JP3469812B2 - 熱電変換モジュールおよび熱電変換モジュールブロック - Google Patents
熱電変換モジュールおよび熱電変換モジュールブロックInfo
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Description
取り出す熱電変換モジュール、および複数の熱電変換モ
ジュールからなる熱電変換モジュールブロックに関す
る。
果、ペルチェ効果およびトムソン効果が知られている。
導体を電気的に接合した接合部を持つ熱電変換素子対に
おいて、接合部を高温にし、かつ熱電半導体の他端を低
温にすると、温度差に応じた熱起電力が発生する現象で
ある。
体を電気的に接合した接合部を持つ熱電変換素子対にお
いて、一方の熱電半導体から他方の熱電半導体へ電流を
流すと、接合部では熱を吸収し、熱電半導体の他端では
熱を発生する現象である。
半導体の一端を高温にし、他端を低温にして、温度勾配
に沿って電流を流すと、電流の方向によって半導体の内
部で熱の吸収または発生を生じる現象である。
は、可動部分が全くないため振動、騒音、摩耗などを生
じることがなく、構造が簡単で信頼性が高く、高寿命で
保守が容易である。したがって、これらの特徴を活かし
て簡便なエネルギー変換装置として利用できる可能性が
ある。
型の熱電半導体を電気的に接合させた熱電変換素子対を
備えている。素子対の接合部はp型およびn型の熱電半
導体どうしを直接的に接合させてもよいし、p型熱電半
導体とn型熱電半導体とを電極を介して間接的に接合さ
せてもよい。具体的な熱電変換装置としては、ゼーベッ
ク効果を利用して熱電変換素子対の高温端および低温端
の温度差に依存して起電力を取り出す熱電発電装置や、
ペルチェ効果を利用して高温端および低温端に印加した
電圧に依存して温度差を生じさせることにより一端を冷
却する熱電冷却装置がある。
多数の熱電半導体を電気的に直列または並列に複数個連
結した状態で所定の電位差または電流を発生させる。こ
の場合、熱電発電装置を熱源にできるだけ密着させて設
置し、熱源からの熱流を可能なかぎり熱電半導体に流す
ことによって電気変換効率を上げる。また熱電半導体は
できるだけ密に詰めることが望ましい。
えば特開平5−41543号公報の図3に開示されてい
るペルチェ効果を利用した熱電冷却装置用のモジュール
が知られている。このモジュールは、アルミナセラミッ
クスなどの熱伝導性が良好な絶縁材料からなる2枚の正
方形の熱交換基板の間に複数の素子対を配列して挟持し
た構造を有する。熱交換基板は、熱交換性能を向上させ
る効果だけでなく、モジュールの機械的強度を向上させ
る効果も発揮する。この公知例のような冷却装置の場合
には、モジュールの両端に発生する温度差は最高で10
0℃程度であり、設置数も1個〜数十個である。
ジュール両端に発生する温度差が600℃に達し、設置
数も数百個〜数千個に及ぶことがある。このため一般的
に発電用モジュールでは、モジュール両端の温度差に起
因する破壊に対する耐久性だけでなく、設置時や使用時
の機械的圧力や振動による破壊に対する耐久性が要求さ
れる。この観点から、熱交換器と熱電変換モジュールと
をろう材や接着剤で接着することによってモジュールに
伝達される熱量を増加させることは難しく、モジュール
を圧着して設置することが多い。この場合、数百個以上
のモジュールを均一に圧着させて熱交換器からモジュー
ルへの熱伝達を向上させようとすると、モジュールにか
なりの機械的圧力がかかることになる。ところが、一般
的に熱電半導体材料は通常の金属材料に比較して強度が
低い。しかも、発電効率を上げるために、通常は熱電変
換モジュールの両端(高温端と低温端)にできるだけ大
きな温度差が発生するように設計される。このため、製
造時および使用時に、熱電変換モジュールを構成する熱
電半導体の破壊を避けるためには、特別の工夫が必要で
ある。
は、熱電半導体素子を2次元的に配置し、高温端および
低温端の平面形状がほぼ正方形をなす熱電変換モジュー
ルが開示されている。この熱電変換モジュールでは、縦
横に格子状をなす絶縁ホルダにより熱電半導体素子を2
次元的に配置して保持している。この熱電変換モジュー
ルでは、高温端と低温端との間に発生する温度差によっ
