JP2011056922A - 液体吐出ヘッド及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ヘッドの構成部品を小型化し、ノズル保護部材を強固に接着することが難しい。
【解決手段】ノズル板3とノズル板3が接合され、ノズル4が連通する個別流路6を形成する流路板1と、ノズル板3の表面周縁部及びヘッド周辺部を覆うノズルカバー部材31とを有し、ノズル板3の外周部の一部となる切断代3aが流路板1のノズル板3の外周部よりも外側の表面に形成された溝部30内に填まり込み、流路板1とノズルカバー部材31とが流路板1の溝部30内に設けられた接着剤41で接合されている。
【選択図】図5
【解決手段】ノズル板3とノズル板3が接合され、ノズル4が連通する個別流路6を形成する流路板1と、ノズル板3の表面周縁部及びヘッド周辺部を覆うノズルカバー部材31とを有し、ノズル板3の外周部の一部となる切断代3aが流路板1のノズル板3の外周部よりも外側の表面に形成された溝部30内に填まり込み、流路板1とノズルカバー部材31とが流路板1の溝部30内に設けられた接着剤41で接合されている。
【選択図】図5
Description
本発明は液体吐出ヘッド及び画像形成装置に関する。
プリンタ、ファクシミリ、複写装置、プロッタ、これらの複合機等の画像形成装置として、例えばインク液滴を吐出する液体吐出ヘッド(液滴吐出ヘッド)からなる記録ヘッドを用いた液体吐出記録方式の画像形成装置としてインクジェット記録装置などが知られている。この液体吐出記録方式の画像形成装置は、記録ヘッドからインク滴を、搬送される用紙(紙に限定するものではなく、OHPなどを含み、インク滴、その他の液体などが付着可能なものの意味であり、被記録媒体あるいは記録媒体、記録紙、記録用紙などとも称される。)に対して吐出して、画像形成(記録、印字、印写、印刷も同義語で使用する。)を行なうものであり、記録ヘッドが主走査方向に移動しながら液滴を吐出して画像を形成するシリアル型画像形成装置と、記録ヘッドが移動しない状態で液滴を吐出して画像を形成するライン型ヘッドを用いるライン型画像形成装置がある。
なお、本願において、液体吐出記録方式の「画像形成装置」は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等の媒体に液体を吐出して画像形成を行う装置を意味し、また、「画像形成」とは、文字や図形等の意味を持つ画像を媒体に対して付与することだけでなく、パターン等の意味を持たない画像を媒体に付与すること(単に液滴を媒体に着弾させること)をも意味する。また、「インク」とは、インクと称されるものに限らず、記録液、定着処理液、液体などと称されるものなど、画像形成を行うことができるすべての液体の総称として用い、例えば、DNA試料、レジスト、パターン材料、樹脂なども含まれる。また、「画像」とは平面的なものに限らず、立体的に形成されたものに付与された画像、また立体自体を3次元的に造形して形成された像も含まれる。
従来、液体吐出ヘッドとして、圧力室(液室、個別液室、加圧室などともいう。)内の液体であるインクを加圧する圧力を発生するための圧力発生手段(アクチュエータ手段)として圧電アクチュエータ、発熱抵抗体などのサーマルアクチュエータ、振動板と電極で構成される静電アクチュエータなどを用いたものが知られている。
このような液体吐出ヘッドとして、ノズルを形成したノズル板や流路を形成する流路板(流路部材)などを積層して構成したものがある。この場合、各板状部材(ノズル板、流路板など)の外形をプレスで型抜きしたり、刃物による押し切りなど形成したものが用いられる場合、切断部にバリや変形が発生して突状部を形成するため、板状部材を重ね合わせて接合するときに、その突状部が他の部材に接触すると、接合不良が発生してしまうことになる。
そこで、突状部が対向する領域に、突状部との当接を回避する切り欠きを外周に形成することにより接合不良を防止するものがある(特許文献1)。
また、画像形成装置本体側にはノズル板の表面(ノズル表面)をワイピングして残留インクや付着物を除去する回復機構を備えるようにしている。そこで、液体吐出ヘッドとしては、このワイピング時や被記録媒体のジャム時に、ノズル板や流路部材の側面を外部からの物理的接触から保護したり、インクの侵入を防止するためにノズルカバー(ノズル保護部材)を装着したものがある。
この場合、ジャム時には被記録媒体が衝突した場合、非常に大きい衝撃が加わることになるため、ノズル保護部材は破損したり、外れたりしないように装着し、また、インクの侵入を防止するためにインクが侵入するような隙間が生じないようにする必要がある。
ところが、ノズル板の表面には撥水処理されているためノズル保護部材との強固な接着が難しく、ジャム時に被記録媒体の衝突によりノズル保護部材が外れたり、ノズル保護部材とノズル板の間からインクが侵入し、ノズル保護部材で保護された機能部分の機能が損なわれる場合がある。
そこで、ノズル板の外縁部に非撥水処理面を形成して、ノズル保護部材の強固な接着を可能にしたもの、ノズル保護部材をベース部材とを接着するようにしたものが知られている(特許文献2)。
ところで、液体吐出ヘッドを低コストで作製するには、ノズル板や流路部材などできる限り小さなサイズで作製することが好ましい。この場合、液滴を吐出するための機能として、部品の構成を考えると、各部品のサイズが異なることになる。通常、ノズルの形成領域は個別流路の形成領域より小さなサイズとなるため、機能上ではノズル板は流路部材より小さなサイズで作製することができる。
しかしながら、特許文献1に開示の構成にあっては、ノズル板切断時に形成した突出部を流路部材の外周に形成した切り欠きによって回避するため、ノズル板と流路部材が略同じサイズとなってしまい、ノズル板の小型化が難しいという課題がある。また、保護部材を装着しようとした場合には、ノズル表面が撥水処理されていると前述したようにノズル保護部材の装着に強固な接着が難しいという課題がある。
