JP3468276B2 - インクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装置 - Google Patents
インクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装置Info
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Description
する圧力発生室の一部をたわみ振動するアクチュエータ
により膨張、収縮させて、ノズル開口からインク滴を吐
出させるインクジェット式記録ヘッド及びインクジェッ
ト式記録装置に関する。
発生室を機械的に変形させてインクを加圧する圧電振動
型と、圧力発生室の中に発熱素子を設け、発熱素子の熱
で発生した気泡の圧力によりインクを加圧するバブルジ
ェット型との2種類のものが存在する。そして圧電振動
型の記録ヘッドは、さらに軸方向に変位する圧電振動子
を使用した第1の記録ヘッドと、たわみ変位する圧電振
動子を使用した第2の記録ヘッドとの2種類に分類され
る。第1の記録ヘッドは、高速駆動が可能でかつ高い密
度での記録が可能である反面、圧電振動子の加工に切削
作業が伴ったり、また圧電振動子を圧力発生室に固定す
る際に3次元的組立作業を必要として、製造の工程数が
多くなるという問題がある。
コン単結晶基板を基材に使用して、圧力発生室やリザー
バ等の流路を異方性エッチングにより形成し、また圧電
振動子を圧電材料のスパッタリング等の膜形成技術で形
成する手法により、弾性膜を極めて薄く、また圧力発生
室や圧電振動子を高い精度で形成できるため、圧力発生
室の開口面積を可及的に小さくして記録密度の向上を図
ることが可能となる。
度を上げようとすると、圧力発生室を区画する壁の肉厚
を薄くせざるを得ず、圧力発生室を区画する壁の剛性が
低下し、クロストークやインク滴の吐出不良が生じる等
の問題がある。
ものであって、その目的とするところは、圧力発生室を
区画する隔壁の肉厚を増すことなく、流路形成基板の圧
力発生室を区画する隔壁の剛性を高めることができるイ
ンクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装
置を提供することである。
一方面にノズル開口に連通すると共に複数の隔壁で区画
された圧力発生室の列を備え、他方面に前記圧力発生室
の一部を構成する弾性膜を有する流路形成基板を具備
し、前記圧力発生室に対応する領域に圧電振動子を有す
るインクジェット式記録ヘッドにおいて、前記流路形成
基板の前記圧電振動子側に接合され、その運動を阻害し
ない程度の空間からなる凹部を区画する区画壁を備えた
裏打ち材が、その区画壁が前記流路形成基板の隔壁に対
向するように前記流路形成基板に固定され、且つ前記区
画壁が隣接する前記凹部を連通する連通部を有すること
を特徴とするインクジェット式記録ヘッドにある。
着された裏打ち材により、圧電体能動部の変位が受け止
められ、流路形成基板の隔壁のたわみが抑制される。ま
た、凹部同士が連通部で連通されているので、各凹部に
おける圧力変動が緩和される。
て、前記区画壁の前記流路形成基板との対向面全体が、
当該流路形成基板に接合されていることを特徴とするイ
ンクジェット式記録ヘッドにある。
成基板に確実に固着され、クロストークが確実に防止さ
れる。
て、前記流路形成基板の前記区画壁との接合部は、前記
弾性膜及び前記圧電振動子の下電極のみが形成されてい
ることを特徴とするインクジェット式記録ヘッドにあ
る。
成基板とが、弾性膜及び前記圧電振動子の下電極を介し
て接合され、クロストークが確実に防止される。
て、前記流路形成基板の前記区画壁との接合部は、前記
弾性膜のみが形成されていることを特徴とするインクジ
ェット式記録ヘッドにある。
成基板とが、弾性膜のみを介して接合され、クロストー
クが確実に防止される。
の態様において、前記連通部は、前記区画壁の前記流路
形成基板との対向面には臨んでいないことを特徴とする
