JP2913806B2 - 圧電式インクジェットプリンタヘッド - Google Patents

圧電式インクジェットプリンタヘッド

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JP2913806B2 JP2245307A JP24530790A JP2913806B2 JP 2913806 B2 JP2913806 B2 JP 2913806B2 JP 2245307 A JP2245307 A JP 2245307A JP 24530790 A JP24530790 A JP 24530790A JP 2913806 B2 JP2913806 B2 JP 2913806B2
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、圧電式インクジェットプリンタヘッドに係
り、特に、圧電トランスデューサとして積層圧電素子を
用いたプリンタヘッドに関するものである。
［従来の技術］ プリンタヘッドに圧電式インクジェットを利用したも
のが従来から提案されている。これは、圧電アクチュエ
ータの寸法変位によって一対の弁で仕切られたインク室
の容積を変化させることにより、その容積減少時にイン
ク室内のインクを一方の弁を通して噴射し、容積増大時
に他方の弁からインク室内にインクを導入するようにし
たもので、ドロップオンデマンド方式と呼ばれている。
そして、このような噴射装置を多数互いに近接して配設
し、所定の位置の噴射装置からインクを噴射させること
により、所望する文字や画像を形成するのである。
しかしながら、従来の圧電式インクジェットプリンタ
ヘッドは１つの噴射装置に１つの圧電アクチュエータが
用いられていたため、高解像度で広い範囲の印字を行う
ために多数の噴射装置を密集して配置しようとすると、
その構造が複雑で製造工数が多く、高価になるという問
題と、上記圧電アクチュエータの寸法を加工の制約上あ
まり小さくできないため、１つ１つの噴射装置の小型化
が困難で解像度が制限されるという問題があった。これ
らの問題を解決するために近年、複数のインク室に跨っ
て設けられた単一の圧電アクチュエータの所定の噴射装
置に対応する部位のみを局部的に変形させる圧電式イン
クジェットプリンタヘッドが提案されている。この種の
圧電式インクジェットプリンタヘッドとしては、例えば
米国特許第4,584,590号明細書がある。この圧電式イン
クジェットプリンタヘッドに係る圧電アクチュエータ88
は第８図にその駆動時の断面図を示すように、厚み方向
（図中の矢印方向）に分極処理された単一の圧電セラミ
ック板90表面に負極電極92a,92b,92c、正極電極94a,94b
のように多数の電極を設けたものである。例えば、上記
正極電極94aと上記負極電極92a,92b間に駆動電圧を印加
することで上記圧電セラミックス板90に実質的に分極方
向と垂直方向に駆動電界がかかり、厚み滑り効果の変位
により図中下方向に向かって、該正極電極94a部分が移
動し、この電極に対応する噴射装置（図示しない）から
インク液滴を噴射するものである。このような構成を持
つ圧電アクチュエータ88を圧電トランスデューサとして
用いた圧電式インクジェットプリンタヘッドであれば、
製造も簡単であり、コストが安い、高い解像度が得られ
るという効果がある。
［発明が解決しようとする課題］ しかしながら、前記した圧電式インクジェットプリン
タヘッドの圧電アクチュエータは、駆動用電極が圧電セ
ラミックス板の表面にしか設けられていないので、駆動
電界が完全に分極方向と垂直方向にはならず、見かけの
圧電定数d15が小さくなり必要な変位を得るための駆動
電圧が、200V程度と高いという問題がある。ここで、駆
動電界と分極方向との垂直性を向上するために圧電セラ
ミックス板の厚みを薄くすることも考えられるが、圧電
セラミックス板の強度低下につながり信頼性が低下する
という問題がある。また隣合った異符号極電極間が0.5m
m程度と狭いために放電により短絡する危険があり、信
頼性が低いという問題もある。さらにこの短絡をなくす
ための各種の予防策のために、ヘッド全体が大型になり
重量が増したりコストが高くなるという問題もある。
本発明は、上述した問題点を解決するためになされた
ものであり、低電圧で駆動し、構造が簡単で製造コスト
が安く、かつ小型で信頼性の高い圧電式インクジェット
プリンタヘッドを提供することを目的とする。
［課題を解決するための手段］ この目的を達成するために、本願に係る第１の発明
は、圧電トランスデューサを用いて、所定の駆動電界の
印加によってインク室の容積を変化させることにより該
インク室内のインクを噴射する噴射装置を多数備えた圧
電式インクジェットプリンタヘッドであって、厚み方向
に分極された圧電セラミックス層と複数に分割した内部