一方、特許文献2に開示の構成にあっては、ノズル板の外形をプレスで型抜きしたり、刃物による押し切りなどで形成した場合、切断部にバリや変形が発生するため、ノズル板と流路部材の接合が難しくなったり、或いはノズル板のバリや変形を修正するための加工が別途必要になったりする。また、ノズル保護部材と流路部材とを接着する場合でも、ノズル面側や流路部材側面に接着剤がはみ出しやすくなるため、ノズル面側に接着剤がはみ出してしまった場合には、ノズル面を清浄に保てなくなり、また、はみ出さないようにするためには高精度に接着剤の量を制御することが必要になる。さらに、側面側にはより接着剤がはみ出しやすいため、薄膜で構成された共通液室の圧力変動を吸収するダンパ部材をヘッド側面側に配置することができない。この場合、接着剤がはみ出してもヘッドとして機能する機能部に影響が無いように、機能部を接着部からの距離に余裕を持たせると、部品が大型化になり、部品コストが高くなるという課題がある。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、部品を小型化し、ノズル保護部材を強固に接着して信頼性を向上することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明に係る液体吐出ヘッドは、
液滴を吐出するノズルが形成され、表面が撥水性を有するノズル板と、
前記ノズル板が接合され、前記ノズルが連通する個別流路を形成する流路部材と、
少なくとも前記ノズル板の表面周縁部を覆うヘッド保護部材と、を有し、
前記ノズル板の外周部の一部が前記流路部材の表面に形成された溝部内に位置し、
前記流路部材と前記ヘッド保護部材とが前記流路部材の溝部内に設けられた接着剤で接合されている
構成とした。
液滴を吐出するノズルが形成され、表面が撥水性を有するノズル板と、
前記ノズル板が接合され、前記ノズルが連通する個別流路を形成する流路部材と、
少なくとも前記ノズル板の表面周縁部を覆うヘッド保護部材と、を有し、
前記ノズル板の外周部の一部が前記流路部材の表面に形成された溝部内に位置し、
前記流路部材と前記ヘッド保護部材とが前記流路部材の溝部内に設けられた接着剤で接合されている
構成とした。
本発明に係る液体吐出ヘッドは、
液滴を吐出するノズルが形成され、表面が撥水性を有するノズル板と、
前記ノズル板が接合され、前記ノズルが連通する個別流路を形成する流路部材と、
少なくとも前記ノズル板の表面周縁部を覆うヘッド保護部材と、を有し、
前記ノズル板の外周部の一部が前記流路部材の表面に形成された溝部内に位置し、
前記流路部材の前記溝部と隣接する前記流路部材表面と前記ヘッド保護部材とが接着剤を介して接合されている
構成とした。
液滴を吐出するノズルが形成され、表面が撥水性を有するノズル板と、
前記ノズル板が接合され、前記ノズルが連通する個別流路を形成する流路部材と、
少なくとも前記ノズル板の表面周縁部を覆うヘッド保護部材と、を有し、
前記ノズル板の外周部の一部が前記流路部材の表面に形成された溝部内に位置し、
前記流路部材の前記溝部と隣接する前記流路部材表面と前記ヘッド保護部材とが接着剤を介して接合されている
構成とした。
ここで、前記流路部材の溝部の底面は粗面化されている構成とできる。
また、前記ノズル板の外周部の一部はノズル板の切断端部である構成とできる。
また、複数の前記個別流路に液体を供給する共通液室の壁面の一部を形成する変形可能領域を有し、前記変形可能領域は前記ヘッド保護部材に覆われている構成とできる。
また、前記ヘッド保護部材の表面は前記ノズル板に向かって傾斜している構成とできる。
本発明に係る画像形成装置は、本発明に係る液体吐出ヘッドを備えたものである。
本発明に係る液体吐出ヘッドによれば、ノズル板の外周部の一部が流路部材の表面に形成された溝部内に位置し、流路部材とヘッド保護部材とが流路部材の溝部内に設けられた接着剤で接合されている構成としたので、ノズル板の切断代がノズル板と流路部材の接合時の邪魔にならず、ノズル板の小型化が図れ、流路部材の溝部部分とヘッド保護部材が接着接合されているので、接着剤のはみ出しを抑制しつつヘッド保護部材を強固に、かつ、保護部材内に液体が侵入することなく接着することができ、信頼性が向上する。
本発明に係る液体吐出ヘッドによれば、ノズル板の外周部の一部が流路部材の表面に形成された溝部内に位置し、流路部材の溝部と隣接する流路部材表面とヘッド保護部材とが接着剤を介して接合されている構成としたので、ノズル板の切断代がノズル板と流路部材の接合時の邪魔にならず、ノズル板の小型化が図れ、流路部材の溝部に隣接する表面とヘッド保護部材が接着接合されているので、接着剤のはみ出しを抑制しつつヘッド保護部材を強固に、かつ、保護部材内に液体が侵入することなく接着することができ、信頼性が向上する。
本発明に係る画像形成装置は、本発明に係る液体吐出ヘッドを備えているので、信頼性が向上する。
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。本発明に係る液体吐出ヘッドの第1実施形態について図まず、本発明に係る液体吐出ヘッドの第1実施形態について図1ないし図3を参照して説明する。なお、図1は同液体吐出ヘッドのヘッド保護部材を取り外した状態での分解斜視説明図、図2は同ヘッドの液室長手方向(ノズル並び方向と直交する方向)に沿う断面説明図、図3は同じく液室短手方向(ノズル並び方向)に沿う断面説明図である。なお、図は見やすくするためにハッチングを一部省略している(以下同じ)。
この液体吐出ヘッドは、流路板(液室基板)1と、この流路板1の下面に接合した振動板部材2と、流路板1の上面に接合したノズル板3とを有し、これらによって液滴(液体の滴)を吐出するノズル4がノズル連通路(連通管)5を介して連通する個別流路としての加圧液室(圧力室、加圧室、流路などとも称される。)6、加圧液室6に液体であるインク(記録液)を供給する供給路を兼ねた流体抵抗部7などを形成し、後述するフレーム部材17に形成された共通液室8から各加圧液室6にインクが供給される。そして、ノズル3表面の少なくとも周縁部及びフレーム部材17の外周などを覆うヘッド保護部材としてのノズルカバー部材31を備えている。