インクジェット式記録ヘッドにある。
壁の流路形成基板との対向面が低減することがなく、ク
ロストークが確実に防止される。
の態様において、前記裏打ち材の凹部の幅は、前記圧力
発生室の幅以上に選択されていることを特徴とするイン
クジェット式記録ヘッドにある。
圧力発生室に対向する振動板の剛性が高められることが
ない。
の態様において、前記裏打ち材の凹部内の空間に乾燥流
体を封入して封止してなることを特徴とするインクジェ
ット式記録ヘッドにある。
が向上される。
の態様において、前記流路形成基板と前記裏打ち材とが
同一の材料により構成されていることを特徴とするイン
クジェット式記録ヘッドにある。
よる変形が防止される。
の態様において、前記流路形成基板がシリコン単結晶基
板からなり、前記圧力発生室が異方性エッチングにより
形成され、前記圧電振動子の各層が成膜及びリソグラフ
ィ法により形成されたものであることを特徴とするイン
クジェット式記録ヘッドにある。
口を有するインクジェット式記録ヘッドを大量に且つ比
較的容易に製造することができる。
かの態様において、前記流路形成基板には前記圧力発生
室に連通されるリザーバが画成され、前記ノズル開口を
有するノズルプレートが接合されることを特徴とするイ
ンクジェット式記録ヘッドにある。
インクを吐出するインクジェット式記録ヘッドを容易に
実現できる。
かの態様において、前記流路形成基板には、前記圧力発
生室にインクを供給する共通インク室と、前記圧力発生
室と前記ノズル開口とを連通する流路とを形成する流路
ユニットが接合されていることを特徴とするインクジェ
ット式記録ヘッドにある。
介してノズル開口からインクが吐出される。
れかの態様のインクジェット式記録ヘッドを具備するこ
とを特徴とするインクジェット式記録装置にある。
トークが防止され、インク吐出を良好に行うことのでき
るインクジェット式記録装置を実現することができる。
て詳細に説明する。
1に係るインクジェット式記録ヘッドを示す分解斜視図
であり、図2は、その1つの圧力発生室の長手方向及び
幅方向における断面構造を示す図である。
実施形態では面方位(110)のシリコン単結晶基板か
らなる。流路形成基板10としては、通常、150〜3
00μm程度の厚さのものが用いられ、望ましくは18
0〜280μm程度、より望ましくは220μm程度の
厚さのものが好適である。これは、隣接する圧力発生室
間の隔壁の剛性を保ちつつ、配列密度を高くできるから
である。
り、他方の面には予め熱酸化により形成した二酸化シリ
コンからなる、厚さ1〜2μmの弾性膜50が形成され
ている。
リコン単結晶基板を異方性エッチングすることにより、
複数の隔壁11により区画された圧力発生室12の列1
3が2列と、2列の圧力発生室12の列13の三方を囲
むように略コ字状に配置されたリザーバ14と、各圧力
発生室12とリザーバ14とを一定の流体抵抗で連通す
るインク供給口15がそれぞれ形成されている。なお、
リザーバ14の略中央部には、外部から当該リザーバ1
4にインクを供給するためのインク導入孔16が形成さ
れている。
結晶基板をKOH等のアルカリ溶液に浸漬すると、徐々
に侵食されて(110)面に垂直な第1の(111)面
と、この第1の(111)面と約70度の角度をなし且
つ上記(110)面と約35度の角度をなす第2の(1
11)面とが出現し、(110)面のエッチングレート
と比較して(111)面のエッチングレートが約1/1
80であるという性質を利用して行われるものである。
かかる異方性エッチングにより、二つの第1の(11
1)面と斜めの二つの第2の(111)面とで形成され
る平行四辺形状の深さ加工を基本として精密加工を行う
ことができ、圧力発生室12を高密度に配列することが
できる。
を第1の(111)面で、短辺を第2の(111)面で
形成している。この圧力発生室12は、流路形成基板1
0をほぼ貫通して弾性膜50に達するまでエッチングす
ることにより形成されている。ここで、弾性膜50は、
シリコン単結晶基板をエッチングするアルカリ溶液に侵
