JP2011255578A - 圧電アクチュエータ、液体吐出ヘッド及び画像形成装置 - Google Patents

圧電アクチュエータ、液体吐出ヘッド及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】圧電柱の高密度化を図りつつ圧電柱と変位部材との接合面積を広くする必要がある。
【解決手段】ベース部材13上に2本の圧電部材12、12が並列に並べられて接合固定され、圧電部材12の複数の圧電柱12a間の溝31は、柱上部側の幅aよりも柱根元側の幅bを広く(b>a)形成し、中間部の幅cを根元側の幅bよりもさらに広く(c>b)形成して、圧電柱12aの幅を、柱根元側の幅eよりも柱上部側の幅dを広く(d>e)形成し、柱根元側の幅eを中間部の幅fよりも広く(e>f)形成している。
【選択図】図8

Description

本発明は圧電アクチュエータ、液体吐出ヘッド及び画像形成装置に関する。
プリンタ、ファクシミリ、複写装置、プロッタ、これらの複合機等の画像形成装置として、例えばインク液滴を吐出する液体吐出ヘッド(液滴吐出ヘッド)からなる記録ヘッドを用いた液体吐出記録方式の画像形成装置(インクジェット記録装置)が知られている。この液体吐出記録方式の画像形成装置は、記録ヘッドからインク滴を、搬送される用紙(紙に限定するものではなく、OHPなどを含み、インク滴、その他の液体などが付着可能なものの意味であり、被記録媒体あるいは記録媒体、記録紙、記録用紙などとも称される。)に対して吐出して、画像形成(記録、印字、印写、印刷も同義語で使用する。)を行なうものであり、記録ヘッドが主走査方向に移動しながら液滴を吐出して画像を形成するシリアル型画像形成装置と、記録ヘッドが移動しない状態で液滴を吐出して画像を形成するライン型ヘッドを用いるライン型画像形成装置がある。
なお、本願において、液体吐出記録方式の「画像形成装置」は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等の媒体に液体を吐出して画像形成を行う装置を意味し、また、「画像形成」とは、文字や図形等の意味を持つ画像を媒体に対して付与することだけでなく、パターン等の意味を持たない画像を媒体に付与すること(単に液滴を媒体に着弾させること)をも意味する。また、「インク」とは、インクと称されるものに限らず、記録液、定着処理液、液体などと称されるものなど、画像形成を行うことができるすべての液体の総称として用い、例えば、DNA試料、レジスト、パターン材料、樹脂なども含まれる。また、「画像」とは平面的なものに限らず、立体的に形成されたものに付与された画像、また立体自体を三次元的に造形して形成された像も含まれる。
液体吐出ヘッドとしては、例えば液室内の液体であるインクを加圧し圧力を発生するための圧力発生手段としての圧電体、特に圧電層と内部電極を交互に積層した積層型圧電部材に溝加工を施して複数の柱状の圧電素子(圧電柱)を形成した圧電アクチュエータを備え、積層型圧電素子のd33またはd31方向の変位で液室に壁面を形成する弾性変形可能な振動板を変形させ、液室内容積、圧力を変化させて液滴を吐出させるいわゆる圧電型ヘッドが知られている(特許文献1)。
従来の液体吐出ヘッドに用いる圧電アクチュエータとして、例えば、複数の圧電柱について、圧電柱配列方向と直交する方向の幅を、柱上部側より柱根元側(柱下部側ないし柱底部側)を狭く形成したものが知られている(特許文献2)。
特開平8−142325号公報 特許第3546430号公報
ところで、画像形成装置においては、高画質化に対応するために液滴の小滴化やノズルの高密度化(高集積化)を図り、また、高速化に対応するため駆動周波数の高周波数化や1ヘッド当たりのノズル数の増加によるライン型ヘッドに代表されるヘッドの長尺化などが行なわれている。
このようなヘッドの高集積化に対応するためには、溝加工で複数の圧電柱を形成するとき、圧電柱の圧電柱配列方向の幅(以下、「幅」とは同方向の幅をいう。)、溝加工のピッチ、溝の幅がそれぞれ狭く、溝の深さ(圧電柱の高さ)が深くなり、高アスペクト比の圧電柱を形成しなければならなくなる。そのため、溝加工時に圧電柱の倒れが発生してしまう課題がある。