て生じる熱応力を絶縁ホルダにより緩和することがで
き、強度の弱い熱電半導体素子の破壊を避けるのに好適
である。また、両端面が正方形であるモジュールは、上
述した設置時の機械的圧力や振動に対しても強度が高い
特徴がある。しかし、この熱電変換モジュールでは、格
子状の絶縁ホルダによって区画された各コンパートメン
ト内に個々の熱電半導体を設置した後に電極形成などを
行うため、製造工程が非常に煩雑になる。
モジュールを排気管表面に設置し、自動車排気熱を熱源
として発電する場合に生じ得る問題点について具体的に
説明する。
との積)は、エンジンの運転状況に応じて大きく変化す
るため、それに応じて排気管表面に設置されるモジュー
ルの高温端の温度も変化する。また、排気管の上流で排
気から熱電変換モジュールに流れる熱量が大きくなるほ
ど、その下流では排気の温度が低下する。このように排
気管表面温度が経時変化する場合や温度分布がある場
合、直列または並列に接続するモジュール数を電気的に
制御することによって、発電電圧を一定に保持するなど
発電効率の最適化制御を行うことが考えられる。しか
し、従来の正方形基板を有する熱電変換モジュールで
は、1つのモジュール内で温度分布が生じるため、発電
出力の最適化制御が困難である。
ールでは、両端に大きな温度差が発生すると、高温端の
熱膨張のためにモジュール全体が反ってしまう。この場
合、高温側熱源と低温側熱源との間に設置された熱電変
換モジュールにかかる設置圧力が小さいとモジュール両
端面と熱源との熱接触が不十分になり、発電出力が急激
に低下する。従来の正方形基板を有する熱電変換モジュ
ールでこの問題を避けるためには、モジュール両端の温
度差が250℃程度で数十kgf/cm2以上の設置圧
力が必要になる。当然、モジュール両端の温度差がより
大きい場合にはさらに高い設置圧力が必要になり、熱電
半導体素子の破壊確率が高くなる。またモジュールの設
置圧力を上げるためには、たとえば冷却ジャケット側に
押し付け用のばね機構などを設置することが考えられ
る。しかし、こうしたばね機構の方がモジュール部分よ
り容積を必要とするため、熱電発電装置全体が大型にな
ってしまう。
電変換モジュールを用いた場合には上述した温度分布や
反りに起因する問題をある程度解消できる。しかし、こ
の場合にはモジュールの設置数が増加するため、たとえ
ば数百以上のモジュールどうしの電気的接続を確保しな
がら、高温側熱源と低温側熱源との間に熱電変換モジュ
ールを設置する作業は極めて煩雑になる。
ールでは、リード端電極にリード線を結線したりリード
線を引き回すために、隣り合うモジュール間にある程度
の間隔を設ける必要がある。このためモジュールを高密
度に設置することができず、熱電発電装置全体をコンパ
クトにできない。しかも、モジュール間の間隔が広いと
モジュールを通過せずに熱流が流れる割合が増加するた
め、熱電変換効率も低下する。
近傍に配置されていると、結線部分の信頼性が低下し、
耐久性も低下する。これを避けるためにリード線を長く
引き回してリード線の結線部分を高温側熱源から離すこ
とが考えられる。しかし、この場合にはリード線の電気
抵抗によりモジュールの発電電力が消費されため、熱電
発電装置全体では発電出力が低下する。
設置圧力でも熱源の表面への設置が容易で、しかも高密
度に設置でき、熱電変換効率を向上できるとともに熱電
発電装置全体をコンパクトにできる熱電変換モジュール
および熱電変換モジュールブロックを提供することにあ
る。また、本発明の他の目的は、リード端電極とリード
線との結線部分の信頼性を高め、耐久性の高い熱電変換
モジュールおよび熱電変換モジュールブロックを提供す
ることにある。
ールは、一列に交互に配置された2対以上のp型および
n型の熱電半導体と、列方向に隣り合う熱電半導体の間
に設けられて熱電半導体どうしを相互に接合し、複数個
所のうち少なくとも一部の個所で熱電半導体の幅よりも
突出した突出部が形成されている絶縁層と、交互に配置
されたp型およびn型の熱電半導体を電気的に直列に接
続するように熱電半導体の高温端および低温端に形成さ
れた電極と、列方向の両端の熱電半導体にそれぞれ形成
されたリード端電極とを具備したことを特徴とする。
絶縁層の突出部が少なくとも2個所で熱電半導体の側面
