JP5087914B2 - 積層型圧電素子 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料噴射型装置等に用いられる積層型圧電素子に関するものである。
従来の積層型圧電素子としては、例えば特許文献1に記載されているものが知られている。特許文献1に記載の積層型圧電素子は、圧電体と内部電極とを交互に積層してなる積層体と、この積層体の側面に設けられ、内部電極と接続された外部電極とを備えている。積層体における内部電極と同一の層には、素子の駆動時に積層体に生じる応力集中を緩和するための金属酸化物層(アルミナ層)が設けられている。
特開平5−243635号公報
しかしながら、上記従来技術のように、積層体における内部電極と同一の層に金属酸化物層を設けただけでは、素子の駆動時に積層体の積層方向に延びるクラックの発生が避けられないことがあった。この場合には、異極の内部電極同士がショートし、素子の絶縁破壊を引き起こす虞がある。
本発明の目的は、積層体の積層方向に延びるクラックの発生を確実に防止することができる積層型圧電素子を提供することにある。
本発明は、複数の圧電体と第1電極及び第2電極を含む複数の内部電極とを交互に積層し焼結してなる積層体を備えた積層型圧電素子であって、積層体には、圧電体の焼結温度よりも融点が高い材料で形成された金属酸化物層が設けられており、積層体は、第1電極と第2電極とが積層体の積層方向に重なり合うように構成されてなる活性部と、活性部の両側に設けられ、第1電極と第2電極とが積層体の積層方向に重なり合わないように構成されてなる不活性部とを有し、金属酸化物層は、不活性部における内部電極と同一の層に形成された第1領域と、第1領域から活性部側に延びて内部電極に対して重なるように形成された第2領域とを有することを特徴とするものである。なお、ここでいう「内部電極と同一の層」は、内部電極と完全に同一の層に限られず、内部電極と略同一の層も含んでいる。
以上のような本発明の積層型圧電素子においては、第1電極と第2電極との間に電圧が印加されると、両者間に電界が生じ、圧電体における活性部に存在する部位が積層体の積層方向に変位する。このとき、積層体には、圧電体の変位による応力がかかることになる。しかし、積層体には、圧電体の焼結温度よりも融点が高い材料で形成された金属酸化物層が設けられている。この金属酸化物層は、素子の製造工程において積層体の焼成を行った際に、圧電体に比べて十分な焼結が行われていない。その結果、金属酸化物層は、圧電体よりも低強度となる。そして、そのような金属酸化物層は、積層体の不活性部における内部電極と同一の層に形成された第1領域と、この第1領域から活性部側に延びて内部電極に対して重なるように形成された第2領域とを有している。つまり、金属酸化物層は圧電体と内部電極との界面まで十分に延びているが、当該界面は強度的に弱いものである。従って、上述した素子の変位時には、金属酸化物層によって積層体にかかる応力集中が緩和されると共に、圧電体と内部電極との界面に沿ってクラック(横クラック)が入りやすくなる。これにより、積層体の積層方向に延びるクラック(縦クラック)の発生を確実に防止することができる。
好ましくは、第2領域は、内部電極の一部に対して重なるように形成されている。この場合には、金属酸化物層を形成する材料を必要以上に多く使用しなくて済む。従って、金属酸化物層の材料費を節約し、また積層型圧電素子の製造に要する時間を短縮することができる。
また、第2領域は、内部電極全体に対して重なるように形成されていても良い。この場合には、圧電体と内部電極との界面の強度が更に弱くなるので、圧電体と内部電極との界面に沿って横クラックが一層入りやすくなる。
また、好ましくは、圧電体は、チタン酸ジルコン酸鉛を主成分とする圧電材料で形成され、金属酸化物層は、ZrO、MgO、Nb、Ta、CeO、Yの少なくとも一種を含む材料で形成されている。
ZrO、MgO、Nb、Ta、CeO、Yは、チタン酸ジルコン酸鉛の焼結温度よりも融点が高く且つチタン酸ジルコン酸鉛に固溶可能な材料である。従って、そのような材料を金属酸化物層に使用することにより、積層体の焼成を行った際には、金属酸化物層の成分が圧電体の粒界に析出されにくくなり、圧電体における単位厚み当たりの粒界の数の増大が抑制されるため、第1電極と第2電極との間に電圧(電界)をかけた時に圧電体の粒界で生じる熱ロスが抑えられると考えられる。従って、素子の変位時に、加える電界に対して所望の変位を得ることができる。また、圧電体における単位厚み当たりの粒界の数が少なくなることで、積層体に縦クラックが一層生じにくくなる。
