JP5877275B2 - 熱電変換材料の製造方法 - Google Patents

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Description

本開示は、熱電発電や熱電冷却に利用される熱電変換材料の製造方法に関する。
熱電発電は、ゼーベック効果、すなわち物質の両端に温度差をつけると、その温度差に比例して物質の両端の間に生じる熱起電力を利用して、熱のエネルギーを直接電気エネルギーに変換する技術である。この技術は、僻地用電源、宇宙用電源、軍事用電源等として一部で実用化されている。
熱電冷却は、ペルチェ効果、すなわち電流によって運ばれる電子によって熱を移動させる現象を利用した技術である。具体的には、電気伝導キャリアの符合が異なる2つの物質を、熱的に並列に、かつ、電気的に直列につないで電流を流したときに、電気伝導キャリア(担体)の符号の違いが熱流の向きの違いに反映することを利用し、接合部を吸熱する技術である。通常、電気伝導キャリアの符合の異なる2つの物質として、電気伝導キャリア(担体)がホールであり正のゼーベック係数(S>0)を示すp型半導体と、電気伝導キャリア(担体)が電子であって負のゼーベック係数(S<0)を示すn型半導体とを用いる。このような素子構成は、いわゆるπ型と呼ばれる素子であり、もっとも一般的な構成である。
熱電発電又は熱電冷却における熱と電気との間のエネルギー変換効率は、使用する材料の性能指数ZTで決定付けられる。性能指数ZTは、材料のゼーベック係数S、電気抵抗率ρ、熱伝導率κと、評価環境の絶対温度Tと、を用いて、ZT=ST/ρκで表される。性能指数ZTが高いほど、エネルギー変換効率は高い。よってゼーベック係数Sの絶対値が大きく、電気抵抗率ρと熱伝導率κの低いことが、高い性能指数ZTを実現するための必要条件となる。
J. R. Salvador, X. Shi, J. Yang and H.Wang著「Synthesis and transport properties of M3Ni3Sb4 (M=Zr and Hf): An intermetallic semiconductor」 Physical Review B 77, 235217, 2008年6月27日
従来の製造方法で作製された試料は、ゼーベック係数Sが低く、しかも均一な結晶を形成することができない。そのため、熱電変換材料であるXNiSb(X=Zr、Hf)固有の熱電変換特性を引き出すためには信頼性の高い製造方法を確立する必要がある。
本開示は、前記従来の課題を解決するもので、熱電変換材料であるXNiSb(X=Zr、Hf)の信頼性の高い製造方法を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本開示に係る熱電変換材料の製造方法は、化学式X4(Xは、Zr、Hf、Y、La、Nb、TaのうちのZrあるいはHfを含む一以上の元素、Tは、Ni、Co、Cu、Rh、Pd、Ir、PtのうちNiを含む一以上の元素、Zは、Sb、Ge、SnのうちSbを含む一以上の元素から成る)で表される熱電変換材料の製造方法であって、
Zr、Hf、Y、La、Nb、TaのうちのZrあるいはHfを含む一以上の元素と、Ni、Co、Cu、Rh、Pd、Ir、PtのうちNiを含む一以上の元素と、Sb、Ge、SnのうちSbを含む一以上の元素と、の各元素を含む材料を用意する工程と、
Zr、Hf、Y、La、Nb、Ta、Ni、Co、Cu、Rh、Pd、Ir、Pt、Ge、Snのうち、所望の元素を含む材料を溶融して合金Aを作製する工程と、
上記合金Aと、前記Sbを含む材料と、を溶融して合金Bを作製する工程と、
を含む。
本開示に係る熱電変換材料の製造方法によって、高いゼーベック係数を有する金属間化合物X(Xは、Zr、Hf、Y、La、Nb、TaのうちのZrあるいはHfを含む一以上の元素、Tは、Ni、Co、Cu、Rh、Pd、Ir、PtのうちNiを含む一以上の元素、Zは、Sb、Ge、SnのうちSbを含む一以上の元素から成る)を得ることが出来る。
本開示に係る熱電変換材料の製造方法によれば、熱電変換材料であるZr3−xHfNiSbおよびZr3−xHfNiSbを元素置換した材料系において、高いゼーベック係数Sを示す熱電変換材料を作製することが可能となる。
本開示における熱電変換材料Xの結晶構造を示す概略図である。 本開示の製造方法の各工程を示すフローチャートである。 比較例1の製造方法の各工程を示すフローチャートである。 比較例2の製造方法の各工程を示すフローチャートである。
