以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。まず、本発明に係る液体吐出ヘッドユニットの第1実施形態で使用する液体吐出ヘッドの一例について図1ないし5を参照して説明する。なお、図1は同液体吐出ヘッドのノズル配列(ノズル並び方向、チャンネル方向)に沿う要部模式的説明図、図2は同ヘッドの流路板の平面説明図、図3は同ヘッドのノズル板の平面説明図、図4は同ヘッドのノズル板と流路板の接合後の平面説明図、図5は同ヘッドのノズル配列方向に沿う模式的説明図である。
この液体吐出ヘッド1は、圧電素子型ヘッドであって、液室ユニット2と、駆動ユニット3と、フレーム部材4で構成されている。
液室ユニット2は、図3にも示すように、インク滴を吐出する複数のノズル40を有するノズル板11と、図2に示すように、ノズル40に対応した液室30が形成されている流路板12と、液室30の少なくとも1つの壁面を形成する振動板13とを備えている。液室ユニット2を構成する構成部材であるノズル板11と流路板12、及び、振動板13と流路板12は、流路板12の両面に塗布した接着剤を介して接合している。
駆動ユニット3は、基板15上に積層型圧電素子14を2列に配置し接着剤によって接合している。圧電素子14はダイシングソーなどを用いたスリット加工(ハーフカットダイシング)によりインクを液滴化して飛翔させるための駆動パルスが与えられ駆動部14aと、駆動部14aの間に位置し駆動パルスを与えられずに単に液室ユニット2を支える支柱部14bとに分割されている。そして、駆動ユニット3の各駆動部14a及び支柱部14b上面に接着剤16を介して液室ユニット2の振動板13を接着接合している。
圧電素子14としては、例えば10層以上の積層型圧電素子が用いている。なお、「圧電素子」は電気機械変換素子の総称として用いる。この圧電素子14の両端部には、アライメント溝17と、アライメント溝17が形成される溝状段差面18と、仮接着剤塗布部19が形成されている。
液室ユニット2には図示しないインク供給装置によりインクが供給され、液室30にインクが供給される。そして、駆動ユニット3の駆動部14aを選択的に駆動することにより、液室ユニット2のノズル40からインク滴が吐出される。
ここで、高品質な印字ヘッドを提供するためには、前記液室ユニット2を構成するノズル板11と流路板12、及び振動板13と流路板12、そして該液室ユニット2と駆動ユニット3は、接着剤16を介して高い精度で接合する必要がある。
そこで、流路板12の両端部には、両面に、位置検出用基準マーク22a、22bが形成されている。一方、ノズル板11、振動板13の両端部にも、位置検出用基準マーク21、23が形成されている。この位置検出用基準マーク21、23は、貫通穴となっており、この貫通穴を通してのみ、流路板12の位置検出用基準マーク22a、22bを撮像手段により検出し、画像処理によってその位置を検出する。
つまり、図4に示すように、流路板位置検出用基準マーク22aとノズル板位置検出用基準マーク21のそれぞれの中心を検出してから、各部品の両端部のマークから演算されるセンタを演算し、ノズル板11を基準に、流路板12をXYθ補正し、規格値に達した後、加重して、UV接着剤等で仮止めする。
また、流路板位置検出用基準マーク22bと振動板位置検出用基準マーク23のそれぞれの中心を検出してから、各部品の両端部のマークから演算されるセンタを演算し、振動板13を基準に、流路板12をXYθ補正し、規格値に達した後、加重して、UV接着剤等で仮止めする。その後、ノズル板11、流路板12、振動板13を本接合する。
そして、液室ユニット2の振動板13に設けた振動板駆動部接合用位置検出基準マーク24と駆動ユニット3に設けたアライメント溝17とを位置合わせして、仮接着剤26で仮止めし、接着剤16で本接合する。
このようにして組み立てられた液体吐出ヘッド1を、図5に示すように、フレーム部材4に対して位置決めした後に挿入、加圧し、図示しないUV接着剤を塗布後、硬化して、液体吐出ヘッド1を完成する。
次に、本発明に係る液体吐出ヘッドユニットの第1実施形態について図6ないし図8を参照して説明する。なお、図6は同ヘッドユニットにおける1つの液体吐出ヘッドとベース部材の位置合わせ構造を説明するノズル配列方向の説明図、図7は同じくノズル配列方向と直交する方向の説明図、図8は同じくノズル面側から見た平面説明図である。ここで、「ノズル配列方向」とは複数のノズル40の並び方向を、「ノズル配列方向と直交する方向」とは複数のノズル40の並び方向と直交する方向をいう。
この実施形態はノズル板を位置基準部材とする例である。液体吐出ヘッド1(以下、単に「ヘッド1」ともいう。)は、後述するように複数のヘッド1を取付けるベース部材60にノズル板11のノズル面11a(液滴吐出側の面)を下方に向けて取付けられている。
ここで、ヘッド1のノズル板11には、図8に示すように、周囲3方向、即ちノズル配列方向の両端部とノズル配列方向と直交する方向の端部の3箇所に、ベース部材当接リブ72が突出して形成されている。
一方、ベース部材60にはヘッド1が挿入されるヘッド1の平面外形状に対応した平面形状の開口部65が形成され、ベース部材60にヘッド1を挿入した後ヘッド1をスライドさせることで、ヘッド1のノズル板11のベース部材当接リブ72の液滴吐出面側面と反対側の面がベース部材60の液滴吐出側の面(用紙対向面)に当接して保持されている。
そして、ヘッド1のフレーム部材4のフレーム基準部4aをベース部材60上に配置されたフレーム保持部61により支持されている。このフレーム保持部61には、フレーム水平方向付勢手段62が設けられ、このフレーム水平方向付勢手段62によってヘッド1のフレーム部材4のフレーム基準部4aをベース部材60から離間する方向(図6及び図7で鉛直方向上方)に付勢している。
これにより、ヘッド1は、液室ユニット2を構成する構成部材であるノズル板11に形成したベース部材当接リブ72の液滴吐出側の面と反対側の面が、ベース部材60の液滴吐出側面(用紙通過面側:用紙に対向する面)に確実に当接した状態で、ベース部材60に保持される。
また、フレーム保持部61には、フレーム平面方向付勢手段63が設けられ、このフレーム平面方向付勢手段63によってヘッド1のフレーム部材4は側面4bからフレーム部材60の平面方向に付勢している。
これにより、ヘッド1は、ベース部材60に設けられた平面方向位置決め部(基準部)64に対してヘッド平面方向位置決め部(ヘッド位置基準部)70とヘッド平面方向位置決め部(ヘッド位置基準部)71を突き当てられてベース部材60に保持されている。
ここで、ヘッド1の液室ユニット2の構成部材であるノズル板11、流路板12、振動板13は、薄板の高精度に加工された部品であり、部品自体の寸法誤差は極めて小さい。また、液室ユニット2の個性部材(構成部品)間の位置合わせは、前述したように、撮像手段により取得した画像を、画像処理を用いて位置検出し、高精度に位置合わせして接合されている(例えば±1μm以下)ため、振動板13及び流路板12に対するノズル板11の位置も高精度に位置合わせされている。
したがって、液室ユニット2の構成部材の1つであるノズル板11のベース部材当接リブ72とベース部材60の液滴吐出側の面(用紙対向面)側を当接させることにより、ノズル40と用紙との距離は高精度に位置合わせが可能となり、かつ、平面方向位置決め部64とヘッド平面方向位置決め部70とヘッド平面方向位置決め部71を突き当てる構成とすることにより、平面位置基準部64に対するノズル40の位置は、高精度に位置合わせ可能となる。