本発明によれば、積層体の積層方向に延びるクラックの発生を確実に防止し、積層型圧電素子の耐久性を向上させることができる。
以下、本発明に係る積層型圧電素子の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明に係る積層型圧電素子の第1実施形態を示す斜視図である。また、図2は、図1に示した積層型圧電素子の側面図であり、図3は、図1に示した積層型圧電素子の層構造を示す部分拡大断面図である。各図において、本実施形態の積層型圧電素子1は、例えば自動車に搭載される内燃機関の燃料噴射装置に用いられるものである。
積層型圧電素子1は、四角柱状の積層体2を備えている。積層体2は、複数の圧電体3と複数の内部電極4A,4Bとを所定の順序で積層し、これを焼結してなるものである。積層体2の寸法は、例えば幅10mm×奥行き10mm×高さ35mmとなっている。
圧電体3は、例えばPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)を主成分とする圧電セラミック材料で形成されている。圧電体3の厚さは、例えば1層当たり80〜100μm程度となっている。PZTの組成としては、例えば下記のものが用いられる。
Pb0.999[(Zn1/3Nb2/3)0.11 Ti0.425 Zr0.465]O3+0.2wt%Fe2O3+0.2wt%Sb2O3
また、PZTの粉体特性としては、例えばBET比表面積が約2.5m/g、平均粒子径が約0.6μmのものが用いられる。PZTの焼結温度は、950℃程度である。なお、PZT系材料の融点は、1300℃程度である。
内部電極4A,4Bは、例えばAg、Pdを主成分とする導電材料により形成されている。内部電極4A,4Bの厚さは、例えば2μm程度となっている。内部電極4A,4Bは、圧電体3を挟んで交互に積層されている。内部電極4Aの一端は、積層体2の一方の側面2aに露出し、内部電極4Aの他端は、積層体2の他方の側面2bよりも内側に位置している。内部電極4Bの一端は、積層体2の側面2bに露出し、内部電極4Bの他端は、積層体2の側面2aよりも内側に位置している。これにより、内部電極4A,4Bの一部は、積層体2の積層方向において重なり合うこととなる。
積層体2において、内部電極4A,4Bが積層方向に重なり合っている部分は、内部電極4A,4Bに電圧を印加したときに圧電体3が変位する活性部Pとなっており、内部電極4A,4Bが積層方向に重なり合っていない部分(積層体2の両側端部)は、内部電極4A,4Bに電圧を印加したときに圧電体3が変位しない不活性部Qとなっている。
積層体2には、電気絶縁性を有すると共に圧電体3よりも密度(強度)の低い金属酸化物層5が複数形成されている。金属酸化物層5は、不活性部Qにおける内部電極4A,4Bと同一の層に形成された同層領域5aと、この同層領域5aから活性部P側に延びて内部電極4A,4Bの一部の上面に重なるように形成された重なり領域5bとからなっている。内部電極4Aと同層に位置する同層領域5aは、積層体2の側面2bに露出し、内部電極4Bと同層に位置する同層領域5aは、積層体2の側面2aに露出している。つまり、金属酸化物層5は、内部電極4A,4Bに接するように積層体2の側面2a,2bから活性部Pまで延びている。同層領域5aの厚さは、例えば内部電極4A,4Bと同一の厚さとなっている。
金属酸化物層5は、圧電体3の主成分であるPZTの焼結温度よりも融点が高く且つPZTに固溶する材料により形成されている。このような材料としては、ZrO、MgO、Nb、Ta、CeO、Yの少なくとも一種を含む材料が挙げられる。つまり、金属酸化物層5と圧電体3とは、互いに異なる組成系の材料で形成されている。なお、ZrO、MgO、Nb、Ta、CeO、Yの融点は、1500〜2800℃程度である。
積層体2の側面2aには、各内部電極4Aに電気的に接続された外部電極6Aが固定され、積層体2の側面2bには、各内部電極4Bと電気的に接続された外部電極6Bが固定されている。
