JP4497127B2 - インクジェットヘッド - Google Patents

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本発明は、インクジェットヘッド、特に、インクを吐出する吐出アクチュエータ及び吐出アクチュエータに電気的に接続された配線部材を有するインクジェットヘッドに関する。
インクを吐出するインクジェットヘッドにおいて、インク流路内のインクに圧力を印加するなどの方法によりノズルからインクを吐出させる吐出アクチュエータが内部に設置されている場合がある。このような吐出アクチュエータに電気的な信号を供給するなどのために、配線部材が用いられることがある。特許文献1にはこのようなインクジェットヘッドの一例が示されている。
このようなインクジェットヘッドの内部にインクが浸入して吐出アクチュエータが汚染されると、インクの吐出が期待通りになされなくなることがある。そこで、インクジェットヘッドの内部にインクが浸入しないように、インクジェットヘッドを構成する部材同士の隙間にシール部材を充填するなどの対策がなされる。特に、吐出アクチュエータに配線部材が接続される場合には、配線部材を伝ってインクが吐出アクチュエータまで浸入するおそれもある。そこで、特許文献1においては、インクジェットヘッドの内部にインクが浸入しないように、ヘッドカバーと配線部材との隙間を塞ぐシール部材が塗付されている。
特開2003−80793号公報(図6)
しかし、シール部材を塗付する際に、シール部材自体が吐出アクチュエータまで浸入することもあり得る。例えば、特許文献1のように配線部材とヘッドカバーとの隙間にシール部材が配置される場合には、配線部材を伝ってシール部材が浸入するおそれもある。
本発明の目的は、シール部材が吐出アクチュエータまで浸入しにくいインクジェットヘッドを提供することにある。
本発明のインクジェットヘッドは、ノズル及びノズルに連通するインク流路が形成された流路ユニットと、前記流路ユニットにおいて前記ノズルが開口した表面とは反対側の一表面に貼り合わされ、前記ノズルから液滴を吐出させる吐出アクチュエータと、前記吐出アクチュエータから離隔した位置で前記流路ユニットと当接すると共に、前記一表面に沿った方向に交差するように、前記表面に立設された板部材と、前記吐出アクチュエータと電気的に接続され、前記板部材に沿うように前記吐出アクチュエータから延在する配線部材とを有するインクジェットヘッドにおいて、前記流路ユニット及び前記板部材の両方に跨るように、前記流路ユニットの前記板部材との当接部に沿って塗付されたシール部材と、前記表面から離隔した位置において前記配線部材及び前記板部材のいずれか一方に支持され、且つ、前記表面に当接する当接シートとを備えており、前記当接シートが、前記シール部材が塗付されている位置と前記吐出アクチュエータが貼り合わされている位置との間で前記表面に当接している。
吐出アクチュエータを保護する目的で設置されるカバー等の板部材と流路ユニットとの間からインクが浸入しないようにする等のために、シール部材が塗布されることがある。しかし、製造工程等において、このようなシール部材自体が板部材と流路ユニットとの間から浸入することもある。このような場合、浸入したシール部材が吐出アクチュエータまで達すると、吐出アクチュエータが誤動作するおそれがある。本発明のインクジェットヘッドによると、板部材と吐出アクチュエータとの間に、流路ユニットに当接する当接シートが配置されているため、板部材と流路ユニットとの間から浸入したシール部材は、当接シートによってそれ以上の浸入を妨げられる。これによって、シール部材が吐出アクチュエータまで浸入するのが抑えられる。
また、本発明においては、前記当接シートの前記流路ユニットとの当接部が、前記板部材の前記流路ユニットとの当接部に沿って延在していることが好ましい。この構成によると、当接シートの流路ユニットとの当接部が板部材の流路ユニットとの当接部に沿って延在しているので、当接シートの当接部が延在している範囲でシール部材が吐出アクチュエータまで浸入しにくくなる。
また、本発明においては、前記当接シートが、可撓性を有した弾性部材であり、前記板部材に向かって凸形状に撓むように配設されていることが好ましい。この構成によると、当接シートが板部材に向かって撓んでいることにより、撓んだ状態から戻ろうとする弾性力で当接シートが流路ユニットの表面に押し付けられる。これによって、撓んでいない場合と比べて、当接シートと流路ユニットの表面とが互いに当接した状態が確実に保持される。
また、本発明においては、前記当接シートが、前記配線部材に接着されていることが好ましい。この構成によると、当接シートが配線部材に接着されているため当接シートが確実に支持される。
また、本発明においては、前記配線部材が、前記板部材に向かって凸形状に撓むように前記吐出アクチュエータから延在しており、前記当接シートの前記配線部材との接着領域が、前記配線部材と共に撓んでいることが好ましい。この構成によると、配線部材がインクジェットヘッド内に畳み込まれる等によって配線部材に生じた撓みが、板部材を圧迫する。これによって板部材と流路ユニットとが互いに当接しなくなり、板部材と流路ユニットとの隙間からシール部材が浸入する場合がある。つまり、上記の構成によると本発明に係る問題が生じやすくなる場合がある。したがって、このような場合においてシール部材の浸入を防ぐ本発明が適用されることに特に意義がある。また、上記の構成によると当接シートが配線部材に接着されているため、配線部材の撓みに沿って当接シートが撓んだ状態が確実に保持される。当接シートが撓むと、上記の通り、当接シートと流路ユニットの表面とが互いに当接した状態が確実に保持される。
また、本発明においては、前記当接シートが、粘着性の一方の面を有し、前記配線部材が、前記当接シートとの接着領域において、前記当接シートに粘着されていることが好ましい。この構成によると、当接シートが粘着性を有していることにより確実に配線部材に接着されている。また、例えば熱硬化性の接着剤を用いる場合のように接着剤を硬化させる工程を要さず、製造工程が簡易になる。さらに、配線部材が撓んでいる場合には、配線部材の撓んだ部分に粘着されることにより配線部材と共に当接シートも撓むので、当接シートと流路ユニットの表面とが互いに当接した状態が確実に保持される。
また、本発明においては、前記配線部材の前記当接シートとの接着領域において、前記配線部材が前記板部材と共に前記当接シートを挟持していることが好ましい。この構成によると、板部材と配線部材とが当接シートを挟持しているので、当接シートと流路ユニットの表面とが互いに当接した状態が確実に保持される。
