JP2000006396A - インクジェット式記録ヘッド及びその駆動方法並びにインクジェット式記録装置 - Google Patents
インクジェット式記録ヘッド及びその駆動方法並びにインクジェット式記録装置Info
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Abstract
効率を向上したインクジェット式記録ヘッド及びその駆
動方法並びにインクジェット式記録装置を提供する。 【解決手段】 ノズル開口に連通する圧力発生室12の
一部を構成する弾性膜50と、該弾性膜50上に設けら
れた下電極60と、この下電極60上に形成された圧電
体層70と、該圧電体層70の表面に形成された上電極
80とを有する圧電振動子を具備したインクジェット式
記録ヘッドにおいて、前記下電極60と前記圧電体層7
0と前記上電極80とからなり且つ前記下電極60及び
前記上電極80の何れか一方が前記圧力発生室12に対
向する領域にパターニングされた第1の圧電振動子30
0Aと、この第1の圧電振動子300Aの幅方向両側に
設けられ且つその当該第1の圧電振動子300A側の端
部が前記圧力発生室12に対向する領域に臨む一対の第
2の圧電振動子300Bとを設けたことにより、圧電体
層の変位量が増加する。
Description
るノズル開口と連通する圧力発生室の一部を弾性膜で構
成し、この弾性膜の表面に圧電体層を形成して、圧電体
層の変位によりインク滴を吐出させるインクジェット式
記録ヘッド及びその駆動方法並びにインクジェット式記
録装置に関する。
る圧力発生室の一部を弾性膜で構成し、この弾性膜を圧
電振動子により変形させて圧力発生室のインクを加圧し
てノズル開口からインク滴を吐出させるインクジェット
式記録ヘッドには、圧電振動子の軸方向に伸長、収縮す
る縦振動モードの圧電振動子を使用したものと、たわみ
振動モードの圧電振動子を使用したものの2種類が実用
化されている。
せることにより圧力発生室の容積を変化させることがで
きて、高密度印刷に適したヘッドの製作が可能である反
面、圧電振動子をノズル開口の配列ピッチに一致させて
櫛歯状に切り分けるという困難な工程や、切り分けられ
た圧電振動子を圧力発生室に位置決めして固定する作業
が必要となり、製造工程が複雑であるという問題があ
る。
シートを圧力発生室の形状に合わせて貼付し、これを焼
成するという比較的簡単な工程で弾性膜に圧電振動子を
作り付けることができるものの、たわみ振動を利用する
関係上、ある程度の面積が必要となり、高密度配列が困
難であるという問題がある。
べく、特開平5−286131号公報に見られるよう
に、弾性膜の表面全体に亙って成膜技術により均一な圧
電材料層を形成し、この圧電材料層をリソグラフィ法に
より圧力発生室に対応する形状に切り分けて各圧力発生
室毎に独立するように圧電振動子を形成したものが提案
されている。
る作業が不要となって、リソグラフィ法という精密で、
かつ簡便な手法で圧電振動子を作り付けることができる
ばかりでなく、圧電振動子の厚みを薄くできて高速駆動
が可能になるという利点がある。なお、この場合、圧電
材料層は弾性膜の表面全体に設けたままで少なくとも上
電極のみを各圧力発生室毎に設けることにより、各圧力
発生室に対応する圧電振動子を駆動することができる。
た薄膜技術およびリソグラフィ法による製造方法では、
圧電振動子の駆動の際、弾性膜の変形量が小さく、十分
な排除体積が得られないという問題がある。
の変位量を増加させ、弾性膜の変位効率を向上したイン
クジェット式記録ヘッド及びその駆動方法並びにインク
ジェット式記録装置を提供することを課題とする。
明の第1の態様は、ノズル開口に連通する圧力発生室の
一部を構成する弾性膜と、該弾性膜上に設けられた下電
極と、この下電極上に形成された圧電体層と、該圧電体
層の表面に形成された上電極とを有する圧電振動子を具
備したインクジェット式記録ヘッドにおいて、前記下電
