JP6213815B2 - 液滴吐出ヘッド及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ノズル孔から液滴を吐出する液滴吐出ヘッド、及び、この液滴吐出ヘッドを採用した画像形成装置に関するものである。
一般に、プリンタ、ファックス、複写機、プロッタ、或いはこれらの内の複数の機能を複合した画像形成装置としては、例えばインクの液滴(以下、インク滴という)を吐出する液滴吐出ヘッドを備えたインクジェット記録装置がある。インクジェット記録装置では、媒体を搬送しながら液滴吐出ヘッドによりインク滴を用紙に付着させて画像形成を行う。ここでの媒体は「用紙」ともいうが材質を限定するものではなく、被記録媒体、記録媒体、転写材、記録紙なども同義で使用する。また、画像形成装置は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等の媒体に液滴を吐出して画像形成を行う装置を意味する。そして、画像形成とは、文字や図形等の意味を持つ画像を媒体に対して付与することだけでなく、パターン等の意味を持たない画像を媒体に付与する(単に液滴を吐出する)ことをも意味する。また、インクとは、所謂インクに限るものではなく、吐出されるときに液滴となるものであれば特に限定されるものではなく、例えばDNA試料、レジスト、パターン材料なども含まれる液体の総称として用いる。
液滴吐出ヘッドは、ノズル孔が連通する加圧液室(圧力室、吐出室、液室、インク室、インク流路等とも称される)と、加圧液室内のインクを昇圧するエネルギーを発生するアクチュエータ手段を備えている。記録に必要なときにのみアクチュエータ手段を駆動して、加圧液室内のインクを昇圧してノズル孔からインク滴を吐出するインク・オン・デマンド方式のものが主流である。
また、液滴吐出ヘッドはインク滴を吐出させるためのアクチュエータ手段の種類により、幾つかの方式に大別される。例えば、加圧液室の内部に発熱体を配置し、この発熱体に通電して発熱体を加熱することによって、加圧液室内のインクに気泡を発生させ、気泡の圧力により加圧液室内のインクを昇圧して液滴を吐出させるサーマル方式が広く知られている。また、加圧液室の一壁面を振動板で構成して、振動板上に圧電素子を配置し、圧電素子に駆動電圧を印加して圧電素子を変形させることで振動板を変形させ、これにより加圧液室内のインクを昇圧して液滴を吐出させるピエゾ方式が広く知られている。この他に、加圧液室の一壁面を振動板で構成し、振動板に対向して加圧液室外部に電極を配置し、電極との間に電界を形成して発生する静電力により振動板を変形させて、これにより加圧液室内のインクを昇圧して液滴を吐出させる静電方式もある。
何れのアクチュエータ手段を用いる場合でも、液滴吐出ヘッドのノズル孔は数十[μm]の小さい径で形成されており、異物が加圧液室内に混入するとノズル孔に詰まり吐出不良の原因となる。近年の高速化への対応として液滴吐出ヘッドの高集積化が求められ、これに伴いノズル孔の径もより小さくなっており、異物がノズル孔に詰まる可能性が高まっている。このため、異物が加圧液室内に混入することを防止する必要性が高まっている。
ノズル孔詰まりを引き起こす異物が加圧液室内に混入することを防止するため、加圧液室へのインク流路にノズル孔より小さい複数の供給孔を有するフィルタ部を設けることが知られている。例えば、特許文献1には、各加圧液室にインクを供給する共通液室内にフィルタ部を設けた液滴吐出ヘッドが記載されている。また、特許文献2、3には、共通液室と加圧液室との間の流路にフィルタ部を設けた液滴吐出ヘッドが記載されている。
加圧液室への異物混入防止という点からは、フィルタ部を加圧液室により近い、共通液室と加圧液室との間の流路に設けることが好ましい。しかしながら、振動板を変形させて加圧液室内のインクを昇圧させるアクチュエータ手段を用いた液滴吐出ヘッドで、共通液室と加圧液室との間の流路にフィルタ部を設けると、しばらく駆動せずに放置した後に以下の現象が発生した。
図11は、放置後のインク滴の吐出状態をストロボ撮影で観測した模式図である。通常、複数のノズル孔から吐出するインク滴の吐出速度は揃っている。しかし、放置後に、図11に示すように、他のノズル孔20から吐出されたインク滴21と比較して吐出速度が遅いインク滴21’を吐出するノズル孔20が発現する。このノズル孔から吐出するインク滴の吐出速度は遅いが安定しているため、異物混入や気泡巻き込みによる吐出異常ではないと考えられる。また、この吐出速度が遅くなる現象は、駆動条件の変更やインクの再充填などメンテナンス処理で正常に戻るため、故障が発生したわけではない。この現象は特定のノズル孔に発生するものではない。さらに、発生頻度も、駆動電圧や周波数、吐出パターンなどの吐出条件によって異なる。すなわち、フィルタ部を通過したインクを加圧液室に供給すると、放置後に、異物混入や故障ではない何らかの要因(以下、外乱という)により、偶発的に任意のノズル孔で吐出速度が遅くなるという現象が発生することがある。このような現象が発生すると、インク滴の着弾位置の乱れとなり、画像品質を低下させてしまう。
本発明者らは、上記任意のノズル孔で吐出速度が遅くなる現象に関して鋭意解析をおこなった結果、以下のことが解った。
液滴吐出ヘッドの駆動としては、押し打ち駆動波形を用いる駆動と、引き打ち駆動波形を用いる駆動がある。押し打ち駆動波形は、振動板を加圧液室体積が収縮する方向に駆動して、加圧液室内を正圧にしてインク滴を吐出させる駆動である。一方、引き打ち駆動波形は、一旦、振動板を加圧液室体積が膨張する方向に動かして加圧液室内に負圧を発生し、その圧力振動に合わせて振動板を加圧液室体積が収縮する方向に動かすことで、加圧液室内を正圧にしてインク滴を吐出させる駆動である。
上記任意のノズル孔で吐出速度が遅くなる現象は、押し打ち駆動波形を用いる駆動では発生し難いが、引き打ち駆動波形を用いる駆動で頻繁に発生した。また、上記現象は、フィルタ部を加圧液室により近い位置となるよう加圧液室毎に個別に設けた場合により顕著に発生した。これは、フィルタ部を設けた構成では、引き打ち駆動波形により、振動板を加圧液室体積が膨張する方向に動かした時に加圧液室内に発生する圧力振動(以下、引き打ちの初めの圧力振動という)が、外乱により変わってしまうことがあることを示している。
引き打ち駆動波形を用いた駆動では、加圧液室体積を膨張する方向に動かした時、インクが加圧液室内に向かって流れるため、このインクの流れが引き打ち初めの圧力振動に影響を与える。上記現象が起こった加圧液室では、フィルタ部を通過したインクが加圧液室に向かう流れが、外乱により偶発的に、他の加圧液室におけるフィルタ部を通過したインクが加圧液室に向かう流れと異なる状態となってしまった。これに伴い、上記現象がおこった加圧液室の引き打ち初めの圧力振動が、他の加圧液室の引き打ち初めの圧力振動と異なってしまったと考えられる。