ここで、流路板1は、結晶面方位(110)の単結晶シリコン基板を水酸化カリウム水溶液(KOH)などのアルカリ性エッチング液を用いて異方性エッチングすることで、各加圧液室6、流体抵抗部7などをそれぞれ形成している。
なお、流路板1としては、ステンレス基板や感光性樹脂などを用いることもできるが、微細加工性に優れるシリコン基板が好ましく、更にはアルカリ異方性エッチングにより高精度な垂直面が形成可能な面方位(110)の基板を用いることで流路を狭いピッチで形成でき、高速、高解像度印刷を行うヘッドの流路部材として最も好ましい。
また、流路板1は酸化処理され、全面をシリコン酸化膜で覆うことが望ましい。これにより、接着剤に対する濡れ性が向上し、信頼性の高い接着を可能にし、また、インクなどのアルカリ性の液体などの耐液性も向上できる。なお、流路板1にはSUSなどの金属基板を打ち抜きなどの機械加工したものを用いることもできる。
振動板部材2は、図2に示すように加圧液室6側から第1層2a、第2層2b、第3層2cの3層構造のニッケルプレートで形成したもので、例えば電鋳によって作製している。なお、この振動板部材2は、例えば、ポリイミドなどの樹脂部材とSUS基板などの金属プレートとの積層部材、或いは、樹脂部材から形成したものなどを用いることもできる。
ノズル板3は、各加圧液室6に対応して多数のノズル4を形成し、流路板1に接着剤接合している。このノズル板3としては、ステンレス、ニッケルなどの金属板から形成している。また、ノズル4の内部形状(内側形状)は、ホーン形状(略円柱形状又は略円錘台形状でもよい。)に形成し、このノズル4の穴径はインク滴出口側の直径で約20〜35μmとしている。さらに、各列のノズルピッチは150dpiとした。
また、ノズル板3のノズル面(吐出方向の表面:吐出面)には、図示しない撥水性の表面処理を施した撥水処理層を設けている。撥水処理層としては、例えば、PTFE−Ni共析メッキやフッ素樹脂の電着塗装、蒸発性のあるフッ素樹脂(例えばフッ化ピッチなど)を蒸着コートしたもの、シリコン系樹脂・フッ素系樹脂の溶剤塗布後の焼き付け等、記録液物性に応じて選定した撥水処理膜を設けて、記録液の滴形状、飛翔特性を安定化し、高品位の画像品質を得られるようにしている。
そして、振動板部材2には、図2に示すように、各加圧液室6に対応して第1層2aで形成した変形可能な領域であるダイアフラム部2Aの中央部に第2層2b、第3層2cの2層構造の凸部2Bを形成し、この凸部2Bに圧力発生手段(アクチュエータ手段)を構成する圧電部材12に形成された柱状の駆動圧電素子柱素子12Aをそれぞれ接合している。また、各加圧液室6の隔壁6Aに対応して3層構造部分(厚肉部2C)に圧電部材12に形成された柱状の非駆動圧電素子柱12Bを接合している。
これらの駆動圧電素子柱12A及び支柱部となる非駆動圧電素子柱12Bは積層型圧電部材12にハーフカットのダイシングによるスリット加工を施して櫛歯状に分割して形成したもので、非駆動圧電素子柱12Bも圧電素子であるが駆動電圧を印加しないために単なる支柱部となっている。この積層型圧電部材12はベース部材15に接合している。
なお、圧電部材12は、例えば厚さ10〜50μm/1層のチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)の圧電層と、厚さ数μm/1層の銀・パラジューム(AgPd)からなる内部電極層とを交互に積層したものであり、内部電極を交互に端面の端面電極(外部電極)である個別電極、共通電極に電気的に接続し、これらの電極にFPCケーブル16を介して駆動信号を供給するようにしている。
また、圧電部材12の圧電方向としてd33方向の変位を用いて加圧液室6内インクを加圧する構成とすることも、圧電素子12の圧電方向としてd31方向の変位を用いて加圧液室6内インクを加圧する構成とすることもできる。本実施形態ではd33方向の変位を用いた構成をとっている。
ベース部材15は金属材料で形成することが好ましい。ベース部材13の材質(材料)が金属であれば、圧電素子12の自己発熱による蓄熱を防止することができる。圧電部材12とベース部材15は接着剤により接着接合しているが、チャンネル数が増えると、圧電部材12の自己発熱により100℃近くまで温度が上昇し、接合強度が著しく低下することになる。また、自己発熱によりヘッド内部の温度上昇が発生し、インク温度が上昇するが、インクの温度が上昇すると、インク粘度が低下し、噴射特性に大きな影響を与える。したがって、ベース部材15を金属材料で形成して圧電部材12の自己発熱による蓄熱を防止することで、これらの接合強度の低下、記録液粘度の低下による噴射特性の劣化を防止することができる。
さらに、振動板部材2の周囲には例えばエポキシ系樹脂或いはポリフェニレンサルファイト(PPS)で射出成形により形成したフレーム部材17を接着剤で接合している。
このフレーム部材17には、各加圧液室6に記録液を供給する共通液室8を形成し、共通液室8から振動板部材2に形成した供給口9、流体抵抗部7の上流側に形成した流路10、流体抵抗部7を介して加圧液室6に記録液が供給される。なお、フレーム部材17には共通液室8に外部から記録液を供給するためのインク供給口19も形成される。また、共通液室8は、図1に示すように、加圧液室6の並び方向(ノズル並び方向:これを「共通液室長手方向」とする)に平面形状で長方形状に形成している。尚、共通液室8の構造ついては、長手方向の端部で短手方向の幅が狭くなり深さが浅くなる形状としても良い。共通液室8をこのような形状とすることにより記録液の流れ性と気泡排出性を高めることができる。
