JP4182208B2 - 発電機能付熱交換器の製造方法 - Google Patents
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Description
性能指数Z=[熱電能]2/([抵抗率]×[熱伝導率]) (1)
で示される指標が重要であり、この値が0.001〜0.003程度以上になると、発電用に利用が可能とされている。式(1)で熱伝導率を用いない式は出力因子と呼ばれ
出力因子=[熱電能]2/[抵抗率] (2)
で表され、同じく熱電材料の発電能力の指標とされ、0.001〜0.003以上が良い材料の一つの目安である。
現実にはこのような性能指数を実現する材料はビスマス、テルル、アンチモン、コバルトなどからなるごく一部の化合物半導体であり、大量に利用される事を想定すると、資源枯渇の問題、環境汚染の問題が顕在化してくると懸念されている。
・ガスを燃焼させて熱を得る通常の燃焼器の機能だけではなく、燃焼熱から電気を取り出すことのできる熱交換器であり、かつ電気を取り出すことによって熱が燃焼系外部へ出ることのない、効率の良い発電機能付の熱交換器。
・燃焼炎温度で動作させても熱応力による破損、化学的安定性の問題が生じない、信頼性の高い発電機能付の熱交換器。
・発電する為に必要な多くの接合を信頼性高く形成する発電機能付の熱交換器の製造技術。
を提供することで、ガス燃料を供給するのみで電気と熱をエネルギーを取り出すことができる全く新規な燃焼システムを実現するものである。
また、本発明の発電機能付熱交換器の製造方法は、パターニングした単一の第1の物質に特定の箇所だけマスクを行い、メッキを施し、その後熱処理することで当該部分を電気的に第1の物質と異なるものに変質させ第2の物質の役割をさせ、2種の異なる物質の接合を複数個同時に形成するものである。
また、本発明の発電機能付熱交換器の製造方法は、パターニングした単一の第1の物質に特定の箇所だけマスクを行い、イオン注入処理することで当該部分を電気的に第1の物質と異なるものに変質させ第2の物質の役割をさせ、2種の異なる物質の接合を複数個同時に形成するものである。
熱交換器は物質A、物質Bの2種の異なる導電性物質から構成され、これが、図4(右)のように互いに電気的に直列に接合される。電流の流れる順路に従って、物質Aから物質Bに接合される場所は燃焼炎の中にあるように、またその反対側である物質Bから物質Aに接合される場所は、燃料ガスが供給される上流側の燃料ノズル内にあるように素子を設置する。この時のガス流路の温度分布を考えると、燃料ガスの供給側では室温であるが、定常的に燃料が燃焼している炎の中は非常に高温になっている。従って、この場合、物質AおよびBの両端には温度差が発生し、熱起電力が発生する。
物質A、Bの内部には温度差と物質の熱伝導率に比例した熱流、すなわち熱伝導が発生し、図4(右)に示すように温度が高い燃焼炎近傍から燃料ガスの上流側に熱を運ぼうとする。しかしながら、上流側からは温度が低い燃料ガスが流入してくるため、物質A、Bの表面から熱を奪い、燃料ガスは予熱され、高温の燃料ガスとなって効果的に燃焼反応をおこなうことになる。物質A,Bはよく熱が奪われるよう、例えば、薄板の場合は長さに対して厚みが50分の1以下、または細線の場合は長さに対して20分の1であるため、物質A,B内を流れる伝熱による高温側からの熱流は非常に効果的に燃料ガスの対流により熱回収される。
開放起電力Voc=α×ΔT×n (3)
最大電力Pmax=α2ΔT2n/(4R) (4)
が得られる。
例えば、単一の種類の材料Aであらかじめ高温側と低温側を往復するような経路を作製しておき、このうち、往復経路のうちの一方、例えば電流経路を一方向に定めた時に、高温側から低温側に向かう経路の表面に異種材料Cをメッキし、後に熱処理を行うと、材料Cが材料A中に拡散していき、この経路部分の抵抗率や熱電能が変化し新しい物性をもつ材料Dになる。すると、最終的には材料Aと材料Dが互いに接続された、本発明が意図する熱交換器が形成され、目的の機能が発現する。
メッキ法の場合と同様、あらかじめ単一の種類の材料Aであらかじめ高温側と低温側を往復するような経路を作製しておき、このうち、往復経路のうちの一方、例えば電流経路を一方向に定めた時に、高温側から低温側に向かう経路部分に材料Cのイオン注入を行い、、後に熱処理を行うと、材料Cが材料A中に拡散していき、この経路部分の抵抗率や熱電能が変化し新しい物性をもつ材料Dになる。すると、最終的には材料Aと材料Dが互いに接続された、本発明が意図する熱交換器が形成され、燃焼炎の中に設置したときに発電する、という、本発明が目的とする機能が発現する。
通常熱電材料として利用されているBi-Sb-Te-Seから構成される化合物半導体では出力因子は4mW/mK2であることを考えると、電気的な特徴だけを考えれば金属でも十分に発電利用が可能であることが、上記測定から明らかである。
図12は、低温側と高温側の温度差をそれぞれ135K、178K、244Kに保持したときの、20対素子の電流−電圧特性、および電流−出力特性を示したものである。図より明らかなように温度差244Kのときに最大出力5mW、開放起電力0.31Vが得られており、実施例1で作製した素子が発電のために有効に機能することが分かる。
燃料には空気とブタンガスの混合燃料ガスを用い、ニードルバルブとフローメータによって燃料ガスの供給量をコントロールした。燃料の吹き出しノズルは5mm×30mmであり、ノズルの高さは4mm程度あり、ノズル部分はセラミクスで作製した。この中から実施例1で作製した素子を、ちょうど燃焼炎の部分に素子の高温側接合部が入るような形で、図4に示した通り金属素子が燃料ガス流中に浮くような状態で保持した。素子の低温側接合部には温度を監視するため温度センサーを取り付けた。燃料ガスに着火し、燃料ガス流量を0.4L/min.の状態にして、定常状態になるまで1分ほど待ち、素子の発電特性を測定した。