ここで、圧電柱の柱倒れを防止するためには、柱幅をできるだけ確保し、柱の剛性を向上させることが考えられるが、この場合、加工で使用する刃物を薄くする(あるいは細くする)必要があり、刃物の剛性を向上させなければならない。逆に、刃物を厚く(あるいは太く)した場合、圧電柱幅が狭くなるため、圧電柱の剛性が不足し、柱倒れが発生しやすくなり、更には、圧電柱の剛性不足によるアクチュエータの特性低下が生じる。
また、圧電柱で変位させる振動板(変位部材)と接合する接合領域が広いほど接合位置ズレを吸収できて信頼性を高めることができる。また、圧電柱と振動板との接合領域が広いほど大きな力で変位させることができることから、高密度化を図る場合でも圧電柱と振動板との接合領域を広く確保することが要求されている。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、高密度化を図りつつ、圧電柱と振動板との接合領域を広くすることを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明に係る圧電アクチュエータは、
複数の圧電柱が溝を介して配列された圧電部材を有し、
前記複数の圧電柱間の溝は、圧電柱配列方向の幅が、柱上部側よりも柱根元側が広く形成されている
構成とした。
ここで、前記複数の圧電柱間の溝は、圧電柱配列方向の幅が、根元側よりも中間部がさらに広く形成されている構成とできる。
この場合、前記中間部は、圧電柱の高さ方向の中央より根元側に形成されている構成とできる。
また、前記圧電部材は内部電極と圧電材料が圧電柱の高さ方向に積層された積層型圧電部材である構成とできる。
また、前記圧電柱の高さ方向の中央よりも根元側に給電部材が接続されている構成とできる。
また、前記中間部よりも圧電柱の根元側に給電部材が接続されている構成とできる。
本発明に係る液体吐出ヘッドは、本発明に係る圧電アクチュエータを備えているものである。
本発明に係る画像形成装置は、本発明に係る液体吐出ヘッドを備えているものである。
本発明に係る圧電アクチュエータによれば、複数の圧電柱が溝を介して配列された圧電部材を有し、複数の圧電柱間の溝は、圧電柱配列方向の幅が、柱上部側よりも柱根元側が広く形成されている構成としたので、高密度化を図りつつ、圧電柱と変位部材との接合面積を確保して、特性の向上を図れる。
本発明に係る液体吐出ヘッドによれば、本発明に係る圧電アクチュエータを備えているので、高密度化を図れ、滴吐出特性の向上を図れる。
本発明に係る画像形成装置によれば、本発明に係る液体吐出ヘッドを備えているので、高品質画像を形成することができる。
本発明に係る液体吐出ヘッドの実施形態の一例を示す概略分解斜視説明図である。 同ヘッドの液室長手方向に沿う断面説明図である。 同ヘッドの液室短手方向に沿う一例の断面説明図である。 同ヘッドの液室短手方向に沿う一例の断面説明図である。 本発明の第1実施形態に係る圧電アクチュエータの平面説明図である。 同じく正面概要説明図である。 同じく側面説明図である。 同じく要部拡大正面説明図である。 同じく作用効果の説明に供する正面説明図である。 本発明の第2実施形態に係る圧電アクチュエータの要部拡大正面説明図である。 バイピッチ構成の圧電アクチュエータと給電部材との接続の説明に供する要部拡大正面説明図である。 ノーマルピッチ構成の圧電アクチュエータと給電部材との接続の説明に供する要部拡大正面説明図である。 圧電柱の傾きと給電部材の接続位置との関係の説明に供する要部拡大正面説明図である。 圧電アクチュエータと給電部材との接続の他の例の説明に供する要部拡大正面説明図である。 溝加工方法の説明に供する模式的説明図である。 本発明に係る液体吐出ヘッドを備える本発明に係る画像形成装置の一例の機構部の全体構成を説明する概略構成図である。 同機構部の要部平面説明図である。 本発明に係る画像形成装置の他の例を示す全体構成図である。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。本発明に係る液体吐出ヘッドの一例について図1ないし図4を参照して説明する。なお、図1は同ヘッドの分解斜視説明図、図2は同ヘッドのノズル配列方向と直交する方向(液室長手方向)に沿う断面説明図、図3及び図4は同ヘッドのノズル配列方向(液室短手方向)に沿う異なる例の断面説明図である。
