JP3526559B2 - 熱電変換モジュールおよびこれを用いた熱交換器 - Google Patents

熱電変換モジュールおよびこれを用いた熱交換器

Info

Publication number
JP3526559B2
JP3526559B2 JP2001087037A JP2001087037A JP3526559B2 JP 3526559 B2 JP3526559 B2 JP 3526559B2 JP 2001087037 A JP2001087037 A JP 2001087037A JP 2001087037 A JP2001087037 A JP 2001087037A JP 3526559 B2 JP3526559 B2 JP 3526559B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thermoelectric conversion
conversion module
electrode member
heat exchanger
conversion element
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2001087037A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002289928A (ja
Inventor
直樹 首藤
博光 竹田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP2001087037A priority Critical patent/JP3526559B2/ja
Priority to US10/105,341 priority patent/US6759586B2/en
Publication of JP2002289928A publication Critical patent/JP2002289928A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3526559B2 publication Critical patent/JP3526559B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体型熱電変換
素子を用いた熱電変換モジュールおよびそれを用いた熱
交換器に関する。
【0002】
【従来の技術】21世紀における資源の枯渇が予想される
今日、如何にエネルギーを有効に利用するかは極めて重
要な課題となっており、種々のシステムが考案されてい
る。その中でも、熱電変換素子は、これまで排熱として
無駄に環境中に捨てられていたエネルギーを回収する手
段として期待されている。そのような熱電変換素子は、
p型半導体とn型半導体を互いに直列に接続したモジュ
ールとして使用されている。
【0003】従来、高い熱電変換効率を達成すべく、多
くの熱電変換半導体材料について研究がなされ、特に発
電効率の向上に関し多大な注力がなされている。
【0004】しかしながら、実用の立場から熱電材料を
見ると、現在実用に供されているものはビスマス(Bi)-
テルル(Te)系(第3元素としてSb、セレン(Se)を入れた
ものも含む)であり、その他の材料は、特殊用途で作ら
れた実績はあるものの、工業生産ベースには至っていな
い。即ち、Co-Sb系半導体を使用するフィルドスクッテ
ルダイト系材料は熱電変換素子用の材料としては熱伝変
換効率上極めて魅力的な材料であるが、モジュールとし
て形成するための適当なろう材層が知られておらずモジ
ュール化することはできなかった。
【0005】ところで、従来、廃熱ボイラーは熱交換器
を通して蒸気あるいは温水を選るのみの目的で設計され
ており、その運転に関わる電力は外部から導入してまか
なわれている。しかし、近年、この廃熱ボイラーに熱電
変換モジュールを組み込んで廃熱から電力を取り出す試
みがなされている。その場合、より高温の熱源を利用し
得るという点から、使用する熱電変換素子は、その可使
温度が高いほど望ましいものとなり、特に、300℃以上
の可使温度を有することが好ましいと言える。
【0006】しかしながら、従来のBi-Te系熱電変換素
子は、その使用温度がせいぜい200℃であり、この要求