外部電極6A,6Bは、積層体2の側面2a,2bの中央部分をそれぞれ覆うように積層体2の積層方向に延在する矩形板状の電極部7と、この電極部7の外側に配置され、積層体2の積層方向に延在する波状の電極部8とからなっている。電極部8は、積層体2の積層方向に対して伸縮性(柔軟性)をもつように電極部7に接合されている。電極部7は、例えばAg、Au及びCuのいずれかを主成分とする導電材料で形成されている。電極部8は、例えばCu、Cu合金、Ni、Ni合金、フレキシブル基板等で形成されている。
次に、上述した積層型圧電素子1の製造方法について説明する。まず、PZTを主成分とするセラミック粉体に有機バインダ樹脂及び有機溶剤等を混合したグリーンシート用のペーストを準備する。そして、例えばドクターブレード法によってグリーンシート用のペーストをキャリアフィルム(図示せず)上に塗布することにより、上記の圧電体3を形成するグリーンシート9を複数枚形成する。
続いて、例えばAg:Pd=85:15の比率で構成された導電材料に有機バインダ樹脂及び有機溶剤等を混合した電極パターン用のペーストを作製する。そして、図4(a)に示すように、電極パターン用のペーストを例えばスクリーン印刷することにより、上記の内部電極4A,4Bに相当する電極パターン10A,10Bをそれぞれ別々のグリーンシート9上に形成する。このとき、グリーンシート9の上面における上記不活性部Qに対応する一端側部分を除いた領域に電極パターン10A,10Bを形成する。
さらに、例えばZrO粉体を含むセラミック粉体に有機バインダ樹脂及び有機溶剤等を混合したZrOペーストを作製する。なお、用いるZrO粉体の粒子径は、圧電材料粉体(セラミック粉体)の粒子径よりも大きく、電極パターン10A,10Bの厚みよりも小さいことが好ましい。
そして、図4(b)に示すように、ZrOペーストを例えばスクリーン印刷することにより、グリーンシート9上及び電極パターン10A,10B上にZrOペースト層11を形成する。このとき、グリーンシート9の上面における電極パターン10A,10Bが印刷されていない電極未印刷領域(上記不活性部Qに対応する領域)にZrOペースト層11を形成すると共に、電極パターン10A,10Bの上面における電極未印刷領域側の端部領域にZrOペースト層11を重ねるように形成する。
続いて、図5に示すように、電極パターン10A及びZrOペースト層11が形成されたグリーンシート9と、電極パターン10B及びZrOペースト層11が形成されたグリーンシート9とを所定の順序で積層する。そして、電極パターン10A,10B及びZrOペースト層11が形成されていないグリーンシート9を、保護層として最外層に所定枚数ずつ積層する。これにより、グリーン積層体12が形成される。
続いて、グリーン積層体12を約60℃の温度で加熱しながら積層方向にプレス加工した後、そのグリーン積層体12を例えばダイヤモンドブレードにより所定の寸法に切断してチップ化する。
続いて、切断後のグリーン積層体12をセッター(図示しない)に載せ、約400℃の温度下でグリーン積層体12の脱脂(脱バインダ)処理を10時間程度行う。そして、脱脂後のグリーン積層体12をこう鉢炉内に入れ、例えば950〜1000℃の温度下でグリーン積層体12の焼成を2時間程度行う。これにより、グリーンシート9、電極パターン10A,10B及びZrOペースト層11が焼結され、焼結体としての積層体2が得られる。
このとき、ZrOペースト層11はグリーンシート9と異なる組成系の材料で形成されているので、ZrOペースト層11とグリーンシート9との焼結反応性が抑制され、両者間で不用な化学反応が起こることが無い。しかも、ZrOペースト層11の融点はグリーンシート9の焼結温度よりも高いので、ZrOペースト層11はグリーンシート9に比べて焼結されにくい。このため、焼結後には、ZrOペースト層11は、圧電体3との接合強度が低い金属酸化物層5となる。
また、金属酸化物層5は、上述したように同層領域5a及び重なり領域5bからなっているが、焼成によるグリーン積層体12の収縮によって、内部電極4A,4Bに重なる重なり領域5bの厚みが同層領域5aの厚みより小さくなる。
