JP2013169749A - 液体噴射ヘッド、液体噴射装置、および液体噴射ヘッドの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】液体が噴射されるノズル38が開設されたノズル形成面39を有するヘッドユニット15を固定する固定部材16に、ノズル形成面39のノズル38を露出させる露出開口部55を形成し、露出開口部55内にノズル38を露出させた状態でノズル形成面39と接合される固定板部55を有し、この固定板部55の露出開口部55の周縁部に、前記ノズル形成面39との接合面とは反対面側に薄肉部57を残して固定板部55の厚さ方向の途中まで窪んだ段差部58を形成し、薄肉部57を接合面とは反対面側からノズル形成面39側に向けて傾斜する状態に屈曲する。
【選択図】図4
Description
噴射させる液体噴射ヘッド、これを用いた液体噴射装置、および液体噴射ヘッドの製造方
法に関する。
いられるインクジェット式記録ヘッドがあるが、最近ではごく少量の液体を所定位置に正
確に着弾させることができるという特長を生かして各種の製造装置にも応用されている。
例えば、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターを製造するディスプレイ製造装置,有
機EL(Electro Luminescence)ディスプレイやFED(面発光ディスプレイ)等の電極
を形成する電極形成装置,バイオチップ(生物化学素子)を製造するチップ製造装置に応
用されている。
そして、画像記録装置用の記録ヘッドでは液状のインクを噴射し、ディスプレイ製造装
置用の色材噴射ヘッドではR(Red)・G(Green)・B(Blue)の各色材の溶液を噴射す
る。
また、電極形成装置用の電極材噴射ヘッドでは液状の電極材料を噴射し、チップ製造装
置用の生体有機物噴射ヘッドでは生体有機物の溶液を噴射する。
ヘッド本体)を複数備えたものがある。ヘッドユニットは、圧電素子(圧力発生手段の一
種)を駆動することにより圧力室内の液体に圧力変化を与え、この圧力変化を利用してノ
ズル形成面に開口したノズルから液体、例えばインクを噴射することができる。
このヘッドユニットのノズル形成面側には、固定板が固定されている。この固定板によ
り、各ヘッドユニットの相対位置が規定されると共に、紙つまり等によるノズル形成面の
損傷の防止と固定板を接地させることで、帯電の防止が図られている。
ところで、ノズルから吐出された液体、例えばインクの一部が、ノズル形成面に付着す
ると、他のノズル列の液体(インク)と混合を起こしたり、液体(インク)の飛翔方向を
変化させて品質(印刷品質)を低下させる。
このようにノズル形成面に付着した液体(インク)を払拭するため、噴射範囲から外れ
た位置に、昇降可能な払拭部材としてワイパーブレードが設けてある。これにより、必要
時にワイパーブレードを上昇させてノズル形成面に接触させ、この状態でヘッドユニット
を往復移動させると、ノズル形成面に付着している液体(インク)がワイパーブレードに
拭き取られ、噴射性能が回復する(例えば、特許文献1)。
ワイパーブレードで払拭しようとすると、固定板の厚さ分の段差があるため、ワイパーブ
レードをある程度の弾圧力で弾性変形させてノズル形成面に接触させている。このため、
粘度の低いインクの場合、容易にインクを拭き取ることができるが、粘度が高いインクを
使用した場合、ノズル形成面と固定板とでできる段差にインク溜りが発生し、固定板の開
口部の周縁部に近い領域の残留液体(インク)を充分に払拭することができなかったりす
る。また、段差部でワイパーブレードが弾性変形状態から急激に戻り、これにより残留液
体(インク)が弾き飛ばされるように飛散するという問題がある。このような課題は、イ
ンクに限らずノズル形成面に付着する付着物についても同様に存在する。
固定板が固定されていても段差に液体が残留し難く、しかもノズル形成面と固定板とを接