本開示の第1態様に係る熱電変換材料の製造方法は、化学式X4(Xは、Zr、Hf、Y、La、Nb、TaのうちのZrあるいはHfを含む一以上の元素、Tは、Ni、Co、Cu、Rh、Pd、Ir、PtのうちNiを含む一以上の元素、Zは、Sb、Ge、SnのうちSbを含む一以上の元素から成る)で表される熱電変換材料の製造方法であって、
Zr、Hf、Y、La、Nb、TaのうちのZrあるいはHfを含む一以上の元素と、Ni、Co、Cu、Rh、Pd、Ir、PtのうちNiを含む一以上の元素と、Sb、Ge、SnのうちSbを含む一以上の元素と、の各元素を含む材料を用意する工程と、
Zr、Hf、Y、La、Nb、Ta、Ni、Co、Cu、Rh、Pd、Ir、Pt、Ge、Snのうち、所望の元素を含む材料を溶融して合金Aを作製する工程と、
前記合金Aと、前記Sbを含む材料と、を溶融して合金Bを作製する工程と、
を含む。
第2態様に係る熱電変換材料の製造方法は、上記第1態様において、前記合金Aを作製する工程は、アーク溶解法、電磁誘導加熱法、抵抗発熱体による加熱法のうちのいずれか1つによって行ってもよい。
第3態様に係る熱電変換材料の製造方法は、上記第1態様において、前記合金Aを作製する工程は、2000℃以上で前記Sbを含む材料を除く前記各元素を含む材料を溶融して合金Aを作製してもよい。
第4態様に係る熱電変換材料の製造方法は、上記第1態様において、前記合金Bを作製する工程は、1500℃以下で前記合金Aと、前記Sbを含む材料と、を溶融して合金Bを作製してもよい。
第5態様に係る熱電変換材料の製造方法は、上記第1態様において、前記合金Bを作製する工程の後、前記合金Bを用いて前記合金Bより密度の高い焼結体を作製する工程をさらに含んでもよい。
第6態様に係る熱電変換材料の製造方法は、上記第5態様において、前記合金Bを用いて前記合金Bより密度の高い焼結体を作製する工程は、ホットプレス法、放電プラズマ焼結法(SPS法)のいずれかによって行ってもよい。
以下、本開示の実施の形態に係る熱電変換材料の製造方法について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
本開示の実施の形態1に係る熱電変換材料であるX(Xは、Zr、Hf、Y、La、Nb、TaのうちのZrあるいはHfを含む一以上の元素、Tは、Ni、Co、Cu、Rh、Pd、Ir、PtのうちNiを含む一以上の元素、Zは、Sb、Ge、SnのうちSbを含む一以上の元素から成る)の製造方法について説明する。熱電変換材料である化合物Xは、空間群I−43dに属する立方晶の対称性を持つ。図1は、熱電変換材料Xの結晶構造を示す概略図である。熱電変換材料Xは、図1に示されているように単位胞内にX:T:Z=3:3:4の割合で各原子が配置する結晶構造をとる。
図2は、実施の形態1に係る熱電変換材料の製造方法の各工程を示すフローチャートである。製造方法は、図2に示している通りで、以下に製造の詳細な実施手順を記す。
(1)まず、Zr、Hf、Y、La、Nb、Ta、Ni、Co、Cu、Rh、Pd、Ir、Pt、Sn、Ge、Sbのうち必要な元素を含む原料を化学量論比で(Zr+Hf+Y+La+Nb+Ta):(Ni+Co+Cu+Rh+Pd+Ir+Pt):(Sb+Ge+Sn)=3:3:4となるように秤量する(工程P1)。
(2)秤量された原料のうち、Zr、Hf、Y、La、Nb、Ta、Ni、Co、Cu、Rh、Pd、Ir、Pt、Ge、Snのうち、所望の元素を含む原料を合金化して合金Aを得る(工程P2)。なお、Zr、Hf、Y、La、Nb、Ta、Ni、Co、Cu、Rh、Pd、Ir、Pt、Ge、Sn以外の物質を不純物レベルで含んだ原料を融解して合金Aを作製しても良い。ここでの「不純物レベル」とは、Zr、Hf、Y、La、Nb、Ta、Ni、Co、Cu、Rh、Pd、Pt、Ge、Snのうち、所望の元素を含む原料の重量比に対して、1%未満のものをいう。また、工程P2として、秤量された原料のうち、Sbを除いた原料を合金化して合金Aを得ても良い。合金化の方法は、特に限定されるものではないが、例えば、アーク溶解法、電磁誘導加熱法、抵抗発熱体による加熱法などが具体的な方法として挙げられる。
(3)次に、得られた合金AとSbを合金化して合金Bを得る(工程P3)。上記工程P2と同様に、工程P3における合金化の方法も特に限定されない。
