JP2867437B2 - 圧電式インクジェットプリンタヘッド - Google Patents
圧電式インクジェットプリンタヘッドInfo
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- JP2867437B2 JP2867437B2 JP1186232A JP18623289A JP2867437B2 JP 2867437 B2 JP2867437 B2 JP 2867437B2 JP 1186232 A JP1186232 A JP 1186232A JP 18623289 A JP18623289 A JP 18623289A JP 2867437 B2 JP2867437 B2 JP 2867437B2
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- piezoelectric
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- B41—PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
- B41J—TYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
- B41J2/00—Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
- B41J2/005—Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
- B41J2/01—Ink jet
- B41J2/135—Nozzles
- B41J2/14—Structure thereof only for on-demand ink jet heads
- B41J2/14201—Structure of print heads with piezoelectric elements
- B41J2/14209—Structure of print heads with piezoelectric elements of finger type, chamber walls consisting integrally of piezoelectric material
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- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
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- B41J2002/14225—Finger type piezoelectric element on only one side of the chamber
-
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- B41J2202/01—Embodiments of or processes related to ink-jet heads
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- Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は圧電式インクジェットプリンタヘッドに係
り、特に、圧電トランスデューサとして積層圧電セラミ
ックス素子を用いたプリンタヘッドに関するものであ
る。
り、特に、圧電トランスデューサとして積層圧電セラミ
ックス素子を用いたプリンタヘッドに関するものであ
る。
従来の技術 プリンタヘッドに圧電式インクジェットを利用したも
のが近年提案されている。これは、一対の弁で仕切られ
たインク室の容積を圧電トランスデューサのプッシュプ
ル作用によって変化させることにより、その容積減少時
にインク室内のインクの一方の弁を通して噴射し、容積
増大時に他方の弁からインク室内にインクを導入するよ
うにしたもので、ドロップオンデマンド方式と呼ばれて
いる。そして、このような噴射装置を多数互いに近接し
て配設し、所定の位置の噴射装置からインクを噴射させ
ることにより、所望する文字や画像を形成するのであ
る。かかる圧電式インクジェットプリンタヘッドによれ
ば、インパクト方式に比較して低騒音であり、熱転写方
式に比較してランニングコストが安いなどの利点があ
る。
のが近年提案されている。これは、一対の弁で仕切られ
たインク室の容積を圧電トランスデューサのプッシュプ
ル作用によって変化させることにより、その容積減少時
にインク室内のインクの一方の弁を通して噴射し、容積
増大時に他方の弁からインク室内にインクを導入するよ
うにしたもので、ドロップオンデマンド方式と呼ばれて
いる。そして、このような噴射装置を多数互いに近接し
て配設し、所定の位置の噴射装置からインクを噴射させ
