JP3750709B2 - インクジェット式記録ヘッド - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インク滴を吐出するノズル開口と連通する圧力発生室の一部を弾性膜で構成し、この弾性膜の表面に圧電体層を形成して、圧電体層の変位によりインク滴を吐出させるインクジェット式記録ヘッド及びその駆動方法並びにインクジェット式記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
インク滴を吐出するノズル開口と連通する圧力発生室の一部を弾性膜で構成し、この弾性膜を圧電振動子により変形させて圧力発生室のインクを加圧してノズル開口からインク滴を吐出させるインクジェット式記録ヘッドには、圧電振動子の軸方向に伸長、収縮する縦振動モードの圧電振動子を使用したものと、たわみ振動モードの圧電振動子を使用したものの2種類が実用化されている。
【0003】
前者は圧電振動子の端面を弾性膜に当接させることにより圧力発生室の容積を変化させることができて、高密度印刷に適したヘッドの製作が可能である反面、圧電振動子をノズル開口の配列ピッチに一致させて櫛歯状に切り分けるという困難な工程や、切り分けられた圧電振動子を圧力発生室に位置決めして固定する作業が必要となり、製造工程が複雑であるという問題がある。
【0004】
これに対して後者は、圧電材料のグリーンシートを圧力発生室の形状に合わせて貼付し、これを焼成するという比較的簡単な工程で弾性膜に圧電振動子を作り付けることができるものの、たわみ振動を利用する関係上、ある程度の面積が必要となり、高密度配列が困難であるという問題がある。
【0005】
一方、後者の記録ヘッドの不都合を解消すべく、特開平5−286131号公報に見られるように、弾性膜の表面全体に亙って成膜技術により均一な圧電材料層を形成し、この圧電材料層をリソグラフィ法により圧力発生室に対応する形状に切り分けて各圧力発生室毎に独立するように圧電振動子を形成したものが提案されている。
【0006】
これによれば圧電振動子を弾性膜に貼付ける作業が不要となって、リソグラフィ法という精密で、かつ簡便な手法で圧電振動子を作り付けることができるばかりでなく、圧電振動子の厚みを薄くできて高速駆動が可能になるという利点がある。なお、この場合、圧電材料層は弾性膜の表面全体に設けたままで少なくとも上電極のみを各圧力発生室毎に設けることにより、各圧力発生室に対応する圧電振動子を駆動することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した薄膜技術およびリソグラフィ法による製造方法では圧電振動子の駆動の際、弾性膜の変形量が小さく、十分な排除体積が得られないという問題がある。
【0008】
本発明はこのような事情に鑑み、圧電体層の変位量を増加させ、弾性膜の変位効率を向上したインクジェット式記録ヘッド及びその駆動方法並びにインクジェット式記録装置を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明の第1の態様は、ノズル開口に連通する圧力発生室の一部を構成する振動板と、該振動板上に設けられた圧電振動子とを具備したインクジェット式記録ヘッドにおいて、下電極と圧電体層と上電極とからなり、前記圧力発生室に対向する領域に形成されて前記圧力発生室内のインクを前記ノズル開口から吐出させるための第1の圧電振動子と、該第1の圧電振動子が形成された領域外の前記振動板上に形成されて、当該第1の圧電振動子とは独立して駆動して前記振動板が変形している間に前記第1の圧電振動子を駆動させることで前記振動板の変形の変形量を変えることができる第2の圧電振動子とを設けたことを特徴とするインクジェット式記録ヘッドにある。
【0010】
かかる第1の態様では、前記第2の圧電振動子を用いることにより、圧力発生室に対向する領域の弾性膜を両側から引っ張り上げることができ、その後、第1の圧電振動子を駆動することにより、排除体積を向上することができる。
【0011】
本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記第2の圧電振動子は、前記圧力発生室の隔壁上に存在する部位と、隔壁側から圧力室側に延設された能動部とを有することを特徴とするインクジェット式記録ヘッドにある。
【0012】
かかる第2の態様では、第2の圧電振動子を用いて、排除体積をより確実に向上することができる。
【0013】
本発明の第3の態様は、第2の態様において、前記第2の圧電振動子の前記能動部が圧電体層に連続して両端部に設けられていることを特徴とするインクジェット式記録ヘッドにある。
【0014】
かかる第3の態様では、第2の圧電振動子を隣接する圧力発生室で共用し、引張り力を大きくすることができる。
【0015】