上に延長されて形成され、かつ延長されて形成された部
分の形状または位置が互いに異なっていることが好まし
い。
一列に交互に配置された2対以上のp型とn型の熱電半
導体と、交互に配置されたp型およびn型の熱電半導体
を電気的に直列に接続するように熱電半導体の高温端お
よび低温端に形成された電極と、列方向の両端の熱電半
導体にそれぞれ形成されたリード端電極とを有し、幅方
向に配列された複数の熱電変換モジュールと、幅方向に
配置された複数の熱電変換モジュールを、隣り合う熱電
変換モジュール間に間隔を設けて保持する絶縁性の枠体
とを具備したことを特徴とする。
いては、熱電変換モジュールは熱電半導体の間に設けら
れた絶縁層により列方向に隣り合う熱電半導体どうしが
相互に結合され、絶縁層は複数個所のうち少なくとも一
部の個所で熱電半導体の幅よりも突出した突出部が形成
されており、幅方向に配置された複数の熱電変換モジュ
ールは前記絶縁層の突出部により隣り合う熱電変換モジ
ュール間に間隔を設けて枠体に保持されるようにしても
よい。本発明の熱電変換モジュールブロックにおいて
は、幅方向に配置された複数の熱電変換モジュールは、
隣り合う熱電変換モジュール間に挟まれた絶縁性セラミ
ックスにより間隔を設けて枠体に保持されるようにして
もよい。
クにおいては、枠体の表面に隣り合う熱電変換モジュー
ルのリード端電極どうしを接続するための配線を形成す
ることが好ましい。
する。まず、本発明の熱電変換モジュールについて説明
する。本発明の熱電変換モジュールの例を図1(A)、
(B)、図2(A)、(B)、および図3(A)、
(B)に示す。いずれの図においても(A)は斜視図、
(B)は平面図である。
ジュールであり、2対以上のp型およびn型の熱電半導
体1が一列に交互に配置され、列方向に隣り合う熱電半
導体1どうしが熱電半導体1の間に設けられた絶縁層2
により相互に結合されている。この絶縁層2は複数の結
合個所のうち少なくとも一部の個所で熱電半導体の幅よ
りも突出した突出部2aが形成されている。交互に配置
されたp型およびn型の熱電半導体1は熱電半導体1の
高温端および低温端に形成された電極3により電気的に
直列に接続される。列方向の両端の熱電半導体1にはそ
れぞれリード端電極4が形成される。
e、Pb−Te、Co−Sb、Bi−Te、金属シリサ
イドなどが挙げられる。これらの熱電半導体のうちで
は、高温下でも使用できるSi−Ge系半導体を用いる
ことが好ましい。
電半導体間で高い絶縁性を発揮することが好ましい。ま
た、高温端と低温端との間または熱電半導体間の断熱性
が高いことが好ましいので、断熱絶縁層とすることが好
ましい。絶縁層の材料としては、低融点ガラスや結晶化
ガラスなどのガラス接着剤、高融点のポリマー系接着
剤、ガラスやセラミックスフィラーを含有するポリマー
系材料、無機材料系のセラミックスボンド材などを用い
ることができる。
とも一部の個所で熱電半導体の幅よりも突出した突出部
2aが形成される。突出部は、各図(B)に示すように
ライン型モジュールを幅方向に複数配置してモジュール
ブロックを形成する場合に、隣り合う熱電変換モジュー
ル間の間隔を規定する役割を果たす。突出部2aは、図
1(B)に示すように結合個所の全部に形成してもよい
し、図2(B)または図3(B)に示すように結合個所
の一部に形成してもよい。図2(B)または図3(B)
では、突出部2aは熱電半導体1の側面上に延長して形
成されている。
に限定されない。たとえば、熱電半導体どうしをガラス
で融着した後、突出したガラス層を研磨して、所望の突
出長さとなるように加工してもよい。また、熱電半導体
の幅よりも寸法の大きいガラスやセラミックスなどの板
材を熱電半導体間の挿入して接着することにより形成し
てもよい。
突出部2aは、セラミックスやガラスの板材または棒材
を熱電半導体の側面またはガラス絶縁層に接着すること
により形成できる。この場合、モジュールのp型端とn
型端との区別を容易にする目的および隣り合って配置さ
れるモジュールの相対的な位置決めを容易にする目的
で、モジュールの列方向の少なくとも2個所で延長して
形成された部分の形状または位置を変えてもよい。たと
えば、図2(B)ではモジュールの列方向の一端側で大