極と前記圧電体層と前記上電極とからなり且つ前記下電
極及び前記上電極の何れか一方が前記圧力発生室に対向
する領域にパターニングされた第1の圧電振動子と、こ
の第1の圧電振動子の幅方向両側に設けられ且つその当
該第1の圧電振動子側の端部が前記圧力発生室に対向す
る領域に臨む一対の第2の圧電振動子とを設けたことを
特徴とするインクジェット式記録ヘッドにある。
動子を用いることにより、圧力発生室に対向する領域の
弾性膜を両側から引っ張り上げることができ、その後、
第1の圧電振動子を駆動することにより、排除体積を向
上することができる。
て、隣接する前記圧力発生室に設けられた前記第2の圧
電振動子が連続した層の両端に設けられていることを特
徴とするインクジェット式記録ヘッドにある。
を隣接する圧力発生室で共用し、引張り力を大きくする
ことができる。
て、隣接する前記圧力発生室に設けられた前記第2の圧
電振動子が独立して設けられていることを特徴とするイ
ンクジェット式記録ヘッドにある。
を圧力発生室毎に独立して駆動することもでき、無駄な
駆動を防ぐことができる。
て、前記第2の圧電振動子は、前記圧力発生室毎に独立
して駆動可能であることを特徴とするインクジェット式
記録ヘッドにある。
を圧力発生室毎に独立して駆動することができ、無駄な
駆動を防止できる。
の態様において、前記第2の圧電振動子に電圧を印加し
た後当該電圧を解除する駆動では前記ノズル開口からイ
ンクを吐出しないことを特徴とするインクジェット式記
録ヘッドにある。
を全体として駆動しても、不必要な吐出を防止できる。
て、前記第2の圧電振動子に電圧を印加した後当該電圧
を解除する駆動により前記ノズル開口からインクを吐出
することを特徴とするインクジェット式記録ヘッドにあ
る。
との組み合わせによって、排除体積の調整が可能にな
る。
の態様において、前記第1の圧電振動子と前記第2の圧
電振動子のそれぞれを構成する少なくとも前記圧電体層
は、前記圧電振動子の長手方向の一端部から前記圧力発
生室に対向する領域外まで延設されていることを特徴と
するインクジェット式記録ヘッドにある。
に対向する領域に、圧電体層と外部配線との接続部を形
成できる。
いて、前記第1の圧電振動子の延設方向と、前記第2の
圧電振動子の延設方向とが逆方向であることを特徴とす
るインクジェット式記録ヘッドにある。
電振動子の配線を容易に行うことができる。
において、前記圧力発生室に対向する領域外まで延設さ
れた前記圧電体層上には前記上電極が延設されているこ
とを特徴とするインクジェット式記録ヘッドにある。
と外部配線とを容易に接続できる。
かの態様において、前記圧電振動子の上面にはリード電
極と前記上電極との接続を行うコンタクト部を有するこ
とを特徴とするインクジェット式記録ヘッドにある。
電圧の印加はコンタクト部を介して行われる。
振動子の上面には絶縁体層が形成され、前記リード電極
と前記上電極との接続を行う前記コンタクト部は、前記
絶縁体層に形成されたコンタクトホール内に形成されて
いることを特徴とするインクジェット式記録ヘッドにあ
る。
電圧の印加は絶縁体層に形成されたコンタクト部を介し
て行われる。
れかの態様において、前記圧力発生室がセラミックス製
の基板に形成され、前記圧電振動子の各層がグリーンシ
ート貼付又は印刷により形成されていることを特徴とす
るインクジェット式記録ヘッドにある。
のヘッドを容易に製造することができる。
れかの態様において、前記圧力発生室がシリコン単結晶
基板に異方性エッチングにより形成され、前記圧電振動
子の各層が成膜及びリソグラフィ法により形成されたも
のであることを特徴とするインクジェット式記録ヘッド
にある。
開口を有するインクジェット式記録ヘッドを大量に且つ
比較的容易に製造することができる。
れかの態様のインクジェット式記録ヘッドを具備するこ
とを特徴とするインクジェット式記録装置にある。
率が向上され、インク吐出を良好に行うことができるイ