電極層とを交互に積層してなり、その積層方向と垂直な
方向に配列形成された複数のインク室に跨って配置され
た圧電セラミックス積層体と、前記圧電セラミックス積
層体の前記内部電極層であって、前記インク室の中央部
に対応する位置に設けられ、且つ第一の外部電極により
積層方向に互いに電気的に接続された第一の内部電極層
と、前記圧電セラミックス積層体の前記内部電極層であ
って、前記インク室の両端部に対応する位置に設けら
れ、且つ第二の外部電極により積層方向に互いに電気的
に接続された第二の内部電極層と、前記インク室の配列
方向について隣り合う前記第一の外部電極と第二の外部
電極との間に、圧電セラミックス層の分極方向と垂直な
方向の駆動電界を印加する制御手段と、を備えている。
また、本願に係る第２の発明は、圧電トランスデュー
サを用いて、所定の駆動電界の印加によってインク室の
容積を変化させることにより該インク室内のインクを噴
射する噴射装置を多数備えた圧電式インクジェットプリ
ンタヘッドであって、圧電セラミックス層と複数に分割
した内部電極層とを交互に積層してなり、その積層方向
と垂直な方向に配列形成された複数のインク室に跨って
配置された圧電セラミックス積層体と、前記圧電セラミ
ックス積層体の前記内部電極層であって、前記インク室
の中央部に対応する位置に設けられ、且つ積層方向に互
いに電気的に接続され、前記圧電セラミックス層に対し
てその積層方向と垂直な方向に分極電界を生じさせるた
めの第一の内部電極層と、前記圧電セラミックス積層体
の前記内部電極層であって、前記インク室の両端部に対
応する位置に設けられ、且つ積層方向に互いに電気的に
接続され、前記圧電セラミックス層に対してその積層方
向と垂直な方向に分極電界を生じさせるための第二の内
部電極層と、前記圧電セラミックス積層体の上下面に形
成された、外部共通電極及び前記インク室に対応して分
割配置された外部制御電極と、前記外部共通電極と前記
外部制御電極との間に、前記圧電セラミックス積層体の
積層方向と平行な方向の駆動電界を印加する制御手段
と、を備えている。
［作用］ 上記の構成を有する本願に係る第１の発明の圧電式イ
ンクジェットプリンタヘッドによれば、制御手段により
所定の駆動電界を印加すると、複数のインク室に跨って
配置された圧電セラミックス積層体の内部において、イ
ンク室の中央部に対応する位置に設けられた第１の内部
電極層と、その第１の内部電極層と隣り合い、且つイン
ク室の両端部に対応する位置に設けられた第２の内部電
極層との間に、圧電セラミックス層の分極方向と垂直な
方向の駆動電界が形成され、両電極層の間に位置する圧
電セラミックス層の一部分が厚みすべり効果により局所
変形し、対応する噴射装置からインクが噴射される。
また、上記の構成を有する本願に係る第２の発明の圧
電式インクジェットプリンタヘッドによれば、分極処理
時に比較的高圧の分極電界を印加すると、複数のインク
室に跨って配置された圧電セラミックス積層体の内部に
おいて、インク室の中央部に対応する位置に設けられた
第１の内部電極層から、その第１の内部電極層と隣り合
い、且つインク室の両端部に対応する位置に設けられた
第２の内部電極層に向かって、圧電セラミックス層の積
層方向と垂直な方向に互いに反対向きの分極電界が交互
に形成される。そして、この圧電セラミックス積層体の
上下面に形成された外部共通電極と外部制御電極との間
に、制御手段により、圧電セラミックス積層体の積層方
向と平行な方向に駆動電界を印加すると、両電極の間に
位置する圧電サラミック層の一部分が厚みすべり効果に
より局所変形し、対応する噴射装置からインクが噴射さ
れる。
［実施例］ 本発明を具体化した一実施例を、第１図〜第７図を参
照して詳細に説明する。
第６図は、本発明の一実施例である圧電式インクジェ
ットプリンタヘッドを搭載するインクジェットプリンタ
の要部を示す図であり、10はプラテンである。このプラ
テン10は、軸12によりフレーム13に回転可能に取り付け
られており、モータ14によって駆動される。プラテン10
に対向して圧電式インクジェットプリンタヘッド15が設
けられている。圧電式インクジェットプリンタヘッド15
は、インク供給装置16と共にキャリッジ18上に載置され
ている。キャリッジ18はプラテン10の軸線平行に配設さ
れた２本のガイドロッド20に摺動可能に支持されると共
に、一対のプーリ22に巻き掛けられたタイミングベルト
24が結合されている。そして、一方のプーリ22がモータ
23によって回転させられ、タイミングベルト24が送られ
ることによりキャリッジ18はプラテン10に沿って移動さ
せられる。
第１図は、前記圧電式インクジェットプリンタヘッド
15に用いられるアレー30の断面図である。このアレー30
は、同図の上方に開口する幅（図において左右方向）0.