上記工程P3で得られた合金Bを用いて合金Bより密度の高い焼結体を作製する場合には、さらに焼結の工程P4を設けてもよい。焼結の方法としては、ホットプレス法や放電プラズマ焼結法(SPS法)などを用いることができる。例えばSPS法を用いる場合には、上記工程P3で得た合金を乳鉢上などで粉砕し、これを50MPaの圧力を加えた上で、パルス電流を印加することにより800〜900℃まで上昇した後、これを5分保持することにより、化合物Xの焼結体を得ることが出来る。
(実施例1)
実施の形態1に記載された製造方法によって、化合物X(Xは、Zr、Hf、Y、La、Nb、TaのうちのZrあるいはHfを含む一以上の元素、Tは、Ni、Co、Cu、Rh、Pd、Ir、PtのうちNiを含む一以上の元素、Zは、Sb、Ge、SnのうちSbを含む一以上の元素から成る)の焼結体の作製を行った。
最初に、具体的な製造方法について説明する。
(a)原料となるZr、Hf、Y、La、Nb、Ta、Ni、Co、Cu、Rh、Pd、Ir、Pt、Sn、Ge、Sbを化学量論比でZr+Hf+Y+La+Nb+Ta:Ni+Co+Cu+Rh+Pd+Ir+Pt:Ge+Sn+Sb=3:3:4となるように秤量した(工程P1)。この秤量された原料から見積もられる組成比を仕込み組成と呼ぶ。
(b)秤量した原料のうち、Sbを除いた原料(Zr、Hf、Y、La、Nb、Ta、Ni、Co、Cu、Rh、Pd、Ir、Pt、Ge、Snのうち、所望の元素を含む材料)をアーク溶解法によって合金化した(工程P2)。
アーク溶解法は、次のような手順で行った。
(i)まず、原料のZr、Hf、Y、La、Nb、Ta、Ni、Co、Cu、Rh、Pd、Ir、Pt、Ge、Snを銅のハースライナー上に配置し、雰囲気をArで満たした。
(ii)このハースライナーの上の原料に対して、アーク放電を照射し、2000℃以上の高温で溶解した。これを冷却水で銅のハースライナーを冷やすことによって試料を急冷し、合金Aを得た。
(iii)この合金Aを裏返して、再びアーク放電を行う操作をさらに3度繰り返すことによって、より均一な合金Aを得た。
(c)次に、得られた合金AとSbとをアーク溶解法を用いて合金化した(工程P3)。ただし、この際のアーク放電は、上記工程P2よりも合金が1500℃以下になる程度の弱い出力の放電を利用して行った。
(d)次に、より緻密な試料を作製するために放電プラズマ焼結法によって焼結体を作製した。放電プラズマ焼結法は、加圧とパルス通電を同時に行うことによる焼結法である。
(i)上記工程P3で得た合金Bを酸化しないように、Ar雰囲気下のグローブボックス内で乳棒と乳鉢を用いて細かく粉砕した。
(ii)得られた粉末を、外形50mm、内径10mmのグラファイトの円筒状ダイに充填し、円筒上下からグラファイトのパンチで加圧した。
(iii)このダイに対し1Pa以下の真空中でパルス電流を印加し、800〜900℃程度の温度まで100℃/分程度の速度で昇温した。
(iv)さらに、この800℃〜900℃の温度を5分間維持し、後に徐冷することによって焼結体を得た。
この焼結体を2mm×2mm×8mm程度の直方体に切削加工し、ゼーベック係数Sを評価するための試料を得た。切削加工された試料の室温でのゼーベック係数を4端子法にて評価し、本開示の製造方法の効果の優位性を確かめた。4端子法によるゼーベック係数Sの測定は、アルバック理工製の測定装置ZEM−3を利用し、0.1気圧のヘリウム雰囲気の環境にて測定を行った。長辺方向の片端を熱することにより、試料長辺方向に温度差を発生させた状況で、長辺方向の両端の間に挟まれた2点にプローブ電極を接触させ、プローブ間の電位差ΔVと温度差ΔTとを読み取った。ゼーベック係数Sは、発生した電位差ΔVと温度差ΔTから定義式S=−ΔV/ΔTより求めた。
最後に、エネルギー分散型X線分光法(Energy dispersive X-ray spectroscopy,EDX)を利用して上記製造過程で得た焼結体の実際の組成を分析した。EDX法は、電子線を試料に照射したときに発生する特性X線のエネルギー分布から試料表面近傍の元素の比率を測定する方法である。従来例においても同等の手法である電子線マイクロアナライザ(EPMA)を用いて組成分析を行っている。本測定では、試料表面上の異なる4点についてEDX法による組成分析を行い、4点の平均から組成を求めた。ここでは非特許文献1に従い、Ni原子の存在量を3に揃えて全体の組成を表記する。また、Ni原子を置換した系においては、置換元素を含むNi、Co、Cu、Rh、Pd、Ir、Ptの原子数の総和が3となるように全体の組成比を表記する。このように表記したときにSbとGeとSnの量の和が4よりも少ない場合をSbが不足している状態と定義する。
