JP2005246841A - 液滴吐出ヘッド及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ヘッド構成部材を組み立てるときの圧力室にゴミなどが侵入して動作不良が発生したり、ノズル面に付着したインクがアクチュエータ手段まで侵入して動作不良を生じたりする。
【解決手段】 流路板4には流路ユニット6とアクチュエータユニット10とを接着剤接合するときに、接着面と平行な方向から見ることができる3個のアライメントマーク25、26、27を形成し、一方、複数の圧電素子7を形成した2つの圧電素子部材8、8間には隙間33を設けるとともに、各圧電素子部材8、8には溝を形成して、これらの隙間33の両側開口及び溝34の開口を流路ユニット6と接合するときに、接着面と平行な方向から見ることができる3個の切り欠きとして使用した。
【選択図】図5

Description

本発明は液滴吐出ヘッド及び画像形成装置に関する。
プリンタ、ファクシミリ、コピー、プリンタ/FAX/コピー等の画像形成装置として、記録液の液滴を吐出する液滴吐出ヘッドを備えたものがある。この液滴吐出ヘッドは、液滴を吐出するノズルが連通する圧力室(液室、加圧室などともいう。)と、各圧力室の記録液を加圧するエネルギーを発生するエネルギー発生手段としての電気機械変換素子や発熱抵抗体などを備え、記録信号に応じてノズルから液滴を用紙等の被記録媒体に吐出することによって、高速、高密度、高品質の画像形成を行なうものである。
液滴吐出ヘッドとしては種々の構造のものが知られているが、例えば、基板上に複数の圧電素子を設け、この圧電素子に振動板の変位部を接合し、この振動板上に変位部に対応する液室を形成するための液室形成部材を設け、この液室形成部材上に振動板の変位部に対向するノズルを形成したノズル板を設けて、圧電素子を駆動することで振動板を介して液室内の液体を加圧し、ノズル板のノズルから液滴を吐出するようにしたものがある。
このような液滴吐出ヘッドおいて、高密度、高品質記録を行うためにはヘッド構成部品の個々の精度を高くしなければならないと共に、ノズル板、圧力室を形成する部材、振動板、圧電素子等の各構成部品を組み立てるときの組立て精度を高くする必要がある。
この組立て精度が低くなると、圧電素子等の変位が効率的に振動板から圧力室に伝達されなくなって、液体の吐出効率が低下したり、複数の圧電素子を同時に駆動したときに相互干渉を生じて吐出速度が低下したりして、画像品質が低下するなどの不都合が生じる。
そこで、従来、インクジェットヘッドとして、特許文献1に開示されているように、ノズルを形成したノズル板と振動板に両者を位置合わせする位置合わせ手段を設け、ノズル板と圧電素子を設けた基板に両者を位置合わせするための位置合わせ手段を設け、位置合わせ手段を光学的に検出して位置合わせして接合するようにしたものがある。
特開平8−187928号公報
また、特許文献2に開示されているように、ノズル板、液室形成部材及び振動板からなる流路ユニットと、基板に圧電素子を設けたアクチュエータユニットとに位置合わせ用の貫通穴を形成して、この貫通穴に位置決め部材を差し込むことで位置合わせを行うものもある。
特開2002−280470号公報
さらに、他の位置合わせ構造としては、図20ないし図28に示すようなものもある。
つまり、図20及び図21に示すように、インクを吐出するためのノズル孔502を形成したノズル板503には、そのノズル列方向の両端部にアライメントマークとしての貫通穴521を各一個ずつ形成する。
また、図22ないし図24に示すように、ノズル孔502が連通する圧力室516及びノズル孔502と圧力室516を連通するノズル連通路517などを形成した流路板504には、圧力室516の並び方向の延長線上の両端部にアライメントマークとして貫通穴525を形成するとともに、ノズル板503との接合面には非貫通の窪み526を、後述する振動板505との接合面には非貫通の窪み527をそれぞれ形成する。
さらに、図25及び図26に示すように、圧力室516の壁面を形成する振動板505には、その長辺方向の両端部にアライメントマークとしての貫通穴529、530をそれぞれ形成する。