そして、この共通液室8内の圧力変動を吸収減衰させるためのダンパ手段を設けている。このダンパ手段は、共通液室8の一部の壁面を形成する変形可能なる振動板部材2の第1層2aのみからなる薄膜部23で形成されている。こうすることで、吐出時の共通液室8内の圧力変動を抑制することができ、高速で多ビットを吐出させた場合でも安定して吐出させることができる。なお、薄膜部23の上にさらに振動を減衰させる振動減衰部材などを設けても良い。
このように構成した液体吐出ヘッドにおいては、例えば駆動圧電素子柱12Aに印加する電圧を基準電位から下げることによって駆動圧電素子柱12Aが収縮し、振動板部材2が下降して加圧液室6の容積が膨張することで、加圧液室6内にインクが流入し、その後駆動圧電素子柱12Aに印加する電圧を上げて駆動圧電素子柱12Aを積層方向に伸長させ、振動板部材2をノズル4方向に変形させて加圧液室6の容積を収縮させることにより、加圧液室6内のインクが加圧され、ノズル4から記録液の滴が吐出(噴射)される。
そして、駆動圧電素子柱12Aに印加する電圧を基準電位に戻すことによって振動板部材2が初期位置に復元し、加圧液室6が膨張して負圧が発生するので、このとき、共通液室8から加圧液室6内に記録液が充填される。そこで、ノズル4のメニスカス面の振動が減衰して安定した後、次の液滴吐出のための動作に移行する。
なお、このヘッドの駆動方法については上記の例(引き−押し打ち)に限るものではなく、駆動波形の与えた方によって引き打ちや押し打ちなどを行うこともできる。
次に、この液体吐出ヘッドにおけるノズル板及び流路板並びにノズルカバーの詳細について図4及び図5をも参照して説明する。なお、図4は同ヘッドのノズル板の斜視説明図、図5は同じくヘッドの要部断面説明図、図6は同じくノズル板の平面説明図、図7は同じく流路板の平面説明図、図8は同じく同ヘッドの製造工程の説明に供する説明図である。
ノズル板3は、複数のノズル板を一枚のシートに一括して形成した状態で製造し、各ノズル板1に切断分離して形成されるため、図4及び図6に示すように、外周部に切断代(外周部の一部)3aが残っている。この切断代3aはノズル表面方向からの刃により押し切って切断されており、流路板1と重ねたときに、図5に示すように、切断代3aは流路板1方向に変形するように形成されている。なお、ノズル板3は金型によるプレス加工で切断されても良い。なお、ノズル板3の表面には撥水処理膜32が形成されている。
ノズル板3は、複数のノズル板を一枚のシートに一括して形成した状態で製造し、各ノズル板1に切断分離して形成されるため、図4及び図6に示すように、外周部に切断代(外周部の一部)3aが残っている。この切断代3aはノズル表面方向からの刃により押し切って切断されており、流路板1と重ねたときに、図5に示すように、切断代3aは流路板1方向に変形するように形成されている。なお、ノズル板3は金型によるプレス加工で切断されても良い。なお、ノズル板3の表面には撥水処理膜32が形成されている。
一方、流路板1のノズル板3の表面には、図5及び図7に示すように、ノズル板3の周囲に、ノズル板3と重ね合わせたときに切断代3aが入り込む溝部30が形成されている。なお、流路板1の溝部30は、流路板1の加圧液室6を形成する工程であるエッチング工程の際に同時に形成することができる。この場合、水酸化カリウム水溶液(KOH)のKOH濃度を調整することで、溝部30の底面30aの粗さを制御でき、濃度は30%程度にすることで約1μmの凹凸面を形成することができる。このように、溝部30の底面30aを粗面化することで、アンカー効果により強い接着力を得ることができる。なお、流路板1の材料はSUS等でも良く、ウエットエッチングなどにより底面が粗さを持つ溝部30を形成することもできる。
これにより、図8(a)に示すように、流路板1の溝部30はノズル板接合時に外縁部の位置になるように配置されているので、ノズル板3を流路板1に接合すると、ノズル板3の切断代3aが溝部30内に填まり込み、ノズル板3と流路板1とは切断代3aに邪魔されることなく高い信頼性で接合できる。
ここで、ノズル板3は流路板1より幅が小さく形成され、流路板1の外周側表面にノズル板3の全周囲にわたって溝部30が形成されているので、図8(b)に示すように、接着剤41を溝部30内に微細なディスペンサなどで塗布し、図5、図8(c)に示すように、ノズルカバー部材31を溝部30内の接着剤41でノズル板表面の全周囲が封止されるように接着する。
また、ノズルカバー部材31により、ダンパ手段である共通液室8上の薄膜部23やノズル板3や流路板1などの側面を保護している。ここで、ノズルカバー部材31からインクが侵入すると、薄膜部23に達して、特に高浸透性の高粘度のインクの場合は乾燥して固化することにより、薄膜部23の剛性が上がり、狙いのコンプライアンスが得られなくなり、ダンパ手段のダンピング機能が低下してしまうため、インク侵入を防ぐことが必要となる。
また、ノズルカバー部材31は外部からの接触により外れたりしないように装着されている必要がある。ノズルカバー部材31を接着剤により固定する場合、ノズル板3の表面は全面撥水処理されているため接着力を得られないが、流路板1の溝部30を介して接着剤41で流路板1と接着することで、強い強度と高い液シール性が得られる。このとき、溝部30に接着剤41が溜まるので、接着剤41がダンパ手段である薄膜部23側やノズル板1のノズル面側へ流れ込むことを抑制できる。溝部30のノズル表面側は、表面が撥水処理されたノズル板3の外縁部の切断代3aが填め込まれているので、接着剤41に対して濡れ性が悪く、ノズル表面への接着剤41のはみ出しを効果的に抑制することができる。
なお、ダンパ手段(薄膜部23)が輸送などの気圧変化の影響を受けないように、ノズルカバー部材31とフレーム部材17側面は完全に封止しない方が好ましい。
