JP2009081178A - 熱電変換モジュールの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】MgAgAs型結晶構造を主相とする金属間化合物からなる熱電素子を用いた熱電変換モジュールにおいて、高温での実用性や信頼性を高めた熱電変換モジュールの製造方法を提供する。
【解決手段】 第1の電極部材および第2の電極部材はAgまたはCuのいずれか一方を含む合金からなり、前記熱電素子は、MgAgAs型結晶構造を有する金属間化合物を主相とする熱電材料からなり、第1のセラミックス基板に第1の電極部材を接合する工程および第2のセラミックス基板に第2のセラミックス基板に第2の電極部材を接合する工程を行った後の工程として、第1の電極部材と熱電素子を接合する工程および第2の電極部材と熱電素子を接合する工程を具備することを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】 第1の電極部材および第2の電極部材はAgまたはCuのいずれか一方を含む合金からなり、前記熱電素子は、MgAgAs型結晶構造を有する金属間化合物を主相とする熱電材料からなり、第1のセラミックス基板に第1の電極部材を接合する工程および第2のセラミックス基板に第2のセラミックス基板に第2の電極部材を接合する工程を行った後の工程として、第1の電極部材と熱電素子を接合する工程および第2の電極部材と熱電素子を接合する工程を具備することを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、MgAgAs型結晶構造を有する金属間化合物を主相とする熱電材料を用いた熱電変換モジュールの製造方法に関する。
資源の枯渇が予想される今日、如何にエネルギーを有効に利用するかは極めて重要な課題となっており、種々のシステムが提案されている。その中でも、熱電素子はこれまで排熱として無駄に環境中に捨てられていたエネルギーを回収する装置として期待されている。熱電素子はp型熱電素子(p型熱電半導体)とn型熱電素子(n型熱電半導体)とを交互に直列接続した熱電変換モジュールとして使用される。
しかしながら、現状の熱電変換モジュールは、単位面積あたりの出力、つまり出力密度が低いため発電用としてはほとんど実用化していない。出力密度をあげるためには熱電素子の性能向上、および使用時においてはモジュールの温度差を大きくすることが必要であり、熱電変換モジュールを廃熱等から電力を取り出す熱電発電装置に適用する場合には、300℃以上の高温環境下で使用することが可能な熱電素子が求められる。
このような熱電素子としては、MgAgAs型結晶構造を有する金属間化合物を主相とする熱電材料(以下、ハーフホイスラー材料と呼ぶ)が知られている(特許文献1,2参照)。ハーフホイスラー材料は半導体的性質を示し、その一部は室温下で高いゼーベック効果を示すことが報告されている。ハーフホイスラー材料は使用可能温度が高く、熱電変換効率の向上が見込まれることから、高温の熱源を利用する熱電発電装置に有用な熱電素子材料として期待されている。ハーフホイスラー材料を熱電発電装置に利用するにあたっては、高温に耐え得る信頼性の高いモジュール構造を実現することが重要となる。
このような熱電素子としては、MgAgAs型結晶構造を有する金属間化合物を主相とする熱電材料(以下、ハーフホイスラー材料と呼ぶ)が知られている(特許文献1,2参照)。ハーフホイスラー材料は半導体的性質を示し、その一部は室温下で高いゼーベック効果を示すことが報告されている。ハーフホイスラー材料は使用可能温度が高く、熱電変換効率の向上が見込まれることから、高温の熱源を利用する熱電発電装置に有用な熱電素子材料として期待されている。ハーフホイスラー材料を熱電発電装置に利用するにあたっては、高温に耐え得る信頼性の高いモジュール構造を実現することが重要となる。
例えば、熱電変換モジュールを高温で使用する場合、p型熱電素子とn型熱電素子との熱膨張率差、また熱電素子と電極部材との熱膨張率差等によって、熱電素子と電極部材との接合部に大きな熱応力が発生する。さらに、実際の使用時には熱電変換モジュールの上下面間に温度差や熱サイクルが生じる場合が多い。このようなことから、異種材料の接合箇所が多い熱電変換モジュールは、例えば300℃以上といった高温環境下で長期間にわたって信頼性を確保することが難しいという問題を有している。
特開2004−356607号公報
特開2005−116746号公報
熱電変換モジュールを高温で使用する場合においては、p型熱電素子(p型熱電半導体)とn型熱電素子(n型熱電半導体)との熱膨張率差や熱電素子と電極部材との熱膨張率差などによって生じる熱応力により、熱電素子と電極部材との接合部や接合部近傍に破損が生じるため、高信頼性のモジュールを実現することは非常に困難であった。
本発明はこのような課題に対処するためになされたもので、適切な電極部材を使用することによって、実用性や信頼性を高めた熱電変換モジュールの製造方法を提供することにある。
