JP2003311958A - インクジェットヘッド、インクジェットヘッドの製造方法、および、インクジェットヘッドを有するインクジェットプリンタ - Google Patents

インクジェットヘッド、インクジェットヘッドの製造方法、および、インクジェットヘッドを有するインクジェットプリンタ

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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 印字不良や製造歩留まり悪化の原因となる部
材の反りを緩和する。 【解決手段】 インクジェットヘッドは、圧力室10を
含むインク流路32が形成された流路ユニット4と、圧
力室10内のインクに圧力を与えるアクチュエータユニ
ット21とが貼り合わされたヘッド本体1aを有する。
流路ユニット4は、インク吐出口8がノズルプレート3
0を含むノズルプレートユニット、及び、ノズルプレー
ト30以外のプレート22〜29を含むメインユニット
との2つのユニットからなる。流路ユニット4における
ノズルプレートユニットおよびアクチュエータユニット
21は共に圧電セラミック、流路ユニット4におけるメ
インユニットは圧電セラミックよりも線膨張係数の大き
いステンレスからなる。アクチュエータユニット21、
流路ユニット4のメインユニット、およびノズルプレー
トユニットはそれぞれ加熱状態で貼り合わされて互いに
固定されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録媒体にインク
を吐出して印刷を行うインクジェットヘッド、インクジ
ェットヘッドの製造方法、および、インクジェットヘッ
ドを有するインクジェットプリンタに関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェットプリンタにおいて、イン
クジェットヘッドは、インクタンクから供給されたイン
クを複数の圧力室に分配する。そしてシート状の圧電セ
ラミックからなるアクチュエータユニットなどによって
圧力室に選択的にパルス状の圧力を付与して圧力波を発
生させることにより、各圧力室に接続するノズルからイ
ンクを吐出する。このようなヘッドを用紙の幅方向に高
速で往復移動させながら、印字作業が行われる。
【0003】従来のインクジェットヘッドにおいて、圧
力室やインク流路は、圧電セラミックにダイヤモンドカ
ッターなどで切削加工を施すことにより形成されてい
る。各圧力室に対応するアクチュエータユニットの上に
は金属薄膜からなる駆動電極が設けられている。一方、
圧力室の下側にあるインク流路の表面には合成樹脂フィ
ルムからなり多数のインク吐出口が形成されたノズルプ
レートが設けられている。
【0004】しかし、上記のような従来のインクジェッ
トヘッドでは、ヘッド本体が圧電セラミックで構成され
るため材料コストが高くなる。またさらに、ダイヤモン
ドカッターなどで切削加工を行うため製造コストも高く
なる。
【0005】上記コスト問題を解決するものとして、比
較的安価で加工が容易な金属プレートを用いて1次元的
に配列した圧力室やインク流路を形成した流路ユニット
と、複数の圧力室に跨った圧電セラミックの連続平板状
層を用いたアクチュエータユニットとを互いに固定させ
て構成されたインクジェットヘッドが知られている(特
許文献1参照)。このように流路ユニットを構成する材
料として安価な金属プレートを用いる場合、材料コスト
を抑えることができる。また、金属プレートは圧電セラ
ミックに比べて加工が容易で、エッチングなどで微細な
肉抜きを多数施すことができるにもかかわらず、製造コ
ストを抑えることができる。
【0006】
【特許文献1】特開2002−19102号公報 (第
4頁、図1)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ここで金属と圧電セラ
ミックという異種材料を固定するには、貼り合わせ作業
がしやすい常温硬化型接着剤を用いるのが好ましいが、
接着強度および耐インク性を十分確保するには、加熱硬
化型接着剤を用い、加熱状態で両者を貼り合わせる必要
がある。このように加熱状態で貼り合わせる場合、金属
と圧電セラミックとでは線膨張係数の差が大きいため、
常温に戻ったときに線膨張係数の大きな流路ユニットが
アクチュエータユニットよりも面方向において大きく収
縮しようとする。そのため、インクジェットヘッド全体
としては、アクチュエータユニットに向かって凸となる
反りが発生する。そしてこの反りが印字不良や製造歩留
まり悪化の原因となる。
【0008】そこで、本発明の目的は、印字不良や製造
歩留まり悪化の原因となる反りを緩和できるインクジェ
ットヘッド、インクジェットヘッドの製造方法、およ
び、インクジェットヘッドを有するインクジェットプリ
ンタを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の第1の観点によると、ノズルが形成された
ノズルプレートを含むノズルプレートユニット、およ
び、ノズルプレートユニットに積層方向に固定され、一
端をノズルに他端をインク供給源にそれぞれ接続され且
つ平面に沿って相互に隣接配置された複数の圧力室を有
するメインユニットからなる流路ユニットと、流路ユニ
ットにおけるメインユニットのノズルプレートユニット
とは反対側に固定された、圧力室の容積を変化させるた
めのアクチュエータユニットとを備えており、アクチュ
エータユニットを構成する材料の線膨張係数がメインユ
ニットを構成する材料の線膨張係数よりも小さく、且
つ、ノズルプレートユニットを構成する材料の線膨張係
数がメインユニットを構成する材料の線膨張係数よりも
小さいことを特徴とするインクジェットヘッドが提供さ
れる(請求項1)。
【0010】また、本発明の第2の観点によると、ノズ
ルが形成されたノズルプレートを含むノズルプレートユ
ニット、および、一端をノズルに他端をインク供給源に
それぞれ接続され且つ平面に沿って相互に隣接配置され
た複数の圧力室を有するメインユニットからなる流路ユ
ニットと、圧力室の容積を変化させるためのアクチュエ
ータユニットとを含んだインクジェットヘッドの製造方
法において、ノズルプレートユニットと、ノズルプレー
トユニットを構成する材料よりも線膨張係数が大きい材
料から構成されたメインユニットとを加熱状態で積層方
向に固定する工程と、メインユニットを構成する材料よ
りも線膨張係数が小さい材料から構成されたアクチュエ
ータユニットを、加熱状態で流路ユニットにおけるメイ
ンユニットのノズルプレートユニットとは反対側に固定
する工程とを備えていることを特徴とするインクジェッ
トヘッドの製造方法が提供される(請求項13)。
【0011】上記構成によると、流路ユニットにおける
メインユニットの両面に、それよりも共に線膨張係数の
小さい材料から構成されたノズルプレートユニットとア
クチュエータユニットとを固定することで、加熱状態で
固定する場合でも部材全体としての反りが緩和される。
また、反りが緩和されることで、印字不良や製造歩留ま
り悪化の問題を軽減できる。
【0012】なお、ノズルプレートユニットとは、流路
ユニットにおいてアクチュエータユニットが貼り合わさ
れる反対側の、最下層にあるノズルプレート1枚、又
は、ノズルプレートに加えてこれに隣接した1又は複数
のプレートを含んだものをいう。
【0013】また、ノズルプレートユニットを構成する
材料の線膨張係数が、アクチュエータユニットを構成す
る材料の線膨張係数と実質的に同一であることが好まし
い(請求項2)。
【0014】上記構成によると、流路ユニットにおける
メインユニットが、実質的に同一の線膨張係数を有する
ノズルプレートユニットとアクチュエータユニットとで
挟まれることになり、線膨張係数の差を発生の要因とす
る反りをより効果的に緩和することができる。したがっ
て、印字不良や製造歩留まり悪化の問題をより確実に軽
減することができる。
【0015】またさらに、ノズルプレートユニットを構
成する材料とアクチュエータユニットを構成する材料と
が同一であること好ましい(請求項3)。
【0016】上記構成のようにノズルプレートユニット
とアクチュエータユニットとを同一材料から構成するこ
とで、2部材間の線膨張係数の差をほとんどなくして反
りをより効果的に緩和することができる。したがって、
印字不良や製造歩留まり悪化の問題をより確実に軽減す
ることができる。
【0017】また、ノズルプレートユニットが、窒化珪
素、炭化珪素および42合金からなる群より選択された
少なくとも1つの材料から構成されていることが好まし
い(請求項4)。
【0018】上記はより実際に即した構成であり、ノズ
ルプレートユニットに含まれるプレートに要する耐久性
・耐熱性を考慮したものとなる。
【0019】また、本発明の第3の観点によると、一端
をノズルに他端をインク供給源にそれぞれ接続され且つ
平面に沿って相互に隣接配置された複数の圧力室を有す
る流路ユニットと、流路ユニットの表面に固定された、
圧力室の容積を変化させるためのアクチュエータユニッ
トと、アクチュエータユニットに対して流路ユニットと
は反対側に配置された支持部材とを備えており、流路ユ
ニットを構成する材料の線膨張係数が、アクチュエータ
ユニットを構成する材料の線膨張係数よりも大きく、且
つ、支持部材を構成する材料の線膨張係数が、アクチュ
エータユニットを構成する材料の線膨張係数よりも大き
いことを特徴とするインクジェットヘッドが提供される
(請求項5)。
【0020】また、本発明の第4の観点によると、一端
をノズルに他端をインク供給源にそれぞれ接続され且つ
平面に沿って相互に隣接配置された複数の圧力室を有す
る流路ユニットと、圧力室の容積を変化させるためのア
クチュエータユニットとを含んだインクジェットヘッド
の製造方法において、流路ユニットの表面に、流路ユニ
ットを構成する材料よりも線膨張係数が小さい材料から
構成されたアクチュエータユニットを加熱状態で固定す
る工程と、アクチュエータユニットを構成する材料より
も線膨張係数が大きい材料から構成された支持部材を、
アクチュエータユニットに対して流路ユニットとは反対
側に配置する工程とを備えていることを特徴とするイン
クジェットヘッドの製造方法が提供される(請求項1
4)。
【0021】上記構成によると、アクチュエータユニッ
トの一面にそれよりも線膨張係数の大きい材料から構成
された流路ユニットを加熱状態で固定する共に、アクチ
ュエータユニットの他面にそれよりも線膨張係数の大き
い材料から構成された支持部材を配置することで、部材
全体としての反りが緩和される。また、反りが緩和され
ることで、印字不良や製造歩留まり悪化の問題を軽減で
きる。
【0022】なお、アクチュエータユニットと支持部材
とは貼り合わされていてもよいし、貼り合わされていな
くてもよい。また、支持部材とアクチュエータユニット
とは接触していてもよいし、隔離されていてもよい。
【0023】また、支持部材がアクチュエータユニット
に固定されておらず、支持部材と流路ユニットとが流路
ユニットのアクチュエータユニットが固定されていない
領域において固定されてよい(請求項6)。
【0024】上記構成によると、支持部材と流路ユニッ
トとを固定させてアクチュエータユニットを挟むこと
で、支持部材と流路ユニットとが互いをダイレクトに支
え合うようになって、流路ユニットおよびアクチュエー
タユニットの反りが緩和される。したがって、印字不良
や製造歩留まり悪化の問題を軽減できる。
【0025】また、支持部材がアクチュエータユニット
に固定されてよい(請求項7)。
【0026】上記構成によると、支持部材とアクチュエ
ータユニットとが固定されることで、支持部材とアクチ
ュエータユニットとの結合がより強くなって、流路ユニ
ットおよびアクチュエータユニットの反りがより効果的
に緩和される。したがって、印字不良や製造歩留まり悪
化の問題をより確実に軽減できる。
【0027】また、本発明の第5の観点によると、一端
をノズルに他端をインク供給源にそれぞれ接続され且つ
平面に沿って相互に隣接配置された複数の圧力室を有す
る流路ユニットと、流路ユニットの表面に千鳥状に固定
された、圧力室の容積を変化させるためのアクチュエー
タユニットと、アクチュエータユニットに対して流路ユ
ニットとは反対側に配置され且つ流路ユニットのアクチ
ュエータユニットが固定されていない領域において流路