ることにより、所望する文字や画像を形成するのであ
る。かかる圧電式インクジェットプリンタヘッドによれ
ば、インパクト方式に比較して低騒音であり、熱転写方
式に比較してランニングコストが安いなどの利点があ
る。
発明が解決しようとする課題 しかしながら、上記従来の圧電式インクジェットプリ
ンタヘッドにおいては、1つの噴射装置に1つの圧電ト
ランスデューサが用いられているため、高解像度で広い
範囲の印字を行うために多数の噴射装置を密集して配置
しようとすると、その構造が複雑で製造工数が多く、高
価になるという問題があった。
ンタヘッドにおいては、1つの噴射装置に1つの圧電ト
ランスデューサが用いられているため、高解像度で広い
範囲の印字を行うために多数の噴射装置を密集して配置
しようとすると、その構造が複雑で製造工数が多く、高
価になるという問題があった。
また、上記圧電トランスデューサの寸法は加工の制約
上あまり小さくできないため、1つ1つの噴射装置の小
型化が困難で解像度が制限されるという別の問題も含ん
でいた。
上あまり小さくできないため、1つ1つの噴射装置の小
型化が困難で解像度が制限されるという別の問題も含ん
でいた。
本発明は以上の事情を背景として為されたもので、そ
の目的とするところは、構造が簡単で製造コストが安
く、しかも高い解像度が得られる圧電式インクジェット
プリンタヘッドを提供することにある。
の目的とするところは、構造が簡単で製造コストが安
く、しかも高い解像度が得られる圧電式インクジェット
プリンタヘッドを提供することにある。
課題を解決するための手段 かかる目的を達成するために、本発明は、圧電トラン
スデューサを用いてインク室の容積を変化させることに
よりそのインク室内のインクを噴射する噴射装置を多数
備えた圧電式インクジェットプリンタヘッドにおいて、
(a)圧電セラミックス層および内部電極層が交互に複
数積層されるとともにその圧電セラミックス層は積層方
向に対して垂直な方向に分極させられ、その内部電極層
に駆動電圧が印加されることにより滑り効果によってそ
の内部電極層の一部が積層方向に対して垂直な方向へそ
れぞれ独立に変位させられる積層圧電セラミックス素子
が、前記圧電トランスデューサとして複数の噴射装置に
跨がって用いられているとともに、(b)その積層圧電
セラミックス素子の前記内部電極層が、前記圧電セラミ
ックス層よりもキュリー温度が低く且つそのキュリー温
度以上で電気抵抗が急激に増大して絶縁体となる正温度
特性のサーミスタ材料にて構成されていることを特徴と
する。
スデューサを用いてインク室の容積を変化させることに
よりそのインク室内のインクを噴射する噴射装置を多数
備えた圧電式インクジェットプリンタヘッドにおいて、
(a)圧電セラミックス層および内部電極層が交互に複
数積層されるとともにその圧電セラミックス層は積層方
向に対して垂直な方向に分極させられ、その内部電極層
に駆動電圧が印加されることにより滑り効果によってそ
の内部電極層の一部が積層方向に対して垂直な方向へそ
れぞれ独立に変位させられる積層圧電セラミックス素子
が、前記圧電トランスデューサとして複数の噴射装置に
跨がって用いられているとともに、(b)その積層圧電
セラミックス素子の前記内部電極層が、前記圧電セラミ
ックス層よりもキュリー温度が低く且つそのキュリー温
度以上で電気抵抗が急激に増大して絶縁体となる正温度
特性のサーミスタ材料にて構成されていることを特徴と
する。
ここで、上記圧電セラミックス層を構成する圧電セラ
ミックス材料としては、例えばチタン酸ジルコン酸鉛
(PZT)系,チタン酸鉛(PT)系等の積誘電性を有する
セラミックス材料が用いられる。また、内部電極層を構
成するサーミスタ材料としては、例えばチタン酸バリウ
ム系のセラミックス材料等が好適に用いられる。
ミックス材料としては、例えばチタン酸ジルコン酸鉛
(PZT)系,チタン酸鉛(PT)系等の積誘電性を有する
セラミックス材料が用いられる。また、内部電極層を構
成するサーミスタ材料としては、例えばチタン酸バリウ
ム系のセラミックス材料等が好適に用いられる。
作用および発明の効果 このような圧電式インクジェットプリンタヘッドにお
いては、複数の噴射装置に跨がって配設された積層圧電
セラミックス素子の所定の内部電極層間に駆動電圧が印
加されることにより、その内部電極層間に位置する圧電
セラミックス層の滑り効果による変形に従って、一部の
内部電極層が積層方向と垂直な方向へ変位させられ、対
応する噴射装置からインクが噴射されるのであるが、1
つの積層圧電セラミックス素子が複数の噴射装置の圧電
トランスデューサとして用いられるため、構造が簡略化
され、製造工数が少なくなって製造コストが低減され
る。
いては、複数の噴射装置に跨がって配設された積層圧電
セラミックス素子の所定の内部電極層間に駆動電圧が印
加されることにより、その内部電極層間に位置する圧電
セラミックス層の滑り効果による変形に従って、一部の
内部電極層が積層方向と垂直な方向へ変位させられ、対