を満足することができない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来の熱電変換素子は
Co-Sb系半導体を使用したスクッテルダイト系材料に適
用できるろう材層が存在しなかったためCo-Sb系半導体
を使用した熱電モジュールを提供することはできなかっ
た。
【0008】本発明は、上記課題を解決するために成さ
れたもので、Co-Sb系半導体の使用を前提としこれに新
規なろう材層を適用してモジュール化した熱電変換モジ
ュールおよびそれを用いた熱交換器を提供することを課
題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、上
記の課題を解決するために、請求項1の熱電変換モジュ
ールは、高温側の第1の電極部材と、この第1の電極部
材に対向配置された低温側の第2の電極部材と、この第
1の電極部材及び第2の電極部材間に配置され双方に電
気的に接続されるCo-Sb系半導体の熱電変換素子とを有
する熱電変換モジュールにおいて、前記第1及び前記第
2の電極部材は熱膨張係数が8x10 /℃〜16x
10−6/℃の範囲にある鉄系材料であり、前記熱電変
換素子との間はAg、Au、Cuの少なくとも1種とSbとの合
金を主成分とするろう材層が介在することを特徴とす
る。ここで、前記電極部材の表面がAg,Au,Cu、の少なく
とも1種の金属が被覆されていることが接合強度を向上
させることから望ましい。
【0010】また、請求項2の熱電変換モジュールは、
請求項1において、前記第1の電極部材或いは前記第2
の電極部材の前記熱電変換素子が配置される面とは反対
の面にセラミックスからなる絶縁性導熱板が配置される
ことを特徴とする。この絶縁性導熱板は、窒化アルミニ
ウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素またはアルミナにより構
成されることがエネルギ変換効率を高める観点から望ま
しい。
【0011】請求項3の熱電変換モジュールは、請求項
1或いは請求項2において、前記熱電変換素子がスクッ
テルダイト型結晶構造を有するCoSb3基化合物結晶中の
空隙に元素を充填したフィルドスクッテルダイト構造を
有する化合物であることを特徴とする。
【0012】請求項4の熱電変換モジュールは、請求項
1乃至請求項3のいずれかの熱電変換モジュールが加熱
面と冷却面の間に配置される熱交換器である。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0014】(実施の形態1)図1は、本発明の実施の
形態1に係わる熱電変換モジュールを示す概略断面図で
ある。
【0015】図1の熱電変換モジュール10は、複数の
p型コバルト−アンチモン系半導体からなるp型コバル
ト−アンチモン系熱電変換素子11と、複数のn型コバ
ルト−アンチモン系半導体からなるn型コバルト−アン
チモン系熱電変換素子12とを交互に同一平面上にマト
リックス上に並置して構成されている。一つのp型熱電
変換素子11には、n型熱電変換素子12が隣接してい
る。p型熱電変換素子11およびn型熱電変換素子12
を構成するコバルト−アンチモン系半導体としては、ス
クッテルダイト構造を有するCoSb3、RhSb3、IrSb3等を
用いることができる。同様の構造を持つものとしてCoAs
3があるが、ヒ素は環境への影響が心配されるため、好
ましくない。p型半導体にはFe、Ru、Os等のp型不純
物、n型半導体にはPd、Pt、Ni等のn型不純物でCoを置
換している。さらに、熱電変換素子は特性向上のため、
熱伝導率が小さいことが好ましい。このため上記スクッ
テルダイト系結晶構造を有する化合物の結晶内空孔に重
元素を充填することが好ましい。こうすることで、充填
された重元素により格子振動が散乱され、熱伝導率が低
下し、熱電変換特性が向上する。
【0016】1つのp型熱電変換素子11とこれに隣接
する1つのn型熱電変換素子12の上部には、それら素
子を接続する第1の電極部材13が設けられ、他方、1
つのp型熱電変換素子11とこれに隣接する1つのn型
熱電変換素子12の下部には、それらを共通に接続する
第2の電極部材14が設けられている。第1の電極部材
13と第2の電極部材14は、素子1個だけずれた形態
で設けられる。こうして、両熱電変換素子11および1
