以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。本発明を適用する液体吐出ヘッドの一例について図1ないし図3を参照して説明する。なお、図1は同ヘッドのノズル配列方向と直交する方向(液室長手方向)に沿う断面説明図、図2は同じく図1の要部拡大説明図、図3は同ヘッドのノズル配列方向(液室短手方向)に沿う断面説明図である。
この液体吐出ヘッドは、流路部材である流路板1と、流路板1に接合した振動板部材2と、アクチュエータ手段としての圧電アクチュエータユニット4と、フレーム部材5などで構成されている。
流路板1には、液滴を吐出する複数のノズル穴11と、ノズル穴11が連通する個別流路である液室12と、液室12にインクを供給する供給路を兼ねる流体抵抗部13と、流体抵抗部13へのインク導入部14とが形成されている。
ここで、流路板1は、1枚のSUSなどの金属部材をプレス加工して形成している。また、流路板1の滴吐出面11a側には、インクとの撥水性を確保するため、メッキ被膜、あるいは撥水剤コーティングなどの周知の方法で撥水膜を形成している。
振動板部材2は、液室12、流体抵抗部13、インク導入部14の一部の壁面を形成している。この振動板部材2の液室12の壁面を形成する部分は変形可能な領域(振動板領域:ダイアフラム)21となっており、振動板領域21の液室12と反対側の面には圧電アクチュエータ4と接合する凸部22が形成され、また、フレーム部材5と接合する領域、液室12、12間に対応して後述する非駆動圧電素子柱52と接合する領域などにも厚肉部23が形成されている。また、振動板部材2のインク導入部14の壁面を形成する部分には、後述するフレーム部材5に形成された共通液室18とインク導入部14とを連通する供給口24が形成されている。
この振動板部材2は、例えばNiのエレクトロフォーミング法(電鋳法)に形成することができる。振動板領域21の厚みは例えば3〜7μm、凸部22、厚肉部23の厚みは例えば10〜20μmとしている。Ni電鋳に代えて、例えば、厚さ5〜10μmのステンレス製の薄板で構成することもできる。
圧電アクチュエータ4は、ベース部材41上に1又は複数の圧電素子部材42を接合したもので、圧電素子部材42にはハーフカットダイシングなどによるスリット溝加工などで複数の櫛歯状に分割された駆動圧電素子柱51及び非駆動(ダミー)圧電素子柱52が形成されている。駆動圧電素子柱51は振動板部材2の振動板領域21の凸部22に接合され、また、非駆動圧電素子柱52は振動板部材2の液室12、12間に対応する厚肉部23に接合されている。そして、駆動圧電素子柱51にはフレキシブル配線基板としてのFPC58が接続されている。
圧電素子部材42は、厚さ10〜50μm/1層のチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)の圧電層と、厚さ数μm/1層の銀・パラジューム(AgPd)からなる内部電極層とを交互に積層したものであり、内部電極を交互に端面の端面電極(外部電極)である図示しない個別電極及び共通電極にそれぞれ電気的に接続したものである。この圧電定数がd33(d33は内部電極面に垂直(厚み方向)の伸び縮みを指す。)である圧電素子柱51の伸縮により振動板領域21を変位させて液室12を収縮、膨張させるようになっている。圧電素子柱51に駆動信号が印加され充電が行われると伸長し、また圧電素子柱51に充電された電荷が放電すると反対方向に収縮する。
なお、圧電素子部材42として、ここでは上述したように導電材料と圧電材料を積層して構成した積層型圧電素子部材を使用し、d33方向の変位を使用する構成としているが、d31方向の変位を使用する構成、または、少なくとも1層以上の圧電層を平板上に振動板部材2の振動板領域21上に配設したベンド歪型圧電素子を用いる構成とすることもできる。
また、ここでは圧電アクチュエータを用いているが、サーマル型アクチュエータや静電型アクチュエータを用いる構成とすることもできる。
フレーム部材5は、流路板1及び振動板部材2を保持するとともに、図示していないインクタンクからのインクを導入し貯留する共通液室18を形成し、内部に圧電アクチュエータ4が挿入されている。このフレーム部材5は、流路ユニット3の剛性よりは数倍高い剛性の部材となっている。例えば、金属を切削加工で形成したり、樹脂を溶解して形成するモールド工法によって形成されている。なお、流路ユニット3とフレーム部材5及びこれらを接合する接着剤は、インクと直接接触するのでインク内に含まれる溶剤等に溶けないよう十分耐え得る材料が選択されている。
なお、この液体吐出ヘッドでは、圧電素子柱51、52は600dpiの間隔で形成し、それが対向して2列に並んでいる構成としている。また、液室12及びノズル穴11は1列300dpiの間隔で2列を千鳥状に並べて配置しており、600dpiの解像度を1スキャンで得ることができる。