このように、ノズル板の外周部の一部が流路部材の表面に形成された溝部内に位置し、流路部材とヘッド保護部材とが流路部材の溝部内に設けられた接着剤で接合されている構成とすることで、ノズル板の切断代がノズル板と流路部材の接合時の邪魔にならず、ノズル板の小型化が図れ、流路部材の溝部部分とヘッド保護部材が接着接合されているので、接着剤のはみ出しを抑制しつつヘッド保護部材を強固に、かつ、保護部材内に液体が侵入することなく接着することができ、信頼性が向上する。
次に、本発明の第2実施形態について図9を参照して説明する。なお、図9は同実施形態の要部断面説明図である。
この実施形態は、流路板1の溝部30の一部に、ノズル板3と流路板1とを仮接合するための仮接合用接着剤42を充填したものである。なお、流路板1とノズルカバー部材31とは、前記第1実施形態と同様に溝部30に充填した接着剤(図示省略)で接合されている。
この実施形態は、流路板1の溝部30の一部に、ノズル板3と流路板1とを仮接合するための仮接合用接着剤42を充填したものである。なお、流路板1とノズルカバー部材31とは、前記第1実施形態と同様に溝部30に充填した接着剤(図示省略)で接合されている。
次に、本発明の第3実施形態の異なる例について図10ないし図13を参照して説明する。
この実施形態では、流路板1の溝部30の一部あるいは溝部30とは別にノズル板3と流路板1とを仮接合するための仮接合用接着剤42を充填する溝部を設けたものである。
すなわち、図10は、仮接合するための溝部(仮接合用溝部)33は溝部30より幅が広い溝とし、仮接合領域が比較的大きな領域になるように形成している。なお、仮接合用溝部33の深さは溝部30と同じ深さとし、溝部30と一括形成できる構成とすることが好ましい。仮接合用溝部33が比較的大きい領域であるために、仮接合のための接着剤42の塗布に高い精度が要求されることが無く、仮接合用の接着剤42の塗布を容易に行うことができる。また、仮接合用溝部33は流路板1の端まで形成することで、仮接合のための接着剤42として紫外線硬化型の接着剤を用いた場合、に部品の外部からの紫外線照射の際に硬化を容易に行うことができる。
この実施形態では、流路板1の溝部30の一部あるいは溝部30とは別にノズル板3と流路板1とを仮接合するための仮接合用接着剤42を充填する溝部を設けたものである。
すなわち、図10は、仮接合するための溝部(仮接合用溝部)33は溝部30より幅が広い溝とし、仮接合領域が比較的大きな領域になるように形成している。なお、仮接合用溝部33の深さは溝部30と同じ深さとし、溝部30と一括形成できる構成とすることが好ましい。仮接合用溝部33が比較的大きい領域であるために、仮接合のための接着剤42の塗布に高い精度が要求されることが無く、仮接合用の接着剤42の塗布を容易に行うことができる。また、仮接合用溝部33は流路板1の端まで形成することで、仮接合のための接着剤42として紫外線硬化型の接着剤を用いた場合、に部品の外部からの紫外線照射の際に硬化を容易に行うことができる。
図11は、流路板1の溝部30の一部である短手側の溝部30Aはノズル板3の切断代3aに相当する箇所にのみ形成して、仮接合用溝部33と分離している。なお、長手側もノズル3の切断代3aに相当する箇所のみ形成しても良いが、溝部30のみに接着剤を塗布してノズルカバー部材31を装着した場合は、長手側において、ノズルカバー部材31の接着封止が完全ではない状態になるおそれがあり、また、溝部が形成されていない所にも接着剤を塗布してノズルカバー部材31を装着した場合は、接着剤のはみ出しを溝部30で完全に吸収できなくなるおそれがあることから、長手側は溝部を分割形成しない方が好ましい。
図12は、流路板1の短手側の溝部を仮接合するための溝部(仮接合用溝部)33としたものである。仮接合用溝部33とノズルカバー部材31の接着用の溝部30とを完全に分離することで、ノズルカバー部材31の接着剤が仮接合用の接着剤(硬化済み)と接触しないため、均一で安定したノズルカバー部材31の接着が可能になる。
この場合には、図13に示すように、ノズル板3の接合後、流路板1の長手と角部にのみノズルカバー部材31を接合する接着剤41が塗布され、ノズルカバー部材31を接着固定する。このように、長手にはノズルカバー部材31がノズル表面と封止されているので、ノズル表面の長手からのインク侵入を防ぐことができる。そのため、長手にあるダンパ手段(薄膜部23)はインクから保護することができ、他方、短手は完全に封止されていない構成としているので、輸送などの気圧変化によりダンパ部が破損したり、液体が充填された状態では液体がノズルから漏れ出したりする不具合を生じるのを防ぐことができる。
次に、本発明の第4実施形態について図14及び図15を参照して説明する。なお、図14は同実施形態の要部断面説明図、図15はノズルカバー部材の断面説明図である。
ここでは、ノズルカバー部材31は流路板1の溝部30に隣接する表面1aと接着剤41を介して接合している。このように、非撥水処理面である流路部材1表面とヘッド保護部材(ノズルカバー部材31)とが接着されているため高い接着力を確保できる。また、流路板1のノズルカバー部材31を接合する表面1aは溝部30に隣接しているので、ノズル板3側にはみ出した接着剤を溝部30内に溜めることができ、さらに溝部30には表面が撥水処理された(撥水膜32が形成された)ノズル板3の切断代3aがあるので、接着剤41に対して濡れ性が悪くノズル板表面への接着剤41のはみ出しを効果的に抑制することができる。
ここでは、ノズルカバー部材31は流路板1の溝部30に隣接する表面1aと接着剤41を介して接合している。このように、非撥水処理面である流路部材1表面とヘッド保護部材(ノズルカバー部材31)とが接着されているため高い接着力を確保できる。また、流路板1のノズルカバー部材31を接合する表面1aは溝部30に隣接しているので、ノズル板3側にはみ出した接着剤を溝部30内に溜めることができ、さらに溝部30には表面が撥水処理された(撥水膜32が形成された)ノズル板3の切断代3aがあるので、接着剤41に対して濡れ性が悪くノズル板表面への接着剤41のはみ出しを効果的に抑制することができる。
