JP4307161B2 - 印刷ヘッド及び電子機器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷ヘッド及び電子機器に関し、例えば、微細なインク吐出孔からインク滴を吐出して文字や画像を印刷する各種プリンタや記録計、ファクシミリ、あるいは捺染分野や窯業分野で文様形成等に用いられる印刷機等の記録装置に搭載される等に好適に使用される印刷ヘッド及び電子機器に関する。
【0002】
【従来技術】
近年、マルチメディアの浸透に伴い、インパクト方式の記録装置に代わって、インクジェット方式や熱転写方式を利用したノンインパクト方式の記録装置が開発され、その利用範囲が各種産業分野および一般家庭分野において広がりつつある。
【0003】
かかるノンインパクト方式の記録装置のなかでも、インクジェット方式を利用した記録装置は、多階調化やカラー化が容易で、ランニングコストが低いことから将来性が注目されている。
【0004】
このインクジェット方式を利用した記録装置に用いられる印刷ヘッドは、例えば図4(a)に示したように、圧電アクチュエータ51が、流路部材53の上に設けられた構造を有する(例えば、特許文献1参照)。流路部材53は、複数のインク加圧室53aが隔壁53bによって仕切られ、インク加圧室53aは圧電アクチュエータ51に当接するように並設されている。
【0005】
圧電アクチュエータ51は、表面に共通電極55を具備する振動板52上に圧電セラミック層54が設けられ、圧電セラミック層54の上に表面電極56を設けている。表面電極56は、図4(b)に示したように、圧電セラミック層54の表面に複数配列されることにより、複数の圧電変位素子57が形成されたものである。この圧電アクチュエータ51は、数百個もの表面電極が形成されており、インク加圧室53aの直上に表面電極56がそれぞれ位置するようにして流路部材53上に配置している。
【0006】
そして、共通電極55と所定の表面電極56との間に電圧を印加して該表面電極56直下の圧電セラミック層54を変位させることにより、インク加圧室53a内のインクを加圧して、流路部材53の底面に開口した液体吐出口58よりインク滴を吐出させることができる。
【0007】
このような印刷ヘッドにおいて、圧電アクチュエータには鉛を含む圧電セラミックスが用いられ、流路部材53には、ステンレス鋼が用いられていた(例えば、特許文献1参照)。
【0008】
【特許文献1】
特開平11−34321号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に記載の圧電アクチュエータでは、圧電アクチュエータに接着剤を塗布し、加熱処理を行って流路部材に接合するが、その処理後には印刷ヘッドに形成された多数の変位素子間で変位ばらつきが生じ、その結果インクの吐出量や吐出状態にばらつきが発生し、印刷した画質が低下するという問題があった。
【0010】
従って、本発明の目的は、変位素子間の変位ばらつきが小さい印刷ヘッドを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、アクチュエート機能を果たす圧電アクチュエータ部と、インクを吐出するための流路部材とを熱硬化接着剤からなる着層を介して接してなる印刷ヘッドにおいて、接時の熱処理による残留応力が変位ばらつきに悪影響し、残留応力は圧電アクチュエータと流路部材との熱膨張差にあることをつきとめ、その熱膨張係数差を2×10−6以下にすることによって、残留応力を小さくし、その結果変位素子間の吐出ばらつきを改善したものである。
【0012】
即ち、本発明の印刷ヘッドは、複数の液体加圧室と、該複数の液体加圧室に液体を導入するための複数の液体導入口と、前記複数の液体加圧室内の液体を外部に吐出するための複数の液体吐出口と、を具備する流路部材に、圧電アクチュエータが熱硬化接着剤の層を介して設けられてなる印刷ヘッドにおいて、前記圧電アクチュエータは、圧電セラミックスの振動板の上に共通電極、圧電セラミック層、複数の表面電極がこの順で、前記圧電セラミックスの振動板および前記圧電セラミック層が前記複数の液体加圧室を覆うように積層されているとともに、前記圧電セラミックスの振動板の組成と前記圧電セラミック層の組成が同一であり、且つ前記圧電アクチュエータと前記流路部材との熱膨張係数差が2×10−6/℃以下であることを特徴とするものである。
【0013】
特に、前記流路部材がセラミックスからなることが好ましい。セラミックスは合成が高いので、多数の変位素子が変位しても流路部材が変形しにくく、均一で安定したインク吐出にさらなる寄与が期待できる。