着する接着剤のノズル形成面への漏出を防止することができる液体噴射ヘッド、液体噴射
装置、および液体噴射ヘッドの製造方法を提供することである。
されたノズル形成面を有するヘッドユニットと、
前記ヘッドユニットを固定する固定部材と、を備え、
前記固定部材は、前記ノズル形成面のノズルを露出させる露出開口部が形成され、当該
露出開口部内にノズルを露出させた状態でノズル形成面と接合される固定板部を有し、
前記固定板部における前記露出開口部の周縁部に、前記ノズル形成面との接合面とは反
対面側に薄肉部を残した状態で、前記接合面側から反対面側に向けて固定板部の厚さ方向
の途中まで窪んだ段差部が形成され、
前記薄肉部は、前記接合面とは反対面側から前記ノズル形成面側に向けて傾斜する状態
に屈曲されたことを特徴とする。
ユニットを固定する固定部材に、ノズル形成面のノズルを露出させる露出開口部を形成し
、露出開口部内にノズルを露出させた状態でノズル形成面と接合される固定板部を有し、
この固定板部における露出開口部の周縁部に、前記ノズル形成面との接合面とは反対面側
に薄肉部を残して固定板部の厚さ方向の途中まで窪んだ段差部を形成し、薄肉部を接合面
とは反対面側からノズル形成面側に向けて傾斜する状態に屈曲することで、固定部材の固
定板部の露出開口部の周縁部を屈曲した傾斜状態にでき、ノズル形成面と固定部材との間
の段差を緩めることができるとともに、傾斜させた薄肉部によって液体溜りを無くしてノ
ズル形成面の拭き取りを確実に行うことができる。
て接合され、当該ノズル形成面と前記段差部との間に、前記ノズル形成面と前記固定板部
との間からの接着剤を導入して貯留する逃げ空部を形成したことを特徴とする。
着剤を導入して貯留する逃げ空部とすることで、ノズル形成面と固定板部とを接合する接
着剤がはみ出してもノズル形成面に付着することを防止することができる。
前記液体噴射ヘッドにおける前記ヘッドユニットのノズル形成面を払拭する払拭部材と
、を備え、
前記空部および前記薄肉部は、少なくとも前記払拭部材によるノズル形成面の払拭時に
当該払拭部材が接触する位置に設けられていることを特徴とする。
を接着剤を導入して貯留する逃げ空部やノズル形成面と段差部との間の傾斜させた薄肉部
を、少なくとも払拭時による払拭部材が接触する位置に設けることで、ノズル形成面と固
定部材との間の段差部を緩めることができるとともに、傾斜させた薄肉部によって液体溜
りを無くしてノズル形成面の拭き取りを確実に行うことができる。また、逃げ空部によっ
てノズル形成面と固定板部とを接合する接着剤がはみ出してもノズル形成面に付着するこ
とを防止することができる。また、逃げ空部を接着剤で満たすようにすれば、ノズルから
噴射される液体が浸入することを防止することもできる。さらに、導電性の接着剤を用い
ることで、ヘッドユニットと固定部材との導通を確実に行うことができる。
ズル形成面を有するヘッドユニットと、前記ヘッドユニットを固定する固定部材と、を備
え、前記固定部材は、前記ノズル形成面のノズルを露出させる露出開口部が形成され、当
該露出開口部内にノズルを露出させた状態でノズル形成面と接合される固定板部を有する
液体噴射ヘッドの製造方法であって、
前記固定板部において前記ノズル形成面との接合面とは反対面側から前記接合面側に向
けてプレス加工により前記露出開口部を開設する工程と、
前記工程で開設された前記露出開口部の周縁部に、前記接合面とは反対面側に薄肉部を
残した状態で、前記接合面側から反対面側に向けて固定板部の厚さ方向の途中まで窪ませ
て段差部を形成する工程と、
前記薄肉部を、前記接合面とは反対面側から前記ノズル形成面側に向けて傾斜させる工
程と、を含むことを特徴とする。
接合面側に向けてプレス加工により露出開口部を開設する工程と、露出開口部の周縁部に
、接合面とは反対面側に薄肉部を残した状態で、接合面側から反対面側に向けて固定板部