特に、ノズル板11で位置合わせした場合には、ノズル板11の部品精度で位置合わせできるため、さらに高精度な位置合わせが可能となる。なお、位置決め基準部品となる構成部材として、後述するように、液室ユニット2の構成部材の1つである流路板12あるいは振動板13を使用することにより、接合構造体を位置決め部品に使用できるため、ノズル板11単体よりは、基準部材としての剛性が高くなり、高剛性の位置決めが可能となる。
なお、ヘッド1のベース部材60に対する平面方向の位置決め構造としては、上述した突き当て構造に代えて、液室ユニット2の構成部材に貫通穴を形成して、ピンと穴で位置決めする構造としてもよい。
ここで、ヘッド1の交換について図9及び図10を参照して説明する。なお、図9は同ヘッド交換の説明に供するヘッドユニットをベース部材開口部に対して挿入したときの平面説明図、図10は同じくヘッド挿入後ヘッドをスライドさせたときの平面説明図である。
まず、図9に示すように、ヘッド1のノズル面を下にした状態で、ベース部材60の開口部65にヘッド1を挿入し、ヘッド1のフレーム部材4のヘッド基準部4aを、フレーム保持部63に当接させ、ベース部材当接リブ72がベース部材60の当接面である裏面(液滴吐出側の面)を越える程度まで挿入する。
次いで、図10に示すように、図中右方向にヘッド1をスライドさせ、平面方向位置決め部64に対して、ヘッド平面方向位置決め部70とヘッド平面方向位置決め部71を突き当てる。このとき、フレーム水平付勢手段62(例えば板バネ)とフレーム平面付勢手段63(例えば板バネ)によってヘッド1は付勢され、水平方向は、ベース当接リブ72の液滴吐出側面と反対側の面がベース部材60の液滴吐出側面(用紙対向面)に当接し、平面方向は、平面方向位置決め部64に対してヘッド平面方向位置決め部70とヘッド平面方向位置決め部71が当接する。この状態で、ヘッド位置基準4aとフレーム保持部63を固定手段(例えばネジ締結)により固定する。
このように、液体吐出ヘッドは、液室ユニットを構成する構成部材としてのノズル板の液滴吐出側の面と反対側の面が、ベース部材の液滴吐出側の面に当接してベース部材に保持されている構成とすることで、各液体吐出ヘッドのノズルと用紙間を近距離で高精度に位置決めでき、画像品質の向上を図れる。また、上記第1実施形態の構成を採用することで、各ヘッド間のノズル位置精度を確保し、良好な液滴吐出特性が得られる。また、1つの液体吐出ヘッドの交換にも対応できるようになる。
そして、上述したようにノズル板の液滴吐出側面と反対側の面がベース部材に当接していることにより、流路板と振動板と接着剤の厚さばらつきを排除して、ノズル−用紙間を近距離で高精度に位置決めすることができ、画像品質を向上することができる。
また、ベース部材の液滴吐出側の面(用紙対向面)に、複数のヘッドのベース部材平面上の位置を規定する基準部を設けることにより、ヘッドをXY平面上で位置決めできて、複数のヘッドのノズル間位置を確保することができ、画像品質が向上する。この場合、 また、ヘッドのノズル板には、ベース部材に設けられた基準部と当接する位置基準部を具備し、ベース部材平面上の位置を規定する基準部との当接により、ヘッドをXY平面上で位置決めできて、ヘッドのノズル間位置を確保することができ、画像品質が向上する。
また、ベース部材にヘッドが一方向から交換可能な開口部を設けることにより、ヘッドユニットを装置本体に装着したまま、1ヘッドごとの交換が可能になる。
また、ノズル板にベース部材と当接するリブを備えることにより、液室ユニットとベース部材の当接面を形成することができるため、1ヘッド交換が可能になる。
次に、本発明に係る液体吐出ヘッドユニットの第2実施形態について図11及び図12を参照して説明する。なお、図11は同ヘッドユニットにおける1つの液体吐出ヘッドとベース部材の位置合わせ構造を説明するノズル配列方向と直交する方向の説明図、図12は同じくノズル面側から見た平面説明図である。
この実施形態は流路板を位置基準部材とする例である。ヘッド1の流路板12には、図12に示すように、前記第1実施形態でノズル板11に形成したベース部材当接リブ72と同様なベース部材当接リブ72が形成されている。
一方、ベース部材60にはヘッド1が挿入されるヘッド1の平面外形状に対応した平面形状の開口部65が形成され、ベース部材60にヘッド1を挿入した後ヘッド1をスライドさせることで、ヘッド1の流路板12のベース部材当接リブ72の液滴吐出面側面と反対側の面がベース部材60の液滴吐出側の面(用紙対向面)に当接して保持されている。
そして、ヘッド1のフレーム部材4のフレーム基準部4aをベース部材60上に配置されたフレーム保持部61により支持されている。このフレーム保持部61には、フレーム水平方向付勢手段62が設けられ、このフレーム水平方向付勢手段62によってヘッド1のフレーム部材4のフレーム基準部4aをベース部材60から離間する方向に付勢している。
これにより、ヘッド1は、液室ユニット2を構成する構成部材である流路板12のベース部材当接リブ72の液滴吐出側の面と反対側の面が、ベース部材60の液滴吐出側面(用紙通過面側:用紙に対向する面)に確実に当接した状態で、ベース部材60に保持される。
また、フレーム保持部61には、フレーム平面方向付勢手段63が設けられ、このフレーム平面方向付勢手段63によってヘッド1のフレーム部材4は側面からフレーム部材60の平面方向に付勢している。
これにより、ヘッド1は、ベース部材60に設けられた平面方向位置決め部(基準部)64に対してヘッド平面方向位置決め部(ヘッド位置基準部)70とヘッド平面方向位置決め部(ヘッド位置基準部)71を突き当てられてベース部材60に保持されている。
このように、液体吐出ヘッドは、液室ユニットを構成する構成部材としての流路板の液滴吐出側の面と反対側の面が、ベース部材の液滴吐出側の面に当接してベース部材に保持されている構成とすることで、各液体吐出ヘッドのノズルと用紙間を近距離で高精度に位置決めでき、画像品質を向上できる。また、上記第2実施形態の構成を採用することで、各ヘッド間のノズル位置精度を確保することができる。また、1つの液体吐出ヘッドの交換にも対応できるようになる。
なお、上記各実施形態では、液体吐出ヘッドが液室ユニットを構成する構成部材としてのノズル板、流路板の液滴吐出側の面と反対側の面が、ベース部材の液滴吐出側の面に当接してベース部材に保持されている例を説明しているが、液体吐出ヘッドが液室ユニットを構成する構成部材としての振動板の液滴吐出側の面と反対側の面が、ベース部材の液滴吐出側の面に当接してベース部材に保持されている構成とすることもできる。
次に、本発明に係る液体吐出ヘッドユニットの全体構成の異なる例について図13及び図14を参照して説明する。なお、図13及び図14は同ヘッドユニットの平面説明図である。ただし、フレーム部材などの図示を省略している。
まず、図13に示すヘッドユニットは、シリアル型記録装置に使用する記録ヘッドであり、1つのベース部材60に複数(ここでは4個)のヘッド1をノズル配列方向(用紙送り方向)と直交する方向(主走査方向)に並べて配置している。
各ヘッド1は、前記第1実施形態で説明したように、ノズル板11に設けたベース当接リブ72の液滴吐出側の面と反対側の面がベース部材60の液滴吐出側の面(用紙対向面)に当接して保持され、ベース部材60の面に沿う方向(ヘッドの並び方向)ではベース部材60の平面方向位置決め部64にヘッド平面方向位置決め部70とヘッド平面方向位置決め部71が当接して各ヘッド1が位置合わせされているので、ヘッド1間のノズル位置及びノズル−用紙間距離が正確に位置決めされる。
