JP4069356B2 - 圧電トランスデューサおよびそれを用いた液滴噴射装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧電トランスデューサおよびそれを用いた液滴噴射装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
プリントヘッドに圧電式の液滴噴射装置を利用したものが従来から提案されている。これは、圧電トランスデューサの寸法変位によってインクを収容した液室の容積を変化させることにより、その容積減少時に液室内のインクをノズルから噴射し、容積増大時にインク供給源から液室内にインクを導入するようにしたもので、ドロップオンデマンド方式と呼ばれている。そして、このような噴射機構を多数互いに近接して配設し、所定の位置の噴射機構からインクを噴射することにより、所望する文字や画像を形成するのである。
【0003】
しかしながら従来の圧電式の液滴噴射装置は1つの噴射機構に1つの圧電トランスデューサが用いられていたため、高解像度で広い範囲の画像形成を行うために多数の噴射機構を密集して配置しようとすると、その構造が複雑で製造工数が多く、高価になるという問題と、上記圧電トランスデューサの寸法を加工の制約上あまり小さくできないため、1つ1つの噴射機構の小型化が困難で解像度が制限されるという問題があった。
【0004】
これらの問題を解決するために近年、複数の液室に跨って設けられた単一の圧電トランスデューサの所定の噴射機構に対応する部位のみを局部的に変形させる圧電式の液滴噴射装置が提案されている。この種の圧電式のインク噴射装置としては、例えば米国特許第5,266,964 号明細書に開示されたものがある。図23及び図24の断面図に示すこの圧電式の液滴(インク)噴射装置401は、上述の特許明細書に開示された圧電トランスデューサ400と、インク室形成部材60と、スペーサ部材70と、スペーサ部材70の底板に穿設された連通孔71に連通するノズル80を有するノズルプレート90とで構成されている。
【0005】
噴射装置401の液室50の容積を変化させるための複数の圧電セラミックス層410と該圧電セラミックス層410の表面に沿って相互に所定の間隔をおいて配置される内部電極層430,440とを積層してなる圧電トランスデューサ400が、複数の液室50に跨って設けられている。
【0006】
前記圧電セラミックス層410は積層方向と同一方向である矢印450の方向に分極されている。内部正電極層430、430に対応する部分が前記各液室50、50の各中央部に配置され、内部グランド電極層440、440、440に対応する部分が前記各液室50、50の両端部(インク室形成部材60の上端)となるように配置されている。
【0007】
所定の印字データに従って、1つの液室50から液滴を噴射する場合には、該液室50の両側の前記内部グランド電極層440、440と中央部の内部正電極層430との間に駆動電圧が印加されると、圧電セラミックス層410に内部正極電極430に対して対称な駆動電界(図中の破線矢印451方向)が分極方向と垂直方向にかかり、2つの部分がそれぞれ厚みすべり効果により平行四辺形状に変形し、内部正極電極430部分が図中上方向に向かって変位し、前記液室50の容積を増加させる。その時の液室50の容積増加に伴って図示しない液体供給装置から液体(インク)が補充される。そして、図24に示すように電圧の印加が遮断され変形が元の位置まで戻されると、その時の液室50の容積減少に伴って液室50内の液体がノズル80から液滴81となって噴射される。
【0008】
このような構成を持つ圧電アクチュエータを圧電トランスデューサとして用いた圧電式の液滴噴射装置であれば、製造も簡単であり、コストが安い、高い解像度が得られるという効果がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記した圧電式の液滴噴射装置は、必要な液滴体積と液滴噴射速度が決まると、内部正電極層430と内部グランド電極層440との間の距離により必要な駆動電圧が決まるため、駆動電圧をあまり小さくできず、電源やドライバ基板などのコストが高くなるという欠点がある。また、駆動電圧が高すぎる場合には、駆動電圧方向と分極方向が垂直であるために、分極の劣化が進み、液滴噴射装置としての寿命が短くなるという欠点がある。
【0010】
また、駆動電圧を下げるために、例えば前記内部正電極層430と前記内部グランド電極層440との間の距離を小さくした場合には、圧電トランスデューサ400の局所変形する領域も少なくなり、前記液室50への体積変化量も減少するために、結局駆動電圧を下げることができないという構成上の問題もある。
【0011】
他方、特開平10−58674号公報、特開平10−58675号公報に記載されているように、上記のように厚みすべり変形する圧電セラミックス層の上に、厚み方向に変形する圧電セラミックス層を積層したものも知られているが、厚みすべり変形の効率を改善するには至っていない。
【0012】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、低電圧で大きな変位が得られる圧電トランスデューサを提供し、駆動電圧を低減し、耐久性にすぐれ、電源やドライバ基板が低コストとすることができる液滴噴射装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明の圧電トランスデューサは、1枚の圧電セラミックス層乃至複数枚の積層された圧電セラミックス層と、該圧電セラミックス層の面に沿う方向に間隔をおいて配置された複数の電極とを備え、該複数の電極のうち一部の複数の電極からなる第1群の電極間に挟まれた前記圧電セラミックス層の第1の領域と、該第1の領域の両側に位置する複数の電極からなる第2群の電極の間に挟まれる圧電セラミックス層の一対の第2の領域とを形成し、該第2の領域を、該第2群内の電極が対向する方向と直交する方向に分極してなり、各群の電極に駆動電圧を印加することにより、前記一対の第2の領域にそれぞれ分極方向と直交する駆動電界を生じさせて該各第2の領域を圧電厚みすべり効果により、前記第1の領域の全体を一方に偏倚させるように傾斜変位させ、且つ前記第1の領域を、該変位した前記一対の第2の領域の間の空間を増大する方向に変位させることを特徴とするものである。
【0014】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の圧電トランスデューサにおいて、前記第1の領域は、前記第1群内の電極が対向する方向に分極され、各電極に駆動電圧を印加することにより、前記変位した両第2の領域間で、前記第1の領域に分極方向と平行に生じた駆動電界により該第1の領域を圧電縦効果の変位をさせるものである。
【0015】
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の圧電トランスデューサにおいて、前記第1の領域は、圧電セラミックス層の面に沿う方向に間隔を置いた複数個の電極にて挟まれ、対称に分極された偶数個の部分からなるものである。
【0016】
さらに、請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の圧電トランスデューサにおいて、前記第1の領域と第2の領域との境界部に位置する電極は、前記第1の領域及び第2の領域に対するそれぞれの一方の電極を兼ねるものである。
【0017】
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の圧電トランスデューサにおいて、前記第1の領域は、圧電セラミックス層の面に沿う方向に間隔を置いた奇数個の電極にて挟まれ、各電極が対向する方向とほぼ直交する方向に分極され、前記各電極間に駆動電圧を印加することにより、前記第1の領域に分極方向と垂直な方向に駆動電界を生じさせ、前記各電極に挟まれる各部分をそれぞれ圧電厚みすべり効果の変位をさせることを特徴とする。
【0018】
そして、請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の圧電トランスデューサにおいて、前記第1の領域と第2の領域との境界部に位置する電極は、該両領域にそれぞれ駆動電圧を印加するように兼用され、前記第1の領域の分極方向は、前記第2の領域の分極方向に対して180°反転されており、前記両領域に発生させる駆動電界の向きを、前記隣接部分の電極に対して対称としたものである。
【0019】
