JP3128857B2 - 圧電式インクジェットプリンタヘッド - Google Patents
圧電式インクジェットプリンタヘッドInfo
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Description
プリンタヘッドに係り、特に、圧電アクチュエータとし
て積層圧電素子を用いたプリンタヘッドに関するもので
ある。
を利用したものが近年提案されている。これは、圧電ア
クチュエータの寸法変位によってインク室の容積を変化
させることにより、その容積減少時にインク室内のイン
クを噴射し、容積増大時にインク室内にインクを導入す
るようにしたもので、ドロップオンデマンド方式と呼ば
れている。そして、このような噴射装置を多数互いに近
接して配設し、所定の位置の噴射装置からインクを噴射
させることにより、所望する文字や画像を形成するので
ある。
ェットプリンタヘッドは1つの噴射装置に1つの圧電ア
クチュエータが用いられているために高解像度で広い範
囲の印字を行うために多数の噴射装置を密集して配置し
ようとすると、その構造が複雑で製造工数が多く、高価
になるという問題を含んでいた。さらに上記圧電アクチ
ュエータの寸法は加工の制約上余り小さくできないた
め、1つ1つの噴射装置の小型化が困難で解像度が制約
されるという問題も含んでいた。
は、先に特願平2ー75858号(特開平3-274159号)の願書に
添付した明細書及び図面に記載の構成を提案した。これ
は、圧電セラミックス層と内部電極層とを交互に積層し
てなり、かつその内部電極層を構成する内部正電極層と
内部負電極層のうち、少なくとも一方の内部電極層を複
数の噴射装置に対応するように分割した圧電アクチュエ
ータを、複数の噴射装置に跨って設けることで、構造が
簡単で製造コストが安く、しかも高解像度化と低電圧駆
動化を実現している。この圧電式インクジェットプリン
タヘッドは、例えば図7に示したような構造をしてい
る。
に3つの圧電活性部46a,46b,46cと4つの圧
電不活性部48を有している。インクチャンネル本体3
4は、前記積層圧電素子38と圧電不活性部48の部位
にて接合されており、対向する側にはオリフィス37
a,37b,37cを有するオリフィスプレート36が
接合されている。ここで外部負電極52と外部正電極5
4a間に駆動電圧が印加されると、図のように圧電活性
部46aが厚み方向に伸びインクチャンネル32aの容
積を小さくしオリフィス37aから液滴39を噴射す
る。従って積層圧電素子38は複数の噴射装置70a,
70b,70cの圧電アクチュエータとして働いてお
り、構成部品が少ない簡単な構造をしているのである。
また、アクチュエータとして内部電極を分割した積層圧
電素子を用いたので、高解像度化、低電圧駆動化を実現
しているのである。
た圧電式インクジェットプリンタヘッドは、図7で示し
たように圧電活性部46aの変位は、インクチャンネル
32aの方向だけでなく、その反対方向にも同量だけあ
ることが分かる。すなわち、この圧電式インクジェット
プリンタヘッドは、半分のエネルギー効率でしか液滴噴
射ができないという問題があるのであった。
になされたものであり、構造が簡単で製造コストが安
く、高い解像度が得られしかも効率よく低電圧で駆動す
る圧電式インクジェットプリンタヘッドを提供すること
を目的とする。
に本発明の圧電式インクジェットプリンタヘッドは、圧
電セラミックス層と内部電極層とを交互に積層してなる
圧電アクチュエータの作用によりインク室の容積を変化
させ、該インク室内のインクを噴射する複数の噴射装置
を備えた圧電式インクジェットプリンタヘッドに於て、
前記圧電アクチュエータが複数の噴射装置に跨って設け
られ、前記内部電極層を構成する内部正電極層と内部負
電極層のうち、少なくとも一方の内部電極層が前記複数
の噴射装置に対して1対1となるように分割されてお
り、前記圧電アクチュエータが、前記内部正電極層と内
部負電極層に挟まれ、前記複数の噴射装置の各インク室
に対応する圧電活性部と、前記内部正電極層と内部負電
極層に挟まれていない、前記各インク室間の壁に固着さ
れた圧電不活性部とを交互に複数個有し、該圧電アクチ
ュエータの圧電活性部と圧電不活性部とに跨って設けら
れ、前記圧電活性部の前記インク室と反対側部分の変形
を拘束する手段を有している。
ットプリンタヘッドによれば、複数の噴射装置に跨って
設けられた圧電アクチュエータの所定の噴射装置に対応
する内部電極層間にのみに駆動電圧が印加され、その内