一方、図27及び図28に示すように、エネルギー発生手段となる複数の圧電素子520をスリット溝521によって分割して形成した圧電素子部材507、507を所定の隙間を置いて配置することで、圧電素子部材507、507間の隙間508をアライメントマークとするとともに、圧電素子部材507の両端部にアライメントマークとなる溝534をそれぞれ形成している。
このヘッドを組み立てるときには、図29及び図30に示すように、振動板505と流路板504とを、振動板505に形成した位置合わせ用のアライメントマーク530と、流路板504に形成した位置合わせ用のアライメントマーク527を振動板505側から見ながら接合する。このとき、振動板505に形成した位置合わせ用の貫通穴529と流路板504に形成した位置合わせ用の貫通穴525の中心点が一致するように接合する。
次に、接合された流路板504及び振動板505と、圧電素子部材507の各圧電素子520とを接合する。このとき、図30に示すように、流路板504に設けられた貫通穴525及び振動板505に設けられた貫通穴529を介して、圧電素子部材507側の隙間608及び溝534で形成される十字線を流路板504側から見ることにより高精度に接合する。
その後、上記の工程で接合したユニットにノズル板503を接合する。このとき、ノズル板503に形成した位置合わせ用の貫通穴521と、流路板504に設けられたアライメントマーク526をノズル板503側から見ながら接合する。
しかしながら、上記特許文献1に記載のヘッドにあっては、流路ユニットとアクチュエータユニットを接合する際に、基板に設けられたアライメントマークを目標にするために、圧電素子よりも基板を大きく製作しなければならず、結果としてヘッドが大きくなり、かつ、製作コストがかかるという課題がある。
また、特許文献2に記載のヘッドにあっては、ノズル板の表面に貫通穴が形成されるために、ノズル表面に付着したインクが貫通穴と位置決め部材との隙間を通じてアクチュエータユニット内に侵入して、動作不良が生じるおそれがあるという課題がある。
さらに、図20ないし図30で説明した位置合わせ構造にあっては、組立て工程が煩雑になるのに加えて、流路ユニットを構成する工程が、アクチュエータユニットに流路板を接合した後になるため、組み立て時にゴミ等の不純物が圧力室に混入しやすくなり、それにより、インクの吐出異常を起こす原因になる。
これを防止するために、流路ユニットを組み立てた後に、アクチュエータユニットを接合しようとした場合、ノズル板503と流路板504、振動板505の三部材を貫通するアライメントマークが必要になるが、この場合には、上記特許文献2と同様に、ノズル面に付着したインクがアクチュエータユニット側に浸透してしまい、動作不良を起こす原因となる。この場合、貫通穴を接着剤などの封止剤で塞ぐことは、一般にノズル板の表面には撥水加工がなされているため、接着剤の塗布が困難である。
また、流路板をシリコン基板から形成した場合、流路板に位置合わせ用の貫通穴を形成するためには、一方の面には圧力室などを形成することから、流路板の両面からエッチングを行なう必要がある。そのため、流路板に形成する貫通穴は、圧力室を形成するために用いるマスクと異なるマスクを用いて形成しなければならなくなるが、両者のマスクの位置誤差が、部材の接合の際の誤差を招く原因となり、ヘッドの信頼性の低下を招くという課題もある。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、組み立て工程の簡略化、組み立て精度の向上を図れる液滴吐出ヘッド及びこの液滴吐出ヘッドを備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明に係る液滴吐出ヘッドは、エネルギー発生手段又はエネルギー発生手段を設ける部材と圧力室を形成する部材の双方に、両者の接着面と平行な方向から見ることのできる、少なくとも三箇所の位置合せ用の切り欠きが形成されている構成とした。
ここで、ノズルの列が少なくとも2列以上形成され、そのノズルの列に対応するエネルギー発生手段の列を有し、各エネルギー発生手段の列の間が、切り欠きの少なくとも一つを兼ねていることが好ましい。また、エネルギー発生手段が圧電素子からなることが好ましい。