なお、ここでは、各ヘッド1のノズル配列方向の端部のノズル40は用紙送り方向の位置を同じにして主走査方向に一直線に並べているが、ノズル配列方向にずらして配置することで、高密度ヘッドを構成することもできる。
次に、図14に示すヘッドユニットは、ライン型記録装置に使用する記録ヘッドであり、1つのベース部材60に複数(ここでは7個)のヘッド1を、ノズル配列方向が用紙送り方向と直交する方向になるように千鳥状に並べて配置し、用紙幅相当分の長さのノズル列を有する構成としている。
各ヘッド1は、前記第1実施形態で説明したように、ノズル板11に設けたベース当接リブ72の液滴吐出側の面と反対側の面がベース部材60の液滴吐出側の面(用紙対向面)に当接して保持され、ベース部材60の面に沿う方向(用紙送り方向)ではベース部材60の平面方向位置決め部64にヘッド平面方向位置決め部70とヘッド平面方向位置決め部71が当接して各ヘッド1が位置合わせされているので、ヘッド1間のノズル位置及びノズル−用紙間距離が正確に位置決めされる。
なお、ここでは、ヘッド1、1間ノズルが規定間隔Pをもって配置されているが、ヘッド間のノズルが重なるオーバーラップする構造とすることもできる。
次に、本発明に係る液体吐出ヘッドユニットの第3実施形態で使用する液体吐出ヘッドの一例について図15ないし20を参照して説明する。なお、図15は同液体吐出ヘッドのノズル配列方向に沿う要部模式的説明図、図16は同ヘッドの流路板の平面説明図、図17は同ヘッドのノズル板の平面説明図、図18は同ヘッドのノズル板と流路板の接合後の平面説明図、図19は同ヘッドの中間部材取付け後の平面説明図、図20は同ヘッドのノズル配列方向に沿う模式的説明図である。
この液体吐出ヘッド1は、圧電素子型ヘッドであって、液室ユニット2と、駆動ユニット3と、フレーム部材4と、中間部材50で構成されている。
液室ユニット2は、図17にも示すように、インク滴を吐出する複数のノズル40を有するノズル板11と、図16に示すように、ノズル40に対応した液室30が形成されている流路板12と、液室30の少なくとも1つの壁面を形成する振動板13とを備えている。液室ユニット2を構成する構成部材であるノズル板11と流路板12、及び、振動板13と流路板12は、流路板12の両面に塗布した接着剤を介して接合している。
駆動ユニット3は、基板15上に積層型圧電素子14を2列に配置し接着剤によって接合している。圧電素子14はダイシングソーなどを用いたスリット加工(ハーフカットダイシング)によりインクを液滴化して飛翔させるための駆動パルスが与えられ駆動部14aと、駆動部14aの間に位置し駆動パルスを与えられずに単に液室ユニット2を支える支柱部14bとに分割されている。そして、駆動ユニット3の各駆動部14a及び支柱部14b上面に接着剤16を介して液室ユニット2の振動板13を接着接合している。
圧電素子14としては、例えば10層以上の積層型圧電素子を用いている。圧電素子14の両端部には、アライメント溝17と、アライメント溝17が形成される溝状段差面18と、仮接着剤塗布部19が形成されている。
液室ユニット2には図示しないインク供給装置によりインクが供給され、液室30にインクが供給される。そして、駆動ユニット3の駆動部14aを選択的に駆動することにより、液室ユニット2のノズル40からインク滴が吐出される。
ここで、高品質な印字ヘッドを提供するためには、前記液室ユニット2を構成するノズル板11と流路板12、及び振動板13と流路板12、そして該液室ユニット2と駆動ユニット3は、接着剤16を介して高い精度で接合する必要がある。
そこで、流路板12の両端部には、両面に、位置検出用基準マーク22a、22bが形成されている。一方、ノズル板11、振動板13の両端部にも、位置検出用基準マーク21、23が形成されている。この位置検出用基準マーク21、23は、貫通穴となっており、この貫通穴を通してのみ、流路板12の位置検出用基準マーク22a、22bを撮像手段により検出し、画像処理によってその位置を検出する。
つまり、図18に示すように、流路板位置検出用基準マーク22aとノズル板位置検出用基準マーク21のそれぞれの中心を検出してから、各部品の両端部のマークから演算されるセンタを演算し、ノズル板11を基準に、流路板12をXYθ補正し、規格値に達した後、加重して、UV接着剤等で仮止めする。
また、流路板位置検出用基準マーク22bと振動板位置検出用基準マーク23のそれぞれの中心を検出してから、各部品の両端部のマークから演算されるセンタを演算し、振動板13を基準に、流路板12をXYθ補正し、規格値に達した後、加重して、UV接着剤等で仮止めする。
その後、ノズル板11、流路板12、振動板13を本接合する。
そして、液室ユニット2の振動板13に設けた振動板駆動部接合用位置検出基準マーク24と駆動ユニット3に設けたアライメント溝17とを位置合わせして、仮接着剤26で仮止めし、接着剤16で本接合する。
このようにして組み立てられた液体吐出ヘッド1を、図20に示すように、フレーム部材4に対して位置決めした後に挿入、加圧し、図示しないUV接着剤を塗布後、硬化して、液体吐出ヘッド1を完成する。
ここで、ノズル板11には、ベース部材当接リブ72を3方向に形成した中間部材50を流路板12の外周に位置させて取り付けている。つまり、図19に示すように、ノズル板11と板状の中間部材50は、前述したノズル板11と流路板12の位置合わせと同様に、ノズル板11の両端部に形成された1組の中間部材用ノズル板位置検出基準マーク27と、板状の中間部材50の両端部に形成された1組の中間部材位置検出基準マーク28をそれぞれ検出して、それぞれの中心を検出してから、各部品の両端部のマークから演算されるセンタを演算し、ノズル板11を基準に板状の中間部材50をXYθ補正し、規格値に達した後、加重して、UV接着剤等で仮止めする。
ノズル板11と板状の中間部材50の周辺は、必要に応じて、図示しないシール剤等により封止される。また、板状の中間部材50をノズル板11に接合する順序は、ノズル板11と板状の中間部材50を先に接合してもよいし、フレーム部材4と振動板13を接合した後に、ノズル板11と板状の中間部材50を接合してもよい。
また、板状の中間部材50の形状は、中央部に流路板12の外周が嵌め込まれる開口部50aを形成した形状としているが、一辺が開放したコの字型形状などとすることもでき、組み立て順序や、ヘッドサイズ、ヘッド剛性等に基づいて最適な形状が選択される。
そして、中央部に開口部50aを形成した板状の中間部材50を用いる場合、その開口部50aが振動板13より小さく、流路板12より大きい場合は、ノズル板11と板状の中間部材50は、先に接合して、その後、ノズル板11と板状の中間部材50を接合した部品を流路板12と位置あわせして接合することになる。また、一辺が開放したコの字型形状を選択した場合は、フレーム部材4と振動板13を接合した後に、横方向から板状の中間部材50を挿入し、ノズル板11と位置合わせした後、ノズル板11と板状の中間部材50を接合することになる。このように、板状の中間部材50の形状により、組立順序は適宜選択される。