Figure 0005877275
表1は、それぞれX=Zr、HfかつT=NiかつZ=Sbの条件で作製されたZrHf3−xNiSb(0≦x≦3)の焼結体の実施例1−4と、製造方法を変えた焼結体の比較例1,2、上記非特許文献1に報告されている従来例1−4における焼結体の組成と室温でのゼーベック係数を表している。なお、従来例2及び4では、仕込み組成でHfが含まれていないにもかかわらず、焼結体の組成にHfがわずかに含まれている。また、従来例3では、仕込み組成でZrが含まれていないにもかかわらず、焼結体の組成にZrがわずかに含まれている。これは、非特許文献1において使用された原料となるZr又はHfにおいて、不純物としてHf又はZrを1%程度含んでいたことが原因と思われる。
実施例1−4の測定結果は、ZrとHfの比率に関わらず、200μV/Kを超える高いゼーベック係数を示している。
図3は、比較例1の製造方法の各工程を示すフローチャートである。比較例1の製造方法では、図3に示されているように、実施の形態1に係る製造方法における2段階の溶融工程(P2、P3)を、アーク溶解法を用いてSbを含む全ての原料を一段階で溶融する工程(Q2)に置き換えている。工程(Q2)を経て作製された焼結体の組成をEDX法によって測定すると、組成がZr2.96Ni3Sb3.75のように化学量論比であるZr:Ni:Sb=3:3:4からSbが4より少ない方にずれていた。
図4は、比較例2の製造方法の各工程を示すフローチャートである。比較例2として、図4に示すように、工程(R2)において生じるSbの減少量を補償するために、Sbの質量減少分をアーク溶解法で追加溶融する工程(R3)をさらに導入した。比較例2で得た焼結体のEDX法による見かけ上の組成は、Zr2.97NiSb4.03と仕込み組成に近いものであった。なお、このようなSbを追加する段階を設ける製造方法は上記特許文献1においても行われている。Sbが不足した比較例1と、Sbが不足していない比較例2について室温のゼーベック係数Sを測定したが、実施例1のような高いゼーベック係数Sは得られなかった。比較例1の測定結果は、Sb量の不足がゼーベック係数を低下させることを意味している。また、比較例2においては、たとえSb量が不足していなくても、Zr-Ni合金やZrNiSb等の複数の金属合金、あるいはSbの単体が偏析していると考えられ、そのために高いゼーベック係数Sを実現できなかったものと思われる。以上のことから、本熱電変換材料において高いゼーベック係数を実現するためには、試料中で空間的に一様なZrNiSbの結晶状態を実現する必要がある。
従来例1−4は、比較例1、2と同様に全ての原料を一括で溶融させる過程を経て得られた試料の室温でのゼーベック係数Sを示している。従来例としては、一括溶融によって得られた合金をアニール処理と焼結プロセスを経て得られる従来例1,3、アニール後にSb減少分を混合した上で焼結して得られる従来例2,4の場合の室温でのゼーベック係数がそれぞれ報告されている。従来例においても、本実施例1−4のような高いゼーベック係数が得られていない。
本開示の製造方法の優位性は、ZrHf3−xNiSbのみならず、ZrHf3−xNiSbのうちのZr又はHfの一部をY、La、Nb、Taに置換した場合、Niの一部をCo、Cu、Rh、Pd、Ir、Ptにした場合、あるいはSbの一部をGe、Snに置換した場合、のそれぞれの場合においても確認することができた。なお、NiをCo、Rh、Irに置換した場合、あるいはSbをSnに置換した場合には結晶中の電子数が減少するため、ホールがドープされたp型半導体となり、ゼーベック係数Sは、正値(S>0)を取る。また、ZrまたはHfをNb、Taに置換した場合や、NiをCuに置換した場合には電子がドープされたn型半導体となり、ゼーベック係数Sは、負値(S<0)を取る。元素置換された合金について、本開示の図2と比較例の図3の製造方法をそれぞれ用いて作製した試料(実施例及び比較例)の室温でのゼーベック係数Sを以下に示す。
(実施例5及び比較例5)
仕込み組成ZrNi2.9Co0.1Sbの場合に、図2の本開示に係る製造方法によって焼結体を製造する(実施例5)と共に、図3の従来の製造方法によって焼結体を製造した(比較例5)。表2は、仕込み組成と、それぞれの焼結体の組成と、製造方法のフローチャートを表す図と、室温でのゼーベック係数とを示す表である。表2を参照すると、図2の製造方法を採用した実施例5の方が、図3の製造方法を採用した比較例5と比較して、より多くのSbを含有していた。その結果として、絶対値として大きなゼーベック係数を示す試料を得ることができたものと考えられる。