次いで、積層体2の側面2a,2bに外部電極6A,6Bをそれぞれ形成する。具体的には、例えばAgを主成分とする導電ペーストを積層体2の側面2a,2bにスクリーン印刷し、例えば700℃程度の温度下で焼付処理を行うことで、積層体2の側面2a,2bに電極部7を形成する。なお、電極部7の形成方法としては、スパッタリング法や無電解めっき法を用いても良い。そして、例えば半田付けによって、波状の電極部8を電極部7に接合する。
最後に、圧電体3の厚み方向の電界強度が約2kV/mmとなるように、例えば120℃の温度下で所定の電圧を例えば3分間印加することにより、分極処理を行う。以上により、図1〜図3に示すような積層型圧電素子1が完成する。
このように製造された積層型圧電素子1において、外部電極6A,6B間に電圧が印加されると、外部電極6A,6Bと接続された内部電極4A,4B間に電圧が印加され、両者間に電界が生じ、圧電体3における活性部Pに含まれる部位が積層体2の積層方向に変位するようになる。
このとき、積層体2における活性部Pと不活性部Qとの境界部に応力が発生するが、不活性部Qには金属酸化物層5が複数層にわたって形成されているので、積層体2にかかる応力は、金属酸化物層5の同層領域5a側端部に集中するようになる。従って、積層体2の積層方向に延びるクラック(縦クラック)が生じにくくなる。
また、金属酸化物層5は、積層体2の不活性部Qにおける内部電極4A,4Bと同一の層に形成された同層領域5aと、この同層領域5aから活性部P側に延びて内部電極4A,4B上に重なるように形成された重なり領域5bとからなっている。つまり、金属酸化物層5は、積層体2の側面2a,2bから圧電体3と内部電極4A,4Bとの界面まで延びている。圧電体3はPZTを主成分とする圧電セラミック材料で形成され、内部電極4A,4Bは導電材料で形成されているため、圧電体3と内部電極4A,4Bとの接着力は弱く、両者の界面は強度的に低いものとなっている。従って、外部電極6A,6B間に電圧を印加して積層型圧電素子1を駆動(変位)させた際に、圧電体3と内部電極4A,4Bとの界面に沿ってクラック(横クラック)が入りやすくなる。これにより、積層体2に縦クラックが一層生じにくくなる。
なお、上記の分極処理時にも、電界を印加するため積層体2に応力が発生するが、積層型圧電素子1の駆動時と同様に、金属酸化物層5が存在することで積層体2に縦クラックが生じにくい構造となっている。
また、金属酸化物層5を形成する材料として、Al、SiO、P等のようにPb系材料と反応して液相を形成する材料を用いた場合、これらの材料はPZTに固溶せずに粒界成分となりやすい。このため、例えばAlペースト層を含むグリーン積層体を焼成したときに、Alがグリーンシート9の粒界に析出するため、PZTの粒子成長を妨げ、グリーンシート9における単位厚み当たりの粒界の数が多くなる。この場合には、製造後の積層型圧電素子において内部電極4A,4B間に電界をかけたときに、圧電体3の粒界により熱ロスが発生するため、加えた電界に対して圧電体3の変位が十分に得られない可能性がある。
本実施形態では、金属酸化物層5を形成する材料として、ZrO、MgO、Nb、Ta、CeO、YといったPZTに固溶する材料を用いるので、グリーン積層体12の焼成時に、ZrO等の成分がグリーンシート9の粒界に析出されず、PZTの粒子成長が進み、グリーンシート9における単位厚み当たりの粒界数の増大が抑制される。このため、製造後の積層型圧電素子1において内部電極4A,4B間に電界をかけたときに、圧電体3の粒界による熱ロスが低減されるため、加えた電界に対して十分な圧電体3の変位が得られるようになり、所望の圧電特性が確保される。
また、圧電体3における単位厚み当たりの粒界数が少なくなることから、圧電体3の粒界に沿ったランダムな方向へのクラックの進行が抑えられるため、この点でも積層体2に縦クラックが生じにくくなる。
以上のように本実施形態によれば、積層型圧電素子1の駆動時や分極処理時に、積層体2に縦クラックが発生することが防止される。これにより、内部電極4A,4B間のショートが防止され、積層型圧電素子1の絶縁破壊を避けることができる。また、積層型圧電素子1の圧電特性の劣化を抑えることもできる。その結果、積層型圧電素子1の耐久性及び性能を向上させることが可能となる。