本発明の熱電モジュールの製造方法は、高温側に配置される第1の電極部材を接合した第1のセラミックス基板と、前記第1の電極部材と対向して低温側に配置される第2の電極部材を接合した第2のセラミックス基板と、前記第1の電極部材と前記第2の電極部材との間に配置され、かつ前記第1および第2の電極部材の双方に電気的に接続された熱電素子とを具備する熱電変換モジュールの製造方法において、第1の電極部材および第2の電極部材はAgまたはCuのいずれか一方を含む合金からなり、前記熱電素子は、MgAgAs型結晶構造を有する金属間化合物を主相とする熱電材料からなり、第1のセラミックス基板に第1の電極部材を接合する工程および第2のセラミックス基板に第2のセラミックス基板に第2の電極部材を接合する工程を行った後の工程として第1の電極部材と熱電素子を接合する工程および第2の電極部材と熱電素子を接合する工程を具備することを特徴とするものである。
また前記電極部材はAgを70wt%以上含むAg合金、またはCuを90wt%以上含むCu合金であることが好ましい。
熱電素子と電極部材との接合は活性金属ろう材層を介して接合することが好ましい。また、第1基板及び第2基板はセラミックス基板であることが好ましい。
本発明の熱電変換モジュールに用いられる前記熱電素子は、MgAgAs型結晶構造を有する金属間化合物を主相とする熱電材料からなり、前記熱電素子は、
一般式:AxByX100-x-y
(式中、AはTi、Zr、Hfおよび希土類元素から選ばれる少なくとも1種の元素を、BはNi、CoおよびFeから選ばれる少なくとも1種の元素を、XはSnおよびSbから選ばれる少なくとも1種の元素を示し、xおよびyは30≦x≦35原子%、30≦y≦35原子%を満足する数である)
で実質的に表される組成を有するものが好ましい。ここで言う主相とは、構成される元素の中でもっとも体積分率の高い相のことである。
一般式:AxByX100-x-y
(式中、AはTi、Zr、Hfおよび希土類元素から選ばれる少なくとも1種の元素を、BはNi、CoおよびFeから選ばれる少なくとも1種の元素を、XはSnおよびSbから選ばれる少なくとも1種の元素を示し、xおよびyは30≦x≦35原子%、30≦y≦35原子%を満足する数である)
で実質的に表される組成を有するものが好ましい。ここで言う主相とは、構成される元素の中でもっとも体積分率の高い相のことである。
また、第1の電極部材と熱電素子を接合する工程および第2の電極部材と熱電素子を接合する工程を一回の接合工程で行うことが好ましい。
本発明の熱電変換モジュールの製造方法においては、AgまたはCuのいずれか一方を含む合金を電極部材として使用することによって、例えば300℃以上というような高温下で使用する場合においても信頼性の非常に高い熱電変換モジュールを効率よく得ることができる。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。図1は本発明の一実施形態による熱電変換モジュールの要部構造を示す断面図である。同図に示す熱電変換モジュール10は、複数のp型熱電素子11と複数のn型熱電素子12とを有している。これらp型熱電素子11とn型熱電素子12は同一平面上に交互に配列されており、モジュール全体としてはマトリックス状に配置されて熱電素子群を構成している。1つのp型熱電素子11にはn型熱電素子12が隣接している。
まず、本発明の製造方法としては、第1のセラミックス基板に第1の電極部材を接合する工程および第2のセラミックス基板に第2のセラミックス基板に第2の電極部材を接合する工程を行った後の工程として、第1の電極部材と熱電素子を接合する工程および第2の電極部材と熱電素子を接合する工程を具備することを特徴とするものである。
つまり、第1セラミックス基板に第1電極部材、第2セラミックス基板に第2電極部材を接合する工程を先に行い、その後、第1、第2電極部材に熱電素子を接合する工程を行うものである。「第1セラミックス基板に第1電極部材、第2セラミックス基板に第2電極部材を接合する工程」と「第1、第2電極部材に熱電素子を接合する工程」の間に必要に応じてクリーニング工程、エッチング工程等の別工程が入ってもよいものとする。
また、セラミックス基板と電極部材の接合には後述する活性金属ろう材を用いることが好ましい。また、電極部材と熱電素子の接合にも後述する活性金属ろう材を用いることが好ましい。接合ろう材に、同じ活性金属ろう材を用いることにより、接合ろう材を一種類にすることができ、製造工程の管理を簡素化できる。
また、第1の電極部材と熱電素子の接合工程、第2の電極部材と熱電素子の接合工程は一回の接合工程で行うことにより熱処理回数を少なくすることができる。また、一回の接合工程により行うことによりセラミックス基板の反り等の不具合を解消することができる。つまり、電極部材を接合したセラミックス基板で熱電素子を挟んで熱処理を接合工程を行うことにより、実質的に上下対象とすることができるため熱歪のバランスがとれるため反り等を小さくすることができる。特に、熱電モジュールは熱電素子を複数個用いるため、反りが発生し易い。そのため、本発明の製造方法が有効となる。