Figure 0005877275
(実施例6及び比較例6)
仕込み組成ZrNi2.7Co0.3Sbの場合に、図2の本開示に係る製造方法によって焼結体を製造する(実施例6)と共に、図3の従来の製造方法によって焼結体を製造した(比較例6)。表3は、それぞれの仕込み組成と、焼結体の組成と、製造方法のフローチャートを表す図と、室温でのゼーベック係数とを示す表である。表3を参照すると、図2の製造方法を採用した実施例6の方が、図3の製造方法を採用した比較例6と比較して、より多くのSbを含有していた。その結果として、絶対値として大きなゼーベック係数を示す試料を得ることができたものと考えられる。
Figure 0005877275
(実施例7及び比較例7)
仕込み組成ZrNi2.5Co0.5Sbの場合に、図2の本開示に係る製造方法によって焼結体を製造する(実施例7)と共に、図3の従来の製造方法によって焼結体を製造した(比較例7)。表4は、それぞれの仕込み組成と、焼結体の組成と、製造方法のフローチャートを表す図と、室温でのゼーベック係数とを示す表である。表4を参照すると、図2の製造方法を採用した実施例7の方が、図3の製造方法を採用した比較例7と比較して、より多くのSbを含有していた。その結果として、絶対値として大きなゼーベック係数を示す試料を得ることができたものと考えられる。
Figure 0005877275
(実施例8及び比較例8)
仕込み組成ZrNi2.3Co0.7Sbの場合に、図2の本開示に係る製造方法によって焼結体を製造する(実施例8)と共に、図3の従来の製造方法によって焼結体を製造した(比較例8)。表5は、それぞれの仕込み組成と、焼結体の組成と、製造方法のフローチャートを表す図と、室温でのゼーベック係数とを示す表である。表5を参照すると、図2の製造方法を採用した実施例8の方が、図3の製造方法を採用した比較例8と比較して、より多くのSbを含有していた。その結果として、絶対値として大きなゼーベック係数を示す試料を得ることができたものと考えられる。
Figure 0005877275
(実施例9及び比較例9)
仕込み組成ZrNi2.9Cu0.1Sbの場合に、図2の本開示に係る製造方法によって焼結体を製造する(実施例9)と共に、図3の従来の製造方法によって焼結体を製造した(比較例9)。表6は、それぞれの仕込み組成と、焼結体の組成と、製造方法のフローチャートを表す図と、室温でのゼーベック係数とを示す表である。表6を参照すると、図2の製造方法を採用した実施例9の方が、図3の製造方法を採用した比較例9と比較して、より多くのSbを含有していた。その結果として、絶対値として大きなゼーベック係数を示す試料を得ることができたものと考えられる。なお、Niを置換するドーパントとしてCuを使用した場合、電子がドープされたn型半導体となり、ゼーベック係数Sは、負値(S<0)を取る。
Figure 0005877275
(実施例10及び比較例10)
仕込み組成ZrNi2.7Cu0.3Sbの場合に、図2の本開示に係る製造方法によって焼結体を製造する(実施例10)と共に、図3の従来の製造方法によって焼結体を製造した(比較例10)。表7は、それぞれの仕込み組成と、焼結体の組成と、製造方法のフローチャートを表す図と、室温でのゼーベック係数とを示す表である。表7を参照すると、図2の製造方法を採用した実施例10の方が、図3の製造方法を採用した比較例10と比較して、より多くのSbを含有していた。その結果として、絶対値として大きなゼーベック係数を示す試料を得ることができたものと考えられる。
Figure 0005877275
(実施例11及び比較例11)
仕込み組成ZrNi2.5Cu0.5Sbの場合に、図2の本開示に係る製造方法によって焼結体を製造する(実施例11)と共に、図3の従来の製造方法によって焼結体を製造した(比較例11)。表8は、それぞれの仕込み組成と、焼結体の組成と、製造方法のフローチャートを表す図と、室温でのゼーベック係数とを示す表である。表8を参照すると、図2の製造方法を採用した実施例11の方が、図3の製造方法を採用した比較例11と比較して、より多くのSbを含有していた。その結果として、絶対値として大きなゼーベック係数を示す試料を得ることができたものと考えられる。