2は、電気的に直列に接続される。本発明において、両
電極部材13および14は、いずれも鉄系電極(金属)材
料で形成されている。鉄系金属材料としては、JISの
SUS410で代表されるマルテンサイト系ステンレス
が好ましいが、熱膨張係数が8x10−6/℃〜16x
10−6/℃の範囲にあるものであれば、炭素鋼、合金
鋼等でも構わない。
【0017】鉄系電極部材13および14は、蒸着、あ
るいは溶射等の手法により形成することができる。しか
しながら、鉄系材料の板を用いることが最も好ましい。
鉄系材料とCo-Sb系半導体材料を接合するに際して、接
合をより強固にするためにAg-Sb、Au-Sb、Cu-Sbの中か
ら少なくとも1種の合金をろう材層として用いる。ろう
材層を使用することで、鉄系材料とCo-Sb系材料との接
合界面にAg-Sb、Au-Sb、Cu-Sbの少なくとも1種の層が
生成する結果、接合がより一層確実なものとなり、接合
界面での熱的、電気的な損失が小さくなる。
【0018】通常、第1の共通電極部材13の外側に
は、これら電極部材13に共通に接合された上部絶縁性
導熱板15が設けられている。他方、第2の共通電極部
材14の外側には、これら電極部材14に共通に接合さ
れた下部絶縁性導熱板16が設けられている。両導熱板
15および16は、それぞれ、セラミックス、好ましく
は熱伝導性の良い窒化アルミニウム、窒化ケイ素、炭化
ケイ素またはアルミナにより構成することができる。電
極部材13および14を構成する銀系金属材料は、フリ
ットガラスを用いて、これらセラミックス製導熱板1
5、16に対して良好な接合を達成する。
【0019】図1に示す構成の熱電変換モジュールにお
いて、上部絶縁性導熱板15側を低温度(L)にし、かつ
下部絶縁性導熱板16側を低温度(H)にして上下絶縁性
導熱板15と16との間に温度差を与えると、第1の電
極部材13と第2の電極部材14との間に電位差が生
じ、電極の終端に負荷を接続すると、電力を取り出すこ
とができる。
【0020】本発明の熱電変換モジュールは、熱交換器
に組み込むことができる。基本的に、この熱交換機は、
加熱面と冷却面とを有し、その加熱面と冷却面との間に
本発明の熱電変換モジュールを組み込んだ構成を有す
る。熱交換器の一例を図2に示す。この熱交換器20
は、中央にガス通路21を有し、そのまわりには多数の
熱交換フィン22が立設されている。熱交換フィン22
に接して例えば図1に示す構造の本発明の熱電変換モジ
ュール10が設けられている。熱電変換モジュール10
は熱交換フィン22とともに外囲器23により囲まれ、
外囲器23と熱電変換モジュール10との間には例えば
水の流路24が規定されている。ガス通路21内には、
例えばごみ焼却炉からの高温の排ガスが導入され、他方
水流路24内にはその一端から水導入管25を介して冷
却水が導入される。高温排ガスの熱は、熱交換フィン2
2により奪われて水流路24内を流通する水を加熱し、
その結果水は、水排出管26から温水となって取り出さ
れる。このとき、熱電変換モジュール10の一方の面は
水流路24内を流れる水により低温側となり、他方の面
はガス通路21内を流れる高温排ガスにより高温とな
る。したがって、上に述べたように、熱電変換モジュー
ル10から電力が取り出される。
【0021】(実施の形態2)図3は、本発明の熱交換
器20を設けた発電システムの一例であるごみ焼却設備
を示す。図3に示すゴミ焼却設備30は、ごみ焼却炉3
1、押込送風機32、押込送風機32から焼却炉31へ
供給される燃焼空気を加熱する通常の熱交換器33、お
よび二次押込送風機34を備える。熱交換器33には、
焼却炉31からの高温排ガスがラインL1および分岐ラ
インL2を介して流入し、押込送風機32からラインL
4を介して熱交換器33に導入される空気がその高温ガ
スにより加熱され、ラインL3を介して焼却炉31の底
部に導入される。
【0022】焼却炉31からの排ガスラインL1は、本
発明の熱交換器20に接続され、そこでは、上に述べた
ように排ガスにより温水が発生するとともに、熱電変換
モジュール(熱交換器20の内部に形成されている)に
より電力が発生する。熱交換器33を経た排ガスはライ
ンL5を介して電気集塵機35に流入し、そこで塵埃が
除去される。熱交換器20を経た排ガスはラインL6を