さらに、圧力室を形成する部材には圧力室に連通する流路の一端が接着面と直交する方向の端面に開口して形成され、この流路の開口が位置合せ用の切り欠きの少なくとも一つを兼ねていることが好ましい。また、圧力室と、圧力室を形成する部材に設けられる位置合せ用の切り欠きが、同一の工程で形成されたものであることが好ましい。
本発明に係る画像形成装置は、本発明に係る液滴吐出ヘッドを備えたものである。
本発明に係る液滴吐出ヘッドによれば、エネルギー発生手段又はエネルギー発生手段を設ける部材と圧力室を形成する部材の双方に、両者の接着面と平行な方向から見ることのできる、少なくとも三箇所の位置合せ用の切り欠きが形成されているので、部品選定の自由度を高く保ち、かつ部品点数を増やすことなく、高精度の部材の接合が可能となる。
本発明に係る画像形成装置によれば、本発明に係る液滴吐出ヘッドを備えているので、高品質で信頼性の高い画像形成装置を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態について図1ないし図4を参照して説明する。なお、図1は本発明に係る液滴吐出ヘッドの斜視説明図、図2は同ヘッドの分解斜視図、図3は同ヘッドの流路板の平断面説明図、図4は同ヘッドの側面説明図である。
この液滴吐出ヘッド1は、液滴を吐出するノズル孔2が形成されたノズル板3と、ノズル孔2が連通する圧力室16(後述する図10)を形成する部材である流路板4と、圧力室16の一つの壁面を形成し、エネルギー発生手段である圧電素子7と接合される振動板5とにより構成する流路ユニット6と、圧力室16の記録液(インク)を加圧するためのエネルギーを発生するエネルギー発生手段である圧電素子7と、圧電素子7を支持する基板8と、圧電素子7を駆動するための電力を供給するFPC9とにより構成するアクチュエータユニット10と、このアクチュエータユニット10を収納する空間11と、流路ユニット6にインクを供給する共通液室12と、図示しないインクタンクから共通液室12にインクを供給する供給口13を有し、上平面14に流路ユニット6を接合するフレーム15の3つのユニットで構成されている。
次に、このヘッドを構成する各部材の詳細について図5ないし図15を参照して説明する。なお、図5は同ヘッドの要部分解斜視説明図、図6はノズル板の斜視説明図、図7は同ノズル板の要部平面説明図、図8は流路板の斜視説明図、図9は同流路板の要部平面説明図、図10は同流路板の底面から見た要部底面説明図、図11は同流路板の側面説明図、図12は振動板の斜視説明図、図13は同振動板の要部平面説明図、図14は図5のノズル並び方向と直交する方向から見た同ヘッドの分解説明図、図15はノズルの並び方向から見た同ヘッドの分解説明図である。
ノズル板3は、図5ないし図7に示すように、インクを吐出するための複数のノズル孔2を並べた列を2列有している。このノズル板3には、ノズル孔2の並び方向の両側の端面の中央部に、部材の接合の際の位置合せ手段として使用する切り欠き(以下「アライメントマーク」ともいう。)21、22を各一個ずつ形成し、また、ノズル孔2の並び方向に沿う一端面に、ノズル孔2の並び方向で一方の端面とノズル孔2の列の端との間に相当する領域内に、一個のアライメントマーク23を形成している。これらのアライメントマーク21〜23は、いずれもノズル板3の厚み方向ではノズル板3を貫通して形成し、また端面に開口していることにより流路板4との接合面(接着面)と平行な方向から見ることができる。
このノズル板3は例えばNi電鋳で形成しているが、これに限るものではなく、樹脂やSUS等、様々な部材で形成することができる。
流路板4は、図5及び図8ないし図11に示すように、例えばSi部材で形成し、ノズル孔2に対応した複数の個別の圧力室16及び圧力室16とノズル孔2とを連通するノズル連通路16a、圧力室16に共通液室8からインクを供給するための流体抵抗部を兼ねたインク供給路17などをフォトリソグラフィー及び異方性エッチングで形成している。なお流路板4の形成部材はSiに限るものではなく、SUSやNiといった金属へのエッチングやプレス加工、あるいは樹脂等を加工して作製することもできる。