きい突出部が形成され、他端側で小さい突出部が形成さ
れている。また、図3(B)ではモジュールの列方向の
一端側で高温端近傍に突出部が形成され、他端側で低温
端近傍に突出部が形成されている。
出長さは、熱電半導体の幅、熱電半導体の材料およびモ
ジュールの使用環境にも依存するが、0.05〜5mm
とすることが好ましい。突出長さが0.05mm未満で
あると高い加工精度が要求されるため製造歩留りが低下
するうえに、モジュールブロックを形成する場合に隣り
合うモジュールとの確実な絶縁が困難になる。突出長さ
が5mmを超えると隣り合うモジュール間の間隔が大き
くなるため、高温側熱源の表面に対するモジュール高温
端の接触面積の割合が小さくなって発電出力が低下する
うえに、熱電発電装置全体が大型化する。
導体は熱電半導体の高温端および低温端に形成された電
極3により電気的に直列に接続される。電極3の材料と
しては耐熱金属であるMoなどが用いられる。熱電半導
体と電極とはろう材やハンダ材などにより接合される。
なお、熱電半導体の高温端および低温端にカーボンなど
からなる歪緩和電極を形成し、歪緩和電極と電極とをろ
う材やハンダ材などにより接合してもよい。
方向に突出して形成される。リード端電極4の形状は特
に限定されず、板状、メッシュ状、より線状、スプリン
グ状などの形状のものを用いることができる。リード端
電極は低温端側に形成することが好ましい。このように
リード端電極を低温端に形成すると、リード端電極と配
線との結線部の耐久性が向上する。また、リード端電極
と配線との結線部に低温のろう材を使用できるので結線
が容易になり、低温ろう材により放熱効果を持たせるこ
ともできる。
クについて説明する。本発明の熱電変換モジュールブロ
ックは、一列に交互に配置された2対以上のp型とn型
の熱電半導体と、交互に配置されたp型およびn型の熱
電半導体を電気的に直列に接続するように熱電半導体の
高温端および低温端に形成された電極と、列方向の両端
の熱電半導体にそれぞれ形成されたリード端電極とを有
し、幅方向に配列された複数の熱電変換モジュール(ラ
イン型モジュール)と、幅方向に配置された複数の熱電
変換モジュールを隣り合う熱電変換モジュール間に間隔
を設けて保持する絶縁性の枠体とを有する。本発明にお
いては、複数のライン型モジュールは、電気的接続部分
を除いては枠体に接着されていないし、ライン型モジュ
ールどうしも互いに接着されていない。このような熱電
変換モジュールブロックを形成すれば、複数の一体化し
ていない熱電変換モジュールの集合体をひとまとめにし
て取り扱いやすくでき、搬送中または設置作業中におけ
る熱電変換モジュールの破損を防止できる。
クの一例を示す。図4は高温端側から見た斜視図であ
る。図4では幅方向に配置された複数の熱電変換モジュ
ール10の最外周を保持する枠体11を用いている。モ
ジュールブロックは枠体11に複数の熱電変換モジュー
ル10を挿入することにより形成される。ライン型モジ
ュールとしては、たとえば図1〜図3に示したように熱
電半導体どうしを結合する絶縁層に熱電半導体の幅より
も突出した突出部が形成されているものが用いられる。
この場合、幅方向に隣り合うライン型モジュール間の間
隔は絶縁層の突出部の突出長さによって規定される。
縁層の突出部の突出長さを調整することにより、隣り合
う熱電変換モジュールを必要最低限の間隔で確実に保持
して絶縁を確保しながら、簡便に設置することができ
る。また、モジュールを高密度に設置して発電出力を増
加させるとともに、モジュール間の間隔を流れる熱流を
低減して発電出力の損失を防止できる。したがって、高
出力でコンパクトな熱電発電装置を実現できる。一方、
モジュールの反りに起因する発電出力の低下が小さいた
め、数百個以上のモジュールを組み込んでも信頼性が高
く、大型の熱電発電装置の製造も可能になる。
導体どうしを結合する絶縁層に突出部が形成されていな
いものを用いてもよい。この場合、幅方向に隣り合うラ
イン型モジュール間にペーパー状、綿状または薄板上の
絶縁性セラミックスを挟んでライン型モジュール間に間
隔を設ける。このようにライン型モジュール間に絶縁性
セラミックスを設けると、モジュール間の間隔を流れる
熱流を大幅に低減して発電出力の損失を防止できる。
