JP2008068503A - 液体吐出ヘッド及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】圧力吸収面を用いた効率的な共通液室の圧力減衰効果を得るともに、圧力吸収面自身の共振による副作用を抑えることで安定した滴吐出特性が得られる液体吐出ヘッド及びこの液体吐出ヘッドを備える高品質な画像を高速で形成可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】共通液室51の壁面の内、液室11の並び方向に沿う方向の少なくとも1つの壁面は、他の壁面よりも剛性が低く、少なくとも振動によって圧力を吸収する圧力吸収面6とし、圧力吸収面6は液室11の並び方向に沿う方向と直交する方向で圧力吸収面6に沿う方向にずれた複数(3つ)の部分6A、6B、6Cで形成されている構成とし、共振点のシフトを抑えつつ圧力吸収を可能とする。
【選択図】図3
【解決手段】共通液室51の壁面の内、液室11の並び方向に沿う方向の少なくとも1つの壁面は、他の壁面よりも剛性が低く、少なくとも振動によって圧力を吸収する圧力吸収面6とし、圧力吸収面6は液室11の並び方向に沿う方向と直交する方向で圧力吸収面6に沿う方向にずれた複数(3つ)の部分6A、6B、6Cで形成されている構成とし、共振点のシフトを抑えつつ圧力吸収を可能とする。
【選択図】図3
Description
本発明は液体吐出ヘッド及び画像形成装置に関する。
一般に、プリンタ、ファックス、コピア、プロッタ、或いはこれらの内の複数の機能を複合した画像形成装置としては、例えば、記録液(液体)の液滴を吐出する液体吐出ヘッドで構成した記録ヘッドを含む液体吐出装置を用いて、媒体(以下「用紙」ともいうが材質を限定するものではなく、また、被記録媒体、記録媒体、転写材、記録紙なども同義で使用する。)を搬送しながら、液体としての記録液(以下、インクともいう。)を用紙に付着させて画像形成(記録、印刷、印写、印字も同義語で用いる。)を行なうものがある。
なお、「画像形成装置」は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等の媒体に液体を吐出して画像形成を行う装置を意味し、また、「画像形成」とは、文字や図形等の意味を持つ画像を媒体に対して付与することだけでなく、パターン等の意味を持たない画像を媒体に付与することをも意味する。また、「液体」とは、記録液、インクに限るものではなく、吐出されるときに流体となるものであれば特に限定されるものではない。また、「液体吐出装置」とは液体吐出ヘッドから液体を吐出する装置を意味し、画像形成を行うものに限定されない。
液体吐出ヘッドとしては、個別流路(以下「加圧液室」という。)内の液体であるインクを加圧する圧力を発生するための圧力発生手段(アクチュエータ手段)として圧電素子などで構成される圧電アクチュエータを用いたもの、発熱抵抗体などで構成されるサーマルアクチュエータを用いたもの、静電力を発生する静電アクチュエータを用いたものなどが知られている。
ところで、画像形成装置においては、より高品位な画像を、より速い印刷速度で出力できることが求められるようになっている。前者の要求に対してが、ノズルの数、密度共に増加する傾向にある。それに伴って、各加圧液室間隔は狭まくなり、また、吐出エネルギー印加の駆動周波数も高くなる傾向にある。後者の要求に対しては、ヘッドの長尺化が試みられており、媒体の幅全領域を覆うことのできるフルライン型ヘッドも実用化されつつある。
このような高密度化された多数のノズルを備えることが要求される液体吐出ヘッドにあっては、所定の加圧液室に加えた吐出エネルギーによって当該加圧液室の液体に圧力変動を生じるとともに、この加圧液室内で生じた圧力変動は複数の加圧液室に液体を供給する共通流路(以下「共通液室」という。)にも伝播する。
この共通液室に伝播した圧力変動が液体吐出を行った加圧液室側へ伝わると、加圧液室の圧力を、予期しない値に変動させる要因となり、液滴を所望の質量、速度で飛ばすことができなくなり、吐出不良を引き起こす。特に、同時に複数の加圧液室から液滴を吐出させる場合に共通液室に個別液室から伝えられる圧力は非常に大きなものとなり、吐出不良が発生しやすい。すなわち、相互干渉が発生するようになる。
これを防ぐために、共通液室における圧力減衰効率を高める必要がある。その手段としては、一般に、共通液室の体積を大きく取る、或いは、壁面に振動板のような圧力吸収体を設けるといった手法がとられる。
例えば、特許文献1には個別液室内の圧力発生源(発熱抵抗体)と共通液室との間の領域に個別液室単位で圧力吸収体を設けることが記載されている。
特開平06−191030号公報
特許文献2には共通液室内圧力変動吸収用の複数の圧力吸収体を設け、インク透過性フィルタを用いて圧力吸収体室を2分割することが記載されている。
特開2000−158668号公報
特許文献3には、インク溜りのインク供給路側の内壁に振動を吸収する多孔質体からなる吸収部材を設けることが記載されている。
特開平02−225050号公報
特許文献4には、複数のノズルが各々連通する複数の液室の並び方向をX方向としたときに、共通液室のX方向に沿う壁面の内の少なくとも一つの面は他の壁面よりも剛性を低くして圧力変化を吸収するための圧力吸収体面とし、この圧力吸収体面を形成する部材は厚さが均一でない構成とすることが記載されている。
特開2005−125631号公報
特許文献5には、共通液室を構成する壁面の少なくとも一面に、加圧液室で発生する圧力波を吸収する圧力緩衝体を複数設けることが記載されている。