このように構成した液体吐出ヘッドにおいては、例えば、圧電素子部材42の駆動圧電素子柱51に印加する電圧を基準電位から下げることによって駆動圧電素子柱51が収縮し、振動板部材2の振動板領域21が変形して液室12の容積が膨張することで、液室12内にインクが流入し、その後、駆動圧電素子柱51に印加する電圧を上げて駆動圧電素子柱51を積層方向に伸長させ、振動板領域21をノズル穴11方向に変形させて液室12の容積を収縮させることにより、液室12内のインクが加圧され、ノズル穴11からインク滴が吐出される。
そして、駆動圧電素子柱51に印加する電圧を基準電位に戻すことによって振動板領域21が初期位置に復元し、液室12が膨張して負圧が発生するので、このとき、共通液室18から液室12内にインクが充填される。そこで、ノズル穴11のメニスカス面の振動が減衰して安定した後、次の液滴吐出のための動作に移行する。
なお、このヘッドの駆動方法については上記の例(引き−押し打ち)に限るものではなく、駆動波形の与えた方によって引き打ちや押し打ちなどを行うこともできる。
次に、流路板1の詳細について説明する。
この流路板1は、供給路(流路)の入口部分であるインク導入路14からノズル穴11に至るまでの流路の壁面のうち、アクチュエータ手段が配置される側の壁面、すなわち振動板部材2で形成されている壁面以外の壁面31a〜31dは、常にノズル面11aに対して傾きを有し、壁面31a〜31dの接線方向の傾きが連続的に変化する傾斜面である。つまり、流路板1は液室12にインクを供給する供給口部からノズル穴11に至るまで壁面の接線方向がノズル面11aに対し常に傾きを持ち、ノズル面11aと平行になることなく連続的に緩やかに変化する形状となっている。
このように、インク導入路14からノズル穴11に至るまでの流路の壁面のうちアクチュエータ手段が配置される側の壁面は常にノズル面11aに対して傾きを有し、壁面の接線方向の傾きが連続的に変化する傾斜面であることから、気泡排出性に富み、インクの滞留が発生しにくくなる。また、インクの流れを妨げる対向面がないこと、液室形状がノズル面方向に絞った形状であることから、インクの流れをノズルへ集中させることができ、エネルギー損失を抑え、高効率な滴吐出を行うことができる。また、液室12、12間の隔壁16が台形形状となり、液室12の剛性を高め、クロストークを低減することができる。
次に、この流路板1をプレス加工で製造する製造方法の一例について図4及び図5を参照して説明する。
まず、図4(a)に示すように、流路板1を形成する基材72にプレス加工を施すプレス金型71は液室12の内壁面に対応する所望の寸法及び曲線形状に形成されている。そして、図4(b)に示すように、この金型71を用いて絞りプレス加工を行い、基材72に液室12となる凹み部76を形成する。続いて、図4(c)に示すように、先端部がノズル穴11の形状に加工されたパンチ75を用いて、図5(a)に示すように、凹み部76のノズル位置に再度絞りプレス加工を行ってノズル穴11となる凹部78を形成する。続いて、図5(b)に示すように、砥粒がコーティングされた研磨シート77を用いて矢示方向に往復移動させることで、凹み部76の対面側である凸部74を研磨し、図5(c)に示すように、凹部78を開口することでノズル穴11を開口する。
ここで、基材72として用いる鋼材はSUS材に限るものではないが、プレス加工の加工性、汎用性からSUS304H、SUS316L、SUS304−3/4H等が適している。さらに、テンションアニール処理が施されたSUS304H−TA材は、流路部材(ノズル板液室一体部材)と振動板部材の接合での加熱工程において変形しにくく、特に好ましい。
次に、本発明の液体吐出ヘッドの第2実施形態について図6及び図7を参照して説明する。なお、図6は同ヘッドのノズル配列方向と直交する方向に沿う断面説明図、図7は同ヘッドのノズル配列方向に沿う断面説明図である。
この液体吐出ヘッドは、前記第1実施形態と同様に、流路板(チャンバプレート)101及び振動板部材(ダイアフラムプレート)102を接合して構成される流路ユニット103と、アクチュエータ手段としての圧電アクチュエータユニット104と、フレーム部材105などで構成されている。
流路板101は、1枚の金属材料からなる薄板から、液滴を吐出する複数のノズル穴111と、各ノズル穴1111が連通する個別流路である圧力発生室112と、圧力発生室112にインクを供給する流体抵抗部113と、流体抵抗部113へのインク導入部114とが形成されている。ここで、流路板101の圧力発生室112は、薄板から形成された溝状窪み115で形成され、この溝状窪み115の長手方向の一端にノズル穴111が形成され、溝状窪み115の長手方向の他端側に流体抵抗部113及び流体抵抗部113の更に他端側にインク導入部114が形成され、これらの圧力発生室112、ノズル穴111、流体抵抗部113、インク導入部114は薄板を厚み方向に変形させて形成されている。