請求項7に記載の発明は、請求項5に記載の圧電トランスデューサにおいて、前記第1の領域と第2の領域との境界部に位置する電極は、該両領域にそれぞれ駆動電圧を印加するように兼用され、前記第1の領域の分極方向は前記第2の領域の分極方向と同方向であり、前記両領域に発生させる駆動電界の向きは、同方向であることを特徴とするものである。
【0020】
請求項8に記載の発明は、請求項1乃至7のいずれかに記載の圧電トランスデューサおいて、圧電トランスデューサの上下両面は研摩面からなることを特徴とするものである。
【0021】
請求項9に記載の発明は、請求項1乃至8のいずれかに記載の圧電トランスデューサおいて、前記各群の電極は、各圧電セラミックス層間に介挿され、且つ圧電セラミックス層の積層方向と同方向に積層状をなしており、積層方向の電極に同じ電位が印加されることを特徴とするものである。
【0022】
そして、請求項10に記載の発明は、請求項1から9のいずれかの圧電トランスデューサを複数の液室に跨って配置し、選択的に各液室の容積を変化させることにより該液室内の液体を噴射する液滴噴射装置において、前記各液室の中央位置に、前記第1の領域を対応配置し、各液室の中央よりも両端寄りに、前記第2の領域を対応配置したものである。
【0023】
請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の液滴噴射装置において、前記第2の領域を挟む複数の電極のうち、前記第1の領域とは反対側の電極は、前記各液室を隔てる隔壁に対応して位置するものである。
【0024】
請求項12に記載の発明は、請求項10に記載の液滴噴射装置において、前記駆動電圧を印加したとき、前記圧電トランスデューサの一対の第2の領域は前記液室の容積を増大する方向に変形し、且つ前記第1の領域は両第2の領域の間の容積を増大する方向に変形することを特徴とするものである。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の圧電トランスデューサおよび液滴噴射装置をインク噴射装置に具体化した第1の実施の形態について図1〜8を参照して説明する。
【0026】
図1に示すように、インク噴射装置200は、圧電トランスデューサ100と、インク室形成部材60と、スペーサ部材70と、ノズル80を有するノズルプレート90とで構成されている。
【0027】
インクを収容するインク室(液室)50は、インク室形成部材60に穿設した開口の上下を圧電トランスデューサ100とスペーサ部材70とで覆って作られ、幅(図において左右方向)0.375mm、長さ(図において紙面と直交する方向)2.000mmという形状で、0.508mmというピッチ(50DPI)で図において左右方向に複数並んでいる。インク室50の長さ方向の一端は、スペーサ部材70に穿設した連通孔71を介してノズルプレート90のノズル80に連通し、他端は、図示しないインク供給源に連通している。
【0028】
圧電トランスデューサ100は、チタン酸ジルコン酸鉛系(PZT)のセラミックス材料からなる圧電セラミックス材料からなり、圧電・電歪効果を有する1層乃至複数層の圧電セラミックス層10と、各圧電セラミックス層10の表面に沿って適宜間隔をおいて配置された複数の電極としての内部電極層20、30、40から構成されている。
【0029】
本実施形態においては、前記内部電極層20、30、40は、インク室の幅方向(図中左右方向)における位置により区別されており、インク室50の中央部に対応するものを中央部内部電極層20とし、隣り合うインク室50を隔てる隔壁部に対応するものを端部内部電極層40とし、前記中央部内部電極層20と端部内部電極層40との間のほぼ中央部に対応するものを境界部内部電極層30とするように、それぞれ分類されている。これらの複数の電極のうち一部の奇数個の電極からなる第1群の電極(内部電極層30、20、30)間に挟まれた圧電セラミックス層10の領域を第1の領域300と称し、この第1の領域の両側に位置する複数の電極からなる第2群の電極(内部電極層30、40、30、40)で挟まれる圧電セラミックス層10の領域を第2の領域310と称する。
【0030】
前記圧電セラミックス層10の1層の厚さは0.015mmであり、それぞれの積層界面に前記内部電極層20、30、40を介して計6層が積層されていて厚さ0.090mmの圧電トランスデューサ100を構成している。
【0031】
前記両内部電極層20、30、40はAg−Pd系の金属材料からなり、厚さは約0.002mmである。幅(図において左右方向)は、前記両内部電極層20、30は約0.040mm、前記両内部電極層40は約0.080mmであり、かつ同一平面内での隣接する内部電極層20と内部電極層30との間は約0.077mm空けて分割されている。
【0032】
前記中央部内部電極層20を中心にして図1の左右両側の境界部内部電極層30、30にて挟まれた一対の領域(第1の領域300)は、本実施形態では縦効果変形領域となり、この領域内での分極方向は、それぞれ実線矢印220で示すように、インク室の幅方向(即ち、内部電極層20、30が対向する方向)と一致し、かつ電極層20を中心に対称としている。また、前記第1の領域300の両側に、隣り合って配置された前記端部内部電極層40、40と前記境界部内部電極層30とに挟まれた第2の領域310、310は、本実施形態では、厚みすべり変形領域310となる。この各第2の領域310内での分極方向は、実線矢印210で示すように、圧電セラミックス層10の積層方向と一致している。つまり、圧電トランスデューサ100には、インク室50の中央側の縦効果変形領域と、これを挟んで両側方に厚みすべり変形領域とがその順に、かつインク室50の中央に対して対称に形成されている。
【0033】
前記圧電トランスデューサ100は、以下の製造方法によって製造される。
【0034】
図2に示すように、先ず、圧電セラミックス層10を形成するためのセラミックスグリーンシート110の上側表面に、分割された内部電極層20、30、40をスクリーン印刷により形成する。それぞれの内部電極層は、電極引出し方向により、その形状が異なっている。図2に示すように中央部内部電極層20は図中手前側および奥側への取り出しをしないが、その中央部内部電極層20を挟んで位置する境界部内部電極層30は図中手前側に取り出せるようにし、さらにその両脇に位置する端部内部電極層40は図中奥側に取り出せるようにしている。このグリーンシート110を5枚重ねて、最上部に電極のないグリーンシート120を1枚重ねる。
【0035】
グリーンシートの面内での電気的取出しを持たない中央部内部電極層20については、積層方向(図中上下方向)に取り出すため、最下部のグリーンシート110を除いた全てのグリーンシート110および最上面のグリーンシート120には、中央部内部電極層20に接続し、且つ積層方向に貫通するスルーホール130がレーザー加工等により形成されており、該スルーホール130内は、Ag−Pd系の金属材料にて満たされている。
【0036】
そして積層された5枚のグリーンシート110及びグリーンシート120を加熱プレスし、公知のように脱脂、焼結を施すことにより、図3に示すように上面には中央部内部電極層20に電気的に接続するスルーホール130が露出しており、手前面には境界部内部電極層30が露出しており、同様に奥側面には、端部内部電極層40(図3で図示しない)が露出している圧電トランスデューサ100を得る。
【0037】
かくして得られた圧電トランスデューサ100の上面に正電極230、下面に負電極240を装着した(図4参照)後、130℃程度のシリコンオイルなどの絶縁オイルが満たされた図示しないオイルバス中に浸し、図示しない分極電源により2.5kV/mm程度の電界を前記正電極230と負電極240との間に印加し、第1の分極処理を施す。このとき、中央部内部電極層20は上記したスルーホール130を介して前記正電極230に対して相互に電気的に接続されているが、他の内部電極層30、40は電気的にはどこにも接続せずに全て浮いた状態となっているため、隣り合う端部内部電極層40と境界部内部電極層30とに挟まれた第2の領域310においては、圧電セラミックス層の積層方向(実線矢印210に示す方向)に2.5kV/mmの電界が印加され十分に分極される。他方、中央部内部電極層20を中心に境界部内部電極層30、30に挟まれた第1の領域300では、該中央部内部電極層20が積層方向に全てスルーホール130により接続されているため、完全には電界がかからず、前記第2の領域310におけるのと同方向(実線矢印215方向)に、且つ該第2の領域310よりも弱く分極される(図4参照)。
【0038】