の厚さ方向の途中まで窪ませて段差部を形成する工程と、薄肉部を、接合面とは反対面側
からノズル形成面側に向けて傾斜させる工程とで、固定部材の固定板部の露出開口部の周
縁部を屈曲した傾斜状態に簡単に加工することができる。これにより、ノズル形成面と固
定部材との間の段差を緩めることができるとともに、傾斜させた薄肉部によって液体溜り
を無くしてノズル形成面の拭き取りを確実に行うことができる。
べる実施の形態では、本発明の好適な具体例として種々の限定がされているが、本発明の
範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に
限られるものではない。また、以下の説明は、本発明の液体噴射装置として、インクジェ
ット式プリンター1(本発明の液体噴射装置の一種)を例に挙げて行う。
の一種であるインクジェット式記録ヘッド2(以下、記録ヘッド)が取り付けられると共
に、内部に液体を貯留した液体貯留部材の一種であるインクカートリッジ3が着脱可能に
取り付けられるキャリッジ4を備えている。このキャリッジ4の後部には、キャリッジ4
を記録紙5(記録媒体および着弾対象の一種)の紙幅方向、即ち、主走査方向に往復移動
させるキャリッジ移動機構6を備えている。また、記録動作時における記録ヘッド2の下
方には、間隔を空けてプラテン7を備えている。このプラテン7上には、プリンター1の
後方に備えた搬送機構8によって、記録紙5が主走査方向に直交する副走査方向に搬送さ
れる。
られており、キャリッジ移動機構6の作動により、ガイドロッド9に沿って主走査方向に
移動する。キャリッジ4の主走査方向の位置は、位置情報検出手段の一種であるリニアエ
ンコーダー10によって検出され、その検出信号、即ち、エンコーダーパルス(位置情報
の一種)をプリンター1の制御部に送信する。
ッジ4の走査の基点となるホームポジションが設定されている。本実施形態におけるホー
ムポジションには、記録ヘッド2のノズル面39(ノズル形成面の一種)(ノズルプレー
ト29:図4参照)を封止するキャッピング部材11と、ノズル面39を払拭するための
ワイパー部材12(払拭部材の一種)とが配置されている。そして、プリンター1は、こ
のホームポジションから反対側の端部へ向けてキャリッジ4が移動する往動時と、反対側
の端部からホームポジション側にキャリッジ4が戻る復動時との双方向で記録紙5上に文
字や画像等を記録する所謂双方向記録を行う。
図2は本実施形態の記録ヘッド2の組み立て前における分解斜視図である。図3は記録
ヘッド2の断面図である。図4は、図3における領域Aの拡大図である。本実施形態にお
ける記録ヘッド2は、保持部材の一種であるホルダー14、液体噴射ヘッドのヘッドユニ
ットの一種である記録ヘッド本体15、および固定板16(固定部材の一種)により構成
されている。また、記録ヘッド2には、記録ヘッド本体15が間隔を空けて4つ並設され
ている。
トリッジ装着部18の下方において記録ヘッド本体15が接続されるヘッド接続部19と
から構成される。カートリッジ装着部18には、複数の液体導入針20が上方(インクカ
ートリッジ3側)向けて突設されている。また、ホルダー14の内部には、図3等に示す
ように、液体導入針20からカートリッジ装着部18の内部を通ってヘッド接続部19の
下面に開口する液体導入流路21が形成されている。この液体導入流路21の下端は、後
述するケース流路51に連通されている。そして、インクカートリッジ3を記録ヘッド2
に装着すれば、液体導入針20がインクカートリッジ3の内部に挿入される。これにより
、インクカートリッジ3からのインクが、液体導入流路21を通じて記録ヘッド本体15
側に導入される。
態では、液体導入流路21とケース流路51との連通部分の周囲を接着剤24で充填する
ことで、記録ヘッド本体15の上面とヘッド接続部19の下面とを接着している。なお、
