JPH10217466A - インクジェットヘッド - Google Patents

インクジェットヘッド

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Publication number
JPH10217466A
JPH10217466A JP2750697A JP2750697A JPH10217466A JP H10217466 A JPH10217466 A JP H10217466A JP 2750697 A JP2750697 A JP 2750697A JP 2750697 A JP2750697 A JP 2750697A JP H10217466 A JPH10217466 A JP H10217466A
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JP
Japan
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diaphragm
thickness
lower electrode
piezoelectric element
short side
Prior art date
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Application number
JP2750697A
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English (en)
Inventor
Shinji Tanaka
田中  慎二
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH10217466A publication Critical patent/JPH10217466A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 変位特性の振動板を有する吐出液量の多いイ
ンクジェットヘッドを提供することを目的とする。 【解決手段】 その上面が振動板3となる液室2を有
し、この振動板3の上に下部電極4を形成する。このと
き、下部電極4の長辺L1が振動板3(液室2)の長辺
2よりも長くなっており、下部電極4の両短辺S1,S
2が振動板3(液室2)からはみ出している。この下部
電極4を覆うように圧電素子5を形成する。このとき、
圧電素子5の両長辺W1,W2は振動板3(液室2)の両
長辺からはみ出していても良いし、収まっていても良い
が、収まっている方が望ましい。さらに、この圧電素子
5の上に上部電極6が形成される。また、図示のよう
に、隣り合うヘッドの振動板間を液室基板1とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット、
より詳細には、インクジェット記録装置における記録ヘ
ッドの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】印刷による圧電素子を利用したインクジ
ェットヘッドは、圧電素子の両面に電極を持ち、その両
電極に電位差を与えることで、圧電体を変形させ、その
時生じる力で振動板を変位させ、この変位を利用してイ
ンク液の圧力を増加させてインク滴を噴射させるという
ものであるが、ここで、インクジェットヘッドにおいて
は、その吐出量の能力が重要事項の一つとなる。
【0003】特開平7−148921号公報以前の技術
では、下部電極の幅は振動板(液室)の幅と等しく構成
されていた。しかし、特開平7−148921号公報で
は下部電極の幅を振動板(液室)の幅よりも挟く形成す
ることで、振動板の変位を大きくし、インク吐出量を多
くしていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記特開平
7−148921号公報に記載されたインクジェットヘ
ッドと同等、もしくはそれを上回る変位特性の振動板を
有する吐出液量の多いインクジェットヘッドを提供する
ことを目的としてなされたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、側壁
によって仕切られた複数の液室と、これらの液室の上面