特開2005−137392号公報
上述したように、圧力吸収体を用いる構成は、共通液室寸法を大きくすることなく圧力を吸収でき、また適切な吸収体を用いれば、圧力減衰効果は非常に高いため、特に広く用いられている。また、上述したように、圧力吸収体としては、共通液室の壁面の一部を、剛性の低い部材又は構造とし、壁面そのものの振動によって減衰する構成、或いは、共通液室壁面に、ゴムのように弾性の低い部材をコーティングすることによって、その部材の表面の変形によって減衰する構成などがあるが、このうち、壁面そのものの振動によって減衰する構成は、製造の容易さ(コスト面及び工法的難易度)と減衰効率の良さから特に優れている。
ところが、共通液室の壁面の剛性を下げ、振動が容易に起こる構成とすると、壁面そのものの共振による共通液室の圧力変動の発生が問題となってくる。つまり、共通液室の壁面の剛性を下げて圧力吸収面(体)として機能させた場合、壁面の剛性を下げない場合と比較すると、共振周波数が低下する。実験によれば、同じに面積の圧力吸収面をモデルとした場合、剛性を下げない場合には16.8kHzで共振が生じ、剛性を下げた場合には4kHzで共振が生じることが確認された。
そのため、液滴を吐出させる周期が短くなる、つまり、ヘッドの駆動周波数が高くなると、圧力吸収面の共振周波数と重なる場合が発生する。通常、ヘッドの駆動周波数は、数k〜十数kHzの範囲で使われることが多く、壁面の共振周波数よりは低くなっているが、剛性を下げた壁面では、駆動周波数にかかるほど共振周波数が下がる場合が生じてくる。このため、この壁面の振動が、噴射特性へ影響を与えるようになり、本来噴射特性を安定化させるための圧力吸収面が、逆に噴射特性を不安定にさせてしまうようになるという課題が生じる。
また、記録速度の高速化を図るためにヘッドのノズル数は増加する傾向にあり、それに伴って個別液室数が増え、各個別液室に液体を供給する共通液室の長さも長くなっている。この場合、共通液室の壁面を形成している圧力吸収面も長くなり、剛性が下がることによって、更に共振点が低周波側にシフトするようになり、更に駆動条件の設定が厳しくなる。特に、ライン型ヘッドのように、ノズル数が著しく多く、それに伴って共通液室の長さが長くなっているヘッドの長尺ヘッドの場合、この問題は特に顕著になる。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、圧力吸収面を用いた効率的な共通液室の圧力減衰効果を得るともに、圧力吸収面自身の共振による副作用を抑えることで安定した滴吐出特性が得られる液体吐出ヘッド及びこの液体吐出ヘッドを備える高品質な画像を高速で形成可能な画像形成装置を提供することを目的としている。
上記の課題を解決するため、本発明に係る液体吐出ヘッドは、液滴を吐出する複数のノズルと、各ノズルが連通する複数の液室と、複数の液室に液体を供給する共通液室とを備え、共通液室の壁面の内、液室の並び方向に沿う方向の少なくとも1つの壁面は、他の壁面よりも剛性が低く、少なくとも振動によって圧力を吸収する圧力吸収面であり、この圧力吸収面は液室の並び方向に沿う方向と直交する方向で面に沿う方向にずれた複数の部分で形成されている構成とした。
ここで、複数の部分は平面形状が略四角形状である構成とできる。また、共通液室の形状と圧力吸収面の形状が同じである構成とできる。また、圧力吸収面は、全体が単層である構成とできる。また、複数の部分は3つに分けられる構成とでき、この場合、3つの部分は略同じ面積であることが好ましい。また、圧力吸収面はNiにより形成されている構成とできる。
本発明に係る画像形成装置は、本発明に係る液体吐出ヘッドを備えているものである。
本発明に係る液体吐出ヘッドによれば、この圧力吸収面は液室の並び方向に沿う方向と直交する方向で圧力吸収面に沿う方向にずれた複数の部分で形成されている構成としたので、圧力吸収面の共振周波数を調整することができて、ヘッド駆動周波数と共振周波数を離すことができ、圧力吸収面を用いた効率的な共通液室の圧力減衰効果を得るともに、圧力吸収面自身の共振による副作用を抑えることで安定した滴吐出特性が得られる。
本発明に係る画像形成装置によれば、本発明に係る液体吐出ヘッドを備えているので、安定した滴吐出特性が得られるので、高速で高画質画像を形成できるようになる。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。本発明に係る液体吐出ヘッドの第1実施形態について図1ないし図5を参照して説明する。なお、図1は同ヘッドの液室並び方向と直交する方向に沿う図3のA−A断面に相当する断面説明図、図2は同ヘッドの液室並び方向と直交する方向に沿う図3のB−B断面に相当する断面説明図、図3は同ヘッドの流路構成に関する模式的平面説明図、図4は同ヘッドの側面模式的断面説明図、図5は同ヘッドの圧力吸収面の平面説明図である。
この液体吐出ヘッドは、流路部材1と、ノズル板2と、振動板部材3と、アクチュエータ基板4、フレーム部材5とを備えている。
流路部材1には液室(流路)11及び連通路12が形成されている。この流路部材1は、SUS基板を、酸性エッチング液を用いてエッチング(あるいは2層構造とする場合には打ち抜きなどの機械加工)をすることで、液室11などの凹部をそれぞれ形成している。また、流路部材1とノズル板2或いは振動板3とを電鋳で一体形成することもでき、また、結晶面方位(110)の単結晶シリコン基板を水酸化カリウム水溶液(KOH)などのアルカリ性エッチング液を用いて異方性エッチングすることで形成したものや、その他感光性樹脂などを用いることもできる。