接着剤24は弾力性を有する接着剤が用いられ、液体導入流路21とケース流路51との
連通部分をシールすることができる。また、液体導入流路21の下面側の開口縁、または
ケース流路51の上面側の開口縁にパッキンを設け、このパッキンを対向する面に当接す
ることよって液体導入流路21とケース流路51を連通してもよい。この場合、パッキン
の周囲に接着剤を充填する。
記録ヘッド本体15は、図4に示すように、流路基板28、ノズルプレート29、圧電
素子30(圧力発生手段の一種)、保護基板31、コンプライアンス基板32、およびヘ
ッドケース33を備えている。
に沿って細長な連通部35が2本形成されている。これらの連通部35に挟まれた領域に
は、複数の圧力室36が、ノズル列方向に並んだ状態で、連通部35ごとに合計2列形成
されている。各圧力室36は、圧力室36よりも狭い幅で形成されたインク供給路37を
介して、連通部35と連通している。
着剤や熱溶着フィルム等を介して固着されている。ノズルプレート29は、ステンレス鋼
(SUS)又はシリコン単結晶等で形成されており、各圧力室36のインク供給路37と
は反対側で連通するノズル38が複数穿設されている。これらのノズル38は、例えば、
360dpiのピッチで列設されたノズル列を構成する。なお、ノズルプレート29の下
面が本発明におけるノズル面39(ノズル形成面の一種)に相当する。また、ノズル面3
9の周縁部には、固定板16(固定部材の一種)が接合されている。
れている。この弾性膜40上には、例えば下電極膜、圧電体層及び上電極膜が順次積層さ
れた圧電素子30が、各圧力室36に対向した状態で2列並設されている。この圧電素子
30の一側(中央側)の端部には、上電極膜と導通するリード電極(図示せず)の一端が
接続されている。このリード電極の他端は、絶縁体膜上において記録ヘッド本体15の中
央部側に延在し、フレキシブルケーブル41の一端と電気的に接続されている。なお、フ
レキシブルケーブル41の他端は、図示しない制御部と接続されている。
大きさの空間となる圧電素子保持空間42を有する保護基板31が接合されている。この
保護基板31には、連通部35に対向する位置に厚さ方向に貫通した長尺なリザーバー部
43が2本設けられると共に、フレキシブルケーブル41とリード電極を接続可能な配置
空間45が中央部に設けられている。なお、リザーバー部43は各連通部35と連通し、
圧力室36にインクを供給するリザーバー(共通液室)44を構成している。
る固定基板47とを積層した基板であり、保護基板31の上側(流路基板28とは反対側
)に接合されている。このコンプライアンス基板32には、リザーバー44にインクを導
入するインク導入口48が厚さ方向に貫通して形成されている。また、コンプライアンス
基板32のリザーバー44に対向する領域のうちインク導入口48以外の領域は、固定基
板47が除去された封止膜46のみからなる封止部49となっている。これにより、リザ
ーバー44は可撓性を有する封止部49により封止され、コンプライアンスが得られるこ
とになる。
接合された中空箱体状部材である。ヘッドケース33の内部には、保護基板31の配置空
間45と連通する挿通空間50、およびケース流路51がその高さ方向に貫通して形成さ
れている。この挿通空間50内には、フレキシブルケーブル41が挿通されている。ケー
ス流路51は、ホルダー14側からのインクをリザーバー44に供給するための流路であ
り、上端が液体導入流路21に連通され、下端がインク導入口48と連通されている。ま
た、ヘッドケース33の下面のうち封止部49に対向する部分には、封止膜46の可撓変
形を阻害しない程度の封止空間が備えられている。
液体導入流路21を通じてケース流路51内に取り込んでいる。ケース流路51内に取り
込まれたインクは、リザーバー44、インク供給路37を介して圧力室36に供給される
