JP4869108B2 - 液体吐出ヘッド、液体カートリッジ、画像形成装置 - Google Patents

液体吐出ヘッド、液体カートリッジ、画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は液体吐出ヘッド、液体カートリッジ、画像形成装置に関する。

一般に、プリンタ、ファックス、コピア、プロッタ、或いはこれらの内の複数の機能を複合した画像形成装置としては、例えば、記録液(液体)の液滴を吐出する液体吐出ヘッドで構成した記録ヘッドを含む液体吐出装置を用いて、媒体(以下「用紙」ともいうが材質を限定するものではなく、また、被記録媒体、記録媒体、転写材、記録紙なども同義で使用する。)を搬送しながら、液体としての記録液(以下、インクともいう。)を用紙に付着させて画像形成(記録、印刷、印写、印字も同義語で用いる。)を行なうものがある。

なお、「画像形成装置」は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等の媒体に液体を吐出して画像形成を行う装置を意味し、また、「画像形成」とは、文字や図形等の意味を持つ画像を媒体に対して付与することだけでなく、パターン等の意味を持たない画像を媒体に付与することをも意味する。また、「液体」とは、記録液、インクに限るものではなく、吐出されるときに流体となるものであれば特に限定されるものではない。また、「液体吐出装置」とは液体吐出ヘッドから液体を吐出する装置を意味し、画像形成を行うものに限定されない。

液体吐出ヘッドとしては、個別流路(以下「加圧液室」という。)内の液体であるインクを加圧する圧力を発生するための圧力発生手段(アクチュエータ手段)として圧電素子などで構成される圧電アクチュエータを用いたもの、発熱抵抗体などで構成されるサーマルアクチュエータを用いたもの、静電力を発生する静電アクチュエータを用いたものなどが知られている。

ところで、画像形成装置においては高速化と高画質化が要求されており、高画質化は応えるために液滴の小滴化やノズルの高密度化が図られ、高速化の要求に応えるため液滴吐出の駆動周波数を高周波数化、1ヘッド当たりのノズル数を増やしたライン型ヘッドに代表されるヘッドの長尺化が図られている。

このように液体吐出方式の画像形成装置においては、高速化が進み、液体吐出ヘッドとしては長尺化に伴ってノズル数の増加が求められている。また、複雑な液流路形状を形成する流路板(流路部材)に関しては、低コスト化が望まれるため、金属プレートや樹脂プレートが選定される。特にシリコン材に関してはコストが高いため、ステンレス材が比較的選定されやすいが、ステンレス材は難接着材料でもあり複数枚構成で流路部材を形成することは好ましくない。

また、液体吐出ヘッドは、数十ミクロンの大きさで形成したノズル及び液室により構成されており、その製造工程にて混入した異物や、インク供給系に付着している異物が、液滴によって流され、ノズルを閉塞させることで吐出不良が発生する。それに伴って、ノズルの液滴吐出不良の発生率も増加し、ヘッドの歩留まりに大きく影響を及ぼすことになる。

そこで、従来から異物をノズル内に流さないように異物を除去するフィルタ手段が用いられている。例えば、特許文献1にはシリコンを材料とした流路板に加圧液室と連通する液供給部と、フィルタ構造を兼ね備えたヘッドが、特許文献2には流路板を複数のプレートで形成し、液供給側と加圧液室との間にフィルタを備えることでフィルタ部の気泡排出性を向上させるヘッドが、特許文献3にはインク供給側から加圧液室までの間にフィルタ室を設け、気泡排出性を向上させるために供給流路を分割したヘッドが、特許文献4には液室をセラミックスフィルタで形成したヘッドが、特許文献5には加圧室に振動板と同一部材からなるフィルタ部を通してインクを供給するヘッドが、それぞれ記載されている。
特許第3389732号公報 特開2000−296613号公報 特開2002−79684号公報 特開2003−334413号公報 特開2006−069106号公報

その他、特許文献6、7に記載のようなものもある。
特許第3809787号公報 特開2006−198945号公報

ところで、液体吐出ヘッドに供給する液体を収容した液体カートリッジから液体吐出ヘッドのノズルに至るまでの液流路に異物を排除するフィルタを配置する場合、フィルタが液流路の上流側にあるほど異物を除去できない領域が広がり、異物除去が困難となるのに対し、フィルタがノズルに近いほど効率良くノズルに侵入する異物を除去することができる。