応する噴射装置からインクが噴射されるのであるが、1
つの積層圧電セラミックス素子が複数の噴射装置の圧電
トランスデューサとして用いられるため、構造が簡略化
され、製造工数が少なくなって製造コストが低減され
る。
また、上記積層圧電セラミックス素子の内部電極層
は、圧電セラミックス層よりもキュリー温度が低く且つ
そのキュリー温度以上で電気抵抗が急激に増大して絶縁
体となる正温度特性のサーミスタ材料にて構成されてい
るため、その積層圧電セラミックス素子自体相の製造も
容易で小型化することが可能なのである。すなわち、そ
のサーミスタ材料および圧電セラミックス材料をシート
状に成形して交互に積層した後一体焼成し、その後に、
サーミスタ材料のキュリー温度よりも高く且つ圧電セラ
ミックス材料のキュリー温度よりも低い温度、換言すれ
ばサーミスタ材料が絶縁体となる一方圧電セラミックス
材料が未だ強誘電性を有する温度で、積層方向に対して
垂直な方向に電界を印加して分極処理を行うことによ
り、上述した滑り効果を有する積層圧電セラミックス素
子が製造されるのであり、予め厚さ方向に対して垂直な
方向に分極処理された圧電セラミックスの薄板に、分極
方向に対して平行な面に電極を塗布したものを接着剤で
複数接合して製造する場合に比較して、製造工数が少な
くなって生産性が大幅に向上するとともに、圧電セラミ
ックス層や内部電極層を薄くして変位部分の面積を小さ
くすることが可能で、これにより噴射装置を小型化して
印字の解像度を向上させることができるのである。な
お、上記サーミスタ材料は分極処理を行う際には絶縁体
であるが、その分極処理後にサーミスタ材料のキュリー
温度以下まで温度が低下すると導電体となり、内部電極
層として機能するようになる。
は、圧電セラミックス層よりもキュリー温度が低く且つ
そのキュリー温度以上で電気抵抗が急激に増大して絶縁
体となる正温度特性のサーミスタ材料にて構成されてい
るため、その積層圧電セラミックス素子自体相の製造も
容易で小型化することが可能なのである。すなわち、そ
のサーミスタ材料および圧電セラミックス材料をシート
状に成形して交互に積層した後一体焼成し、その後に、
サーミスタ材料のキュリー温度よりも高く且つ圧電セラ
ミックス材料のキュリー温度よりも低い温度、換言すれ
ばサーミスタ材料が絶縁体となる一方圧電セラミックス
材料が未だ強誘電性を有する温度で、積層方向に対して
垂直な方向に電界を印加して分極処理を行うことによ
り、上述した滑り効果を有する積層圧電セラミックス素
子が製造されるのであり、予め厚さ方向に対して垂直な
方向に分極処理された圧電セラミックスの薄板に、分極
方向に対して平行な面に電極を塗布したものを接着剤で
複数接合して製造する場合に比較して、製造工数が少な
くなって生産性が大幅に向上するとともに、圧電セラミ
ックス層や内部電極層を薄くして変位部分の面積を小さ
くすることが可能で、これにより噴射装置を小型化して
印字の解像度を向上させることができるのである。な
お、上記サーミスタ材料は分極処理を行う際には絶縁体
であるが、その分極処理後にサーミスタ材料のキュリー
温度以下まで温度が低下すると導電体となり、内部電極
層として機能するようになる。
このように、本発明の圧電式インクジェットプリンタ
ヘッドによれば、構造が簡単で製造工数が少なく製造コ
ストが低減されるとともに、噴射装置を小型化して印字
の解像度を向上させることができるのである。
ヘッドによれば、構造が簡単で製造工数が少なく製造コ
ストが低減されるとともに、噴射装置を小型化して印字
の解像度を向上させることができるのである。
実施例 以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明
する。
する。
第1図は、本実施例の圧電式インクジェットプリンタ
ヘッドに用いられるアレー10の断面図で、このアレー10
は、図の上方に開口する2本のインクチャンネル12aお
よび12bが形成された矩形容器状のチャンネル本体14
と、そのチャンネル本体14の開口部に接着部材16を介し
て固着された積層圧電セラミックス素子18とを備えて構
成されている。積層圧電セラミックス素子18は、圧電効
果を有する圧電セラミックス層20a,20b,20c,20dと内部
電極層22a,22b,22c,22d,22eとが交互に積層されたもの
で、両側および中央に位置する3つの内部電極層22a,22
c,22eにおいて上記チャンネル本体14に固着されてい
る。なお、以下の説明で特に区別しない場合には、圧電
セラミックス層20,内部電極層22という。また、上記イ
ンクチャンネル12a,12bはインク室に相当する。
ヘッドに用いられるアレー10の断面図で、このアレー10
は、図の上方に開口する2本のインクチャンネル12aお
よび12bが形成された矩形容器状のチャンネル本体14
と、そのチャンネル本体14の開口部に接着部材16を介し
て固着された積層圧電セラミックス素子18とを備えて構
成されている。積層圧電セラミックス素子18は、圧電効