次に、本発明に係る液体吐出ヘッドユニットの第3実施形態について図21ないし図23を参照して説明する。なお、図21は同ヘッドユニットにおける1つの液体吐出ヘッドとベース部材の位置合わせ構造を説明するノズル配列方向の説明図、図22は同じくノズル配列方向と直交する方向の説明図、図23は同じくノズル面側から見た平面説明図である。
この実施形態は中間部材50を位置基準部材とする例である。ヘッド1は、後述するように複数のヘッド1を取付けるベース部材60にノズル板11のノズル面11a(液滴吐出側の面)を下方に向けて取付けられている。
ここで、ヘッド1の中間部材50には、図23に示すように、周囲3方向、即ちノズル配列方向の両端部とノズル配列方向と直交する方向の端部の3箇所に、ベース部材当接リブ72が突出して形成されている。
一方、ベース部材60にはヘッド1が挿入されるヘッド1の中間部材50の平面外形状に対応した平面形状の開口部65が形成され、ベース部材60にヘッド1を挿入した後ヘッド1をスライドさせることで、ヘッド1の中間部材50のベース部材当接リブ72の液滴吐出面側面と反対側の面がベース部材60の液滴吐出側の面(用紙対向面)に当接して保持されている。
そして、ヘッド1のフレーム部材4のフレーム基準部4aをベース部材60上に配置されたフレーム保持部61により支持されている。このフレーム保持部61には、フレーム水平方向付勢手段62が設けられ、このフレーム水平方向付勢手段62によってヘッド1のフレーム部材4のフレーム基準部4aをベース部材60から離間する方向(図21及び図22で鉛直方向上方)に付勢している。
これにより、ヘッド1は、中間部材50のベース部材当接リブ72の液滴吐出側の面と反対側の面が、ベース部材60の液滴吐出側面(用紙通過面側:用紙に対向する面)に確実に当接した状態で、ベース部材60に保持される。
また、フレーム保持部61には、フレーム平面方向付勢手段63が設けられ、このフレーム平面方向付勢手段63によってヘッド1のフレーム部材4は側面4bからフレーム部材60の平面方向に付勢している。
これにより、ヘッド1は、ベース部材60に設けられた平面方向位置決め部(基準部)64に対してヘッド平面方向位置決め部(ヘッド位置基準部)70とヘッド平面方向位置決め部(ヘッド位置基準部)71を突き当てられてベース部材60に保持されている。
ここで、液室ユニット2の構成部材であるノズル板11、流路板12、振動板13は、薄板の高精度に加工された部品であり、部品自体の寸法誤差は非常に小さい。同様に、板状の中間部材50も十分に薄い板状部材であるため、高精度に加工することができる。また、液室ユニット2の構成部材間の位置合わせ、及び、板状の中間部材50の位置合わせは、前述したように、撮像手段により取得した画像を、画像処理を用いて位置検出し、高精度に位置合わせして接合されている(例えば±1μm以下)ため、振動板13、及び流路板12からみたノズル板11の位置も高精度に位置合わせされている。
したがって、液室ユニット2の構成部材の1つの部材と接合された板状の中間部材50の液滴吐出側面と反対側の面を、ベース部材60の液体吐出側の面(用紙対向面)に当接させることにより、ノズル40と用紙との距離は高精度に位置合わせすることができる。また、平面方向位置決め部64と、ヘッド平面方向位置決め部70とヘッド平面方向位置決め部71を突き当てる構造とすることにより、平面位置基準部64に対するノズル40の位置は高精度に位置合わせ可能となる。
特に、ノズル板11と板状の中間部材50を接合して、複数のヘッド1をベース部材60の基準位置で位置合わせした場合には、ノズル板11と板状の中間部材50の位置合わせ精度で位置合わせできるため、さらに高精度な位置合わせが可能となる。また、さらに板状の中間部材50を接合する接合部材として、液室ユニット2の構成部材の1つである流路板12あるいは振動板13を使用する場合は、ノズル板11に板状の中間部材50を接合するよりは、構造体としての剛性が高くなるため、高剛性の位置決めが可能となる。
なお、ヘッド1のベース部材60に対する平面方向の位置決め構造としては、上述した突き当て構造に代えて、中間部材50に貫通穴を形成して、ピンと穴で位置決めする構造としてもよい。
ここで、ヘッド1の交換について図24及び図25を参照して説明する。なお、図25は同ヘッド交換の説明に供するヘッドユニットをベース部材開口部に対して挿入したときの平面説明図、図25は同じくヘッド挿入後ヘッドをスライドさせたときの平面説明図である。
まず、図24に示すように、ヘッド1のノズル面を下にした状態で、ベース部材60の開口部65にヘッド1を挿入し、ヘッド1のフレーム部材4のヘッド基準部4aを、フレーム保持部63に当接させ、中間部材50のベース部材当接リブ72がベース部材60の当接面である裏面(液滴吐出側の面)を越える程度まで挿入する。
次いで、図25に示すように、図中右方向にヘッド1をスライドさせ、平面方向位置決め部64に対して、ヘッド平面方向位置決め部70とヘッド平面方向位置決め部71を突き当てる。このとき、フレーム水平付勢手段62(例えば板バネ)とフレーム平面付勢手段63(例えば板バネ)によってヘッド1は付勢され、水平方向は、ベース当接リブ72の液滴吐出側面と反対側の面がベース部材60の液滴吐出側面(用紙対向面)に当接し、平面方向は、平面方向位置決め部64に対してヘッド平面方向位置決め部70とヘッド平面方向位置決め部71が当接する。この状態で、ヘッド位置基準4aとフレーム保持部63を固定手段(例えばネジ締結)により固定する。
このように、液体吐出ヘッドは、液室ユニットを構成する構成部材に取り付けた中間部材の液滴吐出側の面と反対側の面が、ベース部材の液滴吐出側の面に当接してベース部材に保持されている構成とすることで、各液体吐出ヘッドのノズルと用紙間を近距離で高精度に位置決めでき、画像品質の向上を図れる。また、上記第3実施形態の構成を採用することで、各ヘッド間のノズル位置精度を確保し、良好な液滴吐出特性が得られる。また、1つの液体吐出ヘッドの交換にも対応できるようになる。
そして、上述したようにノズル板に中間部材を取付けることにより、流路板と振動板と接着剤の厚さばらつきを排除して、ノズル−用紙間を近距離で高精度に位置決めすることができ、画像品質を向上することができる。
また、ベース部材の液滴吐出側の面(用紙対向面)に、複数のヘッドのベース部材平面上の位置を規定する基準部を設けることにより、ヘッドをXY平面上で位置決めできて、複数のヘッドのノズル間位置を確保することができ、画像品質が向上する。この場合、中間部材には、ベース部材に設けられた基準部と当接する位置基準部を具備し、ベース部材平面上の位置を規定する基準部との当接により、ヘッドをXY平面上で位置決めできて、ヘッドのノズル間位置を確保することができ、画像品質が向上する。
また、ベース部材にヘッドが一方向から交換可能な開口部を設けることにより、ヘッドユニットを装置本体に装着したまま、1ヘッドごとの交換が可能になる。
また、中間部材にベース部材と当接するリブを備えることにより、液室ユニットとベース部材の当接面を形成することができるため、1ヘッド交換が可能になる。
次に、本発明に係る液体吐出ヘッドユニットの全体構成の異なる例について図26及び図27を参照して説明する。なお、図26及び図27は同ヘッドユニットの平面説明図である。ただし、フレーム部材などの図示を省略している。
まず、図26に示すヘッドユニットは、シリアル型記録装置に使用する記録ヘッドであり、1つのベース部材60に複数(ここでは4個)のヘッド1をノズル配列方向(用紙送り方向)と直交する方向(主走査方向)に並べて配置している。