本発明の第4の態様は、第2の態様において、前記第2の圧電振動子の少なくとも前記能動部が独立して設けられ、前記圧力発生室毎に独立して駆動可能であることを特徴とするインクジェット式記録ヘッドにある。
【0016】
かかる第4の態様では、第2の圧電振動子を圧力発生室毎に独立して駆動することができ、無駄な駆動を防止できる。
【0017】
本発明の第5の態様は、第1〜4の何れかの態様において、前記第2の圧電振動子に電圧を印加した後当該電圧を解除する駆動では前記ノズル開口からインクを吐出しないことを特徴とするインクジェット式記録ヘッドにある。
【0018】
かかる第5の態様では、第2の圧電振動子を全体として駆動しても、不必要な吐出を防止できる。
【0019】
本発明の第6の態様は、第4の態様において、前記第2の圧電振動子に電圧を印加した後当該電圧を解除する駆動により前記ノズル開口からインクを吐出することを特徴とするインクジェット式記録ヘッドにある。
【0020】
かかる第6の態様では、第1の圧電振動子との組み合わせによって、排除体積の調整が可能になる。
【0021】
本発明の第7の態様は、第1〜6の何れかの態様において、前記第1の圧電振動子と前記第2の圧電振動子のそれぞれを構成する少なくとも前記圧電体層は、前記圧電振動子の長手方向の一端部から前記圧力発生室に対向する領域外まで延設されていることを特徴とするインクジェット式記録ヘッドにある。
【0022】
かかる第7の態様では、圧力発生室の周壁に対向する領域に、圧電体層と外部配線との接続部を形成できる。
【0023】
本発明の第8の態様では、第7の態様において、前記第1の圧電振動子の延設方向と、前記第2の圧電振動子の延設方向とが逆方向であることを特徴とするインクジェット式記録ヘッドにある。
【0024】
かかる第8の態様では、第1及び第2の圧電振動子の配線を容易に行うことができる。
【0025】
本発明の第9の態様は、第7又は8の態様において、前記圧力発生室に対向する領域外まで延設された前記圧電体層上には前記上電極が延設されていることを特徴とするインクジェット式記録ヘッドにある。
【0026】
かかる第9の態様では、延設された上電極と外部配線とを容易に接続できる。
【0027】
本発明の第10の態様は、第1〜9の何れかの態様において、前記第1及び第2の圧電振動子の上面にはリード電極と前記上電極との接続を行うコンタクト部を有することを特徴とするインクジェット式記録ヘッドにある。
【0028】
かかる第10の態様では、圧電振動子への電圧の印加はコンタクト部を介して行われる。
【0029】
本発明の第11の態様において、前記第1及び第2の圧電振動子の上面には絶縁体層が形成され、前記リード電極と前記上電極との接続を行う前記コンタクト部は、前記絶縁体層に形成されたコンタクトホール内に形成されていることを特徴とするインクジェット式記録ヘッドにある。
【0030】
かかる第11の態様では、圧電振動子への電圧の印加は絶縁体層に形成されたコンタクト部を介して行われる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0032】
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係るインクジェット式記録ヘッドを示す分解斜視図であり、図2は、平面図及びその1つの圧力発生室の長手方向における断面構造を示す図である。
【0033】
図示するように、流路形成基板10は、本実施形態では面方位(110)のシリコン単結晶基板からなる。流路形成基板10としては、通常、150〜300μm程度の厚さのものが用いられ、望ましくは180〜280μm程度、より望ましくは220μm程度の厚さのものが好適である。これは、隣接する圧力発生室間の隔壁の剛性を保ちつつ、配列密度を高くできるからである。
【0034】
流路形成基板10の一方の面は開口面となり、他方の面には予め熱酸化により形成した二酸化シリコンからなる、厚さ0.1〜2μmの弾性膜50が形成されている。
【0035】
一方、流路形成基板10の開口面には、シリコン単結晶基板を異方性エッチングすることにより、ノズル開口11、圧力発生室12が形成されている。
【0036】
ここで、異方性エッチングは、シリコン単結晶基板をKOH等のアルカリ溶液に浸漬すると、徐々に侵食されて(110)面に垂直な第1の(111)面と、この第1の(111)面と約70度の角度をなし且つ上記(110)面と約35度の角度をなす第2の(111)面とが出現し、(110)面のエッチングレートと比較して(111)面のエッチングレートが約1/180であるという性質を利用して行われるものである。かかる異方性エッチングにより、二つの第1の(111)面と斜めの二つの第2の(111)面とで形成される平行四辺形状の深さ加工を基本として精密加工を行うことができ、圧力発生室12を高密度に配列することができる。
【0037】