以上、任意のノズル孔で吐出速度が遅くなる現象を、振動板上に圧電素子を配置し、圧電素子に駆動電圧を印加して圧電素子を変形させることで振動板を変形させ、加圧液室内に圧力振動を発生させるピエゾ方式のアクチュエータ手段を用いて説明した。しかし、これに限られるものではなく、振動板の変形を利用して加圧液室内の液体に圧力振動を発生させるアクチュエータ手段を用いる液滴吐出ヘッドであれば同様に発生するものである。
本発明は以上の背景に鑑みなされたものであり、その目的は、加圧液室への異物混入を防止してノズル孔詰まりによる吐出不良を防止すると共に、ノズル孔からの吐出速度の変化の発生頻度を低下させることができる液滴吐出ヘッド及び画像形成装置を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、液滴を吐出する複数のノズル孔と、該複数のノズル孔とそれぞれ連通する複数の加圧液室と、該加圧液室の一壁面を形成する振動板と、該振動板を介して該加圧液室内の液体を昇圧するエネルギーを発生するアクチュエータ手段と、該複数の加圧液室に液体を供給する共通液室と、該共通液室と該加圧液室との間の流路に配置された複数の供給孔を有するフィルタ部とを備えた液滴吐出ヘッドにおいて、上記フィルタ部を通過した液体が上記加圧液室に向かう流れの方向に関して、該フィルタ部の流体抵抗が単調に変化し、上記フィルタ部の上流部の流体抵抗が下流部の流体抵抗に比べて小さいことを特徴とするものである。
本発明によれば、加圧液室への異物混入を防止してノズル孔詰まりによる吐出不良を防止すると共に、ノズル孔からの吐出速度の変化の発生頻度を低下させることができるという優れた効果がある。
本実施形態のインクジェット記録装置の構成を示す斜視図。 本実施形態のインクジェット記録装置の機構部の側面図。 実施例1に係る液滴吐出ヘッドの断面図成図であり、(a)は加圧液室幅方向断面図、(b)は加圧液室長手方向断面図。 実施例1に係る液滴吐出ヘッドの流路基板をアクチュエータ部側からみた平面図。 実施例1に係る液滴吐出ヘッドの製造工程を示す工程断面図(その1)。 実施例1に係る液滴吐出ヘッドの製造工程を示す工程断面図(その2)。 実施例1に係る液滴吐出ヘッドの振動板フィルタの拡大模式図。 実施例2に係る液滴吐出ヘッドの断面図成図であり、(a)は加圧液室幅方向断面図、(b)は加圧液室長手方向断面図。 実施例3に係る液滴吐出ヘッドの振動板フィルタの拡大模式図。 実施例4に係る液滴吐出ヘッドの振動板フィルタの拡大模式図。 比較例の液滴吐出ヘッドにおいて放置後にインク滴の吐出状態をストロボ撮影で観測した模式図。 液滴吐出ヘッドの駆動波形の模式図であり、(a)は押し打ち駆動波形、(b)は引き打ち駆動波形を示す。
まず、本実施形態の係る画像形成装置の一例であるインクジェット記録装置の構成について図面を参照して説明する。図1は本実施形態のインクジェット記録装置の構成を示す斜視図、図2は本実施形態に係るインクジェット記録装置の機構部の側面図である。
図1及び図2に示す本実施形態のインクジェット記録装置100は、装置本体の内部に主走査方向に移動可能なキャリッジ101を備えている。そして、このキャリッジ101に搭載した液滴吐出ヘッド51及び液滴吐出ヘッド51に対してインクを供給するインクカートリッジ102等で構成される印字機構部103等を収納している。また、装置本体の下方部には前方側から多数枚の記録紙Sを積載可能な給紙カセット(或いは給紙トレイでもよい)104を抜き差し自在に装着されている。更に、記録紙Sを手差しで給紙するために開かれる手差しトレイ105を有し、給紙カセット104あるいは手差しトレイ105から給送される記録紙Pを取り込む。そして、印字機構部103によって所要の画像を記録した後、後面側に装着された排紙トレイ106に排紙する。
印字機構部103は、図示しない左右の側板に横架したガイド部材である主ガイドロッド107と従ガイドロッド108とでキャリッジ101を主走査方向に摺動自在に保持する。キャリッジ101には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出する液滴吐出ヘッド51を複数のノズル孔を主走査方向(図1中の矢印A方向)と直交する副走査方向(図2中の矢印B方向)に配列している。さらには、キャリッジ101には、液滴吐出ヘッド51をインク滴吐出方向を下方に向けて装着している。また、キャリッジ101には液滴吐出ヘッド51に各色のインクを供給するための各インクカートリッジ102を交換可能に装着している。
インクカートリッジ102は上方に大気と連通する大気口、下方には液滴吐出ヘッド51へインクを供給する供給口が設けられ、内部にはインクが充填された多孔質体を有している。多孔質体の毛管力により液滴吐出ヘッド51へ供給されるインクをわずかな負圧に維持している。また、液滴吐出ヘッド51としては各色毎に液滴吐出ヘッドを用いているが、各色のインク滴を吐出するノズル孔を有する1個の液滴吐出ヘッドでもよい。
ここで、キャリッジ101は後方側(用紙搬送方向の下流側)を主ガイドロッド107に摺動自在に嵌装し、前方側(用紙搬送方向の上流側)を従ガイドロッド108に摺動自在に載置している。そして、このキャリッジ101を主走査方向に移動走査するため、主走査モータ109aで回転駆動される駆動プーリ110と従動プーリ111との間にタイミングベルト112を張装している。そして、このタイミングベルト112をキャリッジ101に固定し、主走査モータ109aの正逆回転によりキャリッジ101が往復に走査される。
一方、給紙カセット104にセットした記録紙Pを液滴吐出ヘッド51の下方側に搬送する。このために、給紙カセット104から記録紙Pを分離給装する給紙ローラ113及びフリクションパッド114と、記録紙Pを案内するガイド部材115とを有している。更には、給紙された記録紙Pを反転させて搬送する搬送ローラ116と、この搬送ローラ116の周面に押し付けられる搬送コロ117及び搬送ローラ116からの記録紙Pの送り出し角度を規定する先端コロ118を有している。搬送ローラ116は副走査モータ109bによってギヤ列を介して回転駆動される。
そして、キャリッジ101の主走査方向の移動範囲に対応して搬送ローラ116から送り出された記録紙Pを液滴吐出ヘッド51の下方側で案内するため用紙ガイド部材である印写受け部材119を設けている。この印写受け部材119の用紙搬送方向下流側には、記録紙Pを排紙方向へ送り出すために回転駆動される搬送コロ120と拍車121を設けている。さらには、記録紙Pを排紙トレイ106に送り出す排紙ローラ123と拍車124と、排紙経路を形成するガイド部材125、126とを配設している。
このインクジェット記録装置100で記録時には、キャリッジ101を移動させながら画像信号に応じて液滴吐出ヘッド51を駆動することにより、停止している記録紙Pにインクを吐出して1行分を記録し、その後、記録紙Pを所定量搬送後次の行の記録を行う。記録終了信号または記録紙Pの後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了させ記録紙Pを排紙する。
