JP3166557B2 - インク噴射装置の製造方法 - Google Patents

インク噴射装置の製造方法

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JP3166557B2 JP11836395A JP11836395A JP3166557B2 JP 3166557 B2 JP3166557 B2 JP 3166557B2 JP 11836395 A JP11836395 A JP 11836395A JP 11836395 A JP11836395 A JP 11836395A JP 3166557 B2 JP3166557 B2 JP 3166557B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インク液滴を噴射して
印字を行なうインク噴射装置の製造方法に関し、詳しく
は、圧電厚みすべり効果を利用してインク液滴を噴射さ
せるインク噴射装置の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】今日、これまでのインパクト方式の印字
装置にとってかわり、その市場を大きく拡大しつつある
ノンインパクト方式の印字装置のなかで、原理が最も単
純で、かつ多階調化やカラー化が容易であるものとし
て、インクジェット方式の印字装置が挙げられる。なか
でも印字に使用するインク滴のみを噴射するドロップ・
オン・デマンド型が、噴射効率の良さ、ランニングコス
トの安さなどから急速に普及している。
【0003】ドロップ・オン・デマンド型として特公昭
53−12138号公報に開示されているカイザー型、
あるいは特公昭61−59914号公報に開示されてい
るサーマルジェット型がその代表的な方式としてある。
このうち、前者は小型化が難しく、後者は高熱をインク
に加えるためにインクの耐熱性に対する要求が必要とさ
れ、それぞれに非常に困難な問題を抱えている。
【0004】以上のような問題点を同時に解決する新た
な方式として提案されたのが、特開昭63−24705
1号公報に開示されている圧電セラミックスを利用した
せん断モード型である。
【0005】図8に示すように、上記せん断モード型の
インク噴射装置600は、底壁601、天壁602及び
その間のせん断モードアクチュエータ壁603からな
る。そのアクチュエータ壁603は、底壁601に接着
され、且つ矢印611方向に分極された下部壁607
と、天壁602に接着され、且つ矢印609方向に分極
された上部壁605からなっている。アクチュエータ壁
603は一対となって、その間にインク流路613を形
成し、且つ次の一対のアクチュエータ壁603の間に
は、インク流路613よりも狭い空間615を形成して
いる。
【0006】各インク流路613の一端には、ノズル6
18を有するノズルプレート617が固着され、各アク
チュエータ壁603の両側面には電極619,621が
金属層として設けられている。各電極619,621は
インクと絶縁するための絶縁層(図示せず)で覆われて
いる。そして、空間615に面している電極621はア
ース623に接続され、インク流路613内に設けられ
ている電極619はアクチュエータ駆動回路を与えるシ
リコン・チップ625に接続されている。
【0007】次に、このインク噴射装置600の製造方
法を説明する。まず、矢印611に分極された圧電セラ
ミックス層を底壁601に接着し、矢印609に分極さ
れた圧電セラミックス層を天壁602に接着する。各圧
電セラミックス層の厚みは、下部壁607、上部壁60
5の高さに等しい。次に、圧電セラミックス層に、平行
な溝をダイヤモンドカッティング円板の回転等によって
形成して、下部壁607、上部壁605を形成する。そ
して、真空蒸着によって下部壁607の側面に電極61
9を形成し、その電極619上に前記絶縁層を設ける。
同様にして上部壁605の側面に電極621を形成し、
その上に前記絶縁層を設ける。
【0008】上部壁605の天頂部と下部壁607の天
頂部とを接着してインク流路613と空間615とを形
成する。次に、ノズル618が形成されているノズルプ
レート617を、ノズル618がインク流路613と対
応するように、インク流路613及び空間615の一端
に接着し、インク流路613と空間615との他端をシ
リコン・チップ625とアース623とに接続する。
【0009】そして、各インク流路613の電極61