扱い易さを向上させるために枠体内で配列された複数の
熱電変換モジュールの高温端面または低温端面に絶縁テ
ープを貼付してもよい。図4では複数の熱電変換モジュ
ール10の低温端面にポリイミド(カプトンなど)から
なる絶縁テープ12を貼付している。この場合、熱電変
換モジュールブロックを設置する際に、絶縁テープの裏
面を低温側熱源に接着してもよいし、設置時に絶縁テー
プをはがして熱電変換モジュールブロックを直接低温側
熱源に接着してもよい。さらに、熱電変換モジュールブ
ロックを低温側または高温側の熱源に設置して固定した
後、枠体をはずしてもよい。
クの他の例を示す。図5は高温端側から見た平面図であ
る。図5では幅方向に配置された複数の熱電変換モジュ
ール10の最外周を保持する枠体11に、枠体11内部
で隣り合う熱電変換モジュール10間の間隔を保持する
ための仕切り13を取り付けたものを用いている。この
図では、ライン型モジュール10の一端(p型端、n型
端のいずれか)にのみ絶縁層の突出部2aが形成されて
おり、仕切り13には突出部2aに対応して凹部が形成
されている。このような枠体を用いれば、ライン型モジ
ュール10のp型端およびn型端の向きが所定の直列接
続を実現するために正しい場合にのみ、ライン型モジュ
ール10を枠体11の仕切り13の間に挿入できる。
生じると、発電電力が低減するだけでなく、発電電力が
所定の方向とは逆方向に流れる個所が生じる。このよう
な個所は部分的に過熱するためリード端電極と配線との
結線部でマイグレーションを誘発する。この結果、断線
破壊が生じ熱電発電装置全体の耐久性を著しく低下させ
る原因となる。熱応力に対する耐久性を増加させるため
に、端面の面積が小さいモジュールを多数使用して発電
装置を製造する場合、特にモジュールの設置間違いを防
止することが重要になる。また、発電装置の発電電力と
電流は熱源の条件とともに電気的に直列・並列に結線す
るモジュール数により制御されるため、高温端熱源に温
度分布がある場合にはモジュール間の配線が複雑にな
る。このため、数百個以上のモジュールを設置する大型
装置では、さらにモジュール間の結線工程に正確さが要
求される。こうした結線ミスに対して対策として、図5
のような枠体を用いることが有効であり、製造が容易で
信頼性の高い熱電発電装置を実現できる。
クのさらに他の例を示す。図6は低温端側から見た斜視
図である。図6では幅方向に配置された複数の熱電変換
モジュール10の最外周を保持する枠体11に対して、
熱電変換モジュール10の列方向の両端にリード端電極
と配線との結線部を保護する遮熱板14を取り付けたも
のを用いている。この場合、枠体11は強度が高く比較
的熱伝導度が高い材質で形成し、遮熱板14は断熱性に
優れた材質で形成すればよく強度は特に要求されない。
このような枠体11を用いれば、遮熱板14によって低
温端のリード端電極4と配線15との結線部を高温端か
らの輻射熱から保護することができ、結線部の信頼性を
向上できる。
いては、枠体の表面に隣り合う熱電変換モジュールのリ
ード端電極どうしを接続するための配線を形成すること
が好ましい。図7にこうした熱電変換モジュールブロッ
クの例を示す。図7は低温端側から見た斜視図である。
図7では、熱電変換モジュール10の列方向の両端に配
置される枠体11の表面に、モジュール間の電気的結線
を行う配線15が形成されており、この部分でライン型
モジュールのリード端電極と枠体表面の配線15とが電
気的に接続されている。このように枠体11の表面に配
線15を形成しておけば、熱電変換モジュールブロック
を設置する前に、ブロックごとの結線作業を行うことが
できるため、製造が容易になる。
接続方法は特に限定されず、ハンダ付け、圧着、溶接な
どの方法を用いることができる。両者の接続状態は、た
とえば図8(A)〜(E)に示すように種々の形態が考
えられる。図8(A)は板状のリード端電極4と、枠体
11表面に設けられた断面がZ形状の配線15とを接続
した状態を示している。図8(B)は、板状のリード端
電極4と、枠体11表面に設けられた板状の配線15の
表面に肉盛りして形成された凸状の接点16とを接続し
た状態を示している。図8(C)はメッシュ線またはよ
り線からなるリード端電極4を変形させて、枠体11表