また、キャリッジ101の移動方向右端側の記録領域を外れた位置には、液滴吐出ヘッド51の吐出不良を回復するための回復装置127を配置している。回復装置127はそれぞれ図示していないキャップ手段と吸引手段とワイピング手段とを有している。キャリッジ101は印字待機中にはこの回復装置127側に移動されてキャッピング手段で液滴吐出ヘッド51をキャッピングして吐出口部を湿潤状態に保つことによりインク乾燥による吐出不良を防止する。また、記録途中などに記録と関係しないインクを吐出することにより、全ての吐出口のインク粘度を一定にし、安定した吐出性能を維持する。
更に、吐出不良が発生した場合等には、キャッピング手段で液滴吐出ヘッド51の吐出口(ノズル孔)を密封し、チューブを通して吸引手段で吐出口からインクとともに気泡等を吸い出す。続いて、吐出口面に付着したインクやゴミ等はワイピング手段により吐出口面を払拭することで除去され、吐出不良が回復される。また、吸引されたインクは、本体下部に設置された廃インク溜(不図示)に排出され、廃インク溜内部のインク吸収体に吸収保持される。
次に、液滴吐出ヘッド51について説明する。
液滴吐出ヘッド51として、ピエゾ方式のアクチュエータ手段(以下、ピエゾアクチュエータという)を用いた構成が広く用いられている。ピエゾアクチュエータを用いた液滴吐出ヘッドは、複数の加圧液室の一面を形成する振動板上に加圧液室に対応する圧電素子を設け、圧電素子に駆動電圧を印加して生じる変形により振動板を振動させ、これにより加圧液室内のインクを昇圧する。圧電素子の軸方向に伸長、収縮する縦振動モードの圧電アクチュエータを使用したものと、たわみ振動モードのピエゾアクチュエータを使用したものが実用化されている。
前者は圧電素子の端面を振動板に当接させることにより加圧液室の容積を変化させることができ、高密度印刷に適したヘッドの製作が可能である。反面、圧電素子をノズル孔の配列ピッチに一致させて櫛歯状に切り分けるという困難な工程や、切り分けられた圧電素子を加圧液室に位置決めして固定する作業が必要となり、製造工程が複雑であるという問題がある。
これに対して後者は、圧電材料のグリーンシートを加圧液室の形状に合わせて貼付し、これを焼成するという比較的簡単な工程で振動板に圧電素子を作り付けることができる。しかし、たわみ振動を利用する関係上、ある程度の面積が必要となり、高密度配列が困難であるという問題がある。
後者の液滴吐出ヘッドの不都合を解消すべく、特開平5−286131号公報に見られるような技術が提案されている。これは、振動板の表面全体に亙って成膜技術により均一な電極材料層や圧電材料層を形成し、この電極材料層や圧電材料層をリソグラフィ法により加圧液室に対応する形状に切り分けて各加圧液室に独立するように圧電素子を形成したものが提案されている。これによれば圧電素子を振動板に貼付ける作業が不要となって、リソグラフィ法という精密で、かつ簡便な手法で圧電素子を作り付けることができるばかりでなく、圧電素子の厚みを薄くできて高速駆動が可能になるという利点がある。このような圧電素子は薄膜圧電素子と呼ばれている。
また、液滴吐出ヘッドの駆動としては、図12(a)に示すような押し打ち駆動波形を用いる駆動と、図12(b)に示すような引き打ち駆動波形を用いる駆動がある。押し打ち駆動波形は、振動板を加圧液室体積が収縮する方向(矢印B)に駆動して、加圧液室内を正圧にしてインク滴を吐出させる駆動である。引き打ち駆動波形は、一旦、振動板を加圧液室体積が膨張する方向に動かして加圧液室内に負圧を発生し、その圧力振動(圧力共振)に合わせて振動板を加圧液室体積が収縮する方向(矢印C)に動かして加圧液室内を正圧にしてインク滴を吐出させる駆動である。
次に、本実施形態のインクジェット記録装置100に用いることのできる液滴吐出ヘッドについて、実施例1〜4に基づき図面を参照して説明する。
<実施例1>
実施例1の液滴吐出ヘッド51は、薄膜圧電素子を用いたピエゾアクチュエータを採用した例である。図3は、実施例1に係る液滴吐出ヘッドの断面図であり、(a)は加圧液室幅方向断面図、(b)は加圧液室長手方向断面図である。なお、図3は、インク滴を基板の面部に設けたノズル孔20から吐出させるサイドシューター方式の一例である。
液滴吐出ヘッド51は、主として、複数のノズル孔20を有するノズル基板2と、液室基板4上に振動板55及び圧電素子56等を積層形成した流路基板1と、保護基板(サブフレーム)3の3枚の基板を重ねた積層構造となっている。
液室基板4には、複数のノズル孔20にそれぞれ連通する複数の加圧液室14の隔壁となる流路隔壁4aと、流体抵抗部15と、加圧液室14へインクを供給する流路となる個別供給室24とが形成されている。この液室基板4のノズル基板2と反対側の面に、加圧液室14の一壁面となる振動板55を積層し、振動板55上に圧電素子56等を積層形成して流路基板1を形成する。
ノズル基板2は、厚さ30〜50[μm]のSUS(Steel Use Stainless)基板にプレス加工と研磨加工とによりノズル孔20が形成されたものである。このノズル孔20は液室基板4の加圧液室14と連通している。
液室基板4は、例えば、シリコン基板上にシリコン酸化膜を介してシリコンが張り合わされたSOI基板を用いる。振動板55は、液室基板4としてのSOI基板のシリコン層(Si層)表面にパイロ酸化法を適用してシリコン酸化膜を形成したものを用いる。そして、この振動板55の上に圧電素子56を形成して、加圧液室14内のインクを昇圧するエネルギー発生手段とし機能するアクチュエータ部を構成する。圧電素子56は、振動板55の上に共通電極である下電極151となる白金膜、圧電体層152となるPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)の膜、個別電極である上電極153となる白金膜の多層構造を積層することで形成している。圧電素子56は、液室基板4をエッチングすることにより形成された加圧液室14に対向する領域に形成されている。図4は、流路基板をアクチュエータ部側からみた平面図である。
さらに、流路基板1は、下電極151及び上電極153のそれぞれに電圧を印加する配線部材154を備える。配線部材154としては、共通電極パッド部157を下電極151に電気的に接続する第一配線部材154aと、個別電極パッド部158を上電極153に電気的に接続する第二配線部材154bとが設けられている。また、流路基板1は、下電極151及び上電極153と配線部材154との層間に配置する層間絶縁膜155を備える。さらに、流路基板1には、配線部材154を保護するためのパッシベーション膜156がアクチュエータ部の上面及び側面を覆うように配置されている。なお、図4では、層間絶縁膜155およびパッシベーション膜156の図示を省略している。