この流路板4には流路ユニット6とアクチュエータユニット10とを接着剤接合するときに、接着面と平行な方向から見ることができる3個のアライメントマーク(位置合せ用切り欠き)25、26、27を形成している。ここで、流路板4のアライメントマーク25、26はノズル孔2の並び方向の両側の端面に形成し、アライメントマーク27はノズル孔2の並び方向と直交する方向の一端面に、ノズル孔2の列の端とノズル2の並び方向の一方の端面との間に相当する領域内に形成している。また、アライメントマーク25〜27は、振動板5側の接合面から厚み方向に所定の深さで形成し、厚み方向には貫通させていないが、端面に開口しているので接着面と平行な方向から見ることができる。
この流路板4のアライメントマーク25、26、27は、上記の個別の圧力室16を形成する工程で同時に形成する。このとき、個別の圧力室16の並び方向の延長線上に位置するアライメントマーク25、26の深さを個別の圧力室16の深さと同じにすることにより、同じ工程でアライメントマーク25、26及び圧力室16の両方の加工をすることができる。
このような構成にすることにより、個別の圧力室16と同じ精度の切り欠き25、26を形成することができ、位置決めの精度をより向上させることができる。また、切り欠き25、26を作る工程を別に設ける必要がないため、ヘッド製作に要する時間を節約でき、コストの削減を図れる。
また、本実施形態では、形成されるアライメントマークとなる切り欠き25〜27は、加工側の面(図10の面)からみて長方形に形成しているが、Si結晶の配向によっては長方形の穴を作ることが難しく、平行四辺形の加工しかできない場合があるが、この場合、複数の平行四辺形を連続的に形成し、それらを繋ぐ補助的なパターンを作ることで、擬似的な長方形を形成することができる。
また、アライメントマークとなる切り欠き25〜27の形状は矩形に限るものではなく、多角形、円形等様々な形状で形成することも可能である。
振動板5は、図5、図12及び図13に示すように、例えばNiの薄膜で形成され、個別の圧力室16の壁部を形成し、エネルギー発生手段である圧電素子7の変位を圧力室16へと伝達する機能を有している。また、ノズル板3と同様な位置に、アライメントマークと21〜23と同様なアライメントマーク29、30、31を形成している。
この振動板5もノズル板3と同様に電鋳で形成しているが、これに限るものではなく、樹脂やSUS等、様々な部材で形成することが可能である。
圧電素子7はノズル孔2の列に対応するように配置している。具体的には、図5、図14及び図15に示すように、基板8上に接合した2つの圧電素子部材18、18に対して所定のピッチで溝19を形成することで櫛歯状に溝加工することで個々の圧電素子7を形成している。
ここで、ノズル孔2の並び方向に沿う圧電素子部材18、18間の隙間33の両端側開口と、圧電素子部材18、18にダイシングなどで溝19を加工するときに、ノズル孔2の並び方向と直交する方向に形成した溝34の開口を、それぞれ接着面と平行な方向から見ることのできる位置合わせ用の切り欠き(アライメントマーク)として使用する。
つまり、本実施形態ではエネルギー発生手段としての圧電素子7を設ける部材である2つの圧電素子部材18,18にアライメントマークを設けた構成とし、かつ、2つの圧電素子部材18,18間の隙間3がアライメントマークを兼ねる構成としている。なお、圧電素子部材18自体をエネルギー発生手段と見た場合にはエネルギー発生手段に位置合わせ用の切り欠き(アライメントマーク)を設けていることになる。
そこで、このヘッド1における各部材の接合方法について説明する。
先ず、流路板4と振動板5とを接合する。流路板4のアライメントマーク25、26、27が形成されている面(振動板5との接合面)に接着剤を塗布し、流路板4のアライメントマーク25、26、27と振動板5のアライメントマーク29、30、31を、図5の矢印A、B、Cの方向からCCDカメラなどの撮像手段で撮像して画像処理を行い、図5のZ方向に押圧することで精度良く接合する。