前記のように、第1の分極処理された圧電トランスデューサ100を取り出して、図5に示すように、圧電トランスデューサ100の上面に露出したスルーホール130(図3参照)には電気的に接続する中央部外部電極150を個別に形成する。圧電トランスデューサ100の手前面に露出する複数の境界部内部電極層30(図3参照)の端部には相互に電気的に接続する境界部外部電極140を前記インク室50に対応する形成グループごとに形成する。同様に奥側面に露出する複数の端部内部電極層40(図3参照)の端部には相互に電気的に接続する端部外部電極(図示しない)を前記インク室50に対応する形成グループごとに形成する。なお、これらの外部電極140、150、160は銀ペーストの印刷および焼き付け法やスパッタ法などの方法で形成することができる。
【0039】
次に、前記圧電トランスデューサ100を再び130℃程度のシリコンオイルなどの絶縁オイルが満たされた図示しないオイルバス中に浸し、第2の分極処理を施す。このとき、中央部外部電極150には正電圧、境界部外部電極140と端部内部電極層40の端部外部電極とにはともに負電圧を印加する(図6参照)。すると、図6に示すように境界部内部電極層30と端部内部電極層40とで挟まれる前記第2の領域310、310では電界が印加されず、新たな分極は行われない。また、中央部外部電極150に電気的に接続する中央部内部電極層20と、境界部外部電極140に電気的に接続する境界部内部電極層30とで挟まれる第1の領域300では、電極層20を中心に対称に実線矢印220に示す方向(即ち、中央部内部電極層20と境界部内部電極層30との各電極が対向する方向)に2.5kV/mmの電界が印加され分極される。
【0040】
以上の方法により、第1の領域300内での分極方向は、実線矢印220で示すように、インク室の幅方向と一致し、また第2の領域310、310内での分極方向は、実線矢印210で示すように、積層方向と一致するように分極処理された圧電トランスデューサ100が得られるのである。このようにして得られた圧電トランスデューサ100にインク室形成部材60やスペーサ部材70およびノズルプレート90を一体的に組み付けることで、図1に示すような前記インク噴射装置200が構成される。
【0041】
以上のように構成されたインク噴射装置200の動作について説明する。図1に示すように、初期状態においては、全ての内部電極層20、30、40は全て接地(グラウンド)されている。また、インク室50内はインクにて満たされている。
【0042】
所定の印字データに従って、1つのインク室50aに連通するノズル80aからインク液滴を噴射する場合には、図7に示すように前記インク室50aに対応する境界部内部電極層30a、30bに駆動電圧(例えば+15V)が印加され、その他の内部電極層は接地しておく。そうすると、前記インク室50aに対応する前記境界部内部電極層30a、30bと、前記インク室50aに対応する中央部内部電極層20a間に破線矢印260で示す駆動電界(即ち、各電極が対向する方向の駆動電界、第1の領域300での分極方向220と平行状の駆動電界)が生じる。また、前記境界部内部電極層30aと、端部内部電極層40aの間、そして前記境界部内部電極層30bと、端部内部電極層40bの間にも破線矢印250で示す駆動電界が生じる。
【0043】
即ち、第2の領域310a、310b(厚みすべり変形領域)においては、実質的に分極方向210と垂直な方向の駆動電界250が印加され、圧電・電歪の厚みすべり効果の寸法歪に従い同領域310a、310bがそれぞれ平行四辺形状に変形し、該インク室50aの外側方向へと変位し、前記インク室50a内の容積を増大させようとする。換言すると、前記分極方向210と垂直な方向の駆動電界250が印加されることにより、前記第1の領域の全体をノズル80aから離れる方向に偏倚させるように、第2の領域310a、310b(厚みすべり変形領域)のうち前記境界部内部電極層30a、30bが端部内部電極層40a、40bに対して傾斜変位する。
【0044】
また、第1の領域300a(縦効果変形領域)においては、分極方向220と方向が一致する駆動電界260が印加されインク室50aの幅方向へ伸びる。この第1の領域300a(縦効果変形領域)の伸びは、上述したようにインク室50aの外側方向へと傾斜した第2の領域310a、310bの端部をさらに広げようとするから、その第2の領域310a、310b(厚みすべり変形領域)の変形を助長する。また、第1の領域300aにおいては、分極方向220と方向が一致する駆動電界260が印加されると積層方向に対しては横効果変形により縮むため、前記インク室50a内の容積をさらに増大する。従って、前記傾斜変位した第2の領域310a、310bの間の空間をさらに増大させるように、第1の領域300aが変位するのである。
【0045】
このときインク室50a内の圧力が減少する。この状態を、このとき生じた圧力波のインク室50a内での片道伝播時間Tだけ維持する。すると、その間図示しないインク供給源からインクが供給される。
【0046】
なお、上記片道伝播時間Tはインク室50a内の圧力波が、インク室50aの長手方向(図中、紙面に垂直な方向)に伝播するのに必要な時間であり、インク室50aの長さLとこのインク室50a内部のインク中での音速aによりT=L/aと決まる。
【0047】
圧力波の伝播理論によると、上記の電圧の印加からほぼT時間がたつとインク室50a内の圧力が逆転し、正の圧力に転じるが、このタイミングに合わせて境界部内部電極層30a、30bに印加されている電圧を0(V)に戻す。すると図8に示すように、前記圧電トランスデューサ100が局所変形前の状態に戻り、インク室50a内のインクに圧力が加えられる。そのとき、前記正に転じた圧力と、前記圧電トランスデューサ100が局所変形前の状態に戻ることにより発生した圧力とが加え合わされ、比較的高い圧力がインク室50aに連通するノズル80a付近の部分に生じて、インク液滴81がそのノズル80aから噴射される。
【0048】
このように、本実施の形態のインク噴射装置200においては、圧電トランスデューサ100の最下層よりも上に内部電極層を形成しているため、インクとの接触による電極の腐食を避けることができ、さらに、電極が内層されているために異符号極電極間での放電による圧電トランスデューサ100の破壊も起こらず信頼性が高くなるのである。
【0049】
また、上述のように駆動電圧が印加された場合に、一対の第2の領域310、310における厚みすべりの変形と、第1の領域300における縦効果、横効果および縦効果の変形が、全てインク室50aの容積を増大する方向に作用するため、比較的低い駆動電圧にて高い圧力がインク室50aに通じるノズル80aの付近に発生させてインク滴の飛翔力を高めることができる。さらに、各内部電極間の距離が短くなり、印加する電圧を低減することができる。換言すると、従来と同じインク滴の飛翔力を得るための駆動電圧を略半分に低減することができ、駆動するための電源コストも低減できるのである。
【0050】
また、第1の領域300は、実施の形態のように中央内部電極層20を中心に対称な2つの部分で構成するのではなく、単一の部分で構成することもできる。このようにすると、一対の第2の領域310、310の分極方向を相互に逆にし、電界の方向も逆にする必要がある。前記実施の形態のように中央内部電極層20を中心に対称な2つの部分で第1の領域300を構成することが、分極処理や電圧印加のための配線において好都合である。
【0051】
図9〜図17は第2実施例を示す。図9の断面図に示すように、液滴噴射装置200は、圧電トランスデューサ100と、第1の液室部材としてのスペーサ部材70と、第2の液室部材としてのインク室形成部材60とノズル80を有するノズルプレート90で構成されている。前記圧電トランスデューサ100と前記スペーサ部材70と前記インク室形成部材60とで囲まれる液室50は、幅(図において左右方向)0.450mm、長さ(図において紙面と直交する方向)2.000mmという形状で、0.508mmというピッチ(50DPI)でアレイ方向(図の左右方向)に複数並んでいる。
【0052】
圧電トランスデューサ100は、チタン酸ジルコン酸鉛系(PZT)のセラミックス材料からなる圧電セラミックス材料からなり、圧電・電歪効果を有する1層乃至複数層の圧電セラミックス層10と、各圧電セラミックス層10の表面方向に沿って適宜間隔をおいて配置された複数の電極としての内部電極層20、30、40から構成されている。
【0053】