保護基板(サブフレーム)3は、下電極151及び上電極153に電気的に接続される配線部材154を含めて圧電素子保護空間22を形成する基板である。この保護基板3には、共通液室18としてインク流路となる溝部と、圧電素子56の保護及び変位を妨げないための圧電素子保護空間22と、支柱部23とが形成されている。この支柱部23を流路基板1の流路隔壁4aと対向する位置に接合することで、保護基板3は流路基板1の流路隔壁4aの剛性を高め、流路基板1全体を支持する。
また、流路基板1は、保護基板3に形成された共通液室18から流路基板1に形成された加圧液室14へインクを供給する流路となる部分に、ノズル孔20を閉塞する可能性がある異物が加圧液室14に侵入することを防止するフィルタ部を設ける。実施例1では、振動板55における、共通液室18から加圧液室14へインクを供給する流路となる個別供給室24と対向する部分に、円形状の供給孔60aを複数作製して、振動板フィルタ60を形成している。振動板フィルタ60の供給孔60aの直径は、ノズル孔20の直径よりも小さくなるように設計している。これにより、ノズル孔20よりも大きく、ノズル孔20を閉塞する可能性がある異物が加圧液室14に侵入することを振動板フィルタ60によって防止することができる。
ここで、従来の振動板フィルタにおける問題について説明する。従来の振動板フィルタの複数の供給孔60aは同じ断面積であり、均等に設けられている。共通液室18側がいつも均等な流れであれば、特に問題はなく、インクは振動板フィルタをいつも同じように流れて各個別供給室24へ流れ込む。しかし、共通液室18側では、印写画像に基づく吐出履歴により圧力分布や流れが生じている。振動板フィルタの供給孔60aが均等であると、共通液室18側の圧力分布や流れによって各個別供給室24への流れ込み方が変わり易く、これに伴い各個別供給室24から各加圧液室14に向かう流れが変化し易い。
そこで、実施例1の液滴吐出ヘッド51では、共通液室18側の圧力分布や流れがあっても、いつも同じような流れ方で個別供給室24にインクが流れ込むようにしている。図3に示すように、振動板フィルタ60の複数の供給孔60aの断面積を、振動板フィルタ60を通過したインクが加圧液室14に向かう流れの方向(矢印A)に関して、単調に変化させている。図3(a)に示す例では、加圧液室に向う流れの方向(矢印A)の下流部(加圧液室に近い側、図中左側)から上流部(加圧液室から遠い側、図中右側)にいくに従い、円形状の供給孔60aの直径が大きくなるようにしている。
この振動板フィルタ60では、加圧液室に向う流れ方向(矢印A)に対して、供給孔60aの断面積を変化させることで、振動板フィルタ60を通過するインクの流れの分布が意図的に決まるようにしている。振動板フィルタ60を通過するインクの流れの分布とは、加圧液室14に近い供給孔60aから個別供給室24に流れ込むインクと、加圧液室14から遠い供給孔60aから個別供給室24に流れ込むインクの流れを指している。この意図的に作り出された振動板フィルタ60を通過するインクの流れの分布は、共通液室18側の圧力分布や流れが変化しても乱れ難い。これより、共通液室18側の圧力分布や流れがあっても、いつも同じような流れで振動板フィルタ60から各個別供給室24にインクが流れ込むようになる。
振動板フィルタ60に、流れ込みやすい部分がいくつもあるとぶつかって、流れが安定し難い。いつも同じような流れ方で個別供給室24にインクが流れ込むようにするためには、流れ易い順番が決まっている、すなわち、加圧液室に向う流れ方向(矢印A)に対して供給孔60aの断面積を単調に変化させることが適している。
いつも同じような流れで振動板フィルタ60から各個別供給室24にインクが流れ込むことにより、任意の加圧液室14におけるインクが加圧液室14に向かう流れが、他の加圧液室14におけるインクが加圧液室14に向かう流れと異なってしまう頻度が低下する。これにより、各加圧液室14に向かって流れるインクの流れを同じ状態に保ち、このインクの流れが各加圧液室14内の圧力振動に与える影響を同じ状態とすることで、任意のノズル孔20における吐出速度の低下の発生頻度を低下させることができる。
次に、実施例1の液滴吐出ヘッドの製造方法について、製造工程を示す工程断面図である図5及び図6に従って説明する。
先ず、図5(a)に示すように、厚み400[μm]の<100>シリコン基板201の表面にシリコン酸化膜を0.2[μm]及びシリコンを2.0[μm]を張り合わせたSOI基板を用いる。このSOI基板表面にパイロ(Wet)酸化法によりシリコン酸化膜を0.3[μm]形成し、これを振動板層202とする。その後、図5(b)に示すように、圧電素子56の下電極151となる白金(Pt)層203をスパッタ法により振動板層202の上に0.2[μm]成膜し、パターニングする。更に、図5(c)に示すように、ゾルゲル法により圧電体層152となる圧電体形成層204を下電極151となる白金層203の上に2[μm]成膜し、さらに上電極153となる白金(Pt)層205を0.1[μm]成膜する。その後、リソエッチ法により圧電体形成層204及び白金層205をパターニングする。
次に、図5(d)に示すように、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法により層間絶縁膜155となる層間絶縁膜層206を0.3[μm]成膜し、リソエッチ法により配線コンタクトを取るためのビアホール207を形成する。層間絶縁膜層206には、次に形成する配線部材と上電極153となる白金層205との導通部208と、配線部材と下電極151となる白金層203への導通部209、およびインク供給路となる貫通部210をパターニングしている。更に、図5(e)に示すように、アルミ材料により、配線部材電極層211を形成する。この配線部材電極層211は、圧電体層の駆動による振動板の振動による応力を受けるので、振動により断線しないように、やわらかいアルミ材料を使い、1[μm]程度の厚い膜厚で形成されている。
次に、図5(f)に示すように、配線部材電極層211を保護するためのパッシベーション膜156としてプラズマCVD法によるシリコン窒化膜212を2[μm]成膜し、パターニングする。そして、振動板層202のインク供給口となる部分に振動板フィルタ60を形成するよう、供給孔60aとなる複数の孔部(不図示)を事前にエッチングする。ここでのエッチングは、単に複数の孔部を開けるのではなく、ノズル孔20の内径より小さい径で、加圧液室に向う流れの方向の関して単調に直径が変化するような孔部とする。このとき、エッジングに使用するマスクのパターンを、従来のインク供給口となる大きな開口を形成するものから、上記方向に関して断面積が徐々に単調に変化する複数の供給孔を形成するものに変更して形成するもので、作製プロセスは従来と同じである。このため、コストアップすることなく異物侵入防止の振動板フィルタ60を作製することができる。供給孔60aとなる孔部のエッチングプロセスには、誘導結合型プラズマ(Inductively Coupled Plasmas:ICP)ドライエッチングを用いた。なお、エッチングプロセスは、ICPドライエッチングに限ったものではないが、種々の供給孔60aパターンを形成するには、加工に方向性のないICPドライエッチングが使い勝手が良い。