この場合、液流路が独立した形状であると、1ビット(1つの液流路)に付与できるフィルタ領域が狭くなり、気泡や比較的小さな異物がフィルタに付着するだけで液供給が不足し液滴吐出特性に影響を与える可能性がある。上述した従来の液体吐出ヘッドは流路板として高価なシリコン材料を使用していたり、複数の流路板によって構成されていたり、別のユニットによるフィルタユニット構成とされていることから、部品点数が多く、低コスト化を図れないという課題がある。

本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、液体供給不足を生じることなく効率的に異物を除去することができる液体吐出ヘッド、この液体吐出ヘッドを含む液体カートリッジ、これらの液体吐出ヘッド又は液体カートリッジを備える画像形成装置を提供することを目的とする。

上記の課題を解決するため、本発明に係る液体吐出ヘッドは、
液滴を吐出する複数のノズルが形成されたノズル板と、
各ノズルが連通する複数の加圧液室と、各加圧液室にそれぞれ連通して各加圧液室に液体を供給する複数の個別供給路と、を形成する流路部材と、
前記個別供給路の上流側に配置され、前記加圧液室に供給される液体を濾過するフィルタ部とを備え
前記フィルタ部は前記流路部材を挟んで前記ノズル板と反対側に配置され、
前記流路部材には、
前記加圧液室及び前記個別供給路を形成する流路部材厚さ方向に貫通する複数の貫通溝が形成され、
前記貫通溝間の隔壁部分を含んで前記フィルタ部と反対側に開口する凹部が形成されて、前記複数の個別供給路が相互に連通されて、
前記フィルタ部の下流側で、前記複数の個別供給路は前記フィルタ部に面する側では個々の個別供給路に分割され、前記フィルタ部に面する側と反対側では相互に連通している
構成とした。

本発明に係る液体カートリッジは、本発明に係る液体吐出ヘッドとこの液体吐出ヘッドに液体を供給するタンクを一体化したものである。

本発明に係る画像形成装置は、本発明に係る液体吐出ヘッド又は本発明に係る液体カートリッジを備えたものである。

本発明に係る液体吐出ヘッドによれば、ノズルに近い部分で異物を除去しつつ加圧液室に対する液供給を十分に行うことができ、安定した滴吐出を行うことができる。

本発明に係る液体カートリッジによれば、本発明に係る液体吐出ヘッドを備えているので、安定した滴吐出を行うことができる液体吐出ヘッド一体型の液体カートリッジが得られる。

本発明に係る画像形成装置によれば、本発明に係る液体吐出ヘッドを備えているので、安定した滴吐出を行うことができ、高画質画像を形成できる。

以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。まず、本発明に係る液体吐出ヘッドの第1実施形態について図1ないし図3を参照して説明する。なお、図1は同液体吐出ヘッドの分解斜視説明図、図2は同じく液室長手方向(ノズル並び方向と直交する方向)に沿う断面説明図、図3は同じく液室短手方向(ノズル並び方向)に沿う断面説明図である。

この液体吐出ヘッドは、流路板(流路部材、液室基板)1と、この流路板1の下面に接合した振動板部材2と、流路板1の上面に接合したノズル板3とを有し、これらによって液滴(液体の滴)を吐出するノズル4が連通する個別流路としての加圧液室(圧力室、加圧室、流路などとも称される。)6、加圧液室6に液体であるインク(記録液)を供給する液体供給部10、ダンパ室18を形成している。

ここで、流路板1は、SUS基板を、酸性エッチング液を用いてエッチング、あるいは打ち抜きなどの機械加工することで、各加圧液室6、液供給部10、ダンパ室18などの開口などをそれぞれ形成している。

振動板部材2は、図2に示すように液室6側から第1層膜2a、第2層膜2b、第3層膜2cの3層構造のニッケルプレートで形成したもので、例えば電鋳によって作製している。振動板部材2は、第1層膜2aは1〜5μm程度の膜厚で、第2層膜2bは10〜20μm程度、第3層膜2cは10〜20μm程度の膜厚で、振動板部材2としては20〜45μmの厚さとして形成される。