ンクジェット式記録装置を実現することができる。
通する圧力発生室の一部を構成する弾性膜と、該弾性膜
上に設けられた下電極と、この下電極上に形成された圧
電体層と、該圧電体層の表面に形成された上電極とを有
し、前記下電極と前記圧電体層と前記上電極とからなり
且つ前記下電極及び前記上電極の何れか一方が前記圧力
発生室に対向する領域にパターニングされた第1の圧電
振動子と、この第1の圧電振動子の幅方向両側に設けら
れ且つその当該第1の圧電振動子側の端部が前記圧力発
生室に対向する領域に臨む一対の第2の圧電振動子とを
設けたインクジェット式記録ヘッドの駆動方法であっ
て、前記第2の圧電振動子に電圧を印加し、その後、前
記第2の圧電振動子に印加した電圧を解除すると共に、
前記第1の圧電振動子に電圧を印加することにより、前
記圧力発生室内のインクに圧力を付与してインクを吐出
する工程を具備することを特徴とするインクジェット式
記録ヘッドの駆動方法にある。
子のたわみ変形により圧力発生室に対応する弾性膜を引
っ張り上げてインク吐出方向とは反対方向に変形させた
後、第1の圧電振動子によりインク吐出方向に変形する
ことにより、排除体積を向上することができ、比較的大
きなインク滴を吐出できる。
する圧力発生室の一部を構成する弾性膜と、該弾性膜上
に設けられた下電極と、この下電極上に形成された圧電
体層と、該圧電体層の表面に形成された上電極とを有
し、前記下電極と前記圧電体層と前記上電極とからなり
且つ前記下電極及び前記上電極の何れか一方が前記圧力
発生室に対向する領域にパターニングされた第1の圧電
振動子と、この第1の圧電振動子の幅方向両側に設けら
れ且つその当該第1の圧電振動子側の端部が前記圧力発
生室に対向する領域に臨む一対の第2の圧電振動子とを
設けたインクジェット式記録ヘッドの駆動方法であっ
て、前記第2の圧電振動子のみを駆動することにより前
記圧力発生室内のインクに圧力を付与してインクを吐出
する工程を具備することを特徴とするインクジェット式
記録ヘッドの駆動方法にある。
動子のみを駆動することにより、比較的微小なインク滴
を吐出することができる。
通する圧力発生室の一部を構成する弾性膜と、該弾性膜
上に設けられた下電極と、この下電極上に形成された圧
電体層と、該圧電体層の表面に形成された上電極とを有
し、前記下電極と前記圧電体層と前記上電極とからなり
且つ前記下電極及び前記上電極の何れか一方が前記圧力
発生室に対向する領域にパターニングされた第1の圧電
振動子と、この第1の圧電振動子の幅方向両側に設けら
れ且つその当該第1の圧電振動子側の端部が前記圧力発
生室に対向する領域に臨む一対の第2の圧電振動子とを
設けたインクジェット式記録ヘッドの駆動方法であっ
て、前記第1の圧電振動子のみを駆動することにより前
記圧力発生室内のインクに圧力を付与してインクを吐出
する工程を具備することを特徴とするインクジェット式
記録ヘッドの駆動方法にある。
子のみを駆動することにより、中程度のインク滴を吐出
できる。
通する圧力発生室の一部を構成する弾性膜と、該弾性膜
上に設けられた下電極と、この下電極上に形成された圧
電体層と、該圧電体層の表面に形成された上電極とを有
し、前記下電極と前記圧電体層と前記上電極とからなり
且つ前記下電極及び前記上電極の何れか一方が前記圧力
発生室に対向する領域にパターニングされた第1の圧電
振動子と、この第1の圧電振動子の幅方向両側に設けら
れ且つその当該第1の圧電振動子側の端部が前記圧力発
生室に対向する領域に臨む一対の第2の圧電振動子とを
設けたインクジェット式記録ヘッドの駆動方法であっ
て、前記第2の圧電振動子に電圧を印加したまま、前記
第1の圧電振動子を駆動することにより前記圧力発生室
内のインクに圧力を付与してインクを吐出する工程を具
備することを特徴とするインクジェット式記録ヘッドの
駆動方法にある。
子に電圧を印加することにより、第1の圧電振動子に引