本実施形態においては、前記内部電極層20、30、40は、インク室の幅方向(図中左右方向)における位置により区別されており、インク室50の中央部に対応するものを中央部内部電極層20とし、隣り合うインク室50を隔てる隔壁部に対応するものを端部内部電極層40とし、前記中央部内部電極層20と端部内部電極層40との間のほぼ中央部に対応するものを境界部内部電極層30とするように、それぞれ分類されている。これらの複数の電極のうち一部の奇数個の電極からなる第1群の電極(内部電極層30、20、30)間に挟まれた圧電セラミックス層10の領域を第1の領域300と称し、この第1の領域の両側に位置する複数の電極からなる第2群の電極(端部内部電極層30、40、30、40)で挟まれる圧電セラミックス層10の領域を第2の領域310と称する。
【0054】
従って、前記圧電トランスデューサ100は、各液室50の中央部に位置する第1の領域300と、各液室50の両端部に位置し、前記第1の領域300の左右に隣接する第2の領域310という2つの領域からなる。
【0055】
前記圧電セラミックス層10の1層の厚さは0.015mmであり、それぞれの積層境界面に前記内部電極層20、30、40とを交互に、その積層界面に挟みながら6層に積層されており、圧電トランスデューサ100は厚さ0.090mmとなっている。
【0056】
前記内部電極層20、30、40はAg−Pd系の金属材料からなり、厚さは約0.002mmである。幅(図において左右方向)は、前記中央部内部電極層20、境界部内部電極層30は約0.012mm、端部内部電極層40は各々約0.058mmである。
【0057】
前記第1の領域300の領域内での分極方向は、図9の実線矢印180で示すように、積層方向と一致している。また、第2の領域310の領域内での分極方向は、実線矢印190で示すように、積層方向と一致しているが、前記第1の領域300の領域内での分極方向(実線矢印180)とは180°反転方向である(図9参照)。
【0058】
本実施形態(第2実施形態)の圧電トランスデューサ100は、以下の製造方法によって製造される。
【0059】
先ず、圧電セラミックス層10を形成するためのグリーンシート110の上側表面に、前記第1実施形態と同様にして分割された内部電極層20、30、40をスクリーン印刷により形成する。以上のもの全体を加熱プレスし、脱脂、焼結等の必要な処理を施したのちに、積層状の境界部内部電極層30同士を電気的接続するために前記第1実施形態と同じく境界部外部電極140を形成しておく。そして、図10に示すように上下面に境界部内部電極層30に対応する部分で分割された分極用電極101a,101bと、端部内部電極層40に対応する部分で分割された分極用電極102a,102bをそれぞれスクリーン印刷やスパッタなどの手法により形成し、圧電トランスデューサ100を得る。ここで、第1の分極用電極101a,101bは、その中央部が中央部内部電極層20に対応する位置に配置されており、第2の分極用電極102a,102bは、その中央部が端部内部電極層40に対応する位置に配置されている。
【0060】
かくして得られた圧電トランスデューサ100を、130℃程度のシリコンオイルなどの絶縁オイルが満たされた図示しないオイルバス中に浸し、上下面の第1の分極用電極101間に、図示しない分極電源により2.5kV/mm程度の電界を印加し、具体的には図中、上側の第1の分極用電極101aは接地し、図中、下側の第1の分極用電極101bには正電圧を印加することで分極処理を施す。このとき、上下面の第2の分極電極102a,102b間には、電界を印加しない(図10参照)。
【0061】
このような第1の分極処理により図10に示すように、第1の分極電極101a、101b間が、実線矢印180で示すように、積層方向と一致する方向(図中、上方向)に分極される。その後、再び圧電トランスデューサ100を、130℃程度のシリコンオイルなどの絶縁オイルが満たされた図示しないオイルバス中に浸し、図11に示すように、上下面の第2の分極用電極102a,102b間に、図示しない分極電源により2.5kV/mm程度の前述した上下の第1の分極用電極101a、101b間に印加した方向と180°反転した方向の電界を印加する。具体的には図11において、上側の第2の分極用電極102aには正電圧を印加し、下側の第2の分極用電極102bは接地することで分極処理を施す。このとき、前記境界部外部電極140を介して境界部内部電極層30も全て接地するが、上下面の第1の分極電極101a、101b間には、電界を印加しないことで、上述した前記上下面の第1の分極電極101a、101b間の分極が劣化しないようにする。
【0062】
このような第2の分極処理により図11に示すように、第2の分極電極102a、102b間が、実線矢印190で示すように、ほぼ積層方向と一致する方向に分極される。上述したように分極時に前記境界部内部電極層30も接地するために、分極方向190の一部は図11に示したように前記中央部内部電極層20に向かう成分も含まれる。
【0063】
次に、図12に示すように、圧電トランスデューサ100の上下面の分極用電極101a、101b、102a、102bを研削により、除去する。第1群の中央部内部電極層20を中心として、その両側の境界部内部電極層30、30にて挟まれた部分が、前述した第1の領域300となり、前記第1の領域300に隣接して、前記境界部内部電極層30と第2群の端部内部電極層40とで挟まれた部分が、前述した第2の領域310となる。前記第1の領域300の分極方向180と前記第2の領域310の分極方向190とは180°反転した方向となる。なお、内部電極層20、40同士の電気的接続の構成は、第1 実施形態と同じであるので、詳細な説明は省略する。
【0064】
このようにして得られた圧電トランスデューサ100に前記インク室形成部材60やスペーサ部材70および前記ノズルプレート90を一体的に組み付けることで、図9に示すような前記液滴噴射装置200が構成される。
【0065】
なお、前記第2実施形態の分極形成のための別の実施例として、図13に示す形態では、先ず、圧電セラミックス層10を形成するための各グリーンシート110の上側表面に、分割された内部電極層20、30、40をスクリーン印刷により形成する。なお、各内部電極層20、30、40同士の電気的接続の構成は第1実施形態と同じであるので詳細な詳細な説明は省略する。
【0066】
一方、分極用の表面セラミックス層となる最上側の分極用グリーンシート170aの片面に分極用内部電極層101a、102aを、他方の最下側の分極用グリーンシート170bの片面に分極用内部電極層101b、102bをそれぞれスクリーン印刷により形成する。これらの分極用内部電極層101a、102aを最上側の分極用グリーンシート170aの上面に電気的に取り出すため及び分極用内部電極層101b、102bを最下側の分極用グリーンシート170bの下面に電気的に取り出すために、前記第1実施形態と同様に各グリーンシート170a、170bに積層方向に穿設したスルーホール(図示せず)内の導電材料(Ag−pd系金属材料)を介して各グリーンシート170a、170bの上面、下面に形成した外部電極(図示せず)に接続しておく。
【0067】
図13に示すように、第1の分極用内部電極層101a、101bは、その中央部が第1群の電極としての中央部内部電極層20に対応する位置に配置されており、同じく第2の分極用内部電極層102a、102bは、その中央部が第2群の電極としての端部内部電極層40に対応する位置に配置されている。
【0068】
前記複数枚のグリーンシート110を積層した上下面に分極用グリーンシート170a、170bを積層する。このとき、分極用内部電極層101a、102a及び分極用内部電極層101b、102bが積層内部に位置するように積層し、全体を加熱プレスし、脱脂、焼結等の必要な処理を施し圧電トランスデューサ100を得る。
【0069】
かくして得られた圧電トランスデューサ100を、130℃程度のシリコンオイルなどの絶縁オイルが満たされた図示しないオイルバス中に浸し、最上層、最下層の第1の分極用電極101a、101b間に、図示しない分極電源により2.5kV/mm程度の電界を印加する。具体的には図13において、最上層の第1の分極用内部電極層101aは接地し、図中、最下層の第1の分極用内部電極層101bには正電圧を印加することで分極処理を施す。このとき同時に最上層、最下層の第2の分極用内部電極層102a、102b間に、図示しない分極電源により2.5kV/mm程度の前述した最上層、最下層のの第1の分極用内部電極層101間に印加した方向と180°反転した方向の電界を印加する。具体的には図13において、最上層の第2の分極用内部電極層102aには正電圧を印加し、図中、最下層の第2の分極用内部電極層102bは接地することで分極処理を施す。このとき同時に、全ての境界部内部電極層30は接地してある。