される量がきわめて小さい。また各圧力発生室12の一
端に連通する各インク供給口15は、圧力発生室12よ
り浅く形成されている。すなわち、インク供給口15
は、シリコン単結晶基板を厚さ方向に途中までエッチン
グ(ハーフエッチング)することにより形成されてい
る。なお、ハーフエッチングは、エッチング時間の調整
により行われる。
各圧力発生室12のインク供給口15とは反対側で連通
するノズル開口17が穿設されたノズルプレート18が
接着剤や熱溶着フィルム等を介して固着されている。な
お、ノズルプレート18は、厚さが例えば、0.1〜1
mmで、線膨張係数が300℃以下で、例えば2.5〜
4.5[×10-6/℃]であるガラスセラミックス、又
は不錆鋼などからなる。ノズルプレート18は、一方の
面で流路形成基板10の一面を全面的に覆い、シリコン
単結晶基板を衝撃や外力から保護する補強板の役目も果
たす。
る圧力発生室12の大きさと、インク滴を吐出するノズ
ル開口17の大きさとは、吐出するインク滴の量、吐出
スピード、吐出周波数に応じて最適化される。例えば、
1インチ当たり360個のインク滴を記録する場合、ノ
ズル開口17は数十μmの直径で精度よく形成する必要
がある。
側の弾性膜50の上には、厚さが例えば、約0.5μm
の下電極膜60と、厚さが例えば、約1μmの圧電体膜
70と、厚さが例えば、約0.1μmの上電極膜80と
が、後述するプロセスで積層形成されて、圧電振動子
(圧電素子)300を構成している。ここで、圧電振動
子300は、下電極膜60、圧電体膜70、及び上電極
膜80を含む部分をいう。一般的には、圧電振動子30
0の何れか一方の電極を共通電極とし、他方の電極及び
圧電体膜70を各圧力発生室12毎にパターニングして
構成する。そして、ここではパターニングされた何れか
一方の電極及び圧電体膜70から構成され、両電極への
電圧の印加により圧電歪みが生じる部分を圧電体能動部
320という。本実施形態では、下電極膜60は圧電振
動子300の共通電極とし、上電極膜80を圧電振動子
300の個別電極としているが、駆動回路や配線の都合
でこれを逆にしても支障はない。何れの場合において
も、各圧力発生室毎に圧電体能動部が形成されているこ
とになる。なお、上述した例では、弾性膜50及び下電
極膜60が振動板として作用するが、下電極膜が弾性膜
を兼ねるようにしてもよい。
対向する領域にパターニングされた圧電体膜70及び上
電極膜80から構成される圧電体能動部320を有し、
この圧電体能動部320を構成する圧電体膜70及び上
電極膜80がインク供給口15及びリザーバ14に対向
する領域まで連続的に延設されている。また、リザーバ
14に対向する領域の上電極膜80には、後述するコン
タクトホール90aを介してリード電極100が接続さ
れている。
形成基板10上に、圧電体膜70等を形成するプロセス
を図3及び図4を参照しながら説明する。
基板10となるシリコン単結晶基板のウェハを約110
0℃の拡散炉で熱酸化して二酸化シリコンからなる弾性
膜50を形成する。
リングで下電極膜60を形成する。下電極膜60の材料
としては、Pt等が好適である。これは、スパッタリン
グやゾル−ゲル法で成膜する後述の圧電体膜70は、成
膜後に大気雰囲気下又は酸素雰囲気下で600〜100
0℃程度の温度で焼成して結晶化させる必要があるから
である。すなわち、下電極膜60の材料は、このような
高温、酸化雰囲気下で導電性を保持できなければなら
ず、殊に、圧電体膜70としてPZTを用いた場合に
は、PbOの拡散による導電性の変化が少ないことが望
ましく、これらの理由からPtが好適である。
70を成膜する。この圧電体膜70の成膜にはスパッタ
リングを用いることもできるが、本実施形態では、金属
有機物を溶媒に溶解・分散した、いわゆるゾルを塗布乾
燥してゲル化し、さらに高温で焼成することで金属酸化
物からなる圧電体膜70を得る、いわゆるゾル−ゲル法
を用いている。圧電体膜70の材料としては、チタン酸
