JP3909540B2 - インクジェットヘッド及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、積層型圧電素子を用いたインクジェットヘッド、及びこのインクジェットヘッドの製造方法の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来のインクジェットプリンタに用いられるインクジェットヘッドは、複数の仕切桁により仕切られたインク圧力室を備えたセラミック製のキャビティプレートと、該キャビティプレートに接合した圧電素子とにより構成されており、該圧電素子によりインク圧力室内に圧力変動を生じさせ、インク圧力室内のインクをキャビティプレートに形成したノズルから吐出させている。
【0003】
圧電素子には様々な種類のものが用いられるが、一例として、積層型の圧電素子が挙げられる。この積層型の圧電素子は、シート状に形成した圧電部材上に該圧電部材の表面を一様に覆うように電極を印刷し、更にこの電極上に圧電部材を重ね、以下同様にして圧電部材と電極とを積層した後、脱バインダ・焼成処理を施し、更にその後圧電素子の変形部をそれぞれ独立させるように複数の切欠凹部を設けるという工程を経て製造される。
【0004】
このような構成により、複数のインク圧力室のそれぞれに圧電素子の複数の変位部を対応させることができ、各インク圧力室毎に良好なインク吐出を行わせることができる。
【0005】
しかしながら、このような圧電素子は、前記切欠凹部を微細な間隔で形成しなければならないため、加工が難しく、製造コストも上昇するという問題があった。
【0006】
そこで、スクリーン印刷の技術を用いて、予めインク圧力室の間隔に対応した間隔を有する電極を圧電部材上に印刷し、圧電素子を形成する手法が提案され、現在ではこの手法が広く用いられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来のように、スクリーン印刷により所定の間隔を有する電極を圧電部材上に形成した場合には、脱バインダ・焼成工程において圧電部材が伸張または収縮し、それに伴って各電極間の間隔が約±0.3%程度ばらつく。その結果、キャビティプレートと圧電素子を接合した際に、電極の位置とインク圧力室の位置とにずれが生じ、インク圧力室を仕切る仕切桁が圧電素子の変形領域と接触して変形を妨げる場合があり、各インク圧力室毎に圧電素子の変形量がばらつくという問題があった。その結果、各インク圧力室毎のインクに与えられる圧力変動量が異なり、ノズルからの吐出速度にもばらつきが生じるという問題があった。
【0008】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、脱バインダ・焼成工程処理を施した場合でも、圧電素子の電極とキャビティプレートのインク圧力室との位置ずれを生じさせることのないインクジェットヘッド及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載のインクジェットヘッドは、前記課題を解決するために、インク圧力室に貯留されているインクに圧力変動を与えることにより当該インクを吐出させるインクジェットヘッドであって、前記インク圧力室が桁部材により仕切られた開口凹部として形成されたキャビティプレートと、2層以上に積層された圧電体層及び該圧電体層を挟持するように設けられた電極を有し、前記インクに圧力変動を与えるために前記圧電体層を変形させる積層型圧電素子と、前記積層型圧電素子の変形領域を規定するように前記積層型圧電素子に取り付けられた中間桁部材とを備え、前記積層型圧電素子は、積層方向に分極されると共に、前記中間桁部材の二つの中間位置で前記インク圧力室に対応して設けられた第1内部電極と、前記中間桁部材と中心線を合わせるように前記第1内部電極の二つの中間位置に設けられた第2内部電極とを有し、前記変形領域を前記インク圧力室の開口位置となるように前記桁部材に前記中間桁部材を接合したことを特徴とする。
【0010】
請求項1に記載のインクジェットヘッドによれば、積層型圧電素子の電極に電圧が印加されると、圧電体層の分極方向に対して垂直または平行の方向の電界が発生し、圧電体層は変形する。従って、このように変形する領域に他の部材が接触する場合には、圧電素子の変形が妨げられることになるが、本発明によれば、積層型圧電素子の変形領域を規定するように、即ち、各変形領域の大きさが均一となるように各変形領域の境界位置に中間桁部材が接続されており、前記変形領域が前記インク圧力室の開口位置となるように前記中間桁部材がキャビティプレートの桁部材に接合される。その結果、脱バインダ・焼成工程を経て形成される積層型圧電素子の電極とキャビティプレートの桁部材との位置関係にずれが生じた場合であっても、桁部材によって圧電素子の変形領域が妨げられることなく、各インク圧力室における圧電素子の変形量は均一になるため、各インク圧力室から吐出されるインクの吐出速度の均一化が図られる。
【0011】