を封止する振動板と、該振動板の外面に配置された下部
電極と、該下部電極に密着して配置された圧電素子と、
これら圧電素子を前記下部電極とで挟みこむように配置
した上部電極とを備えたインクジェットヘッドにおい
て、前記下部電極の短辺幅を前記振動板の短辺幅よりも
挟く、長辺幅を振動板の長辺幅よりも広くしたことを特
徴とし、もって、振動板の変位を大きくし、インク滴の
吐出量を多くしたものである。
【0006】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、前記振動板の厚みが25μm以上の場合は、前記圧
電素子の厚み=(振動板の厚み/2+20)±(振動板
の厚み/3)μmとすることを特徴とし、もって、振動
板の変位を大きくし、インク滴の吐出量を多くしたもの
である。
【0007】請求項3の発明は、請求項1の発明におい
て、前記振動板の厚みが25μm以下の場合は、前記圧
電素子の厚み=振動板の厚み+7.5μm,誤差{−
(振動板の厚み/2+2)μm,+(振動板の厚み)μ
m}とすることを特徴とし、もって、振動板の変位を大
きくし、インク滴の吐出量を多くしたものである。
【0008】請求項4の発明は、請求項1の発明におい
て、前記圧電素子の短辺幅を前記振動板の短辺幅の(8
5±10)%としたことを特徴とし、もって、振動板の
変位を大きくし、インク滴の吐出量を多くしたものであ
る。
【0009】請求項5の発明は、請求項1の発明におい
て、前記上部電極の形成前に、前記液室の外面の隣り合
う振動板の境界に絶縁層を形成することを特徴とし、上
下電極の絶縁性を高め、電気的なクロストークを減少さ
せるようにしたものである。
【0010】請求項6の発明は、側壁によって仕切られ
た複数の液室と、これらの液室の上面を封止する振動板
と、該振動板の外面に配置された下部電極と、該下部電
極に密着して配置される圧電素子と、これら圧電素子を
前記下部電極とで挟みこむように配置した上部電極とを
備えたインクジェットヘッドにおいて、隣り合う振動板
の長辺が最大でその1/2だけ接していることを特徴と
し、もって、機械的なクロストークを減少させるように
したものである。
【0011】請求項7の発明は、請求項1の発明におい
て、隣り合う振動板の長辺が最大でその1/2だけ接し
ていることを特徴とし、電気的,機械的クロストークを
減少させるようにしたものである。
【0012】請求項8の発明は、側壁によって仕切られ
た複数の液室と、これらの液室の上面を封止する振動板
と、該振動板の外面に配置された下部電極と、該下部電
極に密着して配置される圧電素子と、これら圧電素子を
前記下部電極とで挟みこむように配置した上部電極とを
備えたインクジェットヘッドにおいて、前記下部電極が
前記振動板以外に拘束されていないことを特徴とし、も
って、振動板の変位を大きくし、インク滴の吐出量を多
くしたものである。
【0013】請求項9の発明は、側壁によって仕切られ
た複数の液室と、これらの液室の上面を封止する振動板
と、該振動板の外面に配置された下部電極と、該下部電
極に密着して配置される圧電素子と、これら圧電素子を
前記下部電極とで挟みこむように配置した上部電極とを
備えたインクジェットヘッドであり、前記下部電極の短
辺幅・長辺幅が共に該振動板のそれぞれに対して挟く形
成されているインクジェットヘッドにおいて、前記振動
板の厚みを25μm以下、圧電素子の厚みを(振動板の
厚み+7.5μm)、その誤差を{−(振動板の厚み/
2+2)μm,+(振動板の厚み)μm}とし、該圧電
素子の短辺幅を該振動板(液室)の短辺幅の(85±1
0)%としたことを特徴としたものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
(請求項1の発明)図1は、本発明によるインクジェッ
トヘッドの一実施例を説明するための図で、図中、1は
液室基板、2は液室、3は振動板、4は下部電極、5は
圧電素子、6は上部電極で、図1(A)上面図(圧電素
子は省略)、図1(B)は図1(A)のB−B線断面図
(長辺方向断面図)、図1(C)は図1(A)のC−C
線断面図(短辺方向断面図)で、図示のように、その上
面が振動板3となる液室2を有し、この振動板3の上に