。そして、記録ヘッド本体15は、圧電素子30を駆動させることで圧力室36内のイン
クに圧力変動を生じさせ、この圧力変動を利用することでノズル38からインクを噴射し
ている。
固定板16はステンレス鋼(SUS)等により形成されている。詳しく説明すると、こ
の固定板16は、図2に示すように、記録ヘッド本体15のノズル面39が固定される平
板状に形成された固定板部53と、該固定板部53の外周縁からホルダー14側に起立し
た側面枠部54と、を有している。固定板部53には、記録ヘッド本体15のノズル面3
9におけるノズル38を露出させる露出開口部55が形成され、露出開口部55の周囲の
ノズル面39の一部に重なる領域が接合領域56とされる。
定板16に固定されているため、これらに対応して固定板部53には4つの露出開口部5
5が、ノズル列方向に直交する方向に並設されている。また、露出開口部55は、固定板
16の厚さ方向に貫通した矩形の開口部であり、少なくともノズル面39の全てのノズル
38を露出可能な大きさに設定されている。
薄肉部57を残した状態で、接合面側から反対面側に向けて固定板部53の厚さ方向の途
中まで窪んだ段差部58が形成されている。薄肉部57は、接合面とは反対面側からノズ
ル面39側に向けて傾斜する状態に屈曲されている(図2中の部分拡大図参照)。これに
より、記録ヘッド本体15のノズル面39に接着された固定板16の周縁部は、固定板部
53の傾斜した薄肉部57によって段差のない滑らかな傾斜面で連続することになる。し
たがって、ノズル面39を払拭するためのワイパー部材12でインクを拭き取る場合に、
露出開口部55の開口縁まで払拭されたインクがその後は薄肉部57の傾斜面上を移動し
て除去されることとなり、インク溜りの発生を防止して確実にインクを拭き取ることがで
きる。また、ワイパー部材12が薄肉部57の傾斜面上を移動しながら徐々に弾性変形状
態から緩やかに戻るので、段差部で急激に戻る従来に比較して、前記傾斜面によりインク
が弾き飛ばされることも抑制できる。さらに、インク溜りの発生を低減できるので、拭き
取り性の劣化やキャップ封止の劣化を招くことがなく、ノズル面39にインクが固化する
ことを防止することで、吐出インクの飛行の劣化や吐出不能などを抑制することができる
。
ノズル面39と接合されるが、固定板16のノズル面39側に向けて傾斜する状態の屈曲
させた薄肉部57によって形成されるノズル面39と段差部58との間のV溝状の空間が
、ノズル面39と固定板部53との間からの接着剤59を導入して貯留する逃げ空部60
としてある。これにより、固定板16上に所定の量(記録ヘッド本体15と接合したとき
に固定板16からはみ出さない程度の量)の接着剤59が塗布されるが、接着剤59が、
万一、ノズル面39にはみ出すことがあっても薄肉部57によって形成された逃げ空部6
0にはみ出した接着剤59を導入して貯留することができる。このため、はみ出した接着
剤59がノズル面39のノズル38を閉塞するなどの問題を確実に防止することができる
。なお、本実施形態では、固定板部53(接合領域56)と側面枠部54との両方の面に
接着剤59が塗布されている。
に、記録ヘッド本体15の側面に接着剤59を介して固定される。この状態において、側
面枠部54は電極パッドとして機能し、例えば、図示しない回路基板のグラウンド電極や
、回路基板のグラウンド電極と接続された板金等に接続される。これにより、固定板16
がグラウンドに導通(接地)され、ノズル面39から入る静電気をグラウンドに逃がして
フレキシブルケーブル41上に実装された回路等を保護することができる。
)〜(d)は、記録ヘッド2の製造工程を説明した模式図である。
なる部分。以下、単に固定板16という。)を用意し、固定板16の固定板部53上のノ
ズル面39(ノズル形成面)との接合面とは反対面側から接合面側に向けてプレス加工(
打ち抜き加工)により露出開口部55を開設する。露出開口部55は、固定板16の厚さ