この液体吐出ヘッドは、SUS基板で形成した流路板(流路基板、液室基板などとも称される。)1と、この流路板1の下面に接合した振動板を形成する振動板部材2と、流路板1の上面に接合したノズル板3とを有し、これらによって液滴(液体の滴)を吐出する複数のノズル4がそれぞれノズル連通路5を介して連通する個別流路としての複数の液室(加圧液室、圧力室、加圧室、流路などとも称される。)6、液室6にインクを供給する供給路を兼ねた流体抵抗部7、この流体抵抗部7を介して液室6と連通する連通部8を形成し、連通部8に振動板部材2に形成した供給口9を介して後述するフレーム部材17に形成した共通液室10からインクを供給する。
流路板1は、流路板1Aと連通板1Bとを接着して構成している。この流路板1は、SUS基板を、酸性エッチング液を用いてエッチング、あるいは打ち抜き(プレス)などの機械加工することで、連通路5、加圧液室6、流体抵抗部7などの開口をそれぞれ形成している。
振動板部材2は、第1層2Aと第2層2Bとで形成されて、第1層2Aで薄肉部を形成し、第1層2A及び第2層2Bで厚肉部を形成している。そして、この振動板部材2は、各液室6に対応してその壁面を形成する第1層2Aで形成された各振動領域(ダイアフラム部)2aを有し、この振動領域2aの中に、面外側(液室6と反対面側)に第1層2A及び第2層2Bの厚肉部で形成された島状凸部2bが設けられ、この島状凸部2bに振動領域2aを変形させる駆動手段(アクチュエータ手段、圧力発生手段)としての電気機械変換素子を含む本発明に係る圧電アクチュエータ100を配置している。
この圧電アクチュエータ100は、ベース部材13上に接着剤接合した複数(ここでは2つとする)の積層型圧電部材12を有し、圧電部材12にはハーフカットダイシングによって溝31を加工して1つの圧電部材12に対して所要数の圧電柱12A、12Bを所定の間隔で櫛歯状に形成している。なお、圧電部材12の圧電柱12A、12Bは、同じものであるが、駆動波形を与えて駆動させる圧電柱を駆動圧電柱12A、駆動波形を与えないで単なる支柱として使用する圧電柱を非駆動圧電柱12Bとして区別している。そして、駆動圧電柱12Aの上端面(接合面)を振動板部材2の島状凸部2bに接合している。
ここで、圧電部材12は、圧電材料層21と内部電極22A、22Bとを交互に積層したものであり、内部電極22A、22Bをそれぞれ端面、即ち圧電部材12の振動板部材2に略垂直な側面(積層方向に沿う面)に引き出して、この側面に形成された端面電極(外部電極)23、24に接続し、端面電極(外部電極)23、24間に電圧を印加することで積層方向の変位を生じる。
また、圧電部材12には駆動圧電柱12Aに駆動信号を与えるための可撓性を有する給電部材(配線部材)としてのフレキシブル配線基板であるFPC15が接続されている。FPC15には、図示しないが、駆動圧電柱12Aに駆動波形を与えるドライバIC(駆動回路)が搭載され、ホットメルト接着剤16でベース部材13に固定されている。
なお、ここでは、上述したように、圧電部材12の圧電柱12A、12Bは、同じものであり、駆動波形を与えて駆動させる圧電柱を駆動圧電柱12A、駆動波形を与えないで単なる支柱として使用する圧電柱を非駆動圧電柱12Bとして、図3に示すように、駆動圧電柱12Aと非駆動圧電柱12Bとを交互に使用するバイピッチ構成としているが、図4に示すように、すべての圧電柱を駆動圧電柱12Aとして使用するノーマルピッチ構成とすることもできる。
ノズル板3は、ニッケル(Ni)の金属プレートから形成したもので、エレクトロフォーミング法(電鋳)で製造している。このノズル板3には各液室6に対応して直径10〜35μmのノズル4を形成し、流路板1に接着剤接合している。そして、このノズル板3の液滴吐出側面(吐出方向の表面:吐出面、又は液室6側と反対の面)には撥水層を設けている。
さらに、これらの圧電素子12、ベース部材13及びFPC15などで構成されるアクチュエータ部の外周側には、エポキシ系樹脂或いはポリフェニレンサルファイトで射出成形により形成したフレーム部材17を接合している。そして、このフレーム部材17には前述した共通液室10を形成し、更に共通液室10に外部から記録液を供給するための供給口を形成し、この供給口19は更に図示しないサブタンクやインクカートリッジなどのインク供給源に接続される。
