位上に配列している熱電変換素子5を仮固定部材12から離脱させることにより、複数の熱電変換素子5を前記仮固定部材12上に互いに間隔を介して互い違いに配列する。この工程は、素子仮固定整列工程という。
次に、図3(f)に示すように、仮固定部材12上に固定されたP型の熱電変換素子5(5a)の柱部3の先端側を第2の基板7の電極形成面17に対向配置する。また、図3(f)には示されていないが、同様に、仮固定部材12上に固定されたN型の熱電変換素子5(5b)の柱部3の先端側を第1の基板6の電極形成面16上に対向配置する。
そして、それぞれの基板6,7と共に対応するP型とN型の熱電変換素子5(5a,5b)を、セラミックヒーター21等を用いて加熱することにより、P型の熱電変換素子5aの柱部3の先端側を第2の基板7の対応する電極2上に一括固定し、N型の熱電変換素子5bの柱部3の先端側を第1の基板6の対応する電極2上に一括固定する。この工程は、素子配列工程という。なお、熱電変換素子5(5a,5b)の電極2上への固定は、図示されていない半田を介して行うものであり、半田は電極2上に設けておいてもよいし、熱電変換素子形成用板材1の表面と裏面に予め形成しておいてもよい。
次に、素子配列工程後に、図3(g)に示すように、仮固定部材12をP型とN型の熱電変換素子5(5a,5b)から外す。なお、本実施形態例では、上記素子配列工程で熱電変換素子5(5a,5b)を加熱することによって透明両面テープ22による接着が解除されるので、仮固定部材12を熱電変換素子5(5a,5b)から容易に外すことができる。
そして、図3(h)に示すように、P型の熱電変換素子5aが固定された第2の基板7の電極形成面17とN型の熱電変換素子5bが固定された第1の基板6の電極形成面16とを互いに対向させてP型の熱電変換素子5aとN型の熱電変換素子5bを基板面に沿って互い違いに嵌め込み配置した後、図3(i)に示すように、P型の熱電変換素子5aの柱補強部4の端部を第1の基板6の対応する電極2上に一括固定し、N型の熱電変換素子5bの柱補強部4の端部を第2の基板7の対応する電極2上に一括固定する。
本実施形態例は以上のように構成されており、上記製造方法を適用することにより、熱電変換素子5(5a,5b)が柱補強部4を有する構成としたので、熱電変換モジュール製造中に、熱電変換素子5(5a,5b)の仮固定部材12上への固定強度が不足して、仮固定部材12上で倒れてしまったり、動いてしまって整列できなかったり、仮固定部材12上から外に飛び出してしまったりすることを抑制でき、効率良く熱電変換素子5(5a,5b)を配列させて小型の熱電変換モジュールを歩留まりよく製造することができる。
また、本実施形態例によれば、熱電変換素子5(5a,5b)が柱部3と柱補強部4を有するので、熱電変換素子5(5a,5b)の固定安定性が従来例よりも増し、長期信頼性の高い熱電変換モジュールとすることができる。
なお、本発明は上記実施形態例に限定されることはなく、様々な態様を採り得る。例えば、上記実施形態例では、仮固定部材12を透明板部材により形成し、UVテープ23により固定したが、UVテープ23の代わりに、紫外光照射によって接合が解除される接合剤としてUV接着剤を用いてもよい。
さらに、上記実施形態例では、仮固定部材12を透明部材により形成し、紫外光照射によって接合が解除される接合剤を介して熱電変換素子形成用板材1を固定したが、熱電変換素子形成用板材1の仮固定部材12への固定方法は特に限定されるものでなく、適宜設定されるものである。ただし、上記実施形態例に示すように、紫外光照射によって接合が解除される接合剤を介して熱電変換素子形成用板材1を仮固定部材12に固定し、熱電変換素子5を形成後に、紫外光照射により接合を解除すると、上記実施形態例のように、より効率的に熱電変換モジュールの製造を行うことができる。
さらに、上記説明は熱電変換モジュールとしてのペルチェモジュールおよびその製造方法について例を挙げて説明したが、本発明の熱電変換モジュールおよびその製造方法は、ゼーベック効果を利用して発電を行う熱電変換モジュールおよびその製造方法にも適用できる。
本発明に係る熱電変換モジュールの一実施形態例を模式的に示す説明図(a)と、この実施形態例に適用されている熱電変換素子の例を示す説明図(b)である。 上記実施形態例の熱電変換モジュールの製造において適用される熱電変換素子形成工程の説明図である。 上記実施形態例の熱電変換モジュールの製造方法の一例を模式的に示す説明図である。 ダイシングソーによる切断形態と、切断における問題点を説明するための模式図である。 本発明者が試行した熱電変換モジュールの製造方法例を模式的に示す説明図である。 上記本発明者が試行した熱電変換モジュールの製造方法に関する問題点を模式的に示す説明図である。 従来の熱電変換モジュールとその製造方法例を示す説明図である。