次に、図6(a)に示すように、金をメッキ法により積層して、個別電極パッド部158と共通電極パッド部157とを同時に形成する。個別電極パッド部158及び共通電極パッド部157を金で形成することで、図示しないドライバICとの電気的接続を低温のワイヤボンディングで接続している。また、金は抵抗値が低く、上電極及び下電極の抵抗値を下げる効果が大きい。図示しないドライバICの実装は、ワイヤボンディングではなく、プリップチップ実装を用い、パッド部には図示しないドライバICのチップがフリップチップ実装している。更に、共通電極パッド部157は、個別電極パッド部158と形成工程を分けて形成してもよく、パッド部の材料として銅、アルミなどを使用することもできる。その場合は、外部と保護されていない個別電極パッド部158には腐食から保護する保護層が必要となる場合もある。
その後、図6(b)に示すように別途ガラス基板にブラスト加工で支柱部を形成した保護基板3を、シリコン基板201の振動板層202側に積層されたシリコン窒化膜212に接合する。また、図6(c)に示すようにシリコン基板201の保護基板3接合面とは反対面を、所望の厚さまで研磨する。保護基板3はシリコン基板にリソエッチ法で凹部を加工したものでも良く、シリコン基板をTMAH、KOHなどのアルカリエッチング液を用いたウェットエッチングにより加工したものでも構わない。また、樹脂モールドやメタルインジェクションモールドなどの成型部品でも構わない。また、ドライバ回路を流路基板上に一体形成する際に、パイロ酸化法で形成した酸化膜をLOCOS(Local Oxidation of Silicon)酸化法で形成し、酸化膜の形成領域を選択することで、駆動回路を同一基板上に形成することもできる。
その後、シリコン基板201の研磨した面に、ICPドライエッチングにより加圧液室14、流体抵抗部15及び個別供給室24となる凹部を形成して、液室基板4とする。
最後に、図6(d)に示すように、ノズル孔20を形成したノズル基板2を液室基板4の液室形成面に接着する。そして、圧電素子56の上電極153及び下電極151に接続された個別電極パッド部158と共通電極パッド部157とを不図示の駆動回路に接続することで液滴吐出ヘッド51の主要部分が完成する。ノズル基板2は別途厚さ30〜50[μm]のSUS基板にプレス加工と研磨加工を行い作製する。
このように、実施例1の液滴吐出ヘッド51では、振動板フィルタ60の複数の供給孔60aの断面積を、振動板フィルタ60を通過後にインクが加圧液室14に向かう流れの方向(矢印A)に関して、単調に変化させている。これにより、インクが加圧液室14に向かう流れの方向(矢印A)に関して、振動板フィルタ60の流体抵抗を単調に変化させている。このように、上記方向に振動板フィルタ60の流体抵抗を単調に変化させることで、振動板フィルタ60を通過するインクの流れの分布が意図的に決まるようにしている。この意図的に作り出された振動板フィルタ60を通過するインクの流れの分布は、共通液室18側の圧力分布や流れが変化しても乱れ難い。これより、共通液室18側の圧力分布や流れがあっても、いつも同じような流れで振動板フィルタ60から各個別供給室24にインクが流れ込むようになる。いつも同じような流れで振動板フィルタ60から各個別供給室24にインクが流れ込むことにより、任意の加圧液室14におけるインクが加圧液室14に向かう流れが、他の加圧液室14におけるインクが加圧液室14に向かう流れと異なってしまう頻度が低下する。すなわち、振動板フィルタ60を設けた構成において、外乱があっても各加圧液室14に向かって流れるインクの流れを同様の状態に保つ。このため、複数の加圧液室内の圧力振動を同じ状態とすることができ、任意のノズル孔20における吐出速度の低下の発生頻度を低下させることができる。
実施例1の薄膜圧電素子を用いたピエゾアクチュエータを採用する液滴吐出ヘッド51では、供給孔60aを形成するマスクを変えるだけで、作製プロセスは、フィルタ部ではないインク供給口としての大きな開口を作るものと同じである。このため、コストアップすることなく上記振動板フィルタ60を作製することができるので、特に有利である。
実施例1の液滴吐出ヘッド51と、比較例として振動板フィルタ60の供給孔60aの断面積が全て同じ液滴吐出ヘッドとを用いて、ノズル面を露出した放置時間や、駆動条件、吐出パターンなど種々の条件でインク滴の吐出状態をストロボ撮影で観測した。
観察の結果、実施例1の液滴吐出ヘッド51は、比較例の液滴吐出ヘッドに比べて、引き打ち駆動波形を用いても、図11に示すような、他のノズル孔20よりも明らかに吐出速度が遅いノズル孔20が発生する頻度を極端に減らすことができた。また、異物がノズル孔20に詰まり吐出不良を引き起こすことも無かった。
なお、押し打ち駆動波形を用いて液滴吐出ヘッド51を駆動する場合、加圧液室14内を正圧にしてインク滴を吐出させた後、加圧液室14内を定常状態に戻した際に振動板フィルタ60を通過したインクが加圧液室に向かって流れる。このため、押し打ち駆動波形に置おけるインク滴の吐出させるための圧力振動は、加圧液室に向かってながれるインクの流れの影響を受け難く、上記吐出速度が遅くなる現象は発生しにくい。しかし、押し打ち駆動波形による駆動では、振動板55を定常状態に戻す必要があるため駆動周波数が引き打ち駆動波形よりも上がらない。また、引き打ち駆動波形の方が小さなインク滴を吐出できる。これより、液滴吐出ヘッド51の駆動としては、押し打ち駆動波形だけを用いて駆動することは困難であり、引き打ち駆動波形を用いた駆動において、上記吐出速度が遅くなる現象の発生頻度を低下させることは重要である。
図7は、振動板フィルタ60の拡大模式図である。図7(a)は、図4に示したものと同じであり、加圧液室14に向う流れの方向(矢印A)の下流部(加圧液室側)から上流部(加圧液室と反対側)にいくに従い、供給孔60aの断面積が大きくなる。これにより、下流部から上流部にいくに従い流体抵抗が小さくなる。図7(b)は、加圧液室14に向う流れの方向(矢印A)の上流部から下流部に行くに従い、供給孔60aの断面積を大きくなる。これにより、上流部から下流部にいくに従い流体抵抗が小さくなる。図7(a)、(b)も何れの場合でも、振動板フィルタ60を通過する流れの分布を意図的に決めることで、外乱により加圧液室14内に向かって流れるインクの流れが乱れ、加圧液室14の圧力振動が変化することを防止しており、同様の効果が得られる。
また、インクの初期充填の充填成功率に関しては、図7(a)が図7(b)に比べて少し優れていた。これは、上流部(加圧液室と反対部側)の供給孔60aの断面積が広く、個別供給室24の加圧液室14と反対の端部にインクが浸入しやすいので、袋小路になる部分の気泡をノズル孔20側に押し出して排出し易かったためと考えられる。充填性を考慮した場合、加圧液室14に向う流れの方向(矢印A)に対して上流部の供給孔60aの断面積を大きくすることが好ましい。