Figure 0005877275
(実施例12及び比較例12)
仕込み組成ZrNiSb3.9Sn0.1の場合に、図2の本開示に係る製造方法によって焼結体を製造する(実施例12)と共に、図3の従来の製造方法によって焼結体を製造した(比較例12)。表9は、それぞれの仕込み組成と、焼結体の組成と、製造方法のフローチャートを表す図と、室温でのゼーベック係数とを示す表である。表9を参照すると、図2の製造方法を採用した実施例12の方が、図3の製造方法を採用した比較例12と比較して、より多くのSbを含有していた。その結果として、絶対値として大きなゼーベック係数を示す試料を得ることができたものと考えられる。
Figure 0005877275
(実施例13及び比較例13)
仕込み組成ZrNiSb3.7Sn0.3の場合に、図2の本開示に係る製造方法によって焼結体を製造する(実施例13)と共に、図3の従来の製造方法によって焼結体を製造した(比較例13)。表10は、それぞれの仕込み組成と、焼結体の組成と、製造方法のフローチャートを表す図と、室温でのゼーベック係数とを示す表である。表10を参照すると、図2の製造方法を採用した実施例13の方が、図3の製造方法を採用した比較例13と比較して、より多くのSbを含有していた。その結果として、絶対値として大きなゼーベック係数を示す試料を得ることができたものと考えられる。
Figure 0005877275
(実施例14及び比較例14)
仕込み組成ZrNi2.7Pd0.3Sbの場合に、図2の本開示に係る製造方法によって焼結体を製造する(実施例14)と共に、図3の従来の製造方法によって焼結体を製造した(比較例14)。表11は、それぞれの仕込み組成と、焼結体の組成と、製造方法のフローチャートを表す図と、室温でのゼーベック係数とを示す表である。表11を参照すると、図2の製造方法を採用した実施例14の方が、図3の製造方法を採用した比較例14と比較して、より多くのSbを含有していた。その結果として、絶対値として大きなゼーベック係数を示す試料を得ることができたものと考えられる。なお、Niを置換する元素としてPd等の原子番号のより大きな元素、つまり重い元素を用いた場合、熱伝導率κを下げる効果があり、その結果として性能指数を向上させることができると考えられる。
Figure 0005877275
(実施例15及び比較例15)
仕込み組成ZrNi2.6Pd0.3Co0.1Sbの場合に、図2の本開示に係る製造方法によって焼結体を製造する(実施例15)と共に、図3の従来の製造方法によって焼結体を製造した(比較例15)。表12は、それぞれの仕込み組成と、焼結体の組成と、製造方法のフローチャートを表す図と、室温でのゼーベック係数とを示す表である。表12を参照すると、図2の製造方法を採用した実施例15の方が、図3の製造方法を採用した比較例15と比較して、より多くのSbを含有していた。その結果として、絶対値として大きなゼーベック係数を示す試料を得ることができたものと考えられる。
Figure 0005877275
(実施例16及び比較例16)
仕込み組成ZrNi2.7Pt0.3Sbの場合に、図2の本開示に係る製造方法によって焼結体を製造する(実施例16)と共に、図3の従来の製造方法によって焼結体を製造した(比較例16)。表13は、それぞれの仕込み組成と、焼結体の組成と、製造方法のフローチャートを表す図と、室温でのゼーベック係数とを示す表である。表13を参照すると、図2の製造方法を採用した実施例16の方が、図3の製造方法を採用した比較例16と比較して、より多くのSbを含有していた。その結果として、絶対値として大きなゼーベック係数を示す試料を得ることができたものと考えられる。なお、Niを置換する元素としてPt等の原子番号のより大きな元素、つまり重い元素を用いた場合、熱伝導率κを下げる効果があり、その結果として性能指数を向上させることができると考えられる。
Figure 0005877275
(実施例17及び比較例17)
仕込み組成ZrNi2.6Pt0.3Co0.1Sbの場合に、図2の本開示に係る製造方法によって焼結体を製造する(実施例17)と共に、図3の従来の製造方法によって焼結体を製造した(比較例17)。表14は、それぞれの仕込み組成と、焼結体の組成と、製造方法のフローチャートを表す図と、室温でのゼーベック係数とを示す表である。表14を参照すると、図2の製造方法を採用した実施例17の方が、図3の製造方法を採用した比較例17と比較して、より多くのSbを含有していた。その結果として、絶対値として大きなゼーベック係数を示す試料を得ることができたものと考えられる。