また、本発明においては、前記吐出アクチュエータが、前記流路ユニットに貼り合わされた第1表面、前記第1表面に平行で前記配線部材が接続された第2表面及び前記第1表面と前記第2表面とをつなぐ側面を有しており、前記当接シートが、前記吐出アクチュエータの側面と対向し前記配線部材から離隔した非接着領域と、前記吐出アクチュエータから延在した前記配線部材に接着された前記接着領域とを有し、前記非接着領域の端部で前記表面と当接していることが好ましい。この構成によると、吐出アクチュエータの近傍において配線部材と当接シートとが離隔している。したがって、当接シートが撓むことによって当接シートが配線部材に印加する弾性力が配線部材における吐出アクチュエータとの接合部まで影響を与えにくい。これによって、配線部材と吐出アクチュエータとの電気的な接合が破損するのが抑制される。
また、本発明においては、前記当接シートが、前記吐出アクチュエータの側面に当接していることが好ましい。当接シートの配置がずれると当接シートと流路ユニットの表面とが互いに当接した状態が保持されなくなるおそれがある。上記の構成によると、吐出アクチュエータの側面に当接シートが当接していることにより、当接シートが板部材から離隔する方向に移動するのが抑えられる。これによって、当接シートの配置がずれて当接シートと流路ユニットの表面とが当接しなくなる事態が防止される。また、当接シートが撓んでいる場合には、当接シートの配置がずれて当接シートの撓みが緩むのが防止される。
また、本発明においては、前記流路ユニットは、表面に形成された凹部を有し、前記板部材は、前記一表面に当接する一端に形成された突起部を有し、前記流路ユニットの凹部に前記突起部が嵌合することによって前記流路ユニットに固定されていることが好ましい。この構成によると、流路ユニットの凹部に板部材の突起が嵌まっていることにより、板部材が吐出アクチュエータから離隔する方向に沿って移動することが防止される。これによって、板部材と流路ユニットの表面とが互いに当接した状態が保持される。このため、板部材と流路ユニットとの間に隙間が空いたりせず、したがってこのような隙間からシール部材が浸入することが抑えられる。
また、本発明においては、前記吐出アクチュエータが、前記第2表面に形成された複数の表面電極を有し、前記配線部材が、前記吐出アクチュエータを駆動するための駆動信号を前記複数の表面電極のそれぞれに供給する複数の信号線を有し、前記複数の信号線が、それぞれの一端が対応する前記表面電極に電気的に接続されていると共に、前記第2表面から引き出されており、前記凹部が、平面視において、前記第2表面から前記信号線が引き出されている方向の前方に配置されていることが好ましい。このような位置関係に凹部が形成されていると、板部材が流路ユニットにしっかりと固定されることになるので、当接シートを確実に支えることができ、撓んだ当接シートの平坦な状態に戻ろうとする力を流路ユニットとの当接部に伝えることができる。また、吐出アクチュエータの駆動のために電気信号を送出する複数の信号線からなる配線部材が吐出アクチュエータに接続される場合がある。このような場合には1本の信号線からなる場合と比べて配線部材の幅が広くなることが多く、配線部材が撓むことによって板部材が圧迫されるケースが多くなる。したがって、上記のような構成においてシール部材の浸入を防ぐ本発明が適用されることに特に意義がある。
また、本発明においては、前記当接シートに使用されている材料の熱伝導率が、前記配線部材に使用されている材料の熱伝導率より大きいことが好ましい。この構成によると、当接シートの熱伝導率が配線部材の熱伝導率よりも大きいため、当接シートを介して配線部材が放熱されやすくなる。
また、本発明においては、前記流路ユニットは、前記一表面に前記インク流路に液体を供給する液体供給口を有し、前記吐出アクチュエータと対向する対向部と前記液体を一時的に貯留する液体貯留部とを有し、前記液体供給口に連通するように前記流路ユニットに積層された液体供給ユニットをさらに備え、前記液体供給ユニットは、前記対向部と前記吐出アクチュエータとが間隙を介して対向するように、前記流路ユニットに積層され、前記配線部材が、前記間隙の開口を構成する前記対向部の端縁部に当接しつつ前記板部材に向かって凸形状に撓んで前記間隙から引き出され、且つ、前記対向部の端縁部より前記表面から離隔した位置で前記当接シートを前記板部材と共に挟持していることが好ましい。この構成によると、インク供給ユニットの対向部を迂回するように配線部材が配置されているため、配線部材が板部材に向かって撓んでいる。このような場合、配線部材が板部材を圧迫するケースが多くなる。したがって、上記のような構成においてシール部材の浸入を防止する本発明が適用されることに特に意義がある。また、本発明においては、前記板部材が、前記吐出アクチュエータを含む前記一表面上の構造物を覆うカバー部材の一部であってもよいし、前記板部材が、前記一表面に沿った方向に関して前記吐出アクチュエータを互いの間に挟む板状の2枚のヒートシンクであってもよい。
<ヘッド外観>
図1は、本発明の一実施形態によるインクジェットヘッド100の概略構成図である。インクジェットヘッド100は平面視において一方向に長尺な形状を有している。なお、本実施形態において主走査方向とはインクジェットヘッド100の平面視において長尺な方向であり、副走査方向とは平面視において主走査方向に垂直な方向である。そして、下方向とはインクジェットヘッド100から吐出されるインクの吐出方向であり、上方向とは下方向と逆の方向である。
インクジェットヘッド100は、下面にノズル8が形成されたヘッド本体13とヘッド本体13にインクを供給するインクリザーバ130とを有している。インクリザーバ130は、上リザーバ131、リザーバベース132及び下リザーバ133(液体供給ユニット)を有している。上リザーバ131、リザーバベース132、下リザーバ133及びヘッド本体13のいずれも平面視において概略的に長方形の形状を有しており、その長辺が主走査方向に沿っている。これらの部材は、上方から下方へと、上リザーバ131、リザーバベース132、下リザーバ133及びヘッド本体13の順に積層されている。
インクジェットヘッド100はヘッドカバー110を有している。ヘッドカバー110は、一方の面が下方向に開口した箱形の概略形状を有している。ヘッドカバー110は、リザーバベース132の上面に設置された上リザーバ131等の部品を覆うようにリザーバベース132上に設置されている。ヘッドカバー110の上面にはインク供給弁111が設けられている。インクリザーバ130の内部にはインク流路が形成されており、インク供給弁111を通じてインクリザーバ130の内部のインク流路にインクが供給される。