符号の説明
1 熱電変換素子形成用板材
2 電極
3 柱部
4 柱補強部
5,5a,5b 熱電変換素子
6 第1の基板
7 第2の基板
10 切り込み
20 ダイシングソー
20a 第1のダイシングソー
20b 第2のダイシングソー

Claims (6)

  1. 上下に互いに間隔を介して対向配置された第1と第2の基板の対向表面に複数の電極が互いに間隔を介して配設され、前記第1と第2の基板の間に互いに間隔を介して配置されたP型とN型の複数の熱電変換素子が対応する電極を介して接続されている熱電変換モジュールにおいて、前記熱電変換素子はそれぞれ、四角柱形状の柱部と、該柱部の一端側に段部を介して柱部よりも幅と奥行きの少なくとも一方が大きく形成された柱補強部とを有しており、P型の熱電変換素子の柱補強部端部が第1の基板の電極上に固定されて柱部の他端側が第2の基板の電極上に固定され、N型の熱電変換素子の柱補強部端部が第2の基板の電極上に固定されて柱部他端側が第1の基板の電極上に固定されていることを特徴とする熱電変換モジュール。
  2. 柱補強部の上下方向の長さを10μm以上としたことを特徴とする請求項1記載の熱電変換モジュール。
  3. 請求項1または請求項2記載の熱電変換モジュールを製造する熱電変換モジュールの製造方法であって、P型およびN型の熱電変換素子形成用板材をそれぞれ別個の対応する仮固定部材上に固定し、第1のダイシングソーにより熱電変換素子形成用板材の表面から厚み方向途中部にかけて切り込んで形成した切り込みを熱電変換素子形成用板材に格子縞状に形成し、然る後に、前記第1のダイシングソーよりも刃幅が狭い第2のダイシングソーにより前記切り込みの先端部から熱電変換素子形成用板材の裏面にかけて厚み方向に切り込むことにより熱電変換素子形成用板材を格子縞状に切断して、柱部と柱補強部とを有する複数のP型とN型の熱電変換素子をそれぞれ対応する仮固定部材上に配列形成する熱電変換素子形成工程を有することを特徴とする熱電変換モジュールの製造方法。
  4. 仮固定部材は透明板部材により形成して該透明板部材の板面に千鳥格子縞状のマスクを形成し、紫外光照射によって接合が解除される接合剤を介してP型およびN型の熱電変換素子形成用板材をそれぞれ対応する仮固定部材上に固定し、熱電変換素子形成工程により前記熱電変換素子形成用板材の表面側から前記マスクの境界線に沿って熱電変換素子形成用板材の切断を行って熱電変換素子を仮固定部材上に複数配列形成し、然る後に透明板部材の表面側から紫外光を照射して前記複数の熱電変換素子のうち前記マスク形成部位を除く部位上に配列している熱電変換素子を前記仮固定部材から離脱させることにより複数の熱電変換素子を前記仮固定部材上に互いに間隔を介して互い違いに配列する素子仮固定整列工程を有することを特徴とする請求項3記載の熱電変換モジュールの製造方法。
  5. 仮固定部材上に固定されたP型の熱電変換素子の柱部先端側を第2の基板の電極形成面に対向配置し、仮固定部材上に固定されたN型の熱電変換素子の柱部先端側を第1の基板の電極形成面上に対向配置し、それぞれの基板と共に対応するP型とN型の熱電変換素子を加熱することにより、P型の熱電変換素子の柱部先端側を第2の基板の対応する電極上に一括固定し、N型の熱電変換素子の柱部先端側を第1の基板の対応する電極上に一括固定する素子配列工程を有することを特徴とする請求項3または請求項4記載の熱電変換モジュールの製造方法。
  6. 素子配列工程後に、仮固定部材をP型とN型の熱電変換素子から外し、P型の熱電変換素子が固定された第2の基板の電極形成面とN型の熱電変換素子が固定された第1の基板の電極形成面とを互いに対向させてP型の熱電変換素子とN型の熱電変換素子を基板面に沿って互い違いに嵌め込み配置した後、P型の熱電変換素子の柱補強部端部を第1の基板の対応する電極上に一括固定し、N型の熱電変換素子の柱補強部端部を第2の基板の対応する電極上に一括固定する工程を有することを特徴とする請求項5記載の熱電変換モジュールの製造方法。
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