Figure 0005877275
(実施例18及び比較例18)
仕込み組成ZrNi2.9Rh0.1Sbの場合に、図2の本開示に係る製造方法によって焼結体を製造する(実施例18)と共に、図3の従来の製造方法によって焼結体を製造した(比較例18)。表15は、それぞれの仕込み組成と、焼結体の組成と、製造方法のフローチャートを表す図と、室温でのゼーベック係数とを示す表である。表15を参照すると、図2の製造方法を採用した実施例18の方が、図3の製造方法を採用した比較例18と比較して、より多くのSbを含有していた。その結果として、絶対値として大きなゼーベック係数を示す試料を得ることができたものと考えられる。
Figure 0005877275
(実施例19及び比較例19)
仕込み組成ZrNi2.9Ir0.1Sbの場合に、図2の本開示に係る製造方法によって焼結体を製造する(実施例19)と共に、図3の従来の製造方法によって焼結体を製造した(比較例19)。表16は、それぞれの仕込み組成と、焼結体の組成と、製造方法のフローチャートを表す図と、室温でのゼーベック係数とを示す表である。表16を参照すると、図2の製造方法を採用した実施例19の方が、図3の製造方法を採用した比較例19と比較して、より多くのSbを含有していた。その結果として、絶対値として大きなゼーベック係数を示す試料を得ることができたものと考えられる。
Figure 0005877275
(実施例20及び比較例20)
仕込み組成Zr2.90.1Ni3Sbの場合に、図2の本開示に係る製造方法によって焼結体を製造する(実施例20)と共に、図3の従来の製造方法によって焼結体を製造した(比較例20)。表17は、それぞれの仕込み組成と、焼結体の組成と、製造方法のフローチャートを表す図と、室温でのゼーベック係数とを示す表である。表17を参照すると、図2の製造方法を採用した実施例20の方が、図3の製造方法を採用した比較例20と比較して、より多くのSbを含有していた。その結果として、絶対値として大きなゼーベック係数を示す試料を得ることができたものと考えられる。
Figure 0005877275
(実施例21及び比較例21)
仕込み組成Zr2.9La0.1Ni3Sbの場合に、図2の本開示に係る製造方法によって焼結体を製造する(実施例21)と共に、図3の従来の製造方法によって焼結体を製造した(比較例21)。表18は、それぞれの仕込み組成と、焼結体の組成と、製造方法のフローチャートを表す図と、室温でのゼーベック係数とを示す表である。表18を参照すると、図2の製造方法を採用した実施例21の方が、図3の製造方法を採用した比較例21と比較して、より多くのSbを含有していた。その結果として、絶対値として大きなゼーベック係数を示す試料を得ることができたものと考えられる。
Figure 0005877275
(実施例22及び比較例22)
仕込み組成ZrNiSb3.9Ge0.1の場合に、図2の本開示に係る製造方法によって焼結体を製造する(実施例22)と共に、図3の従来の製造方法によって焼結体を製造した(比較例22)。表19は、それぞれの仕込み組成と、焼結体の組成と、製造方法のフローチャートを表す図と、室温でのゼーベック係数とを示す表である。表19を参照すると、図2の製造方法を採用した実施例22の方が、図3の製造方法を採用した比較例22と比較して、より多くのSbを含有していた。その結果として、絶対値として大きなゼーベック係数を示す試料を得ることができたものと考えられる。
Figure 0005877275
(実施例23及び比較例23)
仕込み組成Zr2.9Nb0.1NiSbの場合に、図2の本開示に係る製造方法によって焼結体を製造する(実施例23)と共に、図3の従来の製造方法によって焼結体を製造した(比較例23)。表20は、それぞれの仕込み組成と、焼結体の組成と、製造方法のフローチャートを表す図と、室温でのゼーベック係数とを示す表である。表20を参照すると、図2の製造方法を採用した実施例23の方が、図3の製造方法を採用した比較例23と比較して、より多くのSbを含有していた。その結果として、絶対値として大きなゼーベック係数を示す試料を得ることができたものと考えられる。なお、Zrを置換するドーパントとしてNbを使用した場合、電子がドープされたn型半導体となり、ゼーベック係数Sは、負値(S<0)を取る。
Figure 0005877275