ヘッドカバー110の側面には切り込み110aが形成されている。切り込み110aは、ヘッドカバー110の上下方向に沿って側面の下端から側面の中央近傍に亘って、ヘッドカバー110の側面が欠けている部分である。切り込み110aは長方形の形状を有しており、その長辺は主走査方向に沿っている。また、短辺はヘッドカバー110の側面の下端から上方向に沿っている。ヘッドカバー110が被された状態で、インクジェットヘッド100の側面から切り込み110aを通じてヘッドカバー110の内部がヘッドカバー110の外部へと現れている。インクジェットヘッド100の側面においてヘッドカバー110の内側にはヒートシンク150(後述)が設けられている。
インクジェットヘッド100はインクジェットプリンタ等のインクジェット方式を用いるあらゆる文字・画像記録装置に適用される。例えばインクジェットヘッド100がインクジェットプリンタに適用される場合には、インクジェットヘッド100の平面視において長手方向が主走査方向に、短手方向が副走査方向にそれぞれ沿うように配置される。そして、ヘッド本体13の下面に形成されたノズル8に対向する位置に印刷用紙が搬送されると、ノズル8からインクが吐出され、印刷用紙に文字、画像等が形成される。インクジェットヘッド100に使用されるインクは、例えばインクジェットプリンタに設けられたインクカートリッジから、インク供給弁111に接続されたインクチューブを介して供給される。
<ヘッド内観>
図2は、ヘッドカバー110及びヒートシンク150が取り外された状態におけるインクジェットヘッド100の斜視図である。
インクリザーバ130の上方には制御基板170が固定されている。制御基板170は、概略的に主走査方向について長尺な長方形の形状を有している。副走査方向について制御基板170の長さと上リザーバ131の長さとはほぼ同じである。制御基板170の上面には各種のIC(Integrated Circuit)チップやコンデンサ等の電子部品が固定されており、多数の配線が施されている。制御基板170には、これらの電子部品や配線によって各種のプロセッサや記憶装置が構築されている。制御基板170上に構築された記憶装置にはインクジェットヘッド100を制御するためのプログラムを示すデータや一時的な作業用のデータが記憶されている。制御基板170上に構築されたプロセッサは、これらのデータに基づいてインクジェットヘッド100の動作を制御する。
制御基板170の上面には4つのコネクタ170aが固定されている。コネクタ170aは制御基板170上に構築された各種のプロセッサや記憶装置と電気的に接続されている。コネクタ170aのうちの2つは、制御基板170上で副走査方向について一方の端部に、残りの2つは他方の端部に沿って、それぞれ主走査方向について等間隔に固定されている。また4つのコネクタ170aは、副走査方向について互いに対向しないように、制御基板170上で主走査方向について等間隔に配列されている。つまり4つのコネクタ170aは、平面視において制御基板170上に千鳥状に配列されている。
インクリザーバ130(上リザーバ131、リザーバベース132及び下リザーバ133)の副走査方向に関する側面には4つのドライバIC160が固定されている。ドライバIC160は、各側面に2つずつ、且つ、各コネクタ170aの下方の近傍にそれぞれ固定されている。
各コネクタ170aの上リザーバ131に最も近い面にはFPC(Flexible Printed Circuit)162の一端が接続されている。FPC162は可撓性のシート状の部材であり、その内部には配線が施されている。FPC162は、コネクタ170aからインクリザーバ130の側面に沿って下方へと向かい、下リザーバ133まで達している。FPC162の他端は下リザーバ133の側面に形成された開口から下リザーバ133とヘッド本体13との間へと挿入されており、ヘッド本体13の上面に配置されたアクチュエータユニット21(後述)に接続されている。
4枚のFPC162のそれぞれにはドライバIC160が1つずつ接続されている。ドライバIC160は、各FPC162の表面において、コネクタ170aから下リザーバ133までの領域内に接続されている。本実施形態では、上リザーバ131の側面に対向して配置されている。ドライバIC160は、インクジェットヘッド100からのインク吐出を制御するICチップである。ドライバIC160は主走査方向について長尺で副走査方向について扁平な形状を有している。
4枚のFPC162のそれぞれには、当接シート180(後述)が貼り合わされている。当接シート180の上端はドライバIC160よりも下方に位置している。当接シート180の下端は、下リザーバ133の側面に形成された開口から下リザーバ133とヘッド本体13との間隙(後述)内へとFPC162と共に挿入されている。逆に、FPC162は、この間隙から副走査方向に引き出され、インクリザーバ130の側面に沿って上方へと引き上げられ、さらに、制御基板170上のコネクタ170aに接続されている。
インクリザーバ130の上面にはインク供給口131aが形成されている。インク供給口131aはヘッドカバー110の上面に設けられたインク供給弁111に連通している。
流路ユニット4の上面には凹部13aが形成されている。凹部13aは、流路ユニット4の表面から流路ユニット4の内部へと流路ユニット4の厚さ方向に掘り込まれた溝状の形状を有している。凹部13aは流路ユニット4の上面に8つ形成されており、図2にはそのうちの4つが示されている。図2に示されている4つの凹部13aのうちの2つは、副走査方向についてFPC162の引き出し方向の前方に形成されている。残りの2つは、主走査方向に沿って上記の2つと交互に並ぶように形成されている。いずれの凹部13aも、流路ユニット4の副走査方向の端縁部に沿って形成されている。
<ヘッド断面>
図3(a)は、図1のIII−III線に沿ったインクジェットヘッド100の縦断面図である。ヘッド本体13は、流路ユニット4と流路ユニット4の上面に貼り合わされたアクチュエータユニット21とを有している。下リザーバ133は、アクチュエータユニット21と対向していない非対向部133cとアクチュエータユニット21と対向している対向部133dとを有している。非対向部133cの下面は流路ユニット4の上面と当接しているが、対向部133dの下面は流路ユニット4の上面から離隔している。これによって、対向部133d、非対向部133c及び流路ユニット4の間には間隙が形成されており、その間隙内にアクチュエータユニット21が配置されている。