ユニットの表面に固定される千鳥状に配置された複数の
固定部を有する支持部材とを備え、流路ユニットの表面
において、支持部材の固定部とアクチュエータユニット
とが互いに隣接配置されており、流路ユニットを構成す
る材料の線膨張係数がアクチュエータユニットを構成す
る材料の線膨張係数よりも大きく、且つ、支持部材を構
成する材料の線膨張係数がアクチュエータユニットを構
成する材料の線膨張係数よりも大きいことを特徴とする
インクジェットヘッドが提供される(請求項8)。
【0028】また、本発明の第6の観点によると、一端
をノズルに他端をインク供給源にそれぞれ接続され且つ
平面に沿って相互に隣接配置された複数の圧力室を有す
る流路ユニットと、圧力室の容積を変化させるためのア
クチュエータユニットと、アクチュエータユニットに対
して流路ユニットと反対側に配置された支持部材とを含
んだインクジェットヘッドの製造方法において、流路ユ
ニットを構成する材料よりも線膨張係数が小さい材料か
ら構成された複数のアクチュエータユニットを、流路ユ
ニットの表面に千鳥状に配置されるように、加熱状態で
固定する工程と、アクチュエータユニットを構成する材
料よりも線膨張係数が大きい材料から構成された支持部
材を、流路ユニットのアクチュエータユニットが固定さ
れていない領域において流路ユニットの表面に対する複
数の固定部が千鳥状に配置されるように固定する工程と
を備えていることを特徴とするインクジェットヘッドの
製造方法が提供される(請求項15)。
【0029】上記構成によると、アクチュエータユニッ
トと支持部材の流路ユニットの表面に対する固定部と
を、流路ユニットの表面において互い違いになるよう千
鳥状に固定することによって、流路ユニットとアクチュ
エータユニットとの線膨張係数の違いに起因する反りが
より効果的に緩和される。流路ユニットよりもアクチュ
エータユニットの方が線膨張係数が小さいことから、流
路ユニットの表面内でアクチュエータユニットが固定さ
れた部分には、アクチュエータユニットに向かって凸と
なる反りが発生する。例えば流路ユニットの表面にその
長手方向に一列にアクチュエータユニットが固定されて
いる場合、アクチュエータユニットが固定された長手方
向に沿った部分に集中的に、偏った状態で反りが発生し
てしまうことになる。そのため、支持部材を流路ユニッ
トのアクチュエータユニットが固定されていない領域に
固定しても、このような反りの偏りは十分に緩和されな
い。これに対し、アクチュエータユニットを流路ユニッ
トの表面に千鳥状に固定し、且つ、流路ユニットのアク
チュエータユニットが固定されていない領域に、アクチ
ュエータユニットより線膨張係数が大きい支持部材を、
流路ユニットの表面に対する複数の固定部が千鳥状に配
置されるように固定する場合は、流路ユニット表面全体
において反りの偏りがないので、反りを効果的に緩和す
ることができる。また、反りが緩和されることで、印字
不良や製造歩留まり悪化の問題を軽減できる。
【0030】また、流路ユニットを構成する材料の線膨
張係数が、支持部材を構成する材料の線膨張係数と実質
的に同一であることが好ましい(請求項9)。
【0031】上記構成によると、アクチュエータユニッ
トを挟む流路ユニットと支持部材とが実質的に同一の線
膨張係数を有することで、線膨張係数の差を発生の要因
とする反りがより効果的に緩和される。したがって、印
字不良や製造歩留まり悪化の問題をより確実に軽減する
ことができる。
【0032】また、流路ユニットを構成する材料と支持
部材を構成する材料とが同一であることが好ましい(請
求項10)。
【0033】上記構成のようにアクチュエータユニット
を挟む流路ユニットと支持部材とを同一材料から構成す
ることにより、2部材間の線膨張係数の差をほとんどな
くして反りをより効果的に緩和することができる。した
がって、印字不良や製造歩留まり悪化の問題をより確実
に軽減することができる。
【0034】また、アクチュエータユニットが圧電セラ
ミックから構成されており、流路ユニットおよび支持部
材がステンレス、チタン、ジルコニアセラミックおよび
アルミナセラミックからなる群より選択された少なくと
も1つの材料から構成されていることことが好ましい
(請求項11)。
【0035】上記はより実際に即した構成であり、それ
ぞれを構成する材料が耐久性・耐熱性を考慮したものと
なる。
【0036】また、流路ユニットにインクを供給するた
めのインク流路が支持部材内に形成されていることが好
ましい(請求項12)。
【0037】インクジェットヘッドが長尺になるとイン
クの流路抵抗が大きくなるが、上記構成のように支持部
材内にインク流路を形成することで流路抵抗を小さく
し、インク供給を円滑に行うことができる。
【0038】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
について、図面を参照しつつ説明する。
【0039】図1は、本発明の第1の実施の形態による
インクジェットヘッドを含むインクジェットプリンタの
概略図である。図1に示すインクジェットプリンタ10
1は、4つのインクジェットヘッド1を有するカラーイ
ンクジェットプリンタである。このプリンタ101に
は、図中左方に給紙部111が、図中右方に排紙部11
2が、それぞれ構成されている。
【0040】プリンタ1内部には、給紙部111から排
紙部112に向かって用紙が搬送される用紙搬送経路が
形成されている。給紙部111のすぐ下流側には、画像
記録媒体たる用紙を挟持搬送する一対の送りローラ10
5a、105bが配置されている。一対の送りローラ1
05a、105bによって用紙は図中左方から右方へ送
られる。用紙搬送経路の中間部には、二つのベルトロー
ラ106、107と、両ローラ106、107間に架け
渡されるように巻回されたエンドレスの搬送ベルト10
8とが配置されている。搬送ベルト108の外周面すな
わち搬送面にはシリコーン処理が施されており、一対の
送りローラ105a、105bによって搬送されてくる
用紙を、搬送ベルト108の搬送面にその粘着力により
保持させながら、一方のベルトローラ106の図中時計
回り(矢印104の方向)への回転駆動によって下流側
(右方)に向けて搬送できるようになっている。
【0041】用紙のベルトローラ106に対する挿入及
び排出位置には、押さえ部材109a、109bがそれ
ぞれ配置されている。押さえ部材109a,109b
は、搬送ベルト108上の用紙が搬送面から浮かないよ
うに、搬送ベルト108の搬送面に用紙を押し付けて搬
送面上に確実に粘着させるためのものである。
【0042】用紙搬送経路に沿って搬送ベルト108の
すぐ下流側には、剥離機構110が設けられている。剥
離機構110は、搬送ベルト108の搬送面に粘着され
ている用紙を搬送面から剥離して、右方の排紙部112
へ向けて送るように構成されている。
【0043】4つのインクジェットヘッド1は、その下
端にヘッド本体1a(後述するように、圧力室を含むイ
ンク流路が形成された流路ユニットと、圧力室内のイン
クに圧力を与えるアクチュエータユニットとが貼り合わ
されたものである)を有している。ヘッド本体1aは、
それぞれが矩形断面を有しており、その長手方向が用紙
搬送方向に垂直な方向(図1の紙面垂直方向)となるよ
うに互いに近接配置されている。つまり、このプリンタ
101は、ライン式プリンタである。4つのヘッド本体
1aの各底面は用紙搬送経路に対向しており、これら底
面には微小径を有する多数のインク吐出口が形成された
ノズルが設けられている。4つのヘッド本体1aのそれ
ぞれからは、マゼンタ、イエロー、シアン、ブラックの
インクが吐出される。
【0044】ヘッド本体1aは、その下面と搬送ベルト
108の搬送面との間に少量の隙間が形成されるように
配置されており、この隙間部分に用紙搬送経路が形成さ
れている。この構成で、搬送ベルト108上を搬送され
る用紙が4つのヘッド本体1aのすぐ下方側を順に通過
する際、この用紙の上面すなわち印刷面に向けてノズル
から各色のインクが噴射されることで、用紙上に所望の
カラー画像を形成できるようになっている。
【0045】インクジェットプリンタ101は、インク
ジェットヘッド1に対するメンテナンスを自動的に行う
ためのメンテナンスユニット117を有している。この
メンテナンスユニット117には、4つのヘッド本体1
aの下面を覆うための4つのキャップ116や、図示せ
ぬパージ機構などが設けられている。
【0046】メンテナンスユニット117は、インクジ
ェットプリンタ101で印刷が行われているときには、
給紙部111の直下方の位置(退避位置)に位置してい
る。そして、印刷終了後に所定の条件が満たされたとき
(例えば、印刷動作が行われない状態が所定の時間だけ
継続したときや、プリンタ101の電源OFF操作がさ
れたとき)は、4つのヘッド本体1aの直ぐ下方の位置
に移動して、この位置(キャップ位置)にて、キャップ
116によってヘッド本体1aの下面をそれぞれ覆い、
ヘッド本体1aのノズル部分のインクの乾燥を防止する
ようになっている。
【0047】ベルトローラ106、107や搬送ベルト
108は、シャーシ113によって支持されている。シ
ャーシ113は、その下方に配置された円筒部材115
上に載置されている。円筒部材115は、その中心から
外れた位置に取り付けられた軸114を中心として回転
可能となっている。そのため、軸114の回転に伴って
円筒部材115の上端高さが変化すると、それに合わせ
てシャーシ113が昇降する。メンテナンスユニット1
17を退避位置からキャップ位置に移動させる際には、
予め円筒部材115を適宜の角度回転させてシャーシ1
13、搬送ベルト108及びベルトローラ106、10
7を図1に示す位置から適宜の距離だけ下降させ、メン
テナンスユニット117の移動のためのスペースを確保
しておく必要がある。
【0048】搬送ベルト108によって囲まれた領域内
には、インクジェットヘッド1と対向する位置、つまり
上側にある搬送ベルト108の下面と接触することによ
って内周側からこれを支持するほぼ直方体形状(搬送ベ
ルト108と同程度の幅を有している)のガイド121
が配置されている。
【0049】次に、本実施の形態によるインクジェット
ヘッド1の構造について、より詳細に説明する。図2
は、インクジェットヘッド1の斜視図である。図3は、
図2のII−II線に沿った断面図である。図2及び図
3に示すように、本実施の形態によるインクジェットヘ
ッド1は、一方向(主走査方向)に延在した矩形平面形
状を有するヘッド本体1aと、ヘッド本体1aを支持す
るための基部71とを有している。基部71は、ヘッド
本体1aのほかに、個別電極35a、35b(図11
(a)参照)などに駆動信号を供給するドライバIC8
0および基板81を支持している。
【0050】基部71は、図2に示すように、ヘッド本
体1aの上面と部分的に接着されることでヘッド本体1
aを支持するベースブロック75と、ベースブロック7
5の上面と接着されることでベースブロック75を保持
するホルダ72とから構成されている。ベースブロック
75は、ヘッド本体1aの長尺方向長さとほぼ同じ長さ
を有する略直方体形状の部材である。ステンレスなどの
金属材料からなるベースブロック75は、ホルダ72を
補強する軽量の構造体としての機能を有している。ホル
ダ72は、ヘッド本体1a側に配置されるホルダ本体7
3と、ホルダ本体73からヘッド本体1aとは反対側に
延在した一対のホルダ支持部74とから構成されてい
る。一対のホルダ支持部74は、いずれも平板状の部材
であって、ホルダ本体73の長尺方向に沿って所定の間
隔を隔てて互いに平行に設けられている。
【0051】ホルダ本体73の副走査方向(主走査方向
と直交する方向)両端部には、下方に突出した一対のス
カート部73aが設けられている。ここで、一対のスカ
ート部73aは、いずれもホルダ本体73の長尺方向全
幅にわたって形成されているため、ホルダ本体73の下
面には、一対のスカート部73aによって略直方体形状
の溝部73bが形成されている。この溝部73b内に、
ベースブロック75が収納されている。ベースブロック
75の上面と、ホルダ本体73の溝部73bの底面と
は、接着剤などによって接着されている。ベースブロッ
ク75の厚さは、ホルダ本体73の溝部73bの深さよ
りも若干大きいため、ベースブロック75の下端部は、
スカート部73aよりも下方に飛び出している。
【0052】ベースブロック75の内部には、ヘッド本