この流路板101は、例えば鍛造プレス加工法によって形成している。この場合、流路板101の断面は、図7に示すように、連続した凹凸形状となり、溝状窪み115である凹部が圧力発生室112と流体抵抗部113及びインク導入部114となり、凸部がそれぞれの隔壁116となる。そして、流路板101は、前記第1実施形態と同様に、供給路(流路)の入口部分であるインク導入路114からノズル穴111に至るまでの流路の壁面のうち、アクチュエータ手段が配置される側の壁面、すなわち振動板部材102で形成されている壁面以外の壁面は、常にノズル面111aに対して傾きを有し、壁面の接線方向の傾きが連続的に変化する傾斜面である。つまり、流路板101は圧力発生室112にインクを供給する供給口部からノズル穴11に至るまで壁面の接線方向がノズル面111aに対し常に傾きを持ち、のノズル面111aと平行になることなく、連続的に緩やかに変化する形状となっている。
このように、インク導入路114からノズル穴111に至るまでの流路の壁面のうちアクチュエータ手段が配置される側の壁面はノズル面111aに向かって連続的に変化する傾斜面であることから、気泡排出性に富み、インクの滞留が発生しにくくなる。また、インクの流れを妨げる対向面がないこと、液室形状がノズル面方向に絞った形状であることから、インクの流れをノズルへ集中させることができ、エネルギー損失を抑え、高効率な滴吐出を行うことができる。
流体抵抗部113の幅は圧力発生室112の幅より狭くなっている。そして、深さは、前記圧力発生室112の深さよりも浅くしている。流体抵抗部113と圧力発生室112の深さや幅は圧力発生室112と同一であっても良いが、圧力発生室112より幅や深さを狭くすることで、滴吐出時に圧力発生室112内のインクがインク導入部114側に戻ろうとする抵抗部となってより効率よく液滴を吐出させることができる。
また、ノズル穴111の位置は、圧力発生室112の端部により近い方が好ましい。これにより、インクを圧力発生室112内に充填するときに、気泡を排除しやすくなり、気泡を排出させるためのインク廃棄量の削減や吐出の信頼性を向上させることができる。また、気泡が圧力発生室112内に混入したときにも気泡が排出され易くなる。また、流体抵抗部113から伸びた溝状窪み115はインク導入部114として共通液室118の直下まで伸びている。これによって、前記同様に流体抵抗部113から圧力発生室112へのインクの導入をスムーズに行なうことができる。
振動板部材102は、圧力発生室112、流体抵抗部113、インク導入部114の一部の壁面を形成している。この振動板部材102の圧力発生室112の壁面を形成する部分は変形可能な領域(振動板領域:ダイアフラム)121となっており、振動板領域121の圧力発生室112と反対側の面には圧電アクチュエータ104と接合する凸部122が形成され、また、フレーム部材105と接合する領域、圧力発生室112、112間に対応して後述する非駆動圧電素子柱152と接合する領域などにも厚肉部123が形成されている。また、振動板部材102のインク導入部114の壁面を形成する部分には、フレーム部材105に形成された共通液体溜まりである共通液室118とインク導入部114とを連通する複数の貫通穴124を形成したフィルタ部125が設けられている。
この振動板部材102は、例えばNiのエレクトロフォーミング法(電鋳法)に形成することができる。振動板領域121の厚みは例えば3〜7μm、凸部122、厚肉部123の厚みは例えば10〜20μmとしている。Ni電鋳に代えて、例えば、厚さ5〜10μmのステンレス製の薄板で構成することもできる。
圧電アクチュエータ104は、ベース部材141上に1又は複数の圧電素子部材142を接合したもので、圧電素子部材142にはハーフカットダイシングなどによるスリット溝加工などで複数の櫛歯状に分割された駆動圧電素子柱151及び非駆動(ダミー)圧電素子柱152が形成されている。駆動圧電素子柱151は振動板部材102の振動板領域121の凸部122に接合され、また、非駆動圧電素子柱152は振動板部材102の圧力発生室112、12間に対応する厚肉部123に接合されている。なお、圧電素子部材142として、ここでは導電材料と圧電材料を積層して構成した積層型圧電素子部材を使用し、d33方向の変位を使用する構成としているが、d31方向の変位を使用する構成、または、少なくとも1層以上の圧電層を平板上に振動板部材102の振動板領域121上に配設したベンド歪型圧電素子を用いる構成とすることもできる。
また、ここでは圧電アクチュエータを用いているが、サーマル型アクチュエータや静電型アクチュエータを用いる構成とすることもできる。
フレーム部材105は、流路ユニット103を保持するとともに、図示していないインクタンクからのインクを導入し貯留する共通液室118を形成し、内部に圧電アクチュエータ104が挿入されている。このフレーム部材105は、流路ユニット3の剛性よりは数倍高い剛性の部材となっている。例えば、金属を切削加工で形成したり、樹脂を溶解して形成するモールド工法によって形成されている。なお、流路ユニット103とフレーム部材105及びこれらを接合する接着剤は、インクと直接接触するのでインク内に含まれる溶剤等に溶けないよう十分耐え得る材料が選択されている。