下リザーバ133の内部にはインク貯留部133a(液体貯留部)が形成されており、下リザーバ133の下面にはインク貯留部133aの開口133eが形成されている。開口133eは、非対向部133cの下面において、流路ユニット4の上面に形成された後述の開口5bに連通する位置に形成されている。また、下リザーバ133の上面には、別の開口が形成されており、この開口とインク貯留部133aとは、上面部に形成された流路133bによって互いに接続している。上リザーバ131及びリザーバベース132の内部には、図示されていないインク流路が形成されている。このインク流路の一方の開口がリザーバベース132の下面に形成されている。このインク流路の他方の開口はインク供給口131aであり、インク供給口131aに供給されたインクは、上リザーバ131及びリザーバベース132の内部に形成されたインク流路を通じて、下リザーバ133のインク貯留部133aに供給される。
インクジェットヘッド100は、2枚の対向配置されたヒートシンク150(板部材)を有している。ヒートシンク150はアルミニウム等の金属からなる平板状の部材である。2枚のヒートシンク150のそれぞれは副走査方向について流路ユニット4の両端の近傍に立設されている。ヒートシンク150は、上下方向及び主走査方向の両方向に沿って延在しており、図3においてインクリザーバ130の右側面及び左側面に対向している。
ヒートシンク150の下端には、図3(b)に示されているように突起部150aが形成されている。ヒートシンク150が流路ユニット4上に立設される際に、流路ユニット4の上面に形成されている凹部13aに突起部150aが嵌合される。これによって、図3(a)に示されているように、ヒートシンク150が流路ユニット4に固定されており、ヒートシンク150の下端が流路ユニット4の上面に当接している。
ヒートシンク150の上端は、図3(a)に示されているようにヘッドカバー110によって覆われている。ヒートシンク150におけるインクリザーバ130と対向していない表面(外表面)の上端の近傍が、ヘッドカバー110における内表面の下端の近傍と当接している。
ヒートシンク150におけるインクリザーバ130と対向していない表面、すなわち、インクジェットヘッド100の外部へと面した表面には、シール部材184及び185が塗付されている。シール部材184は、ヒートシンク150の表面におけるヘッドカバー110の当接部に、ヒートシンク150とヘッドカバー110との隙間を埋めるように塗布されている。シール部材185は、ヒートシンク150の表面における流路ユニット4との当接部に、ヒートシンク150と流路ユニット4との隙間を埋めるように塗布されている。各当接部は、主走査方向に沿って延在している。そのため、シール部材184、185は、対応する当接部において、それぞれ主走査方向に沿って塗付されている。
ところで、後述のように流路ユニット4の下面に形成されたノズル8からインクが吐出されると、インクの小滴からなる霧状のインクミストがインクジェットヘッド100の内部に入り込もうとする。ヒートシンク150の表面にシール部材184及び185が塗付されていることにより、ヒートシンク150とヘッドカバー110との隙間やヒートシンク150と流路ユニット4との隙間がある場合にも、その隙間がシール部材184及び185によって塞がれる。したがって、インクジェットヘッド100の内部にインクが浸入するのが抑制される。
アクチュエータユニット21の上面にはFPC162が貼り合わされている。FPC162は、アクチュエータユニット21の副走査方向に関する幅のほぼ全体に亘って、アクチュエータユニット21に貼り合わされている。FPC162は、図3(a)において、下リザーバ133の右端と流路ユニット4の上面との間に形成された開口を通ってアクチュエータユニット21から右方へと引き出されている。そして、ヒートシンク150と下リザーバ133の右端との間で上方へと湾曲している。さらにそこから、ヒートシンク150とインクリザーバ130の右側面との間を通って上方のコネクタ170aまで延在している。
FPC162におけるヒートシンク150に対向する表面には、ドライバIC160が設置されている。ドライバIC160は、インクリザーバ130の側面に対向する位置に配置されており、副走査方向についてFPC162及びヒートシンク150に挟持されている。ドライバIC160の一方の表面はヒートシンク150に密着されており、ドライバIC160から発生する熱がヒートシンク150を通じて開放される。
<当接シート>
上記の通り、インクジェットヘッド100へインクが浸入するのを抑制するため、流路ユニット4におけるヒートシンク150との当接部にはシール部材185が塗付されている。しかし、シール部材185を塗付する際にシール部材185自体がヒートシンク150と流路ユニット4との隙間から浸入することがある。あるいは、シール部材185が塗付されていてもなお、インクが浸入する場合もある。インクジェットヘッド100の内部にシール部材185やインクが浸入しアクチュエータユニット21に到達してアクチュエータユニット21が汚染されると、アクチュエータユニット21の動作に不具合が生じるおそれがある。
このような事態を防ぐため、インクジェットヘッド100には当接シート180が設置されている。当接シート180は、PET(ポリエチレンテレフタレート)からなる基層の両面にアクリル系の粘着材からなる粘着層が形成された、3層構造を有するシート状の部材である。当接シート180は可撓性を有する弾性部材である。図3(a)に示されているように、当接シート180は、インクリザーバ130とヒートシンク150との間において流路ユニット4の近傍に設置されている。
図4は図3(a)の一点鎖線に囲まれた領域の拡大図である。図4に示されているように、当接シート180は、流路ユニット4の上面からヒートシンク150に向かって凸形状に撓みつつ上方へと延在している。当接シート180の上端の近傍は、FPC162とヒートシンク150とに挟持されている。
当接シート180においてFPC162及びヒートシンク150に挟持されている部分を含むシート上部180a(接着領域)の一方の表面は、ヘッドカバー110の内表面に対向するFPC162の一方の表面に粘着されている。これによって、FPC162は、シート上部180aに沿ってヒートシンク150に向かって撓んでいる。シート上部180aの他方の表面は、シート上部180aの上端からシート上部180aの半ばに亘ってヒートシンク150の表面に粘着されている。