本実施形態では、各圧力発生室12の長辺を第1の(111)面で、短辺を第2の(111)面で形成している。この圧力発生室12は、流路形成基板10をほぼ貫通して弾性膜50に達するまでエッチングすることにより形成されている。なお、弾性膜50は、シリコン単結晶基板をエッチングするアルカリ溶液に侵される量がきわめて小さい。
【0038】
一方、各圧力発生室12の一端に連通する各ノズル開口11は、圧力発生室12より幅狭で且つ浅く形成されている。すなわち、ノズル開口11は、シリコン単結晶基板を厚さ方向に途中までエッチング(ハーフエッチング)することにより形成されている。なお、ハーフエッチングは、エッチング時間の調整により行われる。
【0039】
ここで、インク滴吐出圧力をインクに与える圧力発生室12の大きさと、インク滴を吐出するノズル開口11の大きさとは、吐出するインク滴の量、吐出スピード、吐出周波数に応じて最適化される。例えば、1インチ当たり360個のインク滴を記録する場合、ノズル開口11は数十μmの溝幅で精度よく形成する必要がある。
【0040】
また、各圧力発生室12と後述する共通インク室31とは、後述する封止板20の各圧力発生室12の一端部に対応する位置にそれぞれ形成されたインク供給連通口21を介して連通されており、インクはこのインク供給連通口21を介して共通インク室31から供給され、各圧力発生室12に分配される。
【0041】
封止板20は、前述の各圧力発生室12に対応したインク供給連通口21が穿設された、厚さが例えば、0.1〜1mmで、線膨張係数が300℃以下で、例えば2.5〜4.5[×10-6/℃]であるガラスセラミックスからなる。なお、インク供給連通口21は、図3(a),(b)に示すように、各圧力発生室12のインク供給側端部の近傍を横断する一つのスリット孔21Aでも、あるいは複数のスリット孔21Bであってもよい。封止板20は、一方の面で流路形成基板10の一面を全面的に覆い、シリコン単結晶基板を衝撃や外力から保護する補強板の役目も果たす。また、封止板20は、他面で共通インク室31の一壁面を構成する。
【0042】
共通インク室形成基板30は、共通インク室31の周壁を形成するものであり、ノズル開口数、インク滴吐出周波数に応じた適正な厚みのステンレス板を打ち抜いて作製されたものである。本実施形態では、共通インク室形成基板30の厚さは、0.2mmとしている。
【0043】
インク室側板40は、ステンレス基板からなり、一方の面で共通インク室31の一壁面を構成するものである。また、インク室側板40には、他方の面の一部にハーフエッチングにより凹部40aを形成することにより薄肉壁41が形成され、さらに、外部からのインク供給を受けるインク導入口42が打抜き形成されている。なお、薄肉壁41は、インク滴吐出の際に発生するノズル開口11と反対側へ向かう圧力を吸収するためのもので、他の圧力発生室12に、共通インク室31を経由して不要な正又は負の圧力が加わるのを防止する。本実施形態では、インク導入口42と外部のインク供給手段との接続時等に必要な剛性を考慮して、インク室側板40を0.2mmとし、その一部を厚さ0.02mmの薄肉壁41としているが、ハーフエッチングによる薄肉壁41の形成を省略するために、インク室側板40の厚さを初めから0.02mmとしてもよい。
【0044】
一方、流路形成基板10の開口面とは反対側の弾性膜50の上には、厚さが例えば、約0.5μmの下電極膜60と、厚さが例えば、約1μmの圧電体膜70と、厚さが例えば、約0.1μmの上電極膜80とが、後述するプロセスで積層形成されて、圧力発生室12に対向する領域に第1圧電振動子(圧電素子)300Aを構成し、またこの第1の圧電振動子300Aの幅方向両側に、幅方向の端部が圧力発生室12に臨むように第2の圧電振動子300Bを構成している。ここで、これら第1の圧電振動子300A及び第2の圧電振動子300Bは、下電極膜60、圧電体膜70、及び上電極膜80を含む部分をいう。一般的には、第1及び第2の圧電振動子300A及び300Bは、何れか一方の電極を共通電極とし、他方の電極及び圧電体膜70を各圧力発生室12毎にパターニングして構成される。そして、ここでは第1の圧電振動子300Aのパターニングされた何れか一方の電極及び圧電体膜70から構成され、両電極への電圧の印加により圧電歪みが生じる部分を第1の圧電体能動部320Aという。また、第2の圧電振動子300Bでは、圧力発生室12内に突出して圧電歪みを生じるところが第2の圧電体能動部320Bとなる。本実施形態では、下電極膜60を第1及び第2の圧電振動子300A,300Bの共通電極とし、上電極膜80を第1及び第2の圧電振動子300A,300Bの個別電極としているが、駆動回路や配線の都合でこれを逆にしても支障はない。何れの場合においても、各圧力発生室毎に圧電体能動部が形成されていることになる。なお、上述した例では、弾性膜50及び下電極膜60が振動板として作用するが、下電極膜が弾性膜を兼ねるようにしてもよい。
【0045】
ここで、シリコン単結晶基板からなる流路形成基板10上に、圧電体膜70等を形成するプロセスを図4を参照しながら説明する。