次に、振動板5を接合した流路板4にノズル板3を接合する。流路板4のアライメントマーク25、26、27が形成されていない面に接着剤を塗布し、アライメントマーク25、26、27と、ノズル板3のアライメントマーク21、22、23を、図5の矢印A、B、Cの方向からCCDカメラなどの撮像手段で撮像して画像処理を行い、図5のZ方向に押圧することで精度良く接合する。
これにより、流路ユニット6が形成される。
次に、圧電素子7を含むアクチュエータユニット10と流路ユニット6とを接合する。圧電素子7の上面に接着剤を塗布し、流路板4に形成されたアライメントマーク25、26、27と、圧電素子部材18、18の間隙で形成される溝33とダイシングによって形成された溝34を、図5の矢印A、B、Cの方向からCCDカメラで撮像して画像処理を行い、図5のZ方向に押圧することで精度良く接合する。
このように、圧力室を形成する部材とエネルギー発生手段又はエネルギー発生手段を設ける部材の双方に、接着面に平行な方向から見ることのできる少なくとも三箇所のアライメントマークである位置合わせ用の切り欠きを設けることにより、部材選定の自由度を高く保ち、かつ、部材点数を増やすことなく、位置決めや接合の精度を高く保つことができる。
また、流路ユニット6を形成した後に、アクチュエータユニット10やフレーム15との接合を実施することができるため、部材の組立工程における圧力室16を含む流路ユニット6へのゴミ等の不純物の混入を抑えて、歩留まりを向上させることができ、信頼性の高いインクジェットヘッドを作製することが可能となる。
次に、本発明に係る液滴吐出ヘッドの第2実施形態について、図16を参照して説明する。なお、図16は同実施形態の説明に供するヘッドの流路板の斜視説明図である。
本実施形態の流路板40は、個別の圧力室16及びインク供給路17に連続する流路41をそのまま圧力室16の並び方向に沿う端面まで延ばして形成することで開口42を形成し、この開口41がアライメントマークを兼ねる構成としている。
このような構成にすることにより、第1実施形態のようなアライメントマークとしての切り欠きを設けなくとも、図16におけるX方向への位置合わせについては、この開口42がアライメントマークを兼ねることにより、各部材を精度良く接合することができる。
また、Y方向及びθ方向については、第1実施形態において用いた流路板4と同様に、流路板40の個別の圧力室41の並び方向の端面にアライメントマーク25、26(26は図示していない。)を形成して、これらのアライメントマーク25、26を用いて位置合わせをする。
次に、本発明に係る液滴吐出ヘッドの第3実施形態について、図17を参照して説明する。なお、図17は同実施形態の説明に供する平面説明図である。
上述した各実施形態では、流路板4と振動板5とを接合する工程において、二つの部材の幅が異なる場合、流路板4のアライメントマーク27と振動板5のアライメントマーク31を、図5の矢印Aの方向から見たときにCCDカメラのピントがどちらか一方のアライメントマークにしか合わない可能性がある。また、二つの部材の長さが異なれば、流路板4のアライメントマーク25、26と振動板のアライメントマーク29、30についても同様のことが生じる可能性がある。
そこで、本実施形態においては、振動板5には、切り欠きの形状が長方形ではなく、例えば、平面形状で先端が細くなっている形状のアライメントマーク55、57を設ける。このアライメントマーク55、57の先端は流路板4の端面まで臨む位置とすることで、流路板4に設けられたアライメントマーク25、27と振動板5のアライメントマーク55、57は同じ位置か重なり合う位置にすることができる。なお、流路板4、振動板5のアライメントマーク55、57とノズル列並び方向の反対側の端面には前記第1実施形態で説明したと同様なアライメントマークを設けるが、図示を省略している。
このように構成することで、図17の矢印A、Bの方向からCCDカメラで見たときにピントが合い、流路板4と振動板5を精度良く接合することができる。なお、アライメントマークとなる切り欠きの形状は、上記形状に限るものではなく、同様の効果が得られるものであれば、他の形状でも構わない。