シート下部180b(非接着領域)は、FPC162及びヒートシンク150のいずれとも当接していない。シート下部180bの下端はアクチュエータユニット21の側面21c及び流路ユニット4の上面に当接している。なお、アクチュエータユニット21の側面21cは、アクチュエータユニット21における流路ユニット4に貼り合わされた表面21aと表面21aに平行でFPC162が接続された表面21bとの間に形成されており、表面21aと表面21bとを繋いでいる。シート下部180bの下端と流路ユニット4との当接部は、ヒートシンク150との当接部に平行に延在している(図1及び図2参照)。そして、シート下部180bと流路ユニット4との当接部は、主走査方向に沿ってアクチュエータユニット21と同じ長さに延在している。
FPC162において下リザーバ133に対向している表面は、下リザーバ133の端縁133fに当接している。端縁133fは、下リザーバ133の下面と右側面との間に形成されており、FPC162に図4において右下方への抗力を印加している。そのため、FPC162は、端縁133fでヒートシンク150に向かって湾曲している。
以上のとおりに当接シート180が設置されていることにより、シール部材185やインクがヒートシンク150と流路ユニット4との隙間を通じてインクジェットヘッド100の内部に浸入した場合にも、当接シート180と流路ユニット4との当接部によってアクチュエータユニット21までシール部材185やインクが到達するのが抑制される。下リザーバ133の端縁133fとFPC162との当接も、アクチュエータユニット21側へのインクの侵入抑制に寄与している。また、当接シート180とヒートシンク150との粘着は、制御基板170側へのインクの侵入抑制に寄与している。したがって、アクチュエータユニット21の正常な動作が確保されやすくなる。
また、当接シート180は主走査方向に沿ってアクチュエータユニット21と同じ長さに延在しており、流路ユニット4の上面の当接シート180との当接部もアクチュエータユニット21と同じ長さに延在している。このため、主走査方向に沿って幅広くシール部材185等が浸入した場合にも、アクチュエータユニット21への到達が、副走査方向について幅広く抑制される。
また、当接シート180は可撓性を有しており、図4に示されているように撓んだ状態で設置されている。そして、FPC162及びヒートシンク150に当接シート180の一端が挟持されている。また、アクチュエータユニット21の側面21c及び流路ユニット4の上面に他端が支持されている。これらによって、当接シート180の上端が上下方向にずれたり、当接シート180の下端が副走査方向にずれたりするのが抑制されると共に、当接シート180の撓みが緩むのが防止される。そして、当接シート180の撓みに対する弾性力によってシート下部180bの下端が流路ユニット4に押し付けられており、当接シート180と流路ユニット4とが確実に密着している。これによって、シール部材185の浸入が確実に抑制されている。
また、FPC162は下リザーバ133の端縁133fに当接しており、右下方向への抗力を受けている。これによって、ヒートシンク150に向かって凸形状を有するようにFPC162が撓んだ状態が保持されている。したがって、FPC162とヒートシンク150とがシート上部180aの上端の近傍を確実に挟持すると共に、当接シート180がヒートシンク150に向かって撓んだ状態が確実に保持される。
また、当接シート180の両面が粘着性を有していることにより、FPC162及びヒートシンク150に確実に接着される。このため、当接シート180がFPC162及びヒートシンク150に挟持されている位置が確実に固定されるため、当接シート180の下端と流路ユニット4の上面とが当接した状態が保持される。
また、ヒートシンク150は、当接シート180及びFPC162の撓みによって、副走査方向にインクジェットヘッド100の外側へと向かう方向の力を当接シート180から受ける。これによって、ヒートシンク150が固定されている位置がずれるおそれがある。これに対して、凹部13aが、流路ユニット4の上面において副走査方向についてFPC162の引き出し方向の前方に形成されている。このため、当接シート180及びFPC162の撓みによる力を凹部13aに嵌合された突起部150aが確実に支えることとなる。これによって、ヒートシンク150が固定されている位置がずれにくくなる。
また、ヒートシンク150が金属材料からなる場合には、加工の際にバリなどが生じて表面が荒れていることがある。このような場合には、ヒートシンク150の表面によってFPC162が傷つけられないように、当接シート180がFPC162をヒートシンク150から保護する役割を果たすこととなる。
また、当接シート180のシート下部180bは、FPC162から離隔している。したがって、当接シート180が撓むことによって当接シート180がFPC162に印加する弾性力が、FPC162とアクチュエータユニット21とが接続されている位置まで影響を与えにくい。これによって、FPC162とアクチュエータユニット21との電気的な接合が破損するのが抑制される。
なお、当接シート180の熱伝導率がFPC162の熱伝導率よりも大きいことが好ましい。当接シート180の熱伝導率がFPC162の熱伝導率よりも大きいと、FPC162から当接シート180を通じて放熱が起こりやすくなり、FPC162を伝わる熱が開放されやすくなる。
<ヘッド本体>
ヘッド本体13について説明する。図5は、図2に示されているヘッド本体13の上面図である。
ヘッド本体13は、流路ユニット4と、流路ユニット4上に接着されたアクチュエータユニット21とを有している。アクチュエータユニット21は台形形状を有しており、その台形の1対の平行対向辺が流路ユニット4の長手方向に平行になるように流路ユニット4の上面に配置されている。また、流路ユニット4の長手方向に平行な2本の仮想直線のそれぞれに沿って2つずつ、つまり合計4つのアクチュエータユニット21が、全体として千鳥状に流路ユニット4上に配列されている。流路ユニット4上で隣接し合うアクチュエータユニット21の斜辺同士は、流路ユニット4の幅方向について部分的にオーバーラップしている。
流路ユニット4の内部にはインク流路の一部であるマニホールド流路5が形成されている。流路ユニット4の上面にはマニホールド流路5の開口5bが形成されている。開口5bは、流路ユニット4の長手方向に平行な2本の直線(仮想線)のそれぞれに沿って5個ずつ、合計10個形成されている。開口5bは、4つのアクチュエータユニット21が配置された領域を避ける位置に形成されている。
開口5bは、下リザーバ133に形成されている開口133eと連通しており(図3参照)、インクリザーバ130のインク流路を通じてインク供給弁111からのインクがマニホールド流路5に供給される。