ノズル板3は、各加圧液室6に対応して多数のノズル4を形成し、流路板1に接着剤接合している。このノズル板3としては、ステンレス、ニッケルなどの金属、ポリイミド樹脂フィルムなどの樹脂、シリコン、及びそれらの組み合わせからなるものを用いることができる。また、ノズル4の内部形状(内側形状)は、ホーン形状(略円柱形状又は略円錘台形状でもよい。)に形成し、このノズル4の穴径はインク滴出口側の直径で約20〜35μmとしている。さらに、各列のノズルピッチは150dpiとした。

また、ノズル板3のノズル面(吐出方向の表面:吐出面)には、図示しない撥水性の表面処理を施した撥水処理層を設けている。撥水処理層としては、例えば、PTFE−Ni共析メッキやフッ素樹脂の電着塗装、蒸発性のあるフッ素樹脂(例えばフッ化ピッチなど)を蒸着コートしたもの、シリコン系樹脂・フッ素系樹脂の溶剤塗布後の焼き付け等、記録液物性に応じて選定した撥水処理膜を設けて、記録液の滴形状、飛翔特性を安定化し、高品位の画像品質を得られるようにしている。

そして、振動板部材2には、図2に示すように、各加圧液室6に対応して第1層膜2aで形成したダイアフラム部(振動板領域)2Aの中央部に第2層膜2b、第3層膜2cの2層構造の凸部2Bを形成し、この凸部2Bに圧力発生手段(アクチュエータ手段)を構成する圧電素子12をそれぞれ接合している。また、各加圧液室6の隔壁6Aに対応して3層構造部分(厚肉部2B)に支柱部13を接合している。

これらの圧電素子12及び支柱部13は積層型圧電素子部材14にハーフカットのダイシングによるスリット加工を施して櫛歯状に分割して形成したもので、支柱部13も圧電素子であるが駆動電圧を印加しないために単なる支柱となっている。この積層型圧電素子部材14はベース部材15に接合している。

なお、圧電素子12(圧電素子部材14)は、例えば厚さ10〜50μm/1層のチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)の圧電層と、厚さ数μm/1層の銀・パラジューム(AgPd)からなる内部電極層とを交互に積層したものであり、内部電極を交互に端面の端面電極(外部電極)である個別電極、共通電極に電気的に接続し、これらの電極にFPCケーブル16を介して駆動信号を供給するようにしている。

また、圧電素子12の圧電方向としてd33方向の変位を用いて加圧液室6内記録液を加圧する構成とすることも、圧電素子12の圧電方向としてd31方向の変位を用いて加圧液室6内記録液を加圧する構成とすることもできる。本実施形態ではd33方向の変位を用いた構成をとっている。

ベース部材15は金属材料で形成することが好ましい。ベース部材13の材質(材料)が金属であれば、圧電素子12の自己発熱による蓄熱を防止することができる。圧電素子12とベース部材13は接着剤により接着接合しているが、チャンネル数が増えると、圧電素子12の自己発熱により100℃近くまで温度が上昇し、接合強度が著しく低下することになる。また、自己発熱によりヘッド内部の温度上昇が発生し、インク温度が上昇するが、インクの温度が上昇すると、インク粘度が低下し、噴射特性に大きな影響を与える。したがって、ベース部材15を金属材料で形成して圧電素子12の自己発熱による蓄熱を防止することで、これらの接合強度の低下、記録液粘度の低下による噴射特性の劣化を防止することができる

さらに、振動板部材2の周囲には例えばエポキシ系樹脂或いはポリフェニレンサルファイトで射出成形により形成したフレーム部材17を接着剤で接合している。

このフレーム部材17には、各加圧液室6に記録液を供給する共通液室8を形成し、共通液室8から振動板部材2に形成したフィルタ部9、液供給部10を介して加圧液室6に記録液が供給される。なお、フレーム部材17には共通液室8に外部から記録液を供給するための記録液供給口19も形成される。また、共通液室8は、図1に示すように、加圧液室6の並び方向(ノズル並び方向:これを「共通液室長手方向」とする)に平面形状で長方形状に形成している。