介してラインL5に合流し、熱交換器33を経た排ガス
とともに集塵機35に流入する。集塵機35により清浄
化された排ガスは、系外に排出される。なお、焼却炉3
1からの排ガスは、誘引通風機36の作用により系内を
流通する。
【0023】さらに、本発明の熱交換器は、汽水火力発
電設備のボイラー内水管もしくは水管フィン表面に設置
し、高温側をボイラー内側、低温側を水管側とすること
で、電力と蒸気タービンに送られる蒸気とが同時に得ら
れ、汽水火力発電設備の効率を改善することができる。
【0024】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明はそれらに限定されるものではない。
【0025】(実施例1)上述した図1の熱電変換モジュ
ール及び図2の熱交換器を以下の要領で製造した。
【0026】(p型熱電変換素子)純度99.998%のCo、純
度99.999%のSb、純度99.99%のCe、純度99.99%のFe金属
を原料とした。これを組成式Ce(Fe0.75Co0.25)4Sb12
なるように秤量した。ただしSbは、次のアーク溶解行程
での蒸発があるため、所定の割合より重量で3%多くな
るよう秤量した。アーク炉内の水冷されている銅製のハ
−スに上記秤量原料を装填して、2×10-3Paの真空度ま
で真空引きした後、純度99.999%の高純度Arを60kPaまで
導入して減圧Ar雰囲気にして、ア−ク溶解した。溶解
後、水冷されている銅製のハ−スで急冷して得られた金
属塊を、石英管に10-4Pa以下の高真空で真空封入し、97
3Kで30時間熱処理した。得られた金属塊を窒素雰囲気中
で粉砕し、内径20mmの金型を用い圧力100MPaで成形し
た。この成形体を内径20mmのカーボン製モールドに充填
し、Ar雰囲気中、100MPa、680℃で1時間加圧焼結し、直
径20mm円盤状の焼結体(p型熱電変換材料焼結体)を得
た。400℃での抵抗率1.5×10 -3Ωcm、ゼーベック係数21
5μV/K、熱伝導率1.5W/mKであった。実際には、このp
型熱電変換材料焼結体に後述するろう材層及び電極部材
を接合してp型熱電変換素子が完成する。
【0027】(n型熱電変換素子)純度99.998%のCo、純
度99.999%のSb、純度99.99%のCe、純度99.99%のPd金属
を原料とした。これを組成式Ce0.2(Pd0.03Co0.97)4Sb12
になるように秤量した。ただしSbは、次のアーク溶解行
程での蒸発があるため、所定の割合より重量で3%多く
なるよう秤量した。ア−ク炉内の水冷されている銅製の
ハ−スに上記秤量原料を装填して、2×10-3Paの真空度
まで真空引きした後、純度99.999%の高純度Arを60kPaま
で導入して減圧Ar雰囲気にして、ア−ク溶解した。溶解
後、水冷されている銅製のハ−スで急冷して得られた金
属塊を、石英管に10-4Pa以下の高真空で真空封入し、97
3Kで30時間熱処理した。得られた金属塊を窒素雰囲気中
で粉砕し、内径20mmの金型を用い圧力100MPaで成形し
た。この成形体を内径20mmのカーボン製モールドに充填
し、Ar雰囲気中、100MPa、680℃で1時間加圧焼結し、直
径20mm円盤状の焼結体(n型熱電変換材料焼結体)を得
た。400℃での抵抗率1.1×10-3Ωcm、ゼーベック係数-2
50μV/K、熱伝導率3.6W/mKであった。実際には、このn
型熱電変換材料焼結体に後述するろう材層及び電極部材
を接合してn型熱電変換素子が完成する。
【0028】(熱電変換モジュール)上記、p型熱電材料
焼結体、n型熱電材料焼結体から、一辺が2mmの立方体素
子を切り出した。これを、開口部が2mm+0.2mm角、高さ
1.5mmのコーディエライト製のメッシュ中にp型、n型を
交互に置き、縦4組横8列計32組正方形に配列した。32
5メッシュのAgメタル粉末と、325メッシュのSbメタル粉
末を、mol比でAg:Sb=51:49になるように混合し、有機溶
剤を添加してペースト化、これを、該メッシュから現れ
る該素子上下面に塗布した。その上下に4.1mm×2.0mm、
厚さ0.6mmのSUS410製板を配備した。更に24mm角、1mm厚
さのAlN板を、フリットガラス粉末を塗布した該SUS410
製電極板の外側に配し積層体とした。該積層体に3kgの