【0046】
図4(a)に示すように、まず、流路形成基板10となるシリコン単結晶基板のウェハを約1100℃の拡散炉で熱酸化して二酸化シリコンからなる弾性膜50を形成する。
【0047】
次に、図4(b)に示すように、スパッタリングで下電極膜60を形成する。下電極膜60の材料としては、Pt等が好適である。これは、スパッタリングやゾル−ゲル法で成膜する後述の圧電体膜70は、成膜後に大気雰囲気下又は酸素雰囲気下で600〜1000℃程度の温度で焼成して結晶化させる必要があるからである。すなわち、下電極膜60の材料は、このような高温、酸化雰囲気下で導電性を保持できなければならず、殊に、圧電体膜70としてPZTを用いた場合には、PbOの拡散による導電性の変化が少ないことが望ましく、これらの理由からPtが好適である。
【0048】
次に、図4(c)に示すように、圧電体膜70を成膜する。この圧電体膜70の成膜にはスパッタリングを用いることもできるが、本実施形態では、金属有機物を溶媒に溶解・分散したいわゆるゾルを塗布乾燥してゲル化し、さらに高温で焼成することで金属酸化物からなる圧電体膜70を得る、いわゆるゾル−ゲル法を用いている。圧電体膜70の材料としては、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)系の材料がインクジェット式記録ヘッドに使用する場合には好適である。
【0049】
次に、図4(d)に示すように、上電極膜80を成膜する。上電極膜80は、導電性の高い材料であればよく、Al、Au、Ni、Pt等の多くの金属や、導電性酸化物等を使用できる。本実施形態では、Ptをスパッタリングにより成膜している。
【0050】
次に、図5に示すように、下電極膜60、圧電体膜70及び上電極膜80をパターニングする。
【0051】
まず、図5(a)に示すように、下電極膜60、圧電体膜70及び上電極膜80を一緒にエッチングして下電極膜60の全体パターンをパターニングする。次いで、図5(b)に示すように、圧電体膜70及び上電極膜80のみをエッチングして、第1の圧電振動子300Aと、幅方向両端部が第2の圧電振動子300Bとなる中間セグメント310のパターニングを行う。
【0052】
以上説明したように、下電極膜60の全体のパターンを形成後、第1及び第2の圧電振動子300A,300Bをパターニングすることによりパターニングが完了する。
【0053】
以上のように、下電極膜60等をパターニングした後には、好ましくは、各上電極膜80の上面の少なくとも周縁、及び圧電体膜70および下電極膜60の側面を覆うように電気絶縁性を備えた絶縁体層90を形成する(図1参照)。
【0054】
そして、絶縁体層90の各第1の圧電振動子300A及び中間セグメント310の一端部に対応する部分の上面を覆う部分の一部には後述するリード電極100と接続するために上電極膜80の一部を露出させるコンタクトホール90a,90bが形成されている。そして、このコンタクトホール90a,90bを介して各上電極膜80に一端が接続し、また他端が接続端子部に延びるリード電極100が形成されている。リード電極100は、駆動信号を上電極膜80に確実に供給できる程度に可及的に狭い幅となるように形成されている。
【0055】
このような絶縁体層の形成プロセスを図6に示す。
【0056】
まず、図6(a)に示すように、上電極膜80の周縁部、圧電体膜70および下電極膜60の側面を覆うように絶縁体層90を形成する。この絶縁体層90の材料は、本実施形態ではネガ型の感光性ポリイミドを用いている。
【0057】
次に、図6(b)に示すように、絶縁体層90をパターニングすることにより、第1の圧電振動子300Aの各圧力発生室12のインク供給側の端部近傍に対応する部分にコンタクトホール90aを形成し、図示しないが、コンタクトホール90aとは逆方向の中間セグメント310の端部にコンタクトホール90bを形成する。このコンタクトホール90a及び90bは、リード電極100と上電極膜80との接続をするためのものである。
【0058】
なお、コンタクトホール90a,90bは、第1の圧電振動子300Aと中間セグメント310とに同一の長手方向端部に形成してもよいが、配線の都合上、本実施形態のように、逆方向の端部に形成することが好ましい。
【0059】
以上が膜形成プロセスである。このようにして膜形成を行った後、図6(c)に示すように、前述したアルカリ溶液によるシリコン単結晶基板の異方性エッチングを行い、圧力発生室12等を形成する。なお、以上説明した一連の膜形成及び異方性エッチングは、一枚のウェハ上に多数のチップを同時に形成し、プロセス終了後、図1に示すような一つのチップサイズの流路形成基板10毎に分割する。また、分割した流路形成基板10を、封止板20、共通インク室形成基板30、及びインク室側板40と順次接着して一体化し、インクジェット式記録ヘッドとする。