素子の高温側は赤熱していたが、10分間の発電でもなんら出力に変化は生じなかった。またこの発電実験を10回以上繰り返したが、素子になんら故障は発生せず、また特性の劣化も認められなかった。
素子が熱伝導性のよい金属で構成されているにも関わらず、500Kの温度差が発生した理由としては、室温の燃料ガス流中に素子を平行に保持したことにより、素子の表面から熱が効果的にガス中に回収されたためと考えられる。
図16に示すパターンを単一の材料、例えば銅で作成する。14、15、16は全て銅で一体となっている部材である。14は銅そのままの部分、15はその上からニッケルがメッキされている部分、16は電圧取り出し端子を示している。
厚さ0.2mmのガラス基板上に図17上図に示すようなシリコン薄膜のパターン17を形成する。このシリコンの厚みは、機能を確認する目的では例えば1μmでよいが、より厚い方が内部抵抗が小さくなるため、発電能力が高くなる。このシリコン膜は不純物を含まない純物質であり、導電性に乏しい。
イオン注入法ではマスクを併用することで、特定の領域に任意の濃度のイオン化原子を注入することができる。この方法を用いて図17中図に示す18の斜線部領域のみにシリコンにN型の導電性を付与する元素例えばPを1021cm-3の濃度で注入する。イオン注入直後の状態ではシリコン中に打ち込まれたP原子はシリコンの結晶格子を壊しながら侵入しており、十分に導電性は出ていない。
図18は通常の調理用ガスコンロの内部に本発明の発電機能付き熱交換器を組み込んだ場合の模式図である。図中、20は実施例1のように金属によって構成された発電機能付き熱交換器であり、21の電線で一方の熱交換器の(+)端子ともう一方の熱交換器の(−)端子を接続して、複数の熱交換器を直列または並列に接続して、電圧、または電流を大きくし、最終的には1つの(+)端子と1つの(−)端子から端次台24を経て燃焼容器22の外側に電線を取り出している。23の燃料ガス入り口から22の燃焼器に燃料ガスは送り込まれ、熱交換器20が設置されている燃料ガス吹き出し口から吹き出して燃焼炎を形成する。
Claims (3)
- 熱電能が異なる2種類の第1の物質と第2の物質を交互に機械的かつ電気的に接合し、第1の物質から第2の物質に接合する接合端が燃料ガスの流入する上流側に、第2の物質から第1の物質に接合するもう一方の接合端が燃焼している炎中に位置するように、燃料ガスの流れの中に第1及び第2の物質の接合体を配置し、燃焼炎で得た熱を第1及び第2の物質の伝熱によって燃料ガス上流側に運び、燃料ガスを予熱すると同時に第1及び第2の物質の接合部から電圧を取り出すよう構成した発電機能付熱交換器の製造方法であって、
前記第1の物質と第2の物質がそれぞれ10μV/K以上の熱電能の絶対値を有する金属、或いは100μV/K以上の熱電能の絶対値を有する半導体で構成し、
連結部分により複数個連ねた前記第1の物質と第2の物質の板状部材をそれぞれフォトエッチング法により作製し、これら2種の異なる物質の板状部材を互いに位置あわせを行い、電気的及び機械的に接合した後、前記連結部分を切り離すことから成る発電機能付熱交換器の製造方法。 - 熱電能が異なる2種類の第1の物質と第2の物質を交互に機械的かつ電気的に接合し、第1の物質から第2の物質に接合する接合端が燃料ガスの流入する上流側に、第2の物質から第1の物質に接合するもう一方の接合端が燃焼している炎中に位置するように、燃料ガスの流れの中に第1及び第2の物質の接合体を配置し、燃焼炎で得た熱を第1及び第2の物質の伝熱によって燃料ガス上流側に運び、燃料ガスを予熱すると同時に第1及び第2の物質の接合部から電圧を取り出すよう構成した発電機能付熱交換器の製造方法であって、
前記第1の物質と第2の物質がそれぞれ10μV/K以上の熱電能の絶対値を有する金属、或いは100μV/K以上の熱電能の絶対値を有する半導体で構成し、
パターニングした単一の第1の物質に特定の箇所だけマスクを行い、メッキを施し、その後熱処理することで当該部分を電気的に第1の物質と異なるものに変質させ第2の物質の役割をさせ、2種の異なる物質の接合を複数個同時に形成することから成る発電機能付熱交換器の製造方法。 - 熱電能が異なる2種類の第1の物質と第2の物質を交互に機械的かつ電気的に接合し、第1の物質から第2の物質に接合する接合端が燃料ガスの流入する上流側に、第2の物質から第1の物質に接合するもう一方の接合端が燃焼している炎中に位置するように、燃料ガスの流れの中に第1及び第2の物質の接合体を配置し、燃焼炎で得た熱を第1及び第2の物質の伝熱によって燃料ガス上流側に運び、燃料ガスを予熱すると同時に第1及び第2の物質の接合部から電圧を取り出すよう構成した発電機能付熱交換器の製造方法であって、
前記第1の物質と第2の物質がそれぞれ10μV/K以上の熱電能の絶対値を有する金属、或いは100μV/K以上の熱電能の絶対値を有する半導体で構成し、
パターニングした単一の第1の物質に特定の箇所だけマスクを行い、イオン注入処理することで当該部分を電気的に第1の物質と異なるものに変質させ第2の物質の役割をさせ、2種の異なる物質の接合を複数個同時に形成することから成る発電機能付熱交換器の製造方法。
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