9、621にシリコン・チップ625が電圧を印加する
ことによって、各アクチュエータ壁603がインク流路
613の容積を増加する方向に圧電厚みすべり変形し
て、所定時間後電圧印加が停止されてインク流路613
の容積が増加状態から自然状態となってインク流路61
3内のインクに圧力が加えられ、インク滴がノズル61
8から噴射される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た構成のインク噴射装置600では、空間615に面し
ている電極619、621はアース623に接続され、
インク流路613内に設けられている電極619、62
1は、アクチュエータ駆動回路を与えるシリコン・チッ
プ625に接続されているが、その電気接続の具体的構
成および方法が開示されていない。そこで、例えば、上
部壁605と下部壁607とを接着した後に、電極61
9と621とを電気的に接続するか、または電極61
9、621を別々にアクチュエータ駆動回路を与えるシ
リコン・チップ625に接続する必要があるが、どちら
の場合も工程に時間がかかり、大量生産性に劣るといっ
た問題点があった。
【0011】また、上部壁605と下部壁607とを接
着する際には、高精度な位置合わせとする必要があり、
これも大量生産性に劣る要因となる。また、現実には位
置合わせを行なっても、どうしても接合部で桁ズレが生
じてしまう。よって、作製されるインク噴射装置におい
て、耐久性及びインク噴射特性のばらつきが生じ易く、
歩留まりがよくなかった。
【0012】本発明は、上述した問題点を解決するため
になされたものであり、電極の取り出しが簡易で、且つ
信頼性の高い電気的接続が行えるインク噴射装置を容易
に製造する、大量生産性に優れた製造方法を提供するこ
とを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明のインク噴射装置の製造方法は、インクが充填
されたインク液室と、前記インク液室を構成し、且つ分
極された圧電部で少なくとも一部が構成された側壁と、
前記圧電部に分極方向と略直交する駆動電界を発生する
ために前記側壁に形成された駆動電極とを備えたアクチ
ュエータを有し、前記駆動電極より印加される電界を受
けて、圧電厚みすべり効果により前記側壁が変形し、前
記インク液室内のインクに圧力を与えてインクを噴射す
るインク噴射装置を作製する方法であって、サーミスタ
材料からなる平板シートを厚さの異なる圧電材料からな
る2枚の圧電シートで挟み、前記3枚のシートを一体化
した積層体を形成する工程と、前記積層体における積層
方向両端の前記圧電シートの各面にそれぞれ電極面を設
置し、前記圧電材料のキュリー温度未満で、且つ前記サ
ーミスタ材料の電気抵抗が減少して導電体となる所定温
度以上の環境下において、前記サーミスタ材料よりなる
層と前記電極面との間に電界をかけて前記圧電シートを
分極させる工程と、前記両圧電シートの各面から前記両
電極面を除去する工程と、前記積層体に、積層方向を深
さとし、前記2枚の圧電シートのうち薄い圧電シートお
よび前記サーミスタ材料から、厚い圧電シートの厚さの
途中までおよぶ溝部を形成する工程と、前記分極工程お
よび前記溝部形成工程の後、前記溝部の少なくとも側壁
面に導電性膜を形成する工程と、前記導電性膜形成工程
の後、前記溝部の開口部を覆うように、前記積層体の上
層にカバープレートを接着する工程とを有する。
【0014】
【作用】上記の構成を有する本発明の請求項1に係るイ
ンク噴射装置の製造方法は、先ず、サーミスタ材料から
なる平板シートを厚さの異なる圧電材料からなる2枚の
圧電シートで挟み、前記3枚のシートを一体化した積層
体を形成する。前記積層体における積層方向両端の前記
圧電シートの各面にそれぞれ電極面を設置し、前記圧電
材料のキュリー温度未満で、且つ前記サーミスタ材料の
電気抵抗が減少して導電体となる所定温度以上の環境下
において、前記サーミスタ材料よりなる層と前記電極面
との間に電界をかけて前記圧電シートを分極させる。続
いて、前記両圧電シートの各面から前記両電極面を除去
し、前記積層体に、積層方向を深さとし、2枚の圧電シ
ートのうち薄い圧電シートおよび前記サーミスタ材料を
切断し、厚い圧電シートの厚さの途中までおよぶ溝部を
形成し、前記溝部の少なくとも側壁面に導電性膜を形成
する。その後、前記溝部の開口部を覆うように、前記積