【0060】
このように構成したインクジェットヘッドは、図示しない外部インク供給手段と接続したインク導入口42からインクを取り込み、共通インク室31からノズル開口11に至るまで内部をインクで満たした後、図示しない外部の駆動回路からの記録信号に従い、リード電極100を介して下電極膜60と上電極膜80との間に電圧を印加し、弾性膜50、下電極膜60及び圧電体膜70をたわみ変形させることにより、圧力発生室12内の圧力が高まりノズル開口11からインク滴が吐出する。
【0061】
このような本実施形態のインクジェット式記録ヘッドの要部を示す平面図及び断面図を図7に示す。
【0062】
図7(a)及び(b)に示すように、本実施形態では、第1の圧電振動子300Aを構成する圧電体膜70及び上電極膜80の各圧力発生室12に対向する領域の部分が第1の圧電体能動部320Aを構成している。また、中間セグメント310の両端の部分は、第2の圧電振動子300Bとなり、その圧電体膜70及び上電極膜80が圧力発生室12に対向する部分が、第2の圧電体能動部320Bを構成している。第2の圧電体能動部320Bは、本実施形態では、隣接する圧力発生室12間に設けられた中間セグメント310の両端に設けられているので、第2の圧電体能動部320Bを駆動する場合には、全体を一緒に駆動することになる。
【0063】
ここで、このような本実施形態のインクジェット式記録ヘッドの駆動について説明する。図8は、本実施形態の駆動による振動板の変形を示す図であり、図9は、圧電振動子への電圧の印加時期を示すグラフである。
【0064】
図8及び図9示すように、第1及び第2の圧電体能動部320A,320Bに電圧を印加していない状態では、膜の内部応力の影響により、振動板は下に凸に変形している(図8(a))。そして、このように振動板が下に変形した状態で、まず第2の圧電振動子300Bに所定のパルス電圧Vbを印加する。これにより、第2の圧電体能動部320Bが変形され、振動板は引張方向の力fを受けて引き上げられ、圧力発生室12とは反対側に変形する(図8(b))。次いで、第2の圧電振動子300Bへのパルス電圧Vbの印加が解除されると同時に、第1の圧電振動子300Aに、パルス電圧Vaを印加する。これにより、第1の圧電体能動部320Aが変形し、これと共に振動板が下に凸に変形して、圧力発生室12内のインクがノズル開口から吐出される(図8(c))。その後は、上述同様に、第2の圧電振動子300Bへのパルス電圧Vbの印加と、第1の圧電振動子へのパルス電圧Vaの印加とを繰り返すことにより、印刷が実行される。なお、本実施形態では、第1の圧電体能動部320Aが駆動されない圧力発生室においても、常に第2の圧電体能動部320Bが駆動されることになるが、第2の圧電体能動部320Bのみの駆動によってはインクが吐出されないように設定されている。
【0065】
このように、本実施形態では、第2の圧電体能動部320Bを駆動させることにより振動板を一旦インクの吐出とは反対の方向に引き上げた後、第1の圧電体能動部320Aを駆動させることによりインクを吐出させる。したがって、振動板の変位量が向上し、排除体積が増大する。
【0066】
なお、本実施形態では、第2の圧電体能動部320Bに印加した電圧を解除した後に、第1の圧電体能動部320Aに電圧を印加してインクを吐出しているが、これに限定されず、例えば、第2の圧電体能動部320Bに電圧を印加したまま、第1の圧電体能動部320Aに電圧を印加してインクを吐出するようにしてもよい。このように、第2の圧電体能動部320Bに電圧を印加した状態では、図8(b)のように、振動板が上に押し上げられるため、第1の圧電体能動部320Aには引張り応力がかかる。この応力により、第1の圧電体能動部320Aの圧電特性が向上され、第1の圧電振動子320Aの駆動による振動板の変位量が増大し、第1の圧電体能動部320Aのみの駆動よりも、排除体積が向上する。
【0067】
また、本実施形態では、勿論、第1の圧電体能動部320Aを単独で駆動することによってもインクを吐出することができる。
【0068】
したがって、このような本実施形態のインクジェット式記録ヘッドを用いることにより、複数種類の異なる径のインク滴を吐出することができる。すなわち、上述した第2の圧電体能動部320Bと第1の圧電体能動部320Aとの駆動を組み合わせて排除体積を増加させた場合、インク径の大きなインク滴を吐出するように設定できるので、第1の圧電体能動部320Aのみの駆動により、比較的小さなインク滴を吐出できるようにすれば、2種類の径の異なるインク滴を打ち分けることができる。したがって、上述したように、第1の圧電体能動部320Aと第2の圧電体能動部320Bとの組み合わせ方を変えることにより、異なるインク径のインク滴を打ち分けるようにすれば、3種類のインク滴を吐出することができる。これらの方法によれば、圧電体能動部に印加する電圧及び駆動波形等の条件が同一でも、吐出方法を変更するだけで振動板の変形量が変えることができ、径の異なるインク滴を容易に吐出させることができる。