【0014】
また、前記圧電セラミック層および前記圧電セラミックスの振動板がPbを含むペロブスカイト型化合物からなることが好ましい。これにより、圧電性に優れた圧電アクチュエータが得られ、変位素子の変位量をより大きくすることができる。
【0015】
上述したように前記圧電アクチュエータが、振動板の上に共通電極、セラミック層、複数の表面電極がこの順に形成されているため高速・高精度印刷ヘッドに好適に用いることができる。
【0017】
さらにまた、前記圧電アクチュエータの厚みが100μm以下であることが好ましい。これにより、さらに大きな変位を得ることができる。
【0018】
また、本発明の電子機器は、上記の印刷ヘッドを具備することを特徴とするものである。この印刷ヘッドをプリンタ、レコーダーや印刷機に応用した場合、高速・高精密印刷に好適となる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態にかかる圧力発生装置を、圧電アクチュエータに応用した場合を例として図面を参照して詳細に説明する。
【0020】
図1(a)は本実施形態の圧電アクチュエータの断面図、図1(b)はその平面図である。図1(a)および(b)に示すように、この圧電アクチュエータ1は、振動板2上に、共通電極5、圧電セラミック層4および表面電極6がこの順に積層され、表面電極6が圧電セラミック層4の表面に等間隔で2次元的に複数配列されており、共通電極5、圧電セラミック層4および表面電極6により複数の圧電変位素子7が形成されている。
【0021】
複数の表面電極6は、それぞれ外部の電子制御回路に独立して接続されている。各表面電極5に対応する圧電変位素子7は、共通電極5と表面電極6との間に電圧が印加されることにより変位領域7aが変位する。このように、表面に複数の圧電変位素子7を配置することにより、微細に分割された空間の特定の位置にのみ液滴を吐出することができ、印刷ヘッドに用いれば、印刷用紙の所定の小さなドットに好みの色調を有するインクを被弾させることができる。
【0022】
次に、上記の圧電アクチュエータ1を備えたインクジェット方式の印刷ヘッドについて説明する。図2は、印刷ヘッドを示す断面図である。同図に示すように、この印刷ヘッドは、図1に示した圧電アクチュエータ1を、液体吐出口8を有し、隔壁3bにより仕切られた複数の液体加圧室3aが配列された流路部材3上に、液体加圧室3aと表面電極6との位置を揃えて接着剤により接着したものである。即ち、圧電アクチュエータ1と流路部材3とが、接着層9を介して接合されている。
【0023】
上記接合には、室温で硬化する接着剤を使用することは可能であるが、インクによる耐食性がないため、一般に100〜280℃の硬化温度を有する接着剤を使用することが求められている。
【0024】
そして、上述したように、圧電アクチュエータの内部に内部電極として設けられた共通電極5と、圧電アクチュエータの表面に設けられた表面電極6は、外部の駆動回路(電子制御回路)に電気的に接続され、駆動回路より共通電極5と表面電極6との間に駆動電圧が印加されると、圧電変位素子7が液体加圧室3a側に凸になるように変位し、変位した圧電変位素子7に対応する液体加圧室3a内のインクが加圧され、流路部材3の底面に開口した液体吐出孔8よりインク滴が吐出される。
【0025】
流路部材3は、内部に液体加圧室3aと、液体加圧室3aに液体を導入するための液体導入口(図示せず)と、液体加圧室3aの液体を外部に吐出するための液体吐出口8とを具備し、一般には更に液体の通路が複雑に設けられているため、所定の位置に穿孔された複数の金属薄板を積層して用いることができる。
【0026】
このような圧電アクチュエータを備えた印刷ヘッドは、高速で高精度な吐出が可能であり、高速・精密印刷に好適である。また、このような圧電アクチュエータを用いた印刷ヘッドは、該印刷ヘッドにインクを供給するインクタンクと、記録紙に印刷するための記録紙搬送機構とを備えたプリンタ等の電子機器として好適に用いられ、プリンタの場合には、高速・高精度印刷を容易に実現することができる。
【0027】
本発明によれば、上記のような圧電アクチュエータ、即ち圧電セラミック層4と内部電極5とを備えた圧電アクチュエータ1と、流路部材3とが、同じ熱膨張係数を有するのがよく、具体的には両者の熱膨張係数差が2×10−6/℃以下であることが重要である。
【0028】