重しを載せて、電気炉に置き、Ar中で600℃1時間の熱
処理を行った。冷却後、該積層体を炉より取り出したと
ころ、すべての層が十分な強度を有する結合をなしてお
り、熱電変換モジュールが形成されていた。
【0029】この熱電変換モジュールについて高温側を
500℃、低温側を25℃にし、負荷としてモジュール内
部抵抗と同抵抗値の負荷を繋ぎ、整合負荷条件で熱電特
性を測定したところ、発生した電圧は3.6V、電力は11W
であった。この条件で1000時間連続運転した後、室温に
戻し、再び同条件で運転を行った。この繰り返しを10回
合計運転時間10000時間後も性能は変わらず、また破損
したり形状が変化することもなかった。
【0030】(熱交換器)上述の実施例1の熱電変換モ
ジュールを耐熱鋼平板と耐食鋼平板の間に並べて配置し
両平板で固定した積層板を作製した。この際、各モジュ
ールから出ている出力端子は直列に結合されていた。こ
れにより積層板の耐熱鋼側を高温部、耐食鋼側を冷却部
とした熱電変換モジュール付き熱交換器が得られた。こ
の熱電変換モジュール付き熱交換器は、図2に示すよう
に冷却側に水を流通させる流路24を設けて熱交換器を
完成させた。
【0031】(発電システム)図3に示すようなごみ焼
却炉に設置した発電システムに上述した実施例1の熱交
換器を採用する。蒸気と熱水が得られかつ発電が行える
ボイラーとすることができる。実施例1の熱交換器を汽
水火力発電設備のボイラー内水管もしくは水管フィン表
面に設置し、耐熱鋼平板側をボイラー内側、冷却水を水
管側とすることで、電力と蒸気タービンに送られる蒸気
とが同時に得られ、かつ効率が改善された汽水火力発電
設備を得ることができた。すなわち、蒸気タービンのみ
により発電する汽水火力発電設備の発電効率をηA、熱
交換器の熱電変換効率をηTとすると、ηAT+(1-ηT)
ηPであり、ηPの発電効率の汽水火力発電設備にηT
る熱電変換効率の熱交換器を設置することにより、(1-
ηTPTだけ発電効率を向上することができる。
【0032】この実施例1の熱電変換モジュールについ
て、AgとSbの組成を変えた4種類のサンプルA〜サンプ
ルDのろう材を用意し、4種類の異なる熱膨張係数を有
するステンレス製の電極材上に実施例1の熱電変換素子
を形成しその寿命を調べたのが表1である。
【0033】(実施例2)実施例2では、実施例1のろ
う材をAuとSbのろう材層に変え、そのAuとSbの組成を変
えた4種類のサンプルE〜Hを用意し、実施例1と同様
に4種類の異なる熱膨張係数を有する鉄を主成分とする
鉄系材料であるステンレス製の電極材上に実施例1と同
一形状の熱電変換素子を形成しその寿命を表1に示し
た。
【0034】(実施例3)実施例3では、実施例1のろ
う材をCuとSbのろう材層に変え、そのAuとSbの組成を変
えた4種類のサンプルI〜Lを用意し、実施例1と同様に4
種類の異なる熱膨張係数を有するステンレス製の電極材
上に実施例1と同一形状の熱電変換素子を形成しその寿
命を表1に示した。
【0035】
【表1】 以上の表1では、完成した熱電変換モジュールについて
高温側を500℃、低温側を25℃にし、負荷としてモジ
ュール内部抵抗と同抵抗値の負荷を繋ぎ、整合負荷条件
で1000時間連続運転した後、室温に戻し、この一連の繰
り返しを10回合計運転時間10000時間後も性能は変わら
ない物を評価aとした。また、この10回の繰り返しで性
能が80%以下〜50%以上に低下するものをb評価とし
た。同様に50%を下回る物をc評価とした。
【0036】以上の表1から以下のことが判明した。
【0037】即ち、フィルドスクッテルダイト系材料に
適用できる新規なろう材層例えばAg,Au,Cuの中から少な
くとも1種とSbの合金あるいは混合ろう材層を見出すと
共に、電極材としてその熱膨張係数が所定の適切な値の
鉄系材料を用いることで熱電変換モジュールを構成する
電極材料として、全ての問題を解決してフィルドスクッ
テルダイト系材料を使用した熱電変換モジュールを実現
できることが判明した。Ag,Au,Cuの中から少なくとも1
種とSbの合金あるいは混合ろう材層は、Ag-Sbが共晶温
度485℃、Au-Sbが360℃、Cu-Sbが526℃でフィ
ルドスクッテルダイト系材料が安定に存在しうる618
℃以下の温度で液相を介した接合ができ、素子の熱電特