このように構成した液体吐出ヘッドにおいては、例えば押し打ち方式で駆動する場合には、図示しない制御部から記録する画像に応じて駆動用圧電柱12Aに20〜50Vの駆動パルス電圧を選択的に印加することによって、パルス電圧が印加された圧電柱12Aが変位して振動板部材2の振動領域2aをノズル板3方向に変形させ、液室6の容積(体積)変化によって液室6内の液体を加圧することで、ノズル板3のノズル4から液滴が吐出される。そして、液滴の吐出に伴って液室6内の圧力が低下し、このときの液流れの慣性によって液室6内には若干の負圧が発生する。この状態の下において、圧電柱12Aへの電圧の印加をオフ状態にすることによって、振動板部材2が元の位置に戻って液室6が元の形状になるため、さらに負圧が発生する。このとき、共通液室10から液室6内に記録液が充填され、次の駆動パルスの印加に応じて液滴がノズル4から吐出される。
なお、液体吐出ヘッドは、上記の押し打ち以外にも、引き打ち方式(振動板部材2を引いた状態から開放して復元力で加圧する方式)、引き−押し打ち方式(振動板部材2を中間位置で保持しておき、この位置から引いた後、押出す方式)などの方式で駆動することもできる。
次に、本発明に係る圧電アクチュエータの第1実施形態について図5ないし図8を参照して説明する。なお、図5は同アクチュエータの平面説明図、図6は同じく正面概要説明図、図7は同じく側面説明図、図8は同じく要部拡大正面説明図である。
この圧電アクチュエータは、SUS430などの材質のベース部材13上に圧電部材12、12が並列に並べられてアクリル系の嫌気性接着剤で接合固定されている。圧電部材12には、溝31によって複数の圧電柱12a(駆動柱12A、12Bの総称で用いる。)が形成されている。そして、圧電柱12a(駆動柱12A)には給電部材としてFPC15が接続されている。
ここで、図8に示すように、圧電部材12の圧電柱12a間の溝31は、柱上部側の幅aよりも柱根元側の幅bを広く(b>a)形成し、中間部の幅cを根元側の幅bよりも広く(c>b)形成している。すなわち、圧電柱12aの幅を、柱根元側の幅eよりも柱上部側の幅dを広く(d>e)形成し、柱根元側の幅eを中間部の幅fよりも広く(e>f)形成している。
これにより、圧電柱12aを高密度配置する場合でも、圧電柱12a(駆動圧電柱12A)の振動板部材2の振動領域2aとの接合面積を広く確保することができるようになり、特性の向上を図ることができる。
つまり、例えば図9に示すように、ノズル配列ピッチPに対応して圧電柱12aを配列するとき、破線図示のようにストレート形状の溝31で圧電柱12aを分割形成した場合に比べて、実線図示のように溝31の柱上部側の幅を狭くすることで圧電柱12aの柱上部側の幅を広くすることができ、振動領域2aとの接合面積を広くすることができるので、圧電柱12aの変位を振動領域2aに効率的に伝達することができ、滴吐出特性の向上を図ることができる。
この場合、図9に示すストレート形状(柱上部側から根元側までの溝幅を同じにした形状)において、本実施形態と同様に柱上部側の溝幅で溝を形成しようとすると、溝加工に用いるブレードの厚みが薄くなり、ブレードの剛性を高くしなければならなくなるという不都合が生じる。
次に、本発明に係る圧電アクチュエータの第2実施形態について図10を参照して説明する。なお、図10は同アクチュエータの要部拡大正面説明図である。
ここでは、溝31の幅を、ある深さ位置(柱上部側から所要深さの部分31a)までは一定とし、最も深い箇所を局所的に広く形成することで、圧電柱12a間の溝31は、柱上部側の幅aよりも柱根元側の幅bを広く(b>a)形成し、圧電柱12aの幅を、柱根元側の幅eよりも柱上部側の幅dを広く(d>e)形成している。
このようにしても、前記第1実施形態と同様の作用効果を得ることができ、このようにストレートに形成された領域を溝部に設けることで、圧電柱の形状バラツキを抑え、変位量を均一に保つことができる。特に積層型圧電部材においては、図10に示すように内部電極の形成領域をストレート部に設けることにより、変位領域は全て等幅となり、均一な変位を得ることが可能となる。