体1aに供給されるインクの流路として、その長尺方向
に延在する2つの略直方体形状の空隙(中空領域)であ
るインク溜まり3が形成されている。これら2つのイン
ク溜まり3は、ベースブロック75の長手方向に沿って
配置された隔壁75aを介することにより、ベースブロ
ック75の長手方向に所定の間隔を隔てて互いに平行に
設けられている。図3においてベースブロック75の下
面75bの左側でインク溜まり3に対応する位置には、
インク溜まり3に連通した開口3b(図5参照)が形成
されている。なお、インク溜まり3は、プリンタ本体内
の図示しないメインインクタンク(インク供給源)に、
図示しない供給チューブにより接続されている。そのた
め、インク溜まり3には、メインインクタンクから適宜
インクが補充されるようになっている。
【0053】ベースブロック75の下面75bは、開口
3bの近傍において周囲よりも下方に飛び出している。
ベースブロック75下側に支持されているヘッド本体1
aは、アクチュエータユニット21と、その下面に接着
された流路ユニット4とを備えている。そして、ベース
ブロック75は、下面75bの開口3b近傍部分75c
においてのみヘッド本体1aの流路ユニット4(図3参
照)と接触している。そのため、ベースブロック75の
下面75bの開口3b近傍部分75c以外の領域は、ヘ
ッド本体1aから離隔しており、この離隔部分にアクチ
ュエータユニット21が配されている。
【0054】ホルダ72のホルダ支持部74の外側面に
は、スポンジなどの弾性部材83を介してドライバIC
80が固定されている。ドライバIC80の外側面に
は、ヒートシンク82が密着配置されている。ヒートシ
ンク82は、略直方体形状の部材であって、ドライバI
C80で発生する熱を効率的に散逸させる。ドライバI
C80には、給電部材であるフレキシブルプリント配線
板(FPC)50が接続されている。ドライバIC80
に接続されたFPC50は、基板81及びヘッド本体1
aとハンダ付けによって電気的に接合されている。ドラ
イバIC80およびヒートシンク82の上方であって、
FPC50の外側には、基板81が配置されている。ヒ
ートシンク82の上面と基板81との間、および、ヒー
トシンク82の下面とFPC50との間は、それぞれシ
ール部材84で接着されている。
【0055】図3に描かれたヘッド本体の右側端部近傍
の拡大断面図である図4に示すように、ホルダ本体73
のスカート部73aの下面と流路ユニット4の上面との
間には、FPC50を挟むようにシール部材85が配置
されている。つまりFPC50は、流路ユニット4およ
びホルダ本体73に対してシール部材85によって固定
されている。これにより、ヘッド本体1aが長尺化した
場合の撓みの防止、アクチュエータユニット21とFP
C50との接続部への応力印可の防止およびFPC50
の確実な保持が可能となる。これにより、外部からFP
C50に力が加えられた場合でもFPC50がアクチュ
エータユニット21から剥がれにくく、アクチュエータ
ユニット21とドライバIC80との電気的接続の信頼
性を向上させることができる。また、ヘッド本体1a全
体が撓むことによってアクチュエータユニット21とF
PC50との接着部に両者を剥離させようとする力が生
じる場合があるが、このような力を抑制することもでき
る。さらに、導電性インクが外部からアクチュエータユ
ニット21とFPC50との接着部に侵入するのも防止
されるため、両者の接続部の電気的な短絡を未然に防ぐ
ことができる。
【0056】また、アクチュエータユニット21の上面
側にはFPC50が配置されており、ベースブロック7
5の開口3b近傍における下面75bからの突出高さ
は、アクチュエータユニット21の下面からFPC50
の上面までの厚さよりも大きくなっている。つまり、F
PC50の上面とベースブロック75の下面75bとの
間に所定の間隙が形成されており、アクチュエータユニ
ット21とFPC50との接着部に外部から力が直接的
に加わるのが抑制されるようになっている。
【0057】図2に示すように、インクジェットヘッド
1の主走査方向に沿った下方角部近傍には、インクジェ
ットヘッド1の側壁に沿って6つの凸設部30aが均等
に離隔配置されている。これらシート状部材は、ヘッド
本体1aの最下層にあるノズルプレート30(図8参
照)の副走査方向両端部に設けられた部分である。つま
り、ノズルプレート30は、凸設部30aとそれ以外の
部分との境界線に沿って約90度折り曲げられている。
凸設部30aは、プリンタ101において印刷に用いら
れる各種サイズの用紙の両端部付近に対応する位置に設
けられている。ノズルプレート30の折り曲げ部分は直
角ではなく丸みを帯びた形状となっているため、ヘッド
1と近接する方向に搬送されてきた用紙の先端部がヘッ
ド1の側面と接触することで生じる用紙の詰まりすなわ
ちジャミングが起こりにくくなっている。
【0058】図5は、ヘッド本体1aの模式的な平面図
である。図5において、ベースブロック75内に形成さ
れたインク溜まり3が仮想的に破線で描かれている。図
5に示すように、ヘッド本体1aは、一方向(主走査方
向)に延在した矩形平面形状をしている。ヘッド本体1
aは、後述する多数の圧力室10やノズル先端のインク
吐出口8(共に図6、図7、図8参照)が形成された流
路ユニット4を有しており、その上面には、千鳥状にな
って2列に配列された複数の台形のアクチュエータユニ
ット21が接着されている。各アクチュエータユニット
21は、その平行対向辺(上辺および下辺)が流路ユニ
ット4の長手方向に沿うように配置されている。そし
て、隣接するアクチュエータユニット21の斜辺同士
が、流路ユニット4の幅方向にオーバーラップしてい
る。
【0059】アクチュエータユニット21の接着領域と
対応した流路ユニット4の下面は、インク吐出領域とな
っている。インク吐出領域の表面には、後述するよう
に、多数のインク吐出口8がマトリクス状に配列されて
いる。また、流路ユニット4の上方に配置されたベース
ブロック75内には、その長手方向に沿ってインク溜ま
り3が形成されている。インク溜まり3は、その一端に
設けられた開口3aを介してインクタンク(図示せず)
に連通しており、常にインクで満たされている。インク
溜まり3には、その延在方向に沿って開口3bが2つず
つ対になって、アクチュエータユニット21が設けられ
ていない領域に対応して千鳥状に設けられている。この
ように、インク溜まり3が流路ユニット4の長手方向に
沿って延在し且つ複数の開口3bが流路ユニット4の長
手方向に間隔を隔てて配置されることにより、ヘッド1
が長尺化した場合でも、インク溜まり3内のインクは、
流路抵抗を抑えながら流路ユニット4に対して安定して
供給される。
【0060】図6は、図5内に描かれた一点鎖線で囲ま
れた領域の拡大図である。図5及び図6に示すように、
インク溜まり3は、開口3bを介してその下層にある流
路ユニット4内のマニホールド5と連通している。開口
3bには、インク内に含有される塵埃などを捕獲するた
めのフィルタ(図示せず)が設けられている。マニホー
ルド5は、その先端部が2つに分岐して副マニホールド
5aとなっている。1つのアクチュエータユニット21
の下部には、当該アクチュエータユニット21に対して
インクジェットヘッド1の長手方向両隣にある2つの開
口3bからそれぞれ2つの副マニホールド5aが進入し
てきている。つまり、1つのアクチュエータユニット2
1の下部には、合計で4つの副マニホールド5aがイン
クジェットヘッド1の長手方向に沿って延在している。
各副マニホールド5aは、インク溜まり3から供給され
たインクで満たされている。
【0061】図7は、図6内に描かれた一点鎖線で囲ま
れた領域の拡大図である。図6及び図7に示すように、
アクチュエータユニット21の上面には、平面形状がほ
ぼひし形の個別電極35aがマトリクス状に規則的に配
列されていると共に、アクチュエータユニット21の内
部であって、各個別電極35aと上下に重なる位置に
は、個別電極35aと同形状の個別電極35bが配置さ
れている。また、流路ユニット4のアクチュエータユニ
ット21に対応したインク吐出領域の表面には、多数の
インク吐出口8がマトリクス状に規則的に配列されてい
る。流路ユニット4内には、共に各インク吐出口8と連
通した、平面形状が個別電極35a、35bよりも一回
り大きいほぼひし形の圧力室10と、アパーチャ12と
がそれぞれマトリクス状に規則的に配列されている。圧
力室10は、個別電極35a、35bと対応する位置に
形成されており、平面視において個別電極35a、35
bは圧力室10に含まれている。なお、図6及び図7に
おいて、図面を分かりやすくするために、アクチュエー
タユニット21内又は流路ユニット4内にあって破線で
描くべき圧力室10及びアパーチャ12等を実線で描い
ている。また、図7には、便宜上、アクチュエータユニ
ット21の上面に配置されたFPC50側に設けられた
給電パッド55、60(図11(a),(b)参照)が
描かれている。
【0062】図6及び図7に示すように、アクチュエー
タユニット21の上面外縁部付近には、それぞれが円形
を有する、周囲電極として多数の接地用電極38が形成
されている。多数の接地用電極38は、隣接するもの同
士の間隔がほぼ等間隔となるように離隔している。その
ため、アクチュエータユニット21上面の個別電極35
aが形成された領域は、その全周にわたって多数の接地
用電極38によって包囲されていることになる。
【0063】図8は、図7に描かれたIII−III線
に沿った、図5に描かれたヘッド本体1a及びこの上面
に配置されたFPC50の部分断面図である。各インク
吐出口8は、図8からも分かるように、先細形状のノズ
ルの先端に形成されている。また、圧力室10と副マニ
ホールド5aとの間には、アパーチャ12が、圧力室1
0と同様に流路ユニット4の表面と実質的に平行に延在
している。このアパーチャ12は、インクの流れを制限
することで適当な流路抵抗を付与してインク吐出の安定
化を図るためのものである。各インク吐出口8は、圧力
室10(長さ900μm、幅350μm)およびアパー
チャ12を介して副マニホールド5aと連通している。
このようにして、インクジェットヘッド1には、インク
タンクからインク溜まり3、マニホールド5、副マニホ
ールド5a、アパーチャ12および圧力室10を経てイ
ンク吐出口8に至るインク流路32が形成されている。
【0064】また、図8から明らかなように、圧力室1
0とアパーチャ12とは異なる高さに設けられている。
これにより、図7に示すように、アクチュエータユニッ
ト21の下方にあるインク吐出領域に対応した流路ユニ
ット4内において、1つの圧力室10と連通したアパー
チャ12及び副マニホールド5aを、当該圧力室に隣接
する圧力室10と平面視で互いに重なりを持つように配
置することが可能となっている。この結果、圧力室10
同士が密着して高密度に配列されるため、比較的小さな
占有面積のインクジェットヘッド1により高解像度の画
像印刷が実現される。
【0065】圧力室10は、図6及び図7に描かれた平
面内において、インクジェットヘッド1の長手方向(第
1配列方向)と、インクジェットヘッド1の幅方向から
やや傾いた方向(第2配列方向)との2方向にインク吐
出領域内で配列されている。第1配列方向と第2配列方
向は、直角よりもやや小さい角度θをなしている。イン
ク吐出口8は、第1配列方向には50dpiで配列され
ている。一方で、圧力室10は、第2配列方向には1つ
のアクチュエータユニット21に対応するインク吐出領
域内に12個が含まれるように配列されている。これに
より、インクジェットヘッド1の全幅内で、第1配列方
向に隣接する2つのインク吐出口8間の距離だけ離隔し
た範囲には、12個のインク吐出口8が存在するように
なっている。なお、各インク吐出領域の第1配列方向に
ついての両端部(アクチュエータユニット21の斜辺に
相当する)では、インクジェットヘッド1の幅方向に対
向する別のアクチュエータユニット21に対応するイン
ク吐出領域と相補関係となることで上記条件を満たして
いる。そのため、本実施の形態によるインクジェットヘ
ッド1では、第1および第2配列方向に配列された多数
のインク吐出口8から、インクジェットヘッド1の幅方
向への用紙に対する相対的な移動に伴って順次インク滴
を吐出させることで、主走査方向に600dpiで印刷
を行うことが可能になっている。
【0066】次に、図9を参照して、流路ユニット4の