果を有する圧電セラミックス層20a,20b,20c,20dと内部
電極層22a,22b,22c,22d,22eとが交互に積層されたもの
で、両側および中央に位置する3つの内部電極層22a,22
c,22eにおいて上記チャンネル本体14に固着されてい
る。なお、以下の説明で特に区別しない場合には、圧電
セラミックス層20,内部電極層22という。また、上記イ
ンクチャンネル12a,12bはインク室に相当する。
上記圧電セラミックス層20は、強誘電性を有するチタ
ン酸ジルコン酸鉛系のセラミックスにて構成されてお
り、積層方向に対して垂直な方向すなわち図の上下方向
に分極させられている。また、内部電極層22は、上記チ
タン酸ジルコン酸鉛系のセラミックスよりもキュリー温
度が低く且つそのキュリー温度以上で電気抵抗が急激に
増大して絶縁体となるサーミスタ材料、具体的にはチタ
ン酸バリウム系のセラミックスにて構成されている。な
お、図の圧電セラミックス層20に示されている矢印は分
極方向を表している。
ン酸ジルコン酸鉛系のセラミックスにて構成されてお
り、積層方向に対して垂直な方向すなわち図の上下方向
に分極させられている。また、内部電極層22は、上記チ
タン酸ジルコン酸鉛系のセラミックスよりもキュリー温
度が低く且つそのキュリー温度以上で電気抵抗が急激に
増大して絶縁体となるサーミスタ材料、具体的にはチタ
ン酸バリウム系のセラミックスにて構成されている。な
お、図の圧電セラミックス層20に示されている矢印は分
極方向を表している。
ここで、かかる積層圧電セラミックス素子18は、以下
の製造方法によって製造される。
の製造方法によって製造される。
すなわち、先ず、上記圧電セラミックス層20を構成す
るチタン酸ジルコン酸鉛系のセラミックス材料、および
内部電極層22を構成するチタン酸バリウム系のセラミッ
クス材料を、ドクターブレード法などによりそれぞれ所
定の厚さのシート状に成形して交互に積層した後加熱圧
着し、所定の寸法形状に切断して一体焼成する。これに
より、第3図に示されているように圧電セラミックス層
20と内部電極層22とが交互に積層された積層セラミック
ス24が得られ、これを同図の一点鎖線で示されているよ
うに所定の厚さ、すなわち前記積層圧電セラミックス素
子18と同じ厚さで切断することにより、第4図に示され
ている積層セラミックス薄板26が得られる。
るチタン酸ジルコン酸鉛系のセラミックス材料、および
内部電極層22を構成するチタン酸バリウム系のセラミッ
クス材料を、ドクターブレード法などによりそれぞれ所
定の厚さのシート状に成形して交互に積層した後加熱圧
着し、所定の寸法形状に切断して一体焼成する。これに
より、第3図に示されているように圧電セラミックス層
20と内部電極層22とが交互に積層された積層セラミック
ス24が得られ、これを同図の一点鎖線で示されているよ
うに所定の厚さ、すなわち前記積層圧電セラミックス素
子18と同じ厚さで切断することにより、第4図に示され
ている積層セラミックス薄板26が得られる。
上記積層セラミックス薄板26は目的とする積層圧電セ
ラミックス素子18と同一形状であるが、この段階では圧
電セラミックス層20の自発分極の方向はランダムであ
り、次に、その圧電セラミックス層20の分極処理を行
う。これは、第5図に示されているように、上記積層セ
ラミックス薄板26の両側面に一対の分極用電極28を形成
するとともに、シリコンオイル等の絶縁オイルが満たさ
れた図示しないオイルバス中において、その分極用電極
28間に電圧を印加することによって行われるが、上記絶
縁オイルの温度は、内部電極層22のキュリー温度よりも
高く且つ圧電セラミックス20のキュリー温度よりも低い
温度、例えば130℃程度に定められている。このため、
内部電極層22は絶縁体となるのに対し圧電セラミックス
層20は未だ強誘電性を有し、積層セラミックス薄板26に
はその積層方向に対して垂直な方向に電界が印加され、
圧電セラミックス層20はその積層方向に対して垂直な方
向に分極させられる。そして、上記積層セラミックス薄
板26から分極用電極28を取り外すことにより、前記積層
圧電セラミックス素子18が得られるのである。
ラミックス素子18と同一形状であるが、この段階では圧
電セラミックス層20の自発分極の方向はランダムであ
り、次に、その圧電セラミックス層20の分極処理を行
う。これは、第5図に示されているように、上記積層セ
ラミックス薄板26の両側面に一対の分極用電極28を形成
するとともに、シリコンオイル等の絶縁オイルが満たさ
れた図示しないオイルバス中において、その分極用電極
28間に電圧を印加することによって行われるが、上記絶
縁オイルの温度は、内部電極層22のキュリー温度よりも
高く且つ圧電セラミックス20のキュリー温度よりも低い
温度、例えば130℃程度に定められている。このため、
内部電極層22は絶縁体となるのに対し圧電セラミックス
層20は未だ強誘電性を有し、積層セラミックス薄板26に