ジルコン酸鉛(PZT)系の材料がインクジェット式記
録ヘッドに使用する場合には好適である。
80を成膜する。上電極膜80は、導電性の高い材料で
あればよく、Al、Au、Ni、Pt等の多くの金属
や、導電性酸化物等を使用できる。本実施形態では、P
tをスパッタリングにより成膜している。
生室12それぞれに対して圧電振動子を配設するよう
に、上電極膜80および圧電体膜70のパターニングを
行う。図3(e)では圧電体膜70を上電極膜80と同
一のパターンでパターニングを行った場合を示している
が、上述したように、圧電体膜70は必ずしもパターニ
ングを行う必要はない。これは、上電極膜80のパター
ンを個別電極として電圧を印加した場合、電界はそれぞ
れの上電極膜80と、共通電極である下電極膜60との
間にかかるのみで、その他の部位には何ら影響を与えな
いためである。しかしながら、この場合には、同一の排
除体積を得るためには大きな電圧印加が必要となるた
め、圧電体膜70もパターニングするのが好ましい。ま
た、この後、下電極膜60をパターニングして不要な部
分、例えば、圧力発生室12の幅方向両側の縁部内側近
傍を除去してもよい。なお、下電極膜60の除去は必ず
しも行う必要はなく、また、除去する場合には、全てを
除去せず、厚さを薄くするようにしてもよい。
ンを形成した後、エッチング等を行うことにより実施す
る。
ンコートなどにより塗布し、所定形状のマスクを用いて
露光・現像・ベークを行うことにより形成する。なお、
勿論、ネガレジストの代わりにポジレジストを用いても
よい。
置、例えば、イオンミリング装置を用いて行う。なお、
エッチング後には、レジストパターンをアッシング装置
等を用いて除去する。
ンミリング法以外に、反応性エッチング法等を用いても
よい。また、ドライエッチングの代わりにウェットエッ
チングを用いることも可能であるが、ドライエッチング
法と比較してパターニング精度が多少劣り、上電極膜8
0の材料も制限されるので、ドライエッチングを用いる
のが好ましい。
膜80の周縁部および圧電体膜70の側面を覆うように
絶縁体層90を形成する。この絶縁体層90の材料は、
本実施形態ではネガ型の感光性ポリイミドを用いてい
る。
90をパターニングすることにより、リザーバ14に対
向する部分にコンタクトホール90aを形成する。この
コンタクトホール90aは、後述するリード電極100
と上電極膜80との接続をするためのものである。
全面に成膜した後、パターニングすることにより、リー
ド電極100を形成する。
して膜形成を行った後、図4(c)に示すように、前述
したアルカリ溶液によるシリコン単結晶基板の異方性エ
ッチングを行い、圧力発生室12等を形成する。
弾性膜50上には、裏打ち材110が設けられている。
この裏打ち材110の弾性膜50との接合側の圧力発生
室12と対向する領域には、圧力発生室12を区画する
隔壁11と同一ピッチを有し、上電極膜80に接触しな
い空間gを確保できる凹部112を区画する区画壁11
1を有する。この区画壁111は、流路形成基板10の
隔壁11に対向させて接着剤などにより弾性膜50の表
面に固定されている。また、凹部112の一方の端部
は、ケーブル等を引き出すための開口113が設けられ
ている。
点から、下電極膜60まで除去して、弾性膜50上に直
接接着するようにすることが好ましい。しかし、構造上
の制約から圧電体膜70まで除去した後に、下電極膜6
0に接着されるようにしてもよい。何れにしても、流路
形成基板10と裏打ち材110との接合が良好に行われ
る。
成された凹部112の大きさは、圧電体能動部の駆動を
阻害しない程度の大きさを有していれば、特に限定され
ないが、本実施形態では、凹部112の幅W1は、圧力
発生室12の幅W2よりも大きくなるように選択されて
いるため、圧力発生室12に対向する領域の弾性膜50
の剛性を高めることがない。
方性エッチングは、一枚のウェハ上に多数のチップを同
時に形成し、プロセス終了後、図1に示すような一つの
チップサイズの流路形成基板10毎に分割する。また、