構造をより詳細に説明する。図9に示すように、圧力室
10は、第1配列方向に所定の間隔である50dpiで
列状に配列されている。このような圧力室10の列は、
第2配列方向には12列配列されて、全体として圧力室
10は1つのアクチュエータユニット21に対応したイ
ンク吐出領域内において2次元配列をしている。
【0067】圧力室10には、ノズルが図9中上側の鋭
角部に接続されている圧力室10aと、下側の鋭角部に
接続されている圧力室10bとの2種類がある。複数の
圧力室10a及び複数の圧力室10bは、共に第1配列
方向に配列されて圧力室列11a、11bをそれぞれ形
成している。図9に示すように、1つのアクチュエータ
ユニット21に対応したインク吐出領域内においては、
図9中下側から順に2列の圧力室列11aが配列され、
その上側に隣接して2列の圧力室列11bが配列されて
いる。このような2列の圧力室列11aと2列の圧力室
列11bとの合わせて4列の圧力室列を1組とした圧力
室列の組が、1つのアクチュエータユニット21に対応
したインク吐出領域内において、下側から3回繰り返し
て配列されている。各圧力室列11a、11b中の各圧
力室の上側鋭角部を結ぶ直線は、この圧力室列に上側か
ら隣接する圧力室列中の各圧力室の下側斜辺と交差して
いる。
【0068】上述のように、図9の紙面に対して垂直な
方向から見て、圧力室10に接続されたノズルの配置位
置が異なる第1の圧力室列11aと第2の圧力室列11
bとを2列ずつ隣接して配列することにより、全体とし
て圧力室10は規則正しく整列している。一方、ノズル
は、これら4列の圧力室列を1組とした圧力室列の組の
中において中央領域に集まって配列されることになる。
これにより、上述のように、4列の圧力室列を1組とし
て、下側から3回繰り返して圧力室列の組を配置した場
合、圧力室列の組と組との境界近傍領域、すなわち、こ
のような4列の圧力室列からなる組の両側には、ノズル
が存在しない領域が形成される。そして、そこに各圧力
室10にインクを供給するための幅の広い副マニホール
ド5aが延設されている。本案施の形態では、1つのア
クチュエータユニット21に対応したインク吐出領域内
において、図中下側に1本、一番下側の圧力室列の組と
二番目の圧力室列の組との間に1本、一番上側の圧力室
列の組の両側に2本、合わせて4本の幅の広い副マニホ
ールド5aが第1配列方向に延設されている。
【0069】図9に示すように、インクを吐出するイン
ク吐出口8に連通するノズルは、第1配列方向には、こ
の方向に規則正しく並ぶ圧力室10に対応して、50d
piの等間隔で配列されている。また、第1配列方向と
角度θで交差している第2配列方向にも12個の圧力室
10が規則正しく配列されているのとは異なり、これら
12個の圧力室10に対応した12個のノズルは、上述
したように圧力室10の上側の鋭角部に連通したものと
下側の鋭角部に連通したものとがあって、第2配列方向
に規則的に一定の間隔で配列されていない。
【0070】他方、ノズルが圧力室10の同じ側の鋭角
部に常に連通している場合には、ノズルも第2配列方向
の方向に規則的に一定の間隔で配列されることになる。
すなわち、この場合、ノズルは、図中下側から上側に1
圧力室列上がるごとに第1配列方向に印字時の解像度で
ある600dpiに相当する間隔ずつ変位するように配
列される。これに対して、本実施の形態では、2列の圧
力室列11aと2列の圧力室列11bとの合わせて4列
の圧力室列を1組として、これが下側から3回繰り返し
て配列されているので、図中下側から上側に1圧力室列
上がるごとのノズル位置の第1配列方向への変位は常に
同じではない。
【0071】本実施の形態によるインクジェットヘッド
1において、第1配列方向に50dpiに相当する幅
(約508.0μm)を有し、この第1配列方向と直交
する方向に延在する帯状領域Rについて考える。この帯
状領域Rの中には、12列の圧力室列の内の何れの列に
ついても、ノズルが1つしか存在していない。すなわ
ち、1つのアクチュエータユニット21に対応したイン
ク吐出領域内の任意の位置に、このような帯状領域Rを
区画した場合、この帯状領域R内には、常に12個のノ
ズルが分布している。そして、これら12個の各ノズル
を第1配列方向に延びる直線上に射影した点の位置は、
印字時の解像度である600dpiに相当する間隔ずつ
離隔している。
【0072】1つの帯状領域Rに属する12個のノズル
を第1配列方向に延びる直線上に射影した位置が左にあ
るものから順に、これら12個のノズルを(1)〜(1
2)と記することにしたとき、これら12個のノズル
は、下から、(1)、(7)、(2)、(8)、
(5)、(11)、(6)、(12)、(9)、
(3)、(10)、(4)の順番に並んでいる。
【0073】このように構成された本実施の形態による
インクジェットヘッド1において、アクチュエータユニ
ット21内の活性層を適宜駆動させると、600dpi
の解像度を有する文字や図形等を描画することができ
る。つまり、12列の圧力室列に対応した活性層を印字
媒体の搬送に合わせて順次選択的に駆動することで、特
定の文字や図形を印字媒体に印刷することができる。
【0074】例えば、600dpiの解像度で第1配列
方向に延びる直線を印字する場合について説明する。ま
ず、ノズルが圧力室10の同じ側の鋭角部に連通してい
る場合について簡単に説明する。この場合には、印字蝶
体が搬送されるのに対応して、図9中一番下に位置する
圧力室列中のノズルからインクの吐出を始め、順次上側
に隣接する圧力室列に属するノズルを選択してインクを
吐出する。これにより、インクのドットが第1配列方向
に向かって600dpiの間隔で隣接しながら形成され
ていく。最終的には、全体で600dpiの解像度で第
1配列方向に延びる直線が描かれることになる。
【0075】一方、本案施の形態では、図9中一番下に
位置する圧力室列11a中のノズルからインクの吐出を
始め、印字媒体が搬送されるのに伴って順次上側に隣接
する圧力室に連通するノズルを選択してインクを吐出し
ていく。このとき、下側から上側に1圧力室列上がるご
とのノズル位置の第1配列方向への変位が常に同じでな
いので、印字媒体が搬送されるのに伴って第1配列方向
に沿って順次形成されるインクのドットは、600dp
iの間隔で等間隔にはならない。
【0076】すなわち、図9に示したように、印字媒体
が搬送されるのに対応して、まず図中一番下の圧力室列
11aに連通するノズル(1)からインクが吐出され、
印字媒体上に50dpiに相当する間隔(約508.0
μm)でドット列が形成される。この後、印字媒体の搬
送に伴って、直線の形成位置が下から2番目の圧力室列
11aに連通するノズル(7)の位置に達すると、この
ノズル(7)からインクが吐出される。これにより、始
めに形成されたドット位置から600dpiに相当する
間隔分(約42.3μm)の6倍だけ第1配列方向に変
位した位置(約42.3μm×6=約254.0μm)
に2番目のインクドットが形成される。
【0077】次に、印字媒体の搬送に伴って、直線の形
成位置が下から3番目の圧力室列11bに連通するノズ
ル(2)の位置に達すると、ノズル(2)からインクが
吐出される。これにより、始めに形成されたドット位置
から600dpiに相当する間隔分(約42.3μm)
だけ第1配列方向に変位した位置に3番目のインクドッ
トが形成される。さらに、印字媒体の搬送に伴って、直
線の形成位置が下から4番目の圧力室列11bに連通す
るノズル(8)の位置に達すると、ノズル(8)からイ
ンクが吐出される。これにより、始めに形成されたドッ
トの位置から600dpiに相当する間隔分(約42.
3μm)の7倍だけ第1配列方向に変位した位置(約4
2.3μm×7=約296.3μm)に4番目のインク
ドットが形成される。さらに、印字媒体の搬送に伴っ
て、直線の形成位置が下から5番目の圧力室列11aに
連通するノズル(5)の位置に達すると、ノズル(5)
からインクが吐出される。これにより、始めに形成され
たドット位置から600dpiに相当する間隔分(約4
2.3μm)の4倍だけ第1配列方向に変位した位置
(約42.3μm×4=約169.3μm)に5番目の
インクドットが形成される。
【0078】以下同様にして、順次図中下側から上側に
位置する圧力室10に連通するノズルを選択しながらイ
ンクドットが形成されていく。このとき、図9中に示し
たノズルの番号をNとすると、(倍率n=N−1)×
(600dpiに相当する間隔)に相当する分だけ、始
めに形成されたドット位置から第1配列方向に変位した
位置にインクドットが形成される。最終的に12個のノ
ズルを選択し終わったときには、図中一番下の圧力室列
11a中のノズル(1)により50dpiに相当する間
隔(約508.0μm)で形成されたインクドットの間
が600dpiに相当する間隔(約42.3μm)毎に
離れて形成された12個のドットで繋げられ、全体で6
00dpiの解像度で第1配列方向に延びる直線を描く
ことが可能になっている。
【0079】図10は、図5に描かれたヘッド本体1a
及びこの上面に配置されたFPC50の部分分解斜視図
である。図8及び図10に示すように、インクジェット
ヘッド1の底部側の要部は、上から、FPC50、アク
チュエータユニット21、キャビティプレート22、ベ
ースプレート23、アパーチャプレート24、サプライ
プレート25、マニホールドプレート26,27,2
8、カバープレート29およびノズルプレート30の合
計11枚のシート材が積層された積層構造を有してい
る。これらのうち、FPC50およびアクチュエータユ
ニット21を除いた9枚のプレート22〜30から、流
路ユニット4が構成されている。流路ユニット4は、こ
れを構成するプレート22〜30の材料の違いから、ノ
ズルプレート30を含むノズルプレートユニット、及
び、ノズルプレート30を含まないメインユニットとの
2つのユニットからなる。
【0080】アクチュエータユニット21は、後で詳述
するように、5枚の圧電シートが積層され且つ電極が配
されることによってそのうちの3層が電界印加時に活性
層となる部分を有する層(以下、単に「活性層を含む
層」と称する)とされ残り2層が非活性層とされたもの
である。流路ユニット4のメインユニットを構成する8
枚のプレート22〜29のうち、キャビティプレート2
2は、圧力室10に対応するほぼ菱形の開口が多数設け
られた金属プレートである。ベースプレート23は、キ
ャビティプレート22の1つの圧力室10について、圧
力室10とアパーチャ12との連絡孔および圧力室10
からインク吐出口8への連絡孔がそれぞれ設けられた金
属プレートである。アパーチャプレート24は、キャビ
ティプレート22の1つの圧力室10について、アパー
チャ12のほかに圧力室10からインク吐出口8への連
絡孔がそれぞれ設けられた金属プレートである。サプラ
イプレート25は、キャビティプレート22の1つの圧
力室10について、アパーチャ12と副マニホールド5
aとの連絡孔および圧力室10からインク吐出口8への
連絡孔がそれぞれ設けられた金属プレートである。マニ
ホールドプレート26、27、28は、副マニホールド
5aに加えて、キャビティプレート22の1つの圧力室
10について、圧力室10からインク吐出口8への連絡
孔がそれぞれ設けられた金属プレートである。カバープ
レート29は、キャビティプレート22の1つの圧力室
10について、圧力室10からインク吐出口8への連絡
孔がそれぞれ設けられた金属プレートである。
【0081】本実施の形態において、流路ユニット4の
メインユニットを構成するアクチュエータユニット21
側の8枚のプレート22〜29は、共に線膨張係数が略
16.0×10-6(/℃)であるステンレスからなって
いる。ここで線膨張係数が略16.0×10-6(/℃)
であるステンレスとしては、具体的にSUS316が挙
げられる。また他にもSUS430(線膨張係数:略1
0.4×10-6(/℃))やSUS304(線膨張係
数:略17.3×10-6(/℃))なども使用可能であ
る。
【0082】一方、最下層にあって、流路ユニット4の
ノズルプレートユニットを構成するノズルプレート30
は、線膨張係数が略3.0×10-6(/℃)のチタン酸
ジルコン酸鉛(PZT)系の圧電セラミックからなって
いる。つまり、流路ユニット4は、線膨張係数の異なる
2種類のプレート(ノズルプレート30およびその他の
金属プレート22〜29)から構成されている。ノズル