ここで、加圧液室6の壁面を形成する部材である振動板部材2の第1層膜2cで形成されて共通液室8の一部の壁面を形成するダンパ部23を設けている。ダンパ室18は、振動板部材2に形成された外部(大気)に連通した連通路としての大気連通口24を通して大気開放される空間である。大気連通口24は、フレーム部材17と圧電素子12の組み付けの隙間となる空間25に開口する位置に形成している。

このように構成した液体吐出ヘッドにおいては、例えば圧電素子12に印加する電圧を基準電位から下げることによって圧電素子12が収縮し、振動板部材2のダイアフラム部2Aが下降して加圧液室6の容積が膨張することで、加圧液室6内にインクが流入し、その後圧電素子12に印加する電圧を上げて圧電素子12を積層方向に伸長させ、振動板部材2のダイアフラム部2Aをノズル4方向に変形させて加圧液室6の容積/体積を収縮させることにより、加圧液室6内の記録液が加圧され、ノズル4から記録液の滴が吐出(噴射)される。

そして、圧電素子12に印加する電圧を基準電位に戻すことによって振動板部材2が初期位置に復元し、加圧液室6が膨張して負圧が発生するので、このとき、共通液室8から加圧液室6内に記録液が充填される。そこで、ノズル4のメニスカス面の振動が減衰して安定した後、次の液滴吐出のための動作に移行する。

なお、このヘッドの駆動方法については上記の例(引き−押し打ち)に限るものではなく、駆動波形の与えた方によって引き打ちや押し打ちなどを行うこともできる。

そこで、この液体吐出ヘッドにおける振動板部材2のフィルタ部9の詳細について図4ないし図6を参照して説明する。なお、図4は振動板部材の要部平面説明図、図5は図4のA−A線に沿う断面説明図、図6はフィルタ部を構成する連通孔の形状説明に供する拡大断面説明図である。
振動板部材2の第1層膜2aには、フィルタ部9を構成する複数の連通孔9aを液室6の並び方向に沿って形成している。この場合、第1層膜2aの厚さは約3μm程度が好ましい。このフィルタ部9を構成する連通孔9aの内部形状(内側形状)は、図6に示すように、ホーン形状(又はオリフィス形状、略円柱形状、略円錘台形状でもよい。)に形成し、この連通孔9aの穴径は流路板1側の径でノズル4と同等かそれ以下の径となるよう形成されている。

フィルタ部9の連通孔9aをオリフィス形状とすることにより、更に流体抵抗を小さくすることが可能となり、加圧液室6へ安定した液供給が行える。また、連通孔9aの平面形状は、円形に限るものではなく、単位面積当たりの連通孔9aの開口率も流体抵抗に大きく影響する要素であり、効率よく連通孔9aを整列することが可能である多角形とすることもできる。

次に、この液体吐出ヘッドにおける流路板1の液供給部10の詳細について図7ないし図9を参照して説明する。なお、図7は流路部材の要部平面説明図、図8は図7のB−B線に沿う断面説明図、図9は図7の部分の斜視説明図である。
流路板1に設けた液供給部10は、加圧液室6及びこの加圧液室6にそれぞれ連通して各加圧液室6に液体を供給する個別供給路21及び各個別供給路21を相互に連通する連通部22で構成される。ここで、流路板1には加圧液室6となる部分26a及び個別供給路21となる部分26bとを一体的に形成する流路板厚さ方向に貫通する複数の貫通溝26と、この複数の貫通溝26の個別供給路となる部分26aを相互に連通する液室の並び方向に沿った凹部27とが形成されている。そして、貫通溝26の個別供給路となる部分26aをフィルタ部9に開口させることで液供給部10の個別供給路21をフィルタ部9に臨ませ、また凹部27の底部に開口することで連通部22によって相互に連通している。なお、加圧液室6などを貫通溝で形成することにより、液室容積を確保することができ、流路板としてより薄い板材を使用することができて加工精度を向上することができる。