このように構成した液体吐出ヘッドにおいては、例えば、圧電素子部材142の駆動圧電素子柱151に印加する電圧を基準電位から下げることによって駆動圧電素子柱151が収縮し、振動板部材102の振動板領域121が変形して圧力発生室112の容積が膨張することで、圧力発生室112内にインクが流入し、その後、駆動圧電素子柱151に印加する電圧を上げて駆動圧電素子柱151を積層方向に伸長させ、振動板領域21をノズル穴111方向に変形させて圧力発生室112の容積を収縮させることにより、圧力発生室112内のインクが加圧され、ノズル穴111からインク滴が吐出される。
そして、駆動圧電素子柱151に印加する電圧を基準電位に戻すことによって振動板領域121が初期位置に復元し、圧力発生室112が膨張して負圧が発生するので、このとき、共通液室118から圧力発生室112内にインクが充填される。そこで、ノズル穴111のメニスカス面の振動が減衰して安定した後、次の液滴吐出のための動作に移行する。
なお、このヘッドの駆動方法については上記の例(引き−押し打ち)に限るものではなく、駆動波形の与えた方によって引き打ちや押し打ちなどを行うこともできる。
このように、この液体吐出ヘッドにおいては、前記第1実施形態の作用効果に加えて、1枚の金属材料からなる薄板を厚み方向に変形させて、流体抵抗部113から圧力発生室112を介してノズル穴111までのインク流路を一体で形成しているので、低コスト化を図れ、ヘッドの長尺化も容易になる。また、従来のようなプレス加工によって現れる流体抵抗部から圧力発生室を形成する流路穴の破断面にくらべ、液体に接する壁面を滑らかな面として形成することができ、インクがスムーズ(層流に近い状態)に流れ、気泡の排出性を向上させることができる。さらには、ノズル穴を有するノズル板と圧力発生室を有する流路板とを接着剤などで接合する必要もなくなり、接合によって生じる各部材間からの接着剤のはみ出しによるインクの流れの阻害による気泡排出性の低下、あるいは接着剤とインクとの濡れ性を悪くするようなことも解消され、組立工数も削減できる。
次に、この液体吐出ヘッドの製造方法の流路板の製造工程の第1例について図8及び図9を参照して説明する。なお、図8は同例における流路板の製造工程の説明に供する説明図、図9は同じくノズル穴開口工程の説明に供する説明図である。
流路板を製造する装置は、第1上型160及び第2上型165と下型170とを備えている。第1上型160は、圧力発生室112及び流体抵抗部113となる溝状窪み115を同時に形成するための凸部162を有する圧力発生室用のパンチ161と、このパンチ161が上下に移動(スライド)するときのガイドとなるストリッパ163とを有している。なお、パンチ161は少なくとも1つあればよい。また、第1上型160と並列された第2上型165は、ノズル穴111の形状をしたノズル用パンチ166と、このパンチ166が上下に移動(スライド)するときのガイドとなるストリッパ167とを有している。
ここで、第1上型160のパンチ161の凸部162の形状及び第2上型165のパンチ166の先端形状は、供給路(流路)の入口部分であるインク導入路114からノズル穴111に至るまでの流路の壁面のうちノズル面111aに向かって連続的に変化する傾斜面を形成する形状、すなわち、圧力発生室112にインクを供給する供給口部からノズル穴111に至るまで壁面の接線方向がノズル面111aに対し常に傾きを持ち、ノズル面111aと平行になることなく連続的に緩やかに変化する形状に形成する形状となっている。
下型170は、第1上型160のパンチ161を受ける細長い溝部176が形成されるとともに、この溝部176の底部にはノズル穴111用の円筒形の凹部177が設けられ、溝部176はヘッドの少なくとも1列分のノズル穴111に相当するだけの数を有するダイ構造となっている。
そして、図8(a)に示すように、下型170の上に設置された金属材料からなる1枚の薄板(以下「ブランク材」という。)150は、上型160のストリッパ163によって固定される。この状態から、図8(b)に示すように、パンチ161が下方向(重力方向)にスライドし、パンチ161の凸部162によって下型170に設けられた溝部176内にブランク材150が押し込まれる。つまり、ここでは、いわゆる絞り加工法に類似するプレス加工を行う。ここまでの工程を第1工程とし、この工程によって、細長い溝状窪み115が形成されることで圧力発生室112と流体抵抗部113、ノズル導入部114が同時に形成される。
その後、パンチ161が元の位置に戻され、ストリッパ162と共にブランク材150から離れ、図8(c)に示すように、次のプレス位置に移動する。この工程を数回繰り返し、最初に形成した溝状窪み115が、第2上型165にあるノズル穴111用パンチ166の直下に達する。ここで、図8(d)に示されるように、前記の第1工程で形成された溝状窪み115に第2上型165のノズル用パンチ166が、下型170の円筒形凹部177までに押し込まれる。この第2工程によって溝状窪み115の一端部側に内部にノズル穴111となる凹部151が形成されたノズル開口部152(図9参照)が形成される。なお、ここで、ノズル開口部とは、ノズル穴111が開口される部分の意味である。