プレート30には、キャビティプレート22の1つの圧
力室10について、ノズルの先端を構成する先細形状の
孔がそれぞれ形成されており、各孔の下側の開口がイン
ク吐出口8となっている(図8参照)。
【0083】これら10枚のプレート21〜30は、図
8に示すようなインク流路32が形成されるように、互
いに位置合わせして積層される。このインク流路32
は、副マニホールド5aからまず上方へ向かい、アパー
チャ12において水平に延在し、それからさらに上方に
向かい、圧力室10において再び水平に延在し、それか
らしばらくアパーチャ12から離れる方向に斜め下方に
向かってから垂直下方にインク吐出口8へと向かう。な
お、FPC50は、アクチュエータユニット21に配さ
れた電極に対して位置合わせして積層されている。
【0084】次に、アクチュエータユニット21の構造
及びこれとFPC50との接続について説明する。図1
1(a)は、図7に描かれたIII−III線に沿っ
た、FPC50が上面側に配置されたアクチュエータユ
ニット21の断面図であって、図8内に描かれた一点鎖
線で囲まれた領域の拡大断面図である。図11(b)
は、図7に描かれたIV−IV線に沿った、FPC50
が上面側に配置されたアクチュエータユニット21の断
面図である。図11(c)は、図11(a)の一点鎖線
で描かれた丸枠内拡大図である。図11(d)は、図1
1(b)の一点鎖線で描かれた丸枠内拡大図である。
【0085】図11(a)及び図11(b)に示すよう
に、アクチュエータユニット21は、それぞれ厚みが1
5μm程度で同じになるように形成された5枚の圧電シ
ート41,42,43,44,45を含んでいる。これ
ら圧電シート41〜45は、インクジェットヘッド1内
の1つのインク吐出領域内に形成された多数の圧力室1
0に跨って配置されるように連続した層状の平板(連続
平板層)となっている。これにより、圧電シートの機械
的剛性を高く保つことができ、さらにインクジェットヘ
ッド1におけるインク吐出性能の応答性を高めることが
できるようになっている。また、圧電シート41〜45
が連続平板層として多数の圧力室10に跨って配置され
ることで、例えばスクリーン印刷技術を用いることによ
り、個別電極35a、35bを高密度に配置することが
可能となっている。そのため、個別電極35a、35b
に対応する位置に形成される圧力室10をも高密度に配
置することが可能となって、高解像度画像の印刷ができ
るようになる。
【0086】本実施の形態において、圧電シート41〜
45は、共に強誘電性を有し、線膨張係数が略3.0×
10-6(/℃)のチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)系の
圧電セラミックからなっている。つまりアクチュエータ
ユニット21は、上述した流路ユニット4の最下層にあ
るノズルプレート30と同一材料からなるものである。
【0087】アクチュエータユニット21の最上層にあ
る圧電シート41とその下方に隣接した圧電シート42
との間には、厚み2μm程度の共通電極34aが介在し
ている。共通電極34aは、1つのアクチュエータユニ
ット21内のほぼ全域にわたって延在した1枚の導電シ
ートである。同様に、圧電シート42の下方に隣接した
圧電シート43とその下方に隣接した圧電シート44と
の間にも、共通電極34aと同様の形状を有する厚み2
μm程度の共通電極34bが介在している。
【0088】なお、共通電極34a、34bは、積層方
向への射影領域が圧力室領域を含むように圧力室10よ
りも大きいものが圧力室10ごとに多数形成されてもよ
いし、或いは、射影領域が圧力室領域に含まれるように
圧力室10よりもやや小さいものが圧力室10ごとに多
数形成されてもよく、必ずしもシート全面に形成された
1枚の導電シートである必要はない。ただし、このと
き、圧力室10に対応する部分がすべて同一電位となる
ように共通電極どうしが電気的に接続されていることが
必要である。
【0089】図11(a)に示すように、圧電シート4
1の上面であって圧力室10に対応する位置には、厚み
1μm程度の個別電極35aが形成されている。図7の
模式的な部分拡大平面図である図12に示すように、個
別電極35aは、平面形状が略ひし形であって圧力室1
0とほぼ相似形状(長さ850μm、幅250μm)を
有する主電極部90と、主電極部90よりも小さくその
一方の鋭角部から連続して形成されたほぼひし形形状の
補助電極部91とを有している。主電極部90は、その
積層方向への射影領域が圧力室領域(図12において破
線で囲まれる領域)に含まれている。一方、補助電極部
91の大部分は、その積層方向への射影領域が圧力室領
域には含まれていない。
【0090】圧電シート42と圧電シート43との間で
あって個別電極35aと対応する位置には、個別電極3
5aと同様の形状を有する厚み2μm程度の個別電極3
5bが介在している。なお、圧電シート44とその下方
に隣接した圧電シート45との間、及び、圧電シート4
5の下方には、電極が配置されていない。
【0091】図11(a)に示すように、個別電極35
aと個別電極35bとの補助電極部91に対応する位置
の間にある圧電シート41、42には、スルーホール4
1a、42aが形成されている。スルーホール41a、
42aには、図11(c)に示すように導電材料(銀パ
ラジウムなど)48が充填されており、この導電材料4
8を介して、個別電極35aと個別電極35bとが各圧
力室10に対応するものごとに互いに接続されている。
【0092】図11(b)に示すように、接地用電極3
8の下方には、圧電シート41、42、43を貫通する
スルーホール41b、42b、43bが形成されてい
る。スルーホール41b、42b、43bには、図11
(d)に示すように導電材料(銀パラジウムなど)49
が充填されており、この導電材料49を介して、接地用
電極38が共通電極34a及び共通電極34bに接続さ
れている。本実施の形態において、各電極34a,34
b,35a,35b、38は、Ag−Pd系等の金属材
料からなるものである。
【0093】FPC50は、アクチュエータユニット2
1の個別電極35a、35b及び共通電極34a、34
bと、ドライバIC80と、を接続するための部材であ
って、図11(a)及び図11(b)に示すように、ア
クチュエータユニット21の上面に配置された個別電極
35a及び接地用電極38とハンダ付けにより電気的に
接合される多数の給電パッド55、60を下面に有して
いる。
【0094】図11(a)及び図11(b)に示すよう
に、FPC50は、ベースフィルム51と、ベースフィ
ルム51に貼り合わせされたカバーフィルム52と、両
フィルム51、52の間にパターン形成されたプリント
配線53、54とを有している。ベースフィルム51及
びカバーフィルム52は、いずれも絶縁性を有するシー
ト状の部材である。プリント配線53は圧力室10ごと
に別々にドライバIC80と接続され、プリント配線5
4は図示しない領域において接地されている。FPC5
0は、アクチュエータユニット21の最上層にある圧電
シート41の上面にカバーフィルム52が対向するよう
に配置されている。
【0095】カバーフィルム52には選択的に貫通孔5
2a、52bが形成されており、貫通孔52a、52b
内には、カバーフィルム52とほぼ同じ厚みを有する導
電性材料からなる給電パッド55、60がそれぞれ配置
されている。給電パッド55、60は、貫通孔52a、
52bによって形成された凹部の底部において、それぞ
れプリント配線53、54と接触している。
【0096】給電パッド55は、図11(a)に示すよ
うに、圧力室10の長手方向やや外側、すなわち、補助
電極部91に対応する位置に設けられている。そして、
給電パッド55は、補助電極部91とハンダ付けにより
電気的に接合されている。つまり、本実施の形態では、
1つの個別電極35aが2つの電気接点(それぞれが各
給電パッド55に対応した位置にある)においてFPC
50と電気的に接合されている。このように、給電パッ
ド55と個別電極35aの補助電極部91とが電気的に
接合されることにより、プリント配線53及びスルーホ
ール41a,42a内の導電材料48を介して個別電極
35a、35bの電位を圧力室10ごとに独立して制御
できるようになっている。
【0097】一方、給電パッド60は、図11(b)に
示すように、アクチュエータユニット21の外縁近傍に
形成された接地用電極38に対応する位置に設けられて
いる。そして、給電パッド60は、接地用電極38とハ
ンダ付けにより電気的に接合されている。これにより、
プリント配線54及びスルーホール41b、42b、4
3b内の導電材料49を介して共通電極34a、34b
の電位をグランド電位に維持できるようになっている。
【0098】本実施の形態において、多数の接地用電極
38のすべてが給電パッド60とハンダ付けにより電気
的に接合され且つ導電材料49を介して共通電極34
a、34bに接続されている。ただし、接地用電極38
の一部が給電パッド60と電気的に接合されていなくて
もよいし、接地用電極38の一部が共通電極34a、3
4bに接続されていなくてもよい。なぜなら、共通電極
34a、34bが全ての圧力室10に跨るような1枚の
連続平板として形成されているために、少なくとも1つ
の接地用電極38が給電パッド60と電気的に接合され
且つ共通電極34a、34bに接続されていれば、全て
の圧力室10に対応する領域において共通電極34a、
34bの電位をグランド電位に維持できるからである。
【0099】プリント配線53、54がベースフィルム
51とカバーフィルム52とで挟まれているため、プリ
ント配線53、54とアクチュエータユニット21とが
引き剥がされるような力が外部から加えられた場合で
も、力が分散されるためにプリント配線53、54がア
クチュエータユニット21から剥がれにくい。このよう
にFPC50がプリント配線53、54を含む構成であ
ることにより、アクチュエータユニット21とドライバ
IC80との電気的な接続の信頼性が向上する。また、
図7に示すように、圧電シート41上の個別電極35a
が形成された領域が多数の接地用電極38によって包囲
されているため、FPC50を引き剥がすような力がど
の方向からの力であっても両者の電気的接合が解除され
にくく、個別電極35aと給電パッド55との電気的な
接続の信頼性が向上する。
【0100】なお、図11(a),(b)ではアクチュ
エータユニット21の最上層にある圧電シート41の上
面とFPC50のカバーフィルム52の下面とが当接す
るように描かれているが、実際には、アクチュエータユ
ニット21の動作を阻害しないよう、圧電シート41の
上面とカバーフィルム52の下面との間には間隙が形成
されている。そしてFPC50のカバーフィルム52下
側に配置された給電パッド55,60のみが、圧電シー
ト41の上面にある個別電極35aや接地用電極38と
接触している。
【0101】本実施の形態によるインクジェットヘッド
1において、圧電シート41〜43はその厚み方向に分
極されている。従って、個別電極35a,35bを共通
電極34a,34bと異なる電位にして圧電シート41
〜43に対してその分極方向に電界を印加すると、圧電
シート41〜43における電界が印加された部分が活性
層として働き、その厚み方向すなわち積層方向には伸長
又は収縮し、圧電横効果により積層方向と垂直な方向す
なわち面方向には収縮又は伸長しようとする。一方、残
り2枚の圧電シート44、45は、個別電極35a,3
5bと共通電極34a,34bとに挟まれた領域をもた
ない非活性層であるので、自発的に変形することができ
ない。つまり、アクチュエータユニット21は、上側
(つまり、圧力室10とは離れた)3枚の圧電シート4
1〜43を活性層を含む層とし且つ下側(つまり、圧力
室10に近い)2枚の圧電シート44,45を非活性層
とした、いわゆるユニモルフタイプの構成となってい
る。
【0102】そのため、電界と分極とが同方向となるよ
うにドライバIC80を制御して個別電極35a,35
bを共通電極34a,34bに対して正又は負の所定電
位とすると、圧電シート41〜43の個別電極35a,
35bと共通電極34a,34bとで挟まれた活性層が
面方向に収縮し、その一方で圧電シート44,45は自
発的には収縮しない。このとき、図11(a)で示した
ように、圧電シート41〜45の下面はキャビティプレ