図6は、図5の一点鎖線で囲まれた領域の拡大上面図である。なお、説明の都合上、図6にはアクチュエータユニット21の外形が二点鎖線で示されている。また、本来破線で示されるべき流路ユニット4の内部や下面に形成されているアパーチャ12やノズル8などが実線で示されている。
流路ユニット4内に形成されたマニホールド流路5からは、複数本の副マニホールド流路5aが分岐している。マニホールド流路5は、アクチュエータユニット21の斜辺に沿うように延在しており、流路ユニット4の長手方向と交差して配置されている。二つのアクチュエータユニット21に挟まれた領域では、1つのマニホールド流路5が、隣接するアクチュエータユニット21に共有されており、副マニホールド流路5aがマニホールド流路5の両側から分岐している。これらの副マニホールド流路5aは、流路ユニット4の内部であって各アクチュエータユニット21に対向する領域に互いに隣接して延在している。
流路ユニット4は、複数の圧力室10がマトリクス状に形成されている圧力室群9を有している。圧力室10は、角部にアールが施されたほぼ菱形の平面形状を有する中空の領域である。圧力室10は流路ユニット4の上面に開口するように形成されている。これらの圧力室10は、流路ユニット4の上面におけるアクチュエータユニット21に対向する領域のほぼ全面に亘って配列されている。従って、これらの圧力室10によって形成された各圧力室群9はアクチュエータユニット21とほぼ同一の大きさ及び形状の領域を占有している。また、各圧力室10の開口は、流路ユニット4の上面にアクチュエータユニット21が接着されることで閉塞されている。本実施形態では、図6に示されているように、等間隔に流路ユニット4の長手方向に並ぶ圧力室10の列が、短手方向に互いに平行に16列配列されている。各圧力室列に含まれる圧力室10の数は、圧電アクチュエータ50の外形形状に対応して、その長辺側から短辺側に向かって次第に少なくなるように配置されている。ノズル8もこれと同様に配置されている。これによって、全体として600dpiの解像度で画像形成が可能となっている。
アクチュエータユニット21の上面における各圧力室10に対向する位置には後述のような個別電極35がそれぞれ形成されている。個別電極35は圧力室10より一回り小さく、圧力室10とほぼ相似な形状を有しており、アクチュエータユニット21の上面における圧力室10と対向する領域内に収まるように配置されている。
圧力室10及び個別電極35のいずれも、図6の上下方向(副走査方向)に沿って長尺な形状を有している。そして、図6の上下方向に関する中心から上方向及び下方向のいずれに向かう方向にも先細りの形状を有している。これによって多数の圧力室10及び個別電極35が、互いに平行な平面上にそれぞれ密に配列されている。
流路ユニット4には多数のノズル8が形成されている。これらのノズル8は、流路ユニット4の下面における副マニホールド流路5aと対向する領域を避ける位置に配置されている。また、これらのノズル8は、流路ユニット4の下面におけるアクチュエータユニット21と対向する領域内に配置されている。そして、それぞれの領域内のノズル8は、流路ユニット4の長手方向に平行な複数の直線に沿って等間隔に配列されている。
なお、これらのノズル8は、流路ユニット4の長手方向に平行な仮想直線上にこの仮想直線と垂直な方向から各ノズル8の形成位置を射影した射影点が、印字の解像度に対応した間隔で等間隔に途切れずに並ぶような位置に形成されている。これによって、インクジェットヘッド100は、流路ユニット4におけるノズルが形成された領域の長手方向についてのほぼ全領域に亘って、印字の解像度に対応した間隔で途切れずに印字できるようになっている。
流路ユニット4の内部には、多数のアパーチャ(しぼり)12が形成されている。これらのアパーチャ12は、圧力室群9と対向する領域内に配置されている。本実施形態のアパーチャ12は、水平面に平行な1方向に沿って延在している。
流路ユニット4の内部には、各アパーチャ12、圧力室10及びノズル8を互いに連通させるような連通孔が形成されている。これらの連通孔は、互いに連通し、個別インク流路32を構成している(図7参照)。各個別インク流路32は副マニホールド流路5aと連通している。マニホールド流路5に供給されたインクは副マニホールド流路5aを通じて各個別インク流路32へと供給され、ノズル8から吐出される。
<個別インク流路>
ヘッド本体13の断面構造について説明する。図7は、図6のVII―VII線に沿った縦断面図である。
ヘッド本体13に含まれる流路ユニット4は、複数のプレートが積層された積層構造を有している。これらのプレートは、流路ユニット4の上面から順に、キャビティプレート22、ベースプレート23、アパーチャプレート24、サプライプレート25、マニホールドプレート26、27、28、カバープレート29及びノズルプレート30である。これらのプレートには多数の連通孔が形成されている。各プレートは、これらの連通孔が互いに連通して個別インク流路32及び副マニホールド流路5aを構成するように、位置合わせして積層されている。ヘッド本体13は、図7に示されているように、圧力室10は流路ユニット4の上面に、副マニホールド流路5aは内側中央部に、ノズル8は下面にと、個別インク流路32を構成する各部分が異なる位置に互いに近接して配設され、圧力室10を介して副マニホールド流路5aとノズル8とが連通孔により連通される構成を有している。
各プレートに形成された連通孔について説明する。これらの連通孔には、次のようなものがある。第1に、キャビティプレート22に形成された圧力室10である。第2に、圧力室10の一端から副マニホールド流路5aへと連通する流路を構成する連通孔Aである。連通孔Aは、ベースプレート23からサプライプレート25までの各プレートに形成されている。なお、連通孔Aには、アパーチャプレート24に形成されたアパーチャ12が含まれている。
第3に、圧力室10の他端からノズル8へと連通する流路を構成する連通孔Bである。連通孔Bは、ベースプレート23からカバープレート29までの各プレートに形成されている。第4に、ノズルプレート30に形成されたノズル8である。第5に、副マニホールド流路5aを構成する連通孔Cである。連通孔Cは、マニホールドプレート26〜28に形成されている。
このような連通孔が相互に連通し、副マニホールド流路5aの出口からノズル8に至る個別インク流路32を構成している。副マニホールド流路5aに供給されたインクは、以下の経路でノズル8へと流出する。まず、副マニホールド流路5aから上方向に向かって、アパーチャ12の一端部に至る。次に、アパーチャ12の延在方向に沿って水平に進み、アパーチャ12の他端部に至る。そこから上方に向かって、圧力室10の一端部に至る。さらに、圧力室10の延在方向に沿って水平に進み、圧力室10の他端部に至る。そこから3枚のプレートを経由して斜め下方に向かい、さらに直下のノズル8へと進む。