層体の上層にカバープレートを接着することによりイン
ク噴射装置を作製する。この手法では、2層の圧電シー
トに対して、同時に且つ容易に確実な分極を行なうこと
ができる。また、一体化した積層体にインク室となる溝
の加工を行なうため、各層にて桁ズレが生じない。ま
た、桁ズレが無いため駆動電極の形成が容易であると共
に、電気的接続が上下の圧電層で確実なものとなる。
【0015】
【実施例】以下、本発明を具体化した一実施例を図面を
参照して説明する。
【0016】図1に示すように、インク噴射装置1は、
圧電セラミックスプレート2とカバープレート3とイン
クを噴射するためのノズル31を有するノズルプレート
30とから構成されている。
【0017】その圧電セラミックスプレート2は、下部
圧電セラミックス層4と上部圧電セラミックス層5とが
サーミスタ層8を挟んで積層してなり、複数の側壁11
により隔てられた複数の噴射溝12及び非噴射溝13が
設けられている。噴射溝12及び非噴射溝13は、圧電
セラミックプレート2の積層方向を深さとし、図中上方
より下部圧電セラミックスプレート4にまでおよんでい
る。また、側壁11の表面には駆動電極9が形成されて
いる。
【0018】下部圧電セラミックス層4及び上部圧電セ
ラミックス層5は、強誘電性を有するチタン酸ジルコン
酸鉛系(PZT)の圧電セラミックス材料で形成されて
おり、それぞれ図中矢印6,7で示すように、積層方向
で且つ互いに相反する方向に分極されている。
【0019】一方、サーミスタ層8は、酸化バナジウム
系の負温度特性のサーミスタ材料(CTRサーミスタ材
料)で形成されている。このサーミスタ層8は、常温に
おいては絶縁体であるが、上記チタン酸ジルコン酸鉛系
(PZT)の圧電材料の強誘電性を失う温度、すなわち
キュリー温度(例えば250℃)よりも低い所定の温度
Tc(例えば70℃)以上で、図2に示すように電気抵
抗が急激に減少して導電体となる。
【0020】尚、前記サーミスタ層8は、酸化バナジウ
ム系のサーミスタ材料だけでなく、硫化銀系のサーミス
タ材料でも使用可能である。しかし、耐久性や温度特性
の信頼性を求めれば、酸化バナジウム系のサーミスタ材
料が好ましい。
【0021】上記圧電セラミックスプレート2の製造方
法を図3乃至図5を用いて以下に説明する。
【0022】まず、下部圧電セラミックス層4及び上部
圧電セラミックス層5を構成するチタン酸ジルコン酸鉛
系(PZT)の圧電材料と、サーミスタ層8を構成する
CTRサーミスタ材料とを用意し、それらをそれぞれド
クターブレード法、スクリーン印刷法などの手法を用い
て、所定の厚さのシート状に成形する。そして、成形さ
れたサーミスタ材料からなる平板シートを圧電材料から
なる2枚の圧電シートで挟むようにして積層し、加圧圧
着、脱脂、および焼結工程を経て一体焼結体である圧電
積層体20とする(図3参照)。この段階では下部圧電
セラミックス層4と上部圧電セラミックス層5との自発
分極方向はランダムであり、圧電特性を有さない。
【0023】次に、得られた圧電積層体20の上下両面
に、図4に示すように、分極用電極14を焼付法、スパ
ッタ法、蒸着法等の既知の方法にて形成する。そして、
前記サーミスタ層8が導電体となり、且つ前記下部圧電
セラミックス層4及び前記上部圧電セラミックス層5が
強誘電性を失わない温度(即ち、キュリー温度以下)に
された、例えば150℃の図示しないシリコンオイルな
どの絶縁オイル中にて分極処理を行なう。この温度環境
下ではサーミスタ層8は導体となり、圧電積層体20内
部に設けられた電極となる。分極処理は、サーミスタ層
8及び前記分極用電極14の3つの電極を介して、分極
用電源15により、上部圧電セラミックス層5及び下部
圧電セラミックス層4に10〜35kV/cm程度の電
界を印加する。このとき、上部圧電セラミックス層5
は、矢印6方向に分極され、下部圧電セラミックス層4
は矢印7方向に分極される。これにより、下部圧電セラ
ミックス層4と上部圧電セラミックス層5とが逆向きの
分極方向を有する圧電積層体20となる。尚、分極処理
完了後には分極用電極14を研削加工により除去する。
【0024】次に、前記圧電積層体20は分極用電極1
4を除去した後に、ダイヤモンドブレード等により切削
加工され、例えば深さ300μm、幅50μmの複数の
溝22が形成される。また、その溝22を構成する側面
となる側壁11は、例えば幅60μmである。側壁11