【0070】
このような分極処理により図13に示すように、第1の分極用内部電極層101a、101b間に、実線矢印180で示すように、ほぼ積層方向と一致する方向(図中、上方向)に分極される。上述したように分極時に前記境界部内部電極層30も接地するために、分極方向180の一部は図13に示したように前記境界部内部電極層30に向かう成分も含まれる。また第2の分極用内部電極層102a、102b間に、実線矢印190で示すように、ほぼ積層方向と一致する方向に分極される。上述したように分極時に前記境界部内部電極層30も接地するために、分極方向190の一部は図13に示したように前記境界部内部電極層30に向かう成分も含まれる。
【0071】
次に、圧電トランスデューサ100の上下面を分極用内部電極層101a、101b、102a、102bも含めて研削により除去する。これにより、前記実施形態と同じく、図12に示すように、圧電トランスデューサ100の上下面には研摩面ができる。なお、上記研削により、分極時の圧電トランスデューサ100の歪をなくして、インク室形成部材60や外部電極150等の密着性を良くし、また、各部位の変形を均一にすることができる。
【0072】
第1群の中央部内部電極層20を中心として、一対の境界部内部電極層30、30にて挟まれた部分が、前述した第1の領域300となり、前記第1の領域300に隣接して、前記境界部内部電極層30と第2群の端部内部電極層40とで挟まれた部分が、前述した第2の領域310となる。本実施形態の分極処理によれば、前記第1の領域300の分極方向180と前記第2の領域310の分極方向190とは180°反転した方向となり、且つ積層方向の分極のための電界を同時に印加できるから、分極処理を迅速に行えるという効果を奏する。
【0073】
以上のように構成された液滴噴射装置200の動作について説明する。図14に示すように、初期状態においては、全ての内部電極層20、30、40は全て接地されている。また、液室50内は液体にて満たされている。所定の印字データに従って、液室50aに連通するノズル80から液滴を噴射する場合には、図15に示すように前記液室50aに対応する境界部内部正電極層30a、30bに駆動電圧(例えば15V)が印加される。このとき、前記液室50aに対応する第1の領域300の境界部内部電極層30a、30bと中央部内部電極層20aとの間に破線矢印181で示す分極方向180と垂直な方向の駆動電界が生じ、同時に前記液室50aに対応する第2の領域310の境界部内部電極層30aと端部内部電極層40a間、および境界部内部電極層30bと端部内部電極層40b間に破線矢印191で示す分極方向190と垂直な方向の駆動電界が生じる。前記液室50aに対応する第1の領域300a、第2の領域310a、310bともに、分極方向180、190に垂直な駆動電界181、191が印加され、圧電厚みすべり効果の変位に従い、どちらの領域も図15において、上方向に変形をする。
【0074】
すなわち、第1の領域300内では、駆動電界181は中央部内部電極層20aに向かう方となり、第2の領域310内での駆動電界191の向きは液室50aの端部に向かうように逆向きとなり、圧電厚みすべり効果の変位(寸法歪)に従い、一対の第2の領域310a、310bがそれぞれ平行四辺形状に変形し、該インク室50aの外側方向へと変位し、前記インク室50a内の容積を増大させようとする。換言すると、前記分極方向330と垂直な方向の駆動電界331が印加されることにより、前記第1の領域300の全体をノズル80aから離れる方向に偏倚させるように、第2の領域310a、310bのうち前記境界部内部電極層30a、30bの側が端部内部電極層40a、40bに対して傾斜変位する。これ同時に、第1の領域300においても、圧電厚みすべり効果の変位(寸法歪)に従い、中央部内部電極層20の個所が最もインク室50aの外側方向へと変位するように、中央部内部電極層20の個所を中心として境界部内部電極層30aと中央部内部電極層20との間、および境界部内部電極層30bと中央部内部電極層20との間でそれぞれ対称状に平行四辺形状に局所変形し、インク室50a内の容積を増大させるのである(図15参照)。
【0075】
このように、圧電トランスデューサ100は、液室50aに対応する部分で、図15に示すように、液室50aの容積を増大させる方向に、局所変形をする。このとき液室50a内の圧力が減少する。この状態を、このとき生じた圧力波の液室50a内での片道伝播時間Tだけ維持する。すると、その間図示しない液体供給部から液体が供給される。
【0076】
なお、上記片道伝播時間Tは液室50a内の圧力波が、液室50aの長手方向(図中、紙面に垂直な方向)に伝播するのに必要な時間であり、液室50aの長さLとこの液室50a内部の液体中での音速aによりT=L/aと決まる。
【0077】
圧力波の伝播理論によると、上記の電圧の印加からほぼT時間がたつと液室50a内の圧力が逆転し、正の圧力に転じるが、このタイミングに合わせて境界部内部電極層30a、30bに印加されている電圧を0(V)に戻す。すると、図16に示すように、前記圧電トランスデューサ100が局所変形前の状態に戻り、液室50a内の液体に圧力が加えられる。そのとき、前記正に転じた圧力と、前記圧電トランスデューサ100が局所変形前の状態に戻ることにより発生した圧力とが加え合わされ、比較的高い圧力が液室50aに連通するノズル50a付近の部分に生じて、液滴81がそのノズル50aから噴射される。
【0078】
このように、本実施例の液滴噴射装置200においては、駆動電圧を印加した時に、第1の領域300と第2の領域310とが隣接されていて、図23、図24に示した従来例の液滴噴射装置401と比べて、駆動電界が印加される内部電極層20、30、40間の距離が1/2以下になっている。また前記第1の領域300と前記第2の領域310はともに、同じ方向に、厚みすべり効果の変形をするため、図23に示した従来例の液滴噴射装置401と比べても、液室50に対する体積変化はほぼ同じである。従って、本実施例の液滴噴射装置200においては従来例に比べて駆動電圧は約1/2に低減することができるのである。
【0079】
続いて、本発明を具体化した第3実施形態について、図17〜22を参照して説明する。図17にその液室(インク室)50のアレイ方向(図17の左右方向)の断面図に示し、前記各実施形態と同じく、液滴噴射装置200は、圧電トランスデューサ100と、第1の液室部材としてのスペーサ部材70と、第2の液室部材としてのインク室形成部材60とノズル80を有するノズルプレート90で構成されている。前記圧電トランスデューサ100と前記スペーサ部材70と前記インク室形成部材60とで囲まれる液室50は、幅(図において左右方向)0.450mm、長さ(図において紙面と直交する方向)2.000mmという形状で、0.508mmというピッチ(50DPI)でアレイ方向(図の左右方向)に複数並んでいる。
【0080】
圧電トランスデューサ100は、チタン酸ジルコン酸鉛系(PZT)のセラミックス材料からなる圧電セラミックス材料からなり、圧電・電歪効果を有する1層乃至複数層の圧電セラミックス層10と、各圧電セラミックス層10の表面方向に沿って適宜間隔をおいて配置された複数の電極としての内部電極層20、30、40から構成されている。
【0081】
本実施形態においては、前記内部電極層20、30、40は、インク室の幅方向(図中左右方向)における位置により区別されており、インク室50の中央部に対応するものを中央部内部電極層20とし、隣り合うインク室50を隔てる隔壁部に対応するものを端部内部電極層40とし、前記中央部内部電極層20と端部内部電極層40との間のほぼ中央部に対応するものを境界部内部電極層30とするように、それぞれ分類されている。これらの複数の電極のうち一部の奇数個の電極からなる第1群の電極(内部電極層30、20、30)間に挟まれた圧電セラミックス層10の領域を第1の領域300と称し、この第1の領域の両側に位置する複数の電極からなる第2群の電極(端部内部電極層30、40、30、40)で挟まれる圧電セラミックス層10の領域を第2の領域310と称する。
【0082】
従って、前記圧電トランスデューサ100は、各液室50の中央部に位置する第1の領域300と、各液室50の両端部に位置し、前記第1の領域300の左右に隣接する第2の領域310という2つの領域からなる。