はその積層方向に対して垂直な方向に電界が印加され、
圧電セラミックス層20はその積層方向に対して垂直な方
向に分極させられる。そして、上記積層セラミックス薄
板26から分極用電極28を取り外すことにより、前記積層
圧電セラミックス素子18が得られるのである。
一方、このような積層圧電セラミックス素子18を備え
た前記アレー10が多数用意され、互いに近接する状態で
一体的に組み付けられることにより、本実施例の圧電式
インクジェットプリンタヘッドが構成され、各アレー10
のインクチャンネル12a,12bはそれぞれ弁を介してイン
ク溜めに流通させられる。また、各アレー10には、それ
ぞれ第2図に示されている電気回路が設けられ、スイッ
チ30a,30bが図示しないコントローラによって接続され
ることにより、駆動電源32から所定の内部電極層22間に
駆動電圧が印加される。この場合に、かかるプリンタヘ
ッドの通常の使用温度は内部電極層22のキュリー温度よ
りも充分に低く、その内部電極層22は導電体となって駆
動用の電極として機能する。
た前記アレー10が多数用意され、互いに近接する状態で
一体的に組み付けられることにより、本実施例の圧電式
インクジェットプリンタヘッドが構成され、各アレー10
のインクチャンネル12a,12bはそれぞれ弁を介してイン
ク溜めに流通させられる。また、各アレー10には、それ
ぞれ第2図に示されている電気回路が設けられ、スイッ
チ30a,30bが図示しないコントローラによって接続され
ることにより、駆動電源32から所定の内部電極層22間に
駆動電圧が印加される。この場合に、かかるプリンタヘ
ッドの通常の使用温度は内部電極層22のキュリー温度よ
りも充分に低く、その内部電極層22は導電体となって駆
動用の電極として機能する。
例えばスイッチ30aが接続され、前記チャンネル本体1
4に固着された内部電極層22aおよび22cとその間の内部
電極層22bとの間に電圧が印加されると、それ等の間に
位置する圧電セラミックス層20a,20bには分極方向と直
角なバイアス電界が印加され、上記内部電極層22bはそ
れ等の圧電セラミックス層20a,20bの滑り効果による変
形に従ってインクチャンネル12a内へ押し込まれる。こ
れにより、インクチャンネル12aの容積が減少し、その
インクチャンネル12a内のインクが図示しない弁を経て
ノズルから噴射される。また、スイッチ30aの接続が遮
断されて内部電極層22bが元の位置まで戻されると、そ
の時のインクチャンネル12aの容積増加に伴って図示し
ない別の弁からインクが導入される。なお、他方のスイ
ッチ30bが接続された場合には、内部電極層22dが変位さ
せられて他方のインクチャンネル12bからインクが噴射
される。
4に固着された内部電極層22aおよび22cとその間の内部
電極層22bとの間に電圧が印加されると、それ等の間に
位置する圧電セラミックス層20a,20bには分極方向と直
角なバイアス電界が印加され、上記内部電極層22bはそ
れ等の圧電セラミックス層20a,20bの滑り効果による変
形に従ってインクチャンネル12a内へ押し込まれる。こ
れにより、インクチャンネル12aの容積が減少し、その
インクチャンネル12a内のインクが図示しない弁を経て
ノズルから噴射される。また、スイッチ30aの接続が遮
断されて内部電極層22bが元の位置まで戻されると、そ
の時のインクチャンネル12aの容積増加に伴って図示し
ない別の弁からインクが導入される。なお、他方のスイ
ッチ30bが接続された場合には、内部電極層22dが変位さ
せられて他方のインクチャンネル12bからインクが噴射
される。
すなわち、本実施例のアレー10は2つの噴射装置34a
および34bを構成しているのであり、積層圧電セラミッ
クス素子18はその2つの噴射装置34aおよび34bの圧電ト
ランスデューサとして機能するのである。
および34bを構成しているのであり、積層圧電セラミッ
クス素子18はその2つの噴射装置34aおよび34bの圧電ト
ランスデューサとして機能するのである。
このように、本実施例の圧電式インクジェットプリン
タヘッドにおいては、1つの積層圧電セラミックス素子
18が2つの噴射装置34aおよび34bのトランスデューサと
して機能するため、アレー10、更にはそのアレー10を多
数組み付けることによって構成されるプリンタヘッドの
構造が簡略化され、製造工数が少なくなって製造コスト
が低減されるのである。
タヘッドにおいては、1つの積層圧電セラミックス素子
18が2つの噴射装置34aおよび34bのトランスデューサと
して機能するため、アレー10、更にはそのアレー10を多
数組み付けることによって構成されるプリンタヘッドの
構造が簡略化され、製造工数が少なくなって製造コスト
が低減されるのである。
また、上記積層圧電セラミックス素子18は、圧電セラ
ミックス層20を構成する圧電セラミックス材料と内部電
極層22を構成するサーミスタ材料とを交互に積層して一
体焼成した後分極処理を行うことにより製造されている