このように、加圧液室6に連通する個別供給路21をフィルタ部9に臨ませるとともに、各個別供給路21を相互に連通する連通部22を設けることにより、ノズル4に近い部分でフィルタ部9によって異物を除去することができる。そして、この場合、フィルタ部9が対応する液の流れ方向下流側の部分が独立した個別供給路21だけであると、気泡や比較的小さな異物でもフィルタ部9の一部を閉塞させ、加圧液室6に十分な液を供給することができなくなるおそれがあるのに対し、ここでは複数の(この例ではすべての)の個別供給路21を連通する連通部22を設けているので、加圧液室6に対する液供給を十分に行うことができる。これによって、安定した滴吐出を行うことができる。また、流路板1を1枚構成として各個別供給路21を相互に連通する連通部22を設けることにより、フィルタ部9の剛性を維持しながら、異物による特定ビット(ノズル)の詰まりを防止することができる。

ここで、流路板1の貫通溝26はプレス加工にて形成している。図10は貫通溝26の液室並び方向の断面説明図であり、プレス加工によって打ち抜きが完了した状態を示している。せん断後に生じる打ち抜きは、流路板1の裏面36側が破断される現象によって打抜きが完了する。せん断から破断へ移行するプレス加工においては、図10に示すように、振動板部材2と接合される側の加圧液室淵部(貫通溝淵部)32は、打込まれることによりR形状となる。加圧液室6(貫通溝26)の側壁の状態は、せん断部33と破断部34と打ち抜かれることによるバリ部35の状態で加工が完了する。バリ部35が発生するが、このバリ部35は接合工程において問題となる場合は、図11に示すように、機械的な加工より除去され平坦部37とすることが好ましいが、接合工法によっては問題とならない場合には機械的な加工は必要でない。

このように、流路板1のノズル板3との接合面との反対側の面における加圧液室(貫通溝)淵部がR形状となっていることで、他の部材との余剰接着剤を吸収でき、安定した吐出特性が得られる。

また、連通部22を形成する凹部27はウエットエッチングで形成している。この凹部27の底面周囲部27aは湾曲形状に形成されている。これにより、加圧液室6へ液供給するときの流体抵抗が低減して安定した液供給が可能となる。

次に、共通液室8の構造の他の例について図12を参照して説明する。なお、図12はフレーム部材の斜視説明図である。
この例では、共通液室8は長手方向の端部8a、8aで短手方向の幅が狭くなり深さが浅くなる形状となっている。共通液室8をこのような形状とすることにより記録液の流れ性と気泡排出性を高めることができる。

なお、上記実施形態では、振動板部材にフィルタ部を形成した例で説明しているが、別途フィルタ部材を設けることもできる。また、液滴を吐出させるアクチュエータ手段(駆動素子)が圧電素子である例で説明しているが、圧電型ヘッドに限らず、他のサーマル型ヘッドや静電型ヘッドにも本発明を適用することができる。

次に、本発明に係る液体カートリッジについて図13を参照して説明する。なお、図13は同液体カートリッジの一例を示す斜視説明図である。
この液体カートリッジ90は、ノズル91を有する本発明に係る液体吐出ヘッド92と、この液体吐出ヘッド92に液体としての例えば記録液を供給する液体収容部(タンク)93とを一体に備えている。

これによって、安定した滴吐出を行うことができる液体吐出ヘッドを一体化した液体カートリッジが得られる。

次に、本発明に係る液体吐出ヘッドを備える本発明に係る画像形成装置の一例について図14及び図15を参照して説明する。なお、図14は同装置の機構部の全体構成を説明する概略構成図、図15は同機構部の要部平面説明図である。
この画像形成装置はシリアル型画像形成装置であり、左右の側板201A、201Bに横架したガイド部材である主従のガイドロッド231、232でキャリッジ233を主走査方向に摺動自在に保持し、図示しない主走査モータによってタイミングベルトを介して矢示方向(キャリッジ主走査方向)に移動走査する。

このキャリッジ233には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色のインク滴を吐出するための本発明に係る液体吐出ヘッドからなる記録ヘッド234a、234b(区別しないときは「記録ヘッド234」という。)を複数のノズルからなるノズル列を主走査方向と直交する副走査方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。