各ヘッド1は、前記第3実施形態で説明したように、中間部材50に設けたベース当接リブ72の液滴吐出側の面と反対側の面がベース部材60の液滴吐出側の面(用紙対向面)に当接して保持され、ベース部材60の面に沿う方向(ヘッドの並び方向)ではベース部材60の平面方向位置決め部64にヘッド平面方向位置決め部70とヘッド平面方向位置決め部71が当接して各ヘッド1が位置合わせされているので、ヘッド1間のノズル位置及びノズル−用紙間距離が正確に位置決めされる。
なお、ここでは、各ヘッド1のノズル配列方向の端部のノズル40は用紙送り方向の位置を同じにして主走査方向に一直線に並べているが、ノズル配列方向にずらして配置することで、高密度ヘッドを構成することもできる。
次に、図27に示すヘッドユニットは、ライン型記録装置に使用する記録ヘッドであり、1つのベース部材60に複数(ここでは7個)のヘッド1を、ノズル配列方向が用紙送り方向と直交する方向になるように千鳥状に並べて配置し、用紙幅相当分の長さのノズル列を有する構成としている。
各ヘッド1は、前記第3実施形態で説明したように、中間部材50に設けたベース当接リブ72の液滴吐出側の面と反対側の面がベース部材60の液滴吐出側の面(用紙対向面)に当接して保持され、ベース部材60の面に沿う方向(用紙送り方向)ではベース部材60の平面方向位置決め部64にヘッド平面方向位置決め部70とヘッド平面方向位置決め部71が当接して各ヘッド1が位置合わせされているので、ヘッド1間のノズル位置及びノズル−用紙間距離が正確に位置決めされる。
なお、ここでは、ヘッド1、1間ノズルが規定間隔Pをもって配置されているが、ヘッド間のノズルが重なるオーバーラップする構造とすることもできる。
次に、本発明に係る液体吐出ヘッドユニットの第4施形態で使用する液体吐出ヘッドの一例について図28ないし34を参照して説明する。なお、図28は同液体吐出ヘッドのノズル配列方向に沿う要部模式的説明図、図29は同ヘッドの流路板の平面説明図、図30は同ヘッドのノズル板の平面説明図、図31は同ヘッドの中間部材の平面説明図、図32は同ヘッドの液室ユニット組立て後の平面説明図、図33は同ヘッドのノズル配列方向に沿う模式的説明図である。
この液体吐出ヘッド1は、圧電素子型ヘッドであって、中間部材150を含む液室ユニット2と、駆動ユニット3と、フレーム部材4とで構成されている。
液室ユニット2は、図30にも示すように、インク滴を吐出する複数のノズル40を有するノズル板11と、図31にも示すように、ノズル40に連通するノズル連通路31を有する中間部材150と、図29に示すように、ノズル40に対応した液室30が形成されている流路板12と、液室30の少なくとも1つの壁面を形成する振動板13とを備えている。液室ユニット2を構成する構成部材であるノズル板11と中間部材150は接着剤を介して接合し、中間部材150と流路板12、及び、振動板13と流路板12は、流路板12の両面に塗布した接着剤を介して接合している。
駆動ユニット3は、基板15上に積層型圧電素子14を2列に配置し接着剤によって接合している。圧電素子14はダイシングソーなどを用いたスリット加工(ハーフカットダイシング)によりインクを液滴化して飛翔させるための駆動パルスが与えられ駆動部14aと、駆動部14aの間に位置し駆動パルスを与えられずに単に液室ユニット2を支える支柱部14bとに分割されている。そして、駆動ユニット3の各駆動部14a及び支柱部14b上面に接着剤16を介して液室ユニット2の振動板13を接着接合している。
圧電素子14としては、例えば10層以上の積層型圧電素子を用いている。この圧電素子14の両端部には、アライメント溝17と、アライメント溝17が形成される溝状段差面18と、仮接着剤塗布部19が形成されている。
液室ユニット2には図示しないインク供給装置によりインクが供給され、液室30にインクが供給される。そして、駆動ユニット3の駆動部14aを選択的に駆動することにより、液室ユニット2のノズル40からインク滴が吐出される。
ここで、高品質な印字ヘッドを提供するためには、前記液室ユニット2を構成するノズル板11と中間部材150、中間部材150と流路板12、及び振動板13と流路板12、そして該液室ユニット2と駆動ユニット3は、接着剤16を介して高い精度で接合する必要がある。
そこで、流路板12の両端部には、位置検出用基準マーク22a、22bが形成されている。一方、ノズル板11、振動板13の両端部にも、位置検出用基準マーク21、23が形成されている。また、中間部材150の両端部にも位置検出用基準マーク28が形成されている。この位置検出用基準マーク21、23、28は、貫通穴となっており、この貫通穴を通してのみ、流路板12の位置検出用基準マーク22a、22bを撮像手段により検出し、画像処理によってその位置を検出する。なお、中間部材150の位置検出用基準マーク28はノズル板11の位置検出用基準マーク21よりも小径に形成されている。
そして、ノズル板11と板状の中間部材150を接合する場合は、図32に示すように、ノズル板11の両端部に形成された1組の位置検出基準マーク21と中間部材150の部両端に形成された1組の位置検出基準マーク28をそれぞれ検出して、それぞれの中心を検出してから、各部品の両端部のマークから演算されるセンタを演算し、ノズル板11と中間部材150をXYθ方向に相対位置合わせし、規格値に達した後、荷重して、UV接着剤等で仮止めする。
なお、板状の中間部材150と流路板12とを先に接合して、流路板12に接合された中間部材150とノズル板11とを接合することもできる。この場合は、図32に示すように、流路板12の両端部に形成された1組の位置検出基準マーク21aと中間部材150の部両端に形成された1組の位置検出基準マーク28をそれぞれ検出して、それぞれの中心を検出してから、各部品の両端部のマークから演算されるセンタを演算し、ノズル板11と中間部材150をXYθ方向に相対位置合わせし、規格値に達した後、荷重して、UV接着剤等で仮止めする。
その後、ノズル板11又は流路板12に中間部材150を接合した状態で、ノズル板11と流路板12とを、図32に示すように、位置検出用基準マーク22aと位置検出用基準マーク21のそれぞれの中心を検出してから、各部品の両端部のマークから演算されるセンタを演算し、ノズル板11を基準に、流路板12をXYθ補正し、規格値に達した後、加重して、UV接着剤等で仮止めする。
また、流路板位置検出用基準マーク22bと振動板位置検出用基準マーク23のそれぞれの中心を検出してから、各部品の両端部のマークから演算されるセンタを演算し、振動板13を基準に、流路板12をXYθ補正し、規格値に達した後、加重して、UV接着剤等で仮止めする。
その後、ノズル板11、中間部材150、流路板12、振動板13を本接合する。
そして、液室ユニット2の振動板13に設けた振動板駆動部接合用位置検出基準マーク24と駆動ユニット3に設けたアライメント溝17とを位置合わせして、仮接着剤26で仮止めし、接着剤16で本接合する。
このようにして組み立てられた液体吐出ヘッド1を、図33に示すように、フレーム部材4に対して位置決めした後に挿入、加圧し、図示しないUV接着剤を塗布後、硬化して、液体吐出ヘッド1を完成する。
ここで、ノズル板11と流路板12との間に積層された中間部材150には、前記実施形態で説明したと同様に、ベース部材当接リブ72を3方向に形成している。