その後は、上述した図8(a)〜(d)に示す工程を繰り返すことによって、ヘッドに必要な圧力発生室112と流体抵抗部113およびインク導入部114となる溝状窪み115とノズル開口部152が形成される。この段階でのブランク材150はノズル穴111として貫通されていない。
次いで、図9に示すように、プレス加工によって形成されたノズル穴111となる凹部151を有するノズル開口部152の先端部(図9でハッチング異ならせて図示している部分)を研磨除去することによってノズル穴111を開口する。この研磨工程(ノズル穴開口工程)を第3工程とする。この研磨工程では、ブランク材150を図示しない固定治具によって固定し、研磨用ラップフィルム155を押し当て部材152によってノズル開口部152の先端部に軽く押し当てながら、ラップフィルム155を矢示方向(ノズル穴111の並び方向)に往復移動しながらノズル開口部152の先端部を研磨して、ノズル穴111を開口させる。
このような第1ないし第3工程を経てノズル穴111が開口された圧力発生室112及び流体抵抗部113などを有する流路板101が得られる。なお、このようなプレス加工によって形成されたブランク材150(流路板101)は図9にも示すように波形状になる。
さらに、図示しないが、流路板101の振動板部材102との接合面を研磨して平坦性を確保する。これにより、圧電アクチュエータ104を接合する場合に、均一に接合させることができ、ノズル穴間での滴速度、滴量のバラツキを低減できる。
そして、流路板101と振動板部材102とを接合し、圧電アクチュエータ104及びフレーム部材105を接合して前述した液体吐出ヘッドを得る。
なお、上型160のパンチ161とこれに対応した下型170の溝部176とのクリアランスは、少なくともブランク材150の板厚より大きいことが好ましい。これは、上型160の送り精度だけを高精度に順送りすることのみで下型170の溝部176の位置を比較的ラフな精度しても良いので、金型コストを低減させることができる。このような金型構成の場合、ブランク材150と下型170は固定され、第1上型160と第2上型165のみが移動する構成である。ブランク材150の下型170への固定方法は、特に限定されるものではなく、下型170に設けられたピンなどによって位置決めされる程度であっても良い。
次に、流路板の製造方法の第2例について図10を参照して説明する。なお、図10は同例における流路板の製造工程の説明に供する説明図である。
ここでは、下型170には溝部176及び凹部177を形成したダイ172を上下方向に移動可能に配置して、上型160、165と下型170とを一対の金型構造とし、金型の小型化を図っている。
この例においても、流路板101の製造工程は前述した実施形態と同様に第1ないし第3工程で行う。つまり、まず、第1工程では、図10(a)の状態から図10(b)に示すように、上型160によって圧力発生室112及び流体抵抗部113、インク導入部114となる細長い溝状窪み115を形成する。次に、図10(c)に示すように、第1上型160が上方向にスライドし、第2上型165が、下型170のダイ172に対向する位置に移動する。そして、第2工程では、図10(d)に示すように、ノズル用パンチ166が下方に移動してきて下型170のダイ172の溝部176に設けられた凹部177に押し込まれる。これによって、ノズル穴111となる凹部が形成されたノズル開口部152が形成される。この動作を連続的に繰り返すことで、ノズル穴111が貫通する前のブランク材150を製作することができる。
その後、前記第1例と同様に、研磨工程にてノズル開口部102のノズル穴111を開口する。
次に、流路板の製造方法の第3例について説明する。
上述した第1、第2例においては、圧力発生室112となる溝状窪み115をノズル穴111用のノズル開口部152を形成する工程よりも先に形成しているが、この場合、ノズル穴用のパンチ166を押し込むストローク量が長くなる。
そこで、この第3例では、前記第1、第2例の第2工程である、例えば図8(d)、図10(d)に示す工程であるノズル穴のパンチ工程を第1工程とし、必要なノズル穴111に相当するノズル開口部152を先に形成する。次に、第2工程として、図9で説明したように先にパンチ166によって形成されたノズル開口部152の先端部を研磨してノズル穴111を開口する。この研磨工程によって、ブランク材150は、再び平坦な板となる。そして、最後の第3工程として、圧力発生室112及び流体抵抗部113などとなる溝状窪み115を形成する(例えば、図8(b)や図10(b)の工程)。この場合、第1工程での上型と下型、第2工程での上型と下型は、それぞれ専用に一対を設けることになる。
次に、本発明の液体吐出ヘッドの第3実施形態について図11を参照して説明する。なお、図11は同ヘッドのノズル配列方向に沿う断面説明図である。
この液体吐出ヘッドの流路板101は、プレス加工法の一つであるハーフピアス加工法によって形成している。つまり、圧力発生室112を形成した後に、鍛造法によってノズル穴111を形成している。このように構成しても、前記第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