ノズル板2には、各液室11に対応して多数のノズル21を形成し、流路部材1に接着剤接合している。このノズル板2としては、ステンレス、ニッケルなどの金属、ポリイミド樹脂フィルムなどの樹脂、シリコン、及びそれらの組み合わせからなるものを用いることができる。このノズル21の穴径はインク滴出口側の直径で約15〜35μmとしている。
また、ノズル板2のノズル面(吐出方向の表面:吐出面)には、図示しない撥水性の表面処理を施した撥水処理層を設けている。撥水処理層としては、例えば、PTFE−Ni共析メッキやフッ素樹脂の電着塗装、蒸発性のあるフッ素樹脂(例えばフッ化ピッチなど)を蒸着コートしたもの、シリコン系樹脂・フッ素系樹脂の溶剤塗布後の焼き付け等で形成することができる。
振動板3は、液室11側から第1層3a、第2層3b、第3層3cの3層構造のニッケルプレートで形成したもので、例えば電鋳によって作製している。なお、この振動板部材3は、例えば、ポリイミドなどの樹脂部材とSUS基板などの金属プレートとの積層部材、或いは、樹脂部材から形成したものなどを用いることもできる。
この振動板部材3は、各液室11に対応して第1層3aで形成した変形可能部分31と、第1ないし第3層3a〜3cで形成した凸部32を有している。アクチュエータ基板4には、液室11に対応して液室11内の液体を加圧するエネルギーを発生する吐出エネルギー発生手段としての積層型圧電素子41が配置され、圧電素子41は振動板部材3の凸部32に接合されている。
フレーム部材5には各液室11に振動板部材3に形成された連通口33を介して液体を供給する共通液室51と、この共通液室51に外部から液体を供給する液体供給路52が形成されている。このフレーム部材51は例えば樹脂部材で形成される。
なお、この例では、連通口33から液室11までの間に開口断面積が液室11よりも狭い流体抵抗となる部分を設けていないが、液室11の長さを長くすることによって実質的に流体抵抗部として機能させることができる。もちろん、連通口33から液室11までの間に開口断面積が液室11よりも狭い流体抵抗となる部分を設けることもできる。
そして、この共通液室5の壁面の内、液室11の並び方向に沿う方向の少なくとも1つの壁面は、他の壁面よりも剛性が低く、少なくとも振動によって圧力を吸収する圧力吸収面6とし、図5に示すように、この圧力吸収面6は液室11の並び方向に沿う方向と直交する方向で圧力吸収面6に沿う方向にずれた複数(ここでは、3つ)の部分6A、6B、6Cで形成されている構成とした。なお、液室の並び方向をx方向、圧力吸収面6に垂直な方向をz方向、x方向とz方向に垂直な面をy方向とすると、圧力吸収面6を構成している部分6A、6B、6Cはy方向にずれて配置されている構成となる。
この圧力吸収面6は、図1及び図2に示すように、振動板部材3を構成している第3層3cの単層構成とし、圧力吸収面6となる領域以外は振動板部材3を構成する第1ないし第3層3a〜3cの3層構造として剛性を持たせている。圧力吸収面6を単層構成とすることによって圧力吸収面6の形状を単純化することができる。この場合、振動板部材3はNiによって形成しているが、圧力吸収面6をNiにより形成することで、簡単で容易なプロセスで形成することができる。
また、圧力吸収面6を構成する複数の部分6A、6B、6Cは、図5に示すように、平面形状で略四角形状としている。これにより、各部分をy方向にずらして配置することが容易になる。また、複数の部分6A、6B、6Cのように圧力吸収面を3つに分けることで、圧力吸収効果と後述する共振周波数をシフトする効果のバランスを向上させることができる。この場合、3つの部分6A、6B、6Cは略同じ面積とすることで、各部分の特性が略同じになってボトルネックとなる部分をなくすることができる。
このように構成した液体吐出ヘッドにおいては、例えば圧電素子41に印加する電圧を基準電位から下げることによって圧電素子41が収縮し、振動板部材3の変形可能部分31が下降して液室11の容積が膨張することで、液室11内に液体(インク)が流入し、その後圧電素子41に印加する電圧を上げて圧電素子41を積層方向に伸長させ、振動板部材3の変形可能部分31をノズル21方向に変形させて液室11の容積/体積を収縮させることにより、液室11内の液体が加圧され、ノズル21から液滴が吐出(噴射)される。
そして、圧電素子41に印加する電圧を基準電位に戻すことによって振動板部材3の変形可能部分31が初期位置に復元し、液室11が膨張して負圧が発生するので、このとき、共通液室51から液室11内に記録液が充填される。そこで、ノズル21のメニスカス面の振動が減衰して安定した後、次の液滴吐出のための動作に移行する。
なお、このヘッドの駆動方法については上記の例(引き−押し打ち)に限るものではなく、駆動波形の与えた方によって引き打ちや押し打ちなどを行うこともできる。
このようにしてノズル21から液滴を吐出させるために液室11内に圧力変動を生じさせると、液室11内の圧力変動が共通液室51に伝播され、圧力吸収面6がない場合、共通液室51に伝播した圧力変動が、当該液室11や他の液室11に伝播して、吐出特性を不安定にしたり、非吐出ノズルから液滴が吐出されたりする可能性があるが、圧力吸収面6を有することで、共通液室51内に圧力変動が伝播したときには、圧力吸収面6が振動して圧力変動が吸収される。