また、実施例1のように加圧液室14毎に個別に振動板フィルタ60を配置する構成では、半導体プロセスで加工するとは言っても、振動板55に貫通孔をあけるので、供給孔60aの数をあまり多くはできない。このため、振動板フィルタ60の流体抵抗を変化させる方法として、実施例1のように供給孔60aの断面積を変えることが容易である。
<実施例2>
実施例2の液滴吐出ヘッド51は、積層圧電素子を用いたピエゾアクチュエータを採用した例である。図8は、実施例2に係る液滴吐出ヘッド51の断面図であり、(a)は加圧液室幅方向断面図、(b)は加圧液室長手方向断面図である。なお、図2のインクジェット記録装置では、ノズル孔20が下方に向いて設置されている液滴吐出ヘッド51を、図8では説明の都合上、ノズル孔20が上方に向いて描いている。
この液滴吐出ヘッド51は、共通液室18となる彫り込みを形成したフレーム(保持基板)3と、個別供給室24、流体抵抗部15、加圧液室14となる彫り込みとノズル孔20に連通する連通管16とを形成した液室基板4とを備えている。また、複数のノズル孔20を形成したノズル基板2と、複数の島状凸部55b(厚肉部)、ダイアフラム部55a及びインク供給口としての振動板フィルタ60を有する振動板55とを備えている。さらに、振動板55の島状凸部55bに接着層を介して接合された積層圧電素子57と、積層圧電素子57を固定しているベース6を備えている。
ベース6はチタン酸バリウム系セラミックからなり、積層圧電素子57を2列配置して接合し、図8(a)の左方の積層圧電素子57上に、図示されていない同様のインクジェットヘッドが配置され、2つのノズル列が形成されている。
積層圧電素子57は、1層あたりの厚さが10〜50[μm]のチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)の圧電層161と、1層あたりの厚さが数[μm]の銀・パラジウム(AgPd)からなる内部電極層162とが交互に積層される。内部電極層162は両端で外部電極163,164に接続されている。
積層圧電素子57は、図8(b)に示すようにハーフカットのダイシング加工により櫛歯状に分割される。櫛歯のピッチは、液室基板4に形成される加圧液室14のピッチの2倍であって、各櫛歯を交互に駆動部と支持部(非駆動部)23として使用する。
一方の外部電極163(図8において右側の外部電極)は、積層圧電素子をハーフカットのダイシング加工で櫛歯状に分割する際、完全に分割されるようにするため、下辺に沿って予め切り欠き等を設ける加工を行い積層圧電素子の積層方向に短い長さとされている。分割後これらは独立した複数の個別電極となる。他方の外部電極(図8(a)において左側の外部電極)164は、ダイシング加工では分割されずに導通しており、共通電極となる。
積層圧電素子57の駆動部と接続された個別電極163にはFPC(flexible printed circuits)が半田接合されている。また、共通電極164は積層圧電素子57の端部に電極層を設け、積層圧電素子57の周囲を回し込んでFPC(不図示)の接地電極(Gnd)に接合している。FPCには図示しないドライバICが実装されており、このドライバICにより駆動部の個別電極163への駆動電圧印加を制御している。
振動板55は、薄膜のダイアフラム部55aと、ダイアフラム部の中央部に形成した積層圧電素子57の駆動部と接合する島状凸部(厚肉部)55bと、積層圧電素子の支持部に接合する梁を含む厚肉部55cと、振動板フィルタ60とを有している。これらを電鋳工法によるNiメッキ膜を3層重ねて形成する。ダイアフラム部55aの厚さは3[μm]、幅は35[μm](片側)である。振動板55の、保護基板3に形成された共通液室18から、加圧液室14へインクを供給する流路となる個別供給室24と対向する部分に、円形状の供給孔60aを複数作製した振動板フィルタ60を形成する。振動板フィルタ60の複数の供給孔60aの直径は、ノズル孔20の直径よりも小さくなるように設計している。これにより、複数の供給孔60aからインクを供給する際、ノズル孔20よりも大きく、ノズル孔20を閉塞する可能性がある異物が加圧液室14に侵入することを、振動板フィルタ60によって防止している。
振動板フィルタ60は、複数の円形状の供給孔60aの断面積を、振動板フィルタ60を通過後にインクが加圧液室14に向かう流れの方向(矢印A)に関して、単調に変化させている。振動板フィルタ60は、電鋳工法により振動板を形成する際に使用するマスクのパターンを、インク供給口となる大きな開口を形成するものから、上記方向に関して断面積が徐々に単調に変化する複数の供給孔を形成するものに変更して形成する。このように、電鋳工法のマスクを変えるだけで、大きな開口を作るのと同じであるため、コストアップすることなく異物浸入防止の振動板フィルタ60を作製できる。
振動板55の島状凸部55bと積層圧電素子57の駆動部、及び、振動板55と保護基板3の結合は、接着層をパターニングして接着している。
また、振動板55としては、上述のNiメッキ膜ではなく、例えばポリイミドなどの樹脂とSUS材の積層材を用いても良い。
液室基板4はシリコン単結晶基板を用いて、個別供給室24、流体抵抗部15、加圧液室14となる彫り込み、及びノズルに対する位置に連通管16となる貫通口をエッチング工法でパターニングして形成される。エッチングで残された部分が複数の加圧液室14を離隔する流路隔壁4aとなる。また、エッチング幅を狭くする部分を設けて、これを流体抵抗部15とした。
ノズル基板2は金属材料、例えば電鋳工法によるNiメッキ膜等で形成したもので、インク滴を飛翔させるための微細な吐出口であるノズル孔20を多数形成している。このノズル孔20の内部形状(内側形状)は、ホーン形状にされるが、略円柱形状または略円錘台形状でもよい。また、ノズル孔20の径はインク滴出口側の直径で約20〜35[μm]である。各列のノズルピッチは150dpiとした。ノズル基板のインク吐出面(ノズル表面側)は、図示しない撥水性の表面処理を施した撥水処理層を設けている。PTFE−Ni共析メッキやフッ素樹脂の電着塗装、蒸発性のあるフッ素樹脂(例えば、フッ化ピッチ等)を蒸着コートしたもの、シリコン系樹脂・フッ素系樹脂の溶剤塗布後の焼き付け等、インク物性に応じて選定した撥水処理膜を設けている。これにより、インク滴形状、飛翔特性を安定化し、高品位の画像品質を得られるようにしている。
共通液室18となる彫り込みを形成する保護基板3は、樹脂成形で作製している。
流体抵抗部15は、吐出後の残留圧力振動の減衰に効果がある反面、表面張力によるインク再充填(リフィル)に対して抵抗になる。流体抵抗部15の流体抵抗を適宜に選択することで、残留圧力の減衰とリフィル時間のバランスが取れ、次のインク滴吐出動作に移行するまでの時間(駆動周期)を短くすることができる。