次に、上記第3実施形態に係る液体吐出ヘッドの流路板の製造工程について図12を参照して説明する。
先ず、製造装置は、第1上型180と下型190を有している。第1上型180は、圧力発生室112及び流体抵抗部113などとなる溝状窪み115を同時に形成するための凸部182を有する圧力発生室用パンチ181と、このパンチ181が上下にスライドするときのガイドとなるストリッパ183とを有している。なお、パンチ181は少なくとも1つがあればよい。下型190は、パンチ181を受ける凹部196を少なくともヘッドのノズル穴111と同数有するダイ構造となっている。凹部196は細長い溝形状となっている。また、パンチ181の凸部182の形状は、前述したように、供給路(流路)の入口部分であるインク導入路114からノズル穴111に至るまでの流路の壁面のうちノズル面111aに向かって連続的に変化する傾斜面を形成する形状、すなわち、圧力発生室112にインクを供給する供給口部からノズル穴111に至るまで壁面の接線方向がノズル面111aに対し常に傾きを持ち、ノズル面111aと平行になることなく連続的に緩やかに変化する形状に形成する形状となっている。
そして、図12(a)に示すように、下型190上に設置されたブランク材150(厚みは前記第1例よりも厚い)は、上型180のストリッパ183によって固定される。この状態からパンチ181が下方にスライドし、図12(b)に示すように、下型190に設けられた凹部196内にブランク材150が押し込まれる。このとき、押し込まれる量がブランク材150の板厚よりは少ない量になる位置でパンチ181の押し込みを止める。また、パンチ181と凹部196とのクリアランスは、前記第1例とは異なり板厚以下であり、例えば、3μm程度の隙間である。ここまでの工程を第1工程とし、この第1工程によって、圧力発生室112と流体抵抗部113などとなる細長い溝状窪み115が同時に形成される。
その後、パンチ181が戻され、ストリッパ182と共にブランク材150から離れて、図12(c)に示すように、次のプレス位置に移動し、再度パンチ81が押し込まれる。この図12(a)から図12(c)までのプレス加工を繰り返すことによって、ヘッドに必要な圧力発生室112及び流体抵抗部113などを形成する溝状窪み115が形成される。この状態でのブランク材150は、圧力発生室112側の凹部(溝状窪み115)とノズル穴111の面となる凸部153が形成されている状態であって、ノズル穴111は形成されていない。
次に、上述したプレス加工によって形成された凹部(溝状窪み115)と凸部153のうちの凸部153のみを研磨することによって、ノズル穴111を形成する面をほぼ平坦に仕上げる。この工程を第2工程とする。この工程によって、図12(d)に示すように、圧力発生室112に対応した薄肉部154が形成され、ノズル板に相当する部分が流路板101と一体となって形成される。そこで、薄肉部154には、ノズル穴111を形成するノズル開口部を、鍛造法を利用したプレス技術によって形成する。ここでは、図示しないが、例えば前述した図8(d)と類似の方法で加工することができる。これを第3工程とする。その後、図9に示す方法によって突起部を研磨する第4工程によって、ノズル穴111が圧力発生室112と一体に形成された流路板101が得られる。
次に、本発明に係る液体吐出ヘッドを備える本発明に係る画像形成装置の一例について図13及び図14を参照して説明する。なお、図13は同装置の機構部の全体構成を説明する概略構成図、図14は同機構部の要部平面説明図である。
この画像形成装置はシリアル型画像形成装置であり、左右の側板221A、221Bに横架したガイド部材である主従のガイドロッド231、232でキャリッジ233を主走査方向に摺動自在に保持し、図示しない主走査モータによってタイミングベルトを介して矢示方向(キャリッジ主走査方向)に移動走査する。
このキャリッジ233には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色のインク滴を吐出するための本発明に係る液体吐出ヘッドと同ヘッドに供給するインクを収容するタンクを一体化した液体吐出ヘッドユニットからなる記録ヘッド234を複数のノズルからなるノズル列を主走査方向と直交する副走査方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。
記録ヘッド234は、それぞれ2つのノズル列を有する液体吐出ヘッドユニット234a、234bを1つのベース部材に取り付けて構成したもので、一方のヘッド234aの一方のノズル列はブラック(K)の液滴を、他方のノズル列はシアン(C)の液滴を、他方のヘッド234bの一方のノズル列はマゼンタ(M)の液滴を、他方のノズル列はイエロー(Y)の液滴を、それぞれ吐出する。なお、ここでは2ヘッド構成で4色の液滴を吐出する構成としているが、1ヘッド当たり4ノズル列配置とし、1個のヘッドで4色の各色を吐出させることもできる。