このとき、圧力吸収面6は四角形状(四辺形)の3つの部分6A、6B、6Cがy方向にずれて形成されていることで、圧力吸収面6の共振周波数は、長手方向長さが短くなり、剛性が高くなることから、圧力吸収面6を1つの四角形状に形成した場合に比べて、高周波側にシフトする。これにより、ヘッドの駆動周波数に相当するような低周波で共振が発生することがなくなり、圧力吸収面6自体の振動によって圧力変動が液室11側に伝播して噴射特性に対して影響を及ぼすことが抑制されるので、噴射特性が安定化するようになる。
このように、振動板として作用する面を分断すると、剛性の上昇による圧力吸収効果の低下が懸念されるが、液体吐出ヘッドの共通液室のように、チャンネル列方向、即ちx方向(液室の並び方向)に長い構造となる場合、その圧力吸収面としての効果は短手方向、即ちy方向(液室の並び方向と直交する方向であって圧力吸収面に沿う方向)により決定され、x方向が多少短くなっても、圧力吸収効果に対して影響することはない。
この場合、このとき圧力吸収面は、全体が1層の構造とすることで、プロセス増加を伴うことなく剛性を制御することができる。つまり、通常、本発明のように圧力吸収面の剛性を制御しようとする場合、部分的に圧力吸収面の厚さを変えるという構成が採用されるが、この場合、には複数層の積層構造により圧力吸収体面を形成して部分的に積層数を変えることが多いが、これではプロセスが複雑になる。ただし、上記実施形態のように振動板部材の一部を圧力吸収面とする場合には、振動板部材の形成プロセスで圧力吸収面を形成できるので、プロセス増加は抑えられる。
また、圧力吸収体面は、上記実施形態のように液室並び方向で三分割する(実質的に3つの部分に分ける。)ことが好ましい。この分割数に限るものではないが、分割数を増やせばより共振周波数を高周波側にシフトできるが、駆動周波数帯を超えれば、それ以上あげる必要はない。逆に、分割数を多くしすぎると、剛性が高くなりすぎて、圧力吸収効果が低下する。
また、圧力吸収面の分割は、すべての部分の面積が、ほぼ同じになるようにすることが好ましい。圧力吸収面の共振周波数の中で、最も低周波、即ち噴射特性に利くと考えられるのは、分割した領域の中で、最もx方向の長さが長い(即ち面積が大きい)領域の共振によって発生する成分である。他方、最も圧力吸収効果が弱まるのは、x方向の長さが短い(即ち面積が小さい)領域である。分割した領域(部分)で面積を変えると、これらがネックとなり全体の性能が低下する。面積を各領域(部分)で揃えることで、ネックとなる部分がない、つまり、すべての領域が同一特性になるようにすれば、最も良好な特性が得られる。
次に、本発明の第2実施形態に係る液体吐出ヘッドについて図6を参照して説明する。なお、図6は同ヘッドの共通液室の平面説明図である。
ここでは、共通液室51の平面形状(前述したxy方向で言えばxy面形状)を、前記第1実施形態で説明した圧力吸収面6の平面形状と同じにしている。つまり、共通液室51は、液室11の並び方向に沿う方向に対して垂直な方向の開口部分を、液室11の並び方向に沿う方向と直交する方向で圧力吸収面を形成する面に沿う方向にずれた複数(ここでは、3つ)の部分51A、51B、51Cで形成されている構成とした。言い換えれば、共通液室51の圧力吸収面を設ける開口部分は、y方向で同じ位置にある部分51A、51Cと、これらの部分51A、51Cに対してy方向にずれた位置にある部分51Bとで構成されていることになる。
ここでは、共通液室51の平面形状(前述したxy方向で言えばxy面形状)を、前記第1実施形態で説明した圧力吸収面6の平面形状と同じにしている。つまり、共通液室51は、液室11の並び方向に沿う方向に対して垂直な方向の開口部分を、液室11の並び方向に沿う方向と直交する方向で圧力吸収面を形成する面に沿う方向にずれた複数(ここでは、3つ)の部分51A、51B、51Cで形成されている構成とした。言い換えれば、共通液室51の圧力吸収面を設ける開口部分は、y方向で同じ位置にある部分51A、51Cと、これらの部分51A、51Cに対してy方向にずれた位置にある部分51Bとで構成されていることになる。
この共通液室51の開口部を1枚の変形可能な板部材で覆うことによって、図5に示すように、y方向位置がずれた部分6A、6B、6Cからなる圧力吸収面6が形成されることになる。つまり、圧力吸収面6の平面形状は、共通液室51の平面形状によって規定されている。
このように構成すれば、圧力吸収面6自体は一枚の平面として共通液室51の開口部を塞ぐ天板として貼り付けることによって、所望の形状の圧力吸収面6が得られる。剛性の低い圧力吸収面に、形状を持たせて加工することは難しいが、共通液室形状は容易に加工できるので、複雑な形状の圧力吸収面でも、これまでと同様の製造プロセスにて加工できる。
このように共通液室51の形状で圧力吸収面6の形状を規定したヘッドの一例について図7及び図8を参照して説明する。なお、図7は同ヘッドの液室長手方向に沿う図8のC−C線に相当する模式的断面説明図、図8は同じく模式的平面説明図である。なお、これらの図においては液室などを構成する部材は省略して示している。
この例では、共通液室51から長さの異なる供給路13Aと13Bを設け、この供給路13A、13Bと液室11との間に同じ開口断面積及び長さの流体抵抗部14を設けている。これによって、共通液室51から液室11の間に位置する流体抵抗部14の流体抵抗が各液室11について同じになるようにしている。
この例では、共通液室51から長さの異なる供給路13Aと13Bを設け、この供給路13A、13Bと液室11との間に同じ開口断面積及び長さの流体抵抗部14を設けている。これによって、共通液室51から液室11の間に位置する流体抵抗部14の流体抵抗が各液室11について同じになるようにしている。