また、このような構成は、流路ユニット6とアクチュエータユニット10の関係でも適用することができる。つまり、流路ユニット6とアクチュエータユニット10を接合する際に、先の実施形態では、流路板4のアライメントマーク25、26、27とアクチュエータユニット10のアライメントマーク33、34、35を見て合わせていたが、このような場合にも、ピントが合わない可能性がある。
そこで、流路板4に、図示しないが、上記の振動板5のアライメントマーク55、56、57と同様の形状のアライメントマークを設けて、圧電素子7のアライメントマークと位置合わせをすることができる。
なお、上述したピントが合わない可能性を解決するためには、例えば、CCDカメラで取り込んだ流路板4のアライメントマーク25、26、27の画像を記憶装置に記憶しておき、同一のカメラでアクチュエータユニット10や振動板5のアライメントマークを見て、先に記憶した流路板4のアライメントマークを呼び出して、画像処理を実施し、接合を行うことも可能である。
また、上記各実施形態では圧電素子をエネルギー発生手段に用いたヘッド構成で説明したが、発熱抵抗体をエネルギー発生手段に用いるヘッド構成でも、圧力室を形成する部材と発熱抵抗体を設ける部材との有する場合には、同様に適用することができる。
次に、本発明に係る液滴吐出ヘッドを備えた液体吐出装置としての本発明に係る画像形成装置としてのインクジェット記録装置について図6及び図7を参照して説明する。なお、図6は同画像形成装置の機構部の全体構成を説明する構成図、図7は同装置の要部平面説明図である。
この画像形成装置は、図示しない左右の側板に横架したガイド部材であるガイドロッド101とステー102とでキャリッジ103を主走査方向に摺動自在に保持し、主走査モータ104に取り付けたプーリ106aと他方側に配置したプーリ106bとの間にタイミングベルト105にキャリッジ103を取り付けて、主走査モータ104でタイミングベルト105を介してキャリッジ103をキャリッジ主走査方向に移動走査する。
このキャリッジ103には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出する本発明に係る液滴吐出ヘッドである4個のインクジェットヘッドからなる記録ヘッド107を複数の吐出口を主走査方向と交叉する方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。
また、キャリッジ103には、記録ヘッド107に各色のインクを供給するための各色のサブタンク108を搭載している。このサブタンク108には図示しないインク供給チューブを介してメインタンク(インクカートリッジ)からインクが補充供給される。
一方、給紙カセット110などの用紙積載部(圧板)111上に積載した用紙112を給紙するための給紙部として、用紙積載部111から用紙112を1枚づつ分離給送する半月コロ(給紙コロ)113及び給紙コロ113に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド114を備え、この分離パッド114は給紙コロ113側に付勢されている。
そして、この給紙部から給紙された用紙112を記録ヘッド107の下方側で搬送するための搬送部として、用紙112を静電吸着して搬送するための搬送ベルト121と、給紙部からガイド115を介して送られる用紙112を搬送ベルト121との間で挟んで搬送するためのカウンタローラ122と、略鉛直上方に送られる用紙112を略90°方向転換させて搬送ベルト121上に倣わせるための搬送ガイド123と、押さえ部材124で搬送ベルト121側に付勢された先端加圧コロ125とを備えている。また、搬送ベルト121表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ126を備えている。
ここで、搬送ベルト121は、無端状ベルトであり、搬送ローラ127とテンションローラ128との間に掛け渡されて、副走査モータ131からタイミングベルト132及びタイミングローラ133を介して搬送ローラ127が回転されることで、ベルト搬送方向(副走査方向)に周回するように構成している。