次に、圧電アクチュエータと給電部材との接続について図11及び図12を参照して説明する。なお、図11はバイピッチ構成の例、図12はノーマルピッチ構成の例である。
まず、積層型圧電部材12のFPC15との接合面には図示しない外部電極が圧電柱12aごとに分断されて形成されている。そして、ここでは、給電部材であるFPC15の配線電極15aは、少なくとも圧電柱12aの幅の狭い部分を含む圧電柱12aの高さ方向中央より根元側の領域に半田接合によって接続されている。なお、ワイヤーボンディングによる実装形態などを用いることもできる。
このように、給電部材の配線電極15aの接続位置を根元側の低い位置にすることによって、図13に示すように、溝加工時のセット状態のばらつきにより圧電柱12aが多少傾いたとしても、FPC15の接合時の位置ずれ等による短絡の発生を抑えることができる。すなわち、図13において、上方まで電極を接合した場合には、仮想線図示のように隣接の圧電柱12aと配線電極15aが接触するおそれがあるが、根元側の低い位置に形成することで、図13に示すように短絡の発生を防止できる。
次に、圧電アクチュエータと給電部材との接続の他の例について図14を参照して説明する。
ここでは、給電部材であるFPC15の配線電極15aは、圧電柱12aの幅の狭い部分よりも根元側に半田接合によって接続されている。
すなわち、FPC15は通常ヒータチップ等を用いて加熱接合されるため、常温まで冷却された際に縮んで応力を生じる。ここで、圧電柱12aの柱上部側にこの応力が作用すると、圧電柱は最も強度が弱い部分である最狭部での折れが発生する場合がある。これを防止するためには図14のように応力の発生するFPCの配線電極15aの接合領域を最狭部(圧電柱12aの幅fの部分)より根元側にすることが好ましい。
次に、溝加工方法について図15の模式的説明図を参照して説明する。
フランジ42に保持されたダイシングブレード43が時計回りに30000rpmの速度で回転している。ワークとなるベース部材13に接合された圧電部材12は、治具44に固定された状態で、加工時は図15の右から左方向(白抜き矢印方向)に移動する。ダイシングソーはY方向(紙面に垂直方向)の位置精度の高精度が容易に可能であるため、微細ピッチの加工には優れている。
このとき、ダイシングブレード43の半径方向において、内周部よりも外周部の切削抵抗が大きくなるようなブレード形態にすることによって、外周部がより長時間通過する柱根元側の切削能力が高くなり、前述した実施形態のような溝形状を得ることができる。切削抵抗は例えば砥石の量等で調整することができる。
この場合、溝31の根元側の幅を柱上部側の幅よりも広くすることで、加工時に発生する切り屑や加工時に使用する水(あるいは油などの潤滑材)の排出経路が溝深さの深い位置(柱根元側)に集中し、加工時の負荷を、剛性が高い柱根元部分で受けることができて、圧電柱倒れを防止することもできる。また、同様の理由で、根元側よりさらに溝幅の広い中間部も圧電柱の高さ方向の中央よりも根元側に形成することが好ましい。
なお、上述した液体吐出ヘッドとこの液体吐出ヘッドに液体を供給するタンクを一体化することでヘッド一体型液体カートリッジ(カートリッジ一体型ヘッド)を得ることができる。
次に、本発明に係る液体吐出ヘッドを備える本発明に係る画像形成装置の一例について図16及び図17を参照して説明する。なお、図16は同装置の機構部の全体構成を説明する概略構成図、図17は同機構部の要部平面説明図である。
この画像形成装置はシリアル型画像形成装置であり、左右の側板221A、221Bに横架したガイド部材である主従のガイドロッド231、232でキャリッジ233を主走査方向に摺動自在に保持し、図示しない主走査モータによってタイミングベルトを介して矢示方向(キャリッジ主走査方向)に移動走査する。
このキャリッジ233には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色のインク滴を吐出するための本発明に係る液体吐出ヘッドユニットからなる記録ヘッド234を複数のノズルからなるノズル列を主走査方向と直交する副走査方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。