まず、本発明の製造方法としては、第1のセラミックス基板に第1の電極部材を接合する工程および第2のセラミックス基板に第2のセラミックス基板に第2の電極部材を接合する工程を行った後の工程として、第1の電極部材と熱電素子を接合する工程および第2の電極部材と熱電素子を接合する工程を具備することを特徴とするものである。
つまり、第1セラミックス基板に第1電極部材、第2セラミックス基板に第2電極部材を接合する工程を先に行い、その後、第1、第2電極部材に熱電素子を接合する工程を行うものである。「第1セラミックス基板に第1電極部材、第2セラミックス基板に第2電極部材を接合する工程」と「第1、第2電極部材に熱電素子を接合する工程」の間に必要に応じてクリーニング工程、エッチング工程等の別工程が入ってもよいものとする。
また、セラミックス基板と電極部材の接合には後述する活性金属ろう材を用いることが好ましい。また、電極部材と熱電素子の接合にも後述する活性金属ろう材を用いることが好ましい。接合ろう材に、同じ活性金属ろう材を用いることにより、接合ろう材を一種類にすることができ、製造工程の管理を簡素化できる。
また、第1の電極部材と熱電素子の接合工程、第2の電極部材と熱電素子の接合工程は一回の接合工程で行うことにより熱処理回数を少なくすることができる。また、一回の接合工程により行うことによりセラミックス基板の反り等の不具合を解消することができる。つまり、電極部材を接合したセラミックス基板で熱電素子を挟んで熱処理を接合工程を行うことにより、実質的に上下対象とすることができるため熱歪のバランスがとれるため反り等を小さくすることができる。特に、熱電モジュールは熱電素子を複数個用いるため、反りが発生し易い。そのため、本発明の製造方法が有効となる。
1つのp型熱電素子11とこれに隣接する1つのn型熱電素子12の上部には、これら素子間を接続する第1の電極部材13が配置されている。他方、1つのp型熱電素子11とこれに隣接する1つのn型熱電素子12の下部には、これら素子間を接続する第2の電極部材14が配置されている。第1の電極部材13と第2の電極部材14は素子1個分だけずれた状態で配置されている。このようにして、複数のp型熱電素子11とn型熱電素子12とが電気的に直列に接続されている。すなわち、p型熱電素子11、n型熱電素子12、p型熱電素子11、n型熱電素子12…の順に直流電流が流れるように、第1および第2の電極部材13、14が配置されている。なお、第1の電極部材と第2の電極部材は対向配置されているものであるが、完全に対向している必要はなく、電極部材の一部が対向していればよい。
第1の電極部材13の外側(熱電素子11、12と接合される面とは反対側の面)には、これら電極部材13に共通に接合された第1基板15が配置されている。他方、第2の電極部材14の外側にも、これら電極部材14に共通に接合された第2基板16が配置されている。すなわち、第1および第2の電極部材13、14はそれぞれ第1基板15、第2基板16で支持されており、これらによってモジュール構造が維持されている。第1基板15および第2基板16はセラミックス板で構成することが好ましい。セラミックス板には熱伝導性に優れる窒化アルミニウム、窒化珪素、炭化珪素、アルミナおよびマグネシアから選ばれる少なくとも1種を主成分とするセラミックス基板で構成することが好ましい。なお、炭化珪素は導電性を有しているため、第1基板および第2基板として使用する場合には、その表面に絶縁層を設けて使用する。セラミックス基板としては特開2002−203993号公報に記載されているような窒化珪素基板が好ましい。窒化珪素基板は熱伝導率が65W/m・K以上、3点曲げ強度600MPa以上と優れた特性を有しているため、熱電素子11、12を多数搭載した場合においても、強度不足等の不具合を生じることがない。
第1および第2の電極部材13、14は、AgまたはCuのいずれか一方を含む合金により構成する。AgまたはCuのいずれか一方を含む合金は強度が高く高温疲労特性に優れる。また電気伝導度、熱伝導度が高く電極部材として適している。熱電素子と電極部材との接合界面近傍には熱膨張率差に起因する大きな熱応力が発生するため、接合界面近傍の電極部材の信頼性がモジュール信頼性に大きく影響する。電極部材としてAgまたはCuのいずれか一方を含む合金を用いることにより応力集中箇所である接合界面近傍の電極材での信頼性が向上し、高温で信頼性の高い熱電モジュールを得ることができる。またBeやSnなど特定の元素を添加した合金はばね特性を示すため応力緩和の効果が期待できる。例えば熱電素子としてMgAgAs型結晶構造を有する金属間化合物を用いた場合、電極部材13、14との実質的な熱膨張率差が小さくなるため、熱電素子と電極材との接合箇所で発生する熱応力を抑制することができる。なお、電極部材としてAgまたはCuのいずれか一方を含む合金は、Agを70wt%以上またはCuを90wt%以上含む合金が好ましい。さらに好ましくは、Ag合金としては、Cu、Ni、Au、Pt、Pd、Sn、Inから選ばれる少なくとも1種の元素を、Cu合金としては、Be、Ni、Si、Sn、Zn、Mgから選ばれる少なくとも1種の元素を用いることによって、AgやCuと比較して高い温度域での接合を行うことが可能である。このため高温短時間での接合が可能となり、全体としてのモジュール作製時間を短縮することが可能である。