面に設けられた板状の配線15に直接接続した状態を示
している。図8(D)はメッシュ線またはより線からな
るリード端電極4を変形させて、枠体11表面に設けら
れた圧着式接点17を有する配線15に接続した状態を
示している。図8(E)はスプリング形状のリード端電
極4と枠体11表面に設けられた板状の配線15とを接
続した状態を示している。
する。
るライン型モジュールを作製した。2枚のカーボン板
(歪緩和電極)の間にp型またはn型のSi−Ge系半
導体原料粉を詰めてホットプレス焼結した。各焼結体を
切断し、端面が3.5mm角、厚さが9.0mmで両端
にカーボン層が形成された、p型またはn型の熱電素子
を形成した。5対(10個)をp型およびn型の熱電素
子を交互に一列に配列して隣り合う熱電素子を絶縁性ガ
ラスで互いに結合し、ライン型モジュールを作製した。
この際、絶縁性ガラスを熱電素子の幅よりも側方へ突出
させた。その後、ライン型モジュールの側面を研磨して
絶縁性ガラスの突出長さを0.5mmに調整した。ま
た、熱電素子の両端のカーボン層を研磨して素子厚さを
調整した。次に、交互に配置されたp型およびn型の熱
電素子を電気的に直列に接続するように熱電素子の高温
端および低温端にMo製の電極をNiろう材を用いてろ
う付けした。次いで、ライン型モジュールの列方向の両
端の素子の低温端に、Mo製のリード端電極をNiろう
材を用いてろう付けし、その先端にCuメッシュ層をN
iろう材を用いてろう付けした。作製したライン型モジ
ュールを幅方向に複数個並べてリード端電極の先端部分
を溶融ハンダ浴につけて、リード端電極のCuメッシュ
層部分にのみハンダを付着させた。
したライン型モジュール6本を、遮熱板14を設けた枠
体11に挿入して配列した。そして、リード端電極4と
配線15とをハンダ付けして熱電変換モジュールブロッ
クを製造した。
板(内部に水を流している冷却板)で冷却しながら、高
温端面を約250℃の熱源に設置して発電出力を調べ
た。押付荷重17kgf(押付圧力1.8kgf/cm
2)でほぼ所定の0.75Wの出力が得られた。押付荷
重を上記の約1/2の8kgfにした場合には上記の9
0%の出力が得られた。押付荷重を上記の約3倍の50
kgfとした場合には上記の105%の出力が得られ
た。このことから、押付荷重が変動しても出力の変動は
計測上の誤差程度であることがわかる。従来の正方形基
板を有する熱電変換モジュールでは数十kgf/cm2
以上の高い設置圧力で取り付ける必要があったのと比較
すると、本実施例のモジュールブロックでは2kgf/
cm2以下、さらにはその半分以下の設置圧力でも高い
出力が得られた。また、高温端面を約450℃の熱源に
設置したところ、3.3Wの出力が得られた。
ルブロックを用いることにより、取り付けが非常に簡便
になるとともに、設置圧力が小さいうえに設置圧力の変
動の影響が極めて小さく安定した出力が得られ、信頼性
を向上できる。
い設置圧力でも熱源の表面への設置が容易で、しかも高
密度に設置でき、熱電変換効率を向上できるとともに熱
電発電装置全体をコンパクトにできる熱電変換モジュー
ルおよび熱電変換モジュールブロックを提供することが
できる。また、リード端電極とリード線との結線部分の
信頼性を高め、耐久性の高い熱電変換モジュールおよび
熱電変換モジュールブロックを提供することもできる。
び平面図。
び平面図。
び平面図。
視図。
面図。
視図。
視図。
リード端電極と配線との接続状態を示す側面図。
Claims (5)
- 【請求項1】一列に交互に配置された2対以上のp型お
よびn型の熱電半導体と、 列方向に隣り合う熱電半導体の間に設けられて熱電半導
体どうしを相互に結合し、複数個所のうち少なくとも一
部の個所で熱電半導体の幅よりも突出した突出部が形成
されている絶縁層と、 交互に配置されたp型およびn型の熱電半導体を電気的
に直列に接続するように熱電半導体の高温端および低温
端に形成された電極と、 列方向の両端の熱電半導体にそれぞれ形成されたリード
端電極とを具備したことを特徴とする熱電変換モジュー
ル。 - 【請求項2】前記絶縁層の突出部が、少なくとも2個所
で熱電半導体の側面上に延長して形成され、かつ延長し
て形成された部分の形状または位置が互いに異なること