【0083】
前記圧電セラミックス層10の1層の厚さ及び全体の厚さ並びに内部電極層20、30、40の材料等も前記第2実施形態と同じである。
【0084】
前記第1の領域300の領域内での分極方向は、実線矢印320で示すように、積層方向と一致している。また、第2の領域310の領域内での分極方向も、実線矢印330で示すように、積層方向と一致しており、前記第1の領域300の領域内での分極方向(実線矢印320)とも一致している。
【0085】
前記圧電トランスデューサ200は、以下の製造方法によって製造される。
【0086】
先ず、圧電セラミックス層210を形成するためのグリーンシート素材の上側表面に、分割された内部電極層20、30、40をスクリーン印刷により形成し、全体を加熱プレスし、脱脂、焼結等の必要な処理を施したのちに、図18に示すように上下面全面に分極用電極270a、270bをスクリーン印刷やスパッタなどの手法により形成し、圧電トランスデューサ100を得る。
【0087】
かくして得られた圧電トランスデューサ100を、130℃程度のシリコンオイルなどの絶縁オイルが満たされた図示しないオイルバス中に浸し、上下面の分極用電極270a、270b間に、図示しない分極電源により2.5kV/mm程度の電界を印加する。具体的には図18において、上側の分極用電極270aには正電圧を印加し、図中、下側の分極用電極270bは接地することで分極処理を施す。このような分極処理により図18に示すように、実線矢印320、330で示すように、積層方向と一致し、且つ向きも同じ方向(図中、下方向)に分極される。
【0088】
次に、図19に示すように、圧電トランスデューサ100の上下面の分極用電極270a、270bを研削により、除去する。中央部内部電極層20を中心として、境界部内部電極層30、30にて挟まれた部分が、前述した第1の領域300となり、前記第1の領域300に隣接して、前記境界部内部電極層30と端部内部電極層40とで挟まれた部分が、前述した第2の領域310となる。前記第1の領域300の分極方向320と前記第2の領域310の分極方向330とは同一方向となる。
【0089】
このようにして得られた圧電トランスデューサ100に前記インク室形成部材60や前記スペーサ部材70および前記ノズルプレート90を一体的に組み付けることで、図17に示すような前記液滴噴射装置200が構成される。
【0090】
以上のように構成された液滴噴射装置201の動作について説明する。図20に示すように、初期状態においては、全ての内部電極層20、30、40は全て同一の負の電圧(例えば−15V)が印加されている。また、液室50内は液体にて満たされている。
【0091】
所定の印字データに従って、液室50aに連通するノズル80aからインク液滴を噴射する場合には、図21に示すように前記液室50aの中央部に対応する中央部内部電極層20aに駆動電圧(例えば15V)が印加され、同時に前記液室50aに対応する境界部内部電極層30a、30bは接地される。そうすると前記液室50aに対応する第1の領域300の境界部内部電極層30a、30bと中央部内部電極層20aとの間に破線矢印321で示す分極方向320と垂直な方向の駆動電界が生じ、同時に前記液室50aに対応する一対の第2の領域310a、310bの境界部内部電極層30aと端部内部電極層40a間、および境界部内部電極層30bと端部内部電極層40b間に破線矢印331で示す分極方向330と垂直な方向の駆動電界が生じる。前記液室50aに対応する第1の領域300、第2の領域310a、310bともに、分極方向320(330)に垂直な駆動電界321、331が印加される。その場合、中央部内部電極層20aを境にして駆動電界321、331の向きは液室50aの端部に向かうように逆向きとなり、圧電厚みすべり効果の変位(寸法歪)に従い、一対の第2の領域310a、310bがそれぞれ平行四辺形状に変形し、該インク室50aの外側方向へと変位し、前記インク室50a内の容積を増大させようとする。換言すると、前記分極方向330と垂直な方向の駆動電界331が印加されることにより、前記第1の領域300の全体をノズル80aから離れる方向に偏倚させるように、第2の領域310a、310bのうち前記境界部内部電極層30a、30bの側が端部内部電極層40a、40bに対して傾斜変位する。これ同時に、第1の領域300においても、圧電厚みすべり効果の変位(寸法歪)に従い、中央部内部電極層20の個所が最もインク室50aの外側方向へと変位するように、中央部内部電極層20の個所を中心として境界部内部電極層30aと中央部内部電極層20との間、および境界部内部電極層30bと中央部内部電極層20との間でそれぞれ対称状に平行四辺形状に局所変形し、インク室50a内の容積を増大させるのである(図21参照)。
【0092】
このとき液室50a内の圧力が減少する。この状態を、このとき生じた圧力波の液室50a内での片道伝播時間Tだけ維持する。すると、その間図示しない液体供給部から液体が供給される。
【0093】
なお、上記片道伝播時間Tは液室50a内の圧力波が、液室50aの長手方向(図中、紙面に垂直な方向)に伝播するのに必要な時間であり、液室50aの長さLとこの液室50a内部の液体中での音速aによりT=L/aと決まる。
【0094】
圧力波の伝播理論によると、上記の電圧の印加からほぼT時間がたつと液室50a内の圧力が逆転し、正の圧力に転じるが、このタイミングに合わせて全ての内部電極層20、30、40に同一の負の電圧(例えば−15V)を印加する。すると図22に示すように、前記圧電トランスデューサ200が局所変形前の状態に戻り、液室50a内の液体に圧力が加えられる。そのとき、前記正に転じた圧力と、前記圧電トランスデューサ200が局所変形前の状態に戻ることにより発生した圧力とが加え合わされ、比較的高い圧力が液室50aに連通するノズル50a付近の部分に生じて、液滴81がそのノズル50aから噴射される。
【0095】
このように、本実施例の液滴噴射装置200においては、駆動電圧を印加した時に、第1の領域300と第2の領域310とが隣接されていて、図23に示した従来例の液滴噴射装置401と比べて、駆動電界が印加される内部電極層20、30、40間の距離が1/2以下になっている。また前記第1の領域300と前記第2の領域310はともに、同じ方向に、厚みすべり効果の変形をするため、図23に示した従来例の液滴噴射装置401と比べても、液室50に対する体積変化はほぼ同じである。従って、本実施例の液滴噴射装置200においては従来例に比べて駆動電圧は約1/2に低減することができるのである。
【0096】
さらに、一対の境界部内部電極層30、30の個所を接地(グランド)し、中央部内部電極層20を正極電圧に印加し、端部内部電極層40、40の個所を負極電圧に印加することで、電源装置の低圧化を図ることができる。
【0097】
なお、本発明における境界部内部電極層30は、第1の領域300のための電極層と一対の第2の領域310、310のための電極とに分けて形成してもよいが、実施形態のように両領域300,310で共通使用(兼用)することができる。同様に、端部内部電極層40、40についても、隣接するインク室50、50における第2の領域310、310のための電極として兼用させることができ、さらに、第1の領域300を、中央内部電極層20を挟んで対称状に形成するために、当該中央内部電極層20を分割しないで連続兼用することができ、これらの構成により、圧電トランスデューサ100のサイズを一層小型化することができる。
【0098】
尚、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において数々の変形を加えることもできる。例えば、インク室のアレイ方向の幅、配置のピッチ、圧電トランスデューサである積層圧電素子の積層枚数、内部電極層の幅、配置位置など必要に応じて変形することができる。
【0099】
【発明の効果】
上述したように、請求項1に記載の発明の圧電トランスデューサは、1枚の圧電セラミックス層乃至複数枚の積層された圧電セラミックス層と、該圧電セラミックス層の面に沿う方向に間隔をおいて配置された複数の電極とを備え、該複数の電極のうち一部の複数の電極からなる第1群の電極間に挟まれた前記圧電セラミックス層の第1の領域と、該第1の領域の両側に位置する複数の電極からなる第2群の電極の間に挟まれる圧電セラミックス層の一対の第2の領域とを形成し、該第2の領域を、該第2群内の電極が対向する方向と直交する方向に分極してなり、各群の電極に駆動電圧を印加することにより、前記一対の第2の領域にそれぞれ分極方向と直交する駆動電界を生じさせて該各第2の領域を圧電厚みすべり効果により、前記第1の領域の全体を一方に偏倚させるように傾斜変位させ、且つ前記第1の領域を、該変位した前記一対の第2の領域の間の空間を増大する方向に変位させることを特徴とするものである。