部電極層間に位置する圧電セラミックス層の圧電活性部
がインク室とは反対側部分の変形を拘束されてインク室
に対し効率よく変形しインクが噴射される。
を参照して詳細に説明する。なお説明の都合上、従来例
と同一部位あるいは均等部位には同一符合をつけること
にする。
ンクジェットプリンタヘッドを搭載するインクジェット
プリンタの要部を示す図であり、11は紙であり、10
はプラテンである。このプラテン10は、軸12により
フレーム13に回転可能に取り付けられており、モータ
14によって駆動される。プラテン10に対向して圧電
式インクジェットプリンタヘッド15が設けられてい
る。
は、インク供給装置16と共にキャリッジ18上に載置
されている。キャリッジ18はプラテン10の軸線平行
に配設された2本のガイドロッド20に摺動可能に支持
されると共に、一対のプーリ22に巻き掛けられたタイ
ミングベルト24が結合させらている。そして、一方の
プーリ22がモータ23によって回転させられ、タイミ
ングベルト24が送られることによりキャリッジ18は
プラテン10に沿って移動させられる。
タヘッド15に用いられるアレイ30の断面図である。
このアレイ30は、幅が1.2mm、長さ(図中紙面に
垂直な方向)が15mmである3本のインクチャンネル
32a,32b,32cが形成されたチャンネル本体3
4と、該チャンネル本体34に固着された積層圧電素子
38と、同じく該チャンネル本体34に前記積層圧電素
子38とは反対側に固着されたオリフィス37を有する
オリフィスプレート36と、前記積層圧電素子38の前
記インクチャンネル32a〜32cと対向する側に固着
された弾性率の高い金属、またはセラミックスからなる
変形拘束部材33とを備えて構成されている。上記イン
クチャンネル32a〜32cによりインク室が構成され
る。
する圧電セラミックス層40と、内部負電極層42と、
前記インクチャンネル32a〜32cに対して1対1で
対応するように分割され、かつアレイ方向31における
幅が1.0mmである内部正電極層44a,44b,4
4cとを複数枚積層し、厚さ約0.5mmとしたもので
ある。そして、積層圧電素子38は、内部負電極層42
と内部正電極層44a〜44cとに挟まれ、かつアレイ
方向における幅が1.0mmである圧電活性部46a,
46b,46cと、両内部電極層42,44a〜44c
に挟まれていない圧電不活性部48を有している。前記
圧電セラミックス層40は、強誘電性を有するチタン酸
ジルコン酸鉛(PZT)系のセラミックス材料にて厚さ
40μmに構成されており、積層方向に分極させられて
いる。同図の圧電セラミックス層40の各圧電活性部4
6a〜46cに示されている矢印は分極方向を示してい
る。前記内部負電極層42と前記内部正電極層44a〜
44cは、Ag−Pd系の金属材料からなり、厚さ約2
μmである。
性部48の中央部において前記チャンネル本体34に固
着されている。
によって製造される。
ス層40の上側表面に、前記インクチャネル32a〜3
2cに1対1で対応するように3つに分割された内部正
電極層44a〜44cと各々の電極取り出し部45a,
45b,45cをスクリーン印刷によって形成して、グ
リーンシート50を作成する。また圧電セラミックス層
40の上側表面に、内部負電極層42とその電極取り出
し部43をスクリーン印刷によって形成して、グリーン
シート51を作成する。そして、両グリーンシート5
0,51を交互に合計10枚積層し、その上部には圧電
セラミックス層40の上側表面に内部電極層のないグリ
ーンシート(図示しない)を重ねて、全体を加熱プレス
し、脱脂、焼結等の必要な手段を施すことにより、積層
圧電素子38を得る。かくして得られた積層圧電素子3
8の電極取り出し部43,45a〜45cが露出してい
る箇所に外部負電極52、外部正電極54a,54b,
54cを取り付ける。そして、この積層圧電素子38を
130℃程度のシリコンオイルなどの絶縁オイルが満た
された図示しないオイルバス中に浸し、その外部負電極
52と外部正電極54a〜54cとの間に2.5kV/
mm程度の電界を印加し、分極処理を施す。以上の方法
により積層圧電素子38が得られるのである。
と、幅1.2mmで長さが15mmである3本のインク
チャンネル32を有するチャンネル本体34と、3個の
オリフィス37を有するオリフィスプレート36と、変
形拘束部材33とを図5に示すように組み付けることに
より前記アレイ30が構成される。
回路が設けられている。この電気回路において、駆動電