図6は、本発明に係る積層型圧電素子の第2実施形態の側面図であり、図7は、図6に示した積層型圧電素子の層構造を示す部分拡大断面図である。図中、第1実施形態と同一または同等の要素には同じ符号を付し、その説明を省略する。
各図において、本実施形態の積層型圧電素子1は、第1実施形態と同様に、圧電体3、内部電極4A,4B及び金属酸化物層5からなる積層体2を備えている。金属酸化物層5は、積層体2の不活性部Qにおける内部電極4A,4Bと同一の層に形成された同層領域5aと、この同層領域5aから活性部P側に延びて内部電極4A,4Bの上面全体に重なるように形成された重なり領域5bとからなっている。つまり、金属酸化物層5は、内部電極4A,4Bに接するように積層体2の側面2aから側面2bまで延びている。
このような金属酸化物層5を形成するには、まず前述の図4(a)に示すように、グリーンシート9の上面の一部領域に電極パターン10A,10Bを形成した後、例えば上述したZrOペーストをスクリーン印刷することで、グリーンシート9の上面の電極未印刷領域と電極パターン10A,10Bの上面全体とにZrOペースト層11(図4参照)を形成する。そして、第1実施形態と同様に、積層、プレス加工、切断、脱バインダ及び焼成を順に行う。
このような本実施形態においても、積層型圧電素子1の駆動時や分極処理時に、積層体2に縦クラックが発生することを防止できるため、積層型圧電素子1の耐久性向上につながる。
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではない。例えば上記実施形態では、金属酸化物層5の重なり領域5bが内部電極4A,4Bの上に重なるような構成としたが、図8に示すように、金属酸化物層5の重なり領域5bの上に内部電極4A,4Bの少なくとも一部が重なるような構成としても良い。
本発明に係る積層型圧電素子の第1実施形態を示す斜視図である。 図1に示した積層型圧電素子の側面図である。 図1に示した積層体の層構造を示す部分拡大断面図である。 図1に示した積層型圧電素子の製造する際に、グリーンシートの上部に電極パターン及びZrOペースト層を形成する工程を示す図である。 図4(b)に示したグリーンシートを含む複数種類のグリーンシートを積層して得られるグリーン積層体の分解斜視図である。 本発明に係る積層型圧電素子の第2実施形態を示す側面図である。 図6に示した積層体の層構造を示す部分拡大断面図である。 積層体の層構造の変形例を示す部分拡大断面図である。
符号の説明
1…積層型圧電素子、2…積層体、3…圧電体、4A…内部電極(第1電極)、4B…内部電極(第2電極)、5…金属酸化物層、5a…同層領域(第1領域)、5b…重なり領域(第2領域)、P…活性部、Q…不活性部。

Claims (4)

  1. 複数の圧電体と第1電極及び第2電極を含む複数の内部電極とを交互に積層し焼結してなる積層体を備えた積層型圧電素子であって、
    前記積層体には、前記圧電体の焼結温度よりも融点が高い材料で形成された金属酸化物層が設けられており、
    前記積層体は、前記第1電極と前記第2電極とが前記積層体の積層方向に重なり合うように構成されてなる活性部と、前記活性部の両側に設けられ、前記第1電極と前記第2電極とが前記積層体の積層方向に重なり合わないように構成されてなる不活性部とを有し、
    前記金属酸化物層は、前記不活性部における前記内部電極と同一の層に形成された第1領域と、前記第1領域から前記活性部側に延びて前記内部電極に対して重なるように形成された第2領域とを有することを特徴とする積層型圧電素子。
  2. 前記第2領域は、前記内部電極の一部に対して重なるように形成されていることを特徴とする請求項1記載の積層型圧電素子。
  3. 前記第2領域は、前記内部電極全体に対して重なるように形成されていることを特徴とする請求項1記載の積層型圧電素子。
  4. 前記圧電体は、チタン酸ジルコン酸鉛を主成分とする圧電材料で形成され、
    前記金属酸化物層は、ZrO、MgO、Nb、Ta、CeO、Yの少なくとも一種を含む材料で形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の積層型圧電素子。


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