【0069】
以上のように、本実施形態では、圧力発生室12毎に第1の圧電振動子300Aの幅方向両側に設けた第2の圧電体能動部320Bを駆動させることにより、振動板を圧力発生室12とは反対方向に引き上げることができる。したがって、第1の圧電体能動部320Aの駆動による振動板の変形量を増加させることができ、十分な排除体積を得ることができる。また、これらの圧電体能動部の駆動方法を変更するだけで、駆動電圧及び駆動波形等の条件を変えることなく、容易に複数種類の異なる径のインク滴を吐出することもでき、状況に応じた印刷を実行することができる。
【0070】
なお、本実施形態では、第1の圧電振動子300Aを圧力発生室12に対向する領域のみに設け、また、中間セグメント310も長手方向において、第1の圧電振動子300Aと略同一の長さで設けるようにしたが、これに限定されず、例えば、図10(a)に示すように、それぞれ、長手方向一端部を周壁に対向する領域に延設するようにしてもよい。このとき、第1の圧電振動子300Aと中間セグメント310とは、それぞれ逆方向に延設されることが好ましい。これにより、第1の圧電振動子300A及び中間セグメント310への配線を容易に形成することができる。
【0071】
また、上述のように、中間セグメント310は、第1の圧電振動子300Aが周壁上へ延設される端部近傍以外で、圧力発生室12の幅方向両側から圧力発生室12に臨むように形成されているが、中間セグメント310を第1の圧電振動子300Aが延設される端部まで延ばしてもよく、さらには、例えば、図10(b)に示すように、中間セグメント310は、圧力発生室12の第1の圧電振動子300Aが引き出される側の端部を除く三方向から圧力発生室12に臨むように形成されていていもよい。また、例えば、図10(c)に示すように、中間セグメント310は、第1の圧電振動子300Aの周り全てから圧力発生室12に臨むように形成されていてもよい。これらの何れの構造によっても、上述同様の効果を得ることができる。
【0072】
(実施形態2)
図11は、実施形態2に係るインクジェット式記録ヘッドの要部を示す平面図及び断面図である。
【0073】
本実施形態は、第2の圧電振動子300Bを各圧力発生室毎12に駆動することができるようにした例である。
【0074】
図11に示すように、本実施形態では、中間セグメント310を構成する上電極膜80及び圧電体膜70を圧力発生室12の幅方向の周壁上に対向する領域でパターニングして、各圧力発生室12毎に第2の圧電振動子300Bを独立して形成するようにした。そして、第2の圧電振動子300Bの長手方向一端部近傍には、それぞれ、コンタクトホール90bを介して上電極膜80とリード電極100とが接続され、各圧力発生室12毎に第2の圧電体能動部320Bをそれぞれ独立して駆動させることができる。
【0075】
したがって、実施形態1と同様に、第1の圧電体能動部320Aの駆動及び第2の圧電体能動部320Bの駆動とを組み合わせて、排除体積を大きくすることができる。また、このような構成では、インク吐出を行う圧力発生室12に対応する第2の圧電振動子300Bのみを駆動すればよいため、無駄な駆動を防止することができる。
【0076】
また、この第2の圧電振動子320Bのみの駆動では、インクが吐出しないように設定することもできるが、本実施形態によれば、例えば、圧電体膜70をより圧電特性の優れた材料で形成したり、第2の圧電体能動部320Bの幅等を変更することによって、第2の圧電体能動部320の駆動のみでインクを吐出することもできる。ここで、第2の圧電体能動部320Bのみの駆動によるインク吐出とは、実施形態1で述べたように、電圧を印加することにより振動板を圧力発生室12とは反対方向に引き上げ、その後、電圧を解除して振動板が元に戻ることによりインクを吐出させるものである。この場合には、複数種類の異なる径のインク滴を打ち分けることができる。以下に、その方法を示す。
【0077】
このような実施形態2のインクジェット式記録ヘッドを用いた場合、まず第1に、第1の圧電体能動部320Aのみの駆動によるインク吐出、第2に、第2の圧電体能動部320Bのみの駆動によるインク吐出、第3に、第2の圧電体能動部320Bの駆動及び第1の圧電体能動部320Aの駆動の組み合わせによるインク吐出が可能である。また、第1の圧電体能動部320Aと第2の圧電体能動部320Bとの駆動の組み合わせを、上述したように2種類とすることもできる。したがって、このようなインク吐出方法では、印加電圧及び駆動波形等が同じとしても、それぞれ振動板の変形量が異なるため、3種類又は4種類のインク径の異なるインク滴を吐出することができる。
【0078】
