JP2855709B2 - 積層圧電セラミックス素子の製造方法 - Google Patents
積層圧電セラミックス素子の製造方法Info
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- General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、積層圧電セラミックス素子の製造方法に係
り特に、厚み滑り効果による変位や振動を利用する積層
圧電セラミックス素子の製造方法に関するものである。
り特に、厚み滑り効果による変位や振動を利用する積層
圧電セラミックス素子の製造方法に関するものである。
[従来技術] 従来、インクジェットや超音波モータなどのアクチュ
エータとして圧電セラミックス素子が利用されている
が、このような圧電セラミックス素子の一種に、圧電セ
ラミックス層と内部電極層とを交互に積層した積層圧電
セラミックス素子がある。そして、このような積層圧電
セラミックス素子の製造に際して、近年、圧電セラミッ
クス材料をシート状に成形するとともに、そのシートの
一方または両方の面に金属電極材料を印刷し、これを複
数積み重ねて圧着した後一体焼成してセラミックス化
し、その後、その焼成体の側面に上記金属電極材料に1
層おきに接続された一対の外部電極を形成し、その外部
電極を用いて上記焼成された圧電セラミックスの分極処
理を行うようにしたものがある。このような製造方法に
よれば、予め焼成された圧電セラミックスの薄板に電極
を塗布して分極したものを接着剤で複数接合する場合に
比較して、製造工程が少なく生産性が大幅に向上すると
ともに、圧電セラミックス層を薄くすることが可能で分
極電圧を下げることができるなど、種々の選れた効果を
享受できる。
エータとして圧電セラミックス素子が利用されている
が、このような圧電セラミックス素子の一種に、圧電セ
ラミックス層と内部電極層とを交互に積層した積層圧電
セラミックス素子がある。そして、このような積層圧電
セラミックス素子の製造に際して、近年、圧電セラミッ
クス材料をシート状に成形するとともに、そのシートの
一方または両方の面に金属電極材料を印刷し、これを複
数積み重ねて圧着した後一体焼成してセラミックス化
し、その後、その焼成体の側面に上記金属電極材料に1
層おきに接続された一対の外部電極を形成し、その外部
電極を用いて上記焼成された圧電セラミックスの分極処
理を行うようにしたものがある。このような製造方法に
よれば、予め焼成された圧電セラミックスの薄板に電極
を塗布して分極したものを接着剤で複数接合する場合に
比較して、製造工程が少なく生産性が大幅に向上すると
ともに、圧電セラミックス層を薄くすることが可能で分
極電圧を下げることができるなど、種々の選れた効果を
享受できる。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、かかる製造方法によって製造される積
層圧電セラミックス素子は、内部電極層の存在により上
記分極処理を行う際の電圧および駆動するための電圧が
その内部電極層に印加されるため、縦効果の変位による
積層方向の変位や振動しか得られないという問題があっ
た。すなわち、複数の圧電セラミックス層および内部電
極層が交互に積層されるとともに、圧電セラミックス層
が積層方向に分極させられ、厚みが滑り効果により積層
方向に対して垂直な方向の変位や振動が得られる積層圧
電セラミックス素子の製造に際しては、上記製造方法を
適用できないため、従来通り予め厚さ方向に分極処理さ
れた圧電セラミックスの薄板に、分極方向に対して平行
な面に電極を塗布したものを接着剤で複数接合して製造
しなければならなかったのである。
層圧電セラミックス素子は、内部電極層の存在により上
記分極処理を行う際の電圧および駆動するための電圧が
その内部電極層に印加されるため、縦効果の変位による
積層方向の変位や振動しか得られないという問題があっ
た。すなわち、複数の圧電セラミックス層および内部電
極層が交互に積層されるとともに、圧電セラミックス層
が積層方向に分極させられ、厚みが滑り効果により積層
方向に対して垂直な方向の変位や振動が得られる積層圧
電セラミックス素子の製造に際しては、上記製造方法を
適用できないため、従来通り予め厚さ方向に分極処理さ
れた圧電セラミックスの薄板に、分極方向に対して平行
な面に電極を塗布したものを接着剤で複数接合して製造
しなければならなかったのである。
本発明は以上の事情を背景として為されたもので、そ