ート22に形成された圧力室10を区画する隔壁の上面
に固着されているので、圧電横効果に基づく面方向の収
縮により、圧電シート41〜45は圧力室10側へ凸に
なるように変形(ユニモルフ変形)する。すると、圧力
室10の容積が低下して、インクの圧力が上昇し、イン
ク吐出口8からインクが吐出される。その後、個別電極
35a,35bの電位が元に戻れば、圧電シート41〜
45は元の平板形状となり、圧力室10の容積が元の容
積に戻るので、インクをマニホールド5側から吸い込
む。
【0103】なお、他の駆動方法として、圧電シート4
1〜45が圧力室10側へ凸に変形するように、予め個
別電極35a,35bを共通電極34a,34bと異な
る電位にしておき、吐出要求があるごとに個別電極35
a,35bを共通電極34a,34bと一旦同じ電位と
し、その後所定のタイミングにて再び個別電極35a,
35bを共通電極34a,34bと異なる電位にするこ
ともできる。この場合は、個別電極35a,35bと共
通電極34a,34bとが同じ電位になるタイミング
で、圧電シート41〜45が元の形状に戻り、圧力室1
0の容積は初期状態(両電極の電位が異なる状態)と比
較して増加し、インクがマニホールド5側から圧力室1
0内に吸い込まれる。その後再び個別電極35a,35
bを共通電極34a,34bと異なる電位にしたタイミ
ングで、圧電シート41〜45が圧力室10側へ凸とな
るように変形し、圧力室10の容積低下によりインクへ
の圧力が上昇し、インクが吐出される。
【0104】圧電シート41〜43に印加される電界方
向とその分極方向とが逆であれば、個別電極35a,3
5bと共通電極34a,34bとで挟まれた圧電シート
41〜43中の活性層が分極方向と直角方向に伸長しよ
うとする。従って、圧電シート41〜45は、圧電横効
果に基づき、圧力室10側に凹となるように変形する。
このため、圧力室10の容積が増加して、インクをマニ
ホールド5側から吸い込む。その後、個別電極35a,
35bの電位が元に戻れば、圧電シート41〜45は元
の平板形状となり、圧力室10の容積が元の容積に戻る
ので、インク吐出口8からインクを吐出する。
【0105】次に、インクジェットヘッド1のヘッド本
体1aの製造方法について説明する。アクチュエータユ
ニット21を作製するには、まず、圧電シート45〜4
1となる圧電セラミックのグリーンシートを5枚積層
し、そして焼成する。積層時において、各シート上に
は、個別電極35b、共通電極34a,34bとなる金
属材料がパターン印刷される。焼成後、圧電シート41
上に個別電極35aとなる金属材料を全面めっきし、レ
ーザーパターニングにより不要部分を除去するか、或い
は、個別電極35aに対応する部分に開口を有するマス
クを用いて圧電シート41上に個別電極35aとなる金
属材料を蒸着させる。
【0106】このように、個別電極35aのみ、他の電
極とは異なり圧電シート41〜45となるセラミック材
料と一緒に焼成しないのは、個別電極35aが露出して
いるために、焼成時の高温加熱により蒸発しやすく、セ
ラミック材料に被覆された他の電極34a,34b,3
5bに比べて厚みの制御が困難だからである。しかしな
がら、他の電極34a,34b,35bも焼成時に多少
なりとも厚みが減少するので、焼成後の連続性を維持す
ることを考慮するとその厚みを薄くすることが難しい。
一方、個別電極35aは、焼成後に上述したような手法
で形成するために、他の電極34a,34b,35bよ
りも薄く形成することが可能である。このように、本実
施の形態のインクジェットヘッド1では、最も上層にあ
る個別電極35aを他の電極34a,34b,35bよ
りも薄くすることで、活性層を含む圧電シート41〜4
3の変位が個別電極35aによって規制されづらくなっ
て、アクチュエータユニット21の効率(電気効率およ
び面積効率)を向上させている。
【0107】一方、流路ユニット4を作製する場合、キ
ャビティプレート22など8枚の金属プレート22〜2
9に対しては、それぞれエッチングにより多数の開口を
形成した後、それらを互いに接着させて一体にする。圧
電セラミックからなるノズルプレート30に対しては、
レーザーパターニングなどにより開口を形成する。そし
て開口が形成されたノズルプレート30を一体化した8
枚の金属プレート22〜29の下側に配置し、加熱硬化
型接着剤を用いて両者を加熱状態で貼り合わせて固定す
ることにより、流路ユニット4が作製される。
【0108】このようにして作製されたアクチュエータ
ユニット21および流路ユニット4は、図8に示すよう
に、下側から順にノズルプレート30、8枚の金属プレ
ート22〜29、アクチュエータユニット21という配
置になるよう、加熱硬化型接着剤により加熱状態で互い
に貼り合わされ、固定される。なお、この各構成要素を
固定する作業は、流路ユニット4最上層のキャビティプ
レート22の表面およびアクチュエータユニット21最
上層の圧電シート41の表面にそれぞれ形成された目印
に基づいて、位置合わせしつつ行われる。このようにし
て、ヘッド本体1aが製造される。
【0109】なお、圧電セラミックからなるアクチュエ
ータユニット21と金属からなる流路ユニット4におけ
る上側8枚のプレートとを固定するとき、および、金属
からなる上側8枚のプレートと圧電セラミックからなる
ノズルプレートとを固定するとき、加熱硬化型の接着剤
を用いるのは、異種材料を固定する場合に接合強度およ
び耐インク性を確保するためである。
【0110】以上のように、本実施の形態のインクジェ
ットヘッド1では、アクチュエータユニット21および
ノズルプレート30を線膨張係数がほぼ同じ圧電セラミ
ックから構成し、アクチュエータユニット21およびノ
ズルプレート30の間に位置する8枚の金属プレート2
2〜29を線膨張係数が圧電セラミックよりも大きなス
テンレスから構成することで、アクチュエータユニット
21および流路ユニット4全体としての反りが緩和され
る。これは、線膨張係数の異なる部材同士を加熱状態で
貼り合わせて固定すると、加熱後常温に戻ったときに部
材全体として反りが生じてしまうという問題が、膨張の
バランスをとるように貼り合わせることで軽減されるか
らである。具体的には、流路ユニット4のメインユニッ
トを構成する金属プレート22〜29の一方の面に線膨
張係数が金属プレート22〜29よりも小さなアクチュ
エータユニット21を固定し、他方の面に線膨張係数が
金属プレート22〜29より小さなノズルプレート30
を固定することで、膨張のバランスをとることができ
る。さらに、このようにして反りが緩和されることで、
印字不良や製造歩留まり悪化の問題が軽減される。
【0111】また、アクチュエータユニット21および
ノズルプレート30を構成する圧電セラミック、および
流路ユニット4におけるアクチュエータユニット21側
に位置する8枚のプレート22〜29を構成するステン
レスは、共に耐久性・耐熱性に優れ、本実施の形態のよ
うに加熱加工する場合に適した材料である。
【0112】また、アクチュエータユニット21は、活
性層を含む圧電シート41〜43と活性層を含まない圧
電シート44、45とが同じ材料で形成されているため
に、材料を交換する手間が不要で、比較的簡略な製造工
程により製造可能である。そのため、製造コストを低減
できることが期待される。さらに、活性層を含む圧電シ
ート41〜43と活性層を含まない圧電シート44、4
5とがすべて実質的に同じ厚みを有していることから
も、製造工程の簡略化によるコスト削減を図ることがで
きる。なぜなら、圧電シートとなるセラミック材料を塗
布積層していくときの厚み調整工程を簡単に行うことが
できるようになるからである。
【0113】また、インクジェットヘッド1のヘッド本
体1aでは、インク吐出領域ごとに分割された複数のア
クチュエータユニット21が、流路ユニット4の表面に
接着された状態でその長手方向に沿って配列されてい
る。これにより、焼結などによって成形されるために寸
法精度にばらつきが生じやすいアクチュエータユニット
21ごとに流路ユニット4との位置合わせを行うことが
可能となり、ヘッドを長尺化しても各アクチュエータユ
ニット21と流路ユニット4との位置ずれ量の増加が抑
制され、両者を精度よく位置合わせすることができる。
よって、目印から比較的遠くにある個別電極35a、3
5bについてもその圧力室10に対する位置が所定位置
から大幅にずれることが少なくなって、インクジェット
ヘッド1の製造歩留まりが飛躍的に向上する。他方、こ
れとは異なり、アクチュエータユニット21を流路ユニ
ット4と同様の長尺体として形成すると、アクチュエー
タユニット21を流路ユニット4と重ねたときの平面視
における各圧力室10に対する個別電極35a、35b
の位置の所定位置からのずれ量が目印から離れるに連れ
て大きくなり、目印から比較的離れた圧力室10におけ
るインク吐出性能が劣化し、インクジェットヘッド1内
でのインク吐出性能の均一性が失われてしまう。
【0114】アクチュエータユニット21では圧電シー
ト41〜43を共通電極34a、34bと個別電極35
a、35bとで挟み込んでいるので、圧電効果によって
容易に圧力室10の容積を変化させることができる。ま
た、圧電シート41〜45が連続した層状の平板(連続
平板層)であるため、アクチュエータユニット21を容
易に製造することが可能である。
【0115】また、インクジェットヘッド1は、圧力室
10に近い圧電シート44、45を非活性層とし、圧力
室10から離れた圧電シート41〜43を活性層を含む
層としたユニモルフ構造のアクチュエータユニット21
を有している。そのため、圧電横効果により圧力室10
の容積変化量を大きくすることができて、圧力室10側
に活性層、その反対側に非活性層が配置されたアクチュ
エータユニットと比較して個別電極35a、35bの駆
動電圧の低電圧化および/又は圧力室10の高集積化を
図ることが可能となる。駆動電圧の低電圧化を図ること
により、個別電極35a、35bを駆動するドライバを
小型化できてコストを抑えることができ、圧力室10を
小さくできてその高集積化を図ったときであっても十分
な量のインクを吐出することが可能となって、ヘッド1
の小型化と印刷ドットの高密度配置が実現される。
【0116】さらに、上述のように、インクジェットヘ
ッド1のヘッド本体1aでは、各アクチュエータユニッ
ト21が実質的に台形形状を有しており、各アクチュエ
ータユニット21の平行対向辺が流路ユニット4の長手
方向に沿い且つ隣接するアクチュエータユニット21の
斜辺同士が流路ユニット4の幅方向にオーバーラップす
るように複数のアクチュエータユニット21が千鳥状に
2列配置されている。このように、隣接するアクチュエ
ータユニット21の斜辺同士がオーバーラップしている
ことで、インクジェットヘッド1の長手方向において、
流路ユニット4の幅方向に沿って存在する圧力室10同
士が補完し合うことができ、高解像度印刷を実現しつ
つ、非常に幅の狭い小型のインクジェットヘッド1とす
ることができる。
【0117】次に、本発明の第2の実施の形態によるイ
ンクジェットヘッドについて、図13、図14、及び図
15を参照して説明する。図13は、本実施の形態によ
るインクジェットヘッドに含まれるヘッド本体の図3に
対応した断面図である。図14は、図13に描かれたヘ
ッド本体の左側端部近傍の拡大断面図である。図15
は、図13に描かれたベースブロックと流路ユニットと
の接着領域を示す部分平面図である。なお、本実施の形
態において、第1の実施の形態と同一部材には同一符号
を付して説明を省略する。
【0118】本実施の形態のインクジェットヘッド11
が、第1の実施の形態によるインクジェットヘッド1と
異なる点は、ベースブロックおよびヘッド本体を構成す
る材料のみである。第1の実施の形態では、ヘッド本体
1aの流路ユニット4最下層にあるノズルプレート30
は線膨張係数が略3.0×10-6(/℃)のチタン酸ジ
ルコン酸鉛(PZT)系の圧電セラミックからなるのに
対し、本実施の形態では、ノズルプレート130は線膨
張係数が略16.0×10-6(/℃)であるステンレス
からなる。つまり、本実施の形態では、流路ユニット1
4を構成する9枚のプレート全てが、線膨張係数が略1
6.0×10-6(/℃)であるステンレスからなってい
る。また、第1の実施の形態ではベースブロックを構成
する材料について特に限定していないが、本実施の形態
におけるベースブロック175は線膨張係数が略16.