記録ヘッド234は、それぞれ2つのノズル列を有する液体吐出ヘッド234a、234bを1つのベース部材に取り付けて構成したもので、一方のヘッド234aの一方のノズル列はブラック(K)の液滴を、他方のノズル列はシアン(C)の液滴を、他方のヘッド234bの一方のノズル列はマゼンタ(M)の液滴を、他方のノズル列はイエロー(Y)の液滴を、それぞれ吐出する。なお、ここでは2ヘッド構成で4色の液滴を吐出する構成としているが、各色毎の液体吐出ヘッドを備えることもできる。
また、キャリッジ233には、記録ヘッド234のノズル列に対応して各色のインクを供給するためのサブタンク235a、235b(区別しないときは「サブタンク235」という。)を搭載している。このサブタンク235には各色の供給チューブ236を介して、供給ユニット224によって各色のインクカートリッジ210から各色のインクが補充供給される。
一方、給紙トレイ202の用紙積載部(圧板)241上に積載した用紙242を給紙するための給紙部として、用紙積載部241から用紙242を1枚ずつ分離給送する半月コロ(給紙コロ)243及び給紙コロ243に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド244を備え、この分離パッド244は給紙コロ243側に付勢されている。
そして、この給紙部から給紙された用紙242を記録ヘッド234の下方側に送り込むために、用紙242を案内するガイド部材245と、カウンタローラ246と、搬送ガイド部材247と、先端加圧コロ249を有する押さえ部材248とを備えるとともに、給送された用紙242を静電吸着して記録ヘッド234に対向する位置で搬送するための搬送手段である搬送ベルト251を備えている。
この搬送ベルト251は、無端状ベルトであり、搬送ローラ252とテンションローラ253との間に掛け渡されて、ベルト搬送方向(副走査方向)に周回するように構成している。また、この搬送ベルト251の表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ256を備えている。この帯電ローラ256は、搬送ベルト251の表層に接触し、搬送ベルト251の回動に従動して回転するように配置されている。この搬送ベルト251は、図示しない副走査モータによってタイミングを介して搬送ローラ252が回転駆動されることによってベルト搬送方向に周回移動する。
さらに、記録ヘッド234で記録された用紙242を排紙するための排紙部として、搬送ベルト251から用紙242を分離するための分離爪261と、排紙ローラ262及び排紙コロ263とを備え、排紙ローラ262の下方に排紙トレイ203を備えている。
また、装置本体の背面部には両面ユニット271が着脱自在に装着されている。この両面ユニット271は搬送ベルト251の逆方向回転で戻される用紙242を取り込んで反転させて再度カウンタローラ246と搬送ベルト251との間に給紙する。また、この両面ユニット271の上面は手差しトレイ272としている。
さらに、キャリッジ233の走査方向一方側の非印字領域には、記録ヘッド234のノズルの状態を維持し、回復するための維持回復機構281を配置している。この維持回復機構281には、記録ヘッド234の各ノズル面をキャピングするための各キャップ部材(以下「キャップ」という。)282a、282b(区別しないときは「キャップ282」という。)と、ノズル面をワイピングするためのブレード部材であるワイパーブレード283と、増粘したインクを排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける空吐出受け284などを備えている。
また、キャリッジ233の走査方向他方側の非印字領域には、記録中などに増粘したインクを排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける空吐出受け288を配置し、この空吐出受け288には記録ヘッド234のノズル列方向に沿った開口部289などを備えている。
このように構成したこの画像形成装置においては、給紙トレイ202から用紙242が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された用紙242はガイド245で案内され、搬送ベルト251とカウンタローラ246との間に挟まれて搬送され、更に先端を搬送ガイド237で案内されて先端加圧コロ249で搬送ベルト251に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。