性に影響を与えることなく高い接合強度を得ることがで
きる。
【0038】また、電極材として鉄系材料、特にJIS
のSUS410で代表されるマルテンサイト系ステンレ
スを用いるとその熱膨張係数が500℃までの温度領域
で12x10−6/℃であるため、フィルドスクッテル
ダイト系材料の熱膨張係数にほぼ、熱応力は発生しない
か発生しても問題にならない大きさにできることが判明
した。しかも、この電極材料としての鉄系材料の熱膨張
係数が室温から500℃の範囲で概ね8x10−6/℃
から16x10−6/℃である所定の範囲内であればフ
ィルドスクッテルダイト系材料を使用した熱電変換モジ
ュールの寿命を長くすることに因果関係がありこの範囲
であれば長寿命化を図れることが判明した。
【0039】これは、熱電変換半導体素子と電極とを接
合できても大きな温度差をつけることが必須条件の熱電
変換モジュールでは、素子と電極の熱望著係数に差があ
る場合、大きな熱応力が発生して、素子の破壊あるいは
接合部の破壊が生じる問題が解消されるためと考えられ
る。
【0040】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明により従来
モジュール化ができなかったCo-Sb系半導体を使用した
熱電変換モジュールを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に関わる熱電変換モジュ
ールを示す概略断面図。
【図2】 本発明の熱交換器の一例を示す概略断面図。
【図3】 本発明の熱交換器を設置したごみ焼却炉の概
略構成図。
【符号の説明】
11…p型熱電変換素子本体 12…n型熱電変換素子本体 13…第1の電極部材 14…第2の電極部材 15,16…絶縁性導熱板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 35/18 H01L 35/30 H01L 35/32 H01L 35/34 H02N 11/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高温側の第1の電極部材と、この第1の電
    極部材に対向配置された低温側の第2の電極部材と、こ
    の第1の電極部材及び第2の電極部材間に配置され双方
    に電気的に接続されるCo-Sb系半導体の熱電変換素子と
    を有する熱電変換モジュールにおいて、前記第1及び前
    記第2の電極部材は熱膨張係数が8x10−6/℃〜1
    6x10−6/℃の範囲にある鉄系材料であり、前記熱
    電変換素子との間はAg、Au、Cuの少なくとも1種とSbと
    の合金を主成分とするろう材層が介在することを特徴と
    する熱電変換モジュール。
  2. 【請求項2】前記第1の電極部材或いは前記第2の電極
    部材の前記熱電変換素子が配置される面とは反対の面に
    セラミックスからなる絶縁性導熱板が配置されることを
    特徴とする請求項1に記載の熱電変換モジュール。
  3. 【請求項3】前記熱電変換素子がスクッテルダイト型結
    晶構造を有するCoSb3基化合物結晶中の空隙に元素を充
    填したフィルドスクッテルダイト構造を有する化合物で
    あることを特徴とする請求項1乃至請求項2のいずれか
    1項に記載の熱電変換モジュール。
  4. 【請求項4】加熱面と冷却面を有する熱交換器におい
    て、この加熱面と冷却面との間に請求項1乃至請求項3
    のいずれか1項に記載の熱電変換モジュールを備えるこ
    とを特徴とする熱交換器。
JP2001087037A 2001-03-26 2001-03-26 熱電変換モジュールおよびこれを用いた熱交換器 Expired - Fee Related JP3526559B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001087037A JP3526559B2 (ja) 2001-03-26 2001-03-26 熱電変換モジュールおよびこれを用いた熱交換器
US10/105,341 US6759586B2 (en) 2001-03-26 2002-03-26 Thermoelectric module and heat exchanger