0×10-6(/℃)であるSUS316からなる。
【0119】ベースブロック175は、図14によく示
されているように、第1の実施の形態の場合と同様に、
下面175bの開口13b近傍部分175cにおいての
み、ヘッド本体11aの流路ユニット14に固定されて
いる。そのため、ベースブロック175の下面175b
の開口13b近傍部分以外の領域は、ヘッド本体11a
から離隔しており、この離隔部分にアクチュエータユニ
ット21が配されている。
【0120】また、図15においてハッチングで描かれ
ている領域が、ベースブロック175と流路ユニット1
4との接着領域である。図15に示すように、ベースブ
ロック175は、流路ユニット14のアクチュエータユ
ニット21が固定されていない領域において、インク溜
まり3やインクタンク(図示せず)に連通する開口13
a,13bの領域を回避しつつ、流路ユニット14の長
手方向に沿って2列に、千鳥状に固定されている。つま
り、ベースブロック175は、アクチュエータユニット
21に固定されておらず、流路ユニット14のアクチュ
エータユニット21が固定されていない領域において、
流路ユニット14と固定されている。なお、流路ユニッ
ト14の縁でハッチングのない領域は、図13に示すホ
ルダ本体73のスカート部73aに対向する領域であ
る。
【0121】さらに、本実施の形態に係るインクジェッ
トヘッド11の製造方法において、第1の実施の形態と
異なる点について説明する。本実施の形態では、ノズル
プレート130を圧電セラミックでなくステンレスから
構成しているので、他の金属プレート22〜29と同様
に、ノズルプレート130に対してエッチングにより多
数の開口を形成する。そして開口が形成されたノズルプ
レート130を含む9枚の金属のプレート22〜29,
130を、加熱硬化型接着剤を用いることなく、互いに
貼り合わせて固定する。そしてこのようにして作製され
た流路ユニット14を、第1の実施の形態と同様に、加
熱硬化型接着剤を用いて、アクチュエータユニット21
と加熱状態で貼り合わせて固定する。流路ユニット14
は、上述した第1の実施の形態と同様に、千鳥状に配置
されたアクチュエータユニット21がない部分でベース
ブロック175に支持される構成となっている。
【0122】アクチュエータユニット21と流路ユニッ
ト14とを互いに固定した後、アクチュエータユニット
21を介在するように、ベースブロック175を流路ユ
ニット14の表面に固定する。より詳細には、ベースブ
ロック175の開口13b近傍部分175cを流路ユニ
ット14上面におけるアクチュエータユニット21が接
着されていない領域に、加熱硬化型接着剤を用いて加熱
状態で貼り合わせて固定する。
【0123】以上のように、本実施の形態のインクジェ
ットヘッド11では、アクチュエータユニット21は線
膨張係数が略3.0×10-6(/℃)の圧電セラミック
から構成され、流路ユニット14およびベースブロック
175は共に線膨張係数が略16.0×10-6(/℃)
のステンレスから構成されているので、貼り合わせて固
定した後これらが常温に戻ったとき、流路ユニット14
とアクチュエータユニット21との間の線膨張係数の差
に起因して生ずるはずの反りが、ベースブロック175
に支持されることにより緩和される。これは、第1の実
施の形態の場合と同様に、膨張のバランスがとれるから
である。また反りが緩和されることで、印字不良や製造
歩留まり悪化の問題を軽減できる。
【0124】また、ベースブロック175がアクチュエ
ータユニット21に固定されず流路ユニット14に固定
されていることにより、アクチュエータユニット21の
動作(圧電シート41〜45の変位)が阻害されない。
この場合、ベースロック175と流路ユニット14とが
互いにダイレクトに支え合うようになって、流路ユニッ
ト14およびアクチュエータユニット21の反りが緩和
される。
【0125】また、図15に示すように、アクチュエー
タユニット21とベースブロック175とを流路ユニッ
ト14の表面に互い違いになるよう千鳥状に固定するこ
とによって、流路ユニット14とアクチュエータユニッ
ト21との線膨張係数の違いに起因する反りが、より効
果的に緩和される。流路ユニット14よりもアクチュエ
ータユニット21の方が線膨張係数が小さいことから、
流路ユニット14の表面内でアクチュエータユニット2
1が固定された部分には、アクチュエータユニット21
に向かって凸となる反りが発生する。例えば流路ユニッ
ト14の表面にその長手方向に一列にアクチュエータユ
ニット21が固定されている場合、アクチュエータユニ
ット21が固定された長手方向に沿った部分に集中的
に、偏った状態で反りが発生してしまう。そのため、ベ
ースブロック175を固定しても、このような反りの偏
りは十分に緩和されない。これに対し、アクチュエータ
ユニット21を流路ユニット14の表面に千鳥状に固定
し、且つ、流路ユニット14のアクチュエータユニット
21が固定されていない領域に、アクチュエータユニッ
ト21より線膨張係数が大きいベースブロック175を
千鳥状に固定した場合は、流路ユニット14表面全体に
おいて反りの偏りがないので、反りを効果的に緩和する
ことができる。また、反りが緩和されることで、印字不
良や製造歩留まり悪化の問題を軽減できる。
【0126】以上、本発明の好適な実施の形態について
説明したが、本発明は上述の実施形態に限られるもので
はなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な
設計変更が可能なものである。
【0127】図16及び図17には、本発明の第2の実
施の形態における一変形例が示されている。図16は図
14に対応した拡大断面図、図17は図15に対応した
部分平面図である。この変形例では、図16に示すよう
に、ベースブロック275がアクチュエータユニット2
1の表面に固定されている。つまり、ベースブロック2
75は、開口203b近傍部分275cにおいて流路ユ
ニット14に固定されているだけではなく、その下面2
75bにおいてアクチュエータユニット21の上面とも
固定されている。図17において、大まかなハッチング
で描かれている領域がベースブロック275と流路ユニ
ット14との接着領域であり、細かいハッチングで描か
れている領域がベースブロック275とアクチュエータ
ユニット21との接着領域である。
【0128】この変形例によると、特に複数の活性層が
積層され、活性層の有する圧電縦効果を利用するタイプ
の場合に、圧力室10に対するアクチュエータユニット
21の変位効率を高めることができる。これは、アクチ
ュエータユニット21による厚み方向変位のうち、ベー
スブロック275側への変位が抑制され、圧力室10側
への変位が大きくなるためである。ただし、アクチュエ
ータユニットがユニモルフタイプの場合は、アクチュエ
ータユニットの動作を阻害しないよう、アクチュエータ
ユニットとベースブロックとを接触させたり固定したり
せず、離隔しておくのが好ましい。
【0129】また、第1の実施の形態では、流路ユニッ
ト4のノズルプレート30のみがそれ以外の金属プレー
ト22〜29と異なる圧電セラミックからなっている
が、ノズルプレート30のみではなくカバープレート2
9もまた金属ではなくノズルプレート30と同じ圧電セ
ラミックからなってよい。さらに、ノズルプレート30
およびカバープレート29に加えて、マニホールドプレ
ート26、27、28などもまた圧電セラミックからな
ってよい。
【0130】つまり、第1の実施の形態では、流路ユニ
ット4を構成する複数のプレート22〜30が、ノズル
プレート30を少なくとも含んだインク吐出口8側のノ
ズルプレートユニット、および、それ以外のアクチュエ
ータユニット21側のメインユニットという上下2つの
ユニットに大別される。そしてノズルプレートユニット
のプレートを圧電セラミックから構成すると共にメイン
ユニットのプレートをステンレスから構成すればよい。
なお、ノズルプレート30以外のプレートをノズルプレ
ートユニットに含める場合、即ち2以上のプレートから
ノズルプレートユニットを構成する場合、ノズルプレー
トユニットの作製方法としては、各プレートを構成する
圧電セラミックのグリーンシートにそれぞれ孔を形成し
た後それらを積層して一体に焼成してもよいし、各プレ
ートそれぞれに孔を形成して個別に焼成した後、互いに
接着してもよい。
【0131】また、第1の実施の形態における上記ノズ
ルプレートユニットを構成する材料としては、チタン酸
ジルコン酸鉛(PZT)系の圧電セラミックに限定され
ず、窒化珪素、炭化珪素、又は42合金を選択してよ
く、これらの組み合わせであってもよい。
【0132】また、第1の実施の形態において、上記ノ
ズルプレートユニットおよびアクチュエータユニット2
1を構成する材料としては、共にメインユニットを構成
する材料の線膨張係数よりも小さいものであれば、必ず
しも同一材料から構成しなくてよいし、略同一の線膨張
係数を有するものでなくてもよい。ただし、ノズルプレ
ートユニットおよびアクチュエータユニット21を構成
する材料を同一にしたり、略同一の線膨張係数を有する
ものにしたりすることで、線膨張係数の差を発生要因と
する反りがより効果的に緩和される。そして印字不良や
製造歩留まり悪化の問題をより確実に軽減することがで
きる。
【0133】また、第1の実施の形態に係るインクジェ
ットヘッド1の製造方法において、アクチュエータユニ
ット21と流路ユニット4とを固定する工程は、ノズル
プレートユニットとメインユニットとを固定して流路ユ
ニット4を作製した後、流路ユニット4の表面にアクチ
ュエータユニット21を固定するという手順に限定され
ず、例えばアクチュエータユニット21を流路ユニット
4におけるメインユニットの上面に固定した後メインユ
ニットの下面にノズルプレートユニットを固定するとい
う手順であってよいし、流路ユニット4におけるメイン
ユニットの両面にアクチュエータユニット21とノズル
プレートユニットとを同時に固定してもよい。
【0134】さらに第2の実施の形態において、流路ユ
ニット14およびベースブロック175、275を構成
する材料としては、ステンレスに限定されず、チタン、
ジルコニアセラミック、およびアルミナセラミックを選
択してよく、これらの組み合わせであってもよい。
【0135】また、第2の実施の形態において、流路ユ
ニット14およびベースブロック175、275を構成
する材料としては、共にアクチュエータユニット21を
構成する材料の線膨張係数よりも大きいものであれば、
必ずしも同一材料から構成しなくてよいし、略同一の線
膨張係数を有するものでなくてもよい。ただし、流路ユ
ニット14およびベースブロック175、275を構成
する材料を同一材料にしたり、略同一の線膨張係数を有
するものにしたりすることで、線膨張係数の差を発生要
因とする反りがより効果的に緩和される。そして印字不
良や製造歩留まり悪化の問題をより確実に軽減すること
ができる。
【0136】また、第2の実施の形態に係るインクジェ
ットヘッド11の製造方法では、アクチュエータユニッ
ト21と流路ユニット14とを固定する工程と、ベース
ブロック175、275をアクチュエータユニット21
の流路ユニット14とは反対側の面に配置して固定する
工程との順番はどちらが先であってもよく、同時でもよ
い。
【0137】また、第1および第2の実施の形態では、
図5に示すように、ベースブロック75,175、27
5内においてインクの流路となるインク溜まり3,13
が2つ平行に設けられているが、インク溜まり3,13
を1つのみとして千鳥状に配置されたアクチュエータユ
ニット21が無い部分に沿ってジグザグ状に設けてよ
い。また、流路ユニット4,14およびアクチュエータ
ユニット21の反りを緩和するという目的のみに着目す
れば、ベースブロック75,175、275内にインク
の流路となるインク溜まり3,13を形成しなくてもよ
い。
【0138】また、アクチュエータユニット21におけ
る圧電シートや電極の材料は、上述したものに限らず、
その他の公知の材料を用いてもよい。圧力室10の平面
形状や断面形状、配置形態などは、適宜変更してよい。
例えば、第1及び第2の実施の形態では複数の圧力室1
0を2次元的に配置しているが、一次元的に配置しても
よい。また、活性層を含む圧電シートの数及び活性層を
含まない圧電シートの数は、適宜変更することができ
る。また、活性層を含む圧電シート及び活性層を含まな
い圧電シートのそれぞれの層厚は、同じであってもよい
し、異なっていてもよい。また、非活性層として、圧電
シート以外の絶縁シートを用いてもよい。
【0139】また、第1及び第2の実施の形態では共通
電極34a,34bをグランド電位に保つものとしてい
るが、各圧力室10に共通の電位であればこれに限定さ
れるものではない。
【0140】また、第1及び第2の実施の形態では、最
上層の圧電シートの上方に個別電極を設けた構成となっ
ているが、本発明はこれに限定されるものではない。例
えば下方に個別電極、上方に共通電極を設けた圧電シー
トが最上層に配置されてもよい。また、第1及び第2の
実施の形態では活性層の圧力室10側に非活性層を設け
たユニモルフ構造のアクチュエータユニット21として
いるが、本発明はこれに限定されず、非活性層の圧力室
10側に活性層を設けてもよいし、活性層の圧力室10
側に非活性層を設けなくてもよい。また、アクチュエー
タユニット21に含まれる圧電シートは、多数の圧力室
10に跨って配置された連続平板層ではなく、圧力室1
0ごとに形成されてもよい。
【0141】また、第1及び第2の実施の形態では、図
5、図15、及び図17に示すように、台形とした複数
のアクチュエータユニット21を流路ユニット4、14
の表面に長手方向に沿って2列に千鳥状に配置している
が、アクチュエータユニットは必ずしも台形にしなくて
もよく、複数のアクチュエータユニットを流路ユニット
4、14の長手方向に沿って1列に配列してもよい。或
いは、アクチュエータユニットを3列以上に千鳥状に配
置してもよい。
【0142】また、上述の実施の形態では、各構成部材
を貼り合わせて固定する場合に、部位によって加熱硬化
型接着剤を用いたり用いなかったりしているが、全ての
部位に関して加熱硬化型接着剤を用いてよい。
【0143】また、上述の実施の形態では、図11
(a),(b)に示すように、FPC50にプリント配
線53、54が含まれているが、給電パッド55とドラ
イバIC80とを接続するための配線および給電パッド
60を接地するための配線の少なくとも一方が単独の信
号線として配置されていてもよい。
【0144】また、上述の実施の形態では共通電極34
a、34bが接地されているが、必ずしも接地されてい
る必要はない。例えば、アクチュエータユニット21の
動作が適切に行われるように、個別電極35a、35b
に供給する駆動信号とは異なる駆動信号を共通電極34
a、34bに対して供給すればよい。
【0145】また、上述の実施の形態ではシール部材8
5を用いてFPC50を流路ユニット4、14やホルダ
本体73に対して固定しているが、シール部材85など