中間部材150の材質としては、ベース部材への突き当て位置決めが可能な剛性を有するものであればよく、例えば、セラミック基板、SUS基板などが好ましい。また、中間部材150は流路の一部を形成することから、部品精度としては、液室ユニット2を構成する他の構成部材と同等の精度を有するものである。
また、ここでは、1つの中間部材150を1つのヘッド1と対応させているが、複数のヘッド1の共通の中間部材150を使用して、1つの中間部材150に複数のヘッド1の液室ユニット2の他の構成部材が接合される構成とすることもできる。
次に、本発明に係る液体吐出ヘッドユニットの第4施形態で使用する液体吐出ヘッドの他の例について図34を参照して説明する。なお、図34は同ヘッドのノズル配列方向に沿う模式的説明図である。
この例では、中間部材150は液室ユニット2の他の構成部材である振動板13と駆動ユニット3との間に積層して接合している。この場合の中間部材150は、前述したノズル連通路151に代えて、図示しないが、各液室30にインクを供給する共通液室が形成されている。
また、中間部材150の接合順序は、フレーム部材4との接合前に、振動板13と中間部材150が接合されていればよい。
これらの第4実施形態で使用する液体吐出ヘッドにおいては、中間部材は液室ユニットの他の構成部材と積層されて液室ユニットの構成部材となるので、ヘッドの剛性が確保され、後述するようにベース部材60に取り付けられた液体吐出ヘッドユニットにおいても剛性が確保され、液滴吐出特性が良好なヘッドユニットが得られる。
次に、本発明に係る液体吐出ヘッドユニットの第4実施形態について図35ないし図37を参照して説明する。なお、図37は同ヘッドユニットにおける1つの液体吐出ヘッドとベース部材の位置合わせ構造を説明するノズル配列方向の説明図、図36は同じくノズル配列方向と直交する方向の説明図、図38は同じくノズル面側から見た平面説明図である。
この実施形態は中間部材150を位置基準部材とする例である。ヘッド1は、後述するように複数のヘッド1を取付けるベース部材60にノズル板11のノズル面11a(液滴吐出側の面)を下方に向けて取付けられている。
ここで、ヘッド1の中間部材150には、図31に示すように、周囲3方向、即ちノズル配列方向の両端部とノズル配列方向と直交する方向の端部の3箇所に、ベース部材当接リブ72が突出して形成されている。
一方、ベース部材60にはヘッド1が挿入されるヘッド1の中間部材150の平面外形状に対応した平面形状の開口部65が形成され、ベース部材60にヘッド1を挿入した後ヘッド1をスライドさせることで、ヘッド1の中間部材150のベース部材当接リブ72の液滴吐出面側面と反対側の面がベース部材60の液滴吐出側の面(用紙対向面)に当接して保持されている。
そして、ヘッド1のフレーム部材4のフレーム基準部4aをベース部材60上に配置されたフレーム保持部61により支持されている。このフレーム保持部61には、フレーム水平方向付勢手段62が設けられ、このフレーム水平方向付勢手段62によってヘッド1のフレーム部材4のフレーム基準部4aをベース部材60から離間する方向(図35及び図36で鉛直方向上方)に付勢している。
これにより、ヘッド1は、中間部材150のベース部材当接リブ72の液滴吐出側の面と反対側の面が、ベース部材60の液滴吐出側面(用紙通過面側:用紙に対向する面)に確実に当接した状態で、ベース部材60に保持される。
また、フレーム保持部61には、フレーム平面方向付勢手段63が設けられ、このフレーム平面方向付勢手段63によってヘッド1のフレーム部材4は側面4bからフレーム部材60の平面方向に付勢している。
これにより、ヘッド1は、ベース部材60に設けられた平面方向位置決め部(基準部)64に対してヘッド平面方向位置決め部(ヘッド位置基準部)70とヘッド平面方向位置決め部(ヘッド位置基準部)71を突き当てられてベース部材60に保持されている。
ここで、液室ユニット2の構成部材であるノズル板11、流路板12、振動板13及び中間部材150は、薄板の高精度に加工された部品であり、部品自体の寸法誤差は非常に小さい。また、液室ユニット2の中間部材150を含めた構成部材間の位置合わせは、前述したように、撮像手段により取得した画像を、画像処理を用いて位置検出し、高精度に位置合わせして接合されている(例えば±1μm以下)ため、振動板13、及び流路板12からみたノズル板11、中間部材150の位置も高精度に位置合わせされている。
したがって、液室ユニット2の構成部材をとなる板状の中間部材150の液滴吐出側面と反対側の面を、ベース部材60の液体吐出側の面(用紙対向面)に当接させることにより、ノズル40と用紙との距離は高精度に位置合わせすることができる。また、平面方向位置決め部64と、ヘッド平面方向位置決め部70とヘッド平面方向位置決め部71を突き当てる構造とすることにより、平面位置基準部64に対するノズル40の位置は高精度に位置合わせ可能となる。
なお、ヘッド1のベース部材60に対する平面方向の位置決め構造としては、上述した突き当て構造に代えて、中間部材150に貫通穴を形成して、ピンと穴で位置決めする構造としてもよい。
ここで、ヘッド1の交換について図38及び図39を参照して説明する。なお、図38は同ヘッド交換の説明に供するヘッドユニットをベース部材開口部に対して挿入したときの平面説明図、図39は同じくヘッド挿入後ヘッドをスライドさせたときの平面説明図である。
まず、図38に示すように、ヘッド1のノズル面を下にした状態で、ベース部材60の開口部65にヘッド1を挿入し、ヘッド1のフレーム部材4のヘッド基準部4aを、フレーム保持部63に当接させ、中間部材150のベース部材当接リブ72がベース部材60の当接面である裏面(液滴吐出側の面)を越える程度まで挿入する。
次いで、図39に示すように、図中右方向にヘッド1をスライドさせ、平面方向位置決め部64に対して、ヘッド平面方向位置決め部70とヘッド平面方向位置決め部71を突き当てる。このとき、フレーム水平付勢手段62(例えば板バネ)とフレーム平面付勢手段63(例えば板バネ)によってヘッド1は付勢され、水平方向は、ベース当接リブ72の液滴吐出側面と反対側の面がベース部材60の液滴吐出側面(用紙対向面)に当接し、平面方向は、平面方向位置決め部64に対してヘッド平面方向位置決め部70とヘッド平面方向位置決め部71が当接する。この状態で、ヘッド位置基準4aとフレーム保持部63を固定手段(例えばネジ締結)により固定する。
このように、液体吐出ヘッドは、液室ユニットを構成する構成部材に積層接合されて液室ユニットの一部の構成部材となる中間部材の液滴吐出側の面と反対側の面が、ベース部材の液滴吐出側の面に当接してベース部材に保持されている構成とすることで、各液体吐出ヘッドのノズルと用紙間を近距離で高精度に位置決めでき、画像品質の向上を図れるとともに、ヘッドの剛性を高めることができる。また、上記第4実施形態の構成を採用することで、各ヘッド間のノズル位置精度を確保し、良好な液滴吐出特性が得られ、更に1つの液体吐出ヘッドの交換にも対応できるようになるなど、前記第3実施形態で説明したと同様の作用効果を得ることができる。
次に、本発明に係る液体吐出ヘッドユニットの全体構成の異なる例について図40及び図41を参照して説明する。なお、図40及び図41は同ヘッドユニットの平面説明図である。ただし、フレーム部材などの図示を省略している。
まず、図40に示すヘッドユニットは、シリアル型記録装置に使用する記録ヘッドであり、1つのベース部材60に複数(ここでは4個)のヘッド1をノズル配列方向(用紙送り方向)と直交する方向(主走査方向)に並べて配置している。