方向に貫通した短形の開口部とされ、少なくともノズル面39の全てのノズル38を露出
可能な大きさに形成される。なお、この実施の形態では、露出開口部55は、4つの記録
ヘッド本体15が間隔を空けて並設された状態で固定板16に固定されるため、これらに
対応して固定板部53には4つの露出開口部55が、ノズル列方向に直交する方向に並設
してある。
この露出開口部55を開設する工程では、プレス加工によって露出開口部55の周縁部
にバリ61が生じ、ノズル面39側に突き出した状態となる。
面とは反対面側に薄肉部57を残した状態で、接合面側から反対面側に向けて固定板部5
3の厚さ方向の途中まで窪ませて段差部58を形成する。すなわち、固定板部53のバリ
61が形成された接合面側からバリ61を押しつぶすように厚さ方向の途中までプレス加
工を行う。これにより、固定板部53の露出開口部55の周縁部には、ノズル面39側が
平坦面とされ、厚さ方向にほぼ半分程度の厚さの薄肉部57が露出開口部55のを囲繞す
るようにして水平に突き出した状態となり、薄肉部57とノズル面39側との間に段差部
58が形成される。この段差部58を形成する工程では、前工程でのプレス加工のパンチ
より大きいパンチを用いることで、バリ61を押しつぶし、薄肉部57および段差部58
を形成している。
き出た薄肉部57を、ノズル面39との接合面とは反対面側からノズル面39側に向けて
傾斜させるようにプレス加工(押し曲げ加工)を行う。この工程では、ノズル面39側に
傾斜させた薄肉部57の先端が露出開口部55のノズル面39と一平面をなす突き出さな
い状態(面一)、あるいはわずかに突き出した状態で、ノズル面39と接着することによ
り弾性的に変形して接触するように形成してある。
この様にして固定板部53の露出開口部55の周縁部に傾斜させた薄肉部57を加工し
た後、図示省略したが、固定板16の固定板部53の外周縁からノズル面方向の側方に向
けて突出した枠状の側面枠部54をプレス加工(曲げ加工)する。
面39を有する記録ヘッド本体15と固定板16とが接着剤59で接着される。すなわち
、固定板16は、固定板部53の接合領域56が接着剤59を介し記録ヘッド本体15の
ノズル面39と接合されるとともに、本実施形態では、側面枠部54と記録ヘッド本体1
5との間にも接着剤59が塗布されて接着される。
側面枠部54が記録ヘッド本体15の側面に接合された後、図示省略したが、記録ヘッ
ド本体15の上端面(ノズル面39とは反対側の面)に、接着剤を介してホルダー14(
ヘッド接続部19)の下端が接合される。そして、側面枠部54は、図示しない回路基板
のグラウンド電極等に接続されて、接地される。
する薄肉部57によってノズル面39と段差部58との間に断面略三角溝状の空間が形成
され、この空間は、ノズル面39と固定板部53との間からノズル面39にはみ出す接着
剤59を導入して貯留する逃げ空部60とされる。これにより、固定板16上に所定の量
(記録ヘッド本体15と接合したときに固定板16からはみ出さない程度の量)の接着剤
59が塗布されるが、接着剤59が、万一、ノズル面39にはみ出すことがあっても薄肉
部57によって形成された逃げ空部60にはみ出した接着剤59を導入して貯留すること
ができる。したがって、はみ出した接着剤がノズル面39のノズル38を閉塞するなどの
問題を確実に防止する。また、逃げ空部60を接着剤59で満たすようにすれば、ノズル
38から噴射されるインクなどの液体が浸入することを防止することもできる。さらに、
導電性の接着剤59を用いることで、記録ヘッド本体15と固定板16との導通を確実に
行うことができる。
記載に基づいて種々の変形が可能である。
上記した実施形態では、圧力発生手段として、所謂撓み振動型の圧電素子30を例示し
たが、これには限られず、例えば、所謂縦振動型の圧電素子を採用することも可能である