ため、予め厚さ方向に対して垂直な方向に分極処理され
た圧電セラミックスの薄板に、分極方向に対して平行な
面に電極を塗布したものを接着剤で複数接合して製造す
る場合に比較して、製造工数が少なくなり、積層圧電セ
ラミックス素子18自体の生産性も大幅に向上し、この点
においてもプリンタヘッドのコストダウンを図ることが
できるのである。
ミックス層20を構成する圧電セラミックス材料と内部電
極層22を構成するサーミスタ材料とを交互に積層して一
体焼成した後分極処理を行うことにより製造されている
ため、予め厚さ方向に対して垂直な方向に分極処理され
た圧電セラミックスの薄板に、分極方向に対して平行な
面に電極を塗布したものを接着剤で複数接合して製造す
る場合に比較して、製造工数が少なくなり、積層圧電セ
ラミックス素子18自体の生産性も大幅に向上し、この点
においてもプリンタヘッドのコストダウンを図ることが
できるのである。
また、このような積層圧電セラミックス素子18は、そ
の圧電セラミックス層20,内部電極層22の膜厚を極めて
薄くすることが可能で、2つの噴射装置34a,34bを備え
たアレー10を小型化することにより印字の解像度を向上
させることができる。これにより、高解像度で広い範囲
に印字を行うことができるプリンタヘッドが実現される
のである。なお、圧電セラミックス層20の膜厚が薄くな
ることにより、内部電極層22へ印加する駆動電圧が低減
される。
の圧電セラミックス層20,内部電極層22の膜厚を極めて
薄くすることが可能で、2つの噴射装置34a,34bを備え
たアレー10を小型化することにより印字の解像度を向上
させることができる。これにより、高解像度で広い範囲
に印字を行うことができるプリンタヘッドが実現される
のである。なお、圧電セラミックス層20の膜厚が薄くな
ることにより、内部電極層22へ印加する駆動電圧が低減
される。
更に、本実施例の積層圧電セラミックス素子18は、圧
電セラミックス層20としてチタン酸ジルコン酸鉛系のセ
ラミックスが用いられているとともに、内部電極層22と
してチタン酸バリウム系のセラミックスが用いられてい
るため、それ等の焼成温度や焼成時の収縮率が比較的近
似しており、且つ結晶構造が共にペロブスカイト型であ
るところから焼成後の結合強度が高く、接着剤で接合し
ていた従来品に比較して接合強度の劣化が少なくなり、
優れた耐久性を得られる利点がある。
電セラミックス層20としてチタン酸ジルコン酸鉛系のセ
ラミックスが用いられているとともに、内部電極層22と
してチタン酸バリウム系のセラミックスが用いられてい
るため、それ等の焼成温度や焼成時の収縮率が比較的近
似しており、且つ結晶構造が共にペロブスカイト型であ
るところから焼成後の結合強度が高く、接着剤で接合し
ていた従来品に比較して接合強度の劣化が少なくなり、
優れた耐久性を得られる利点がある。
以上、本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明
したが、本発明は他の態様で実施することもできる。
したが、本発明は他の態様で実施することもできる。
例えば、前記実施例では2個の噴射装置34aおよび34b
の圧電トランスデューサとして積層圧電セラミックス素
子18が用いられているが、更に積層数の多い積層圧電セ
ラミックス素子を採用することにより、3個以上の噴射
装置の圧電トランスデューサとして機能するようにする
こともできる。
の圧電トランスデューサとして積層圧電セラミックス素
子18が用いられているが、更に積層数の多い積層圧電セ
ラミックス素子を採用することにより、3個以上の噴射
装置の圧電トランスデューサとして機能するようにする
こともできる。
また、上記積層圧電セラミックス素子18の圧電セラミ
ックス材料やサーミスタ材料を適宜変更したり、それ等
の材料に必要に応じてバインダ等を加えたりしても差支
えない。
ックス材料やサーミスタ材料を適宜変更したり、それ等
の材料に必要に応じてバインダ等を加えたりしても差支
えない。
また、前記実施例では積層セラミック24を薄く切断し
て積層圧電セラミックス素子18と同一形状の積層セラミ
ックス薄板26を得るようになってるが、この積層セラミ
ックス薄板26を最初から作製するなど、積層圧電セラミ
ックス素子18の製造方法は適宜変更することができる。
て積層圧電セラミックス素子18と同一形状の積層セラミ
ックス薄板26を得るようになってるが、この積層セラミ
ックス薄板26を最初から作製するなど、積層圧電セラミ
ックス素子18の製造方法は適宜変更することができる。
その他一々例示はしないが、本発明の当業者の知識に
基づいて種々の変更,改良を加えた態様で実施すること
ができる。
基づいて種々の変更,改良を加えた態様で実施すること
ができる。
第1図は本発明の一実施例である圧電式インクジェット
プリンタヘッドの一部を構成するアレーの断面図であ
る。第2図は第1図のアレーに電気回路が設けられた状
態を示す図である。第3図乃至第5図は第1図のアレー