の表面には、電極23が、蒸着等の方法により形成され
る。但し、前記溝22の底部には前記電極23は形成し
ない。そして、溝22は交互に並ぶ噴射溝12と非噴射
溝13とに分類され、また、電極23は前記噴射溝12
内に形成された接地電極10と、前記非噴射溝13内に
形成された駆動電極9とに分類される。
【0025】そして、カバープレート3を接着層24を
介して前記側壁11上部にて接合し、ノズル31を有す
るノズルプレート30を前記噴射溝12長手方向の一端
面に接合することで、図1に示したインク噴射装置1が
得られる。
【0026】次に、制御部のブロック図を示す図7によ
って、本実施例の制御部の構成を説明する。同図に示す
ように、前記インク噴射装置1の駆動電極9、接地電極
10は、各々個々にLSIチップ51に接続され、クロ
ックライン52、データライン53、電圧ライン54及
びアースライン55もLSIチップ51に接続されてい
る。尚、全ての接地電極10はアースライン55に接続
されている。LSIチップ51は、クロックライン52
から供給された連続するクロックパルスに基づいて、デ
ータライン53上に現れるデータから、どの噴射溝12
からインク液滴の噴射を行うべきかを判断する。そし
て、LSIチップ51は、駆動する噴射溝12に対応す
るの駆動電極9に、電圧ライン54の電圧Vを印加し、
前記噴射溝12以外の噴射溝12に対応する駆動電極9
にアースライン55を接続して接地する。
【0027】次に、本実施例によるインク噴射装置1の
動作を図6を用いて説明する。噴射溝12bからインク
液滴を噴射するために、当噴射溝12bに対応する駆動
電極9d、9eに対し電圧を印加する(ここで、ある駆
動電極9に対して電圧を印加することは、その駆動電極
9に電圧を印加し、指示しない駆動電極9を接地するこ
とを言う)。すると、側壁11c、11dには矢印2
5、26方向の電界が発生し、側壁11c、11dが圧
電厚みすべり効果により、噴射溝12bの容積が増大す
る方向に動く。すると、噴射溝12b内の圧力が減少す
る。これにより、噴射溝12b内に図示しないインク供
給源から図示しないマニホールドを介してインクが供給
される。
【0028】次に、前記駆動電圧9d、9eへの電圧の
印加が除去されると噴射溝12bの容積を前記増加状態
から自然状態へと減少させ、噴射溝12b内の圧力が増
加する。これにより噴射溝12b内のインクがインク液
滴となり図示しないノズルから噴射される。
【0029】また、前記実施例においては、まず、駆動
電圧を噴射溝12の容積が増加する方向に印加しインク
を供給し、次に駆動電圧の印加を停止し噴射溝12の容
積を自然状態に減少して噴射溝12からインク液滴を噴
射していたが、まず駆動電圧を噴射溝12の容積が減少
するように印加して噴射溝12からインク液滴を噴射し
てから、駆動電圧の印加を停止して、噴射溝12の容積
を前記減少状態から自然状態へと増加させ、噴射溝12
内にインクを供給してもよい。
【0030】上述したように、本実施例の製造方法によ
るインク噴射装置1は、2層の圧電材料と、前記各圧電
材料に挟まれ、且つ前記圧電材料のキュリー温度よりも
低い所定の温度以上で電気抵抗が減少して導電体となる
負温度特性のサーミスタ材料とを焼結して一体化してい
る。各層は強固に接着され、接合面でのエネルギー損失
も小さい。よって、耐久性及び駆動精度の高いアクチュ
エータとなり、このアクチュエータを備えたインク噴射
装置は高い印字品質を呈する。
【0031】更に、本実施例では、サーミスタ材料の電
気抵抗が減少して導電体となる温度環境下で分極処理を
行なうため、サーミスタ層8を1枚の電極として使用
し、下部圧電セラミック層4及び上部圧電セラミック層
5を同時に且つ容易に、それぞれ相反する方向に分極を
行なうことが出来る。
【0032】また、本実施例では、焼結一体化された圧
電積層体20に対して溝加工を行なうことで、インク液
室となる噴射溝12及び空気室となる非噴射溝13とを
形成する。よって、側壁11は、各層の接合面で桁ズレ
を起こすことなく、高い寸法精度を形成できる。
【0033】更に、本実施例では、その寸法精度の高い
側壁11に電極23を形成するため、上部圧電セラミッ
クス層5と下部圧電セラミックス層4とで電極が分離す
ることなく、従来例に比べて電極の取り出しが簡易で、
且つ電気的接続の信頼性が高い圧電セラミックスプレー
ト2を容易に作製できる。
【0034】即ち、本実施例の製造方法は、従来あった