また、記録ヘッド234のタンク235には各色の供給チューブ236を介して、供給ユニット224によって各色のインクカートリッジ210から各色のインクが補充供給される。
一方、給紙トレイ202の用紙積載部(圧板)241上に積載した用紙242を給紙するための給紙部として、用紙積載部241から用紙242を1枚ずつ分離給送する半月コロ(給紙コロ)243及び給紙コロ243に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド244を備え、この分離パッド244は給紙コロ243側に付勢されている。
そして、この給紙部から給紙された用紙242を記録ヘッド234の下方側に送り込むために、用紙242を案内するガイド部材245と、カウンタローラ246と、搬送ガイド部材247と、先端加圧コロ249を有する押さえ部材248とを備えるとともに、給送された用紙242を静電吸着して記録ヘッド234に対向する位置で搬送するための搬送手段である搬送ベルト251を備えている。
この搬送ベルト251は、無端状ベルトであり、搬送ローラ252とテンションローラ253との間に掛け渡されて、ベルト搬送方向(副走査方向)に周回するように構成している。また、この搬送ベルト251の表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ256を備えている。この帯電ローラ256は、搬送ベルト251の表層に接触し、搬送ベルト251の回動に従動して回転するように配置されている。この搬送ベルト251は、図示しない副走査モータによってタイミングを介して搬送ローラ252が回転駆動されることによってベルト搬送方向に周回移動する。
さらに、記録ヘッド234で記録された用紙242を排紙するための排紙部として、搬送ベルト251から用紙242を分離するための分離爪261と、排紙ローラ262及び排紙コロ263とを備え、排紙ローラ262の下方に排紙トレイ203を備えている。
また、装置本体の背面部には両面ユニット271が着脱自在に装着されている。この両面ユニット271は搬送ベルト251の逆方向回転で戻される用紙242を取り込んで反転させて再度カウンタローラ246と搬送ベルト251との間に給紙する。また、この両面ユニット271の上面は手差しトレイ272としている。
さらに、キャリッジ233の走査方向一方側の非印字領域には、記録ヘッド234のノズルの状態を維持し、回復するための回復手段を含む本発明に係るヘッドの維持回復装置である維持回復機構281を配置している。この維持回復機構281には、記録ヘッド234の各ノズル面をキャピングするための各キャップ部材(以下「キャップ」という。)282a、282b(区別しないときは「キャップ282」という。)と、ノズル面をワイピングするためのブレード部材であるワイパーブレード283と、増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける空吐出受け284などを備えている。
また、キャリッジ233の走査方向他方側の非印字領域には、記録中などに増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける空吐出受け288を配置し、この空吐出受け288には記録ヘッド234のノズル列方向に沿った開口部289などを備えている。
このように構成したこの画像形成装置においては、給紙トレイ202から用紙242が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された用紙242はガイド245で案内され、搬送ベルト251とカウンタローラ246との間に挟まれて搬送され、更に先端を搬送ガイド237で案内されて先端加圧コロ249で搬送ベルト251に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。
このとき、帯電ローラ256に対してプラス出力とマイナス出力とが交互に繰り返すように、つまり交番する電圧が印加され、搬送ベルト251が交番する帯電電圧パターン、すなわち、周回方向である副走査方向に、プラスとマイナスが所定の幅で帯状に交互に帯電されたものとなる。このプラス、マイナス交互に帯電した搬送ベルト251上に用紙242が給送されると、用紙242が搬送ベルト251に吸着され、搬送ベルト251の周回移動によって用紙242が副走査方向に搬送される。
そこで、キャリッジ233を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド234を駆動することにより、停止している用紙242にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙242を所定量搬送後、次の行の記録を行う。記録終了信号又は用紙242の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙242を排紙トレイ203に排紙する。
このように、この画像形成装置では、本発明に係る液体吐出ヘッドを記録ヘッドとして備えるので、気泡排出性が良好で、安定した滴吐出特性が得られ、高速で高画質画像を形成することができる。