【0100】
このような構成の圧電トランスデューサによれば、第1群の電極と第2群の電極とに同時に駆動電圧を印加すると、第1の領域を挟む一対の第2の領域の圧電セラミックス層の部分が厚みすべり効果により、前記第1の領域の全体を一方に偏倚させるように傾斜変位し、さらに第1の領域自体も前記一対の第2の領域の間の空間を増大する方向に変位させることができ、従来の圧電トランスデューサよりも駆動電圧が低電圧で効率良く大きな変位を実現させることができるという効果を奏する。
【0101】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の圧電トランスデューサにおいて、前記第1の領域は、前記第1群内の電極が対向する方向に分極され、各電極に駆動電圧を印加することにより、前記変位した両第2の領域間で、前記第1の領域に分極方向と平行に生じた駆動電界により該第1の領域を圧電縦効果の変位をさせるものであるから、前記第1群内の電極と第2群の電極とに同時に駆動電圧を印加させると、一対の第2の領域にそれぞれ分極方向とほぼ直交する電界を生じさせて該各第2の領域を圧電厚みすべり効果の変位をさせ、かつ、該変位した両第2の領域間で、前記第1の領域に分極方向と平行に生じた電界により該第1の領域を圧電縦効果の変位をさせる。このように、一対の第2の領域が厚みすべり変形をするのを、その間の第1の領域の縦効果変形がさらに助けることで、低電圧で効率よく大きな変位を実現することができるという効果を奏する。
【0102】
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の圧電トランスデューサにおいて、前記第1の領域は、圧電セラミックス層の面に沿う方向に間隔を置いた複数個の電極にて挟まれ、対称に分極された偶数個の部分からなるものであるから、第1群の電極に駆動電圧を印加すると、第1の領域の圧電縦効果による変形が当該第1群における中央の電極部を中心にして対称状に変位するので、低電圧で効率の良い大きな変位を実現させることができるという効果を奏する。
【0103】
さらに、請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の圧電トランスデューサにおいて、前記第1の領域と第2の領域との境界部に位置する電極は、前記第1の領域及び第2の領域に対するそれぞれの一方の電極を兼ねるものであるから、第1の領域と第2の領域とを交互に形成したとき、第1の領域と第2の領域との間に配置される電極は、第1群の電極と第2群の電極とを兼ねることができ、第1の領域と第2の領域と間隔を短縮できて圧電トランスデューサのサイズを小型化できると共に、兼用の電極に駆動電圧を印加することで、複数対の第1の領域と第2の領域とを同時に変位させることもできるという効果を奏する。
【0104】
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の圧電トランスデューサにおいて、前記第1の領域は、圧電セラミックス層の面に沿う方向に間隔を置いた奇数個の電極にて挟まれ、各電極が対向する方向とほぼ直交する方向に分極され、前記各電極間に駆動電圧を印加することにより、前記第1の領域に分極方向と垂直な方向に駆動電界を生じさせ、前記各電極に挟まれる各部分をそれぞれ圧電厚みすべり効果の変位をさせることを特徴とする。
【0105】
このように構成された圧電トランスデューサでは、前記第1群内の電極と第2群の電極とに同時に駆動電圧を印加させると、一対の第2の領域にそれぞれ分極方向とほぼ直交する電界を生じさせて該各第2の領域を圧電厚みすべり効果の変位をさせ、かつ、該変位した両第2の領域間で、前記第1の領域もその中央部の電極位置を中心にして奇数個の電極に対称状に駆動電圧を印加することで、対称状の圧電厚みすべり効果の変位を実現させることができ、低電圧で圧電トランスデューサの変位を効率良く且つ大きく実現させることができるという効果を奏する。
【0106】
そして、請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の圧電トランスデューサにおいて、前記第1の領域と第2の領域との境界部に位置する電極は、該両領域にそれぞれ駆動電圧を印加するように兼用され、前記第1の領域の分極方向は、前記第2の領域の分極方向に対して180°反転されており、前記両領域に発生させる駆動電界の向きを、前記境界部分の電極に対して対称としたものであるから、第1の領域と第2の領域を同時に駆動するときに、第1の領域の分極方向と第2の領域の分極方向は180°反転方向であり、また第1の領域に印加する電界方向と第2の領域の分極方向も互いに180°反転方向であるので、第1の領域と第2の領域の、圧電厚みすべり効果の変位は同一方向となり、第1の領域のと第2の領域が互いに変位を助けるため、低電圧で効率よく大きな変位を実現することができるという効果を奏する。
【0107】
請求項7に記載の発明は、請求項5に記載の圧電トランスデューサにおいて、前記第1の領域と第2の領域との境界部に位置する電極は、該両領域にそれぞれ駆動電圧を印加するように兼用され、前記第1の領域の分極方向は前記第2の領域の分極方向と同方向であり、前記両領域に発生させる駆動電界の向きは、同方向であることを特徴とするものである。
【0108】
このように構成された圧電トランスデューサでは、第1の領域と第2の領域との電極に同時に駆動電圧を印加すると、第1の領域及び第2の領域が共に同一方向に圧電厚みすべり効果の変位をすることができ、駆動電界を印加する電極間の距離(間隔)が短くても、必要な変形量を得ることができる。また、必要な変形量を得るために駆動電圧を低くすることができる。さらに境界部分に位置する電極の駆動電圧を印加のために兼用することで、圧電トランスデューサのサイズを小型化することができるという効果も奏する。
【0109】
請求項8に記載の発明は、請求項1乃至7のいずれかに記載の圧電トランスデューサおいて、圧電トランスデューサの上下両面は研摩面からなることを特徴とするものであるから、分極による圧電トランスデューサの歪をなくして、その表面に装着する部材の密着性を良くし、また圧電トランスデューサの動作を均一にできるという効果を奏する。
【0110】
請求項9に記載の発明は、請求項1乃至8のいずれかに記載の圧電トランスデューサおいて、前記各群の電極は、各圧電セラミックス層間に介挿され、且つ圧電セラミックス層の積層方向と同方向に積層状をなしており、積層方向の電極に同じ電位が印加されることを特徴とするものである。従って、圧電セラミックス層の積層数や各積層厚さにより、各圧電セラミックス層間に介挿される各群の電極の対向する範囲を変更させることができる一方、各圧電セラミックス層の層厚さとは別に各電極層の厚さを設定することができる。さらに、異符号極電極間での放電作用を無くすることができ、圧電トランスデューサの破壊が起こらず、圧電トランスデューサの信頼性が高くなるという効果を奏する。
【0111】
そして、請求項10に記載の発明は、請求項1から9のいずれかの圧電トランスデューサを複数の液室に跨って配置し、選択的に各液室の容積を変化させることにより該液室内の液体を噴射する液滴噴射装置において、前記各液室の中央位置に、前記第1の領域を対応配置し、各液室の中央よりも両端寄りに、前記第2の領域を対応配置したものであるから、短い間隔にて液室配置しても、第1領域及び第2領域を同時に大きく変位させて液滴噴出のための必要な圧力を低電圧で効率良く発生させることができ、駆動電源のコストを低減できるという効果を奏する。また、圧電トランスデューサの圧電セラミックス層内に駆動のための電極が内装されているので、液室の液体と電極との接触による電極の腐食が確実に防止できる。
【0112】
請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の液滴噴射装置において、前記第2の領域を挟む複数の電極のうち、前記第1の領域とは反対側の電極は、前記各液室を隔てる隔壁に対応して位置するものであり、このように設定することで、隣接する各液室に対して、第1の領域を中央にして一対の第2の領域で挟んだ変形領域を形成でき、各液室毎の性能を一定にして液滴噴射装置の性能を安定させることができるという効果を奏する。
【0113】