圧電材料の位置合わせや、内部電極の形成、その電極の
取り出し等の問題を解消するものであり、大量生産性に
優れている。
【0035】また、上記実施例においては、噴射溝12
内に形成された全ての電極が常に接地されており、各噴
射溝12との間に電圧差が生じることが無い。よって、
インクに電界がかからず、電気的効果による噴射溝12
内のインクの変質や接地電極10の劣化を引き起こすこ
とが無い。ひいては、接地電極10に従来設けていた絶
縁層を形成する必要もなくなる。尚、上記駆動方法を取
らなくとも、本発明の主旨には影響しない。例えば、従
来例のように、常に全ての非噴射溝13に形成した電極
を接地し、平常は全ての噴射溝12内に形成した電極1
25を接地し、印刷時には所望の噴射溝12の電極に電
圧Vをかけるものでもよい。
【0036】
【発明の効果】上述したように、本発明によるインク噴
射装置の製造方法では、2層の圧電シートに対して、同
時に且つ容易に確実な分極を行なうことができる。ま
た、一体化した積層体にインク室となる溝の加工を行な
うため、各層にて桁ズレが生じない。また、桁ズレが無
いため駆動電極の形成が容易であると共に、電気的接続
が上下の圧電層で確実なものとなる。よって、大量生産
性に優れる。
【0044】また、作製されたインク噴射装置は、電気
的接続の信頼性が向上すると共に、耐久性に優れ、噴射
特性のばらつき等の不具合を生じない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例のインク噴射装置の構成を示す
断面図である。
【図2】本実施例のサーミスタ材料の電気抵抗の温度特
性を示す図である。
【図3】本発明の実施例のインク噴射装置の製造工程を
示す斜視図である。
【図4】同インク噴射装置の分極工程を示す断面図であ
る。
【図5】同インク噴射装置の製造工程を示す断面図であ
る。
【図6】同インク噴射装置の動作を示す説明図である。
【図7】本発明の実施例のインク噴射装置の制御部を示
すブロック図である。
【図8】従来例のインク噴射装置を示す図である。
【符号の説明】
1 インク噴射装置 2 圧電セラミックスプレート 3 カバープレート 4 下部圧電セラミックス層 5 上部圧電セラミックス層 6 分極方向 7 分極方向 8 サーミスタ層 9 駆動電極 10 接地電極 11 側壁 12 噴射溝(インク液室) 13 非噴射溝 25 電界方向 26 電界方向

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクが充填されたインク液室と、前記
    インク液室を構成し、且つ分極された圧電部で少なくと
    も一部が構成された側壁と、前記圧電部に分極方向と略
    直交する駆動電界を発生するために前記側壁に形成され
    た駆動電極とを備えたアクチュエータを有し、前記駆動
    電極より印加される電界を受けて、圧電厚みすべり効果
    により前記側壁が変形し、前記インク液室内のインクに
    圧力を与えてインクを噴射するインク噴射装置の製造方
    法にであって、 サーミスタ材料からなる平板シートを厚さの異なる圧電
    材料からなる2枚の圧電シートで挟み、前記3枚のシー
    トを一体化した積層体を形成する工程と、 前記積層体における積層方向両端の前記圧電シートの各
    面にそれぞれ電極面を設置し、前記圧電材料のキュリー
    温度未満で、且つ前記サーミスタ材料の電気抵抗が減少
    して導電体となる所定温度以上の環境下において、前記
    サーミスタ材料よりなる層と前記電極面との間に電界を
    かけて前記圧電シートを分極させる工程と、前記両圧電シートの各面から前記両電極面を除去する工
    程と、 前記積層体に、積層方向を深さとし、前記2枚の圧電シ
    ートのうち薄い圧電シートおよび前記サーミスタ材料か
    ら、厚い圧電シートの厚さの途中までおよぶ溝部を形成
    する工程と、前記分極工程および前記溝部形成工程の後、 前記溝部の
    少なくとも側壁面に導電性膜を形成する工程と、前記導電性膜形成工程の後、 前記溝部の開口部を覆うよ
    うに、前記積層体の上層にカバープレートを接着する工
    程とを有することを特徴とするインク噴射装置の製造方
    法。
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