の目的とするところは、複数の圧電セラミックス層およ
び内部電極層が交互に積層され且つその圧電セラミック
ス層は積層方向に対して垂直な方向に厚みが滑り変位又
は振動する積層圧電セラミックス素子の製造に際しても
上記製造方法を適用できるようにすることにある。
の目的とするところは、複数の圧電セラミックス層およ
び内部電極層が交互に積層され且つその圧電セラミック
ス層は積層方向に対して垂直な方向に厚みが滑り変位又
は振動する積層圧電セラミックス素子の製造に際しても
上記製造方法を適用できるようにすることにある。
[課題を解決するための手段] かかる目的を達成するために、本発明は、複数の圧電
セラミックス層および内部電極層が交互に積層され且つ
その圧電セラミックス層は積層方向に対して垂直な方向
に厚み滑り変位又は振動する積層圧電セラミックス素子
の製造方法であって、(a)前記圧電セラミックス層を
構成する圧電セラミックス材料を用意する工程と、
(b)その圧電セラミックス材料のキュリー温度よりも
低い所定の温度以上で電気抵抗が減少して導電体となる
負温度特性のサーミスタ材料を前記内部電極層の構成材
料として用意する工程と、(c)前記圧電セラミックス
材料および前記サーミスタ材料をシート状に成形して交
互に積層する積層工程と、(d)その積層工程によって
作製された積層体を一体に焼成する焼成工程と、(e)
前記サーミスタ材料の導電体となる温度よりも高く且つ
前記圧電セラミックス材料のキュリー温度よりも低い温
度により、前記積層体の積層方向に前記内部電極層を介
して電解を印加、前記焼成工程において焼成された圧電
セラミックスに分極処理を行う分極工程と、(f)その
分極工程による分極方向に対して平行な面に駆動用外部
電極を形成する外部電極形成工程とを有することを特徴
とする。
セラミックス層および内部電極層が交互に積層され且つ
その圧電セラミックス層は積層方向に対して垂直な方向
に厚み滑り変位又は振動する積層圧電セラミックス素子
の製造方法であって、(a)前記圧電セラミックス層を
構成する圧電セラミックス材料を用意する工程と、
(b)その圧電セラミックス材料のキュリー温度よりも
低い所定の温度以上で電気抵抗が減少して導電体となる
負温度特性のサーミスタ材料を前記内部電極層の構成材
料として用意する工程と、(c)前記圧電セラミックス
材料および前記サーミスタ材料をシート状に成形して交
互に積層する積層工程と、(d)その積層工程によって
作製された積層体を一体に焼成する焼成工程と、(e)
前記サーミスタ材料の導電体となる温度よりも高く且つ
前記圧電セラミックス材料のキュリー温度よりも低い温
度により、前記積層体の積層方向に前記内部電極層を介
して電解を印加、前記焼成工程において焼成された圧電
セラミックスに分極処理を行う分極工程と、(f)その
分極工程による分極方向に対して平行な面に駆動用外部
電極を形成する外部電極形成工程とを有することを特徴
とする。
ここで、上記圧電セラミックス層を構成する圧電セラ
ミックス材料としては、例えばチタン酸ジルコン酸鉛
(PZT)系、チタン酸鉛(PT)系等の強誘電性を有する
セラミックス材料が用いられる。また、内部電極層を構
成するサーミスタ材料としては、例えば酸化ニッケル
(NiO)、酸化コバルト(CoO)、酸化マンガン(MnO)
等を主成分とするスピネル形成材料や酸化バナジウム
(V−O)系の急変サーミスタ材料等が好適に用いられ
る。
ミックス材料としては、例えばチタン酸ジルコン酸鉛
(PZT)系、チタン酸鉛(PT)系等の強誘電性を有する
セラミックス材料が用いられる。また、内部電極層を構
成するサーミスタ材料としては、例えば酸化ニッケル
(NiO)、酸化コバルト(CoO)、酸化マンガン(MnO)
等を主成分とするスピネル形成材料や酸化バナジウム
(V−O)系の急変サーミスタ材料等が好適に用いられ
る。
[作用および効果] すなわち、本発明方法は、内部電極層として圧電セラ
ミックス材料のキュリー温度よりも低い所定の温度以上
で電気抵抗が減少して導電体となる負温度特性のサーミ
スタ材料を用い、そのサーミスタ材料および圧電セラミ
ックス材料をシート状に成形して交互に積層した後一体
焼成し、その後に、サーミスタ材料が導電体となる温度
よりも高く且つ圧電セラミックス材料のキュリー温度よ
りも低い温度、換言すればサーミスタ材料が導電体とな
る一方圧電セラミックス材料が未だ強誘電性を有する温
度により、前記積相対の積層方向に電解を印加して分極
処理を行うようにしたのである。この場合に、上記再見