次に、共通液室51の形状で圧力吸収面6の形状を規定したヘッドの他の例について図9及び図10を参照して説明する。なお、図9は同ヘッドの液室長手方向に沿う図10のD−DA線に相当する模式的断面説明図、図10は同じく模式的平面説明図である。なお、これらの図においては液室などを構成する部材は省略して示している。
この例では、共通液室51から長さの異なる供給路53Aと53Bを設け、この供給路53A、53Bと液室11との間に、振動板部材3に開口断面積及び長さが同じ流体抵抗部34を設けている。これによって、共通液室51から液室11の間に位置する流体抵抗部34の流体抵抗が各液室11について同じになるようにしている。
この例では、共通液室51から長さの異なる供給路53Aと53Bを設け、この供給路53A、53Bと液室11との間に、振動板部材3に開口断面積及び長さが同じ流体抵抗部34を設けている。これによって、共通液室51から液室11の間に位置する流体抵抗部34の流体抵抗が各液室11について同じになるようにしている。
次に、本発明の第3実施形態に係る液体吐出ヘッドについて図11を参照して説明する。なお、図11は図ヘッドの液室並び方向と直交する方向に沿う断面説明図である。
この液体吐出ヘッドでは、流路部材1に液室11、供給路13、共通液室51を形成し、アクチュエータ基板7にはエネルギー発生手段として液室11内の液体に膜沸騰を生じさせる電気熱変換素子71を備えることでサーマル型ヘッドとしている。そして、流路部材1に形成した共通液室51の開口部に天板61を接合して圧力吸収面6を形成している。
この液体吐出ヘッドでは、流路部材1に液室11、供給路13、共通液室51を形成し、アクチュエータ基板7にはエネルギー発生手段として液室11内の液体に膜沸騰を生じさせる電気熱変換素子71を備えることでサーマル型ヘッドとしている。そして、流路部材1に形成した共通液室51の開口部に天板61を接合して圧力吸収面6を形成している。
ここで、具体的な実施例について説明する。
〈実施例1〉
上記第2実施形態の構成を第3実施形態に適用し、150dpiで384チャンネル(1チャンネルとは1つのノズル、液室、エネルギー発生手段で構成される部分をいう。)並んだ液室11を有し、各液室11内には発熱体抵抗体71を備えたヘッドにおいて、深さ2mmの共通液室51の1つの壁面を圧力吸収面6とし、圧力吸収面6を構成する各部分6A、6B、6Cは、x方向長さが18mm(全体で54mmになる。)、y方向長さは1.6mm、部分6A、6Cと部分6Bとをy方向に1mmずらした構成とした。
〈比較例1〉
実施例1と同じヘッド構成で、共通液室51の1つの壁面を、図12に示すように、x方向長さ54mm、y方向長さ1.6mmの矩形状の圧力吸収面6とした。
〈実施例1〉
上記第2実施形態の構成を第3実施形態に適用し、150dpiで384チャンネル(1チャンネルとは1つのノズル、液室、エネルギー発生手段で構成される部分をいう。)並んだ液室11を有し、各液室11内には発熱体抵抗体71を備えたヘッドにおいて、深さ2mmの共通液室51の1つの壁面を圧力吸収面6とし、圧力吸収面6を構成する各部分6A、6B、6Cは、x方向長さが18mm(全体で54mmになる。)、y方向長さは1.6mm、部分6A、6Cと部分6Bとをy方向に1mmずらした構成とした。
〈比較例1〉
実施例1と同じヘッド構成で、共通液室51の1つの壁面を、図12に示すように、x方向長さ54mm、y方向長さ1.6mmの矩形状の圧力吸収面6とした。
これらの実施例1、比較例1の各ヘッドについて、すべてのチャンネルを同時に駆動して、駆動時の共通液室圧力特性に関して評価を行った。評価は、駆動周波数を変えた場合の圧力変動の最大値により行った。実施例1の評価結果を図13に、比較例1の評価結果を図14に示している。
これらの図13及び図14の比較結果から、比較例1のヘッドでは駆動周波数が9〜10kHz付近、14kHz、16kHz付近で共振が発生し、かつ、その圧力も極めて大きくなる(14kHz、16kHz付近)。これに対し、実施例1のヘッドでは11kHz、14kHz付近で共振が発生し、しかも、圧力もかなり小さくなっており、本発明を適用したヘッドでは共通液室における圧力の共振点を減らし、その共振による圧力変動レベルも小さくできることが分かる。
〈実施例2〉
上記第2実施形態の構成を第3実施形態に適用し、150dpiで384チャンネル(1チャンネルとは1つのノズル、液室、エネルギー発生手段で構成される部分をいう。)並んだ液室11を有し、各液室11内には発熱体抵抗体71を備えたヘッドにおいて、深さ3mmの共通液室51の1つの壁面を圧力吸収面6とし、圧力吸収面6を構成する各部分6A、6B、6Cは、x方向長さが18mm(全体で54mmになる。)、y方向長さは2.6mm、部分6A、6Cと部分6Bとをy方向に1.4mmずらした構成とした。〈比較例2〉
実施例2と同じヘッド構成で、共通液室51の1つの壁面を、図12に示すように、x方向長さ54mm、y方向長さ2.6mmの矩形状の圧力吸収面6とした。
上記第2実施形態の構成を第3実施形態に適用し、150dpiで384チャンネル(1チャンネルとは1つのノズル、液室、エネルギー発生手段で構成される部分をいう。)並んだ液室11を有し、各液室11内には発熱体抵抗体71を備えたヘッドにおいて、深さ3mmの共通液室51の1つの壁面を圧力吸収面6とし、圧力吸収面6を構成する各部分6A、6B、6Cは、x方向長さが18mm(全体で54mmになる。)、y方向長さは2.6mm、部分6A、6Cと部分6Bとをy方向に1.4mmずらした構成とした。〈比較例2〉