また、ノズルカバー部材31の先端側(ノズル板表面側)はノズル板表面方向に向かって厚さが薄くなっている、つまり、ノズル板側に向かって低くなるように傾斜している傾斜面36を有している。これにより、ノズル板表面の清掃(ワイピング)時に、清掃面の段差を小さくでき、インクをノズル板表面に残さずに払拭可能となり、ノズル板表面を清浄に保つことができる。
また、ノズルカバー部材31の表面には撥水処理膜35が形成されている。撥水処理膜35の形成方法としては、液状のフッ素系樹脂をノズルカバー部材31の表面にスプレー状に噴霧する方法で形成しているが、処理方法はディッピングなどでも良く、特に形成方法は限定されない。
このように、ノズル板の外周部の一部が流路部材の表面に形成された溝部内に位置し、流路部材の溝部と隣接する流路部材表面とヘッド保護部材とが接着剤を介して接合されている構成とすることで、ノズル板の切断代がノズル板と流路部材の接合時の邪魔にならず、ノズル板の小型化が図れ、流路部材の溝部に隣接する表面とヘッド保護部材が接着接合されているので、接着剤のはみ出しを抑制しつつヘッド保護部材を強固に、かつ、保護部材内に液体が侵入することなく接着することができ、信頼性が向上する。
次に、本発明の第5実施形態について図16及び図17を参照して説明する。なお、図16は同実施形態に係るタンク一体型ヘッドの平面説明図、図17は同じく正面説明図である。
このタンク一体型ヘッド100は、本発明に係る液体吐出ヘッドからなるヘッド部101と、このヘッド部101に対してインクを供給するインクタンク102とを一体化したものである。これによって、高速で安定して滴吐出できるタンク一体型ヘッド(ヘッド一体型液体カートリッジ)が得られる。
このタンク一体型ヘッド100は、本発明に係る液体吐出ヘッドからなるヘッド部101と、このヘッド部101に対してインクを供給するインクタンク102とを一体化したものである。これによって、高速で安定して滴吐出できるタンク一体型ヘッド(ヘッド一体型液体カートリッジ)が得られる。
次に、本発明に係る液体吐出ヘッドを備える本発明に係る画像形成装置の一例について図18及び図19を参照して説明する。なお、図18は同装置の機構部の全体構成を説明する概略構成図、図19は同機構部の要部平面説明図である。
この画像形成装置はシリアル型画像形成装置であり、左右の側板221A、221Bに横架したガイド部材である主従のガイドロッド231、232でキャリッジ233を主走査方向に摺動自在に保持し、図示しない主走査モータによってタイミングベルトを介して矢示方向(キャリッジ主走査方向)に移動走査する。
この画像形成装置はシリアル型画像形成装置であり、左右の側板221A、221Bに横架したガイド部材である主従のガイドロッド231、232でキャリッジ233を主走査方向に摺動自在に保持し、図示しない主走査モータによってタイミングベルトを介して矢示方向(キャリッジ主走査方向)に移動走査する。
このキャリッジ233には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色のインク滴を吐出するための本発明に係る液体吐出ヘッドからなる記録ヘッド234を複数のノズルからなるノズル列を主走査方向と直交する副走査方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。
記録ヘッド234は、それぞれ2つのノズル列を有し、一方のヘッド234aの一方の2列のノズル列はブラック(K)の液滴を、他方の2列のノズル列はシアン(C)の液滴を、他方のヘッド234bの一方の2列のノズル列はマゼンタ(M)の液滴を、他方の2列のノズル列はイエロー(Y)の液滴を、それぞれ吐出する。なお、ここでは2ヘッド構成で4色の液滴を吐出する構成としているが、1ヘッド当たり4ノズル列配置として1個のヘッドで4色の各色を吐出させることもできる。
また、キャリッジ233には、記録ヘッド234のノズル列に対応して各色のインクを供給するためのサブタンク235a、235b(区別しないときは「サブタンク235」という。)を搭載している。このサブタンク235には各色の供給チューブ236を介して、供給ユニット224によって各色のインクカートリッジ210から各色のインクが補充供給される。
一方、給紙トレイ202の用紙積載部(圧板)241上に積載した用紙242を給紙するための給紙部として、用紙積載部241から用紙242を1枚ずつ分離給送する半月コロ(給紙コロ)243及び給紙コロ243に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド244を備え、この分離パッド244は給紙コロ243側に付勢されている。
そして、この給紙部から給紙された用紙242を記録ヘッド234の下方側に送り込むために、用紙242を案内するガイド部材245と、カウンタローラ246と、搬送ガイド部材247と、先端加圧コロ249を有する押さえ部材248とを備えるとともに、給送された用紙242を静電吸着して記録ヘッド234に対向する位置で搬送するための搬送手段である搬送ベルト251を備えている。
この搬送ベルト251は、無端状ベルトであり、搬送ローラ252とテンションローラ253との間に掛け渡されて、ベルト搬送方向(副走査方向)に周回するように構成している。また、この搬送ベルト251の表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ256を備えている。この帯電ローラ256は、搬送ベルト251の表層に接触し、搬送ベルト251の回動に従動して回転するように配置されている。この搬送ベルト251は、図示しない副走査モータによってタイミングを介して搬送ローラ252が回転駆動されることによってベルト搬送方向に周回移動する。
さらに、記録ヘッド234で記録された用紙242を排紙するための排紙部として、搬送ベルト251から用紙242を分離するための分離爪261と、排紙ローラ262及び排紙コロ263とを備え、排紙ローラ262の下方に排紙トレイ203を備えている。