各ヘッド1は、前記第4実施形態で説明したように、中間部材150に設けたベース当接リブ72の液滴吐出側の面と反対側の面がベース部材60の液滴吐出側の面(用紙対向面)に当接して保持され、ベース部材60の面に沿う方向(ヘッドの並び方向)ではベース部材60の平面方向位置決め部64にヘッド平面方向位置決め部70とヘッド平面方向位置決め部71が当接して各ヘッド1が位置合わせされているので、ヘッド1間のノズル位置及びノズル−用紙間距離が正確に位置決めされる。
なお、ここでは、各ヘッド1のノズル配列方向の端部のノズル40は用紙送り方向の位置を同じにして主走査方向に一直線に並べているが、ノズル配列方向にずらして配置することで、高密度ヘッドを構成することもできる。
次に、図41に示すヘッドユニットは、ライン型記録装置に使用する記録ヘッドであり、1つのベース部材60に複数(ここでは7個)のヘッド1を、ノズル配列方向が用紙送り方向と直交する方向になるように千鳥状に並べて配置し、用紙幅相当分の長さのノズル列を有する構成としている。
各ヘッド1は、前記第4実施形態で説明したように、中間部材150に設けたベース当接リブ72の液滴吐出側の面と反対側の面がベース部材60の液滴吐出側の面(用紙対向面)に当接して保持され、ベース部材60の面に沿う方向(用紙送り方向)ではベース部材60の平面方向位置決め部64にヘッド平面方向位置決め部70とヘッド平面方向位置決め部71が当接して各ヘッド1が位置合わせされているので、ヘッド1間のノズル位置及びノズル−用紙間距離が正確に位置決めされる。
なお、ここでは、ヘッド1、1間ノズルが規定間隔Pをもって配置されているが、ヘッド間のノズルが重なるオーバーラップする構造とすることもできる。
以上の各実施形態においては、本発明を圧電型液体吐出ヘッドを含む液体吐出ヘッドユニットに適用した例で説明しているが、液体吐出ヘッドとしては、ノズルを形成したノズル板、あるいは個別流路を形成する流路板(流路部材)を含むヘッドであれば、サーマル型液体吐出ヘッド、静電型液体吐出ヘッド、その他の液体吐出ヘッドでも同様に適用することができる。
次に、本発明に係る液体吐出ヘッドユニットを備える本発明に係る画像形成装置の一例について図42及び図43を参照して説明する。なお、図42は同装置の機構部の全体構成を説明する概略構成図、図43は同機構部の要部平面説明図である。
この画像形成装置はシリアル型画像形成装置であり、左右の側板201A、201Bに横架したガイド部材である主従のガイドロッド231、232でキャリッジ233を主走査方向に摺動自在に保持し、図示しない主走査モータによってタイミングベルトを介して矢示方向(キャリッジ主走査方向)に移動走査する。
このキャリッジ233には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色のインク滴を吐出するための本発明に係る液体吐出ヘッドユニットからなる記録ヘッド234を複数のノズルからなるノズル列を主走査方向と直交する副走査方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。
記録ヘッド234は、それぞれ2つのノズル列を有する液体吐出ヘッド234a、234bを1つのベース部材に取り付けた構成したもので、一方のヘッド234aの一方のノズル列はブラック(K)の液滴を、他方のノズル列はシアン(C)の液滴を、他方のヘッド234bの一方のノズル列はマゼンタ(M)の液滴を、他方のノズル列はイエロー(Y)の液滴を、それぞれ吐出する。なお、ここでは2ヘッド構成で4色の液滴を吐出する構成としているが、各色毎の液体吐出ヘッドを備える(前記図13、図26、図40で説明した構成)こともできる。
また、キャリッジ233には、記録ヘッド234のノズル列に対応して各色のインクを供給するためのサブタンク235a、235b(区別しないときは「サブタンク235」という。)を搭載している。このサブタンク235には各色の供給チューブ236を介して、供給ユニット224によって各色のインクカートリッジ210から各色のインクが補充供給される。
一方、給紙トレイ202の用紙積載部(圧板)241上に積載した用紙242を給紙するための給紙部として、用紙積載部241から用紙242を1枚ずつ分離給送する半月コロ(給紙コロ)243及び給紙コロ243に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド244を備え、この分離パッド244は給紙コロ243側に付勢されている。
そして、この給紙部から給紙された用紙242を記録ヘッド234の下方側に送り込むために、用紙242を案内するガイド部材245と、カウンタローラ246と、搬送ガイド部材247と、先端加圧コロ249を有する押さえ部材248とを備えるとともに、給送された用紙242を静電吸着して記録ヘッド234に対向する位置で搬送するための搬送手段である搬送ベルト251を備えている。
この搬送ベルト251は、無端状ベルトであり、搬送ローラ252とテンションローラ253との間に掛け渡されて、ベルト搬送方向(副走査方向)に周回するように構成している。また、この搬送ベルト251の表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ256を備えている。この帯電ローラ256は、搬送ベルト251の表層に接触し、搬送ベルト251の回動に従動して回転するように配置されている。この搬送ベルト251は、図示しない副走査モータによってタイミングを介して搬送ローラ252が回転駆動されることによってベルト搬送方向に周回移動する。
さらに、記録ヘッド234で記録された用紙242を排紙するための排紙部として、搬送ベルト251から用紙242を分離するための分離爪261と、排紙ローラ262及び排紙コロ263とを備え、排紙ローラ262の下方に排紙トレイ203を備えている。
また、装置本体の背面部には両面ユニット271が着脱自在に装着されている。この両面ユニット271は搬送ベルト251の逆方向回転で戻される用紙242を取り込んで反転させて再度カウンタローラ246と搬送ベルト251との間に給紙する。また、この両面ユニット271の上面は手差しトレイ272としている。
さらに、キャリッジ233の走査方向一方側の非印字領域には、記録ヘッド234のノズルの状態を維持し、回復するための維持回復機構281を配置している。この維持回復機構281には、記録ヘッド234の各ノズル面をキャピングするための各キャップ部材(以下「キャップ」という。)282a、282b(区別しないときは「キャップ282」という。)と、ノズル面をワイピングするためのブレード部材であるワイパーブレード283と、増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける空吐出受け284などを備えている。
また、キャリッジ233の走査方向他方側の非印字領域には、記録中などに増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受けるインク回収ユニット(空吐出受け)288を配置し、このインク回収ユニット288には記録ヘッド234のノズル列方向に沿った開口部289などを備えている。