このとき、帯電ローラ256に対してプラス出力とマイナス出力とが交互に繰り返すように、つまり交番する電圧が印加され、搬送ベルト251が交番する帯電電圧パターン、すなわち、周回方向である副走査方向に、プラスとマイナスが所定の幅で帯状に交互に帯電されたものとなる。このプラス、マイナス交互に帯電した搬送ベルト251上に用紙242が給送されると、用紙242が搬送ベルト251に吸着され、搬送ベルト251の周回移動によって用紙242が副走査方向に搬送される。
そこで、キャリッジ233を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド234を駆動することにより、停止している用紙242にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙242を所定量搬送後、次の行の記録を行う。記録終了信号又は用紙242の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙242を排紙トレイ203に排紙する。
このように、この画像形成装置では、本発明に係る液体吐出ヘッドを備えているので、高画質画像を形成することができる。
次に、本発明に係る液体吐出ヘッドを備える本発明に係る画像形成装置の他の例について図18を参照して説明する。なお、図18は同装置の機構部全体の概略構成図である。
この画像形成装置は、ライン型画像形成装置であり、装置本体401の内部に画像形成部402等を有し、装置本体401の下方側に多数枚の記録媒体(用紙)403を積載可能な給紙トレイ404を備え、この給紙トレイ404から給紙される用紙403を取り込み、搬送機構405によって用紙403を搬送しながら画像形成部402によって所要の画像を記録した後、装置本体401の側方に装着された排紙トレイ406に用紙403を排紙する。
また、装置本体401に対して着脱可能な両面ユニット407を備え、両面印刷を行うときには、一面(表面)印刷終了後、搬送機構405によって用紙403を逆方向に搬送しながら両面ユニット407内に取り込み、反転させて他面(裏面)を印刷可能面として再度搬送機構405に送り込み、他面(裏面)印刷終了後排紙トレイ406に用紙403を排紙する。
ここで、画像形成部402は、例えばブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色の液滴を吐出する、フルライン型の4個の本発明に係る液体吐出ヘッドで構成した記録ヘッド411k、411c、411m、411y(色を区別しないときには「記録ヘッド411」という。)を備え、各記録ヘッド411は液滴を吐出するノズルを形成したノズル面を下方に向けてヘッドホルダ413に装着している。
また、各記録ヘッド411に対応してヘッドの性能を維持回復するための維持回復機構412k、412c、412m、412y(色を区別しないときには「維持回復機構412」という。)を備え、パージ処理、ワイピング処理などのヘッドの性能維持動作時には、記録ヘッド411と維持回復機構412とを相対的に移動させて、記録ヘッド411のノズル面に維持回復機構412を構成するキャッピング部材などを対向させる。
なお、ここでは、記録ヘッド411は、用紙搬送方向上流側から、ブランク、シアン、マゼンタ、イエローの順に各色の液滴を吐出する配置としているが、配置及び色数はこれに限るものではない。また、ライン型ヘッドとしては、各色の液滴を吐出する複数のノズル列を所定間隔で設けた1又は複数のヘッドを用いることもできるし、ヘッドとこのヘッドにインクを供給する液体カートリッジを一体とすることも別体とすることもできる。
給紙トレイ404の用紙403は、給紙コロ(半月コロ)421と図示しない分離パッドによって1枚ずつ分離され装置本体401内に給紙され、搬送ガイド部材423のガイド面423aに沿ってレジストローラ425と搬送ベルト433との間に送り込まれ、所定のタイミングでガイド部材426を介して搬送機構405の搬送ベルト433に送り込まれる。