下部電極4を形成する。このとき、下部電極4の長辺L
1が振動板3の長辺L2よりも長くなっており、下部電極
4の両短辺S1,S2が振動板3からはみ出している。こ
の下部電極4を覆うように圧電素子5を形成する。この
とき、圧電素子5の両長辺W1,W2は振動板3の両長辺
からはみ出していても良いし(図2(A))、収まって
いても良い(図2(B))が、収まっている方が望まし
い。さらに、この圧電素子5の上に上部電極6が形成さ
れる。図1において、隣り合うヘッドの振動板間を液室
基板とする。
【0015】下部電極4の両長辺が振動板3からはみ出
して液室基板1に接合形成されていると、振動板3の変
位が小さくなることが分かっている。そこで、下部電極
4の短辺は振動板3の短辺よりも挟いとして、下部電極
4の長辺が振動板3の長辺よりも短い場合、長い場合の
振動板の変位を計算した。結果を表1に示す。
【0016】
【表1】
【0017】下部電極4の長辺が振動板3からはみ出し
ている方が、振動板の変位が大きいことが分かる(以
下、全ての表において、“変位”の値は“振動板の中心
の変位”の値を示すものとする。また、計算において
は、圧電体の幅と上下電極の幅は等しくしている)。
【0018】それ以上に重要なことは、下部電極4を形
成する際に、下部電極4が振動板部に収まっていれば、
各ヘッドの吐出能力を均一化するために、下部電極の位
置,大きさを一定に制御しなければならない。一方、図
1の構成では、下部電極4の長辺方向の長さを考慮しな
くて良いので、その分下部電極の形成が簡単になる。
【0019】表1は、図3に矢印にて示すように、圧電
素子5の長辺長を変えた場合で、 振動板の可変面積:3.0mm×0.4mm 振動板の厚み :20μm 圧電素子の短辺長:0.3mm 圧電素子の厚み :30μm 印加電圧 :30V である。
【0020】〔実施例1〕ヘッドの作成法を説明する
と、インク液室をセラミックスであるジルコニアを用い
て加圧焼成により形成する。振動板上に印刷により5μ
m程度の下部電極(白金)を形成し焼成する。この上に
同じく印刷により圧電素子(チタン酸ジルコン酸鉛)を
形成して焼成する。さらに、その上に印刷により上部電
極(白金)を形成して焼成する。以下の実施例において
も、ヘッドの作成方法は基本的に同じである。
【0021】上述の計算結果を確かめるために、表1の
圧電素子の長辺長が2.4,3.0,4.0μmの3つの
ヘッドを試作して振動板の変位を測定した。試作時の寸
法誤差等を考慮すると、レーザードップラー振動計を用
いても振動板の変位には有意な差が見出せなかった。し
かしながら、下部電極形成は簡単になった。
【0022】(請求項2の発明)振動板の変位という観
点から見ると、振動板の厚みに対して圧電素子の最適な
厚みがあるはずである。この圧電素子の最適な厚みを得
ることを目的として計算を行い、その結果を表2に示し
た。ここで圧電素子への印加電圧は圧電素子の効率を同
じにするために1V/1μmとした。
【0023】
【表2】
【0024】図4は、表2を基に、最適な振動板の厚み
と圧電素子の厚みの組み合わせをプロットしたものであ
る。図4から分かるように、プロットは振動板の厚み2
5μm付近で傾きが変わる。25μm以上では、振動板
の厚みに対して最適な圧電素子の厚み(圧電素子の厚
み)=(振動板の厚み/2+20)μm程度である。ま
た、変位が10%減少するには、圧電体の厚みが最適値
から最低でも±10μm変化しなければならず、圧電素
子の形成時において厚みの制御はさほど重要ではない。
【0025】なお、表2において、 圧電素子の面積 :3.2mm×0.3mm 振動板の可変面積:3.0mm×0.4mm である。
【0026】(請求項3の発明)25μm以下では、振
動板の厚みに対して最適な圧電素子の厚みは、(圧電素
子の厚み)=(振動板の厚み+7.5)μm程度であ
る。また、振動板の変位が10%減少するのは、圧電素
子の厚みが最適値よりも、(振動板の厚み/2+2)μ
m程度薄くなった場合、または(振動板の厚み)μm程
度厚くなった場合である。これは、例えば、振動板の厚
みが5μmの場合、圧電体の厚みが最適値よりも4.5
%薄いか5%で、振動板の変位が10%程度減少すると
いうことである。従って、複数ヘッドを精度よく形成す