p型およびn型熱電素子11、12と電極部材13、14との接合層15には、活性金属ろう材を用いることが好ましい。活性金属ろう材は、例えばTi、ZrおよびHfから選ばれる少なくとも1種の活性金属を含有するろう材であり、機械的に強固な接合構造が得られるだけでなく、電気的接触抵抗や熱抵抗が小さい接合構造を実現することができる。活性金属ろう材としては、Ag、CuおよびNiから選ばれる少なくとも1種を主成分とし、Ti、ZrおよびHfから選ばれる少なくとも1種の活性金属を0.1〜10質量%の範囲で含有するろう材を用いることが好ましい。
活性金属ろう材は、さらにTi、ZrおよびHfから選ばれる少なくとも1種の活性金属を0.1〜8質量%、Agを60〜75質量%の範囲で含み、残部がCuからなるAg−Cu−活性金属系ろう材であることが好ましい。AgとCuは共晶組成となる割合であることが好ましい。Ag−Cu−活性金属系ろう材は、必要に応じてSnおよびInから選ばれる少なくとも1種を8〜18質量%の範囲で含有してもよく、さらに炭素を0.5〜3質量%の範囲で含有してもよい。活性金属ろう材はハーフホイスラー材料からなる熱電素子11、12に対して良好な濡れ性を示し、かつ強固な接合層構造を形成することから、電極部材13、14と機械的に強固に結合された接合、並びに接合界面での電気的、熱的損失が小さい接合を実現することが可能となる。
また、熱処理温度は700〜900℃の範囲が好ましい。Sn、Inを添加すると接合温度を700〜800℃と低温側にしたとしても強固な接合が得られる。
活性金属ろう材は、さらにTi、ZrおよびHfから選ばれる少なくとも1種の活性金属を0.1〜8質量%、Agを60〜75質量%の範囲で含み、残部がCuからなるAg−Cu−活性金属系ろう材であることが好ましい。AgとCuは共晶組成となる割合であることが好ましい。Ag−Cu−活性金属系ろう材は、必要に応じてSnおよびInから選ばれる少なくとも1種を8〜18質量%の範囲で含有してもよく、さらに炭素を0.5〜3質量%の範囲で含有してもよい。活性金属ろう材はハーフホイスラー材料からなる熱電素子11、12に対して良好な濡れ性を示し、かつ強固な接合層構造を形成することから、電極部材13、14と機械的に強固に結合された接合、並びに接合界面での電気的、熱的損失が小さい接合を実現することが可能となる。
また、熱処理温度は700〜900℃の範囲が好ましい。Sn、Inを添加すると接合温度を700〜800℃と低温側にしたとしても強固な接合が得られる。
活性金属ろう材を用いた熱電素子11、12と電極部材13、14との接合は、例えば760〜930℃の範囲の温度に加熱して実施される。このような高温下で熱電素子11、12と電極部材13、14とを接合することによって、例えば300℃以上600℃以下の環境温度下で熱電モジュール10を使用した場合においても、熱電素子11、12と電極部材13、14との接合強度を維持することができる。従って、300℃以上の環境温度下での使用に好適な熱電モジュール10を提供することができる。活性金属ろう材は電極部材13、14と絶縁性導熱板15、16との接合にも適用することができる。
p型熱電素子11およびn型熱電素子12は、MgAgAs型結晶構造を有する金属間化合物を主相とする熱電材料(ハーフホイスラー材料)により形成されている。ここで、主相とは構成される相の中で最も体積分率が高い相を指すものである。ハーフホイスラー材料は新規の熱電変換材料として注目されており、高い熱電性能が報告されている。ハーフホイスラー化合物は化学式ABXで表され、立方晶系のMgAgAs型結晶構造を持つ金属間化合物である。ハーフホイスラー化合物は図2に示すように、A原子とX原子によるNaCl型結晶格子にB原子が挿入された結晶構造を有している。図2において、Zは空孔を示している。
ハーフホイスラー化合物はMgAgAs型結晶構造を有する化合物の総称であり、ABXを構成する各元素は多くの種類が知られている。Aサイト元素としては、3族元素(Sc、希土類元素等)、4族元素(Ti、Zr、Hf等)、および5族元素(V、Nb、Ta等)から選ばれる少なくとも1種の元素が用いられる。Bサイト元素としては7族元素(Mn、Tc、Re等)、8族元素(Fe、Ru、Os等)、9族元素(Co、Rh、Ir等)、および10族元素(Ni、Pd、Pt等)から選ばれる少なくとも1種の元素が用いられる。Xサイト元素としては13族元素(B、Al、Ga、In、Tl)、14族元素(C、Si、Ge、Sn、Pb等)、および15族元素(N、P、As、Sb、Bi)から選ばれる少なくとも1種の元素が用いられる。
ハーフホイスラー化合物の具体例としては、