請求項2に記載のインクジェットヘッドは、前記課題を解決するために、請求項1に記載のインクジェットヘッドにおいて、前記中間桁部材の厚みは、前記積層型圧電素子の積層方向における圧電体層の2層分の層厚以下、1層分の層厚以上であることを特徴とする。
【0012】
請求項2に記載のインクジェットヘッドによれば、前記中間桁部材の厚みは、前記積層型圧電素子の積層方向における圧電体層の2層分の層厚以下に抑えられているので、中間桁部材を圧電素子に取り付けた状態で全体の非対称性は脱バインダ・焼成工程においても問題とならず、中間桁部材及び圧電素子の反りを発生させることがない。また、前記中間桁部材の厚みは、1層分の層厚以上を有しているので、脱バインダ・焼成工程の前後において切削加工またはプレス加工等における良好な作業性を確保する。
【0013】
請求項3に記載のインクジェットヘッドは、前記課題を解決するために、請求項1または請求項2に記載のインクジェットヘッドにおいて、前記分極方向と直交する電界によりシェアモードにて変形を生じさせる圧電素子であり、前記中間桁部材の幅は、前記第2内部電極の幅の0.5倍から1.5倍の大きさに形成されていることを特徴とする。
【0014】
請求項3に記載のインクジェットヘッドによれば、第1内部電極と第2内部電極とに互いに極性の異なる電圧を印加すると、電界は圧電素子の分極方向に直交する方向に発生し、これにより圧電素子はシェアモードにより変形する。そして、このようにして変形する圧電素子の変形領域は前記中間桁部材により規定され各インク圧力室において均一となっている。更に前記中間桁部材の幅は、前記第2内部電極の幅の0.5倍の大きさを有しているので、充分な剛性を有し、各インク圧力室における体積変化を不安定にさせることがない。また、前記中間桁部材の幅は、前記第2内部電極の幅の1.5倍の大きさに形成されているので、圧電素子の変形領域を大幅に妨げることなく、インク吐出に充分な変形量を確保する。
【0015】
請求項4に記載のインクジェットヘッドは、前記課題を解決するために、インク圧力室に貯留されているインクに圧力変動を与えることにより当該インクを吐出させるインクジェットヘッドであって、前記インク圧力室が桁部材により仕切られた開口凹部として形成されたキャビティプレートと、2層以上に積層された圧電体層及び該圧電体層を挟持するように設けられた電極を有し、前記インクに圧力変動を与えるために前記圧電体層を変形させる積層型圧電素子と、前記積層型圧電素子の変形領域を規定するように前記積層型圧電素子に取り付けられた中間桁部材とを備え、前記積層型圧電素子は、積層方向に分極されると共に、前記中間桁部材の中心線と二つの内部電極の中間位置とを合わせるように設けられた当該内部電極を有し、前記変形領域を前記インク圧力室の開口位置となるように前記桁部材に前記中間桁部材を接合し、前記分極方向と平行な電界により前記圧電体層を伸縮モードにて変形を生じさせることを特徴とする。
【0016】
請求項4に記載のインクジェットヘッドによれば、対向する内部電極に互いに極性の異なる電圧を印加すると、電界は圧電素子の分極方向に平行な方向に発生し、これにより圧電素子は伸縮モードにより変形する。そして、このようにして変形する圧電素子の変形領域は前記中間桁部材により規定され各インク圧力室において均一となっており、各インク圧力室におけるインク吐出速度は均一なものとなる。
【0017】
請求項5に記載のインクジェットヘッドの製造方法は、前記課題を解決するために、キャビティプレートが複数の桁部材により仕切られたインク圧力室と、2層以上に積層された圧電体層及び該圧電体層を挟持するように設けられた内部電極を有する積層型圧電素子とを備え、前記圧電体層を変形させて前記インク圧力室に貯留されているインクに圧力変動を与えることにより当該インクを吐出させるインクジェットヘッドの製造方法であって、圧電体材料をシート状の前記圧電体層として形成する工程と、前記圧電体層上に前記内部電極を印刷する工程と、前記内部電極の印刷された圧電体層を積層する工程と、前記積層された圧電体層を加熱プレスする工程と、前記加熱プレス後の圧電体層を脱バインダ及び焼成する工程とを備え、前記圧電体層の変形領域を規定するように前記内部電極の二つの中間位置と中間桁部材の中心線とを合わせるように前記圧電体層に中間桁部材を取り付ける工程を、前記脱バインダ及び焼成する工程の前に設けたことを特徴とする。
【0018】
請求項5に記載のインクジェットヘッドの製造方法によれば、まず、圧電体材料をシート状の圧電体層として形成し、次に、このようにして形成した圧電体層上に内部電極を印刷する。そして、この内部電極が印刷された圧電体層を積層し、積層された圧電体層を加熱プレスし、加熱プレス後の圧電体層を脱バインダ及び焼成することにより、圧電素子が得られる。この圧電素子における圧電体層の変形領域を規定する中間桁部材は、前記内部電極の二つの中間位置と中間桁部材の中心線とを合わせるように前記圧電体層に取り付けられるが、この取り付け工程は、前記脱バインダ及び焼成する工程の前に設けられる。従って、脱バインダ及び焼成工程における、中間桁部材及び圧電素子全体は同一の収縮率で縮むことになる。その結果、キャビティプレートのインク圧力室に対する内部電極の位置ずれが脱バインダ及び焼成工程における収縮により生じても、中間桁部材と内部電極との互いの位置関係に変動はない。従って、圧電体層の各変形領域の大きさは何れも均一となり、この中間桁部材とキャビティプレートの桁部材とを接合することにより、各インク圧力室に均一な大きさの変形領域を対応させる。
【0019】
請求項6に記載のインクジェットヘッドの製造方法は、前記課題を解決するために、請求項5に記載のインクジェットヘッドの製造方法において、前記圧電体層の変形領域を規定するように前記内部電極の二つの中間位置と中間桁部材の中心線とを合わせるように前記圧電体層に前記中間桁部材を取り付ける工程は、中間桁部材用の圧電体層を前記圧電体層に更に積層させ、該中間桁部材用の圧電体層における前記変形領域に相当する領域を、スライサもしくはショットブラスト加工により除去する工程であることを特徴とする。
【0020】
請求項6に記載のインクジェットヘッドの製造方法によれば、前記電極が印刷された圧電体層の積層後に、中間桁部材用の圧電体層をこの積層後の圧電体層に更に積層させ、その後にスライサもしくはショットブラスト加工により、前記中間桁部材用の圧電体層の前記変形領域に相当する領域を除去し、中間桁部材を形成する。そして、加熱プレス後にこれらの全体に対して脱バインダ及び焼成処理を施すことにより、中間桁部材を備えた積層型の圧電素子が得られる。従って、脱バインダ及び焼成工程により、圧電体層が収縮しても、中間桁部材も同一の収縮率で収縮するので、電極に対する中間桁部材の位置は変動せず、各変形領域の大きさを均一にする中間桁部材が容易に形成される。
【0021】
請求項7に記載のインクジェットヘッドの製造方法は、前記課題を解決するために、請求項5に記載のインクジェットヘッドの製造方法において、前記圧電体層の変形領域を規定するように前記内部電極の二つの中間位置と中間桁部材の中心線とを合わせるように前記圧電体層に前記中間桁部材を取り付ける工程は、中間桁部材用の圧電体層における前記変形領域に相当する領域をプレス加工により凹部とし、その後に前記積層された圧電体層に該中間桁部材用の圧電体層を積層させる工程であることを特徴とする。
【0022】
請求項7に記載のインクジェットヘッドの製造方法によれば、中間桁部材用の圧電体層の前記変形領域に相当する領域に、プレス加工により凹部を形成する。その後に前記積層された圧電体層に、このような凹部の形成された中間桁部材用の圧電体層を積層させ、脱バインダ及び焼成工程を経て、中間桁部材の形成された圧電素子が得られる。従って、脱バインダ及び焼成工程により、圧電体層が収縮しても、中間桁部材も同一の収縮率で収縮するので、電極に対する中間桁部材の位置は変動せず、各変形領域の大きさを均一にする中間桁部材が容易に形成される。
【0023】
請求項8に記載のインクジェットヘッドの製造方法は、前記課題を解決するために、請求項5に記載のインクジェットヘッドの製造方法において、前記圧電体層の変形領域を規定するように前記内部電極の二つの中間位置と中間桁部材の中心線とを合わせるように前記圧電体層に前記中間桁部材を取り付ける工程は、前記圧電体層に中間桁部材層を印刷する工程であることを特徴とする。
【0024】
請求項8に記載のインクジェットヘッドの製造方法によれば、前記電極が印刷された圧電体層の積層を行う前に、例えば最下層の圧電体層の下面に、中間桁部材層を印刷する。そして、圧電体層の積層を行い、加熱プレス後にこれらの全体に対して脱バインダ及び焼成処理を施す。従って、脱バインダ及び焼成工程により、圧電体層が収縮しても、中間桁部材も同一の収縮率で収縮するので、電極に対する中間桁部材の位置は変動せず、各変形領域の大きさを均一にする中間桁部材が容易に形成される。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を添付図面の図1乃至図6に基づいて説明する。なお、本実施形態との比較のため従来例を示した図7をも参照する。
【0026】
先ず、本実施形態のインクジェットヘッドが搭載されるインクジェットプリンタの概略について図1に基づいて説明する。
【0027】
図1はインクジェットプリンタの要部を示す斜視図である。図1において、一対のフレーム1(図1には一方のフレーム1のみを示す)間には、軸2を介してプラテン3が回転可能に取り付けられており、このプラテン3はモータ4により回転駆動される。プラテン3に対向して圧電式インクジェットヘッド5が配置されている。かかる圧電式インクジェットヘッド5は、インク供給装置6と共にキャリッジ7上に載置されている。キャリッジ7はプラテン3の軸線平行に配設された2本のガイドロッド8に摺動可能に支持されており、また、キャリッジ7には一対のプーリ9に掛けられたタイミングベルト10が結合されている。また、一方のプーリ9(図1中、右側のプーリ9)は、モータ11の駆動軸に固定されており、従って、モータ11を介して右側のプーリ9が回転されることに基づきタイミングベルト10が送られてキャリッジ7がプラテン3に沿って往復動されるものである。
【0028】
次に、圧電式インクジェットヘッド5の構造について図2に基づいて説明する。図2は本実施形態にかかる圧電式インクジェットヘッド5のアレイ構造の一部を示す断面図である。尚、本実施形態にかかるインクジェットヘッド5は、駆動電圧を印加した時にインクを吐出する、所謂、押し打ち方式のインクジェットヘッドである。
【0029】
図2において、圧電式インクジェットヘッド5のアレイ20は、基本的に、上面が開放された複数個のインク圧力室21が形成されているキャビティプレート22、各インク圧力室21を区画する区画壁25に接着剤等により接合された中間桁部材30、各インク圧力室21の上面(開放面)が閉塞するように中間桁部材30を介して取り付けられた積層型圧電体23、及び積層型圧電体23の上面に積層された外側圧電セラミック層24から構成されている。
【0030】
各インク圧力室21はキャビティプレート22に切削加工等を施すことにより形成され、また、各インク圧力室21間は桁部材としての区画壁25により区画されている。
【0031】
積層型圧電体23は、圧電・電歪効果を有するチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)系のセラミック材料からなる複数の圧電セラミック層(図2では、一例として3層の圧電セラミック層)を積層して構成されている。ここで、理解を容易にするため、外側圧電セラミック層24から下方に向かって順に第1圧電セラミック層23A、第2圧電セラミック層23B、第3圧電セラミック層23Cとする。第1圧電セラミック層23A及び第2圧電セラミック層23Bには、各インク圧力室21に対応する位置に第1内部電極27が形成されていると共に、インク圧力室21の周縁位置にて各区画壁25に対応して第2内部電極26が形成されている。また、第3圧電セラミック層23Cには、各第1及び第2圧電セラミック層23A、23Bと同様、各インク圧力室21に対応する位置に第1内部電極27が形成されていると共に、インク圧力室21の周縁位置にて各区画壁25に対応し第2内部電極26が形成されている一方、インク圧力室21内のインクと接触する側には電極等は何ら設けられていない。これは、第3圧電セラミック層23Cに絶縁層として機能を行わせ、この第3圧電セラミック層23Cを介して、上側の第2圧電セラミック層23Bの第1内部電極26にインクが接触することを防止し、これにより絶縁フィルム等の特別な絶縁層や振動板等を設けることなく積層型圧電体23の電極層をインク圧力室のインクから隔絶することを可能とするためである。また、第3圧電セラミック層23Cは、積層型圧電体23の製造を行うについて第2圧電セラミック層23B、第1圧電セラミック層23Aと同時に形成することが可能であることからコストアップを招来することもない。
【0032】
また、第1圧電セラミック層23A、第2圧電セラミック層23B、第3圧電セラミック層23Cは、図2に示すように、それぞれの第1内部電極27及び第2内部電極26が相互に重なるように積層されており、かかる構造を有する積層型圧電体23は、矢印Aにて示すように、各圧電セラミック層23A等の積層方向に分極されている。各第1乃至第3圧電セラミック層23A,23B,23Cにおける各第1内部電極27は、図示しないスイッチを介して図示しない駆動電源のプラス側端子に接続されており、また、各第2内部電極26は、それぞれ駆動電源のマイナス側端子に接続されている。
【0033】
次に、第3圧電セラミック層23Cの下方には、第2内部電極26と中心線を合わせるように複数の中間桁部材30が設けられている。中間桁部材30の幅は、第2内部電極26よりも若干狭い幅に形成されており、圧電素子の変形領域Wを浸食しない構成となっている。そして、中間桁部材30とキャビティプレート22の区画壁25とを接合することにより、圧電素子の変形領域Wをそれぞれのインク圧力室21に位置決めするようになっている。このように、本実施形態のインクジェットヘッドによれば、キャビティプレート22の区画壁25と、積層型圧電体23の第3圧電セラミック層23Cとが直接接合されないので、脱バインダ・焼成工程により積層型圧電体23を形成した結果、第2内部電極26の位置と区画壁25との位置が±0.3%程度ずれた場合でも、区画壁25により圧電素子の変形領域の幅を狭めることがなく、積層型圧電体23の本来の変形量を確保することができる。
【0034】
この中間桁部材30は、各圧電セラミック層と同様にセラミック材から形成され、圧電素子と同一工程で形成される。以下、本実施形態における圧電素子及び中間桁部材の製造方法について詳しく説明する。
【0035】
図3に示すように、まず、第3圧電セラミック層23Cの上側表面に、インク圧力室に一対一で対応するように、複数に分割された第1内部電極27と第2内部電極26をスクリーン印刷によって形成して、グリーンシートを作成する。そして、このようなグリーンシートを、第2圧電セラミック層23B、第1圧電セラミック層23Aのそれぞれについて形成し、各グリーンシートを3層積層し、その上部には外側圧電セラミック層24を構成するために圧電セラミック層の上側表面に内部電極層のないグリーンシートを重ね、その下部には同じく圧電セラミック層の下側表面に内部電極層のない中間桁部材用のグリーンシート30’を重ねる。
【0036】
次に、中間桁部材用のグリーンシート30’に対してスライサもしくはショットブラスト加工等を施し、第2内部電極26よりも若干狭い幅の中間桁部材30を形成する。
【0037】
そして、積層体の全体を加熱プレスし、脱バインダ、焼成等の工程を経て積層型圧電体を得る。
【0038】
次に、以上のようにして得られた積層型圧電素子を130℃程度のシリコンオイル等の絶縁オイルが満たされた図示しないオイルバス中に浸し、分極用の電極により積層型圧電体に対して2.5kV/mm程度の電界を印加し、分極処理を施す。以上の方法により積層型圧電体が得られる。
【0039】
このように、中間桁部材30の第2内部電極26に対する位置決めは、脱バインダ・焼成工程の前に行われるので、脱バインダ・焼成工程によって圧電セラミック層が収縮した場合でも、中間桁部材30も同一の収縮率で収縮するので、第2内部電極26に対する中間桁部材30の位置ずれは発生しない。従って、各内部電極がインク圧力室に対して位置ずれを生じた場合であっても、圧電素子の変形領域を浸食することのないように中間桁部材を設けることができる。例えば図2に示す例では、第2内部電極26の中心線は、区画壁25の中心線に対して位置ずれを生じているが、中間桁部材30は、このように位置ずれを生じた第2内部電極26とずれを生じないので、中間桁部材30によって積層圧電体23の変形領域Wを浸食することがない。
【0040】
そして、このように第2内部電極26の位置に合わせて形成された中間桁部材30と、区画壁25とを接合することにより、第2内部電極26の位置と区画壁25の位置がずれている場合でも、積層圧電体23の変形領域Wに区画壁25が接触することがなく、変形領域Wは区画壁25によって拘束されることがない。従って、各インク圧力室21における積層圧電体23の変形量のばらつきを無くすことができる。
【0041】
なお、本実施形態においては、中間桁部材30の厚みを、第1圧電セラミック層23A等の圧電セラミック層の2層分の厚み以下、1層分の厚み以上とした。従って、中間桁部材30は厚過ぎることがないので、脱バインダ・焼成処理の行われる中間桁部材及び各圧電セラミック層全体の非対称性を問題のない程度に抑えることができる。その結果、脱バインダ・焼成処理を行っても中間桁部材及び各圧電セラミック層に反りを生じさせることがない。また、中間桁部材30の厚みを圧電セラミック層の1層分の厚み以上としたので、中間桁部材30を形成する際のスライサもしくはショットブラスト加工等の良好な作業性を確保することができる。
【0042】
また、中間桁部材30の幅は、第2内部電極26の幅の0.5〜1.5倍の大きさであるのが好ましい。これは、中間桁部材30の幅が第2内部電極26の幅の0.5倍未満であると、剛性が不足し、インク圧力室21の体積変化が不安定になり吐出を不安定にさせてしまうためである。また、中間桁部材30の幅が第2内部電極26の幅の1.5倍を超えると、積層圧電体23の変形領域Wを狭めてしまうためである。
【0043】
次に、以上のように構成された本実施形態のインクジェットヘッド5におけるアレイ20の動作について図4に基づいて説明する。図4は積層型圧電体23を変形させて印字動作を行っているアレイ20の一部を拡大して示す断面図である。尚、ここでは、右から2番目のインク圧力室21に対応するスイッチがオンされたものとして、各積層型圧電体23の動作につき説明することとする。
【0044】
図4において、所定の印字データに基づきコントローラ(図示せず)を介して図示しないスイッチがオンされた場合、図示しない駆動電源を介して各第1内部電極27に駆動電圧が印加される。このとき、各第1内部電極27は駆動電源のプラス側端子に接続され、各第2内部電極26との間で、図4に示すように、積層型厚電体23の分極方向(矢印Aで示す)と直交する電界(矢印Cで示す)が発生する。これにより、積層型圧電体23の第1圧電セラミック層23A、第2圧電セラミック層23Bは、その圧電・電歪効果に基づきシェアモードにて図示のように変形する。また、外側圧電セラミック層24及び第3圧電セラミック層23Cは、各第1、第2圧電セラミック層23A,23Bと同一の層(成分)より構成されていることから、第1、第2圧電セラミック層23A,23Bのシェアモード変形に追随して変形される。
【0045】
このような変形により、インク圧力室21の容積が減少され、これによりインク圧力室21内のインクがインク吐出口(図示せず)から印字用紙に向かって吐出されて文字等の印字が行われる。
【0046】
そして、上述したように、積層型圧電体23の各内部電極と区画壁25との位置ずれが生じた場合でも、積層型圧電体23の変形領域Wは中間桁部材30により所期の大きさに確保されているので、各インク圧力室21における積層型圧電体23の変形量に差が生じることがなく、各インク圧力室21における容積の変化も均一となる。従って、各インク圧力室21に続くノズルからのインク吐出速度を均一にすることができる。
【0047】
本実施形態のインクジェットヘッド5によるこのような優れた効果は、図7に示す従来のインクジェットヘッドと比較することにより、より一層明らかになる。図7に示す従来のインクジェットヘッドは、本実施形態のインクジェットヘッド5のように中間桁部材30が設けられておらず、積層型圧電体23と区画壁25は直接接合されている。従って、脱バインダ・焼成工程により、積層型圧電体23の第2内部電極26と区画壁25との間に位置ずれが生じた場合には、積層型圧電体23の変形領域Wの一部を、区画壁25が浸食してしまう。図7に示す例では、領域Xにおいて、区画壁25の一部が変形領域W側に位置しているため、積層型圧電体23の変形は区画壁25によって拘束されてしまう。従って、実際の変形領域W’は、本来の変形領域Wよりも幅が狭くなってしまう。その結果、インク圧力室21内における積層型圧電体23の変形量は減少し、これに対応してインク圧力室21の容積の変化も減少するので、インク吐出速度は低下してしまう。一方、区画壁25と各内部電極との位置関係によっては、変形領域Wが区画壁25に浸食されないインク圧力室21も存在する。このように、各インク圧力室21における積層型圧電体23の変形量にばらつきが生じ、その結果、ノズルからの吐出速度にもばらつきが生じてしまう。
【0048】
しかしながら、本実施形態のインクジェットヘッド5は、このようなインク吐出速度のばらつきが発生せず、安定した良好な印字動作を行うことができる。
【0049】
本実施形態においては、中間桁部材用のグリーンシートを圧電セラミック層に積層し、スライサまたはショットブラスト加工を行うことにより中間桁部材を形成し、その後に圧電セラミック層と共に脱バインダ・焼成処理を施したが、本発明はこの製造方法に限定されるものではない。
【0050】
例えば、中間桁部材用のグリーンシートを、プレス加工により中間桁部材を形成し、その後に脱バインダ・焼成処理を行うようにしても良い。
【0051】
また、積層型圧電体を上述のような製造方法によって得た後に、中間桁部材を個々に第2内部電極の位置に対応させて取り付けるようにしても良い。または積層型圧電体に中間桁部材用のシートを取り付け、切削加工を行うようにしても良い。この場合には、中間桁部材を形成する材料としては圧電セラミック層と異なる材料を用いることができる。
【0052】
更に、脱バインダ・焼成工程前に、圧電セラミック層に印刷により中間桁部材を形成するようにしても良い。
【0053】
また、本実施形態では、押し打ち方式のインクジェットヘッドについて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、積層型圧電体23の分極方向の関係を図5のように逆の関係にすれば、積層型圧電体23を逆方向、即ち、インク圧力室21の容積を増大させる方向に変形させることが可能であり、これにより引き打ち方式のインクジェットヘッドとすることもできる。
【0054】
また、本実施形態では、シェアモードで変形する圧電素子を用いたが、本発明はこれに限定されるものではなく、伸縮モードにより変形する積層型圧電体、またはシェアモードもしくは伸縮モードとバイモルフ変形モードまたはユニモルフ変形モードを複合させた複合型の積層型圧電体にも適用可能である。
【0055】
例えば、伸縮モードで変形する積層圧電体を用いる場合には、図6に示すように、各内部電極31,32の中間位置に中間桁部材30を設けるように構成すれば良い。
【0056】
【発明の効果】
請求項1に記載のインクジェットヘッドによれば、2層以上に積層された圧電体層及び該圧電体層を挟持するように設けられた電極を有する積層型圧電素子に、当該積層型圧電素子の変形領域を規定するように中間桁部材を備え、前記変形領域をインク圧力室の開口位置となるように中間桁部材とキャビティプレートの桁部材とを接合したので、脱バインダ・焼成工程を経て形成される積層型圧電素子の電極とキャビティプレートの桁部材との位置関係にずれが生じた場合であっても、桁部材によって圧電素子の変形領域が妨げられることなく、各インク圧力室における圧電素子の変形量を均一にすることができる。その結果、各インク圧力室から吐出されるインクの吐出速度を均一化することができ、安定した良好なインク吐出を行うことができる。
【0057】
請求項2に記載のインクジェットヘッドによれば、前記中間桁部材の厚みを、前記積層型圧電素子の積層方向における圧電体層の2層分の層厚以下、1層分の層厚以上としたので、中間桁部材を圧電素子に取り付けた状態で全体の非対称性は脱バインダ・焼成工程においても問題とならず、中間桁部材及び圧電素子の反りの発生を防止することができる。また、脱バインダ・焼成工程の前後において切削加工またはプレス加工等における良好な作業性を確保することができる。
【0058】
請求項3に記載のインクジェットヘッドによれば、前記積層型圧電素子を、前記分極方向と直交する電界を発生させてシェアモードにて変形させる圧電素子とし、前記中間桁部材の幅を、前記第2内部電極の幅の0.5倍から1.5倍の大きさに形成したので、充分な剛性により、各インク圧力室における体積変化が不安定になることがなく、吐出を安定させることができる。また、圧電素子の変形領域を大幅に妨げることなく、インク吐出に充分な変形量を確保することができる。
【0059】
請求項4に記載のインクジェットヘッドによれば、前記積層型圧電素子を、積層方向に分極し、前記中間桁部材の中心線と二つの内部電極の中間位置とを合わせるように設けられた当該内部電極間に電圧を印加することにより、前記分極方向と平行な電界を発生させて圧電体層を伸縮モードにて変形させ、当該圧電素子の変形領域は前記中間桁部材により規定されるので、各インク圧力室における圧電素子の変形量を均一にすることができ、各インク圧力室におけるインク吐出速度を均一にすることができる。
【0060】
請求項5に記載のインクジェットヘッドの製造方法によれば、内部電極を印刷した圧電体層を積層し、加熱プレスし、脱バインダ及び焼成することによって圧電素子を製造するが、当該脱バインダ及び焼成する工程の前には、前記圧電体層の変形領域を規定するように前記内部電極の二つの中間位置と中間桁部材の中心線とを合わせるように前記圧電体層に前記中間桁部材を取り付ける工程を設けたので、脱バインダ及び焼成工程にて、中間桁部材及び圧電素子全体を同一の収縮率で収縮させることができ、キャビティプレートのインク圧力室に対する内部電極の位置ずれが脱バインダ及び焼成工程における収縮により生じても、中間桁部材と内部電極との互いの位置関係の変動を防止することができる。従って、圧電体層の各変形領域の大きさは何れも均一となり、この中間桁部材とキャビティプレートの桁部材とを接合することにより、各インク圧力室に均一な大きさの変形領域を対応させることができる。
【0061】
請求項6に記載のインクジェットヘッドの製造方法によれば、中間桁部材用の圧電体層を前記圧電体層に更に積層させ、スライサもしくはショットブラスト加工により中間桁部材を形成した後に脱パインダ及び焼成工程を施すので、脱バインダ及び焼成工程により圧電体層が収縮しても、中間桁部材も同一の収縮率で収縮するので、電極に対する中間桁部材の位置の変動を防ぐことができ、各変形領域の大きさを均一にする中間桁部材を容易に形成することができる。
【0062】
請求項7に記載のインクジェットヘッドの製造方法によれば、中間桁部材用の圧電体層における前記変形領域に相当する領域をプレス加工により凹部とし、その後に前記積層された圧電体層に該中間桁部材用の圧電体層を積層させて、前記内部電極の二つの中間位置と中間桁部材の中心線とを合わせるように前記圧電体層に前記中間桁部材を取り付けるので、脱バインダ及び焼成工程により圧電体層が収縮しても、中間桁部材も同一の収縮率で収縮するので、電極に対する中間桁部材の位置の変動を防ぐことができ、各変形領域の大きさを均一にする中間桁部材を容易に形成することができる。
【0063】
請求項8に記載のインクジェットヘッドの製造方法によれば、前記圧電体層に中間桁部材層を印刷することにより、前記内部電極の二つの中間位置と中間桁部材の中心線とを合わせるように前記圧電体層に前記中間桁部材を取り付けるので、脱バインダ及び焼成工程により圧電体層が収縮しても、中間桁部材も同一の収縮率で収縮するので、電極に対する中間桁部材の位置の変動を防ぐことができ、各変形領域の大きさを均一にする中間桁部材を容易に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態におけるインクジェットプリンタの概略構成を示す外観斜視説明図である。
【図2】 図1に示すインクジェットプリンタのインクジェットヘッドの構成を示す断面図である。
【図3】 図2に示すインクジェットヘッドの製造方法を説明するための斜視図である。
【図4】 図2に示すインクジェットヘッドの動作を説明するための断面図である。
【図5】 本発明の他の実施形態におけるインクジェットヘッドの動作を説明するための断面図である。
【図6】 本発明の他の実施形態におけるインクジェットヘッドの構成を示す断面図である。
【図7】 従来のインクジェットヘッドの構成を示す断面図である。
【符号の説明】
5…インクジェットヘッド
20…アレイ
21…インク圧力室
22…キャビティプレート
23…積層型圧電体
24…外側圧電セラミック層
25…区画壁
26…第2内部電極
27…第1内部電極
30…中間桁部材
Claims (8)
- インク圧力室に貯留されているインクに圧力変動を与えることにより当該インクを吐出させるインクジェットヘッドであって、
前記インク圧力室が桁部材により仕切られた開口凹部として形成されたキャビティプレートと、
2層以上に積層された圧電体層及び該圧電体層を挟持するように設けられた電極を有し、前記インクに圧力変動を与えるために前記圧電体層を変形させる積層型圧電素子と、
前記積層型圧電素子の変形領域を規定するように前記積層型圧電素子に取り付けられた中間桁部材とを備え、
前記積層型圧電素子は、積層方向に分極されると共に、前記中間桁部材の二つの中間位置で前記インク圧力室に対応して設けられた第1内部電極と、前記中間桁部材と中心線を合わせるように前記第1内部電極の二つの中間位置に設けられた第2内部電極とを有し、前記変形領域を前記インク圧力室の開口位置となるように前記桁部材に前記中間桁部材を接合したことを特徴とするインクジェットヘッド。 - 前記中間桁部材の厚みは、前記積層型圧電素子の積層方向における圧電体層の2層分の層厚以下、1層分の層厚以上であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッド。
- 前記積層型圧電素子は、前記分極方向と直交する電界によりシェアモードにて変形を生じさせる圧電素子であり、前記中間桁部材の幅は、前記第2内部電極の幅の0.5倍から1.5倍の大きさに形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のインクジェットヘッド。
- インク圧力室に貯留されているインクに圧力変動を与えることにより当該インクを吐出させるインクジェットヘッドであって、
前記インク圧力室が桁部材により仕切られた開口凹部として形成されたキャビティプレートと、
2層以上に積層された圧電体層及び該圧電体層を挟持するように設けられた電極を有し、前記インクに圧力変動を与えるために前記圧電体層を変形させる積層型圧電素子と、
前記積層型圧電素子の変形領域を規定するように前記積層型圧電素子に取り付けられた中間桁部材とを備え、
前記積層型圧電素子は、積層方向に分極されると共に、前記中間桁部材の中心線と二つの内部電極の中間位置とを合わせるように設けられた当該内部電極を有し、前記変形領域を前記インク圧力室の開口位置となるように前記桁部材に前記中間桁部材を接合し、前記分極方向と平行な電界により前記圧電体層を伸縮モードにて変形を生じさせることを特徴とするインクジェットヘッド。 - キャビティプレートが複数の桁部材により仕切られたインク圧力室と、2層以上に積層された圧電体層及び該圧電体層を挟持するように設けられた内部電極を有する積層型圧電素子とを備え、前記圧電体層を変形させて前記インク圧力室に貯留されているインクに圧力変動を与えることにより当該インクを吐出させるインクジェットヘッドの製造方法であって、
圧電体材料をシート状の前記圧電体層として形成する工程と、
前記圧電体層上に前記内部電極を印刷する工程と、
前記内部電極の印刷された圧電体層を積層する工程と、
前記積層された圧電体層を加熱プレスする工程と、
前記加熱プレス後の圧電体層を脱バインダ及び焼成する工程とを備え、
前記圧電体層の変形領域を規定するように前記内部電極の二つの中間位置と中間桁部材の中心線とを合わせるように前記圧電体層に前記中間桁部材を取り付ける工程を、前記脱バインダ及び焼成する工程の前に設けた、
ことを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。 - 前記圧電体層の変形領域を規定するように前記内部電極の二つの中間位置と中間桁部材の中心線とを合わせるように前記圧電体層に前記中間桁部材を取り付ける工程は、中間桁部材用の圧電体層を前記圧電体層に更に積層させ、該中間桁部材用の圧電体層における前記変形領域に相当する領域を、スライサもしくはショットブラスト加工により除去する工程であることを特徴とする請求項5に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
- 前記圧電体層の変形領域を規定するように前記内部電極の二つの中間位置と中間桁部材の中心線とを合わせるように前記圧電体層に前記中間桁部材を取り付ける工程は、中間桁部材用の圧電体層における前記変形領域に相当する領域をプレス加工により凹部とし、その後に前記積層された圧電体層に該中間桁部材用の圧電体層を積層させる工程であることを特徴とする請求項5に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
- 前記圧電体層の変形領域を規定するように前記内部電極の二つの中間位置と中間桁部材の中心線とを合わせるように前記圧電体層に前記中間桁部材を取り付ける工程は、前記圧電体層に中間桁部材層を印刷する工程であることを特徴とする請求項5に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
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