したがって、状況に応じて、何れかのインク吐出方法に変更するだけで、常にその状況に応じた大きさのインク滴を容易に吐出することができる。また、本実施形態では、各圧力発生室12毎に第2の圧電振動子300Bを独立して設けているので、所望の位置の圧力発生室12に対応する第2の圧電体能動部320Bのみを駆動させることができる。
【0079】
(他の実施形態)
以上、本発明の各実施形態を説明したが、インクジェット式記録ヘッドの基本的構成は上述したものに限定されるものではない。
【0080】
例えば、上述の各実施形態では、第1の圧電振動子300Aと第2の圧電振動子300Bとの対向面を平面で形成するようにしたが、これに限定されず、例えば、図12に示すように、両者の対向面321A,321Bを波状に形成してもよく、あるいは、凹凸形状としてもよい。何れにしても、第2の圧電振動子300Bが、圧力発生室12の周壁に対向する領域から圧力発生室12に対向する領域に臨むように形成されていればよい。
【0081】
また、例えば、上述した封止板20の他、共通インク室形成板30をガラスセラミックス製としてもよく、さらには、薄肉膜41を別部材としてガラスセラミックス製としてもよく、材料、構造等の変更は自由である。
【0082】
また、上述した実施形態では、ノズル開口を流路形成基板10の端面に形成しているが、面に垂直な方向に突出するノズル開口を形成してもよい。
【0083】
このように構成した実施形態の分解斜視図を図13、その流路の断面を図14にぞれぞれ示す。この実施形態では、ノズル開口11が圧電振動子とは反対のノズル基板120に穿設され、これらノズル開口11と圧力発生室12とを連通するノズル連通口22が、封止板20,共通インク室形成板30及び薄肉板41A及びインク室側板40Aを貫通するように配されている。
【0084】
なお、本実施形態は、その他、薄肉板41Aとインク室側板40Aとを別部材とし、インク室側板40に開口40bを形成した以外は、基本的に上述した実施形態と同様であり、同一部材には同一符号を付して重複する説明は省略する。
【0085】
ここで、この実施形態においても、上述した実施形態と同様に、第1の圧電振動子の幅方向両側に第2の圧電振動子を設けることにより、排除体積を向上することができる。
【0086】
また、勿論、共通インク室を流路形成基板内に形成したタイプのインクジェット式記録ヘッドにも同様に応用できる。
【0087】
また、以上説明した各実施形態は、成膜及びリソグラフィプロセスを応用することにより製造できる薄膜型のインクジェット式記録ヘッドを例にしたが、勿論これに限定されるものではなく、例えば、基板を積層して圧力発生室を形成するもの、あるいはグリーンシートを貼付もしくはスクリーン印刷等により圧電体膜を形成するもの、又は結晶成長により圧電体膜を形成するもの等、各種の構造のインクジェット式記録ヘッドに本発明を採用することができる。
【0088】
また、圧電振動子とリード電極との間に絶縁体層を設けた例を説明したが、これに限定されず、例えば、絶縁体層を設けないで、各上電極に異方性導電膜を熱溶着し、この異方性導電膜をリード電極と接続したり、その他、ワイヤボンディング等の各種ボンディング技術を用いて接続したりする構成としてもよい。
【0089】
このように、本発明は、その趣旨に反しない限り、種々の構造のインクジェット式記録ヘッドに応用することができる。
【0090】
また、これら各実施形態のインクジェット式記録ヘッドは、インクカートリッジ等と連通するインク流路を具備する記録ヘッドユニットの一部を構成して、インクジェット式記録装置に搭載される。図15は、そのインクジェット式記録装置の一例を示す概略図である。
【0091】
図15に示すように、インクジェット式記録ヘッドを有する記録ヘッドユニット1A及び1Bは、インク供給手段を構成するカートリッジ2A及び2Bが着脱可能に設けられ、この記録ヘッドユニット1A及び1Bを搭載したキャリッジ3は、装置本体4に取り付けられたキャリッジ軸5に軸方向移動自在に設けられている。この記録ヘッドユニット1A及び1Bは、例えば、それぞれブラックインク組成物及びカラーインク組成物を吐出するものとしている。
【0092】
そして、駆動モータ6の駆動力が図示しない複数の歯車およびタイミングベルト7を介してキャリッジ3に伝達されることで、記録ヘッドユニット1A及び1Bを搭載したキャリッジ3はキャリッジ軸5に沿って移動される。一方、装置本体4にはキャリッジ軸5に沿ってプラテン8が設けられており、図示しない給紙ローラなどにより給紙された紙等の記録媒体である記録シートSがプラテン8に巻き掛けられて搬送されるようになっている。
【0093】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、第1の圧電振動子と、その幅方向両側に形成された第2の圧電振動子との駆動により、一旦、振動板を引き上げてから、振動板を下に凸に変形させてインクを吐出することができる。したがって、振動板の変形量を増加し、排除体積を増加させることができる。また、これら、第1及び第2の圧電振動子の駆動を組み合わせることにより、振動板の変形量を変化させることができ、径の異なるインク滴を容易に吐出することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態1に係るインクジェット式記録ヘッドの分解斜視図である。