このように構成したこの画像形成装置においては、給紙トレイ202から用紙242が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された用紙242はガイド245で案内され、搬送ベルト251とカウンタローラ246との間に挟まれて搬送され、更に先端を搬送ガイド237で案内されて先端加圧コロ249で搬送ベルト251に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。
このとき、帯電ローラ256に対してプラス出力とマイナス出力とが交互に繰り返すように、つまり交番する電圧が印加され、搬送ベルト251が交番する帯電電圧パターン、すなわち、周回方向である副走査方向に、プラスとマイナスが所定の幅で帯状に交互に帯電されたものとなる。このプラス、マイナス交互に帯電した搬送ベルト251上に用紙242が給送されると、用紙242が搬送ベルト251に吸着され、搬送ベルト251の周回移動によって用紙242が副走査方向に搬送される。
そこで、キャリッジ233を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド234を駆動することにより、停止している用紙242にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙242を所定量搬送後、次の行の記録を行う。記録終了信号又は用紙242の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙242を排紙トレイ203に排紙する。
このように、この画像形成装置では本発明に係る液体吐出ヘッドユニットを記録ヘッドとして備えているので、ノズル−用紙間のギャップを高精度に位置決めでき、高画質画像を形成することができる。
次に、本発明に係る液体吐出ヘッドユニットを備える本発明に係る画像形成装置の他の例について図44を参照して説明する。なお、図44は同装置の機構部全体の概略構成図である。
この画像形成装置は、ライン型画像形成装置であり、装置本体401の内部に画像形成部202等を有し、装置本体401の下方側に多数枚の記録媒体(用紙)403を積載可能な給紙トレイ404を備え、この給紙トレイ404から給紙される用紙403を取り込み、搬送機構405によって用紙403を搬送しながら画像形成部402によって所要の画像を記録した後、装置本体401の側方に装着された排紙トレイ406に用紙403を排紙する。
また、装置本体401に対して着脱可能な両面ユニット407を備え、両面印刷を行うときには、一面(表面)印刷終了後、搬送機構405によって用紙403を逆方向に搬送しながら両面ユニット407内に取り込み、反転させて他面(裏面)を印刷可能面として再度搬送機構405に送り込み、他面(裏面)印刷終了後排紙トレイ406に用紙403を排紙する。
ここで、画像形成部402は、例えばブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色の液滴を吐出する、フルライン型の4個の本発明に係る液体吐出ヘッドユニット(図14、図27、図41の構成)で構成した記録ヘッド411k、411c、411m、411y(色を区別しないときには「記録ヘッド411」という。)を備え、各記録ヘッド411は液滴を吐出するノズルを形成したノズル面を下方に向けてヘッドホルダ413に装着している。
また、各記録ヘッド411に対応してヘッドの性能を維持回復するための維持回復機構412k、412c、412m、412y(色を区別しないときには「維持回復機構412」という。)を備え、パージ処理、ワイピング処理などのヘッドの性能維持動作時には、記録ヘッド411と維持回復機構412とを相対的に移動させて、記録ヘッド411のノズル面に維持回復機構412を構成するキャッピング部材などを対向させる。
なお、ここでは、記録ヘッド411は、用紙搬送方向上流側から、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの順に各色の液滴を吐出する配置としているが、配置及び色数はこれに限るものではない。また、ライン型ヘッドとしては、各色の液滴を吐出する複数のノズル列を所定間隔で設けた1又は複数のヘッドを用いることもできるし、ヘッドとこのヘッドに記録液を供給する記録液カートリッジを一体とすることも別体とすることもできる。
給紙トレイ404の用紙403は、給紙コロ(半月コロ)421と図示しない分離パッドによって1枚ずつ分離され装置本体401内に給紙され、搬送ガイド部材423のガイド面423aに沿ってレジストローラ425と搬送ベルト433との間に送り込まれ、所定のタイミングでガイド部材426を介して搬送機構405の搬送ベルト433に送り込まれる。
また、搬送ガイド部材423には両面ユニット407から送り出される用紙403を案内するガイド面423bも形成されている。更に、両面印刷時に搬送機構405から戻される用紙403を両面ユニット407に案内するガイド部材427も配置している。
搬送機構405は、駆動ローラである搬送ローラ431と従動ローラ432との間に掛け渡した無端状の搬送ベルト433と、この搬送ベルト433を帯電させるための帯電ローラ434と、画像形成部402に対向する部分で搬送ベルト433の平面性を維持するプラテン部材435と、搬送ベルト433から送り出す用紙403を搬送ローラ431側に押し付ける押さえコロ436と、その他図示しないが、搬送ベルト433に付着した記録液(インク)を除去するためのクリーニング手段である多孔質体などからなるクリーニングローラなどを有している。
この搬送機構405の下流側には、画像が記録された用紙403を排紙トレイ406に送り出すための排紙ローラ438及び拍車439を備えている。
このように構成した画像形成装置において、搬送ベルト433は矢示方向に周回移動し、高電位の印加電圧が印加される帯電ローラ434と接触することで正に帯電される。この場合、帯電ローラ434の帯電電圧は所定の時間間隔で極性を切り替えることによって、搬送ベルト433を所定の帯電ピッチで帯電させる。
ここで、この高電位に帯電した搬送ベルト433上に用紙403が給送されると、用紙403内部が分極状態になり、搬送ベルト433上の電荷と逆極性の電荷が用紙403の搬送ベルト433と接触している面に誘電され、搬送ベルト433上の電荷と搬送される用紙403上に誘電された電荷同士が互いに静電的に引っ張り合い、用紙403は搬送ベルト433に静電的に吸着される。このようにして、搬送ベルト433に強力に吸着した用紙403は反りや凹凸が校正され、高度に平らな面が形成される。
そして、搬送ベルト433を周回させて用紙403を移動させ、記録ヘッド411から液滴を吐出することで、用紙403上に所要の画像が形成され、画像が記録された用紙403は排紙ローラ438によって排紙トレイ406に排紙される。
このように、この画像形成装置においては本発明に係る液体吐出ヘッドユニットからなる記録ヘッドを備えているので、ノズル−用紙間のギャップを高精度に位置決めでき、高画質画像を形成することができる。
また、この画像形成装置における記録ヘッド及びこの記録ヘッドを駆動する部分で構成される液体吐出装置においても、本発明に係る液体吐出ヘッドユニットからなる記録ヘッドを備えるので、ノズル−用紙間のギャップを高精度に位置決めできる。
なお、上記実施形態では本発明をプリンタ構成の画像形成装置に適用した例で説明したが、これに限るものではなく、例えば、プリンタ/ファックス/コピア複合機などの画像形成装置に適用することができる。また、狭義のインク以外の液体や定着処理液などを用いる画像形成装置にも適用することができる。
機構部全体の概略構成図である。