張り応力がかかり、その圧電特性が向上し、変位量が増
大する。
て詳細に説明する。
1に係るインクジェット式記録ヘッドを示す分解斜視図
であり、図2は、平面図及びその1つの圧力発生室の長
手方向における断面構造を示す図である。
実施形態では面方位(110)のシリコン単結晶基板か
らなる。流路形成基板10としては、通常、150〜3
00μm程度の厚さのものが用いられ、望ましくは18
0〜280μm程度、より望ましくは220μm程度の
厚さのものが好適である。これは、隣接する圧力発生室
間の隔壁の剛性を保ちつつ、配列密度を高くできるから
である。
り、他方の面には予め熱酸化により形成した二酸化シリ
コンからなる、厚さ0.1〜2μmの弾性膜50が形成
されている。
リコン単結晶基板を異方性エッチングすることにより、
ノズル開口11、圧力発生室12が形成されている。
結晶基板をKOH等のアルカリ溶液に浸漬すると、徐々
に侵食されて(110)面に垂直な第1の(111)面
と、この第1の(111)面と約70度の角度をなし且
つ上記(110)面と約35度の角度をなす第2の(1
11)面とが出現し、(110)面のエッチングレート
と比較して(111)面のエッチングレートが約1/1
80であるという性質を利用して行われるものである。
かかる異方性エッチングにより、二つの第1の(11
1)面と斜めの二つの第2の(111)面とで形成され
る平行四辺形状の深さ加工を基本として精密加工を行う
ことができ、圧力発生室12を高密度に配列することが
できる。
を第1の(111)面で、短辺を第2の(111)面で
形成している。この圧力発生室12は、流路形成基板1
0をほぼ貫通して弾性膜50に達するまでエッチングす
ることにより形成されている。なお、弾性膜50は、シ
リコン単結晶基板をエッチングするアルカリ溶液に侵さ
れる量がきわめて小さい。
各ノズル開口11は、圧力発生室12より幅狭で且つ浅
く形成されている。すなわち、ノズル開口11は、シリ
コン単結晶基板を厚さ方向に途中までエッチング(ハー
フエッチング)することにより形成されている。なお、
ハーフエッチングは、エッチング時間の調整により行わ
れる。
る圧力発生室12の大きさと、インク滴を吐出するノズ
ル開口11の大きさとは、吐出するインク滴の量、吐出
スピード、吐出周波数に応じて最適化される。例えば、
1インチ当たり360個のインク滴を記録する場合、ノ
ズル開口11は数十μmの溝幅で精度よく形成する必要
がある。
ンク室31とは、後述する封止板20の各圧力発生室1
2の一端部に対応する位置にそれぞれ形成されたインク
供給連通口21を介して連通されており、インクはこの
インク供給連通口21を介して共通インク室31から供
給され、各圧力発生室12に分配される。
対応したインク供給連通口21が穿設された、厚さが例
えば、0.1〜1mmで、線膨張係数が300℃以下
で、例えば2.5〜4.5[×10-6/℃]であるガラ
スセラミックスからなる。なお、インク供給連通口21
は、図3(a),(b)に示すように、各圧力発生室1
2のインク供給側端部の近傍を横断する一つのスリット
孔21Aでも、あるいは複数のスリット孔21Bであっ
てもよい。封止板20は、一方の面で流路形成基板10
の一面を全面的に覆い、シリコン単結晶基板を衝撃や外
力から保護する補強板の役目も果たす。また、封止板2
0は、他面で共通インク室31の一壁面を構成する。
室31の周壁を形成するものであり、ノズル開口数、イ
ンク滴吐出周波数に応じた適正な厚みのステンレス板を
打ち抜いて作製されたものである。本実施形態では、共
通インク室形成基板30の厚さは、0.2mmとしてい
る。
なり、一方の面で共通インク室31の一壁面を構成する
ものである。また、インク室側板40には、他方の面の
一部にハーフエッチングにより凹部40aを形成するこ
とにより薄肉壁41が形成され、さらに、外部からのイ
ンク供給を受けるインク導入口42が打抜き形成されて