5mm、長さ（図において紙面と直交する方向）10mmであ
る３本のインクチャンネル32a,32b,32cが形成された矩
形容器状のチャンネル本体34と、そのチャンネル本体34
の開口部に接着部材36を介して固着された積層圧電素子
38とを備えて構成されている。上記インクチャンネル32
a〜32cによりインク室が構成される。
積層圧電素子38は、圧電・電歪効果を有する圧電セラ
ミックス層40と、前記接着部材36の位置に対応するよう
に分割された内部負電極層42a,42b,42c,42dと、前記イ
ンクチャンネル32a〜32cの中央部に対応するように分割
された内部正電極層44a,4b,44cとを複数積層し、厚さ0.
25mmとしたものである。前記圧電セラミックス層40は、
強誘電性を有するチタン酸ジルコン酸鉛（PZT）系のセ
ラミックス材料にて厚さ40μｍに構成されており、積層
方向に分極させられている。同図の圧電セラミックス層
40に示されている矢印は分極方向を示している。前記内
部負電極層42a〜42dと前記内部電極層44a〜44cは、Ag-P
d系の金属材料からなり、厚さ約２μｍである。
前記積層圧電素子38は、以下の製造方向によって製造
される。
第３図に示すように、先ず、圧電セラミックス層40を
形成するための素材の上側表面に、前記接着部材36の位
置に対応するように４つに分割された内部負電極層42a
〜42dと、前記インクチャネル32a〜32cの中央部に対応
するように３つに分割された内部正電極層44a〜44cとを
スクリーン印刷によって形成して、グリーンシート50を
作成する。そして、グリーンシート50を交互に所要枚数
積層し、その上部には上側表面に内部電極層のないグリ
ーンシート（図示しない）を重ねて、全体を加熱プレス
し、脱脂、焼結等の必要な手段を施すことにより、積層
圧電素子38を得る。かくして得られた積層圧電素子38の
上下面に第４図に示すように分極用外部電極86をスパッ
タ法等の方法で形成し、130℃程度のシリコンオイルな
どの絶縁オイル80が満たされたオイルバス82中に浸し、
前記分極用外部電極86間に2.5kV/mm程度の電界を分極電
源84により印加し、分極処理を施す。その後前記分極用
外部電極86をエッチング法等により取り除き、第５図に
示すように内部負電極層42a〜42dと、内部正電極層44a
〜44cが露出している箇所に外部負電極52a〜52d、外部
正電極54a〜54cをそれぞれ取り付ける。以上の方法によ
り積層圧電素子38が得られるのである。
このようにして得られた積層圧電素子38を取り付けた
前記アレー30を複数互いに近接する状態で一体的に組み
付けることにより、前記圧電式インクジェットプリンタ
ヘッド15が構成される。
各アレー30には、それぞれ第２図に示されている電気
回路が設けられている。この電気回路において、駆動電
源60の負極側と積層圧電素子38の外部負電極52a〜52dと
は接地されており、前記駆動電源60の正極側は開閉スイ
ッチ62a,62b,62cを介して前記積層圧電素子38の外部正
電極54a〜54cに接続されている。この各スイッチ62a〜6
2cが図示しないコントローラによって閉じられることに
より、駆動電源60から所定のインクチャンネル32a〜32c
に位置する内部負電極層42と内部正電極層44間に駆動電
圧が印加される。
以上のように構成された圧電式インクジェットプリン
タヘッド15の動作について説明する。
所定の印字データに従って、前記コントローラが例え
ばスイッチ62aを閉じると、前記内部負電極層42a,42bと
内部正電極層44aとの間に電圧が印加され、それらの間
に位置する圧電セラミックス層40に実質的に分極方向と
垂直な方向のバイアス電界が印加され、圧電・電歪の厚
み滑り効果の寸法歪みに従い前記内部正電極層44aに対
応する部分がインクチャンネル32aの内部方向に変形
し、前記インクチャンネル32aの容積を減少させる。そ
して、インクチャンネル32a内のインクが図示しない弁
を経てノズルから噴射される。また、スイッチ62aが開
いて電圧の印加が遮断され前記内部正電極層44aに対応
する部分が元の位置まで戻されると、その時のインクチ
ャンネル32aの容積増加に伴って図示しない別の弁を経
て前記インク供給装置16からインクが補充される。尚、
例えば他のスイッチ62bが閉じられた場合には、前記内
部正電極層44bに対応する部分が変位させられてインク
チャンネル32bからインクが噴射される。
すなわち、本実施例のアレー30は、圧電式インクジェ
ットプリンタヘッド15の３つの噴射装置70a,70b,70cを