るには、圧電体の厚みを精度よく制御しなければならな
い。
【0027】〔実施例2〕表2における振動板の厚みが
40μm、圧電素子の厚みが20,40,60μmとい
う3種のヘッドを試作した。これらの変位をレーザード
ップラー振動計を用いて測定したところ、表4の結果と
定性的にも値の大きさにおいても同じような結果が得ら
れた。
【0028】〔実施例3〕表2における振動板の厚みが
10μm、圧電素子の厚みが10,20,30μmとい
う3種のヘッドを試作した。これらの変位をレーザード
ップラー振動計を用いて測定したところ、表4の結果と
定性的にも値の大きさにおいても同じような結果が得ら
れた。
【0029】(請求項4の発明)請求項1の発明の構
成、すなわち、下部電極の短辺幅は前記振動板の短辺幅
よりも挟く、長辺幅は振動板の長辺幅よりも広くしたイ
ンクジェットヘッドにおいて、図5に示すように、振動
板3の矢印方向の変位が最大となるような下部電極の短
辺幅と振動板の短辺幅の関係を得ることを目的として計
算を行い、その結果を、表3,4,5に示した(ここ
で、振動板の厚みと圧電素子の厚みは最適な組み合わせ
を選んだ)。
【0030】
【表3】
【0031】
【表4】
【0032】
【表5】
【0033】表3の5つの表から分かるように、最大変
位は圧電素子の短辺長が0.34mmとなる付近であ
り、圧電体と振動板の厚みにはよらない。表3,4,5
をも考慮すると、圧電素子の短辺長は振動板の短辺長の
85%程度が最適であることがわかる。
【0034】なお、表3において、 振動板の可変面積:3.0mm×0.4mm 圧電素子の長辺長:3.2mm 表4において、 振動板の可変面積:3.0mm×0.2mm 圧電素子の長辺長:3.2mm 表5において、 振動板の可変面積:4.0mm×1.20m 圧電素子の長辺長:4.2mm である。
【0035】〔実施例4〕表3の2段目において、圧電
素子の短辺長が0.32,0.34,0.36mmのヘッ
ド3つと、表4の圧電素子の短辺長が0.16,0.1
7,0.18のヘッド3つの計6の試作を行い、それら
の振動板の変位を調べたところ、定性的に同じ結果が得
られた。
【0036】(請求項5の発明)図6は、請求項5の発
明の実施例を説明するための要部断面構成を示す図で、
ヘッド作製時、下部電極4の形成後(図6(A),図6
(B))もしくは圧電素子5の形成後(図6(C),図
6(D))に、ヘッド間の液室基板部に絶縁材料7を形
成する。ここで、請求項1の発明の構成は、下部電極の
短辺幅が振動板の短辺幅よりも挟いため、その分絶縁材
料の幅を広く形成できる。圧電素子の縁において、圧電
素子が下部電極を十分に覆っていない場合が、現実に
は、考えられる。そこで、図6に示すように絶縁体7を
形成することにより上下電極のリークを防ぐことができ
る。さらに、高集積化を行なう場合には隣り合うヘッド
の電気的クロストークを減少させることができる。
【0037】〔実施例5〕表3の2段目において、圧電
素子の短辺長が0.34mmのヘッドを5つ持つチップ
(Aチップ)と、これに圧電素子形成後に絶縁材料(パ
イレックスガラス)を成膜したヘッドを5つ持つチップ
(Bチップ)の2つを作製した。それぞれチップである
ヘッドに駆動電圧80Vをかけて電流の流れ具合を見た
ところ、Aチップヘッドでは上下電極間にリークが見ら
れた。一方、Bチップヘッドではリークは見られなかっ
た。
【0038】(請求項6の発明)図7は、請求項6発明
の実施例を説明するための図で、ヘッド10はそれぞれ
の長辺において隣のヘッド10と接しているが、接する
部分は最大でも長辺長の1/2としている。ヘッドが高
集積化されていればいる程、ある振動板の変形の影響に
より、隣の振動板がわずかながらも変形する可能性が大
きくなる。特に、最大変位する中心の変位は大きな影響
を与える。図7の構成により最大変位する中心の変位は
隣の振動板に影響を与えにくくなる。従って、機械的な
クロストークが減少する。
【0039】〔実施例6〕図7に示したように、1つお
きにヘッド10の位置を長辺長の2/3ずらした構成を
とる複数ヘッドチップ(チップI)と、ずらしていない
複数ヘッドチップ(チップII)を試作した。振動板と圧
電素子の条件は以下に示す通りである。 振動板の幅,厚み : 2mm×1mm,20μm 圧電素子の幅,厚み : 2mm×1mm,30μm 印加電圧 : 60V