一般式:AxByX100-x-y …(1)
(式中、AはTi、Zr、Hfおよび希土類元素から選ばれる少なくとも1種の元素を、BはNi、CoおよびFeから選ばれる少なくとも1種の元素を、XはSnおよびSbから選ばれる少なくとも1種の元素を示し、xおよびyは30≦x≦35原子%、30≦y≦35原子%を満足する数である)
で表される組成を有する化合物が挙げられる。
一般式:AxByX100-x-y …(1)
(式中、AはTi、Zr、Hfおよび希土類元素から選ばれる少なくとも1種の元素を、BはNi、CoおよびFeから選ばれる少なくとも1種の元素を、XはSnおよびSbから選ばれる少なくとも1種の元素を示し、xおよびyは30≦x≦35原子%、30≦y≦35原子%を満足する数である)
で表される組成を有する化合物が挙げられる。
さらに、p型およびn型熱電素子11、12に適用するハーフホイスラー化合物は、
一般式:(TiaZrbHfc)xByX100-x-y …(2)
(式中、BはNi、CoおよびFeから選ばれる少なくとも1種の元素を、XはSnおよびSbから選ばれる少なくとも1種の元素を示し、a、b、c、xおよびyは0≦a≦1、0≦b≦1、0≦c≦1、a+b+c=1、30≦x≦35原子%、30≦y≦35原子%を満足する数である)
で実質的に表される組成を有する化合物を適用することが好ましい。
一般式:(TiaZrbHfc)xByX100-x-y …(2)
(式中、BはNi、CoおよびFeから選ばれる少なくとも1種の元素を、XはSnおよびSbから選ばれる少なくとも1種の元素を示し、a、b、c、xおよびyは0≦a≦1、0≦b≦1、0≦c≦1、a+b+c=1、30≦x≦35原子%、30≦y≦35原子%を満足する数である)
で実質的に表される組成を有する化合物を適用することが好ましい。
(1)式や(2)式で表されるハーフホイスラー材料は、特に高いゼーベック効果を示し、また使用可能温度が高い(具体的には300℃以上)ことから、高温の熱源を利用する発電装置用途等の熱電変換モジュール10の熱電素子11、12として有効である。(1)式および(1)式において、Aサイト元素の量(x)は高いゼーベック効果を得る上で30〜35原子%の範囲とすることが好ましい。同様に、Bサイト元素の量(y)も30〜35原子%の範囲とすることが好ましい。
Aサイト元素を構成する希土類元素としては、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu等を用いることが好ましい。式(1)や式(2)におけるAサイト元素の一部はV、Nb、Ta、Cr、Mo、W等で置換してもよい。Bサイト元素の一部はMn、Cu等で置換してもよい。Xサイト元素の一部はSi、Mg、As、Bi、Ge、Pb、Ga、In等で置換してもよい。
熱電変換モジュール10は上述した各要素により構成することができるが、例えば図3に示すように、第1基板15および第2基板16のさらに外側に電極部材13、14に近い熱膨張率を持つ金属板19、20を配置するようにしてもよい。これら金属板19、20は、電極部材13、14と第1・第2基板15、16との接合と同様に、活性金属ろう材を適用した接合材層21を介して絶縁性導熱板15、16に接合される。このように、第1・第2基板15、16の両側に電極部材13、14の熱膨張率が同程度の金属板19、20を貼り合わせることによって、第1・第2基板15、16と電極部材13、14との熱膨張差に起因するクラックの発生等を抑制することができる。
図1または図3に示した熱電変換モジュール10は、例えば第1基板15と第2基板16間に温度差を与えるように、第1基板15を低温側(L)に配置し、かつ第2基板16を高温側(H)に配置して使用される。第2の基板16は例えば300℃以上の高温環境下に配置される。この基板15、16間の温度差に基づいて第1の電極部材13と第2の電極部材14との間に電位差が生じ、電極の終端に負荷を接続すると電力を取り出すことができる。熱電変換モジュール10は発電モジュールとして有効に利用されるものである。
熱電変換モジュール10は熱を電力に変換する発電用途に限らず、電気を熱に変換する加熱もしくは冷却用途に使用することも可能である。すなわち、直列接続されたp型熱電素子11およびn型熱電素子12に対して直流電流を流すと、一方の基板側では放熱が起こり、他方の基板側では吸熱が起こる。従って、放熱側の基板上に被処理体を配置することによって、被処理体を加熱することができる。あるいは、吸熱側の基板上に被処理体を配置することによって、被処理体から熱を奪って冷却することができる。例えば、半導体製造装置では半導体ウエハの温度制御を実施しており、このような温度制御に熱電変換モジュール10を適用することができる。熱電温度調節装置は熱電変換モジュール10を具備し、その冷却または加熱機能を利用して温度調節を行なうものである。