構成しているのであり、１つの積層圧電素子38はその３
つの噴射装置70a〜70cに跨って設けられた圧電アクチュ
エータとして機能するのである。
このように、本実施例の圧電式インクジェットプリン
タにおいては、１つの積層圧電素子38が３つの噴射装置
70a〜70cの圧電アクチュエータとして機能するため、ア
レー30、更にはそのアレー30を多数組み付けることによ
って圧電式インクジェットプリンタヘッド15の構造が簡
略化され、製造工数も少なくなって製造コストが低減さ
れるのである。
また前記積層圧電素子38は、40μｍと非常にせまい間
隔で設けた内部負電極層42a〜42dと、同じく40μｍと非
常にせまい間隔で設けた内部正電極層44a〜44cとの間に
駆動電圧が印加されるので、駆動電界と分極方向とがほ
ぼ完全に垂直となるので圧電セラミックス層40の見かけ
の圧電定数d15が従来よりも大きくなる。このため従来
約200Vの駆動電圧が必要とされていたものを、約160Vま
で駆動電圧を低減できた。ここで圧電セラミックス層40
の積層枚数を増やしても同様の変位が得られるので、前
記積層圧電素子38の必要な強度に応じて厚みを増やして
信頼性を向上することもできる。また、このような積層
圧電素子38は、スクリーン印刷により内部電極層42,44
を形成しているので、内部負電極層42と内部正電極層44
との幅を極めて小さくすることが容易で、例えば３つの
噴射装置70a〜70cを備えたアレー30を小型化することに
より印字の解像度を向上することができる。これによ
り、高解像度で広い範囲に印字を行なうことができるプ
リンタヘッドが実現されるのである。
さらに、本実施例の積層圧電素子38の内部負電極層42
と内部正電極層44は外部に露出していないので、銀のマ
イグレーション等による、絶縁性劣化がなくなり、優れ
た耐久性、耐湿性を得られる利点がある。このため従来
必要であった絶縁性劣化予防のための部品を設ける必要
がなくなり、プリンタヘッドの小型化、軽量化、低コス
ト化が実現されるのである。
尚、本発明は上記実施例に限定されるものではなくそ
の趣旨を逸脱しない範囲において数々の変形を加えるこ
ともできる。
例えば、第７図に示すように前記積層圧電素子38の分
極方向を積層方向と垂直にし、駆動用のバイアス電界を
積層方向と平行方向にしてもよい。この場合には分極処
理時において内部負電極層42a〜42dと内部正電極層44a
〜44cとの間に2.5kV/mm程度の電界を印加する。このと
き40μｍと非常にせまい間隔で設けた内部負電極層42a
〜42dと、同じく40μｍと非常にせまい間隔で設けた内
部正電極層44a〜44cとの間に分極電界が印加されるの
で、圧電セラミックス層40の分極方向はほぼ完全に積層
方向と垂直な方向になる。その後、図に示すように前記
積層圧電素子38の上下面にインクチャンネル32a,32b,32
cに対応するように分割された外部正電極43a,43b,43cと
外部負電極41を形成する。所定の印字データに従って、
前記コントローラが例えばスイッチ62aを閉じると、前
記外部負電極41と前記外部正電極43aとの間に電圧が印
加され、それらの間に位置する圧電セラミックス層40に
分極方向と垂直な方向のバイアス電界が印加され、圧電
・電歪の厚み滑り効果の寸法歪に従い前記外部正電極43
aに対応する部分がインクチャンネル32aの内部方向に変
形し、前記インクチャンネル32aの容積を減少させる。
そして、インクチャンネル32a内のインクが図示しない
弁を経てノズルから噴射される。また、スイッチ62aが
開いていて電圧の印加が遮断され前記外部正電極43aに
対応する部分が元の位置まで戻されると、その時のイン
クチャンネル32aの容積増加に伴って図示しない別の弁
を経て前記インク供給装置16からインクが補充される。
尚、例えば他のスイッチ62bが閉じられた場合には、前
記外部正電極43bに対応する部分が変位させられてイン
クチャンネル32bからインクが噴射される。この実施例
においても従来約200Vの駆動電圧が必要とされていたも
のを、約160Vと駆動電圧を低減できた。また、外部正電
極43と外部負電極41とは積層圧電素子の上下面に離れて
設けられているため短絡による絶縁性劣化も生じなかっ
た。
［発明の効果］ 以上詳述したことから明らかなように、本発明の圧電
式インクジェットプリンタヘッドによれば、圧電セラミ
ックス層の分極方向と駆動電界方向とがほぼ完全に垂直
となり見かけの圧電定数d15が従来よりも大きくなるこ
とにより、駆動電圧が低減される。また積層圧電素子の
必要な強度に応じて変位量を損なうことなく積層枚数を
増やすことができ、信頼性が向上する。さらに、電極間