実施例2と同じヘッド構成で、共通液室51の1つの壁面を、図12に示すように、x方向長さ54mm、y方向長さ2.6mmの矩形状の圧力吸収面6とした。
このヘッドを画像形成装置としてプリンタに搭載し、各種パターンにて印写試験を行ったところ、比較例1のヘッドを搭載したプリンタでは、一部のパターンで不良画質が発生したが、実施例2のヘッドを搭載したプリンタにおいては、不良画質の発生することのない、良好な結果が得られた。
次に、本発明に係る液体吐出ヘッドを備える液体吐出装置を含む画像形成装置の一例について図15を参照して説明する。なお、図15は同装置の機構部の全体構成を説明する概略構成図である。
この画像形成装置は、媒体の印字領域幅以上の長さのノズル列(ノズル4を並べたもの)を有するフルライン型ヘッドからなる記録ヘッドを搭載したライン型画像形成装置である。
この画像形成装置は、媒体の印字領域幅以上の長さのノズル列(ノズル4を並べたもの)を有するフルライン型ヘッドからなる記録ヘッドを搭載したライン型画像形成装置である。
この画像形成装置は、例えばブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色の液滴を吐出する、フルライン型の4個の本発明に係る液体吐出ヘッドで構成した記録ヘッド101k、101c、101m、101y(色を区別しないときには「記録ヘッド101)という。)を備え、各記録ヘッド101はノズル4を形成した面を下方に向けて図示しないヘッドホルダに装着している。また、各記録ヘッド101に対応してヘッドの性能を維持回復するための維持回復機構102を備え、パージ処理、ワイピング処理などのヘッドの性能維持動作時には、記録ヘッド101と維持回復機構102とを相対的に移動させて、記録ヘッド101のノズル面に維持回復機構102を構成するキャッピング部材などを対向させる。
なお、ここでは、記録ヘッド101は、用紙搬送方向上流側から、ブラック、シアン、マゼンダ、イエローの順に各色の液滴を吐出する配置としているが、配置及び色数はこれに限るものではない。また、ライン型ヘッドとしては、各色の液滴を吐出する複数のノズル列を所定間隔で設けた1又は複数のヘッドを用いることもできるし、ヘッドとこのヘッドに記録液を供給する記録液カートリッジを一体とすることも別体とすることもできる。
給紙トレイ103は、用紙104を載置する底板105と、用紙104を給送するための給紙コロ(半月コロ)106を備えている。底板105はベース108に取り付けられた回転軸109を中心に回転可能であって、加圧ばね110によって給紙コロ106側に付勢されている。なお、給紙コロ106に対向して、用紙104の重送を防止するため、人工皮、コルク材等の摩擦係数の大きい材質からなる図示しない分離パッドが設けられている。また、底板105と給紙コロ106の当接を解除する図示しないリリースカムが設けられている。
そして、この給紙トレイ103から給紙された用紙104を搬送ローラ112とピンチローラ113との間に送り込むために用紙104を案内するガイド部材110、111を設けている。
搬送ローラ112は、図示しない駆動源によって回転されて、送り込まれる用紙104を記録ヘッド101に対向して配置したプラテン115に向けて搬送する。プラテン115は、記録ヘッド101と用紙104とのギャップを維持することができるものであれば、剛体構造体でもよいし、搬送ベルトなどを用いることもできる。
プラテン115の下流側には、画像が形成された用紙104を排紙するための排紙ローラ116及びこれに対向する拍車117を配置し、排紙ローラ116によって画像が形成された用紙104を排紙トレイ118に排紙する。
また、排紙トレイ118と反対側には、用紙104を手差し給紙するための手差しトレイ121と、手差しトレイ121に載置された用紙104を給紙する給紙コロ122を配置している。この手差しトレイ121から給紙される用紙104はガイド部材111に案内されて搬送ローラ112とピンチローラ113との間に送り込まれる。
この画像形成装置においては、待機状態では、リリースカムが給紙トレイ103底板105を所定位置まで押し下げ、底板105と給紙コロ106との当接を解除している。そして、この状態で、搬送ローラ112が回転されることによって、この回転駆動力が図示しないギア等により給紙コロ106及び図示しないリリースカムに伝達されて、リリースカムが底板105から離れて底板105が上昇し、給紙コロ106と用紙104が当接し、給紙コロ106の回転に伴って用紙104がピックアップされて給紙が開始され、図示しない分離爪によって一枚ずつ分離される。
そして、給送コロ106の回転によって用紙104がガイド部材110、111に案内されて搬送ローラ112とピンチローラ113との間に送り込まれ、搬送ローラ112によって用紙104がプラテン115上に送り出される。その後、用紙104の後端は給紙コロ106のDカット部に対向して当接が解除され、搬送ローラ112によってプラテン115上に搬送される。なお。給紙コロ106と搬送ローラ112との間に、補助的に、搬送回転対を設けることもできる。
このようにしてプラテン115上を搬送される用紙104に対して、記録ヘッド1から液滴を吐出して画像を形成し、画像が形成された用紙104は排紙ローラ116によって排紙トレイ118に排紙される。なお、画像形成時における紙搬送の速度と液滴吐出のタイミングは図示しない制御部によって制御される。
このように、この画像形成装置においては本発明を実施した滴吐出特性が安定したライン型液体吐出ヘッドを備えているので、高速で、高画質記録を行うことができる。