次に、本発明の熱電モジュールを熱交換器に適用した実施形態について説明する。この実施形態の熱交換器は上述した実施形態による熱電変換モジュール10を具備する。熱交換器は基本的には加熱面と冷却面とを具備し、これら加熱面と冷却面との間に熱電変換モジュール10を組み込んだ構成を有している。図4は本発明の実施形態による熱交換器の構成を示す斜視図である。図4に示す熱交換器30は熱電変換モジュール10の片側の面と接触するようにガス通路31が配置され、その反対側の面に水流路32が配置されている。
ガス通路31内には、例えばごみ焼却炉からの高温の排ガスが導入される。水流路32内には冷却水が導入される。熱電変換モジュール10の片側の面はガス通路31内を流れる高温排ガスにより高温側となり、他方は水流路32内を流通する冷却水により低温側となる。このようにして、熱電変換モジュール10の両端に温度差を生じさせることにより電力が取り出される。加熱面については燃焼炉からの高温排ガスに限らず、例えば自動車エンジンの排気ガス、ボイラー内水管等を適用するとこができ、さらには各種燃料を燃焼させる燃焼部自体であってもよい。
次に、本発明の熱電発電装置の実施形態について説明する。この実施形態の熱電発電装置は上記した実施形態による熱交換器30を具備する。熱電発電装置は基本的には熱交換器30に発電用の熱を供給する熱供給部を有し、この熱供給部から供給された熱を熱交換器30における熱電変換モジュール10で電力に変換して発電するものである。
図5は本発明の実施形態による熱交換器30を適用した熱電発電装置の一例として、ごみ焼却炉の排熱を活用した排熱利用発電システムの構成を示している。図5に示す排熱利用発電システム40は、可燃性ごみを焼却する焼却炉41と、その排ガス42を吸収して排煙処理装置43に送風する送風ファン44と、排ガス42を大気中に放散させる煙突45とを具備するごみ焼却装置に、上述した実施形態による熱交換器30を付加した構成を有している。焼却炉41でごみを焼却することで、高温の排ガス42が発生する。熱交換器30にはこの排ガス42が導入されると同時に冷却水46が導入されることによって、熱交換器30内部の熱電変換モジュール10の両端に温度差が生じて電力が取り出される。また、冷却水46は温水47として取り出される。
なお、本発明の熱交換器を適用した熱電発電システムはごみ焼却設備に限らず、各種の焼却炉、加熱炉、溶融炉等を有する設備に適用可能である。また、自動車エンジンの排気管を高温排ガスのガス通路として利用したり、また汽水火力発電設備のボイラー内水管を熱供給手段として利用することも可能である。例えば、本発明の熱交換器を汽水火力発電設備のボイラー内水管もしくは水管フィンの表面に設置し、高温側をボイラー内側、低温側を水管側とすることで、電力と蒸気タービンに送られる蒸気とが同時に得られ、汽水火力発電設備の効率を改善することができる。さらに、熱交換器に熱を供給する手段は、燃焼暖房装置の燃焼部のような各種燃料を燃焼させる燃焼部自体であってもよい。
次に、本発明の具体的な実施例およびその評価結果について述べる。
実施例1
ここでは図1に構成を示した熱電変換モジュールを以下の要領で製造した。まず、熱電素子の作製例について述べる。
ここでは図1に構成を示した熱電変換モジュールを以下の要領で製造した。まず、熱電素子の作製例について述べる。
(n型熱電素子)
所定量のTi、Zr、Nb、Ni、Snを(Ti0.5Zr0.5)0.8Nb0.2NiSnの組成となるように秤量して混合した。この混合原料をアーク炉内の水冷されている銅製ハースに装填し、減圧Ar雰囲気でアーク溶解した。
所定量のTi、Zr、Nb、Ni、Snを(Ti0.5Zr0.5)0.8Nb0.2NiSnの組成となるように秤量して混合した。この混合原料をアーク炉内の水冷されている銅製ハースに装填し、減圧Ar雰囲気でアーク溶解した。
この合金を乳鉢を用いて粉砕した後、80MPaのAr雰囲気中にて1200℃×1時間の条件で加圧焼結して、直径20mmの円盤状焼結体を得た。このようにして得た焼結体から所望の形状に切り出して熱電素子とした。
(p型熱電素子)
所定量のTi、Zr、Fe、Co、Sbを(Ti0.5Zr0.5)(Fe0.2Co0.8)Snの組成となるように秤量して混合した。この混合原料をアーク炉内の水冷されている銅製ハースに装填し、減圧Ar雰囲気でアーク溶解した。
所定量のTi、Zr、Fe、Co、Sbを(Ti0.5Zr0.5)(Fe0.2Co0.8)Snの組成となるように秤量して混合した。この混合原料をアーク炉内の水冷されている銅製ハースに装填し、減圧Ar雰囲気でアーク溶解した。
この合金を乳鉢を用いて粉砕した後、80MPaのAr雰囲気中にて1200℃×1時間の条件で加圧焼結して、直径20mmの円盤状焼結体を得た。このようにして得た焼結体から所望の形状に切り出して熱電素子とした。
次に、上記したp型熱電素子とn型熱電素子を用いて、以下のようにして熱電変換モジュールを作製した。
(熱電変換モジュール)