実施例2の液滴吐出ヘッド51では、振動板フィルタ60の複数の円形状の供給孔60aの断面積を、振動板フィルタ60を通過後にインクが加圧液室14に向かう流れの方向(矢印A)に関して、単調に変化させている。これにより、インクが加圧液室14に向かう流れの方向(矢印A)に関して、振動板フィルタ60の流体抵抗を単調に変化させている。このため、実施例1と同様な理由で、意図的に振動板フィルタ60を通過するインクの流れの分布を作り出して、個別供給室24に流れ込むインクの流れをいつも同じようにしている。よって、各加圧液室14に向かって流れるインクの流れを同様の状態に保ち、任意のノズル孔20における吐出速度の低下の発生頻度を低下させることができる。
<実施例3>
実施例3の液滴吐出ヘッド51は、薄膜圧電素子を用いたピエゾアクチュエータを採用した例であり、液滴吐出ヘッドの基本的構成としては実施例1と同じである。実施例3の液滴吐出ヘッドでは、振動板フィルタ60の複数の供給孔60aのパターンが実施例1とは異なる。
図9は、実施例3に係る液滴吐出ヘッドの振動板フィルタ60の拡大模式図である。実施例3の振動板フィルタ60では、供給孔60aの形状、大きさは全て同一であり、供給孔60aの配置密度により、加圧液室14に向う流れの方向の流体抵抗を単調に変化させている。これにより、下流部から上流部にいくに従い流体抵抗が小さくなるようにしている。具体的には、図9(a)では、加圧液室14に向う流れの方向(矢印A)の上流部(加圧液室とは反対側の端部)に行くに従い、供給孔60aの配置間隔を狭くして配置密度を高くしている。図9(b)は、加圧液室14に向う流れの方向(矢印A)の下流部(加圧液室側)に行くに従い、供給孔の数を減らして、配置密度を低くしている。このような振動板フィルタ60を備えた実施例3の液滴吐出ヘッド51においても、実施例1と同様の効果が得られた。
<実施例4>
実施例4の液滴吐出ヘッド51は、薄膜圧電素子を用いたピエゾアクチュエータを採用した例であり、液滴吐出ヘッドの基本的構成としては実施例1と同じである。実施例4の液滴吐出ヘッドでは、振動板フィルタ60の複数の供給孔60aのパターンが実施例1とは異なる。
図10は、実施例4に係る液滴吐出ヘッドの振動板フィルタ60の拡大模式図である。実施例4の振動板フィルタ60では、供給孔60aの形状は楕円形状であり、この楕円形状の供給孔60aの断面積を変化させることで、加圧液室14に向う流れの方向の流体抵抗を単調に変化させている。図10(a)は、加圧液室14に向う流れの方向(矢印A)に対して、短軸が平行に配置された楕円形状の供給孔60aであって、上流部(加圧液室とは反対側の端部)に行くに従い長軸を長くなるよう、単調に変化させている。これにより、下流部から上流部にいくに従い流体抵抗が小さくなるようにしている。図10(b)は、加圧液室14に向う流れの方向(矢印A)に対して、長軸が平行に配置された楕円形状の供給孔60aであって、上流部(加圧液室とは反対側の端部)に行くに従い長軸を長くなるよう、単調に変化させている。これにより、下流部から上流部にいくに従い流体抵抗が小さくなるようにしている。
図10(a),(b)では何れも、供給孔60aを楕円形状にし、長軸の長さを変えて断面積を変えながら、短軸の長さを略同一としている。実施例1では、円形状の供給孔60aの直径を大きくすると、通過する異物の大きさが大きくなり、振動板フィルタ60の異物阻止率が若干下がる。これに対して、実施例4の楕円形状で供給孔60aで、短軸の長さを小さい状態を保つことで、異物阻止率を維持している。
このような振動板フィルタ60を備えた実施例3の液滴吐出ヘッド51においても、実施例1と同様の効果が得られた。
以上、本実施形態のインクジェット記録装置100に用いることのできる液滴吐出ヘッドについて、実施例1〜4に基づき説明した。実施例1、3、または4のような、振動板55に薄膜圧電素子を形成した、所謂薄膜ピエゾアクチュエータの液滴吐出ヘッドに適用できる。また、実施例2のような、振動板55に積層圧電素子を形成した液滴吐出ヘッドにも適用できる。何れの構成においても、加圧液室へのインク流路に形成した異物侵入防止用の振動板フィルタ60の流体抵抗を単調に変化させて、振動板フィルタ60を通過するインクの流れの分布を意図的に作り出す。これにより、共通液室18側の圧力分布や流れがあっても、いつも同じような流れでインクが振動板フィルタ60からインクが流れ込むようにして、加圧液室に向かって流れるインクの流れの状態を変わり難くする。但し、積層圧電素子を用いた液滴吐出ヘッドでは、積層圧電素子を用いたピエゾアクチュエータの発生力が薄膜ピエゾアクチュエータに比べて強いので、外乱に対する余裕度が大きい。このため、任意のノズル孔20で吐出速度が遅くなる現象は、薄膜圧電素子を用いた液滴ヘッドよりも元々発生頻度は低い。言い換えれば、薄膜ピエゾアクチュエータを用いた液滴吐出ヘッド51においては、本発明はより重要である。
さらに、本発明は、圧電素子を用いるピエゾアクチュエータを用いた液滴吐出ヘッドに限らず、振動板の変形を利用して加圧液室内の液体に圧力振動を発生させるアクチュエータ手段を用いる液滴吐出ヘッドであれば同様に適用可能である。例えば、加圧液室の一壁面となる振動板に対向して加圧液室外部に電極を配置し、電極との間に電界を形成して発生する静電力により振動板を変形させ、これにより加圧液室内のインクを昇圧して液滴を吐出させる静電方式にも適用できる。
以上に説明したものは一例であり、本発明は、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様A)
インク滴などの液滴を吐出する複数のノズル孔20と、複数のノズル孔20とそれぞれ連通する複数の加圧液室14と、加圧液室14の一壁面を形成する振動板55と、振動板を介して加圧液室14内のインクなどの液体を昇圧するエネルギーを発生するアクチュエータ手段と、複数の加圧液室14に液体を供給する共通液室18と、共通液室18と加圧液室14との間の流路に配置された複数の供給孔60aを有する振動板フィルタ60などのフィルタ部とを備えた液滴吐出ヘッドにおいて、フィルタ部を通過した液体が加圧液室に向かう流れの方向(矢印A)に関してフィルタ部の流体抵抗が単調に変化する。
(態様A)においては、フィルタ部を通過した液体が加圧液室に向う流れ方向(矢印A)に関して、フィルタ部の流体抵抗を単調に変化させることで、フィルタ部を通過する液体の流れの分布が意図的に決まるようにしている。このフィルタ部を通過する液体の流れの分布とは、加圧液室に近い供給孔から流れ込む液体と、加圧液室から遠い供給孔から流れ込む液体の流れを指している。この意図的に作り出されたフィルタ部を通過する流れの分布は、共通液室側の圧力分布や流れが変化しても乱れ難い。これより、共通液室側の圧力分布や流れがあっても、いつも同じような流れで液体がフィルタ部から流れ込むようにする。なお、流れ込みやすい部分がいくつもあるとぶつかって、流れが安定し難い。いつも同じような流れ方で液体が流れ込むには、流れ易い順番が決まっている、すなわち、加圧液室に向う流れ方向(矢印A)に対して流体抵抗を単調に変化させている。