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001087037A JP3526559B2 (ja) 2001-03-26 2001-03-26 熱電変換モジュールおよびこれを用いた熱交換器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002289928A JP2002289928A (ja) 2002-10-04
JP3526559B2 true JP3526559B2 (ja) 2004-05-17

Family

ID=18942332

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001087037A Expired - Fee Related JP3526559B2 (ja) 2001-03-26 2001-03-26 熱電変換モジュールおよびこれを用いた熱交換器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3526559B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100853749B1 (ko) 2006-11-29 2008-08-22 요업기술원 열전 발전용 단위 모듈과 이를 포함하는 열전 세트 및 그제조방법
JP2019220546A (ja) * 2018-06-19 2019-12-26 三菱マテリアル株式会社 熱電変換モジュール、及び、熱電変換モジュールの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2002289928A (ja) 2002-10-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6759586B2 (en) Thermoelectric module and heat exchanger
JP5422383B2 (ja) 熱電変換モジュールとそれを用いた熱交換器、熱電温度調節装置および熱電発電装置
CN101313421B (zh) 热电变换模块及使用热电变换模块的热交换器和热电发电装置
CN100595940C (zh) 热电转换模块和使用它的热交换器以及热电发电装置
US20080023057A1 (en) Thermoelectric Conversion Module, and Thermoelectric Power Generating Device and Method, Exhaust Heat Recovery System, Solar Heat Utilization System, and Peltier Cooling and Heating System, Provided Therewith
Matsubara Development of a high efficient thermoelectric stack for a waste exhaust heat recovery of vehicles
CN100583478C (zh) 一种π型CoSb3基热电转换器件及制备方法
JP2009081287A (ja) 熱電変換モジュールとそれを用いた熱交換器、熱電温度調節装置および熱電発電装置
JP2014086623A (ja) 熱電変換モジュール
JP2003309294A (ja) 熱電モジュール
JP2003092435A (ja) 熱電モジュール及びその製造方法
JP2008192694A (ja) 熱電変換モジュール及びそれを用いた発電装置及び冷却装置
KR102022429B1 (ko) 냉각용 열전모듈 및 그 제조방법
JP2009081178A (ja) 熱電変換モジュールの製造方法
WO2017020833A1 (zh) 相变抑制传热温差发电器件及其制造方法
JP2002084005A (ja) 熱電モジュール
JP2003304006A (ja) 熱電変換モジュールおよびそれを用いた熱交換器
JP3526559B2 (ja) 熱電変換モジュールおよびこれを用いた熱交換器
JP3526558B2 (ja) 熱電変換モジュールおよびそれを用いた熱交換器
JP2003234516A (ja) 熱電モジュール
JP3954291B2 (ja) 熱電変換モデュールおよびそれを用いた熱交換器
JP4883846B2 (ja) 高温用熱電変換モジュール
JP2003332637A (ja) 熱電材料及びそれを用いた熱電モジュール
JP4182208B2 (ja) 発電機能付熱交換器の製造方法
JP2001230458A (ja) 熱電変換モジュール及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040209

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040213

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040216

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080227

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090227

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100227

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100227

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110227

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120227

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120227

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130227

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140227

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees