JP2002374012A - 圧電アクチュエータ及びその圧電アクチュエータを用いたインクジェットヘッド並びにそれらの製造方法 - Google Patents

圧電アクチュエータ及びその圧電アクチュエータを用いたインクジェットヘッド並びにそれらの製造方法

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JP2002374012A
JP2002374012A JP2001182252A JP2001182252A JP2002374012A JP 2002374012 A JP2002374012 A JP 2002374012A JP 2001182252 A JP2001182252 A JP 2001182252A JP 2001182252 A JP2001182252 A JP 2001182252A JP 2002374012 A JP2002374012 A JP 2002374012A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低コストで、電気的性能に優れ、部品として
精度よく組み立てることのできる圧電アクチュエータ及
びその圧電アクチュエータを用いたインクジェットヘッ
ド並びにそれらの製造方法を提供すること。 【解決手段】 切断工程55は、積層工程54で作製さ
れた積層体111を、個々の圧電アクチュエータ20ご
とに切断する。この切断により、各圧電アクチュエータ
20の積層方向の切断面に電極延出部33cなどが垂
れ、各圧電アクチュエータ20の側面にそれぞれ電極垂
部31Xaを形成する。また、電極延出部は、積層方向
に並んで形成されているので、形成された電極垂部31
Xaは、ほぼ帯状に連なって見える。切断された積層体
111aは、焼成工程56、電極形成工程57、分極処
理工程58を経て圧電アクチュエータ20となり、電極
垂部31Xaを位置決めマークとし、組立工程59でキ
ャビティプレート10が積層される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧電アクチュエー
タ及びその圧電アクチュエータを用いたインクジェット
ヘッド並びにそれらの製造方法に関し、特に、低コスト
で、電気的性能に優れ、部品として精度よく組み立てる
ことのできる圧電アクチュエータ及びその圧電アクチュ
エータを用いたインクジェットヘッド並びにそれらの製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】圧電アクチュエータは、物質の圧電性を
利用した装置である。圧電性は、物質に応力を加えたと
きに電気分極を生じ、且つその物質に電界を印可したと
きに歪みを生じる性質である。圧電アクチュエータは、
この圧電性を利用して、電気エネルギーを力(変位)に
変換し、変換された力(変位)によって機械に運動を発
生させる装置である。
【0003】かかる圧電アクチュエータは、一般的には
小型のセラミックス製品である。その製造においては、
圧電アクチュエータは、複数連ねた形状(マザー品)で
生産され、最終工程で該マザー品から各1の圧電アクチ
ュエータに切断されて製造される。かかる手法により、
生産効率の向上が図られているのである。
【0004】具体的には、まず、強誘電性のセラミック
ス粉末を樹脂に分散させ、かかる混合物(スラリー溶
液)をシート状に加工してグリーンシートを成型する。
このグリーンシートは複数個の圧電アクチュエータを形
成できる大きさに成型する。次に、このグリーンシート
上面に金属材料を使用した導電性ペーストを所望のパタ
ーンで印刷して内部電極を形成する(内部電極形成工
程)。この内部電極形成工程では、1の圧電アクチュエ
ータに対応する内部電極パターンが、作製される圧電ア
クチュエータの個数分、連ねて印刷される。電極の形成
されたグリーンシートは積層され、加熱プレスなどの工
程を経た後、焼成工程により脱脂と焼結とを行う。積層
された各グリーンシートは、焼成により焼結して一体化
された積層体(マザー品)となる。この積層体において
各層は、(分極処理を施すことによって)圧電性を有す
る圧電シートとなる。この積層体は、ダイヤモンドブレ
ードなどを用いて切断(ダイシング)され、各1の圧電
アクチュエータに切断、分離される(切断工程)。これ
により、最終製品となる圧電アクチュエータが得られ
る。
【0005】製造された圧電アクチュエータは、各種部
品と組み合わされて様々な製品に組み込まれる。インク
ジェットプリンタのインクジェットヘッドは圧電アクチ
ュエータが部品として組み込まれている製品の一例であ
る。
【0006】インクジェットヘッドに用いられる圧電ア
クチュエータには、積層された各圧電シートの所望の内
部電極どうしを積層方向に導通させるために、或いは、
内部電極を外部に電気的に導通させるために、必要な内
部電極は圧電シートの端縁部まで印刷されている。この
ため、切断工程により個々に分離された圧電アクチュエ
ータの側面(切断面)には、内部電極の端部が露出する
ことになる。この内部電極の端部が露出した部分に重ね
て、電気的に導通する側面電極を、金属の真空蒸着又
は、スパッタリング、或いは導電性ペーストの塗布等に
て形成する(端面電極形成工程)。これにより、各内部
電極は必要な導通をとることができるのである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た切断工程は、焼結体を切断する工程である。焼結体は
高硬度、高強度である上に、脆弱であるので、その切断
には高度な技術が要求される。また、焼結体の切断に
は、高強度の切断刃を使用した高出力の切断装置が必要
となる。このため、切断に用いられる機械が大型化する
上、切断コストが上昇してしまうという問題点があっ
た。
【0008】また、圧電アクチュエータは、他の部品と
組み合わせて使用される部品であるので、組み立てに際
しては、圧電アクチュエータと他の部品との位置決めが
必要となる。かかる位置決めを行うために、圧電シート
に位置決め用のマークを施す必要がある。このため、圧
電アクチュエータの製造工程の中で、マークを施すため
の工程を設けなくてはならず、工程数を増やしてしまう
という問題点があった。
【0009】このため、圧電アクチュエータの側面(切
断面)に露出する内部電極の端部を位置決めのマークと
して利用することが行われている。これによれば、位置
決めのマークを施す工程をわざわざ別に設ける必要はな
い。しかし、側面に露出する内部電極の厚さは僅かであ
るので、マークとしての明確さに欠ける。このため、側
面に露出する内部電極をマークとして、組み立てを行う
には、困難が伴うと言う問題点があった。
【0010】また、圧電アクチュエータでは、露出する
内部電極の上面に端面電極を形成し、この端面電極を介
して外部電源から内部電極への電源供給が行われる。し
かし、内部電極の厚さが僅かであることから、端面電極
との接触面積は小さくなり、内部電極と外部電源との間
で導通不良が生じ易いという問題点があった。
【0011】本発明は、上述した問題点を解決するため
になされたものであり、低コストで、電気的性能に優
れ、部品として精度よく組み立てることのできる圧電ア
クチュエータ及びその圧電アクチュエータを用いたイン
クジェットヘッド並びにそれらの製造方法を提供するこ
とを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に請求項1記載の圧電アクチュエータの製造方法は、1
の圧電アクチュエータの平面形状よりも大きい平面形状
を有するグリーンシート上に、1の圧電アクチュエータ
に対応する内部電極パターンと、該内部電極パターンの
少なくとも1の内部電極の一端を前記圧電アクチュエー
タの端縁部に相当する位置まで延出した電極延出部とを
形成する内部電極形成工程と、その内部電極形成工程に
より前記内部電極パターン及び電極延出部が形成された
グリーンシートを複数枚積層して積層体を得る積層工程
と、その積層工程で得られた前記積層体を、前記1の圧
電アクチュエータに対応する大きさに、前記電極延出部
に接する位置で前記グリーンシートの積層方向に切断
し、その切断面に沿って前記電極延出部を垂れさせる切
断工程と、その切断工程で切断された前記積層体を焼成
する焼成工程とを備えている。
【0013】この請求項1記載の圧電アクチュエータの
製造方法によれば、内部電極形成工程により、1の圧電
アクチュエータの平面形状よりも大きい平面形状を有す
るグリーンシート上に、1の圧電アクチュエータに対応
する内部電極パターンと、該内部電極パターンの少なく
とも1の内部電極の一端を前記圧電アクチュエータの端
縁部に相当する位置まで延出した電極延出部とが形成さ
れる。次に、積層工程により、内部電極パターン及び電
極延出部が形成されたグリーンシートが複数枚積層され
る。この積層工程により得られた積層体は、切断工程に
よりグリーンシートの積層方向に切断される。この切断
工程では、該積層体は電極延出部に接する位置で、1の
圧電アクチュエータに対応する大きさに切断され、切断
面に沿って電極延出部を垂れさせる。その後、切断され
た積層体は焼成工程により焼成される。
【0014】請求項2記載の圧電アクチュエータの製造
方法は、請求項1に記載の圧電アクチュエータの製造方
法において、前記グリーンシートは、圧電アクチュエー
タの複数個分の大きさを有するものであり、前記内部電
極形成工程は、前記グリーンシート上の各圧電アクチュ
エータに対応する位置に前記内部電極パターン及び電極
延出部を形成するものである。
【0015】請求項3記載の圧電アクチュエータの製造
方法は、請求項1または2に記載の圧電アクチュエータ
の製造方法において、前記焼成工程の後に、前記積層体
の切断面上に、その切断面に沿って垂れた前記電極延出
部に重ねて、前記内部電極と導通する端面電極を形成す
る端面電極形成工程を備える。
【0016】請求項4記載の圧電アクチュエータの製造
方法は、請求項1から3のいずれかに記載の圧電アクチ
ュエータの製造方法において、前記圧電アクチュエータ
は、前記積層方向に対向する前記内部電極間に挟まれ該
電極間への電圧の印可により変形する活性部と、変形し
ない不活性部とを有するものであり、前記内部電極が前
記活性部から不活性部をとおって外部電源に接続され、
前記不活性部上の内部電極の部分と前記積層方向に対応
する他のシートの不活性部にダミー電極を備え、前記内
部電極形成工程は、前記シート上に前記内部電極、ダミ
ー電極を形成するとともに、前記電極延出部の設けられ
た内部電極に対応して、それに隣接する他のシートに形
成されるダミー電極について、その一端を前記圧電アク
チュエータの端縁部に相当する位置まで延出したダミー
電極延出部を形成する。
【0017】請求項5記載の圧電アクチュエータの製造
方法は、請求項1から4のいずれかに記載の圧電アクチ
ュエータの製造方法において、前記内部電極形成工程
は、複数の内部個別電極からなる内部個別電極パターン
を第1のグリーンシート上に形成する工程と、内部共通
電極パターンを第2のグリーンシート上に形成する工程
とからなり、かつ前記電極延出部を、前記内部個別電極
または前記内部共通電極パターンの一端を延出して前記
各第1のグリーンシートまたは各第2のグリーンシート
においてほぼ同じ位置に形成するものであり、前記積層
工程は、前記第1のグリーンシートと第2のグリーンシ
ートとを交互に積層するものである。
【0018】請求項6記載のインクジェットヘッドの製
造方法は、請求項1から5のいずれかに記載の製造方法
で製造された圧電アクチュエータを、インク吐出ノズル
に連通する圧力室を有するキャビティプレートに重ねて
固定する組み立て工程を備え、その組み立て工程は、前
記切断面に沿って垂れた前記電極延出部を位置決めマー
クとして前記内部電極と圧力室とを位置決めする。
【0019】この請求項6記載のインクジェットヘッド
の製造方法によれば、圧電アクチュエータは、請求項1
から5のいずれかに記載の製造方法で製造される。この
圧電アクチュエータは、組み立て工程により、インク吐
出ノズルに連通する圧力室を有するキャビティプレート
に重ねて固定される。ここで、切断面に沿って垂れた電
極延出部は位置決めマークとなり、内部電極と圧力室と
は位置決めされる。
【0020】請求項7記載の圧電アクチュエータは、内
部電極を挟んで複数の圧電シートを積層しており、前記
内部電極の少なくとも1の一端を前記圧電シートの端縁
部まで延出した電極延出部を備え、その電極延出部は、
前記圧電シートの積層体の側面に沿って垂れた状態に形
成されている。
【0021】この請求項7記載の圧電アクチュエータに
よれば、内部電極を挟んで複数の圧電シートが積層され
ている。かかる圧電シートに設けられた内部電極の少な
くとも1の一端は、電極延出部として圧電シートの端縁
部まで延出されている。この電極延出部は、圧電シート
の積層体の側面に沿って垂れた状態に形成される。
【0022】請求項8記載の圧電アクチュエータは、請
求項7記載の圧電アクチュエータにおいて、前記圧電シ
ートの積層体の側面に、その側面に沿って垂れた前記電
極延出部に重ねられ、前記内部電極と導通する端面電極
を備える。
【0023】請求項9記載の圧電アクチュエータは、請
求項7または8に記載の圧電アクチュエータにおいて、
前記電極延出部は、積層方向にほぼ並ぶように前記各圧
電シートにおいてほぼ同位置に設けられている。
【0024】請求項10記載の圧電アクチュエータは、
請求項7から9のいずれかに記載の圧電アクチュエータ
において、前記圧電アクチュエータは、前記積層方向に
対向する前記内部電極間に挟まれ該電極間への電圧の印
可により変形する活性部と、変形しない不活性部とを有
するものであり、前記内部電極が前記活性部から不活性
部をとおって外部電源に接続され、前記不活性部上の内
部電極の部分と前記積層方向に対応する他の圧電シート
の不活性部にダミー電極を備えるとともに、前記電極延
出部の設けられた内部電極に対応して、それに隣接する
他の圧電シートに形成されるダミー電極について、その
一端を前記圧電アクチュエータの端縁部に相当する位置
まで延出したダミー電極延出部を備え、該ダミー電極延
出部は前記圧電シートの積層体の側面に沿って垂れた状
態に形成されている。
【0025】請求項11記載の圧電アクチュエータは、
請求項7から10のいずれかに記載の圧電アクチュエー
タにおいて、前記圧電アクチュエータは、複数の内部個
別電極を備えた第1の圧電シートと、内部共通電極を備
えた第2の圧電シートとを交互に積層して備えており、
かつ前記電極延出部は、前記内部個別電極または前記内
部共通電極の一端を延出して前記各第1の圧電シートま
たは各第2の圧電シートにおいて積層方向に並ぶように
ほぼ同じ位置にある。
【0026】請求項12記載のインクジェットヘッド
は、請求項7から11のいずれかに記載の圧電アクチュ
エータと、インク吐出ノズルに連通する圧力室を有する
キャビティプレートとを備え、前記側面に沿って垂れた
前記電極延出部と対応するキャビティプレート上の位置
に、前記内部電極と圧力室とを位置決めするための位置
決めマークを設けている。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施例に
ついて、添付図面を参照して説明する。まず、図1〜図
4を使用して、第1実施例について説明する。
【0028】図1は、第1実施例の圧電アクチュエータ
を用いて作製したインクジェットヘッドを搭載したイン
クジェットプリンタを示す斜視図である。図1におい
て、このインクジェットプリンタ100は、シアン、マ
ゼンタ、イエロー、ブラックの4色のカラーインクがそ
れぞれ充填されるインクカートリッジ61と、用紙62
に印字するためのインクジェットヘッド6(以下ヘッド
6という)を備えるヘッドユニット63と、インクカー
トリッジ61およびヘッドユニット63が搭載されるキ
ャリッジ64と、このキャリッジ64を直線方向に往復
移動させる駆動ユニット65と、キャリッジ64の往復
移動方向に延び、ヘッド6と対向配置されるプラテンロ
ーラ66と、パージ装置67とを備えている。
【0029】駆動ユニット65は、キャリッジ64の下
端部に配置されプラテンローラ66と平行に延びるキャ
リッジ軸71と、キャリッジ64の上端部に配置されキ
ャリッジ軸71に平行に延びるガイド板72と、そのキ
ャリッジ軸71とガイド板72との間であって、キャリ
ッジ軸71の両端部に配置される2つのプーリー73お
よび74と、これらのプーリー73および74の間に掛
け渡されるエンドレスベルト75とからなる。
【0030】そして、一方のプーリ73が、モータの駆
動により正逆回転されると、そのプーリ73の正逆回転
に伴って、エンドレスベルト75に接合されているキャ
リッジ64が、キャリッジ軸71およびガイド板72に
沿って、直線方向に往復移動される。
【0031】用紙62は、インクジェットプリンタ10
0の側方に設けられた給紙カセット(図示せず)から給
紙され、ヘッド6と、プラテンローラ66との間に導入
されて、ヘッド(インクジェットヘッド)6から吐出さ
れるインクにより所定の印字がなされ、その後、排紙さ
れる。なお、図1においては、用紙62の給紙機構およ
び排紙機構の図示を省略している。
【0032】パージ装置67は、プラテンローラ66の
側方に設けられ、ヘッドユニット63がリセット位置に
ある時に、ヘッド6に対向するように配置されている。
このパージ装置67は、ヘッド6の後述する複数のノズ
ルを覆うように当該ノズルの開口面に対し当接するパー
ジキャップ81と、ポンプ82およびカム83と、イン
ク貯留部84とを備えており、ヘッドユニット63が、
リセット位置にある時に、ヘッド6のノズルをパージキ
ャップ81で覆い、ヘッド6の内部に溜まる気泡などを
含んだ不良インクを、カム83の駆動によりポンプ82
によって吸引しり、ヘッド6の回復を図るようにしてい
る。なお、吸引された不良インクは、インク貯留部84
に貯められる。
【0033】キャップ85は、インクの乾燥を防止する
ため、印字が終了するとリセット位置に戻されるキャリ
ッジ64に搭載されたヘッド6の複数のノズル15(図
2参照)を覆うものである。
【0034】図2は、ヘッド6の斜視図を示すものであ
る。ヘッド6は、図2に示すように、積層型のキャビテ
ィプレート10と、該キャビティプレート10に対して
接着剤または接着シートを介して接着、積層されるプレ
ート型の圧電アクチュエータ20と、その上面に本体内
の制御基板との電気的接続のために重ね接合されたフレ
キシブルフラットケーブル40とにより構成されてお
り、キャビティプレート10の下面側に開口されたノズ
ルから下向きにインクが吐出する。
【0035】キャビティプレート10には、キャビティ
プレート10の長手方向に対して直交する方向に延びる
細幅の複数の圧力室16が千鳥状配列で2列に配設され
ている。この圧力室16には、その一端をキャビティプ
レート10の下面側に開口しインクを吐出するためのノ
ズル(図示せず)が、各圧力室16に連通してそれぞれ
設けられている。インク供給孔19aは、インクカート
リッジ61からのインクを各インク室16に供給するた
めのものである。圧電アクチュエータ20が動作するこ
とにより圧力室16内に貯留されるインクに圧力が負荷
され、上記したノズルからインクが吐出される(印字の
実行)。
【0036】このキャビティプレート10は、金属製で
ある。このため、圧電アクチュエータ20の電極垂部3
1Xaが接触すると短絡を起こしてしまう。このため、
キャビティプレート10には、該電極垂部31Xaに対
応する位置に切り欠き部41が設けられている。また、
該切り欠き部41は、圧電アクチュエータ20とキャビ
ティプレート10とを積層する際に、両者を位置決めす
るマークとなっている。
【0037】圧電アクチュエータ20は、上記した圧力
室16に個々に圧力を負荷するためのものである。最上
段の圧電シート21の上面には、圧電シートの個別電極
31とコモン電極32(図4参照)とに対応する表面電
極33,34が設けられている。該表面電極33,34
上には、この電極33,34に接続するスルーホール3
6,37が圧電シートの積層方向に穿設されている。こ
の表面電極33,34は、圧電アクチュエータ20の上
面に重ねて接合されるフレキシブルフラットケーブル4
0と接続される電極である。これにより、本体の制御基
板と圧電アクチュエータ20とは電気的に接続される。
【0038】表面電極33の内、圧電アクチュエータ2
0の略中心に位置する1の表面電極33には、その一端
が圧電アクチュエータ20の端縁部まで延出された電極
延出部33cが形成されている。また、この圧電アクチ
ュエータ側面20a(各圧電シート21〜30の側面2
0a、図4参照)には、この電極延出部33cに連接す
る電極垂部31Xaが形成されている。該電極垂部31
Xaは、キャビティプレート10の積層位置を位置決め
するための位置決めマークである。この電極垂部31X
aを上記した切り欠き部41にあわせることにより、圧
電アクチュエータ20とキャビティプレート10とを正
確に位置決めして積層することができる。なお、圧電ア
クチュエータ20については、図4において詳細に説明
する。
【0039】次に圧電アクチュエータ20の製造方法に
ついて説明する。
【0040】図3は、プレート型圧電アクチュエータ2
0の製造方法を示した図である。圧電アクチュエータ2
0は、グリーンシート成型工程51、スルーホール形成
工程52、電極印刷工程53、積層工程54、切断工程
55、焼成工程56、電極形成工程57、分極処理工程
58を順に経て圧電アクチュエータ20として完成す
る。完成した圧電アクチュエータ20は、組立工程59
によりキャビティプレート10に積層される。
【0041】グリーンシート成型工程は、1の圧電アク
チュエータ20を形成する圧電シート21〜30(図4
参照)を複数個マトリックス状に並べた大きさのセラミ
ックグリーンシート(グリーンシート)110を成型す
る工程である。具体的には、まず、強誘電性を有するチ
タン酸ジルコン酸鉛(PZT(PbTiO・PbZr
))系のセラミック粉末をバインダ樹脂に混合分散
させたスラリー溶液を調整する。このスラリー溶液を、
離型処理の施されたPET(ポリエチレンテレフタレー
ト)フィルム等に、ドクターブレード法などにより塗工
(塗布、コーティング)して、所定厚さのグリーンシー
ト110が成型される。1の圧電アクチュエータ20を
形成する各圧電シート21〜30の大きさは同じである
ので、同じ大きさのグリーンシート110が、各圧電シ
ート21〜30を作製するべく成型される。
【0042】同一のグリーンシート110には同一の圧
電シート21〜30が複数個(本実施例では10個)、
マトリックス状に並べられて形成されるべく、各グリー
ンシート110は形成される。
【0043】スルーホール形成工程52は、レーザ光な
どを使用して、グリーンシート成型工程で成形されたグ
リーンシート110に、後述する積層工程で最下層とな
るシートを除いて、厚み方向に貫通する貫通口(スルー
ホール36,37)を穿設する工程である。上記したス
ルーホール36,37は、グリーンシート上に形成され
る各圧電シート21〜29となる箇所の周縁に沿って多
数穿設される。
【0044】電極印刷工程53は、グリーンシート11
0に各圧電シート21〜30の電極パターンX1〜X3
(図4参照)を印刷する工程である。電極パターンX1
〜X3は、1の圧電アクチュエータ20の1の圧電シー
トに備えられた電極を一体として表すもの(1の圧電シ
ートの電極の集合体)である。電極パターンX1〜X3
は、グリーンシート上に導電性のペーストをスクリーン
印刷することにより形成される。
【0045】3種類の電極パターンが形成されるグリー
ンシートのうち第1のグリーンシート上には、個別電極
31と後述するダミー電極35からなる電極パターンX
1が形成される。かかる個別電極パターンX1は、作製
し得る圧電アクチュエータ20の個数分、連設された状
態で印刷される。また、第2のグリーンシート上には、
コモン電極32とダミー電極39からなる電極パターン
X2が同様に形成され、第3のグリーンシート上には、
表面電極33,34からなる表面電極パターンX3が同
様に形成される。かかる電極パターンX1〜X3は、グ
リーンシート110が積層された場合に、各シートの各
個別電極31とダミー電極35と表面電極33とが積層
方向にそれぞれ対応し、コモン電極32の端部32aと
ダミー電極39と表面電極34とが積層方向に対応する
ように構成されている(図4参照)。また、各電極パタ
ーンX1〜X3のそれぞれにおいては、各パターンの長
手方向の両側の略中心に位置する両側各1の電極(両側
各1の個別電極31、ダミー電極35、表面電極33)
の外側の端部には、電極延出部31c,33c,35c
が形成されている(図4参照)。これら電極延出部31
c,33c,35cは、例えば、図3中(a)に示した
(表面電極33の)電極延出部33cのように、圧電シ
ートの端縁部となる位置(切断位置)を越えて後述する
切断しろまで電極が延出された形状に設けられる。この
電極延出部31c,33c,35cの設けられた各電極
は31,33,35は、積層方向に対応する(同じ位
置)に位置するように、各グリーンシート110に設け
られている。
【0046】スルーホール36、37は、上記したよう
に各グリーンシート110の上下方向に貫通しているの
で、グリーンシート上に電極パターンX1〜X3が形成
されると、各スルーホール36、37内にも導電性のペ
ーストが侵入し、各スルーホール36、37を介して圧
電シートの上下面で導通可能となる。
【0047】積層工程54は、電極パターンX1〜X3
が印刷されたグリーンシート110を所定の順に積層す
る工程である。該工程54では、グリーンシート110
を、圧電シートの順番が上から順に圧電シート21〜3
0となるように積層する。最上段には、表面電極パター
ンX3が印刷された第3のグリーンシートが露出するよ
うに積層される。この第3グリーンシートの下方には、
コモン電極パターンX2が印刷された4枚の第2のグリ
ーンシートが配設される。そして更にその下方には、個
別電極パターンX1の印刷された第1のグリーンシート
とコモン電極パターンX2の印刷された第2のグリーン
シートとが交互に5枚積層され、そのうちスルーホール
を有しない第1のグリーンシートが最下層に配置され
る。つまり、個別電極31とコモン電極32とは、交互
に積層される。
【0048】また、積層工程54では、各グリーンシー
ト110に形成された複数個の各電極パターンX1〜X
3が積層方向にそれぞれ個々に対応するように各グリー
ンシート110は積層される。これにより、複数の圧電
アクチュエータ20を形成し得る積層体111が形成さ
れる。
【0049】切断工程55は、上記した積層工程54で
作製された積層体111を、個々の圧電アクチュエータ
20ごとに切断する工程である。これにより、1の圧電
アクチュエータ20に対応する積層体111aが得られ
る。かかる切断には、図7(a)に示すように一般的な
剪断方法、例えば押し切り、打ち抜き、ロータリーカッ
トなど刃物201とダイ202の間ではさみ切る手法が
適宜用いられる。切断に際しては、最上段のグリーンシ
ート110の電極延出部33cに接して、各圧電アクチ
ュエータ20ごとの切断は実行される。この切断によ
り、図7(b)に示すように、圧電アクチュエータ側か
ら見て各グリーンシートの電極からそのグリーンシート
へ向かう方向に剪断されることで、まだ柔軟性が残って
いる各電極のペーストおよび各グリーンシートは、上側
の角が円弧状に垂れ、各電極のペーストがその円弧部分
において直線状に剪断される。このため、各圧電アクチ
ュエータ20の積層方向の側面20aに、各電極延出部
31c,33c,35cが大きく露出し、それぞれ電極
垂部31Xaを形成する。また、電極延出部31c,3
3c,35cは、積層方向に並んで形成されているの
で、電極垂部31Xaは、圧電アクチュエータ20の側
面20aにおいては、ほぼ帯状に連なって見える。な
お、好ましくは、電極のペーストは、グリーンシートよ
りも、例えば粘度が大きい等、横方向(剪断方向と直交
する方向)の結合力が大きいものを使用することで、剪
断する際、電極のペーストが剪断方向に少し引張られる
ことになり、電極延出部31c,33c,35cの露出
面積をより大きくすることができる。
【0050】この切断工程55は、グリーンシート11
0が未焼成の状態で行われる工程である。焼成工程の後
に、各圧電アクチュエータ20ごとの切断を実行する切
断工程を設けた場合には、ダイヤモンドブレードを高速
回転させて切断を行う(ダイシング)など、高価で高度
な切断システムが必要となる。しかし、本発明の切断工
程55のようにグリーンシートの状態で各圧電アクチュ
エータ20ごとの切断を行えば、小さな負荷で各圧電ア
クチュエータ20ごとの切断を実行することができる。
つまり、安価で容易な手法により、個々の圧電アクチュ
エータ20に分離することができるのである。また、柔
らかい状態で圧電シート(グリーンシート)と電極延出
部31c,33c,35cとは切断されるので、電極延
出部31c,33c,35cをその切断面に容易に垂れ
させることができる。
【0051】尚、図3においては、図示を省略している
が、各グリーンシート110の両端(電極パターンの長
手方向に沿う両端)には、切断しろが設けられている。
つまり、グリーンシート110の両端は、かかる切断し
ろにおいて切断される。グリーンシート110の両端部
に設けられる圧電アクチュエータ20電極延出部31
c,33c,35cは、この切断しろまで延出されてい
る。よって、グリーンシート110の両端部に設けられ
る圧電アクチュエータ20にも、その側面に各電極延出
部31c,33c,35cを垂れさせ、電極垂部31X
aを形成することができる。
【0052】次いで、切断された積層体111aは、焼
成工程56により、脱脂と焼結とが行われる。そして、
焼結体として一体化された積層体111aを得る。かか
る積層体111aには、電極形成工程57により、再
度、表面電極33,34の上に電極材料が載せられる。
これは焼成により酸化された表面電極33,34の上に
酸化されていない電極材料を再度印刷することにより、
かかる表面電極33,34に接続されるフレキシブルフ
ラットケーブル40のはんだ付けを良好に行わせるため
である。
【0053】その後、分極処理工程58により、通常の
インク噴射動作時よりも高い電圧を表面電極33,34
から個別電極31とコモン電極32間に印加し、個別電
極31、コモン電極32間にはさまれているシートを分
極させることにより、圧電動作を行う圧電アクチュエー
タ20が完成する。完成した圧電アクチュエータ20
は、組立工程59によりキャビティプレート10に積層
される。この組み立てにおいては、圧電アクチュエータ
20の電極垂部31Xaと、キャビティプレートの切り
欠き部41とを合わせることにより、位置決めが実行さ
れる。
【0054】図4は、上記した製造方法で作製されたプ
レート型圧電アクチュエータ20の分解斜視図である。
図4に示すように、該圧電アクチュエータ20は、10
枚の圧電シート21,22,23,24,25,26,
27,28,29,30を積層した構造に形成されてい
る。各圧電シート21〜30の内、圧電シート26,2
8,30の細幅の各個別電極31は、上記電極垂下部3
1Xaと切り欠き部41とが位置あわせされた状態にお
いて、電極垂下部31Xaが個別電極31の位置を正確
に表しているので、前記キャビティプレート10に設け
られた圧力室16(図2参照)と対応して位置する。他
の圧電シート22,23,24,25,27,29に
は、各個別電極31の端部31aに対応してダミー電極
35が位置しており、積層方向に並んだ各個別電極31
は、その個別電極31の端部31aに接続したスルーホ
ール36、それらの間の圧電シート27,29のダミー
電極35、及びそのダミー電極35に接続したスルーホ
ール36を介して相互に接続しているとともに、それら
の積層方向に対応した上層のダミー電極35及びスルー
ホール36を介して最上層の表面電極33の1つに接続
している。
【0055】圧電シート22,23,24,25,2
7,29のコモン電極32は、全部の圧力室16にわた
って帯状に位置する。他の圧電シート26,28,30
には、コモン電極32の端部32aに対応してダミー電
極39が位置しており、積層方向の各コモン電極32
は、そのコモン電極の端部32aに接続したスルーホー
ル37、それらの間の圧電シート26,28のダミー電
極39、及びそのダミー電極39に接続したスルーホー
ル37を介して相互に接続しているとともに、それらの
積層方向に対応した上層のダミー電極39及びスルーホ
ール37を介して最上層の表面電極34に接続してい
る。
【0056】ダミー電極35,39は、個別電極31及
びコモン電極32と同じ厚さであり、圧電シートが積層
された状態において個別電極31及びコモン電極32が
ある部分とない部分とで厚さの差を生じたり、焼成する
際に収縮に差が生じることが少ないようにしている。
【0057】前記分極処理工程58は、上記状態で行わ
れるが、個別電極31の端部31aとダミー電極35、
コモン電極32の端部32aとダミー電極39、および
コモン電極32間に挟まれた圧電シートは電位差を生じ
ないので、分極されないし、圧電動作もしない。
【0058】上記したように、かかる構成の各圧電シー
ト21〜30のそれぞれにおいて、圧電シートの長手方
向中央の両側各1の電極(各1の個別電極31、表面電
極33、ダミー電極35)には、電極延出部31c,3
3c,35cが形成されている。電極延出部31c,3
3c,35cを有する電極(個別電極31、ダミー電極
35、表面電極33)は、それぞれの圧電シート21〜
30において、積層方向に対応する位置(同じ位置)に
形成されている。
【0059】この電極延出部31c,33c,35c
は、切断工程55を経たことによって側面20aに垂れ
るが、積層方向に同じ位置に形成されていることから、
側面20aの同じ位置に垂れた状態となっている。この
ため、側面20aには、各電極延出部31c,33c,
35cが大きく露出され、電極垂部31Xaを形成して
いる。この電極垂部31Xaは、側面20aの他の部分
と視覚的に異なり、またその面積が大きいので、マーク
として明確に識別することができる。よって、電極垂部
31Xaと切り欠き部41とにより、個別電極31と圧
力室16とを正確に対応させて圧電アクチュエータ20
とキャビティプレート10とを位置決めすることができ
る。
【0060】上記した第1実施例の圧電アクチュエータ
20の表面電極33の1に選択的に電圧を印加すると、
それに対応する個別電極31とコモン電極32とに完全
に挟まれた圧電シート25〜29の部分(活性部20
b)に積層方向に膨張する歪みが生じる。
【0061】生じた歪みは、圧電シート25上方の拘束
層となっている圧電シート22〜24により規制され
る。このため、生じた歪は、上方向へ向かって伸張する
ことができず、下方向(キャビティプレート10方向)
へ向かうこととなる。これにより、キャビティプレート
10の圧力室16に効率的に圧力を負荷することができ
る。
【0062】尚、個別電極31とコモン電極32とが重
ならない部分は、圧電動作の生じない不活性部20cと
なる。上記したスルーホール36,37は、この不活性
部20cに設けられており、個別電極31、コモン電極
32は、それぞれこの不活性部20cをとおって、外部
電源に接続されることとなる。
【0063】以上説明したように、第1実施例の圧電ア
クチュエータ20によれば、電極延出部31c,33
c,35cを積層方向に同じ位置に形成し、切断工程5
5においては、この電極延出部31cなどが切断面に垂
れるように圧電アクチュエータ20を切断することがで
きる。このため、切断面に内部電極(電極延出部)を大
きく露出させることができ、また、切断面に垂れた電極
延出部31c,33c,35cは、積層方向に同位置で
あるので、かかる部分(電極垂部31Xa)を他の部分
と明確に区別することができる。このため、電極垂部3
1Xaを、組立工程59において位置決めマークとして
使用することができる。これにより、圧電アクチュエー
タ20に、位置決めマークを施す工程を新たに設ける必
要がない。
【0064】次に、図5〜図7を使用して、第2実施例
の圧電アクチュエータ120及びその圧電アクチュエー
タ120を用いたインクジェットヘッド並びにそれらの
製造方法について説明する。第1実施例の圧電アクチュ
エータ20は、各電極にスルーホール36,37を介し
て電源供給をするものであったが、第2実施例の圧電ア
クチュエータ120は、各電極に端面電極を介して電源
供給をするものである。また、第1実施例の圧電アクチ
ュエータ20に設けられた電極延出部31c,33c,
35cは、各圧電シート21〜30において、その両側
端縁部に各1であったが、第2実施例の圧電アクチュエ
ータ120においては、全ての電極について電極延出部
が設けられたものである。尚、上記した第1実施例と同
一の部分には、同一の符号を付して、その説明は省略す
る。
【0065】圧電アクチュエータ120は、第1実施例
と同様に10枚の圧電シート121〜130を積層した
構造に形成されている。各圧電シート121〜130の
内、圧電シート126,128,130は、個別電極
(内部個別電極)31及びダミー電極35(個別電極パ
ターンX1)を備えた第1の圧電シートである。また、
圧電シート122〜124,125,127,129
は、コモン電極(内部共通電極)32及びダミー電極3
9(コモン電極パターンX2)を備えた第2の圧電シー
トである。圧電シート121は、表面電極33,34を
備えた第3の圧電シートである。
【0066】また、第1実施例と同様に、個別電極31
の端部31aと表面電極33とダミー電極35とは、積
層方向に対応する位置に設けられている。更に、コモン
電極32の端部32aと表面電極34とダミー電極39
とについても積層方向に対応する位置に設けられてい
る。
【0067】各圧電シート121〜130に備えられた
表面電極33,34、個別電極31、ダミー電極35、
コモン電極32の端部32a、ダミー電極39のそれぞ
れには、全て電極延出部31c,32c,33c,34
c,35c,39cが設けられている。つまり、グリー
ンシートの状態において外部電源(インクジェットプリ
ンタ本体100)と導通をとるべく設けられた電極全て
に、その電極の一端を第1実施例と同様に圧電アクチュ
エータ20の端縁部となる位置を越えて切断しろまで延
出した電極延出部31c,32c,33c,34c,3
5c,39cが設けられているのである。
【0068】各電極延出部31c,32c,33c,3
4c,35c,39cは、第1実施例と同様に切断工程
55を経ることによって積層体の切断面、即ち側面12
0aに垂れ、電極垂部31Xaが形成される。
【0069】各電極垂部31Xaは、積層方向に対応す
る各電極から連続し、それぞれ積層方向に垂れて列をな
すとともに、側面120aにおいて各表面電極33,3
4ごとにその下方に配設されることとなる。
【0070】そして、焼成工程56の後、積層方向に列
をなす電極垂部31Xaには、その上面に重ねて端面電
極133が形成される。端面電極133は、導電ペース
トをスクリーン印刷すること、または蒸着、メッキ等に
よっても形成することができる。また、この工程と連続
して表面電極33,34の上に新しい電極材料を同様の
方法でのせることができる。電極垂部31Xaと端面電
極133とは、接触面積が大きいので、端面電極133
と電極垂部31Xaとは、良好に導通する。この電極垂
部31Xaは、電極(個別電極31、コモン電極32、
表面電極33,34)に導通するものであるので、結果
として、個別電極31どうし、コモン電極32どうしお
よびそれらと表面電極との積層方向の導通を良好にする
ことができる。
【0071】圧電アクチュエータ120はキャビティプ
レート10上に固定される。キャビティプレート10に
は、端面電極133とキャビティプレート10との短絡
を防止するための切り欠き部141が設けられている。
切り欠き部141は、全端面電極133に対応する位置
において、キャビティプレート10の長手方向上面に沿
うように溝状に凹設されている。
【0072】上記した第2実施例の圧電アクチュエータ
120の表面電極33に選択的に電圧を印加すると、そ
れと対応する個別電極31とコモン電極32とに完全に
挟まれた圧電シート125〜129の部分(活性部12
0b)のみに積層方向に膨張する歪みを生じる。尚、個
別電極31とコモン電極32とが重ならない部分は、圧
電動作の生じない不活性部120cとなる。電極延出部
31c,32a1,33c,34c,35c,39c
は、この不活性部120cに設けられており、個別電極
31、コモン電極32は、それぞれこの不活性部120
cをとおって、外部電源に接続されることとなる。
【0073】以上説明したように、第2実施例の圧電ア
クチュエータ120によれば、電極垂部31Xaを形成
することにより、端面電極133と内部電極(個別電極
31,コモン電極32)とを良好に導通させることがで
きる。これにより、内部電極と外部電源、または、個別
電極31どうしあるいはコモン電極32どうしを良好に
導通させることができる。
【0074】また、上記各実施例の圧電アクチュエータ
及びその圧電アクチュエータを用いたインクジェットヘ
ッド並びにそれらの製造方法によれば、積層工程55に
より得られた積層体を、グリーンシートの状態で切断工
程55により切断する。このため、小さな負荷で容易に
切断を行うことができ、効率的且つ安価に圧電アクチュ
エータ20,120を製造することができる。さらに、
電極を圧電アクチュエータの端縁部まで延出した電極延
出部を形成し、切断工程55においては、この電極延出
部31cなどが切断面に垂れるように圧電アクチュエー
タ20,120を切断することができる。このため、切
断面に内部電極(電極延出部)を大きく露出させること
ができ、切断面に垂れたかかる電極延出部(電極垂部3
1Xa)を、組立工程59において位置決めマークとし
て或いは端面電極との良好な接続をとるために使用する
ことができる。
【0075】以上、上記各実施例に基づき本発明を説明
したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものでな
く、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形
が可能であることは容易に推察できるものである。
【0076】例えば、上記第1実施例においては、電極
延出部を備えた電極は、各圧電シート21〜30の長手
方向の両側端部において各1ずつであり、また上記第2
実施例においては、全ての電極31,32,33,3
4,35,39に電極延出部31c,32c,33c,
34c,35c,39cが備えられた。しかし、電極垂
部31Xaをマークとして用いる場合には、これに限ら
れるものではなく、例えば、各圧電シート21〜30の
長手方向に形成される電極の1つおきに電極延出部を形
成し、これにより電極垂部31Xaを形成しても良い。
また、任意の場所の電極に電極延出部を形成し、電極垂
部31Xaを設けても良い。これにより、より正確な位
置決めを行うことや、キャビティプレート10の形状に
適した位置決めを行うことができる。
【0077】また、上記各実施例においては、圧電アク
チュエータの積層方向において対応するすべての個別電
極31、ダミー電極35、表面電極33を各圧電シート
の端部まで延出して電極垂部31Xaを形成させること
としたが、その露出された端部をキャビティプレート1
0との位置決めマークとして利用する場合には、キャビ
ティプレート10側の少なくとも1層の圧電シートか
ら、個別電極31等を露出させれば、他のシートにおい
ては省略してもよい。
【0078】上記各実施例においては、図4、図6にお
いて、垂れた電極延出部が互いに離れているが、電極の
ペーストの粘度などを適宜調整して、相互に接触し合う
長さになるようにすることで、マークとしても大きくな
るし、相互に電気的導通を取る上で好ましい。
【0079】さらに、電極を蒸着、スパッタ等で形成す
ることで、グリーンシートよりもより剪断されにくくな
り、端面20aにあらわれる電極をより大きくすること
ができる。
【0080】また、第2実施例において、電極垂部の上
に端面電極を被覆しているので、端面電極の位置が内部
個別電極の位置を正確に表していない。このため、端面
電極の1つを位置決めマークとして使用し難いところが
あるが、高い位置決め精度を要求しない部品と組み付け
る場合には、使用可能である。
【0081】
【発明の効果】請求項1に記載の圧電アクチュエータの
製造方法によれば、積層工程により得られた積層体を、
切断工程によりグリーンシートの積層方向に切断し、そ
の後焼成工程により焼成する。よって、小さな負荷で容
易に切断を行うことができ、効率的に圧電アクチュエー
タを製造することができるという効果がある。言い換え
れば、切断にかかる負荷が小さいので、切断工程に高価
な高硬度の切断刃を用いた大がかりな装置を導入する必
要がない。このため、低コストで切断を行うことができ
るという効果がある。
【0082】また、切断工程では、積層体を電極延出部
に接する位置で、1の圧電アクチュエータに対応する大
きさに切断することにより、切断面に沿って電極延出部
を垂れさせ、切断面に露出する(電極延出部の)電極面
積を大きくすることができる。このため、この切断面に
垂れた電極延出部を圧電アクチュエータを他の部品と組
み付けるためのマークとして使用したり、その電極延出
部に他の電極材料をのせて電気的な導通をとることが容
易にできる。
【0083】請求項2記載の圧電アクチュエータの製造
方法によれば、請求項1に記載の圧電アクチュエータの
製造方法の奏する効果に加え、内部電極形成工程によ
り、圧電アクチュエータの複数個分の大きさを有するグ
リーンシート上において、各圧電アクチュエータに対応
する位置に内部電極パターン及び電極延出部を形成す
る。よって、1のグリーンシートにより複数の圧電アク
チュエータを製作することができ、圧電アクチュエータ
を低コストで大量に製造することができるという効果が
ある。
【0084】請求項3記載の圧電アクチュエータの製造
方法によれば、請求項1または2に記載の圧電アクチュ
エータの製造方法の奏する効果に加え、焼成工程の後
に、端面電極形成工程を備えており、この端面電極形成
工程により、積層体の切断面上に、その切断面に沿って
垂れた電極延出部に重ねて、内部電極と導通する端面電
極を形成する。よって、端面電極と内部電極とを良好に
導通させることができるという効果がある。切断面に電
極延出部が垂れていると、切断面に露出する(電極延出
部の)電極面積が大きいので、かかる電極延出部上に重
ねて端面電極を形成すれば、端面電極と該電極延出部と
の接触面積を大きくすることができる。このため、かか
る接触面(端面電極と電極延出部との接触面)での電導
性を向上させることができる。電極延出部は、内部電極
の一端が延出されたものであるので、結果として端面電
極と内部電極とを電気的に良好に導通させることができ
る。
【0085】請求項4記載の圧電アクチュエータの製造
方法によれば、請求項1から3のいずれかに記載の圧電
アクチュエータの製造方法の奏する効果に加え、電極延
出部の設けられた内部電極に対応して、それに隣接する
他のシートに形成されるダミー電極について、その一端
を圧電アクチュエータの端縁部に相当する位置まで延出
したダミー電極延出部を形成する。よって、切断工程に
よりダミー電極延出部の形成された積層体を切断すれ
ば、その切断面に沿って電極延出部及びダミー電極延出
部を積層方向に並べて垂れさせることができ、その垂れ
た延出部を前記のようにマークとして使用する場合に
は、識別性をより良くすることができるとともに、ダミ
ー電極をそれが対応する電極と同電位にすることが容易
にできる。
【0086】請求項5記載の圧電アクチュエータの製造
方法によれば、請求項1から4のいずれかに記載の圧電
アクチュエータの製造方法の奏する効果に加えて、内部
電極形成工程は、複数の内部個別電極からなる内部個別
電極パターンを第1のグリーンシート上に形成する工程
と、内部共通電極パターンを第2のグリーンシート上に
形成する工程とからなり、かつ電極延出部を、内部個別
電極または内部共通電極パターンの一端を延出して各第
1のグリーンシートまたは各第2のグリーンシートにお
いてほぼ同じ位置に形成する。その後、積層工程によ
り、第1のグリーンシートと第2のグリーンシートとを
交互に積層する。よって、積層体の切断面に垂れた状態
に形成される電極延出部を、切断面のほぼ同じ位置に形
成することができる。即ち、積層体の切断面には、電極
延出部が積層方向に連なるように(或範囲内に集中的
に)配設されることとなり、これを前記のようにマーク
として使用する場合、明確に識別でき、また、積層方向
に対応する内部個別電極どうし、内部共通電極どうしの
電気的導通をとる場合には、その導通を確実に行うこと
ができる。
【0087】請求項6記載のインクジェットヘッドの製
造方法によれば、請求項1から5に記載の製造方法で製
造された圧電アクチュエータをキャビティプレートに重
ねて固定する。かかる場合に、圧電アクチュエータの切
断面に沿って垂れた電極延出部を位置決めマークとし
て、圧電アクチュエータとキャビティプレートとを位置
決めし、両者を重ねる。よって、圧電アクチュエータに
新たにマークを施す工程を設けることなく、圧電アクチ
ュエータの内部電極と圧力室を精度良く対応させること
ができるという効果がある。
【0088】請求項7記載の圧電アクチュエータによれ
ば、内部電極の少なくとも1の一端が圧電シートの端縁
部まで延出した電極延出部を、圧電シートの積層体の側
面に沿って垂れた状態に形成しているので、積層体の側
面に露出する(電極延出部の)電極面積を大きくするこ
とができるという効果がある。このため、この切断面に
垂れた電極延出部を圧電アクチュエータを他の部品と組
み付けるためのマークとして使用したり、その電極延出
部に他の電極材料をのせて電気的な導通をとることが容
易にできる。
【0089】請求項8記載の圧電アクチュエータによれ
ば、請求項7記載の圧電アクチュエータの奏する効果に
加え、圧電シートの積層体の側面に、その側面に沿って
垂れた電極延出部に重ねられ内部電極と導通する端面電
極を備えているので、請求項3記載と同様に端面電極と
内部電極とを良好に導通させることができるという効果
がある。
【0090】請求項9記載の圧電アクチュエータによれ
ば、請求項7または8に記載の圧電アクチュエータの奏
する効果に加え、電極延出部は、積層方向にほぼ並ぶよ
うに各圧電シートにおいてほぼ同位置に設けられている
ので、圧電シートの積層体の側面の或範囲に、集中して
電極延出部を現出させることができる。このため、その
延出部を前記のようにマークとして使用する場合には、
明確に識別でき、また、電極を相互に導通させる等する
場合には延出部を他の電極材料と容易に導通をとること
ができる。
【0091】請求項10記載の圧電アクチュエータによ
れば、請求項7から9のいずれかに記載の圧電アクチュ
エータの奏する効果に加え、不活性部上の内部電極の部
分と積層方向に対応する他のシートの不活性部にダミー
電極を備えるとともに、電極延出部の設けられた内部電
極に対応して、それに隣接する他のシートに形成される
ダミー電極について、その一端を圧電アクチュエータの
端縁部に相当する位置まで延出したダミー電極延出部を
備えるので、ダミー電極延出部を内部電極の電極延出部
とほぼ同じ位置に積層方向に並ぶように設けることがで
きる。このため、より多くの電極延出部を露出させるこ
とができ、これを前記のようにマークとして使用する場
合には、識別性をより良くすることができ、またダミー
電極と内部電極とを同電位にする場合、両電極の延出部
を他の電極材料と容易に導通させることができる。
【0092】請求項11記載の圧電アクチュエータによ
れば、請求項7から10のいずれかに記載の圧電アクチ
ュエータの奏する効果に加え、複数の内部個別電極を備
えた第1の圧電シートと、内部共通電極を備えた第2の
圧電シートとが交互に積層されている。各第1または第
2の圧電シートにおいて、内部個別電極または内部共通
電極の一端が延出された電極延出部は、各第1の圧電シ
ートまたは各第2の圧電シートにおいてほぼ同じ位置に
設けられ、積層方向に並ぶようにあるので、電極延出部
が積層方向に連なるように(或範囲内に集中的に)配設
されることとなり、これを前記のようにマークとして使
用する場合、明確に識別でき、また、積層方向に対応す
る内部個別電極どうし、内部共通電極どうしの電気的導
通をとる場合には、その導通を確実に行うことができ
る。
【0093】請求項12記載のインクジェットヘッドに
よれば、請求項7から11のいずれかに記載の圧電アク
チュエータと、インク吐出ノズルに連通する圧力室を有
するキャビティプレートとを備え、側面に沿って垂れた
電極延出部と対応するキャビティプレート上の位置に、
内部電極と圧力室とを位置決めするための位置決めマー
クを設けているので、そのマークと圧電アクチュエータ
の側面に沿って垂れた電極延出部とを組み合わせること
により、正確に圧電アクチュエータとキャビティプレー
トとを組み立てることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】圧電アクチュエータを用いて製造したインクジ
ェットヘッドを搭載したインクジェットプリンタを示す
斜視図である。
【図2】圧電アクチュエータを用いたヘッドの斜視図で
ある。
【図3】プレート型圧電アクチュエータの製造方法を示
した図である。
【図4】プレート型圧電アクチュエータの分解斜視図で
ある。
【図5】第2実施例のヘッドの斜視図である。
【図6】第2実施例のプレート型圧電アクチュエータの
分解斜視図である。
【図7】グリーンシートの積層体の切断過程を説明する
断面図である。
【符号の説明】
6 ヘッド
(インクジェットヘッド) 10 キャビテ
ィプレート 16 圧力室 20,120 圧電アク
チュエータ 20b,120b 活性部 20c,120c 不活性部 21〜30,121〜130 圧電シー
ト 26,28,30,126,128,130 第1の圧
電シート 22〜24,25,27,29 第2の圧
電シート 122〜124,125,127,129 第2の圧
電シート 31 個別電極
(内部電極の一部、内部個別電極) 31c〜34c, 電極延出
部(電極延出部) 31Xa 電極垂
部、位置決めマーク(位置決めマーク) 32 コモン電
極(内部電極の一部、内部共通電極) 35,39 ダミー電
極 35c,39c 電極延出
部(ダミー電極延出部) 41,141 切り欠き
部(位置決めマーク) 53 電極印刷
工程(内部電極形成工程) 54 積層工程
(積層工程) 55 切断工程
(切断工程) 56 焼成工程