次に、本発明に係る液体吐出ヘッドを備える液体吐出装置を含む画像形成装置の他の例について図16及び図17を参照して説明する。なお、図16は同装置の機構部の全体構成を説明する概略構成図、図17は同機構部の要部平面説明図である。
この画像形成装置はシリアル型画像形成装置であり、左右の側板201A、201Bに横架したガイド部材である主従のガイドロッド231、232でキャリッジ233を主走査方向に摺動自在に保持し、図示しない主走査モータによってタイミングベルトを介して矢示方向(キャリッジ主走査方向)に移動走査する。
この画像形成装置はシリアル型画像形成装置であり、左右の側板201A、201Bに横架したガイド部材である主従のガイドロッド231、232でキャリッジ233を主走査方向に摺動自在に保持し、図示しない主走査モータによってタイミングベルトを介して矢示方向(キャリッジ主走査方向)に移動走査する。
このキャリッジ233には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色のインク滴を吐出するための本発明に係る液体吐出ヘッドからなる記録ヘッド234a、234b(区別しないときは「記録ヘッド234」という。)を複数のノズルからなるノズル列を主走査方向と直交する副走査方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。
記録ヘッド234は、それぞれ2つのノズル列を有し、記録ヘッド234aの一方のノズル列はブラック(K)の液滴を、他方のノズル列はシアン(C)の液滴を、記録ヘッド234bの一方のノズル列はマゼンタ(M)の液滴を、他方のノズル列はイエロー(Y)の液滴を、それぞれ吐出する。
また、キャリッジ233には、記録ヘッド234のノズル列に対応して各色のインクを供給するためのヘッドタンク235a、235b(区別しないときは「ヘッドタンク35」という。)を搭載している。このサブタンク235には各色の供給チューブ36を介して、各色のインクカートリッジ210k、210c、210m、210yから各色のインクが補充供給される。
一方、給紙トレイ202の用紙積載部(圧板)241上に積載した用紙242を給紙するための給紙部として、用紙積載部241から用紙242を1枚ずつ分離給送する半月コロ(給紙コロ)243及び給紙コロ243に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド244を備え、この分離パッド244は給紙コロ243側に付勢されている。
そして、この給紙部から給紙された用紙242を記録ヘッド234の下方側に送り込むために、用紙242を案内するガイド部材245と、カウンタローラ246と、搬送ガイド部材247と、先端加圧コロ249を有する押さえ部材248とを備えるとともに、給送された用紙242を静電吸着して記録ヘッド234に対向する位置で搬送するための搬送手段である搬送ベルト251を備えている。
この搬送ベルト251は、無端状ベルトであり、搬送ローラ252とテンションローラ253との間に掛け渡されて、ベルト搬送方向(副走査方向)に周回するように構成している。また、この搬送ベルト251の表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ256を備えている。この帯電ローラ256は、搬送ベルト251の表層に接触し、搬送ベルト251の回動に従動して回転するように配置されている。この搬送ベルト251は、図示しない副走査モータによってタイミングを介して搬送ローラ252が回転駆動されることによってベルト搬送方向に周回移動する。
さらに、記録ヘッド234で記録された用紙242を排紙するための排紙部として、搬送ベルト251から用紙242を分離するための分離爪261と、排紙ローラ262及び排紙コロ263とを備え、排紙ローラ262の下方に排紙トレイ203を備えている。
また、装置本体の背面部には両面ユニット271が着脱自在に装着されている。この両面ユニット271は搬送ベルト251の逆方向回転で戻される用紙242を取り込んで反転させて再度カウンタローラ246と搬送ベルト251との間に給紙する。また、この両面ユニット271の上面は手差しトレイ272としている。
さらに、キャリッジ233の走査方向一方側の非印字領域には、記録ヘッド234のノズルの状態を維持し、回復するための維持回復機構281を配置している。この維持回復機構281には、記録ヘッド234の各ノズル面をキャピングするための各キャップ部材(以下「キャップ」という。)282a、282b(区別しないときは「キャップ282」という。)と、ノズル面をワイピングするためのブレード部材であるワイパーブレード283と、増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける空吐出受け284などを備えている。
また、キャリッジ233の走査方向他方側の非印字領域には、記録中などに増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける液体回収容器であるインク回収ユニット(空吐出受け)288を配置し、このインク回収ユニット288には記録ヘッド234のノズル列方向に沿った開口部289などを備えている。
このように構成したこの画像形成装置においては、給紙トレイ202から用紙242が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された用紙242はガイド245で案内され、搬送ベルト251とカウンタローラ246との間に挟まれて搬送され、更に先端を搬送ガイド237で案内されて先端加圧コロ249で搬送ベルト251に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。