PZTとステンレス鋼のように2×10−6/℃を越える大きな熱膨張係数差がある組合せでは、残留応力が発生し、吐出ばらつきが生じるが、熱膨張係数の差を小さくすると、接合工程で行われる熱処理時に、熱膨張係数差に起因して発生する残留応力を低減することができ、その結果、変位素子間の吐出ばらつきを改善することができる。
【0029】
流路部材3を構成する材料は、圧電アクチュエータ1の材料によって異なるが、例えば、圧電アクチュエータ1を構成する振動板2と圧電セラミック層4がPZT系セラミックスであり、内部にAg−Pd電極を有する場合、Al系セラミックス、AlN系セラミックス、SiC系セラミックス等のセラミックス、Mo、W、及びその合金、4−2アロイ等の金属材料を用いることができる。
【0030】
これらの中でセラミックスは剛性が高いため、多数の変位素子が一度に変形して大きな応力が流路部材3に発生しても、変形が起こり難く、均一で、安定したインク吐出を行うことができる。さらに、耐食性と剛性が高い点でアルミナが好ましく、複雑な形状を容易に作製できる点では4−2アロイが好ましい。
【0031】
また、少なくとも2種類の熱膨張係数の異なる材料を組合せた複合材料を用い、熱膨張係数を圧電アクチュエータの熱膨張係数と略同一にすることができる。例えば、アルミナに炭化珪素、窒化珪素、ムライト又はコージェライトなどを添加して熱膨張係数を調整することができる。
【0032】
なお、接合に用いられる接着剤としては、ゴム系、シリコーン系、エポキシ系、ビニル系、アクリル系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ポリオレフィン系、フェノール系、レゾルシノール系、ユリア系、メラミン系、フラン系等のいずれでも使用することができる。
【0033】
このように、上記振動板2、圧電セラミック層4又は流路部材3に用いる圧電セラミックスは、圧電性を示すものであればどのようなものでも使用できるが、Pb系セラミックスであることが好ましく、少なくともPb、ZrおよびTiを含むペロブスカイト型結晶を主成分とすることが望ましい。例えば、Aサイト構成元素としてPbを含有し、且つ、Bサイト構成元素としてZrおよびTiを含有する結晶であり、特に、チタン酸ジルコン酸鉛系化合物であるのが良い。これにより、より高いd定数を有する安定な圧電焼結体を容易に得ることができる。
【0034】
また、圧電セラミック層4は、Sr、Ba、Ni、Sb、Nb、ZnおよびTeのうち少なくとも1種を含んでいるのが好ましい。これによって、より安定した圧電焼結体を得ることができる。これらの元素を含む化合物(副成分)としては、例えばPb(Zn1/3Sb2/3)OおよびPb(Ni1/2Te1/2)Oとを固溶してなるものが挙げられる。
【0035】
特に、Aサイト構成元素として、さらにアルカリ土類元素を含有することが望ましい。アルカリ土類元素としては特にBa、Srが高い変位を得られる点で好ましく、Baを0.02〜0.08モル、Srを0.02〜0.12モル含むことが特に正方晶組成が主体の組成の場合に大きな変位を得るのに有利である。例えば、Pb1−x−ySrBa(Zn1/3Sb2/3(Ni1/2Te1/2Zr1−a−b−cTi+αwt%Pb1/2NbO(0≧x≧0.14、0≧y≧0.14、0.05≧a≧0.1、0.002≧b≧0.01、0.44≧c≧0.50、α=0.1〜1.0))で表されものが挙げられる。
【0036】
また、圧電セラミック層4は、主結晶相に3価以上の価数を有する元素を含んでいるのが好ましい。3価以上の価数を有する元素としては、イオン半径がPb、ZrおよびTiと近く固溶しやすいことから、特にLa、NbおよびWから選ばれる少なくとも1種が好ましい。これらの元素は、圧電セラミック層中に固溶しているAgと同程度のモル量含有されているのがよく、具体的には0.01〜0.5モル%であるのがよい。価数が3価以上の元素の配合量が0.01モル%より少ないとドナー効果が発揮されず、逆に0.5モル%より多いと結晶相が菱面体結晶側へシフトし、熱的安定性が低下するため、いずれも好ましくない。
【0037】
圧電セラミック層4の厚みtは、上限が50μm、好ましくは30μm、より好ましくは15μmであるのがよく、下限が3μm、好ましくは5μm、より好ましくは7μmであるのがよい。厚みtが3〜50μmであることにより、大きな変位を得ることができるとともに、製造時や作動時の破壊を防止できる十分な機械的強度を備えることができ、不良率の低減に寄与することができる。
【0038】