分割した流路形成基板10を、ノズルプレート18、裏
打ち材110と順次接着してインクジェット式記録ヘッ
ドとする。その後、インクジェット式記録ヘッドをホル
ダー105に固定し、キャリッジに搭載して、インクジ
ェット式記録装置に組み込む。
み変形は、インク滴を吐出させる圧力発生室12を区画
する隔壁11と、裏打ち材110の区画壁111に受け
止められつつ、当該圧力発生室12の領域に限定され
る。これによりインク滴吐出時に圧力発生室12に作用
する応力が他の圧力発生室12を区画している隔壁11
に伝搬するのが防止され、クロストークの発生が阻止さ
れる。
を用いて圧力発生室12を区画する隔壁11の肉厚90
μm、深さ220μmの流路形成基板10、及び肉厚、
高さ100μmの区画壁111を有する裏打ち材110
を形成して、インク滴を吐出させたところ、圧力発生室
12を区画する隔壁11の中央部でのたわみによる相対
変位が4.3であった。
状態でインク滴を吐出させたところ圧力発生室12を区
画する隔壁11の中央部でのたわみによる相対変位が
4.7となった。
上記実施形態によれば、インク滴吐出時の圧力発生室1
2の隔壁11の変位量が10%程度減少することが明ら
かになった。
と同一の材料により構成することにより、熱膨張差によ
るたわみの発生をともなうことなく、異材料により構成
されるノズルプレート18との熱膨張差に起因する、記
録ヘッド全体の変形を、裏打ち材110を用いない従来
の記録ヘッドに比較して抑制することができる。
は、図示しない外部インク供給手段と接続したインク導
入口16からインクを取り込み、リザーバ14からノズ
ル開口17に至るまで内部をインクで満たした後、図示
しない外部の駆動回路からの記録信号に従い、リード電
極100を介して下電極膜60と上電極膜80との間に
電圧を印加し、弾性膜50と圧電体膜70とをたわみ変
形させることにより、圧力発生室12内の圧力が高まり
ノズル開口17からインク滴が吐出する。
る圧力発生室の長手方向及び幅方向における断面構造を
示す図である。
ち材110の凹部112の深さdを大きく形成するとと
もに上電極膜80と接触しないように凹部112の奥側
に水分の含有量が少ないシリコーンオイル等を含浸した
多孔質材114を装填したり、また乾燥した不活性ガス
を充填して開口部113を接着剤115により封止した
以外は実施形態1と同様である。
浸入を阻止して、圧電体膜70を湿気から隔離でき、吸
湿による劣化や絶縁耐力の低下を防止することができ
る。
るインクジェット式記録ヘッドの分解斜視図であり、図
7は、圧力発生室の長手方向及び幅方向における断面構
造を示す図である。
材を、第1裏打ち材120と、この第1裏打ち材120
に固着される第2裏打ち材130とで構成するようにし
ている。
2に対向する領域に、圧電体能動部の駆動を阻害しない
程度の空間を有する凹部122を形成するための貫通溝
が形成され、貫通溝の反対側は、第2裏打ち材130で
封止されている。また、各凹部122はそれぞれ区画壁
121によって区画されており、区画壁121の流路形
成基板10とは反対側端部、圧力発生室12の長手方向
の略中央には、隣接する凹部122同士を連通する連通
部123が設けられ、これにより全ての凹部122が連
通されている。
裏打ち材130の材質は、特に限定されないが、流路形
成基板10と同一の材質であるシリコン単結晶基板、ガ
ラスセラミックス等を用いることができる。
形態と同様である。
実施形態と同様に、圧力発生室に作用する応力が隔壁に
伝搬するのが防止され、クロストークの発生が阻止され
る。また、本実施形態では、圧電体能動部が凹部122
に密封され、外部と完全に遮断されるので、外部環境に
起因する動作不良を防止することができる。さらに、各
凹部122は、連通部123を介して連通されているた
め、各凹部122内での圧力変動を吸収し合うことがで
きる。
部123を設ける位置は、本実施形態に限定されず、区
画壁121の何れの場所に設けてもよい。但し、クロス