次に、本発明に係る液体吐出ヘッドを備える本発明に係る画像形成装置の他の例について図15を参照して説明する。なお、図15は同装置の機構部全体の概略構成図である。
この画像形成装置は、ライン型画像形成装置であり、装置本体401の内部に画像形成部402等を有し、装置本体401の下方側に多数枚の記録媒体(用紙)403を積載可能な給紙トレイ404を備え、この給紙トレイ404から給紙される用紙403を取り込み、搬送機構405によって用紙403を搬送しながら画像形成部402によって所要の画像を記録した後、装置本体401の側方に装着された排紙トレイ406に用紙403を排紙する。
また、装置本体401に対して着脱可能な両面ユニット407を備え、両面印刷を行うときには、一面(表面)印刷終了後、搬送機構405によって用紙403を逆方向に搬送しながら両面ユニット407内に取り込み、反転させて他面(裏面)を印刷可能面として再度搬送機構405に送り込み、他面(裏面)印刷終了後排紙トレイ406に用紙403を排紙する。
ここで、画像形成部402は、例えばイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C),ブラック(K)の各色の液滴を吐出する、ライン型の4個の本発明に係る液体吐出ヘッドと当該液体吐出ヘッドにインクを供給するサブタンクを一体化して構成した記録ヘッド411y、411m、411c、411k(色を区別しないときには「記録ヘッド411」という。)を備え、各記録ヘッド411は液滴を吐出するノズルを形成したノズル面を下方に向けてヘッドホルダ413に装着している。
なお、1つの記録ヘッド411は、図16に示すように、複数(この例では6個)のサブタンク一体型の本発明に係る液体吐出ヘッド501A〜501Fをベース部材502に所定の位置関係で配列して構成しているが、1つのフルライン型液体吐出ヘッドで構成することもできる。
また、各記録ヘッド411に対応してヘッドの性能を維持回復するための維持回復機構412y、412m、412c、412k(色を区別しないときには「維持回復機構412」という。)を備え、パージ処理、ワイピング処理などのヘッドの性能維持動作時には、記録ヘッド411と維持回復機構412とを相対的に移動させて、記録ヘッド411のノズル面に維持回復機構412を構成するキャッピング部材などを対向させる。
給紙トレイ404の用紙403は、給紙コロ(半月コロ)421と図示しない分離パッドによって1枚ずつ分離され装置本体401内に給紙され、搬送ガイド部材423のガイド面423aに沿ってレジストローラ425と搬送ベルト433との間に送り込まれ、所定のタイミングでガイド部材426を介して搬送機構405の搬送ベルト433に送り込まれる。
また、搬送ガイド部材443には両面ユニット407から送り出される用紙403を案内するガイド面423bも形成されている。更に、両面印刷時に搬送機構405から戻される用紙403を両面ユニット407に案内するガイド部材427も配置している。
搬送機構405は、駆動ローラである搬送ローラ431と従動ローラ432との間に掛け渡した無端状の搬送ベルト433と、この搬送ベルト433を帯電させるための帯電ローラ434と、画像形成部402に対向する部分で搬送ベルト433の平面性を維持するプラテン部材435と、搬送ベルト433から送り出す用紙403を搬送ローラ431側に押し付ける押さえコロ436と、その他図示しないが、搬送ベルト433に付着した記録液(インク)を除去するためのクリーニング手段である多孔質体などからなるクリーニングローラなどを有している。なお、搬送機構としては例えばエアー吸引によって搬送ベルトに被記録媒体を吸着させるものなども使用できる。
この搬送機構405の下流側には、画像が記録された用紙403を排紙トレイ406に送り出すための排紙ローラ438及び拍車439を備えている。
このように構成した画像形成装置において、搬送ベルト433は矢示方向に周回移動し、高電位の印加電圧が印加される帯電ローラ434と接触することで帯電され、帯電した搬送ベルト433上に用紙403が給送されると、用紙403は搬送ベルト433に静電的に吸着される。このようにして、搬送ベルト433に強力に吸着した用紙403は反りや凹凸が校正され、高度に平らな面が形成される。
そして、搬送ベルト433を周回させて用紙403を移動させ、記録ヘッド411から液滴を吐出することで、用紙403上に所要の画像が形成され、画像が記録された用紙403は排紙ローラ438によって排紙トレイ406に排紙される。
このように、この画像形成装置では、本発明に係る液体吐出ヘッドを記録ヘッドとして備えるので、気泡排出性が良好で、安定した滴吐出特性が得られ、高速で高画質画像を形成することができる。
なお、上記実施形態では本発明をプリンタ構成の画像形成装置に適用した例で説明したが、これに限るものではなく、前述したように、例えば、プリンタ/ファックス/コピア複合機などの画像形成装置に適用することができ、また、前述したように狭義のインク以外の液体や定着処理液などを用いる画像形成装置にも適用することができる。