圧電アクチュエータ1の厚みTは、表面電極6を含めた圧電基板2の厚みを示すものであり、Tが100μm以下であることが好ましい。このように薄層にすることで、大きな変位を得ることができ、また低電圧で高効率の駆動を実現できる。従って、特に最近のカラープリンタの性能向上に伴う高速化及び高精度化の要求に対して、本発明においては、100μm以下の厚みにすることにより、その要求に対応することができ、圧電アクチュエータ及びそれを用いた印刷ヘッドの高性能化に寄与することができる。
【0039】
圧電アクチュエータ1としての特性をさらに高めるため、圧電アクチュエータ1の厚みTの上限値は、特に80μm以下、更には65μm以下、より好適には50μm以下が良い。また、下限値は、十分な機械的強度を有し、取扱い及び作動中の破壊を防止するため、3μm、特に5μm、更には10μm、より好適には20μmであることが好ましい。
【0040】
振動板2は、絶縁性の高いものであれば良いが、圧電体であること、特に残留応力低減のために圧電セラミック層4と略同一の熱膨張率を有するものであることが好ましく、圧電セラミック層4と略同一の組成であることがより好ましい。これにより、同時焼成が可能となり、熱膨張差に起因して焼成時に発生する熱応力によって反りや歪みが生じるのを防止することが容易となる。また、振動板2は、単層でも良いが、厚みを制御し、焼結後の組成ばらつきや特性ばらつきを抑制するため、積層体であることが好ましい。
【0041】
表面電極6の材質としては、導電性を有するものならば何れでも良く、Au、Ag、Pd、Pt、Cu、Alやそれらの合金などが用いられる。表面電極6の厚みは、導電性を有しかつ変位を妨げない程度である必要があり、一般に、0.5〜5μm程度であり、特に1〜4μmが好ましい。
【0042】
共通電極5は、Agを含有しているのが好ましく、特にAg−Pd合金であるのがより好ましい。Ag−Pd合金の場合には、電極材料中のAgの比率が90体積%以上であり、残部がPdであるのがよい。これにより、電極の収縮が抑制され、圧電アクチュエータ焼成時の圧縮残留応力を抑制することができる。また、Agの比率を高くすることにより、圧電セラミック層4中にAgを適度に拡散させて圧電セラミック層4の焼成温度を低下させて圧電セラミック層4の密度を向上させることができる。共通電極5の厚みとしては、導電性を有しかつ変位を妨げない程度である必要があり、一般に、0.5〜5μm程度であり、好ましくは1〜4μmであるのがよい。
【0043】
圧電セラミック層4と共通電極5とは、同時に焼成されるのが好ましい。同時焼成することにより、共通電極5中のAgが圧電セラミック層4のPb等の成分と置換固溶し、共通電極5の密着力が増大し、電極剥離を抑制できる。
【0044】
本発明の圧電アクチュエータをインクジェットプリンタの印刷ヘッドとして用いる場合、圧電歪定数として、例えばd31モードを利用することができる。インクジェットプリンタの印刷ヘッドとして十分な吐出能力を発揮し、高速で精細な印刷を実現するために、d31が200pm/V以上、特に225pm/V以上、更には250pm/V以上であることが好ましい。
【0045】
本発明によれば、図1に示したように圧電セラミック層4からなる活性層が単層からなる圧電アクチュエータの場合以外にも、図のように、圧電セラミック層と内部電極とが交互に複数設けられたものを用いても良い。このような積層体は、単層の場合に比べて変異量を大きくすることができる。
【0047】
上記のような圧電アクチュエータ1は、圧電変位素子7の各々において、変位の大きさを独立してかつ十分に制御できる。したがって、この圧電アクチュエータをインクジェット記録ヘッドに適用することによりインクの吐出量を精密に制御することができるため、高精度な位置合せが可能となり、その結果、吐出ムラの少ない、高品位な印刷が可能となる。
【0048】
以上のような構成を有する印刷ヘッドは、接着剤を用いた接合を行う際の熱処理工程を行っても、発生する残留応力を顕著に低減でき、印刷ヘッド内の多数の変位素子において変位ばらつきを小さくすることができるという特長を有し、インクジェット方式を利用したプリンタや印刷装置、内部に電極を有する他方式のプリンタや印刷装置等の電子機器として、上記圧電アクチュエータを好適に利用することができる。
【0049】
【実施例】
まず、原料として、純度99.9%以上のチタン酸ジルコン酸鉛を含有する圧電体粉末を準備し、φ2mmのジルコニアボールにてミル粉砕を行い平均粒子径が0.3〜0.5μmとなるように調整し、乾燥後、メッシュパスすることによって原料粉末を得た
【0050】