【図2】 本発明の実施形態1に係るインクジェット式記録ヘッドを示す図であり、図1の平面図及び断面図である。
【図3】 図1の封止板の変形例を示す図である。
【図4】 本発明の実施形態1の薄膜製造工程を示す図である。
【図5】 本発明の実施形態1の薄膜製造工程を示す図である。
【図6】 本発明の実施形態1の薄膜製造工程を示す図である。
【図7】 本発明の実施形態1に係るインクジェット式記録ヘッドの要部を示す平面図及び断面図である。
【図8】 本発明の振動板の変形を示す図である。
【図9】 本発明の圧電体能動部への電圧印加のタイミングを示すグラフである。
【図10】 本発明の実施形態1に係るインクジェット式記録ヘッドの変形例を示す平面図である。
【図11】 本発明の実施形態2に係るインクジェット式記録ヘッドの要部を示す平面図及び断面図である。
【図12】 本発明の他の実施形態に係るインクジェット式記録ヘッドの要部を示す平面図である。
【図13】 本発明の他の実施形態に係るインクジェット式記録ヘッドの分解斜視図である。
【図14】 本発明の他の実施形態に係るインクジェット式記録ヘッドを示す断面図である。
【図15】 本発明の一実施形態に係るインクジェット式記録装置の概略図である。
【符号の説明】
10 流路形成基板
11 ノズル開口
12 圧力発生室
50 弾性膜
60 下電極膜
61 凹部
70 圧電体膜
80 上電極膜
90 絶縁体層
100 リード電極
300A 第1の圧電振動子
300B 第2の圧電振動子
310 中間セグメント
320A 第1の圧電体能動部
320B 第2の圧電体能動部

Claims (11)

  1. ノズル開口に連通する圧力発生室の一部を構成する振動板と、該振動板上に設けられた圧電振動子とを具備したインクジェット式記録ヘッドにおいて、
    下電極と圧電体層と上電極とからなり、前記圧力発生室に対向する領域に形成されて前記圧力発生室内のインクを前記ノズル開口から吐出させるための第1の圧電振動子と、該第1の圧電振動子が形成された領域外の前記振動板上に形成されて、当該第1の圧電振動子とは独立して駆動して前記振動板が変形している間に前記第1の圧電振動子を駆動させることで前記振動板の変形の変形量を変えることができる第2の圧電振動子とを設けたことを特徴とするインクジェット式記録ヘッド。
  2. 請求項1において、前記第2の圧電振動子は、前記圧力発生室の隔壁上に存在する部位と、隔壁側から圧力発生室側に延設された能動部とを有することを特徴とするインクジェット式記録ヘッド。
  3. 請求項2において、前記第2の圧電振動子の前記能動部が圧電体層に連続して両端部に設けられていることを特徴とするインクジェット式記録ヘッド。
  4. 請求項2において、前記第2の圧電振動子の少なくとも前記能動部が独立して設けられ、前記圧力発生室毎に独立して駆動可能であることを特徴とするインクジェット式記録ヘッド。
  5. 請求項1〜4の何れかにおいて、前記第2の圧電振動子に電圧を印加した後当該電圧を解除する駆動では前記ノズル開口からインクを吐出しないことを特徴とするインクジェット式記録ヘッド。
  6. 請求項4において、前記第2の圧電振動子に電圧を印加した後当該電圧を解除する駆動により前記ノズル開口からインクを吐出することを特徴とするインクジェット式記録ヘッド。
  7. 請求項1〜6の何れかにおいて、前記第1の圧電振動子と前記第2の圧電振動子のそれぞれを構成する少なくとも前記圧電体層は、前記圧電振動子の長手方向の一端部から前記圧力発生室に対向する領域外まで延設されていることを特徴とするインクジェット式記録ヘッド。
  8. 請求項7において、前記第1の圧電振動子の延設方向と、前記第2の圧電振動子の延設方向とが逆方向であることを特徴とするインクジェット式記録ヘッド。
  9. 請求項7又は8において、前記圧力発生室に対向する領域外まで延設された前記圧電体層上には前記上電極が延設されていることを特徴とするインクジェット
    式記録ヘッド。
  10. 請求項1〜9の何れかにおいて、前記第1及び第2の圧電振動子の上面にはリード電極と前記上電極との接続を行うコンタクト部を有することを特徴とするインクジェット式記録ヘッド。
  11. 請求項10において、前記第1及び第2の圧電振動子の上面には絶縁体層が形成され、前記リード電極と前記上電極との接続を行う前記コンタクト部は、前記絶縁体層に形成されたコンタクトホール内に形成されていることを特徴とするインクジェット式記録ヘッド。
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