源60の負極側と積層圧電素子38の外部負電極52と
は接地されており、前記駆動電源60の正極側は開閉ス
イッチ62a,62b,62cを介して前記積層圧電素
子38の外部正電極54a〜54cに接続されている。
この各スイッチ62a〜62cが図示しないコントロー
ラによって閉じられることにより、駆動電源60から所
定の圧電活性部46a〜46cに位置する内部負電極層
42と内部正電極層44間に駆動電圧が印加される。
ットプリンタヘッド15の動作について説明する。
ーラが例えばスイッチ62aを閉じると、前記圧電活性
部46aの内部負電極層42と内部正電極層44aとの
間に電圧が印加され、それらの間に位置する圧電セラミ
ックス層40にバイアス電界が印加され、圧電・電歪縦
効果の寸法歪に従い前記圧電活性部46aが図1の上下
方向に伸張し、前記インクチャンネル32aの容積を減
少させる。そして、インクチャンネル32a内のインク
がオリフィス37aから液滴39となって噴射される。
また、スイッチ62aが開いて電圧の印加が遮断され圧
電活性部46aが元の位置まで戻されると、その時のイ
ンクチャンネル32aの容積増加に伴って図示しない別
の弁を経て前記インク供給装置16からインクが補充さ
れる。尚、例えば他のスイッチ62bが閉じられた場合
には、圧電活性部46bが変位させられてインクチャン
ネル32bからインクが噴射される。
インクジェットプリンタヘッド15の3つの噴射装置7
0a,70b,70cを構成しているのであり、1つの
積層圧電素子38はその3つの噴射装置70a〜70c
に跨って設けられた圧電アクチュエータとして機能する
のである。
アレイ方向31における変形分布を測定したデータを図
3に示す。圧電活性部46に電圧25Vを印加したとき
該圧電活性部46の部分は、従来のように変形拘束部材
33のない状態では約90nm程度の変位であるのに対
し、本実施例のように変形拘束部材33を設けた場合に
は160nm程度の変位が得られた。このように本発明
品は、従来に比べ1.8倍ほど効率が向上することが分
かる。この結果から本実施例の圧電式インクジェットプ
リンタヘッド15では、液滴39を噴射するためにはわ
ずか17Vという低駆動電圧でよいことが分かった。
トプリンタ15においては、1つの積層圧電素子38が
3つの噴射装置70a〜70cの圧電アクチュエータと
して機能するため、アレイ30、更にはそのアレイ30
を多数組み付けることによって圧電式インクジェットプ
リンタヘッド15の構造が簡略化され、製造工数も少な
くなって製造コストが低減されるのである。そして圧電
アクチュエータが積層圧電素子38であることに加え
て、無駄な変形を減少させるための変形拘束部材33を
積層圧電素子38に固着したため、効率のよい変形が得
られ、駆動電圧が大幅に低減できた。また前記積層圧電
素子38は、スクリーン印刷により内部電極層42,4
4を形成しているので、圧電活性部46a〜46cと圧
電不活性部48の幅を極めて小さくすることが容易で、
例えば3つの噴射装置70a〜70cを備えたアレイ3
0を小型化することにより印字の解像度を向上すること
ができる。これにより、高解像度で広い範囲に印字を行
なうことができるプリンタヘッドが実現されるのであ
る。
部負電極層42と内部正電極層44は電極取り出し部4
3,45を除いて外部に露出していないので、銀のマイ
グレーション等による、絶縁性劣化がなくなり、優れた
耐久性、耐湿性を得られる利点がある。
ではなくその趣旨を逸脱しない範囲において数々の変形
を加えることもできる。
0a〜70cに跨って設けられた圧電アクチュエータと
して1つの積層圧電素子38が用いられているが、例え
ば、更に多数に分割した内部正電極層44を採用するこ
とにより、更に多数の噴射装置に跨った圧電アクチュエ
ータを設けることもできる。
各インクチャンネル32a〜32cに1対1で対応する
ように分割されていたが、内部負電極層42を各インク
チャンネル32a〜32cに1対1で対応するように分
割しても良いし、また、内部正電極層44と内部負電極
層42の両方を各インクチャンネル32a〜32cに1
対1で対応するように分割しても良い。即ち、正または
負の少なくともどちらか一方の内部電極層が各インクチ
ャンネル32a〜32cに1対1で対応するように分割
されていれば良い。
必要はなく圧電活性部46に対応して複数個設けてもよ
い。
に、分極方向と反対方向の駆動電界を印加して概圧電活
性部46の厚みが縮む方向で駆動しても、インクチャン
ネル32と反対側部分の変位が拘束されていれば上記実