の積層圧電セラミックス素子の製造工程を説明する図
で、第3図は圧電セラミックス材料とサーミスタ材料と
を積層して一体焼成した積層セラミックスの斜視図であ
り、第4図は第3図の積層セラミックスを薄く切断した
積層セラミックス薄板の斜視図であり、第5図は第4図
の積層セラミックス薄板に分極用の電極が取り付けられ
たものの斜視図である。 12a,12b:インクチャンネル(インク室) 18:積層圧電セラミックス素子 20:圧電セラミックス層 22:内部電極層 34a,34b:噴射装置
プリンタヘッドの一部を構成するアレーの断面図であ
る。第2図は第1図のアレーに電気回路が設けられた状
態を示す図である。第3図乃至第5図は第1図のアレー
の積層圧電セラミックス素子の製造工程を説明する図
で、第3図は圧電セラミックス材料とサーミスタ材料と
を積層して一体焼成した積層セラミックスの斜視図であ
り、第4図は第3図の積層セラミックスを薄く切断した
積層セラミックス薄板の斜視図であり、第5図は第4図
の積層セラミックス薄板に分極用の電極が取り付けられ
たものの斜視図である。 12a,12b:インクチャンネル(インク室) 18:積層圧電セラミックス素子 20:圧電セラミックス層 22:内部電極層 34a,34b:噴射装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−10846(JP,A) 特開 平2−501467(JP,A) 特開 昭63−178571(JP,A) 米国特許4584590(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B41J 2/045
Claims (1)
- 【請求項1】圧電トランスデューサを用いてインク室の
容積を変化させることにより該インク室内のインクを噴
射する噴射装置を多数備えた圧電式インクジェットプリ
ンタヘッドにおいて、 圧電セラミックス層および内部電極層が交互に複数積層
されるとともに該圧電セラミックス層は積層方向に対し
て垂直な方向に分極させられ、該内部電極層に駆動電圧
が印加されることにより滑り効果によって該内部電極層
の一部が積層方向に対して垂直な方向へそれぞれ独立に
変位させられる積層圧電セラミックス素子が、前記圧電
トランスデューサとして複数の噴射装置に跨がって用い
られているとともに、該積層圧電セラミックス素子の前
記内部電極層が、前記圧電セラミックス層よりもキュリ
ー温度が低く且つ該キュリー温度以上で電気抵抗が急激
に増大して絶縁体となる正温度特性のサーミスタ材料に
て構成されていることを特徴とする圧電式インクジェッ
トプリンタヘッド。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1186232A JP2867437B2 (ja) | 1989-07-19 | 1989-07-19 | 圧電式インクジェットプリンタヘッド |
US07/552,537 US5086308A (en) | 1989-07-19 | 1990-07-16 | Piezoelectric ink jet print head including common laminar piezoelectric element for two or more ink jetting devices |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1186232A JP2867437B2 (ja) | 1989-07-19 | 1989-07-19 | 圧電式インクジェットプリンタヘッド |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0349957A JPH0349957A (ja) | 1991-03-04 |
JP2867437B2 true JP2867437B2 (ja) | 1999-03-08 |
Family
ID=16184668
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1186232A Expired - Lifetime JP2867437B2 (ja) | 1989-07-19 | 1989-07-19 | 圧電式インクジェットプリンタヘッド |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US5086308A (ja) |
JP (1) | JP2867437B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2428362A1 (en) | 2010-09-14 | 2012-03-14 | SII Printek Inc | Liquid jet head, liquid jet apparatus, and method of manufacturing liquid jet head |