次に、得られた原料粉末を成形してグリーンシートを作製した。また、内部電極ペーストを作製した。得られた内部電極ペーストを、一部のグリーンシートの表面に厚さ4μmで印刷し、内部電極を形成した。更に、内部電極が印刷された面を上向きにしてグリーンシートの2枚の間に内部電極ペーストを印刷しないグリーンシート1枚づつ積層し、加圧プレスして得られた積層成形体を焼成した。
【0051】
この圧電積層体の表面に、複数の表面電極を形成した。表面電極は、スクリーン印刷にてAuペーストを塗布し、600個の矩形状の表面電極を形成した。これを600〜800℃の大気中で焼付けた。
【0052】
次に、得られた圧電アクチュエータを、流路部材に接着した。流路部材として、アルミナ積層体、炭化珪素(20質量%)含有アルミナ積層体、窒化アルミニウム積層体、Mo、4−2アロイを用いた。また、比較として、耐食性に優れるSUS316鋼を用いた。
【0053】
なお、接着は、接着剤としてエポキシ系接着剤を用い、150℃、4時間の加熱処理を行った。
【0054】
その結果、流路部材にアルミナ積層体、炭化珪素(20質量%)含有アルミナ積層体、窒化アルミニウム積層体、Mo、4−2アロイを用いた本発明の印刷ヘッドは、600個の変位素子の変位ばらつきが、10%以下であった。これに対して、SUS316鋼を用いた本発明の範囲外の印刷ヘッドは、変位ばらつきが25%であった。
【0055】
【発明の効果】
本発明の印刷ヘッドによれば、複数の液体加圧室と、該複数の液体加圧室に液体を導入するための複数の液体導入口と、前記複数の液体加圧室内の液体を外部に吐出するための複数の液体吐出口と、を具備する流路部材に、圧電アクチュエータが熱硬化接着剤からなる接着層を介して設けられてなる印刷ヘッドにおいて、前記圧電アクチュエータは、圧電セラミックスの振動板の上に共通電極、圧電セラミック層、複数の表面電極がこの順で、前記圧電セラミックスの振動板および前記圧電セラミック層が前記複数の液体加圧室を覆うように積層されているとともに、前記圧電セラミックスの振動板の組成と前記圧電セラミック層の組成が同一であり、且つ前記圧電アクチュエータと前記流路部材との熱膨張係数差が2×10 −6 /℃以下であることにより、圧電アクチュエータと流路部材との接着時の熱処理工程で発生する残留応力を制御することができ、圧電アクチュエータに設けられた数百個の変位素子の変位ばらつきを低減することができる。
【0056】
また、本発明の印刷ヘッドは、プリンタや工業用印刷機等の電子機器に好適に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の印刷ヘッドに用いる圧電アクチュエータの構造を示すもので、(a)は概略断面図、(b)は平面図である。
【図2】本発明の印刷ヘッドの構造を示す概略断面図である。
【図3】本発明の印刷ヘッドに用いる他の圧電アクチュエータの構造を示す概略断面図である。
【図4】従来の印刷ヘッドの構造を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1、21・・・圧電アクチュエータ
2・・・振動板
3・・・流路部材
3a・・・液体加圧室
3b・・・隔壁
4、24・・・圧電セラミック層
5、25・・・共通電極
6、26・・・表面電極
7、27・・・圧電変位素子
8・・・液体吐出口
T・・・圧電アクチュエータの厚み

Claims (4)

  1. 複数の液体加圧室と、該複数の液体加圧室に液体を導入するための複数の液体導入口と、前記複数の液体加圧室内の液体を外部に吐出するための複数の液体吐出口と、を具備する流路部材に、圧電アクチュエータが熱硬化接着剤からなる層を介して設けられてなる印刷ヘッドにおいて、前記圧電アクチュエータは、圧電セラミックスの振動板の上に共通電極、圧電セラミック層、複数の表面電極がこの順で、前記圧電セラミックスの振動板および前記圧電セラミック層が前記複数の液体加圧室を覆うように積層されているとともに、前記圧電セラミックスの振動板の組成と前記圧電セラミック層の組成が同一であり、且つ前記圧電アクチュエータと前記流路部材との熱膨張係数差が2×10−6/℃以下であることを特徴とする印刷ヘッド。
  2. 前記流路部材がセラミックスからなることを特徴とする請求項1記載の印刷ヘッド。
  3. 前記圧電セラミック層および前記圧電セラミックスの振動板がPbを含むペロブスカイト型化合物からなることを特徴とする請求項1又は2記載の印刷ヘッド。
  4. 請求項1〜のいずれかに記載の印刷ヘッドを具備することを特徴とする電子機器。
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