<アクチュエータユニット>
アクチュエータユニット21は、図8に示されるように、4枚の圧電層41、42、43、44からなる積層構造を有している。これらの圧電層41〜44はそれぞれ15μm程度の厚みを有している。アクチュエータユニット21全体の厚みは60μm程度である。圧電層41〜44のいずれの層も複数の圧力室10を跨ぐように延在している(図6参照)。これらの圧電層41〜44は、強誘電性を有するチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)系のセラミックス材料からなる。
アクチュエータユニット21は、Ag−Pd系などの金属材料からなる個別電極35及び共通電極34を有している。個別電極35は上述のようにアクチュエータユニット21の上面における圧力室10と対向する位置に配置されている。個別電極35の一端は、圧力室10と対向する領域外に引き出されてランド36が形成されている。このランド36は例えばガラスフリットを含む金からなり、厚みが15μm程度で凸状に形成されている。また、ランド36は、図示されていないFPC(Flexible Printed Circuit)に設けられたコンタクトと電気的に接合されている。制御基板170は、FPC162を通じて個別電極35に電圧パルスを供給することでノズル8からインクを吐出させる。
共通電極34は圧電層41と圧電層42との間の領域に面方向のほぼ全面に亘って介在している。すなわち、共通電極34は、アクチュエータユニット21に対向する領域内の全ての圧力室10に跨るように延在している。共通電極34の厚さは2μm程度である。共通電極34は図示しない領域において接地され、グランド電位に保持されている。本実施形態では、圧電層41上において、個別電極35からなる電極群を避ける位置に個別電極35とは異なる表面電極(不図示)が形成されている。表面電極は、圧電層41の内部に形成されたスルーホールを介して共通電極34と電気的に接続されていると共に、多数の個別電極35と同様に、FPC162上の別のコンタクト及び配線と接続されている。
図8に示されるように、上記の2つの電極は、最上層の圧電層41のみを挟むように配置されている。圧電層における個別電極35と共通電極34とに挟まれた領域は活性部と呼称される。本実施形態のアクチュエータユニット21においては、最上層の圧電層41のみ活性部を含んでおり、その他の圧電層42〜44は活性部を含んでいない。すなわち、このアクチュエータユニット21はいわゆるユニモルフタイプの構成を有している。
なお、後述のように、個別電極35に選択的に所定の電圧パルスが供給されることにより、この個別電極35に対応する圧力室10内のインクに圧力が加えられる。これによって、個別インク流路32を通じて、対応するノズル8からインクが吐出される。すなわち、アクチュエータユニット21における各圧力室10に対向する部分は、各圧力室10及びノズル8に対応する個別の圧電アクチュエータ50(吐出アクチュエータ)に相当する。つまり、4枚の圧電層からなる積層体中には、図8に示されているような構造を単位構造とする島状のアクチュエータが圧力室10ごとに作り込まれており、これによってアクチュエータユニット21が構成されている。
<変形例>
以上は、本発明の好適な実施の形態についての説明であるが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、課題を解決するための手段に記載された内容の限りにおいて様々な変更が可能なものである。
上述の実施形態において、当接シート180の上端がFPC162及びヒートシンク150の両方によって挟持されていたが、当接シート180の上端がこれらの一方にのみ支持されていてもよい。例えば、ヒートシンク150と当接シート180とが離隔しており、当接シート180の一方の表面とFPC162の一方の表面とが粘着されることによって、当接シート180の上端が保持されていてもよい。あるいは、当接シート180の上端がヒートシンク150のみに支持されていてもよい。
また、上述の実施形態において、ヒートシンク150とヘッドカバー110とは別体であるが、これらが一体に構成されていてもよい。また、ヒートシンク150の代わりに単なる板状の部材が設置されていてもよい。つまり、ヒートシンクの機能を有する部材が設置されていなくともよい。そして、少なくとも、流路ユニット4の上面において副走査方向について、アクチュエータユニット21、当接シート180、板状の部材の順にこれらの部材が配置されていればよい。
また、上述の実施形態において、当接シート180の下端がアクチュエータユニット21の側面21cに当接しているが、ヒートシンク150に向かって撓んでいれば、アクチュエータユニット21に当接していなくてもよい。このとき、アクチュエータユニット21とは別の部材に当接していてもよく、例えば流路ユニット4の上面に形成された突起部に当接されていてもよい。さらに、このとき、当接シート180の厚さは、アクチュエータユニット21の厚さ以上であってもよい。なお、当接シート180がアクチュエータユニット21に当接する場合には、厚さの違いによって、アクチュエータユニット21からFPC162を引き剥がす力が生じないように、当接シート180はアクチュエータユニット21より薄いことが好適である。当接シート180は、FPC162及びヒートシンク150に粘着されることによって固定されているが、接着剤などを用いて貼り合わされていてもよいし、粘着テープなど別の部材を用いて固定されてもよい。
また、上述の実施形態において、当接シート180がヒートシンク150に向かって撓んでいるが、撓んでいなくてもよい。ただし、当接シート180の下端が確実に流路ユニット4の上面に密着するような措置が取られていることが好ましい。このような措置が取られていれば、当接シート180の素材、設置の際の形状、固定の方法等はどのようなものでもよい。
本発明の一実施形態であるインクジェットヘッドの外観を示す斜視図である。 図1に示されたインクジェットヘッドの内部の構成を示す斜視図である。 図1のIII−III線に沿ったインクジェットヘッドの縦断面図である。 図3の一点鎖線に囲まれた領域の拡大図である。 図2に示されたヘッド本体13の上面図である。 図5の一点鎖線に囲まれた領域の拡大図である。 図3のVII−VII線に沿った縦断面図である。 図7に示される圧電アクチュエータ周辺の部分拡大図である。
4 流路ユニット
5 マニホールド流路
5b 開口
8 ノズル
13 ヘッド本体
13a 凹部
21 アクチュエータユニット