この搬送ベルト121は、抵抗制御を行っていない純粋な厚さ40μm程度の樹脂材、例えばETFEピュア材で形成した用紙吸着面となる表層21aと、この表層と同材質でカーボンによる抵抗制御を行った裏層(中抵抗層、アース層)とを有している。
帯電ローラ126は、搬送ベルト121の表層に接触し、搬送ベルト21の回動に従動して回転するように配置され、加圧力として軸の両端に各2.5Nをかけている。また、搬送ローラ127はアースローラの役目も担っており、搬送ベルト121の中抵抗層(裏層)と接触配置され接地している。
また、搬送ベルト21の裏側には、記録ヘッド107による印写領域に対応してガイド部材136を配置している。このガイド部材136は、上面が搬送ベルト121を支持する2つのローラ(搬送ローラ127とテンションローラ128)の接線よりも記録ヘッド107側に突出している。これにより、搬送ベルト121は印写領域ではガイド部材136の上面にて押し上げられてガイドされる。
さらに、記録ヘッド107で記録された用紙112を排紙するための排紙部として、搬送ベルト121から用紙112を分離するための分離部と、排紙ローラ142及び排紙コロ143と、排紙される用紙112をストックする排紙トレイ144とを備えている。また、背部には両面給紙ユニット151が着脱自在に装着されている。この両面給紙ユニット151は搬送ベルト121の逆方向回転で戻される用紙112を取り込んで反転させて再度カウンタローラ122と搬送ベルト121との間に給紙する。
このように構成した画像形成装置においては、給紙部から用紙112が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された用紙112はガイド115で案内され、搬送ベルト121とカウンタローラ122との間に挟まれて搬送され、更に先端を搬送ガイド123で案内されて先端加圧コロ125で搬送ベルト121に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。
このとき、図示しない制御回路によって高圧電源から帯電ローラ126に対してプラス出力とマイナス出力とが交互に繰り返すように、つまり交番する電圧が印加され、搬送ベルト121が交番する帯電電圧パターン、すなわち、周回方向である副走査方向に、プラスとマイナスが所定の幅で帯状に交互に帯電されたものとなる。このプラス、マイナス交互に帯電した搬送ベルト121上に用紙112が給送されることで、用紙112が搬送ベルト121に静電的に吸着され、搬送ベルト121の周回移動によって用紙112が副走査方向に搬送される。
そこで、キャリッジ103を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド107を駆動することにより、停止している用紙112にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙112を所定量搬送後、次の行の記録を行う。記録終了信号又は用紙112の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙12を排紙トレイ144に排紙する。
このように、この画像形成装置では、本発明に係る液滴吐出ヘッドであるインクジェットヘッドを搭載しているので、高品質で信頼性の高い画像形成装置を得ることができる。
なお、ここでは画像形成装置であるインクジェット記録装置について説明しているが、これに限るものではない。インク等の液体の付与が行われる被記録媒体としては、各種の紙やOHPシート、コンパクトディスクや装飾板等に用いられるプラスチック材、布帛、アルミニウムや銅等の金属材、牛皮、豚皮、人工皮革等の皮革材、木、合板等の木材、竹材、タイル等のセラミックス材、スポンジ等の三次元構造体等を用いることができる。
また、画像形成装置には、各種の紙やOHPシート等に対して記録を行うプリンタ装置、コンパクトディスク等のプラスチック材に記録を行うプラスチック用記録装置、金属板に記録を行う金属用記録装置、皮革に記録を行う皮革用記録装置、木材に記録を行う木材用記録装置、セラミックス材に記録を行うセラミックス用記録装置、スポンジ等の三次元網状構造体に対して記録を行う記録装置、または布帛に記録を行う捺染装置等をも含むものである。