【0040】それぞれのチップにおいて、ある振動板に
駆動電圧をかけて振動板を変位させながら、その隣の振
動板の変位をレーザードップラー振動計で測定した。結
果、チップIには僅かの振動が生じていたが、チップII
には生じていなかった。
【0041】(請求項7の発明)請求項7の発明は、隣
り合う振動板の長辺が最大で、その1/2だけ接してい
るものであり、請求項5,6の発明で説明した理由によ
り、ヘッドの機械的クロストーク・電気的クロストーク
が減少し、上下電極のリークを防ぐことができる。なお
請求項7の実施例は特に示さないが、実施例5,6より
上記の主張は帰結される。
【0042】(請求項8の発明)請求項8の発明は、下
部電極が振動板以外に拘束されていないようにしたもの
で、図8(A)〜図8(F)等に示すようにいろいろな
構成が考えられる。図8において、被線部は下部電極4
と振動板3又は下部電極4と液室基板の接合部で圧電素
子の幅は下部電極の幅と同じかそれ以上であり、かつ圧
電素子は下部電極以外に拘束されていない。圧電素子の
短辺幅が下部電極の短辺幅より広くても振動板以外の部
分で接着・固着されていれば、圧電素子の短辺幅が下部
電極の短辺幅より挟い場合よりも大きな振動板の変位を
得ることができる。このことは長辺幅についても同様で
ある。つまり、下部電極において振動板に接合されてい
る部分の周り数十μmの幅の部分の変形が振動板の変形
に寄与する。ただし、振動板の変形に寄与するのは数十
μmの幅の部分だけなので、圧電素子の幅を必要以上に
広くしてもそれ以上の効果は望めない。
【0043】〔実施例8〕図8(C)の構成を持つヘッ
ドを試作した。ここでは試作方法を変えたのでその方法
を説明する。振動板を含む液室はジルコニアで作製し
た。一方、ピエゾのグリーンシートに上下電極を付け、
これを加圧により液室に付けて焼成した。加圧の時に選
択的加圧を行い、図8(C)の構成を持つヘッド(aヘ
ッド)と図8(C)において下部電極の接合されない部
分がない(下部電極の短辺幅が振動板の短辺幅よりも挟
い)ヘッド(bヘッド)を作製した。
【0044】圧電素子と振動板の形状は以下の通りであ
る。 振動板の幅,厚み 3mm×0.5mm,20μm 圧電素子の幅,厚み 3mm×0.5mm,30μm(aヘッド) 2.6mm×0.5mm,30μm(bヘッド) 下部電極の幅,厚み 2.8mm×0.42mm,5μm(aヘッド) 2.4mm×0.42mm,5μm(bヘッド) 接合幅 2.4mm×0.42mm
【0045】振動板の変位を評価するとaヘッドの方が
bヘッドに比べて良い結果がでた。
【0046】(請求項9の発明)図9は、請求項9の発
明の実施例を説明するための要部構成図(図9(A)は
下部電極部平面図、図9(B)は断面図)で、振動板
3,圧電素子5の厚み,幅の条件が振動板の変位に与え
る影響は、下部電極4の長辺幅が振動板の長辺幅よりも
大きい場合でも小さい場合でも定性的に同じと考えられ
る。従って、上述の理由により、振動板3の厚みを25
μm以下とし、圧電素子5の厚みは(振動板3の厚み+
7.5)μm、その誤差を{−(振動板3の厚み/2+
2)μm〜+(振動板3の厚み)μm}とし、該圧電素
子5の短辺幅は該振動板3の短辺幅の(85±10)%
とする、という条件を課す。これにより、振動板3の変
位を最大にすることができる。
【0047】〔実施例9〕以下の条件を持つヘッド(A
ヘッド)を試作した 振動板の幅,厚み 3mm×0.5mm,15μm 圧電素子の厚み 22.5μm 下部電極の幅,厚み 2.8mm×0.425mm,5μm
【0048】さらに振動板の形状はそのままで、圧電素
子の厚み,下部電極の短辺長をかえて(その他の条件も
一定にしておいて)、次の4種のヘッドを試作した。
【0049】 圧電素子の厚み 12.5μm 下部電極の短辺長 0.475μm 圧電素子の厚み 38μm 下部電極の短辺長 0.375μm 圧電素子の厚み 12.5μm 下部電極の短辺長 0.375μm 圧電素子の厚み 38μm 下部電極の短辺長 0.475μm
【0050】レーザドップラー振動計により、それぞれ
のヘッドの振動板の変位を評価した。結果は明らかにA
ヘッドの変位が最も良かった。