捨多材料は分極処理をう行う際には導電体であるため、
分極用電極として働き圧電セラミックスは積層方向に良
好に分極させられる一方、その分極処理後にサーミスタ
材料の導電体となる温度以下まで温度が低下すると、そ
のサーミスタ材料は絶縁体として機能するようになり、
分極方向に対して平行な面に形成した外部電極に駆動電
圧が印加されることにより、厚み滑り効果により積層方
向に対して垂直な方向の変位や振動が得られるのであ
る。
ミックス材料のキュリー温度よりも低い所定の温度以上
で電気抵抗が減少して導電体となる負温度特性のサーミ
スタ材料を用い、そのサーミスタ材料および圧電セラミ
ックス材料をシート状に成形して交互に積層した後一体
焼成し、その後に、サーミスタ材料が導電体となる温度
よりも高く且つ圧電セラミックス材料のキュリー温度よ
りも低い温度、換言すればサーミスタ材料が導電体とな
る一方圧電セラミックス材料が未だ強誘電性を有する温
度により、前記積相対の積層方向に電解を印加して分極
処理を行うようにしたのである。この場合に、上記再見
捨多材料は分極処理をう行う際には導電体であるため、
分極用電極として働き圧電セラミックスは積層方向に良
好に分極させられる一方、その分極処理後にサーミスタ
材料の導電体となる温度以下まで温度が低下すると、そ
のサーミスタ材料は絶縁体として機能するようになり、
分極方向に対して平行な面に形成した外部電極に駆動電
圧が印加されることにより、厚み滑り効果により積層方
向に対して垂直な方向の変位や振動が得られるのであ
る。
このように、本発明方法によれば、複数の圧電セラミ
ックス層および内部電極層が交互に積層されるととも
に、圧電セラミックス層が積層方向に分極させられ、分
極方向に対して平行な面に形成した外部電極に電圧を印
加することにより厚み滑り効果による積層方向に対して
垂直な方向の変位や振動が得られる積層圧電セラミック
ス素子が、層の厚さ方向に分極させられた圧電セラミッ
クス層と内部電極層とが交互に積層された縦効果による
積層方向の変位や振動をする積層圧電セラミックス素子
を製造する場合と同様にして製造できるようになり、製
造工程が少なくなって生産性が大幅に向上するのであ
る。また、圧電セラミックス膜を薄くすることが可能
で、分極電圧を下げたり変位部の部分面積を小さくした
りすることができる一方、圧電セラミックス材料やサー
ミスタ材料を適当に選択することにより圧電セラミック
ス層と内部電極層との接合強度を高めることができるな
ど、種々の優れた効果が得られる。
ックス層および内部電極層が交互に積層されるととも
に、圧電セラミックス層が積層方向に分極させられ、分
極方向に対して平行な面に形成した外部電極に電圧を印
加することにより厚み滑り効果による積層方向に対して
垂直な方向の変位や振動が得られる積層圧電セラミック
ス素子が、層の厚さ方向に分極させられた圧電セラミッ
クス層と内部電極層とが交互に積層された縦効果による
積層方向の変位や振動をする積層圧電セラミックス素子
を製造する場合と同様にして製造できるようになり、製
造工程が少なくなって生産性が大幅に向上するのであ
る。また、圧電セラミックス膜を薄くすることが可能
で、分極電圧を下げたり変位部の部分面積を小さくした
りすることができる一方、圧電セラミックス材料やサー
ミスタ材料を適当に選択することにより圧電セラミック
ス層と内部電極層との接合強度を高めることができるな
ど、種々の優れた効果が得られる。
[実施例] 以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明
する。
する。
先ず第3図は、本発明方法に従って製造された積層圧
電セラミックス素子の一例を説明する構成図で、この積
層圧電セラミックス素子10は、交互に積層された複数の
圧電セラミックス層12、内部電極層14および外部電極30
から成り、圧電セラミックス層12は積層方向に、すなわ
ち図の上下方向に分極させられている。また、圧電セラ
ミックス層12は、強誘電性を有するチタン酸ジルコン酸
鉛系のセラミックスにて構成されている一方、内部電極
層14は、上記チタン酸ジルコン酸鉛系のセラミックスの
キュリー温度よりも低い所定の温度以上で電気抵抗が急
激に減少して導電体となる酸化バナジウム系の急変サー
ミスタ材料セラミックス、また外部電極30にはニッケル
等の金属材料にて構成されている。なお、図の圧電セラ
ミックス層12に示されている矢印は分極方向を表してい
る。
電セラミックス素子の一例を説明する構成図で、この積