記録ヘッド234は、それぞれ2つのノズル列を有し、記録ヘッド234aの一方のノズル列はブラック(K)の液滴を、他方のノズル列はシアン(C)の液滴を、記録ヘッド234bの一方のノズル列はマゼンタ(M)の液滴を、他方のノズル列はイエロー(Y)の液滴を、それぞれ吐出する。

また、キャリッジ233には、記録ヘッド234のノズル列に対応して各色のインクを供給するためのヘッドタンク235a、235b(区別しないときは「ヘッドタンク35」という。)を搭載している。このサブタンク235には各色の供給チューブ36を介して、各色のインクカートリッジ210から各色のインクが補充供給される。

一方、給紙トレイ202の用紙積載部(圧板)241上に積載した用紙242を給紙するための給紙部として、用紙積載部241から用紙242を1枚ずつ分離給送する半月コロ(給紙コロ)243及び給紙コロ243に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド244を備え、この分離パッド244は給紙コロ243側に付勢されている。

そして、この給紙部から給紙された用紙242を記録ヘッド234の下方側に送り込むために、用紙242を案内するガイド部材245と、カウンタローラ246と、搬送ガイド部材247と、先端加圧コロ249を有する押さえ部材248とを備えるとともに、給送された用紙242を静電吸着して記録ヘッド234に対向する位置で搬送するための搬送手段である搬送ベルト251を備えている。

この搬送ベルト251は、無端状ベルトであり、搬送ローラ252とテンションローラ253との間に掛け渡されて、ベルト搬送方向(副走査方向)に周回するように構成している。また、この搬送ベルト251の表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ256を備えている。この帯電ローラ256は、搬送ベルト251の表層に接触し、搬送ベルト251の回動に従動して回転するように配置されている。この搬送ベルト251は、図示しない副走査モータによってタイミングを介して搬送ローラ252が回転駆動されることによってベルト搬送方向に周回移動する。

さらに、記録ヘッド234で記録された用紙242を排紙するための排紙部として、搬送ベルト251から用紙242を分離するための分離爪261と、排紙ローラ262及び排紙コロ263とを備え、排紙ローラ262の下方に排紙トレイ203を備えている。

また、装置本体1の背面部には両面ユニット271が着脱自在に装着されている。この両面ユニット271は搬送ベルト251の逆方向回転で戻される用紙242を取り込んで反転させて再度カウンタローラ246と搬送ベルト251との間に給紙する。また、この両面ユニット271の上面は手差しトレイ272としている。

さらに、キャリッジ233の走査方向一方側の非印字領域には、記録ヘッド234のノズルの状態を維持し、回復するための回復手段を含む本発明に係るヘッドの維持回復装置である維持回復機構281を配置している。

この維持回復機構281には、記録ヘッド234の各ノズル面をキャピングするための各キャップ部材(以下「キャップ」という。)282a、282b(区別しないときは「キャップ282」という。)と、ノズル面をワイピングするためのブレード部材であるワイパーブレード283と、増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける空吐出受け284などを備えている。

また、キャリッジ233の走査方向他方側の非印字領域には、記録中などに増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける液体回収容器であるインク回収ユニット(空吐出受け)288を配置し、このインク回収ユニット288には記録ヘッド234のノズル列方向に沿った開口部289などを備えている。

このように構成したこの画像形成装置においては、給紙トレイ202から用紙242が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された用紙242はガイド245で案内され、搬送ベルト251とカウンタローラ246との間に挟まれて搬送され、更に先端を搬送ガイド237で案内されて先端加圧コロ249で搬送ベルト251に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。

このとき、帯電ローラ256に対してプラス出力とマイナス出力とが交互に繰り返すように、つまり交番する電圧が印加され、搬送ベルト251が交番する帯電電圧パターン、すなわち、周回方向である副走査方向に、プラスとマイナスが所定の幅で帯状に交互に帯電されたものとなる。このプラス、マイナス交互に帯電した搬送ベルト251上に用紙242が給送されると、用紙242が搬送ベルト251に吸着され、搬送ベルト251の周回移動によって用紙242が副走査方向に搬送される。

そこで、キャリッジ233を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド234を駆動することにより、停止している用紙242にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙242を所定量搬送後、次の行の記録を行う。記録終了信号又は用紙242の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙242を排紙トレイ203に排紙する。