請求項12に記載の発明は、請求項10に記載の液滴噴射装置において、前記駆動電圧を印加したとき、前記圧電トランスデューサの一対の第2の領域は前記液室の容積を増大する方向に変形し、かつ前記第1の領域は両第2の領域の間の容積を増大する方向に変形することを特徴とするものであり、これにより、低電圧で効率良く液滴を噴射できる液滴噴射装置を提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態のインク噴射装置を示す断面図である。
【図2】 第1実施形態のインク噴射装置に係る圧電トランスデューサの製造工程を示す図であり、セラミックスグリーンシートを積層する様子を示す斜視図である。
【図3】 第1実施の形態のインク噴射装置に係る圧電トランスデューサの製造工程を示す図であり、焼結した積層圧電素子を示す斜視図である。
【図4】 第1実施の形態のインク噴射装置に係る圧電トランスデューサの製造工程を示す図であり、第1の分極工程を示す断面図である。
【図5】 第1実施の形態のインク噴射装置に係る圧電トランスデューサの製造工程を示す図であり、焼結した積層圧電素子に外部電極を設けた様子を示す斜視図である。
【図6】 第1実施の形態のインク噴射装置に係る圧電トランスデューサの製造工程を示す図であり、第2の分極工程を示す断面図である。
【図7】 第1実施の形態のインク噴射装置の動作を説明する図であり、圧電トランスデューサが局所変形している状態を示す断面図である。
【図8】 第1実施の形態のインク噴射装置の動作を説明する図であり、インク液滴が噴射した状態を示す断面図である。
【図9】 第2実施形態のインク噴射装置を示す断面図である。
【図10】 第2実施の形態のインク噴射装置に係る圧電トランスデューサの製造工程を示す図であり、第1の分極工程を示す断面図である。
【図11】 第2実施の形態のインク噴射装置に係る圧電トランスデューサの製造工程を示す図であり、第2の分極工程を示す断面図である。
【図12】 第2実施の形態のインク噴射装置に係る圧電トランスデューサの製造工程を示す図であり、上下両面の分極電極除去工程を示す断面図である。
【図13】 第2実施の形態のインク噴射装置に係る圧電トランスデューサの製造工程を示す図であり、分極工程の別実施例を示す断面図である。
【図14】 第2実施形態の液滴噴射装置の動作を説明する図であり、初期の状態を示す図である。
【図15】 第2実施形態の液滴噴射装置の動作を説明する図であり、圧電トランスデューサが局所変形している状態を示す断面図である。
【図16】 第2実施形態の液滴噴射装置の動作を説明する図であり、液滴が噴射した状態を示す断面図である。
【図17】 第3実施形態の液滴噴射装置を示す断面図である。
【図18】 第3実施形態の液滴噴射装置に係る圧電トランスデューサの製造工程を示す図であり、分極工程を示す断面図である。
【図19】 第3実施形態の液滴噴射装置に係る圧電トランスデューサの製造工程を示す図であり、分極電極の除去工程を示す断面図である。
【図20】 第3実施形態の液滴噴射装置の動作を説明する図であり、初期の状態を示す断面図である。
【図21】 第3実施形態の液滴噴射装置の動作を説明する図であり、圧電トランスデューサが局所変形している状態を示す断面図である。
【図22】 第3実施形態の液滴噴射装置の動作を説明する図であり、液滴が噴射した状態を示す断面図である。
【図23】 従来例のインク噴射装置の動作を説明する図であり、圧電トランスデューサが局所変形している状態の断面図である。
【図24】 従来例のインク噴射装置の動作を説明する図であり、液滴が噴射した状態を示す断面図である。
【符号の説明】
10 圧電セラミックス層
20 中央部内部電極層
30 境界部内部電極層
40 端部内部電極層
50 インク室(液室)
60 インク室形成部材
70 スペーサ部材
80 ノズル
90 ノズルプレート
100 圧電トランスデューサ
200 インク噴射装置
180、190、320、330 分極方向
210 第1の分極方向
220 第2の分極方向
250、260 駆動電界の方向
300 第1の領域
310 第2の領域

Claims (12)

  1. 1枚の圧電セラミックス層乃至複数枚の積層された圧電セラミックス層と、該圧電セラミックス層の面に沿う方向に間隔をおいて配置された複数の電極とを備え、
    該複数の電極のうち一部の複数の電極からなる第1群の電極間に挟まれた前記圧電セラミックス層の第1の領域と、該第1の領域の両側に位置する複数の電極からなる第2群の電極の間に挟まれる圧電セラミックス層の一対の第2の領域とを形成し、該第2の領域を、該第2群内の電極が対向する方向と直交する方向に分極してなり、
    各群の電極に駆動電圧を印加することにより、前記一対の第2の領域にそれぞれ分極方向と直交する駆動電界を生じさせて該各第2の領域を圧電厚みすべり効果により、前記第1の領域の全体を一方に偏倚させるように傾斜変位させ、且つ前記第1の領域を、該変位した前記一対の第2の領域の間の空間を増大する方向に変位させることを特徴とする圧電トランスデューサ。
  2. 前記第1の領域は、前記第1群内の電極が対向する方向に分極され、各電極に駆動電圧を印加することにより、前記変位した両第2の領域間で、前記第1の領域に分極方向と平行に生じた駆動電界により該第1の領域を圧電縦効果の変位をさせることを特徴とする請求項1に記載の圧電トランスデューサ。
  3. 前記第1の領域は、圧電セラミックス層の面に沿う方向に間隔を置いた複数個の電極にて挟まれ、対称に分極された偶数個の部分からなることを特徴とする請求項2に記載の圧電トランスデューサ。
  4. 前記第1の領域と第2の領域との境界部に位置する電極は、前記第1の領域及び第2の領域に対するそれぞれの一方の電極を兼ねることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の圧電トランスデューサ。
  5. 前記第1の領域は、圧電セラミックス層の面に沿う方向に間隔を置いた奇数個の電極にて挟まれ、各電極が対向する方向と直交する方向に分極され、前記各電極間に駆動電圧を印加することにより、前記第1の領域に分極方向と垂直な方向に駆動電界を生じさせ、前記各電極に挟まれる各部分をそれぞれ圧電厚みすべり効果の変位をさせることを特徴とする請求項1に記載の圧電トランスデューサ。
  6. 前記第1の領域と第2の領域との境界部に位置する電極は、該両領域にそれぞれ駆動電圧を印加するように兼用され、
    前記第1の領域の分極方向は、前記第2の領域の分極方向に対して180°反転されており、
    前記両領域に発生させる駆動電界の向きは、前記隣接部分の電極に対して対称であることを特徴とする請求項5に記載の圧電トランスデューサ。
  7. 前記第1の領域と第2の領域との境界部に位置する電極は、該両領域にそれぞれ駆動電圧を印加するように兼用され、
    前記第1の領域の分極方向は前記第2の領域の分極方向と同方向であり、
    前記両領域に発生させる駆動電界の向きは、同方向であることを特徴とする請求項5に記載の圧電トランスデューサ。
  8. 圧電トランスデューサの上下両面は研摩面からなることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の圧電トランスデューサ。
  9. 前記各群の電極は、各圧電セラミックス層間に介挿され、且つ圧電セラミックス層の積層方向と同方向に積層状をなしており、積層方向の電極に同じ電位が印加されることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の圧電トランスデューサ。
  10. 請求項1から9のいずれかの圧電トランスデューサを複数の液室に跨って配置し、選択的に各液室の容積を変化させることにより該液室内の液体を噴射する液滴噴射装置において、
    前記各液室の中央位置に、前記第1の領域を対応配置し、各液室の中央よりも両端寄りに、前記第2の領域を対応配置したことを特徴とする液滴噴射装置。
  11. 前記第2の領域を挟む複数の電極のうち、前記第1の領域とは反対側の電極は、前記各液室を隔てる隔壁に対応して位置することを特徴とする請求項10に記載の液滴噴射装置。
  12. 前記駆動電圧を印加したとき、前記圧電トランスデューサの一対の第2の領域は前記液室の容積を増大する方向に変形し、かつ前記第1の領域は両第2の領域の間の容積を増大する方向に変形することを特徴とする請求項10に記載の液滴噴射装置。
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