21a、21b アクチュエータユニットの表面
21c アクチュエータユニットの側面
32 個別インク流路
34 共通電極
35 個別電極
50 圧電アクチュエータ
100 インクジェットヘッド
110 ヘッドカバー
130 インクリザーバ
131 上リザーバ
132 リザーバベース
133 下リザーバ
133a インク貯留部
133c 非対向部
133d 対向部
150 ヒートシンク
150a 突起部
180 当接シート
184、185 シール部材
162 FPC
160 ドライバIC

Claims (15)

  1. ノズル及びノズルに連通するインク流路が形成された流路ユニットと、前記流路ユニットにおいて前記ノズルが開口した表面とは反対側の一表面に貼り合わされ、前記ノズルから液滴を吐出させる吐出アクチュエータと、前記吐出アクチュエータから離隔した位置で前記流路ユニットと当接すると共に、前記一表面に沿った方向に交差するように、前記表面に立設された板部材と、前記吐出アクチュエータと電気的に接続され、前記板部材に沿うように前記吐出アクチュエータから延在する配線部材とを有するインクジェットヘッドにおいて、
    前記流路ユニット及び前記板部材の両方に跨るように、前記流路ユニットの前記板部材との当接部に沿って塗付されたシール部材と、
    前記表面から離隔した位置において前記配線部材及び前記板部材のいずれか一方に支持され、且つ、前記表面に当接する当接シートとを備えており、
    前記当接シートが、前記シール部材が塗付されている位置と前記吐出アクチュエータが貼り合わされている位置との間で前記表面に当接していることを特徴とするインクジェットヘッド。
  2. 前記当接シートの前記流路ユニットとの当接部が、前記板部材の前記流路ユニットとの当接部に沿って延在していることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッド。
  3. 前記当接シートが、可撓性を有した弾性部材であり、前記板部材に向かって凸形状に撓むように配設されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェットヘッド。
  4. 前記当接シートが、前記配線部材に接着されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記配線部材が、前記板部材に向かって凸形状に撓むように前記吐出アクチュエータから延在しており、
    前記当接シートの前記配線部材との接着領域が、前記配線部材と共に撓んでいることを特徴とする請求項4に記載のインクジェットヘッド。
  6. 前記当接シートが、粘着性の一方の面を有し、
    前記配線部材が、前記当接シートとの接着領域において、前記当接シートに粘着されていることを特徴とする請求項4又は5に記載のインクジェットヘッド。
  7. 前記配線部材の前記当接シートとの接着領域において、前記配線部材が前記板部材と共に前記当接シートを挟持していることを特徴とする請求項6に記載のインクジェットヘッド。
  8. 前記吐出アクチュエータが、
    前記流路ユニットに貼り合わされた第1表面、前記第1表面に平行で前記配線部材が接続された第2表面及び前記第1表面と前記第2表面とをつなぐ側面を有しており、
    前記当接シートが、前記吐出アクチュエータの側面と対向し前記配線部材から離隔した非接着領域と、前記吐出アクチュエータから延在した前記配線部材に接着された前記接着領域とを有し、前記非接着領域の端部で前記表面と当接していることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のインクジェットヘッド。
  9. 前記当接シートが、前記吐出アクチュエータの側面に当接していることを特徴とする請求項8に記載のインクジェットヘッド。
  10. 前記流路ユニットは、表面に形成された凹部を有し、
    前記板部材は、前記一表面に当接する一端に形成された突起部を有し、前記流路ユニットの凹部に前記突起部が嵌合することによって前記流路ユニットに固定されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のインクジェットヘッド。
  11. 前記吐出アクチュエータが、前記第2表面に形成された複数の表面電極を有し、
    前記配線部材が、前記吐出アクチュエータを駆動するための駆動信号を前記複数の表面電極のそれぞれに供給する複数の信号線を有し、
    前記複数の信号線が、それぞれの一端が対応する前記表面電極に電気的に接続されていると共に、前記第2表面から引き出されており、
    前記凹部が、前記第2表面から前記信号線が引き出されている方向の前方に配置されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載のインクジェットヘッド。
  12. 前記当接シートに使用されている材料の熱伝導率が、前記配線部材に使用されている材料の熱伝導率より大きいことを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載のインクジェットヘッド。
  13. 前記流路ユニットは、前記一表面に前記インク流路に液体を供給する液体供給口を有し、
    前記吐出アクチュエータと対向する対向部と前記液体を一時的に貯留する液体貯留部とを有し、前記液体供給口に連通するように前記流路ユニットに積層された液体供給ユニットをさらに備え、
    前記液体供給ユニットは、前記対向部と前記吐出アクチュエータとが間隙を介して対向するように、前記流路ユニットに積層され、
    前記配線部材が、前記間隙の開口を構成する前記対向部の端縁部に当接しつつ前記板部材に向かって凸形状に撓んで前記間隙から引き出され、且つ、前記対向部の端縁部より前記表面から離隔した位置で前記当接シートを前記板部材と共に挟持していることを特徴とする請求項4〜12のいずれか1項に記載のインクジェットヘッド。
  14. 前記板部材が、前記吐出アクチュエータを含む前記一表面上の構造物を覆うカバー部材の一部であることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載のインクジェットヘッド。
  15. 前記板部材が、前記一表面に沿った方向に関して前記吐出アクチュエータを互いの間に挟む板状の2枚のヒートシンクであることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載のインクジェットヘッド。
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