施例と同様の効果が得られる。
本発明の圧電式インクジェットプリンタヘッドによれ
ば、圧電アクチュエータが複数の噴射装置に跨って設け
られ、内部正電極層と内部負電極層とのどちらか一方の
内部電極層が複数の噴射装置に対して1対1となるよう
に分割されているので、構造が簡略化され、製造工数が
少なくなって製造コストが低減される。また、内部電極
層のパターンを細かく分割して形成し、積層圧電素子の
局所変位部分の面積を小さくすることが容易で、これに
より噴射装置を小型化して印字の解像度を向上させるこ
とができる。さらに圧電活性部と圧電不活性部とに跨っ
て拘束する手段が設けられていることで、該拘束する手
段が各圧電活性部の両側において各圧電不活性部を介し
てインク室間の壁に固定され、それによってどの位置の
圧電活性部もほぼ均一に動作させることができ、噴射む
らのない優れた性能を実現することができる。また、拘
束手段のどの部分も変形することが少ないから拘束手段
を小さくすることができるとともに、拘束手段を固定す
るための部材を特別に用意する必要がなくプリンタヘッ
ドを小型化することができるという効果を奏する。
構成するアレイの断面図である。
図である。
ある。
るインクジェットプリンタの要部を示す斜視図である。
アレイの断面図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 圧電セラミックス層と内部電極層とを交
互に積層してなる圧電アクチュエータの作用によりイン
ク室の容積を変化させ、該インク室内のインクを噴射す
る複数の噴射装置を備えた圧電式インクジェットプリン
タヘッドに於て、 前記圧電アクチュエータが複数の噴射装置に跨って設け
られ、前記内部電極層を構成する内部正電極層と内部負
電極層のうち、少なくとも一方の内部電極層が前記複数
の噴射装置に対して1対1となるように分割されてお
り、前記圧電アクチュエータが、前記内部正電極層と内
部負電極層に挟まれ、前記複数の噴射装置の各インク室
に対応する圧電活性部と、前記内部正電極層と内部負電
極層に挟まれていない、前記各インク室間の壁に固着さ
れた圧電不活性部とを交互に複数個有し、 該圧電アクチュエータの圧電活性部と圧電不活性部とに
跨って設けられ、前記圧電活性部の前記インク室と反対
側部分の変形を拘束する手段を有することを特徴とする
圧電式インクジェットプリンタヘッド。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP03114652A JP3128857B2 (ja) | 1991-05-20 | 1991-05-20 | 圧電式インクジェットプリンタヘッド |
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Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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Publications (2)
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JPH04341851A JPH04341851A (ja) | 1992-11-27 |
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Family
ID=14643169
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP03114652A Expired - Lifetime JP3128857B2 (ja) | 1990-03-26 | 1991-05-20 | 圧電式インクジェットプリンタヘッド |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3128857B2 (ja) |
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- 1991-05-20 JP JP03114652A patent/JP3128857B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JPH04341851A (ja) | 1992-11-27 |
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