(焼成工程) 57 電極形成
工程(端面電極形成工程) 59 組立工程
(組み立て工程) 100 外部電
源、インクジェットプリンタ本体(外部電源) 110 グリーン
シート、第1のグリーンシート、第2のグリーンシート
(グリーンシート、シート、第1のグリーンシート、第
2のグリーンシート) 111 積層体
(積層体) 133 端面電極 X1,X2 電極パタ
ーン(内部電極パターン)ノズル(インク吐出ノズル)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 41/09

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1の圧電アクチュエータの平面形状より
    も大きい平面形状を有するグリーンシート上に、1の圧
    電アクチュエータに対応する内部電極パターンと、該内
    部電極パターンの少なくとも1の内部電極の一端を前記
    圧電アクチュエータの端縁部に相当する位置まで延出し
    た電極延出部とを形成する内部電極形成工程と、 その内部電極形成工程により前記内部電極パターン及び
    電極延出部が形成されたグリーンシートを複数枚積層し
    て積層体を得る積層工程と、 その積層工程で得られた前記積層体を、前記1の圧電ア
    クチュエータに対応する大きさに、前記電極延出部に接
    する位置で前記グリーンシートの積層方向に切断し、そ
    の切断面に沿って前記電極延出部を垂れさせる切断工程
    と、 その切断工程で切断された前記積層体を焼成する焼成工
    程とを備えていることを特徴とする圧電アクチュエータ
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記グリーンシートは、圧電アクチュエ
    ータの複数個分の大きさを有するものであり、前記内部
    電極形成工程は、前記グリーンシート上の各圧電アクチ
    ュエータに対応する位置に前記内部電極パターン及び電
    極延出部を形成するものであることを特徴とする請求項
    1に記載の圧電アクチュエータの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記焼成工程の後に、前記積層体の切断
    面上に、その切断面に沿って垂れた前記電極延出部に重
    ねて、前記内部電極と導通する端面電極を形成する端面
    電極形成工程を備えることを特徴とする請求項1または
    2に記載の圧電アクチュエータの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記圧電アクチュエータは、前記積層方
    向に対向する前記内部電極間に挟まれ該電極間への電圧
    の印可により変形する活性部と、変形しない不活性部と
    を有するものであり、前記内部電極が前記活性部から不
    活性部をとおって外部電源に接続され、前記不活性部上
    の内部電極の部分と前記積層方向に対応する他のシート
    の不活性部にダミー電極を備え、 前記内部電極形成工程は、前記シート上に前記内部電
    極、ダミー電極を形成するとともに、前記電極延出部の
    設けられた内部電極に対応して、それに隣接する他のシ
    ートに形成されるダミー電極について、その一端を前記
    圧電アクチュエータの端縁部に相当する位置まで延出し
    たダミー電極延出部を形成することを特徴とする請求項
    1から3のいずれかに記載の圧電アクチュエータの製造
    方法。
  5. 【請求項5】 前記内部電極形成工程は、複数の内部個
    別電極からなる内部個別電極パターンを第1のグリーン
    シート上に形成する工程と、内部共通電極パターンを第
    2のグリーンシート上に形成する工程とからなり、かつ
    前記電極延出部を、前記内部個別電極または前記内部共
    通電極パターンの一端を延出して前記各第1のグリーン
    シートまたは各第2のグリーンシートにおいてほぼ同じ
    位置に形成するものであり、 前記積層工程は、前記第1のグリーンシートと第2のグ
    リーンシートとを交互に積層するものであることを特徴
    とする請求項1から4のいずれかに記載の圧電アクチュ
    エータの製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1から5のいずれかに記載の製造
    方法で製造された圧電アクチュエータを、インク吐出ノ
    ズルに連通する圧力室を有するキャビティプレートに重
    ねて固定する組み立て工程を備え、その組み立て工程
    は、前記切断面に沿って垂れた前記電極延出部を位置決
    めマークとして前記内部電極と圧力室とを位置決めする
    ことを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。
  7. 【請求項7】 内部電極を挟んで複数の圧電シートを積
    層した圧電アクチュエータにおいて、 前記内部電極の少なくとも1の一端を前記圧電シートの
    端縁部まで延出した電極延出部を備え、 その電極延出部は、前記圧電シートの積層体の側面に沿
    って垂れた状態に形成されていることを特徴とする圧電
    アクチュエータ。
  8. 【請求項8】 前記圧電シートの積層体の側面に、その
    側面に沿って垂れた前記電極延出部に重ねられ、前記内
    部電極と導通する端面電極を備えることを特徴とする請
    求項7に記載の圧電アクチュエータ。
  9. 【請求項9】 前記電極延出部は、積層方向にほぼ並ぶ
    ように前記各圧電シートにおいてほぼ同位置に設けられ
    ていることを特徴とする請求項7または8に記載の圧電
    アクチュエータ。
  10. 【請求項10】 前記圧電アクチュエータは、前記積層
    方向に対向する前記内部電極間に挟まれ該電極間への電
    圧の印可により変形する活性部と、変形しない不活性部
    とを有するものであり、前記内部電極が前記活性部から
    不活性部をとおって外部電源に接続され、前記不活性部
    上の内部電極の部分と前記積層方向に対応する他の圧電
    シートの不活性部にダミー電極を備えるとともに、前記
    電極延出部の設けられた内部電極に対応して、それに隣
    接する他の圧電シートに形成されるダミー電極につい
    て、その一端を前記圧電アクチュエータの端縁部に相当
    する位置まで延出したダミー電極延出部を備え、該ダミ
    ー電極延出部は前記圧電シートの積層体の側面に沿って
    垂れた状態に形成されていることを特徴とする請求項7
    から9のいずれかに記載の圧電アクチュエータ。
  11. 【請求項11】 前記圧電アクチュエータは、複数の内
    部個別電極を備えた第1の圧電シートと、内部共通電極
    を備えた第2の圧電シートとを交互に積層して備えてお
    り、かつ前記電極延出部は、前記内部個別電極または前
    記内部共通電極の一端を延出して前記各第1の圧電シー
    トまたは各第2の圧電シートにおいて積層方向に並ぶよ
    うにほぼ同じ位置にあることを特徴とする請求項7から
    10のいずれかに記載の圧電アクチュエータ。
  12. 【請求項12】 請求項7から11のいずれかに記載の
    圧電アクチュエータと、インク吐出ノズルに連通する圧
    力室を有するキャビティプレートとを備え、前記側面に
    沿って垂れた前記電極延出部と対応するキャビティプレ
    ート上の位置に、前記内部電極と圧力室とを位置決めす
    るための位置決めマークを設けたことを特徴とするイン
    クジェットヘッド。
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