を特徴とする請求項1記載の熱電変換モジュール。 - 【請求項3】一列に交互に配置された2対以上のp型と
n型の熱電半導体と、交互に配置されたp型およびn型
の熱電半導体を電気的に直列に接続するように熱電半導
体の高温端および低温端に形成された電極と、列方向の
両端の熱電半導体にそれぞれ形成されたリード端電極と
を有し、幅方向に配列された複数の熱電変換モジュール
と、 幅方向に配置された複数の熱電変換モジュールを、隣り
合う熱電変換モジュール間に間隔を設けて保持する絶縁
性の枠体とを具備し、前記熱電変換モジュールは熱電半導体の間に設けられた
絶縁層により列方向に隣り合う熱電半導体どうしが相互
に結合され、前記絶縁層は複数個所のうち少なくとも一
部の個所で熱電半導体の幅よりも突出した突出部が形成
されており、幅方向に配置された複数の熱電変換モジュ
ールは前記絶縁層の突出部により隣り合う熱電変換モジ
ュール間に間隔を設け、当該モジュールの最外周が枠体
で保持されることを特徴とする熱電変換モジュールブロ
ック。 - 【請求項4】一列に交互に配置された2対以上のp型と
n型の熱電半導体と、交互に配置されたp型およびn型
の熱電半導体を電気的に直列に接続するように熱電半導
体の高温端および低温端に形成された電極と、列方向の
両端の熱電半導体にそれぞれ形成されたリード端電極と
を有し、幅方向に配列された複数の熱電変換モジュール
と、 幅方向に配置された複数の熱電変換モジュールを、隣り
合う熱電変換モジュール間に間隔を設けて保持する絶縁
性の枠体とを具備し、 幅方向に配置された複数の熱電変換モジュールは、隣り
合う熱電変換モジュール間に挟まれた絶縁性セラミック
スにより間隔を設け、当該モジュールの最外周が枠体で
保持されることを特徴とする熱電変換モジュールブロッ
ク。 - 【請求項5】前記枠体の表面に隣り合う熱電変換モジュ
ールのリード端電極どうしを接続するための配線が形成
されていることを特徴とする請求項3または4記載の熱
電変換モジュールブロック。
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JP09397599A JP3469812B2 (ja) | 1999-03-31 | 1999-03-31 | 熱電変換モジュールおよび熱電変換モジュールブロック |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publication Number | Publication Date |
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JP3469812B2 true JP3469812B2 (ja) | 2003-11-25 |
Family
ID=14097415
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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Country Status (1)
Country | Link |
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JP6193709B2 (ja) * | 2013-09-30 | 2017-09-06 | 日本サーモスタット株式会社 | 熱電変換モジュール |
JP6546414B2 (ja) * | 2015-03-06 | 2019-07-17 | 株式会社Kelk | 熱電発電ユニット |
JP6933441B2 (ja) * | 2016-03-10 | 2021-09-08 | 株式会社アツミテック | 熱電変換モジュール |
WO2022196724A1 (ja) * | 2021-03-16 | 2022-09-22 | 古河電気工業株式会社 | 熱電変換モジュール |
-
1999
- 1999-03-31 JP JP09397599A patent/JP3469812B2/ja not_active Expired - Lifetime
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