また、装置本体の背面部には両面ユニット271が着脱自在に装着されている。この両面ユニット271は搬送ベルト251の逆方向回転で戻される用紙242を取り込んで反転させて再度カウンタローラ246と搬送ベルト251との間に給紙する。また、この両面ユニット271の上面は手差しトレイ272としている。
さらに、キャリッジ233の走査方向一方側の非印字領域には、記録ヘッド234のノズルの状態を維持し、回復するための維持回復機構281を配置している。この維持回復機構281には、記録ヘッド234の各ノズル面をキャピングするための各キャップ部材(以下「キャップ」という。)282a、282b(区別しないときは「キャップ282」という。)と、ノズル面をワイピングするためのブレード部材であるワイパーブレード283と、増粘したインクを排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける空吐出受け284などを備えている。
また、キャリッジ233の走査方向他方側の非印字領域には、記録中などに増粘したインクを排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける空吐出受け288を配置し、この空吐出受け288には記録ヘッド234のノズル列方向に沿った開口部289などを備えている。
このように構成したこの画像形成装置においては、給紙トレイ202から用紙242が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された用紙242はガイド245で案内され、搬送ベルト251とカウンタローラ246との間に挟まれて搬送され、更に先端を搬送ガイド237で案内されて先端加圧コロ249で搬送ベルト251に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。
このとき、帯電ローラ256に対してプラス出力とマイナス出力とが交互に繰り返すように、つまり交番する電圧が印加され、搬送ベルト251が交番する帯電電圧パターン、すなわち、周回方向である副走査方向に、プラスとマイナスが所定の幅で帯状に交互に帯電されたものとなる。このプラス、マイナス交互に帯電した搬送ベルト251上に用紙242が給送されると、用紙242が搬送ベルト251に吸着され、搬送ベルト251の周回移動によって用紙242が副走査方向に搬送される。
そこで、キャリッジ233を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド234を駆動することにより、停止している用紙242にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙242を所定量搬送後、次の行の記録を行う。記録終了信号又は用紙242の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙242を排紙トレイ203に排紙する。
このように、この画像形成装置では、本発明に係る液体吐出ヘッドを記録ヘッドとして備えるので、信頼性が向上し、安定した滴吐出特性が得られるので、高画質画像を形成することができる。
次に、本発明に係る液体吐出ヘッドを備える本発明に係る画像形成装置の他の例について図20を参照して説明する。なお、図20は同装置の機構部全体の概略構成図である。
この画像形成装置は、ライン型画像形成装置であり、装置本体401の内部に画像形成部402等を有し、装置本体401の下方側に多数枚の記録媒体(用紙)403を積載可能な給紙トレイ404を備え、この給紙トレイ404から給紙される用紙403を取り込み、搬送機構405によって用紙403を搬送しながら画像形成部402によって所要の画像を記録した後、装置本体401の側方に装着された排紙トレイ406に用紙403を排紙する。
この画像形成装置は、ライン型画像形成装置であり、装置本体401の内部に画像形成部402等を有し、装置本体401の下方側に多数枚の記録媒体(用紙)403を積載可能な給紙トレイ404を備え、この給紙トレイ404から給紙される用紙403を取り込み、搬送機構405によって用紙403を搬送しながら画像形成部402によって所要の画像を記録した後、装置本体401の側方に装着された排紙トレイ406に用紙403を排紙する。
また、装置本体401に対して着脱可能な両面ユニット407を備え、両面印刷を行うときには、一面(表面)印刷終了後、搬送機構405によって用紙403を逆方向に搬送しながら両面ユニット407内に取り込み、反転させて他面(裏面)を印刷可能面として再度搬送機構405に送り込み、他面(裏面)印刷終了後排紙トレイ406に用紙403を排紙する。
ここで、画像形成部402は、例えばブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色の液滴を吐出する、フルライン型の4個の本発明に係る液体吐出ヘッドで構成した記録ヘッド411k、411c、411m、411y(色を区別しないときには「記録ヘッド411」という。)を備え、各記録ヘッド411は液滴を吐出するノズルを形成したノズル面を下方に向けてヘッドホルダ413に装着している。
また、各記録ヘッド411に対応してヘッドの性能を維持回復するための維持回復機構412k、412d、412m、412y(色を区別しないときには「維持回復機構412」という。)を備え、パージ処理、ワイピング処理などのヘッドの性能維持動作時には、記録ヘッド411と維持回復機構412とを相対的に移動させて、記録ヘッド411のノズル面に維持回復機構412を構成するキャッピング部材などを対向させる。