【0051】
【発明の効果】請求項1の発明は、側壁によって仕切ら
れた複数の液室と、これらの液室の上面を封止する振動
板と、該振動板の外面に配置された下部電極と、該下部
電極に密着して配置された圧電素子と、これら圧電素子
を前記下部電極とで挟みこむように配置した上部電極と
を備えたインクジェットヘッドにおいて、前記下部電極
の短辺幅を前記振動板(液室)の短辺幅よりも挟く、長
辺幅を振動板(液室)の長辺幅よりも広くしたので、振
動板の変位を大きくし、インク滴の吐出量を多くするこ
とができる。
【0052】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、前記振動板の厚みが25μm以上の場合は、前記圧
電素子の厚み=(振動板の厚み/2+20)±(振動板
の厚み/3)μmとしたので、振動板の変位を大きく
し、インク滴の吐出量を多くすることができる。
【0053】請求項3の発明は、請求項1の発明におい
て、前記振動板の厚みが25μm以下の場合は、前記圧
電素子の厚み=振動板の厚み+7.5μm,誤差{−
(振動板の厚み/2+2)μm,+(振動板の厚み)μ
m}としたので、振動板の変位を大きくし、インク滴の
吐出量を多くすることができる。
【0054】請求項4の発明は、請求項1の発明におい
て、前記圧電素子の短辺幅を前記振動板(液室)の短辺
幅の(85±10)%としたので、振動板の変位を大き
くし、インク滴の吐出量を多くすることができる。
【0055】請求項5の発明は、請求項1の発明におい
て、前記上部電極の形成前に、前記液室の外面の隣り合
う振動板の境界に絶縁層を形成するようにしたので、上
下電極の絶縁性を高め、電気的なクロストークを減少さ
せることができる。
【0056】請求項6の発明は、側壁によって仕切られ
た複数の液室と、これらの液室の上面を封止する振動板
と、該振動板の外面に配置された下部電極と、該下部電
極に密着して配置される圧電素子と、これら圧電素子を
前記下部電極とで挟みこむように配置した上部電極とを
備えたインクジェットヘッドにおいて、隣り合う振動板
の長辺が最大でその1/2だけ接しているようにしたの
で、機械的なクロストークを減少させることができる。
【0057】請求項7の発明は、請求項1の発明におい
て、隣り合う振動板の長辺が最大でその1/2だけ接し
ているようにしたので、電気的,機械的クロストークを
減少させることができる。
【0058】請求項8の発明は、側壁によって仕切られ
た複数の液室と、これらの液室の上面を封止する振動板
と、該振動板の外面に配置された下部電極と、該下部電
極に密着して配置される圧電素子と、これら圧電素子を
前記下部電極とで挟みこむように配置した上部電極とを
備えたインクジェットヘッドにおいて、前記下部電極が
前記振動板以外に拘束されていないようにしたので、振
動板の変位を大きくし、インク滴の吐出量を多くするこ
とができる。
【0059】請求項9の発明は、側壁によって仕切られ
た複数の液室と、これらの液室の上面を封止する振動板
と、該振動板の外面に配置された下部電極と、該下部電
極に密着して配置される圧電素子と、これら圧電素子を
前記下部電極とで挟みこむように配置した上部電極とを
備えたインクジェットヘッドであり、前記下部電極の短
辺幅・長辺幅が共に該振動板(液室)のそれぞれに対し
て挟く形成されているインクジェットヘッドにおいて、
前記振動板の厚みを25μm以下、圧電素子の厚みを
(振動板の厚み+7.5μm)、その誤差を{−(振動
板の厚み/2+2)μm,+(振動板の厚み)μm}と
し、該圧電素子の短辺幅を該振動板(液室)の短辺幅の
(85±10)%としたので、振動板の変位を大きく
し、インク滴の吐出量を多くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるインクジェットヘッドの一実施
例を説明するための要部構成図である。
【図2】 圧電素子の配設例を示す図である。
【図3】 請求項1の発明の動作説明をするための図で
ある。
【図4】 表2を基に、最適な振動板の厚みと圧電素子
の厚みの組み合わせをプロットしたものである。
【図5】 請求項4の発明の動作説明をするための図で
ある。
【図6】 請求項5の発明の実施例を説明するための要