このようなシリアル型画像形成装置であっても、本発明に係る液体吐出ヘッドを備えることによって、安定した滴吐出特性が得られるので、高速で高画質画像を記録できるようになる。

なお、上記実施形態では本発明に係る液体吐出装置をプリンタ構成の画像形成装置に適用した例で説明したが、これに限るものではなく、例えば、プリンタ/ファックス/コピア複合機などの画像形成装置にも適用することができる。また、記録液以外の液体を用いる液体吐出装置や画像形成装置にも適用することができる。

本発明に係る液体吐出ヘッドの一例を示す分解斜視説明図である。 同液体吐出ヘッドの液室長手方向に沿う断面説明図である。 同じく液室短手方向に沿う断面説明図である。 同じく振動板の要部平面説明図である。 同じく図4のA−A線に沿う断面説明図である。 同じくフィルタ部の連通孔の断面形状を説明する要部断面説明図である。 同じく流路部材及び振動板の要部平面説明図である。 同じく図7のB−B線に沿う断面説明図である。 同じく図7の流路部材の要部斜視説明図である。 同じく流路部材の貫通溝部分の要部拡大説明図である。 同じく流路部材の貫通溝部分の他の形状の説明に供する要部拡大説明図である。 共通液室形状の他の例を示す斜視説明図である。 本発明に係る液体カートリッジの斜視説明図である。 本発明に係る液体吐出ヘッドの画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 同じく要部平面説明図である。

符号の説明

1…流路板
2…振動板
3…ノズル板
4…ノズル
6…加圧液室
8…共通液室
9…フィルタ部
9a…連通孔
10…液供給部
12…圧電素子
21…個別供給路
22…連通部
26…貫通溝
27…凹部
234…記録ヘッド(液体吐出ヘッド)

Claims (8)

  1. 液滴を吐出する複数のノズルが形成されたノズル板と、
    各ノズルが連通する複数の加圧液室と、各加圧液室にそれぞれ連通して各加圧液室に液体を供給する複数の個別供給路と、を形成する流路部材と、
    前記個別供給路の上流側に配置され、前記加圧液室に供給される液体を濾過するフィルタ部とを備え
    前記フィルタ部は前記流路部材を挟んで前記ノズル板と反対側に配置され、
    前記流路部材には、
    前記加圧液室及び前記個別供給路を形成する流路部材厚さ方向に貫通する複数の貫通溝が形成され、
    前記貫通溝間の隔壁部分を含んで前記フィルタ部と反対側に開口する凹部が形成されて、前記複数の個別供給路が相互に連通され、
    前記フィルタ部の下流側で、前記複数の個別供給路は、前記フィルタ部に面する側では個々の個別供給路に分割され、前記フィルタ部に面する側と反対側では相互に連通している
    ことを特徴とする液体吐出ヘッド。
  2. 請求項に記載の液体吐出ヘッドにおいて、前記凹部の前記個別供給路における液の流れ方向と直交する方向の壁面は湾曲形状に形成されていることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  3. 請求項又はに記載の液体吐出ヘッドにおいて、前記貫通溝は前記ノズル板側と反対側の面の淵部がR形状であること特徴とする液体吐出ヘッド。
  4. 請求項ないしのいずれかに記載の液体吐出ヘッドにおいて、前記貫通溝はプレス加工で形成され、前記凹部はウエットエッチング加工で形成されていることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  5. 請求項1ないしのいずれかに記載の液体吐出ヘッドにおいて、前記流路部材が1枚の板状部材であることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  6. 請求項1ないしのいずれかに記載の液体吐出ヘッドにおいて、前記フィルタ部は前記加圧液室内の一面を形成する振動板部材に形成されていることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  7. 液体吐出ヘッドとこの液体吐出ヘッドに液体を供給するタンクを一体化した液体カートリッジにおいて、前記液体吐出ヘッドが請求項1ないしのいずれかに記載の液体吐出ヘッドであることを特徴とする液体カートリッジ。
  8. 請求項1ないしのいずれかに記載の液体吐出ヘッド又は請求項に記載の液体カートリッジを備えていることを特徴とする画像形成装置。
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