を用いずに、流路ユニット4、14上面とホルダ本体7
3のスカート部73aの下面との間、又はアクチュエー
タユニット21上面とスカート部73aの下面との間で
挟持することによりFPC50を固定してもよい。
【0146】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1および請
求項13によると、流路ユニットにおけるメインユニッ
トの両面に、それよりも共に線膨張係数の小さい材料か
ら構成されたノズルプレートユニットとアクチュエータ
ユニットとを固定することで、加熱状態で固定する場合
でも部材全体としての反りが緩和され、印字不良や製造
歩留まり悪化の問題を軽減できる。
【0147】請求項2および請求項9によると、線膨張
係数の差を発生の要因とする反りをより効果的に緩和す
ることができ、印字不良や製造歩留まり悪化の問題をよ
り確実に軽減することができる。
【0148】請求項3および請求項10によると、2部
材間の線膨張係数の差をほとんどなくして反りをより効
果的に緩和することができ、印字不良や製造歩留まり悪
化の問題をより確実に軽減することができる。
【0149】請求項4および請求項11によると、より
実際に即した構成で、ノズルプレートユニットに含まれ
るプレートに要する耐久性・耐熱性を考慮したものとな
る。
【0150】請求項5および請求項14によると、アク
チュエータユニットの一面にそれよりも線膨張係数の大
きい材料から構成された流路ユニットを加熱状態で固定
する共に、アクチュエータユニットの他面にそれよりも
線膨張係数の大きい材料から構成された支持部材を配置
することで、部材全体としての反りが緩和され、印字不
良や製造歩留まり悪化の問題を軽減できる。
【0151】請求項6によると、支持部材と流路ユニッ
トとが互いをダイレクトに支え合うようになって、流路
ユニットおよびアクチュエータユニットの反りが緩和さ
れ、印字不良や製造歩留まり悪化の問題を軽減できる。
【0152】請求項7によると、支持部材とアクチュエ
ータユニットとの結合がより強くなって、流路ユニット
およびアクチュエータユニットの反りがより効果的に緩
和され、印字不良や製造歩留まり悪化の問題をより確実
に軽減できる。
【0153】請求項8および請求項15によると、アク
チュエータユニットと支持部材の流路ユニットの表面に
対する固定部とを、流路ユニットの表面において互い違
いになるよう千鳥状に固定することによって、流路ユニ
ットとアクチュエータユニットとの線膨張係数の違いに
起因する反りがより効果的に緩和される。
【0154】請求項12によると、インクジェットヘッ
ドが長尺になるとインクの流路抵抗が大きくなるが、支
持部材内にインク流路を形成することで流路抵抗を小さ
くし、インク供給を円滑に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるインクジェッ
トヘッドを含むインクジェットプリンタの概略図であ
る。
【図2】本発明の第1の実施の形態によるインクジェッ
トヘッドの斜視図である。
【図3】図2のII−II線に沿った断面図である。
【図4】図3に描かれたヘッド本体の右側端部近傍の拡
大断面図である。
【図5】図2に描かれたインクジェットヘッドに含まれ
るヘッド本体の平面図である。
【図6】図5に描かれた一点鎖線で囲まれた領域の拡大
図である。
【図7】図6に描かれた一点鎖線で囲まれた領域の拡大
図である。
【図8】図7のIII−III線に沿った、図5に描か
れたヘッド本体及びこれに貼り付けられたフレキシブル
プリント配線板の部分断面図である。
【図9】図6に描かれた二点鎖線で囲まれた領域の拡大
図である。
【図10】図5に描かれたヘッド本体及びこれに貼り付
けられたフレキシブルプリント配線板の部分分解斜視図
である。
【図11】(a)は、図7のIII−III線に沿っ
た、フレキシブルプリント配線板が貼り付けられたアク
チュエータユニットの断面図であって、図8内に描かれ
た一点鎖線で囲まれた領域の拡大断面図である。(b)
は、図7のIV−IV線に沿った、フレキシブルプリン
ト配線板が貼り付けられたアクチュエータユニットの断
面図である。(c)は、図11(a)の一点鎖線で描か
れた丸枠内拡大図である。(d)は、図11(b)の一
点鎖線で描かれた丸枠内拡大図である。
【図12】図7の模式的な部分拡大平面図である。
【図13】本発明の第2の実施の形態によるインクジェ
ットヘッドに含まれるヘッド本体の図3に対応した断面
図である。
【図14】図13に描かれたヘッド本体の左側端部近傍
の拡大断面図である。
【図15】図13に描かれたベースブロックと流路ユニ
ットとの接着領域を示す部分平面図である。
【図16】本発明の第2の実施の形態の一変形例におけ
る、図14に対応した拡大断面図である。
【図17】本発明の第2の実施の形態の一変形例におけ
る、ベースブロックと流路ユニットとの接着領域及びベ
ースブロックとアクチュエータユニットとの接着領域を
示す図15に対応した部分平面図である。
【符号の説明】
1 インクジェットヘッド 1a,11a ヘッド本体 3、13 インク溜まり 3a、3b 開口 4,14 流路ユニット 5 マニホールド(インク供給源) 5a 副マニホールド(インク供給源) 8 インク吐出口(ノズル) 10 圧力室 12 アパーチャ 21 アクチュエータユニット 22 キャビティプレート 30 ノズルプレート(ノズルプレートユニット) 32 インク流路 34a、34b 共通電極 35a、35b 個別電極 38 接地用電極 41〜43 圧電シート 44、45 圧電シート 50 フレキシブルプリント配線板(FPC) 71 基部 72 ホルダ 75,175,275 ベースブロック(支持部材) 85 シール部材 101 インクジェットプリンタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C057 AF93 AG15 AG38 AG40 AG90 AG91 AH05 AN05 AP02 AP13 AP14 AP23 AP25 AP55 AQ02 AQ06 BA04 BA14

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ノズルが形成されたノズルプレートを含
    むノズルプレートユニット、および、前記ノズルプレー
    トユニットに積層方向に固定され、一端を前記ノズルに
    他端をインク供給源にそれぞれ接続され且つ平面に沿っ
    て相互に隣接配置された複数の圧力室を有するメインユ
    ニットからなる流路ユニットと、 前記流路ユニットにおける前記メインユニットの前記ノ
    ズルプレートユニットとは反対側に固定された、前記圧
    力室の容積を変化させるためのアクチュエータユニット
    とを備えており、 前記アクチュエータユニットを構成する材料の線膨張係
    数が前記メインユニットを構成する材料の線膨張係数よ
    りも小さく、且つ、前記ノズルプレートユニットを構成
    する材料の線膨張係数が前記メインユニットを構成する
    材料の線膨張係数よりも小さいことを特徴とするインク
    ジェットヘッド。
  2. 【請求項2】 前記ノズルプレートユニットを構成する
    材料の線膨張係数が、前記アクチュエータユニットを構
    成する材料の線膨張係数と実質的に同一であることを特
    徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッド。
  3. 【請求項3】 前記ノズルプレートユニットを構成する
    材料と前記アクチュエータユニットを構成する材料とが
    同一であることを特徴とする請求項1又は2に記載のイ
    ンクジェットヘッド。
  4. 【請求項4】 前記ノズルプレートユニットが、窒化珪
    素、炭化珪素および42合金からなる群より選択された
    少なくとも1つの材料から構成されていることを特徴と
    する請求項1〜3のいずれか一項に記載のインクジェッ
    トヘッド。
  5. 【請求項5】 一端をノズルに他端をインク供給源にそ
    れぞれ接続され且つ平面に沿って相互に隣接配置された
    複数の圧力室を有する流路ユニットと、 前記流路ユニットの表面に固定された、前記圧力室の容
    積を変化させるためのアクチュエータユニットと、 前記アクチュエータユニットに対して前記流路ユニット
    とは反対側に配置された支持部材とを備えており、 前記流路ユニットを構成する材料の線膨張係数が、前記
    アクチュエータユニットを構成する材料の線膨張係数よ
    りも大きく、且つ、前記支持部材を構成する材料の線膨
    張係数が、前記アクチュエータユニットを構成する材料
    の線膨張係数よりも大きいことを特徴とするインクジェ
    ットヘッド。
  6. 【請求項6】 前記支持部材が前記アクチュエータユニ
    ットに固定されておらず、 前記支持部材と前記流路ユニットとが前記流路ユニット
    の前記アクチュエータユニットが固定されていない領域
    において固定されていることを特徴とする請求項5に記
    載のインクジェットヘッド。
  7. 【請求項7】 前記支持部材が前記アクチュエータユニ
    ットに固定されていることを特徴とする請求項5に記載
    のインクジェットヘッド。
  8. 【請求項8】 一端をノズルに他端をインク供給源にそ
    れぞれ接続され且つ平面に沿って相互に隣接配置された
    複数の圧力室を有する流路ユニットと、 前記流路ユニットの表面に千鳥状に固定された、前記圧
    力室の容積を変化させるためのアクチュエータユニット
    と、 前記アクチュエータユニットに対して前記流路ユニット
    とは反対側に配置され且つ前記流路ユニットの前記アク
    チュエータユニットが固定されていない領域において前
    記流路ユニットの前記表面に固定される千鳥状に配置さ
    れた複数の固定部を有する支持部材とを備え、 前記流路ユニットの前記表面において、前記支持部材の
    前記固定部と前記アクチュエータユニットとが互いに隣
    接配置されており、 前記流路ユニットを構成する材料の線膨張係数が前記ア
    クチュエータユニットを構成する材料の線膨張係数より
    も大きく、且つ、前記支持部材を構成する材料の線膨張
    係数が前記アクチュエータユニットを構成する材料の線
    膨張係数よりも大きいことを特徴とするインクジェット
    ヘッド。
  9. 【請求項9】 前記流路ユニットを構成する材料の線膨
    張係数が、前記支持部材を構成する材料の線膨張係数と
    実質的に同一であることを特徴とする請求項5〜8のい
    ずれか一項に記載のインクジェットヘッド。
  10. 【請求項10】 前記流路ユニットを構成する材料と前
    記支持部材を構成する材料とが同一であることを特徴と
    する請求項5〜9のいずれか一項に記載のインクジェッ
    トヘッド。
  11. 【請求項11】 前記アクチュエータユニットが圧電セ
    ラミックから構成されており、前記流路ユニットおよび
    前記支持部材がステンレス、チタン、ジルコニアセラミ
    ックおよびアルミナセラミックからなる群より選択され
    た少なくとも1つの材料から構成されていることを特徴
    とする請求項5〜10のいずれか一項に記載のインクジ
    ェットヘッド。
  12. 【請求項12】 前記流路ユニットにインクを供給する
    ためのインク流路が前記支持部材内に形成されているこ
    とを特徴とする請求項5〜11のいずれか一項に記載の
    インクジェットヘッド。
  13. 【請求項13】 ノズルが形成されたノズルプレートを
    含むノズルプレートユニット、および、一端を前記ノズ
    ルに他端をインク供給源にそれぞれ接続され且つ平面に
    沿って相互に隣接配置された複数の圧力室を有するメイ
    ンユニットからなる流路ユニットと、前記圧力室の容積
    を変化させるためのアクチュエータユニットとを含んだ
    インクジェットヘッドの製造方法において、 前記ノズルプレートユニットと、前記ノズルプレートユ
    ニットを構成する材料よりも線膨張係数が大きい材料か
    ら構成された前記メインユニットとを加熱状態で積層方
    向に固定する工程と、 前記メインユニットを構成する材料よりも線膨張係数が
    小さい材料から構成された前記アクチュエータユニット
    を、加熱状態で前記流路ユニットにおける前記メインユ
    ニットの前記ノズルプレートユニットとは反対側に固定
    する工程とを備えていることを特徴とするインクジェッ
    トヘッドの製造方法。
  14. 【請求項14】 一端をノズルに他端をインク供給源に
    それぞれ接続され且つ平面に沿って相互に隣接配置され
    た複数の圧力室を有する流路ユニットと、前記圧力室の
    容積を変化させるためのアクチュエータユニットとを含
    んだインクジェットヘッドの製造方法において、 前記流路ユニットの表面に、前記流路ユニットを構成す
    る材料よりも線膨張係数が小さい材料から構成された前
    記アクチュエータユニットを加熱状態で固定する工程
    と、 前記アクチュエータユニットを構成する材料よりも線膨
    張係数が大きい材料から構成された支持部材を、前記ア
    クチュエータユニットに対して前記流路ユニットとは反
    対側に配置する工程とを備えていることを特徴とするイ
    ンクジェットヘッドの製造方法。
  15. 【請求項15】 一端をノズルに他端をインク供給源に
    それぞれ接続され且つ平面に沿って相互に隣接配置され
    た複数の圧力室を有する流路ユニットと、前記圧力室の
    容積を変化させるためのアクチュエータユニットと、前
    記アクチュエータユニットに対して前記流路ユニットと
    反対側に配置された支持部材とを含んだインクジェット
    ヘッドの製造方法において、 前記流路ユニットを構成する材料よりも線膨張係数が小
    さい材料から構成された複数の前記アクチュエータユニ
    ットを、前記流路ユニットの表面に千鳥状に配置される
    ように、加熱状態で固定する工程と、 前記アクチュエータユニットを構成する材料よりも線膨
    張係数が大きい材料から構成された前記支持部材を、前
    記流路ユニットの前記アクチュエータユニットが固定さ
    れていない領域において前記流路ユニットの前記表面に
    対する複数の固定部が千鳥状に配置されるように固定す
    る工程とを備えていることを特徴とするインクジェット
    ヘッドの製造方法。
  16. 【請求項16】 請求項1〜12のいずれか一項に係る
    インクジェットヘッドを備えていることを特徴とするイ
    ンクジェットプリンタ。
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