いつも同じような流れで液体がフィルタ部から流れ込むことにより、任意の加圧液室において、フィルタ部を通過した液体が加圧液室に向かう流れが、他の加圧液室における加圧液室に向かう流れと異なった状態となってしまう頻度が低下する。これにより、各加圧液室に向かって流れる液体の流れを同じ状態に保ち、この液体の流れが各加圧液室内の圧力振動に与える影響を同じ状態とすることで、任意のノズル孔における吐出速度の低下の発生頻度を低下させることができる。
これに対して、従来のフィルタ部の流体抵抗が均等な構成では、外乱により共通液室側の圧力分布や流れが変化すると、フィルタ部を通過する液体の流れ方が変わり易く、フィルタ部を通過した液体が加圧液室に向かう流れが変化しやすい。このため、任意のノズル孔における吐出速度の低下の発生しやすい。
(態様B)
(態様A)において、上記液体が加圧液室に向かう流れの方向((矢印A)に関して、フィルタ部の上流部の流体抵抗が下流部の流体抵抗に比べて小さい。これにより、上記実施例1について説明したように、上流部の流体抵抗が下流部の流体抵抗に比べて大きい場合と比較して充填性を向上させることができる。
(態様C)
(態様A)または(態様B)において、フィルタ部の複数の供給孔60aの断面積を変化させることによりフィルタ部の流体抵抗を変化させる。これによれば、上記実施例1、2について説明したように、容易に流体抵抗が変化したフィルタ部を形成できる。また、加圧液室毎に個別のフィルタ部を設ける構成では、供給孔の数を増やす方法に比べて、容易である。
(態様D)
(態様A)または(態様B)において、フィルタ部の複数の供給孔60aの配置密度を変化させることによりフィルタ部の流体抵抗を変化させる。これによれば、上記実施例3について説明したように、流体抵抗が変化したフィルタ部を容易に具現化できる。
(態様E)
(態様C)において、フィルタ部の複数の供給孔は楕円形状の断面を有しており、楕円形状の長軸の長さが変化させる。これによれば、上記実施例3について説明したように、異物阻止率を良好に維持することができる。
(態様F)
(態様A)乃至(態様E)の何れかにおいて、アクチュエータ手段は振動板55上に形成した圧電素子56であり、フィルタ部は振動板にICPドライエッチングにより複数の供給孔を形成した振動板フィルタ60である。これによれば、上記実施例1について説明したように、アクチュエータ手段として圧電素子を用いる液滴吐出ヘッドを製造するプロセスを利用して、コストアップすることなく、フィルタ部としての振動板フィルタ60を形成することができる。特に、供給孔60aのエッチングプロセスとして、加工に方向性のないICPドライエッチングを用いることで、種々の供給孔60aパターンを形成することができる。
(態様G)
媒体を搬送しながら、液滴吐出手段により吐出した液滴を該媒体に付着させて画像形成を行うインクジェット記録装置100などの画像形成装置において、液滴吐出手段として(態様A)乃至(態様F)の何れかの液滴吐出ヘッドを採用する。これによれば、上記実施形態について説明したように、加圧液室への異物混入を防止してノズル孔詰まりによる吐出不良を防止すると共に、ノズル孔からの吐出速度の変化の発生頻度を低下させて、安定した吐出を行うことができ、高品質の画像がえられる。
1 流路基板
2 ノズル基板
3 保護基板
4 液室基板
14 加圧液室
15 流体抵抗部
18 共通液室
20 ノズル孔
24 個別供給室
51 液滴吐出ヘッド
55 振動板
56 圧電素子(薄膜)
57 圧電素子(積層)
60 振動板フィルタ
60a 供給孔
100 プリンタ
101 キャリッジ
102 インクカートリッジ
102a タンク部
102b インク排出口
103 印字機構部
112 タイミングベルト
116 搬送ローラ
127 回復装置
S 用紙
特開平06−255101号公報 特許4394973号 特開2013−000993号公報

Claims (7)

  1. 液滴を吐出する複数のノズル孔と、該複数のノズル孔とそれぞれ連通する複数の加圧液室と、該加圧液室の一壁面を形成する振動板と、該振動板を介して該加圧液室内の液体を昇圧するエネルギーを発生するアクチュエータ手段と、該複数の加圧液室に液体を供給する共通液室と、該共通液室と該加圧液室との間の流路に配置された複数の供給孔を有するフィルタ部とを備えた液滴吐出ヘッドにおいて、
    上記フィルタ部を通過した液体が上記加圧液室に向かう流れの方向に関して、該フィルタ部の流体抵抗が単調に変化し、上記フィルタ部の上流部の流体抵抗が下流部の流体抵抗に比べて小さいことを特徴とする液滴吐出ヘッド
  2. 液滴を吐出する複数のノズル孔と、該複数のノズル孔とそれぞれ連通する複数の加圧液室と、該加圧液室の一壁面を形成する振動板と、該振動板を介して該加圧液室内の液体を昇圧するエネルギーを発生するアクチュエータ手段と、該複数の加圧液室に液体を供給する共通液室と、該共通液室と該加圧液室との間の流路に配置された複数の供給孔を有するフィルタ部とを備えた液滴吐出ヘッドにおいて、
    上記フィルタ部の上記加圧液室に近い側から上記加圧液室に遠い側にいくにつれて、上記フィルタ部の流体抵抗が小さくなることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  3. 求項1または2の液滴吐出ヘッドにおいて、上記フィルタ部の複数の供給孔の断面積を変化させることにより該フィルタ部の流体抵抗を変化させることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  4. 請求項1または2の液滴吐出ヘッドにおいて、上記フィルタ部の複数の供給孔の配置密度を変化させることにより該フィルタ部の流体抵抗を変化させることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  5. 請求項3の液滴吐出ヘッドにおいて、上記フィルタ部の複数の供給孔は楕円形状の断面を有しており、該楕円形状の長軸の長さが変化させることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  6. 請求項1乃至5の何れかの液滴吐出ヘッドにおいて、上記アクチュエータ手段は上記振動板上に形成した圧電素子であり、上記フィルタ部は該振動板に複数の供給孔を形成した振動板フィルタであることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  7. 媒体を搬送しながら、液滴吐出手段により吐出した液滴を該媒体に付着させて画像形成を行う画像形成装置において、
    上記液滴吐出手段として請求項1乃至6の何れかの液滴吐出ヘッドを採用したことを特徴とする画像形成装置。
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