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JP2913806B2 (ja) * | 1990-09-14 | 1999-06-28 | ブラザー工業株式会社 | 圧電式インクジェットプリンタヘッド |
JP2855846B2 (ja) * | 1990-11-22 | 1999-02-10 | ブラザー工業株式会社 | 圧電ポンプ |
GB9025706D0 (en) * | 1990-11-27 | 1991-01-09 | Xaar Ltd | Laminate for use in manufacture of ink drop printheads |
JPH05124186A (ja) * | 1991-11-06 | 1993-05-21 | Brother Ind Ltd | 液滴噴射装置 |
JP3043936B2 (ja) * | 1994-02-08 | 2000-05-22 | シャープ株式会社 | インクジェットヘッド |
US5617868A (en) * | 1994-11-22 | 1997-04-08 | Colin Corporation | Pulse wave detecting apparatus |
JP3290897B2 (ja) | 1996-08-19 | 2002-06-10 | ブラザー工業株式会社 | インクジェットヘッド |
US6802585B1 (en) | 1999-09-03 | 2004-10-12 | Videojet Systems International, Inc. | Print head ink temperature control device |
JP3956607B2 (ja) * | 2000-10-26 | 2007-08-08 | ブラザー工業株式会社 | 圧電式インクジェットプリンタヘッド及び圧電式インクジェットプリンタヘッドの製造方法 |
US7498183B2 (en) * | 2006-05-18 | 2009-03-03 | Southwall Technologies, Inc. | Fabrication of conductive micro traces using a deform and selective removal process |
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DE2743880C3 (de) * | 1977-09-29 | 1981-05-14 | Siemens AG, 1000 Berlin und 8000 München | Heizeinrichtung mit einem optimierten Heizelement aus Kaltleiter-Material |
DE3378966D1 (en) * | 1982-05-28 | 1989-02-23 | Xerox Corp | Pressure pulse droplet ejector and array |
JPS61139112A (ja) * | 1984-12-10 | 1986-06-26 | Murata Mfg Co Ltd | 周波数調整可能な積層型圧電素子 |
EP0262637B1 (en) * | 1986-09-29 | 1995-03-22 | Mitsubishi Chemical Corporation | Piezoelectric actuator |
US4887100A (en) * | 1987-01-10 | 1989-12-12 | Am International, Inc. | Droplet deposition apparatus |
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-
1989
- 1989-07-19 JP JP1186232A patent/JP2867437B2/ja not_active Expired - Lifetime
-
1990
- 1990-07-16 US US07/552,537 patent/US5086308A/en not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2428362A1 (en) | 2010-09-14 | 2012-03-14 | SII Printek Inc | Liquid jet head, liquid jet apparatus, and method of manufacturing liquid jet head |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US5086308A (en) | 1992-02-04 |
JPH0349957A (ja) | 1991-03-04 |
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