このとき、帯電ローラ256に対してプラス出力とマイナス出力とが交互に繰り返すように、つまり交番する電圧が印加され、搬送ベルト251が交番する帯電電圧パターン、すなわち、周回方向である副走査方向に、プラスとマイナスが所定の幅で帯状に交互に帯電されたものとなる。このプラス、マイナス交互に帯電した搬送ベルト251上に用紙242が給送されると、用紙242が搬送ベルト251に吸着され、搬送ベルト251の周回移動によって用紙242が副走査方向に搬送される。
そこで、キャリッジ233を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド234を駆動することにより、停止している用紙242にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙242を所定量搬送後、次の行の記録を行う。記録終了信号又は用紙242の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙242を排紙トレイ203に排紙する。
このようなシリアル型画像形成装置であっても、本発明を実施した滴吐出特性が安定した液体吐出ヘッドを搭載しているので、高密度化も可能となり高画質、高速記録に対応できる画像形成装置を得ることができる。
なお、上記実施形態では本発明をプリンタ構成の画像形成装置に適用した例で説明したが、これに限るものではなく、例えば、プリンタ/ファックス/コピア複合機などの画像形成装置にも適用することができる。また、記録液以外の液体を用いる液体吐出装置や画像形成装置、例えば、前述したように、DNA試料、レジスト、パターン材料などを吐出する液体吐出装置や画像形成装置で用いる液体吐出ヘッドにも適用することができる。
1…流路部材
2…ノズル板
3…振動板部材
4…アクチュエータ基板
5…フレーム部材
6…圧力吸収面
6A、6B、6C…圧力吸収面を構成する部分
11…液室
21…ノズル
41…圧電素子
51…共通液室
71…電気熱変換素子
101k、101c、101m、101y…記録ヘッド
234a、234b…記録ヘッド
2…ノズル板
3…振動板部材
4…アクチュエータ基板
5…フレーム部材
6…圧力吸収面
6A、6B、6C…圧力吸収面を構成する部分
11…液室
21…ノズル
41…圧電素子
51…共通液室
71…電気熱変換素子
101k、101c、101m、101y…記録ヘッド
234a、234b…記録ヘッド
Claims (8)
- 液滴を吐出する複数のノズルと、
各ノズルが連通する複数の液室と、
複数の液室に液体を供給する共通液室とを備え、
前記共通液室の壁面の内、前記液室の並び方向に沿う方向の少なくとも1つの壁面は、他の壁面よりも剛性が低く、少なくとも振動によって圧力を吸収する圧力吸収面であり、
この圧力吸収面は前記液室の並び方向に沿う方向と直交する方向で面に沿う方向にずれた複数の部分で形成されている
ことを特徴とする液体吐出ヘッド。 - 請求項1に記載の液体吐出ヘッドにおいて、前記複数の部分は平面形状が略四角形状であることを特徴とする液体吐出ヘッド。
- 請求項1又は2に記載の液体吐出ヘッドにおいて、前記共通液室の形状と前記圧力吸収面の形状が同じであることを特徴とする液体吐出ヘッド。
- 請求項1ないし3のいずれかに記載の液体吐出ヘッドにおいて、前記圧力吸収面は、全体が単層であることを特徴とする液体吐出ヘッド。
- 請求項1ないし4のいずれかに記載の液体吐出ヘッドにおいて、前記複数の部分は3つに分けられることを特徴とする液体吐出ヘッド。
- 請求項5に記載の液体吐出ヘッドにおいて、前記3つの部分は略同じ面積であることを特徴とする液体吐出ヘッド。
- 請求項1ないし6のいずれかに記載の液体吐出ヘッドにおいて、前記圧力吸収面はNiにより形成されていることを特徴とする液体吐出ヘッド。
- 液体吐出ヘッドを備えて媒体に画像を形成する画像形成装置において、前記請求項1ないし7のいずれかに記載の液体吐出ヘッドを備えていることを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006248684A JP2008068503A (ja) | 2006-09-13 | 2006-09-13 | 液体吐出ヘッド及び画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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Family Applications (1)
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2010214743A (ja) * | 2009-03-17 | 2010-09-30 | Ricoh Co Ltd | 液体吐出ヘッド、ヘッドカートリッジ及び画像形成装置 |
JP2011056924A (ja) * | 2009-09-14 | 2011-03-24 | Ricoh Co Ltd | 液体吐出ヘッド及び画像形成装置 |
-
2006
- 2006-09-13 JP JP2006248684A patent/JP2008068503A/ja active Pending
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