部断面構成を示す図である。
【図7】 請求項6発明の実施例を説明するための図で
ある。
【図8】 請求項8の実施例を説明するための図であ
る。
【図9】 請求項9の発明の実施例を説明するための要
部構成図(図9(A)は下部電極部平面図、図9(B)
は断面図)である。
【符号の説明】
1…液室基板、2…液室、3…振動板、4…下部電極、
5…圧電素子、6…上部電極、7…絶縁材料、10…ヘ
ッド。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 側壁によって仕切られた複数の液室と、
    これらの液室の上面を封止する振動板と、該振動板の外
    面に配置された下部電極と、該下部電極に密着して配置
    された圧電素子と、これら圧電素子を前記下部電極とで
    挟みこむように配置した上部電極とを備えたインクジェ
    ットヘッドにおいて、前記下部電極の短辺幅は前記振動
    板の短辺幅よりも挟く、長辺幅は前記振動板の長辺幅よ
    りも広いことを特徴としたインクジェットヘッド。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記振動板の厚みが
    25μm以上の場合、圧電素子の厚み=(振動板の厚み
    /2+20)±(振動板の厚み/3)μmとすることを
    特徴としたインクジェットヘッド。
  3. 【請求項3】 請求項1において、前記振動板の厚みが
    25μm以下の場合、圧電素子の厚み=振動板の厚み+
    7.5μm,誤差{−(振動板の厚み/2+2)μm,
    +(振動板の厚み)μm}とすることを特徴としたイン
    クジェットヘッド。
  4. 【請求項4】 請求項1において、前記圧電素子の短辺
    幅を前記振動板の短辺幅の(85±10)%としたこと
    を特徴としたインクジェットヘッド。
  5. 【請求項5】 請求項1において、前記上部電極の形成
    前に、液室外面の隣り合う振動板の境界に絶縁層を形成
    することを特徴としたインクジェットヘッド。
  6. 【請求項6】 側壁によって仕切られた複数の液室と、
    これらの液室の上面を封止する振動板と、該振動板の外
    面に配置された下部電極と、該下部電極に密着して配置
    される圧電素子と、これら圧電素子を前記下部電極とで
    挟みこむように配置した上部電極とを備えたインクジェ
    ットヘッドにおいて、隣り合う振動板の長辺が、最大で
    その1/2だけ接していることを特徴としたインクジェ
    ットヘッド。
  7. 【請求項7】 請求項1において、隣り合う振動板の長
    辺が最大でその1/2だけ接していることを特徴とした
    インクジェットヘッド。
  8. 【請求項8】 側壁によって仕切られた複数の液室と、
    これらの液室の上面を封止する振動板と、該振動板の外
    面に配置された下部電極と、該下部電極に密着して配置
    される圧電素子と、これら圧電素子を前記下部電極とで
    挟みこむように配置した上部電極とを備えたインクジェ
    ットヘッドにおいて、前記下部電極が前記振動板以外に
    拘束されていないことを特徴としたインクジェットヘッ
    ド。
  9. 【請求項9】 側壁によって仕切られた複数の液室と、
    これらの液室の上面を封止する振動板と、該振動板の外
    面に配置された下部電極と、該下部電極に密着して配置
    される圧電素子と、これら圧電素子を前記下部電極とで
    挟みこむように配置した上部電極とを備えたインクジェ
    ットヘッドであり、前記下部電極の短辺幅・長辺幅が共
    に前記液室のそれぞれに対して挟く形成されているイン
    クジェットヘッドにおいて、前記振動板の厚みを25μ
    m以下とし、圧電素子の厚みを(振動板の厚み+7.5
    μm)、その誤差を{−(振動板の厚み/2+2)μ
    m,+(振動板の厚み)μm}とし、該圧電素子の短辺
    幅を前記液室の短辺幅の(85±10)%としたことを
    特徴としたインクジェットヘッド。
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