また、搬送ガイド部材423には両面ユニット407から送り出される用紙403を案内するガイド面423bも形成されている。更に、両面印刷時に搬送機構405から戻される用紙403を両面ユニット407に案内するガイド部材427も配置している。
搬送機構405は、駆動ローラである搬送ローラ431と従動ローラ432との間に掛け渡した無端状の搬送ベルト433と、この搬送ベルト433を帯電させるための帯電ローラ434と、画像形成部402に対向する部分で搬送ベルト433の平面性を維持するプラテン部材435と、搬送ベルト433から送り出す用紙403を搬送ローラ431側に押し付ける押さえコロ436と、その他図示しないが、搬送ベルト433に付着したインクを除去するためのクリーニング手段である多孔質体などからなるクリーニングローラなどを有している。
この搬送機構405の下流側には、画像が記録された用紙403を排紙トレイ406に送り出すための排紙ローラ438及び拍車439を備えている。
このように構成した画像形成装置において、搬送ベルト433は矢示方向に周回移動し、高電位の印加電圧が印加される帯電ローラ434と接触することで帯電され、この高電位に帯電した搬送ベルト433上に用紙403が給送されると、用紙403は搬送ベルト433に静電的に吸着される。このようにして、搬送ベルト433に強力に吸着した用紙403は反りや凹凸が校正され、高度に平らな面が形成される。
そして、搬送ベルト433を周回させて用紙403を移動させ、記録ヘッド411から液滴を吐出することで、用紙403上に所要の画像が形成され、画像が記録された用紙403は排紙ローラ438によって排紙トレイ406に排紙される。
このように、この画像形成装置においては、本発明に係る液体吐出ヘッドを備えているので、高速で、高画質画像を形成することができる。
なお、上記実施形態では本発明をプリンタ構成の画像形成装置に適用した例で説明したが、これに限るものではなく、例えば、プリンタ/ファックス/コピア複合機などの画像形成装置に適用することができる。また、狭義のインク以外の液体や定着処理液などを用いる画像形成装置にも適用することができる。
1 流路板(流路基板)
2 振動板部材
3 ノズル板
4 ノズル
6 液室
10 共通液室
12 圧電部材
12A 駆動柱
12B 非駆動柱
12a 圧電柱
13 ベース部材
31 溝
233 キャリッジ
234a、234b 記録ヘッド
411k、411c、411m、411y 記録ヘッド

Claims (8)

  1. 複数の圧電柱が溝を介して配列された圧電部材を有し、
    前記複数の圧電柱間の溝は、圧電柱配列方向の幅が、柱上部側よりも柱根元側が広く形成されている
    ことを特徴とする圧電アクチュエータ。
  2. 前記複数の圧電柱間の溝は、圧電柱配列方向の幅が、根元側よりも中間部がさらに広く形成されていることを特徴とする請求項1に記載の圧電アクチュエータ。
  3. 前記中間部は、圧電柱の高さ方向の中央よりも根元側に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の圧電アクチュエータ。
  4. 前記圧電部材は内部電極と圧電材料が圧電柱の高さ方向に積層された積層型圧電部材であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の圧電アクチュエータ。
  5. 前記圧電柱の高さ方向の中央よりも根元側に給電部材が接続されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の圧電アクチュエータ。
  6. 前記中間部よりも圧電柱の根元側に前記給電部材が接続されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の圧電アクチュエータ。
  7. 請求項1ないし6のいずれかに記載の圧電アクチュエータを備えていることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  8. 請求項7に記載の液体吐出ヘッドを備えていることを特徴とする画像形成装置。
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