トークを防止する観点からは、区画壁121の流路形成
基板10との接合部をなるべく大きくした方がよいの
で、連通部123は区画壁121の流路形成基板10と
の対向面に臨まないように形成するのが好ましい。ま
た、本実施形態は、連通部123の形成を容易にするた
めに、裏打ち材を二部材としたが、勿論これに限定され
るものではない。
を説明したが、インクジェット式記録ヘッドの基本的構
成は上述したものに限定されるものではない。
態に限定されず、図8に示すように、端部となる側に段
差を設けて延長して、ケーブル等を固定する固定部11
4を形成するようにしてもよい。
材で構成して、圧電体能動部を覆う凹部を形成する例を
示したが、これに限定されず、例えば、両者を一体的に
形成するようにしてもよい。また、裏打ち材を三部材以
上で構成するようにしてもよいことは言うまでもない。
基板10に圧力発生室12と共にリザーバ14を形成し
ているが、共通インク室を形成する部材を流路形成基板
10に重ねて設けてもよい。
ヘッドの部分断面を図9に示す。この実施形態では、ノ
ズル開口17Aが穿設されたノズル基板18Aと流路形
成基板10Aとの間に、封止板160、共通インク室形
成板170、薄肉板180及びインク室側板190が挟
持され、これらを貫通するように、圧力発生室12Aと
ノズル開口17Aとを連通するノズル連通口31が配さ
れている。すなわち、封止板160、共通インク室形成
板170及び薄肉板180とで共通インク室32が画成
され、各圧力発生室12Aと共通インク室32とは、封
止板160に穿設されたインク連通孔33を介して連通
されている。また、封止板160には共通インク室32
に外部からインクを導入するためのインク導入孔34も
穿設されている。また、薄肉板180とノズル基板18
Aとの間に位置するインク室側板190には各共通イン
ク室32に対向する位置に貫通部35が形成されてお
り、インク滴吐出の際に発生するノズル開口17Aと反
対側へ向かう圧力を、薄肉板180が吸収するのを許容
するようになっており、これにより、他の圧力発生室
に、共通インク室32を経由して不要な正又は負の圧力
が加わるのを防止することができる。なお、薄肉板18
0とインク室側板190とは一体に形成されてもよい。
基板10Aの開口面とは反対側の、圧力発生室を区画す
る隔壁に対向する領域に、上述したような裏打ち材を接
合することにより、流路形成基板のたわみを抑制するこ
とができる。
びリソグラフィプロセスを応用することにより製造でき
る薄膜型のインクジェット式記録ヘッドを例にしたが、
勿論これに限定されるものではなく、例えば、基板を積
層して圧力発生室を形成するもの、あるいはグリーンシ
ートを貼付もしくはスクリーン印刷等により圧電体膜を
形成するもの、又は結晶成長により圧電体膜を形成する
もの等、各種の構造のインクジェット式記録ヘッドに本
発明を採用することができる。
膜とリード電極との接続部は、何れの場所に設けてもよ
く、圧力発生室の何れの端部でも又は中央部であっても
よい。
縁体層を設けた例を説明したが、これに限定されず、例
えば、絶縁体層を設けないで、各上電極に異方性導電膜
を熱溶着し、この異方性導電膜をリード電極と接続した
り、その他、ワイヤボンディング等の各種ボンディング
技術を用いて接続したりする構成としてもよい。
い限り、種々の構造のインクジェット式記録ヘッドに応
用することができる。
式記録ヘッドは、インクカートリッジ等と連通するイン
ク流路を具備する記録ヘッドユニットの一部を構成し
て、インクジェット式記録装置に搭載される。図10
は、そのインクジェット式記録装置の一例を示す概略図
である。
録ヘッドを有する記録ヘッドユニット1A及び1Bは、
インク供給手段を構成するカートリッジ2A及び2Bが
着脱可能に設けられ、この記録ヘッドユニット1A及び
1Bを搭載したキャリッジ3は、装置本体4に取り付け
られたキャリッジ軸5に軸方向移動自在に設けられてい
る。この記録ヘッドユニット1A及び1Bは、例えば、
それぞれブラックインク組成物及びカラーインク組成物