層圧電セラミックス素子10は、交互に積層された複数の
圧電セラミックス層12、内部電極層14および外部電極30
から成り、圧電セラミックス層12は積層方向に、すなわ
ち図の上下方向に分極させられている。また、圧電セラ
ミックス層12は、強誘電性を有するチタン酸ジルコン酸
鉛系のセラミックスにて構成されている一方、内部電極
層14は、上記チタン酸ジルコン酸鉛系のセラミックスの
キュリー温度よりも低い所定の温度以上で電気抵抗が急
激に減少して導電体となる酸化バナジウム系の急変サー
ミスタ材料セラミックス、また外部電極30にはニッケル
等の金属材料にて構成されている。なお、図の圧電セラ
ミックス層12に示されている矢印は分極方向を表してい
る。
次に、かかる積層圧電セラミックス素子10の製造方法
を説明する。
を説明する。
先ず、上記圧電セラミックス層12を構成するチタン酸
ジルコン酸鉛系のセラミックス材料、および内部電極層
14を構成する酸化バナジウム系のセラミックス材料を用
意し、それ等をドクターブレード法などによりそれぞれ
所定の厚さのシート状に成形して交互に積層した後加熱
圧着し、所定の寸法形状に切断して一体焼成する。これ
により第1図に示されているように前記積層圧電セラミ
ックス素子10と同様な一体焼結積層体16が得られるが、
この段階では、圧電セラミックス層12の自発分極の方向
はランダムであり、内部電極層14は絶縁体である。な
お、前記圧電セラミックス層12を構成するチタン酸ジル
コン酸鉛系のセラミックス材料は圧電セラミックス材料
に相当し、内部電極層14を構成する酸化バナジウム系の
セラミックス材料は、圧電セラミックス材料のキュリー
温度よりも低い所定の温度以上で電気抵抗が急激に減少
して導電体となる負温度特性の急変サーミスタ材料に相
当する。
ジルコン酸鉛系のセラミックス材料、および内部電極層
14を構成する酸化バナジウム系のセラミックス材料を用
意し、それ等をドクターブレード法などによりそれぞれ
所定の厚さのシート状に成形して交互に積層した後加熱
圧着し、所定の寸法形状に切断して一体焼成する。これ
により第1図に示されているように前記積層圧電セラミ
ックス素子10と同様な一体焼結積層体16が得られるが、
この段階では、圧電セラミックス層12の自発分極の方向
はランダムであり、内部電極層14は絶縁体である。な
お、前記圧電セラミックス層12を構成するチタン酸ジル
コン酸鉛系のセラミックス材料は圧電セラミックス材料
に相当し、内部電極層14を構成する酸化バナジウム系の
セラミックス材料は、圧電セラミックス材料のキュリー
温度よりも低い所定の温度以上で電気抵抗が急激に減少
して導電体となる負温度特性の急変サーミスタ材料に相
当する。
次に、第2図に示されているように、上記積層体16の
積層方向に、シリコンオイル等の絶縁オイル20が満たさ
れたオイルバス22中において、分極電源24により上記内
部電極層14を介して電圧を印加する。上記絶縁オイル20
の温度は、内部電極層14の導電体となる温度よりも高く
且つ圧電セラミックス層12のキュリー温度よりも低い温
度、例えば70℃程度に定められており、内部電極層14は
導電体となるのに対し圧電セラミックス層12は未だ強誘
電性を有する。このため、内部電極層14間に電極が印加
されることにより、積層体16にはその積層方向に電界が
印加され、圧電セラミックス層12はその積層方向に良好
に分極させられる。そして、上記積層体16に分極方向に
対して平行な面に1対の外部電極30を例えばニッケルを
無電解メッキ法により形成することにより前記積層圧電
セラミックス素子10が得られる。この積層圧電セラミッ
クス素子10の通常の使用温度は内部電極層14の導電性と
なる温度よりも充分に低く、その内部電極層14は絶縁体
となり圧電セラミックス層12の接着層としてのみ機能す
る。例えば第4図に示されている圧電アクチュエータ
は、分割した外部電極30間に直接駆動電源26を接続した
もので、積層方向にバイアス電界が印加されることによ
り、厚み滑り効果により積層方向に対して垂直な方向の
変位が発生する。また、第5図に示されている圧電アク
チュエータは、外部電極30に交流電源32を接続して交流
電圧を印加するようにしたもので、積層方向と直角な方
向に定在波を発生し、超音波モータ等に利用される。
積層方向に、シリコンオイル等の絶縁オイル20が満たさ
れたオイルバス22中において、分極電源24により上記内
部電極層14を介して電圧を印加する。上記絶縁オイル20
の温度は、内部電極層14の導電体となる温度よりも高く