本発明に係る液滴吐出ヘッドの斜視説明図である。 同ヘッドの分解斜視説明図である。 同ヘッドのフレームの平面説明図である。 同ヘッドのフレームの側面説明図である。 同ヘッドの要部分解斜視説明図である。 同ヘッドのノズル板の斜視説明図である。 同ノズル板の要部平面説明図である。 同ヘッドの流路板の斜視説明図である。 同流路板の要部平面説明図である。 同流路板の要部底面説明図である。 同流路板の側面説明図である。 同ヘッドの振動板の斜視説明図である。 同振動板の要部平面説明図である。 図5のA方向から見た同ヘッドの分解説明図である。 図5のB方向から見た同ヘッドの分解説明図である。 本発明の第2の実施形態の説明に供する流路板の斜視説明図である。 本発明の第3の実施形態の説明に供する平面説明図である。 本発明に係る画像形成装置の機構部の一例を示す概略構成図である。 同装置の機構部の説明に供する平面説明図である。 従来の液滴吐出ヘッドの説明に供するノズル板の斜視説明図である。 同ノズル板の要部平面説明図である。 同ヘッドの流路板の斜視説明図である。 同流路板の要部平面説明図である。 同流路板の要部底面説明図である。 同ヘッドの振動板の斜視説明図である。 同振動板の要部平面説明図である。 同ヘッドのアクチュエータユニットの説明に供する平面説明図である。 同アクチュエータユニットの圧電素子部材の要部拡大平面説明図である。 同ヘッドの接合工程の説明に供する分解斜視説明図である。 同ヘッドの組み立て工程の説明に供する要部平面説明図である。
符号の説明
1…液滴吐出ヘッド
2…ノズル孔
3…ノズル板
4…流路板
5…振動板
6…流路ユニット
7…圧電素子
8…基板
9…FPC
10…アクチュエータユニット
11…空間
12…共通液室
13…供給口
14…上半面
15…フレーム
16…圧力室
21、22、23…ノズル板のアライメントマーク
25、26、27…流路板のアライメントマーク
29、30、31…振動板のアライメントマーク
33…圧電素子部材間の隙間
34…溝

Claims (6)

  1. 液滴を吐出するための複数のノズルが連通する圧力室と、この圧力室内の液体を加圧するエネルギーを発生するためのエネルギー発生手段とを有する液滴吐出ヘッドにおいて、前記エネルギー発生手段又はエネルギー発生手段を設ける部材と前記圧力室を形成する部材の双方に、両者の接着面と平行な方向から見ることのできる、少なくとも三箇所の位置合せ用の切り欠きが形成されていることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  2. 請求項1に記載の液滴吐出ヘッドにおいて、前記ノズルの列が少なくとも2列以上形成され、各ノズルの列に対応する前記エネルギー発生手段の列を有し、各エネルギー発生手段の列の間が前記切り欠きを兼ねていることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  3. 請求項1又は2に記載の液滴吐出ヘッドにおいて、前記エネルギー発生手段が圧電素子からなることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドにおいて、この前記圧力室を形成する部材には前記圧力室に連通する流路の一端が前記接着面と直交する方向の端面に開口して形成され、この流路の開口が前記位置合せ用の切り欠きの少なくとも一つを兼ねていることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドにおいて、前記圧力室と、圧力室を形成する部材に設けられる前記位置合せ用の切り欠きが、同一の工程で形成されたことを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  6. 液滴を吐出する液滴吐出ヘッドを備えて被記録媒体に画像を形成する画像形成装置において、請求項1ないし5のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドを備えていることを特徴とする画像形成装置。
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