なお、ここでは、記録ヘッド411は、用紙搬送方向上流側から、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの順に各色の液滴を吐出する配置としているが、配置及び色数はこれに限るものではない。また、ライン型ヘッドとしては、各色の液滴を吐出する複数のノズル列を所定間隔で設けた1又は複数のヘッドを用いることもできるし、ヘッドとこのヘッドに記録液を供給する記録液カートリッジを一体とすることも別体とすることもできる。
給紙トレイ404の用紙403は、給紙コロ(半月コロ)421と図示しない分離パッドによって1枚ずつ分離され装置本体401内に給紙され、搬送ガイド部材423のガイド面423aに沿ってレジストローラ425と搬送ベルト433との間に送り込まれ、所定のタイミングでガイド部材426を介して搬送機構405の搬送ベルト433に送り込まれる。
また、搬送ガイド部材423には両面ユニット407から送り出される用紙403を案内するガイド面423bも形成されている。更に、両面印刷時に搬送機構405から戻される用紙403を両面ユニット407に案内するガイド部材427も配置している。
搬送機構405は、駆動ローラである搬送ローラ431と従動ローラ432との間に掛け渡した無端状の搬送ベルト433と、この搬送ベルト433を帯電させるための帯電ローラ434と、画像形成部402に対向する部分で搬送ベルト433の平面性を維持するプラテン部材435と、搬送ベルト433から送り出す用紙403を搬送ローラ431側に押し付ける押さえコロ436と、その他図示しないが、搬送ベルト433に付着した記録液(インク)を除去するためのクリーニング手段である多孔質体などからなるクリーニングローラなどを有している。
この搬送機構405の下流側には、画像が記録された用紙403を排紙トレイ406に送り出すための排紙ローラ438及び拍車439を備えている。
このように構成した画像形成装置において、搬送ベルト433は矢示方向に周回移動し、高電位の印加電圧が印加される帯電ローラ434と接触することで帯電され、この高電位に帯電した搬送ベルト433上に用紙403が給送されると、用紙403は搬送ベルト433に静電的に吸着される。このようにして、搬送ベルト433に強力に吸着した用紙403は反りや凹凸が校正され、高度に平らな面が形成される。
そして、搬送ベルト433を周回させて用紙403を移動させ、記録ヘッド411から液滴を吐出することで、用紙403上に所要の画像が形成され、画像が記録された用紙403は排紙ローラ438によって排紙トレイ406に排紙される。
このように、この画像形成装置においては本発明に係る液体吐出ヘッドからなる記録ヘッドを備えているので、信頼性が向上し、安定した滴吐出特性が得られるので、高画質画像を形成することができる。
なお、上記実施形態では本発明をプリンタ構成の画像形成装置に適用した例で説明したが、これに限るものではなく、前述したように、例えば、プリンタ/ファックス/コピア複合機などの画像形成装置に適用することができ、また、狭義のインク以外の液体や定着処理液などを用いる画像形成装置にも適用することができる。また、上記実施形態では圧電アクチュエータを用いる液体吐出ヘッドで説明しているが、前述したようなその他のアクチュエータを用いる液体吐出ヘッドにも同様に適用できる。
1 流路板圧電部材
2 振動板部材
3 ノズル板
4 ノズル
6 加圧液室(個別流路)
8 共通液室
23 ダンパ手段(薄膜部)
30 溝部
31 ノズルカバー部材(ヘッド保護部材)
41 接着剤
42 仮接合用接着剤
233 キャリッジ
234a、234b 記録ヘッド(液体吐出ヘッド)
411k、411c、411m、411y 記録ヘッド(液体吐出ヘッド)
2 振動板部材
3 ノズル板
4 ノズル
6 加圧液室(個別流路)
8 共通液室
23 ダンパ手段(薄膜部)
30 溝部
31 ノズルカバー部材(ヘッド保護部材)
41 接着剤
42 仮接合用接着剤
233 キャリッジ
234a、234b 記録ヘッド(液体吐出ヘッド)
411k、411c、411m、411y 記録ヘッド(液体吐出ヘッド)
Claims (7)
- 液滴を吐出するノズルが形成され、表面が撥水性を有するノズル板と、
前記ノズル板が接合され、前記ノズルが連通する個別流路を形成する流路部材と、
少なくとも前記ノズル板の表面周縁部を覆うヘッド保護部材と、を有し、
前記ノズル板の外周部の一部が前記流路部材の表面に形成された溝部内に位置し、
前記流路部材と前記ヘッド保護部材とが前記流路部材の溝部内に設けられた接着剤で接合されている
ことを特徴とする液体吐出ヘッド。 - 液滴を吐出するノズルが形成され、表面が撥水性を有するノズル板と、
前記ノズル板が接合され、前記ノズルが連通する個別流路を形成する流路部材と、
少なくとも前記ノズル板の表面周縁部を覆うヘッド保護部材と、を有し、
前記ノズル板の外周部の一部が前記流路部材の表面に形成された溝部内に位置し、
前記流路部材の前記溝部と隣接する前記流路部材表面と前記ヘッド保護部材とが接着剤を介して接合されている
ことを特徴とする液体吐出ヘッド。 - 前記流路部材の溝部の底面は粗面化されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の液体吐出ヘッド。
- 前記ノズル板の外周部の一部はノズル板の切断端部であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
- 複数の前記個別流路に液体を供給する共通液室の壁面の一部を形成する変形可能領域を有し、前記変形可能領域は前記ヘッド保護部材に覆われていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
- 前記ヘッド保護部材の表面は前記ノズル板に向かって傾斜していることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の画像形成装置。
- 請求項1ないし6のいずれかに記載の液体吐出ヘッドを備えていることを特徴とする画像形成装置。
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