の短絡やマイグレーション等による絶縁性劣化がなくな
り、優れた耐久性、耐湿性を得られ、このため従来必要
であった絶縁性劣化予防のための部品を設ける必要がな
くなり、プリンタヘッドの小型化、軽量化、低コスト化
が実現されるという効果がある。
また、特に本願に係る第２の発明の圧電式インクジェ
ットプリンタヘッドによれば、圧電セラミックス板に、
その厚み方向と垂直な方向であってインクチャンネルの
配列方向について、互いに反対向きの分極電界を交互に
形成するという複雑な構成が容易に実現され、プリンタ
ヘッドの低コスト化、信頼性向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
第１図乃至第７図は本発明を具体化した一実施例を示
し、第１図は圧電式インクジェットプリンタヘッドの一
部を構成するアレーの断面図、第２図はアレーに電気回
路が設けられた状態を示す図、第３図はグリーンシート
の斜視図、第４図は分極工程を示す図、第５図は積層圧
電素子の斜視図、第６図は圧電式インクジェットプリン
タヘッドを搭載するインクジェットプリンタの要部を示
す斜視図、第７図は他の実施例における圧電式インクジ
ェットプリンタヘッドの一部を構成するアレーの断面図
である。また、第８図は従来例における圧電アクチュエ
ータの断面図である。 図中、15は圧電式インクジェットプリンタヘッド、32は
インクチャンネル（インク室）、38は積層圧電素子、40
は圧電セラミックス層、42は内部負電極層、44は内部正
電極層、70は噴射装置である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】圧電トランスデューサを用いて、所定の駆
    動電界の印加によってインク室の容積を変化させること
    により該インク室内のインクを噴射する噴射装置を多数
    備えた圧電式インクジェットプリンタヘッドにおいて、 厚み方向に分極された圧電セラミックス層と複数に分割
    した内部電極層とを交互に積層してなり、その積層方向
    と垂直な方向に配列形成された複数のインク室に跨って
    配置された圧電セラミックス積層体と、 前記圧電セラミックス積層体の前記内部電極層であっ
    て、前記インク室の中央部に対応する位置に設けられ、
    且つ第一の外部電極により積層方向に互いに電気的に接
    続された第一の内部電極層と、 前記圧電セラミックス積層体の前記内部電極層であっ
    て、前記インク室の両端部に対応する位置に設けられ、
    且つ第二の外部電極により積層方向に互いに電気的に接
    続された第二の内部電極層と、 前記インク室の配列方向について隣り合う前記第一の外
    部電極と第二の外部電極との間に、圧電セラミックス層
    の分極方向と垂直な方向の駆動電界を印加する制御手段
    と、 を備えたことを特徴とする圧電式インクジェットプリン
    タヘッド。
  2. 【請求項２】圧電トランスデューサを用いて、所定の駆
    動電界の印加によってインク室の容積を変化させること
    により該インク室内のインクを噴射する噴射装置を多数
    備えた圧電式インクジェットプリンタヘッドにおいて、 圧電セラミックス層と複数に分割した内部電極層とを交
    互に積層してなり、その積層方向と垂直な方向に配列形
    成された複数のインク室に跨って配置された圧電セラミ
    ックス積層体と、 前記圧電セラミックス積層体の前記内部電極層であっ
    て、前記インク室の中央部に対応する位置に設けられ、
    且つ積層方向に互いに電気的に接続され、前記圧電セラ
    ミックス層に対してその積層方向と垂直な方向に分極電
    界を生じさせるための第一の内部電極層と、 前記圧電セラミックス積層体の前記内部電極層であっ
    て、前記インク室の両端部に対応する位置に設けられ、
    且つ積層方向に互いに電気的に接続され、前記圧電セラ
    ミックス層に対してその積層方向と垂直な方向に分極電
    界を生じさせるための第二の内部電極層と、 前記圧電セラミックス積層体の上下面に形成された、外
    部共通電極及び前記インク室に対応して分割配置された
    外部制御電極と、 前記外部共通電極と前記外部制御電極との間に、前記圧
    電セラミックス積層体の積層方向と平行な方向の駆動電
    界を印加する制御手段と、 を備えたことを特徴とする圧電式インクジェットプリン
    タヘッド。
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