を吐出するものとしている。
い複数の歯車およびタイミングベルト7を介してキャリ
ッジ3に伝達されることで、記録ヘッドユニット1A及
び1Bを搭載したキャリッジ3はキャリッジ軸5に沿っ
て移動される。一方、装置本体4にはキャリッジ軸5に
沿ってプラテン8が設けられており、図示しない給紙ロ
ーラなどにより給紙された紙等の記録媒体である記録シ
ートSがプラテン8に巻き掛けられて搬送されるように
なっている。
圧電体膜の運動を阻害しない程度の空間からなる凹部を
区画する区画壁を備えた裏打ち材を、その区画壁が流路
形成基板の隔壁に対向するように流路形成基板に固定し
たので、インク滴吐出時の圧電体能動部の変位を、弾性
膜を介して固定された裏打ち材によっても受け止めるこ
とにより、流路形成基板の隔壁のたわみを抑制し、クロ
ストークを防止することができる。また、裏打ち材によ
って、圧電体能動部を密封し、外部と遮断することによ
り、外部環境に起因する動作不良を防止することができ
る。また、その際、裏打ち材の区画壁に、隣接する凹部
を連通する連通部を設けることにより、相互に変形を吸
収し、流路形成基板のたわみを抑制することができる。
記録ヘッドの分解斜視図である。
記録ヘッドの、圧力発生室の長手方向、及び圧力発生室
の配列方向での断面構造として示す図である。
ある。
ある。
記録ヘッドの、圧力発生室の長手方向、及び圧力発生室
の配列方向での断面構造として示す図である。
記録ヘッドの分解斜視図である。
記録ヘッドの、圧力発生室の長手方向、及び圧力発生室
の配列方向での断面構造として示す図である。
図である。
式記録ヘッドの断面図である。
記録装置の概略図である。
Claims (12)
- 【請求項1】 一方面にノズル開口に連通すると共に複
数の隔壁で区画された圧力発生室の列を備え、他方面に
前記圧力発生室の一部を構成する弾性膜を有する流路形
成基板を具備し、前記圧力発生室に対応する領域に圧電
振動子を有するインクジェット式記録ヘッドにおいて、 前記流路形成基板の前記圧電振動子側に接合され、その
運動を阻害しない程度の空間からなる凹部を区画する区
画壁を備えた裏打ち材が、その区画壁が前記流路形成基
板の隔壁に対向するように前記流路形成基板に固定さ
れ、且つ前記区画壁が隣接する前記凹部を連通する連通
部を有することを特徴とするインクジェット式記録ヘッ
ド。 - 【請求項2】 請求項1において、前記区画壁の前記流
路形成基板との対向面全体が、当該流路形成基板に接合
されていることを特徴とするインクジェット式記録ヘッ
ド。 - 【請求項3】 請求項2において、前記流路形成基板の
前記区画壁との接合部は、前記弾性膜及び前記圧電振動
子の下電極のみが形成されていることを特徴とするイン
クジェット式記録ヘッド。 - 【請求項4】 請求項2において、前記流路形成基板の
前記区画壁との接合部は、前記弾性膜のみが形成されて
いることを特徴とするインクジェット式記録ヘッド。 - 【請求項5】 請求項1〜4の何れかにおいて、前記連
通部は、前記区画壁の前記流路形成基板との対向面には
臨んでいないことを特徴とするインクジェット式記録ヘ
ッド。 - 【請求項6】 請求項1〜5の何れかにおいて、前記裏
打ち材の凹部の幅は、前記圧力発生室の幅以上に選択さ
れていることを特徴とするインクジェット式記録ヘッ
ド。 - 【請求項7】 請求項1〜6の何れかにおいて、前記裏
打ち材の凹部内の空間に乾燥流体を封入して封止してな
ることを特徴とするインクジェット式記録ヘッド。 - 【請求項8】 請求項1〜7の何れかにおいて、前記流
路形成基板と前記裏打ち材とが同一の材料により構成さ
れていることを特徴とするインクジェット式記録ヘッ
ド。 - 【請求項9】 請求項1〜8の何れかにおいて、前記流
路形成基板がシリコン単結晶基板からなり、前記圧力発
生室が異方性エッチングにより形成され、前記圧電振動
子の各層が成膜及びリソグラフィ法により形成されたも
のであることを特徴とするインクジェット式記録ヘッ
ド。 - 【請求項10】 請求項1〜9の何れかにおいて、前記