この実施例では、絶縁性導熱板としてSi3N4製セラミックス板(熱伝導率:80W/m・K、3点曲げ強度:700MPa)を用い、電極材としてCu99%−Be1%合金を用いて熱電変換モジュールを作製した。まず、厚さ0.7mmのSi3N4板上に質量比でAg:Cu:Sn:Ti=61.9:24.1:10:4のAg−Cuろう材を基にしたペースト状の接合材をスクリーン印刷した。乾燥させた後、ペースト層上に縦2.7mm、横6.4mm、厚さ0.25mmのCu−Be合金板を縦4枚、横8枚ずつ配置し、Si3N4板上に合計32個のCu−Be合金板を電極として配置した。その後、0.01Pa以下の真空中にて800℃×20分間の熱処理を行って、Si3N4板とCu−Be合金板とを接合した。Si3N4板のCu−Be合金板を配置した反対側の面にも、上記したろう材を用いてCu板を全面に接合した。
この実施例では、絶縁性導熱板としてSi3N4製セラミックス板(熱伝導率:80W/m・K、3点曲げ強度:700MPa)を用い、電極材としてCu99%−Be1%合金を用いて熱電変換モジュールを作製した。まず、厚さ0.7mmのSi3N4板上に質量比でAg:Cu:Sn:Ti=61.9:24.1:10:4のAg−Cuろう材を基にしたペースト状の接合材をスクリーン印刷した。乾燥させた後、ペースト層上に縦2.7mm、横6.4mm、厚さ0.25mmのCu−Be合金板を縦4枚、横8枚ずつ配置し、Si3N4板上に合計32個のCu−Be合金板を電極として配置した。その後、0.01Pa以下の真空中にて800℃×20分間の熱処理を行って、Si3N4板とCu−Be合金板とを接合した。Si3N4板のCu−Be合金板を配置した反対側の面にも、上記したろう材を用いてCu板を全面に接合した。
次いで、Cu−Be合金板にさらに上記接合材をスクリーン印刷し、これを乾燥させたものを熱電モジュール用基板とした。熱電素子はMgAgAs型結晶構造を有する金属間化合物を主相とする熱電材料を使用し、この熱電モジュール基板を2枚用いて、その間に熱電素子を挟むように積層した。熱電素子はCu−Be合金板に印刷された接合材上に、p型およびn型熱電素子を交互に配置し、縦4組、横8列、計32組の正方形に配列した。この積層体を固定するために約300gの重しを載せて電気炉に配置し、0.01Pa以下の真空中にて800℃×20分間の熱処理を実施して、各熱電素子とCu−Be合金板とを接合した。冷却後に積層体を炉より取り出したところ、全ての熱電素子がCu−Be合金板と十分な強度で接合されていた。
このようにして作製した熱電変換モジュールについて、高温側を600℃、低温側を50℃とし、I−V特性を測定することによりその傾きから内部抵抗をもとめた。内部抵抗は0.8Ωであった。この条件で3000時間連続運転した後に室温に戻し、再び同条件で運転を行った。この繰り返しを10回行った後に内部抵抗を評価したところ、初期の抵抗値が維持されていることを確認した。また、電極部材や接合部は良好な状態を維持しており、電極部材や接合部、熱電素子の破損や形状変化も認められなかった。
実施例2〜11、比較例1、2
電極材を変える以外は、実施例1と同一の熱電変換モジュールをそれぞれ作製した。表1にそれぞれの電極材を用いた各モジュールの評価結果を示す。なお表1の評価結果は、各熱電変換モジュールの高温側を600℃、低温側を50℃とし、20分間保持した後に室温に戻す操作を繰り返し、モジュールに破損やクラック等が発生しない回数を示している。その回数が500回以上のものをa、100回以上500回未満のものをb、100回未満のものをcとして、実施例1〜11、比較例1、2のモジュールの評価結果を含めて表1に示す。
電極材を変える以外は、実施例1と同一の熱電変換モジュールをそれぞれ作製した。表1にそれぞれの電極材を用いた各モジュールの評価結果を示す。なお表1の評価結果は、各熱電変換モジュールの高温側を600℃、低温側を50℃とし、20分間保持した後に室温に戻す操作を繰り返し、モジュールに破損やクラック等が発生しない回数を示している。その回数が500回以上のものをa、100回以上500回未満のものをb、100回未満のものをcとして、実施例1〜11、比較例1、2のモジュールの評価結果を含めて表1に示す。
比較例1は実施例1で用いた電極材に代えてSUS430板を用いたものである。この熱電変換モジュールは600℃で20分間保持し、室温に下げる操作を50回繰り返すと電極材部で破損が生じ、モジュールとして機能しなくなった。
このような比較例に対して、実施例1のように電極材としてAgまたはCuのいずれか一方を含む合金を用いた場合には、耐熱性の高いモジュールを作製することができる。
(実施例1A〜11A、比較例1B〜11B)
また、上記実施例1〜11の熱電モジュールにおいて、製造工程として、セラミックス基板に電極部材を接合した工程の後に、電極部材と熱電素子を接合する工程を行ったものを実施例1A〜11Aとした。いずれも第1電極部材と熱電素子の接合工程および第2電極部材と熱電素子の接合工程を一回の熱処理工程で行ったものである。
比較例1B〜11Bとして、先に第1電極部材と熱電素子の接合工程および第2電極部材と熱電素子の接合工程を行った後、セラミックス基板と電極部材の接合工程を行った。使用した材料は、いずれも実施例1〜11と同じものである。