且つ圧電セラミックス層12のキュリー温度よりも低い温
度、例えば70℃程度に定められており、内部電極層14は
導電体となるのに対し圧電セラミックス層12は未だ強誘
電性を有する。このため、内部電極層14間に電極が印加
されることにより、積層体16にはその積層方向に電界が
印加され、圧電セラミックス層12はその積層方向に良好
に分極させられる。そして、上記積層体16に分極方向に
対して平行な面に1対の外部電極30を例えばニッケルを
無電解メッキ法により形成することにより前記積層圧電
セラミックス素子10が得られる。この積層圧電セラミッ
クス素子10の通常の使用温度は内部電極層14の導電性と
なる温度よりも充分に低く、その内部電極層14は絶縁体
となり圧電セラミックス層12の接着層としてのみ機能す
る。例えば第4図に示されている圧電アクチュエータ
は、分割した外部電極30間に直接駆動電源26を接続した
もので、積層方向にバイアス電界が印加されることによ
り、厚み滑り効果により積層方向に対して垂直な方向の
変位が発生する。また、第5図に示されている圧電アク
チュエータは、外部電極30に交流電源32を接続して交流
電圧を印加するようにしたもので、積層方向と直角な方
向に定在波を発生し、超音波モータ等に利用される。
このように、本実施例では、圧電セラミックス層12を
構成するセラミックス材料と内部電極層14を構成するセ
ラミックス材料とを交互に積層して一体焼成した後分極
処理を行って圧電セラミックス素子10を製造するように
なっているため、予め厚さ方向に分極処理された圧電セ
ラミックスの薄板に、分極方向に対して平行な面に電極
を塗布したものを接着剤で複数接合して製造する、場合
に比較して、製造工程が少なくなって生産性が大幅に向
上するのである。
構成するセラミックス材料と内部電極層14を構成するセ
ラミックス材料とを交互に積層して一体焼成した後分極
処理を行って圧電セラミックス素子10を製造するように
なっているため、予め厚さ方向に分極処理された圧電セ
ラミックスの薄板に、分極方向に対して平行な面に電極
を塗布したものを接着剤で複数接合して製造する、場合
に比較して、製造工程が少なくなって生産性が大幅に向
上するのである。
また、このような製造方法を採用することにより、圧
電セラミックス層12の厚さを従来品に比較して薄くする
ことが可能となり、分極電圧を下げたり変位部分の面積
を小さくしたりすることができる。これにより、例えば
ドロップオンデマンド方式の圧電インクジェットによる
プリンタヘッドのマルチノズルに前記第4図の圧電アク
チュエータを利用する場合には、その解像度を大幅に向
上させることができる。また、第5図の圧電アクチュエ
ータを超音波モータに利用する場合には、その超小型化
を図ることが可能となる。
電セラミックス層12の厚さを従来品に比較して薄くする
ことが可能となり、分極電圧を下げたり変位部分の面積
を小さくしたりすることができる。これにより、例えば
ドロップオンデマンド方式の圧電インクジェットによる
プリンタヘッドのマルチノズルに前記第4図の圧電アク
チュエータを利用する場合には、その解像度を大幅に向
上させることができる。また、第5図の圧電アクチュエ
ータを超音波モータに利用する場合には、その超小型化
を図ることが可能となる。
更に、本実施例の積層圧電セラミックス素子10は、圧
電セラミックス層12と内部電極層14とを一体焼結するこ
とで得ているところから、結合強度が高く、接着剤で結
合していた従来品に比較して接合強度の劣化が少なくな
り、優れた耐久性が得られる利点がある。
電セラミックス層12と内部電極層14とを一体焼結するこ
とで得ているところから、結合強度が高く、接着剤で結
合していた従来品に比較して接合強度の劣化が少なくな
り、優れた耐久性が得られる利点がある。
なお、上述したのはあくまでも本発明の一具体例であ
り、例えば圧電セラミックス材料やサーミスタ材料を適
宜変更したり、それ等の材料に必要に応じてバインダ等
を加えたりしても差支えないなど、本発明は当業者の知
識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施する
ことができる。
り、例えば圧電セラミックス材料やサーミスタ材料を適
宜変更したり、それ等の材料に必要に応じてバインダ等
を加えたりしても差支えないなど、本発明は当業者の知
識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施する
ことができる。