。その他、圧力発生手段としては、発熱によりインクを突沸させることで圧力変動を生じ
させる発熱素子や、静電気力により圧力室の区画壁を変位させることで圧力変動を生じさ
せる静電アクチュエーターなどの圧力発生手段を採用する構成においても本発明を適用す
ることが可能である。
ド2を備えたプリンター1を例に挙げて説明したが、本発明は、他の液体噴射ヘッドを備
えた液体噴射装置にも適用することができる。例えば、液晶ディスプレイ等のカラーフィ
ルターの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機EL(Electro Luminescence)ディスプ
レイ、FED(面発光ディスプレイ)等の電極形成に用いられる電極材噴射ヘッド、バイ
オチップ(生物化学素子)の製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等を備えた液体噴射
装置にも本発明を適用することができる。
ヘッド本体,16…固定板,18…カートリッジ装着部,19…ヘッド接続部,20…液
体導入針,21…液体導入流路,28…流路基板,29…ノズルプレート,30…圧電素
子,31…保護基板,32…コンプライアンス基板,33…ヘッドケース,36…圧力室
,37…インク供給口,38…ノズル,39…ノズル面,44…リザーバー,48…イン
ク導入口,51…ケース流路,53…固定板部,54…側面枠部,55…露出開口部,5
6…接合領域,57…薄肉部,58…段差部,59…接着剤,60…逃げ空部
Claims (4)
- 液体が噴射されるノズルが開設されたノズル形成面を有するヘッドユニットと、
前記ヘッドユニットを固定する固定部材と、を備え、
前記固定部材は、前記ノズル形成面のノズルを露出させる露出開口部が形成され、当該
露出開口部内にノズルを露出させた状態でノズル形成面と接合される固定板部を有し、
前記固定板部における前記露出開口部の周縁部に、前記ノズル形成面との接合面とは反
対面側に薄肉部を残した状態で、前記接合面側から反対面側に向けて固定板部の厚さ方向
の途中まで窪んだ段差部が形成され、
前記薄肉部は、前記接合面とは反対面側から前記ノズル形成面側に向けて傾斜する状態
に屈曲されたことを特徴とする液体噴射ヘッド。 - 前記ノズル形成面と前記固定板部とは接着剤によって接合され、
当該ノズル形成面と前記段差部との間に、前記ノズル形成面と前記固定板部との間から
の接着剤を導入して貯留する逃げ空部を形成したことを特徴とする請求項1に記載の液体
噴射ヘッド。 - 前記請求項1または請求項2に記載の液体噴射ヘッドと、
前記液体噴射ヘッドにおける前記ヘッドユニットのノズル形成面を払拭する払拭部材と
、
を備え、
前記空部および前記薄肉部は、少なくとも前記払拭部材によるノズル形成面の払拭時に
当該払拭部材が接触する位置に設けられていることを特徴とする液体噴射装置。 - 液体が噴射されるノズルが開設されたノズル形成面を有するヘッドユニットと、前記ヘ
ッドユニットを固定する固定部材と、を備え、前記固定部材は、前記ノズル形成面のノズ
ルを露出させる露出開口部が形成され、当該露出開口部内にノズルを露出させた状態でノ
ズル形成面と接合される固定板部を有する液体噴射ヘッドの製造方法であって、
前記固定板部において前記ノズル形成面との接合面とは反対面側から前記接合面側に向
けてプレス加工により前記露出開口部を開設する工程と、
前記工程で開設された前記露出開口部の周縁部に、前記接合面とは反対面側に薄肉部を
残した状態で、前記接合面側から反対面側に向けて固定板部の厚さ方向の途中まで窪ませ
て段差部を形成する工程と、
前記薄肉部を、前記接合面とは反対面側から前記ノズル形成面側に向けて傾斜させる工
程と、
を含むことを特徴とする液体噴射ヘッドの製造方法。
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