各実施例および比較例について歩留まりを測定した。歩留まりは、上記実施例1〜11のように熱電モジュールとして使用できるものの割合を測定した。
また、上記実施例1〜11の熱電モジュールにおいて、製造工程として、セラミックス基板に電極部材を接合した工程の後に、電極部材と熱電素子を接合する工程を行ったものを実施例1A〜11Aとした。いずれも第1電極部材と熱電素子の接合工程および第2電極部材と熱電素子の接合工程を一回の熱処理工程で行ったものである。
比較例1B〜11Bとして、先に第1電極部材と熱電素子の接合工程および第2電極部材と熱電素子の接合工程を行った後、セラミックス基板と電極部材の接合工程を行った。使用した材料は、いずれも実施例1〜11と同じものである。
各実施例および比較例について歩留まりを測定した。歩留まりは、上記実施例1〜11のように熱電モジュールとして使用できるものの割合を測定した。
表から分かる通り、本実施例にかかる製造方法を用いた場合は歩留まりが優れることが分かった。
11…p型熱電素子、12…n型熱電素子、13…第1の電極部材、14…第2の電極部材、15,16…絶縁性導熱板、17,18,21…接合材層、19,20…裏打ち用金属板、30…熱交換器、40…排熱利用発電システム。
Claims (9)
- 高温側に配置される第1の電極部材を接合した第1のセラミックス基板と、前記第1の電極部材と対向して低温側に配置される第2の電極部材を接合した第2のセラミックス基板と、前記第1の電極部材と前記第2の電極部材との間に配置され、かつ前記第1および第2の電極部材の双方に電気的に接続された熱電素子とを具備する熱電変換モジュールの製造方法において、
第1の電極部材および第2の電極部材はAgまたはCuのいずれか一方を含む合金からなり、前記熱電素子は、MgAgAs型結晶構造を有する金属間化合物を主相とする熱電材料からなり、
第1のセラミックス基板に第1の電極部材を接合する工程および第2のセラミックス基板に第2のセラミックス基板に第2の電極部材を接合する工程を行った後の工程として、
第1の電極部材と熱電素子を接合する工程および第2の電極部材と熱電素子を接合する工程を具備することを特徴とする熱電変換モジュールの製造方法。 - 請求項第1項に記載の熱電モジュールの製造方法において、前記電極部材がAgを70wt%含むAg合金からなることを特徴とする熱電変換モジュールの製造方法。
- 請求項第1項に記載の熱電モジュールの製造方法において、前記電極部材がCuを90wt%以上含むCu合金からなることを特徴とする熱電変換モジュールの製造方法。
- 請求項1ないし請求項3のいずれか1項記載の熱電変換モジュールの製造方法において、前記第1の電極部材は300℃以上の高温環境下に配置されることを特徴とする熱電変換モジュールの製造方法。
- 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の熱電変換モジュールの製造方法において、
前記熱電素子は、
一般式:AxByX100-x-y
(式中、AはTi、Zr、Hf、Yおよび希土類元素から選ばれる少なくとも1種の元素を、BはNi、CoおよびFeから選ばれる少なくとも1種の元素を、XはSnおよびSbから選ばれる少なくとも1種の元素を示し、xおよびyは30≦x≦35原子%、30≦y≦35原子%を満足する数である)
で実質的に表される組成を有することを特徴とする熱電変換モジュールの製造方法。 - 請求項1ないし請求項5のいずれか1項記載の熱電変換モジュールの製造方法において、前記熱電素子は前記第1および第2の電極部材に活性金属ろう材層を介して接合されていることを特徴とする熱電モジュールの製造方法。
- 請求項1ないし請求項6のいずれか1項記載の熱電変換モジュールの製造方法において、前記第1および第2のセラミックス基板が、窒化珪素、窒化アルミニウム、炭化珪素、アルミナおよびマグネシアから選ばれる少なくとも1種を主成分とするセラミックス部材からなることを特徴とする熱電変換モジュールの製造方法。
- 請求項1ないし請求項7のいずれか1項記載の熱電変換モジュールの製造方法において、前記熱電素子は複数のp型熱電素子と複数のn型熱電素子とを備え、前記複数のp型熱電素子と前記複数のn型熱電素子とは交互に配置されていると共に、前記第1および第2の電極部材で直列に接続されていることを特徴とする熱電変換モジュールの製造方法。
- 請求項1ないし請求項8のいずれか1項記載の熱電変換モジュールの製造方法において、
第1の電極部材と熱電素子を接合する工程および第2の電極部材と熱電素子を接合する工程を一回の接合工程で行うことを特徴とする熱電変換モジュールの製造方法。
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- 2007-09-25 JP JP2007247577A patent/JP2009081178A/ja active Pending
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