第1図は本発明方法による製造過程において製造された
一体焼結積層体を示す構造図である。第2図は第1図の
積層体の圧電セラミックス層に分極処理を行う工程を説
明する図である。第3図は第1図および第2図の工程を
経て製造された積層圧電セラミックス素子の構成図であ
る。第4図および第5図は、それぞれ第3図の積層圧電
セラミックス素子を利用した圧電アクチュエータの一例
を示す図である。 10……積層圧電セラミックス素子、12……圧電セラミッ
クス層、14……内部電極層、30……外部電極。
一体焼結積層体を示す構造図である。第2図は第1図の
積層体の圧電セラミックス層に分極処理を行う工程を説
明する図である。第3図は第1図および第2図の工程を
経て製造された積層圧電セラミックス素子の構成図であ
る。第4図および第5図は、それぞれ第3図の積層圧電
セラミックス素子を利用した圧電アクチュエータの一例
を示す図である。 10……積層圧電セラミックス素子、12……圧電セラミッ
クス層、14……内部電極層、30……外部電極。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01L 41/083 H01L 41/09 H01L 41/24
Claims (1)
- 【請求項1】複数の圧電セラミックス層と内部電極層と
が交互に積層され且つ該圧電セラミックス層は積層方向
に対して垂直な方向に厚み滑り変位又は振動する積層圧
電セラミックス素子の製造方法であって、 前記圧電セラミックス層を構成する圧電セラミックス材
料を用意する工程と、 該圧電セラミックス材料のキュリー温度よりも低い所定
の温度以上で電気抵抗が減少して導電体となる負温度特
性のサーミスタ材料を前記内部電極層の構成材料として
用意する工程と、 前記圧電セラミックス材料および前記サーミスタ材料を
シート状に成形して交互に積層する積層工程と、 該積層工程によって作製された積層体を一体に焼成する
焼成工程と、 前記サーミスタ材料の導電体となる温度よりも高く且つ
前記圧電セラミックス材料のキュリー温度よりも低い温
度により、前記積層体の積層方向に電界を印加し、前記
焼成工程において焼成された圧電セラミックスに分極処
理を行う分極工程と、 該分極工程による分極方向に対して平行な面に駆動用外
部電極を形成する外部電極形成工程と、 を有することを特徴とする積層圧電セラミックス素子の
製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28151889A JP2855709B2 (ja) | 1989-10-27 | 1989-10-27 | 積層圧電セラミックス素子の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28151889A JP2855709B2 (ja) | 1989-10-27 | 1989-10-27 | 積層圧電セラミックス素子の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03142888A JPH03142888A (ja) | 1991-06-18 |
JP2855709B2 true JP2855709B2 (ja) | 1999-02-10 |
Family
ID=17640298
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28151889A Expired - Fee Related JP2855709B2 (ja) | 1989-10-27 | 1989-10-27 | 積層圧電セラミックス素子の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2855709B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010251726A (ja) * | 2009-03-27 | 2010-11-04 | Ngk Insulators Ltd | 圧電アクチュエータの製造方法 |
-
1989
- 1989-10-27 JP JP28151889A patent/JP2855709B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03142888A (ja) | 1991-06-18 |
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