(実施例24及び比較例24)
仕込み組成Zr2.9Ta0.1NiSbの場合に、図2の本開示に係る製造方法によって焼結体を製造する(実施例24)と共に、図3の従来の製造方法によって焼結体を製造した(比較例24)。表21は、それぞれの仕込み組成と、焼結体の組成と、製造方法のフローチャートを表す図と、室温でのゼーベック係数とを示す表である。表21を参照すると、図2の製造方法を採用した実施例24の方が、図3の製造方法を採用した比較例24と比較して、より多くのSbを含有していた。その結果として、絶対値として大きなゼーベック係数を示す試料を得ることができたものと考えられる。なお、Zrを置換するドーパントとしてTaを使用した場合、電子がドープされたn型半導体となり、ゼーベック係数Sは、負値(S<0)を取る。
Figure 0005877275
表2から表21に示す実施例及び比較例では、XNiSb(Xは、Zr又はHf)からなる熱電変換材料について、それぞれXをY、La、Nb、Taに置換した試料、NiをCo、Cu、Rh、Pd、Ir、Ptに置換した試料、あるいはSbをGe、Snに置換した試料のゼーベック係数を比較して示している。ここで、EDX法は、元来有効数字3桁の精度で組成を決定することは難しい手法であることに注意する必要がある。しかし、全体の傾向として、表2から表21のそれぞれ同じ番号の実施例と比較例を対比すると、本開示の製造方法である図2の製造方法を採用した場合(実施例)の方が、図3の製造方法を採用した場合(比較例)と比較して、より多くのSbを含有していた。その結果として、絶対値として大きなゼーベック係数を示す試料を得ることができた。
以上のように、本開示の製造方法で作成した熱電変換材料は、従来と比較してSbの欠損が少なく、優れた熱電変換性能を有していた。
本開示に係る熱電変換材料の製造方法は、熱電発電、熱電冷却を行う熱電変換材料を作製するために用いることができる。
11 X結晶におけるX=Zr、Hf、Y、La、Nb、Taの原子位置(黒色)
12 X結晶におけるT=Ni、Co、Cu、Rh、Pd、Ir、Ptの原子位置(灰色)
13 X結晶におけるZ=Sb、Ge、Snの原子位置(白色)

Claims (7)

  1. 化学式X4(Xは、Zr、Hf、Y、La、Nb、TaのうちのZrあるいはHfを含む一以上の元素、Tは、Ni、Co、Cu、Rh、Pd、Ir、PtのうちNiを含む一以上の元素、Zは、Sb、Ge、SnのうちSbを含む一以上の元素から成る)で表され、かつ空間群I−43dに属する熱電変換材料の製造方法であって、
    Zr、Hf、Y、La、Nb、TaのうちのZrあるいはHfを含む一以上の元素と、Ni、Co、Cu、Rh、Pd、Ir、PtのうちNiを含む一以上の元素と、Sb、Ge、SnのうちSbを含む一以上の元素と、の各元素を含む材料を用意する工程と、
    Zr、Hf、Y、La、Nb、Ta、Ni、Co、Cu、Rh、Pd、Ir、Pt、Ge、Snのうち、所望の元素を含む材料を溶融して合金Aを作製する工程と、
    前記合金Aと、前記Sbを含む材料と、を溶融して合金Bを作製する工程と、
    を含む、熱電変換材料の製造方法。
  2. 前記合金Aを作製する工程は、アーク溶解法、電磁誘導加熱法、抵抗発熱体による加熱法のうちのいずれか1つによって行う、請求項1に記載の熱電変換材料の製造方法。
  3. 前記合金Aを作製する工程は、2000℃以上で前記Sbを含む材料を除く前記各元素を含む材料を溶融して合金Aを作製する、請求項1に記載の熱電変換材料の製造方法。
  4. 前記合金Bを作製する工程は、1500℃以下で前記合金Aと、前記Sbを含む材料と、を溶融して合金Bを作製する、請求項1に記載の熱電変換材料の製造方法。
  5. 前記合金Bを作製する工程の後、前記合金Bを用いて前記合金Bより密度の高い焼結体を作製する工程をさらに含む、請求項1に記載の熱電変換材料の製造方法。
  6. 前記合金Bを用いて前記合金Bより密度の高い焼結体を作製する工程は、ホットプレス法、放電プラズマ焼結法(SPS法)のいずれかによって行う、請求項5に記載の熱電変換材料の製造方法。
  7. 前記Xは、ZrあるいはHfを含む一以上の元素、前記Tは、Ni、Co、Cu、Pd、PtのうちNiを含む一以上の元素、前記Zは、Sb、SnのうちSbを含む一以上の元素から成る、請求項1に記載の熱電変換材料の製造方法。
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