流路形成基板には前記圧力発生室に連通されるリザーバ
が画成され、前記ノズル開口を有するノズルプレートが
接合されることを特徴とするインクジェット式記録ヘッ
ド。 - 【請求項11】 請求項1〜9の何れかにおいて、前記
流路形成基板には、前記圧力発生室にインクを供給する
共通インク室と、前記圧力発生室と前記ノズル開口とを
連通する流路とを形成する流路ユニットが接合されてい
ることを特徴とするインクジェット式記録ヘッド。 - 【請求項12】 請求項1〜11の何れかのインクジェ
ット式記録ヘッドを具備することを特徴とするインクジ
ェット式記録装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11972998A JP3468276B2 (ja) | 1997-04-30 | 1998-04-28 | インクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装置 |
Applications Claiming Priority (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12641997 | 1997-04-30 | ||
JP9-126419 | 1997-04-30 | ||
JP2941598 | 1998-02-12 | ||
JP10-29415 | 1998-02-12 | ||
JP11972998A JP3468276B2 (ja) | 1997-04-30 | 1998-04-28 | インクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11291497A JPH11291497A (ja) | 1999-10-26 |
JP3468276B2 true JP3468276B2 (ja) | 2003-11-17 |
Family
ID=27286564
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11972998A Expired - Fee Related JP3468276B2 (ja) | 1997-04-30 | 1998-04-28 | インクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3468276B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8491103B2 (en) | 2011-02-10 | 2013-07-23 | Ricoh Company, Ltd. | Inkjet head |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5724263B2 (ja) | 2010-09-16 | 2015-05-27 | 株式会社リコー | インクジェットヘッド |
JP5862118B2 (ja) | 2011-08-31 | 2016-02-16 | 株式会社リコー | インクジェットヘッド及び記録装置 |
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-
1998
- 1998-04-28 JP JP11972998A patent/JP3468276B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8491103B2 (en) | 2011-02-10 | 2013-07-23 | Ricoh Company, Ltd. | Inkjet head |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH11291497A (ja) | 1999-10-26 |
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