いる。なお、薄肉壁41は、インク滴吐出の際に発生す
るノズル開口11と反対側へ向かう圧力を吸収するため
のもので、他の圧力発生室12に、共通インク室31を
経由して不要な正又は負の圧力が加わるのを防止する。
本実施形態では、インク導入口42と外部のインク供給
手段との接続時等に必要な剛性を考慮して、インク室側
板40を0.2mmとし、その一部を厚さ0.02mm
の薄肉壁41としているが、ハーフエッチングによる薄
肉壁41の形成を省略するために、インク室側板40の
厚さを初めから0.02mmとしてもよい。
側の弾性膜50の上には、厚さが例えば、約0.5μm
の下電極膜60と、厚さが例えば、約1μmの圧電体膜
70と、厚さが例えば、約0.1μmの上電極膜80と
が、後述するプロセスで積層形成されて、圧力発生室1
2に対向する領域に第1圧電振動子(圧電素子)300
Aを構成し、またこの第1の圧電振動子300Aの幅方
向両側に、幅方向の端部が圧力発生室12に臨むように
第2の圧電振動子300Bを構成している。ここで、こ
れら第1の圧電振動子300A及び第2の圧電振動子3
00Bは、下電極膜60、圧電体膜70、及び上電極膜
80を含む部分をいう。一般的には、第1及び第2の圧
電振動子300A及び300Bは、何れか一方の電極を
共通電極とし、他方の電極及び圧電体膜70を各圧力発
生室12毎にパターニングして構成される。そして、こ
こでは第1の圧電振動子300Aのパターニングされた
何れか一方の電極及び圧電体膜70から構成され、両電
極への電圧の印加により圧電歪みが生じる部分を第1の
圧電体能動部320Aという。また、第2の圧電振動子
300Bでは、圧力発生室12内に突出して圧電歪みを
生じるところが第2の圧電体能動部320Bとなる。本
実施形態では、下電極膜60を第1及び第2の圧電振動
子300A,300Bの共通電極とし、上電極膜80を
第1及び第2の圧電振動子300A,300Bの個別電
極としているが、駆動回路や配線の都合でこれを逆にし
ても支障はない。何れの場合においても、各圧力発生室
毎に圧電体能動部が形成されていることになる。なお、
上述した例では、弾性膜50及び下電極膜60が振動板
として作用するが、下電極膜が弾性膜を兼ねるようにし
てもよい。
形成基板10上に、圧電体膜70等を形成するプロセス
を図4を参照しながら説明する。
基板10となるシリコン単結晶基板のウェハを約110
0℃の拡散炉で熱酸化して二酸化シリコンからなる弾性
膜50を形成する。
リングで下電極膜60を形成する。下電極膜60の材料
としては、Pt等が好適である。これは、スパッタリン
グやゾル−ゲル法で成膜する後述の圧電体膜70は、成
膜後に大気雰囲気下又は酸素雰囲気下で600〜100
0℃程度の温度で焼成して結晶化させる必要があるから
である。すなわち、下電極膜60の材料は、このような
高温、酸化雰囲気下で導電性を保持できなければなら
ず、殊に、圧電体膜70としてPZTを用いた場合に
は、PbOの拡散による導電性の変化が少ないことが望
ましく、これらの理由からPtが好適である。
70を成膜する。この圧電体膜70の成膜にはスパッタ
リングを用いることもできるが、本実施形態では、金属
有機物を溶媒に溶解・分散したいわゆるゾルを塗布乾燥
してゲル化し、さらに高温で焼成することで金属酸化物
からなる圧電体膜70を得る、いわゆるゾル−ゲル法を
用いている。圧電体膜70の材料としては、チタン酸ジ
ルコン酸鉛(PZT)系の材料がインクジェット式記録
ヘッドに使用する場合には好適である。
80を成膜する。上電極膜80は、導電性の高い材料で
あればよく、Al、Au、Ni、Pt等の多くの金属
や、導電性酸化物等を使用できる。本実施形態では、P
tをスパッタリングにより成膜している。
圧電体膜70及び上電極膜80をパターニングする。
60、圧電体膜70及び上電極膜80を一緒にエッチン
グして下電極膜60の全体パターンをパターニングす
る。次いで、図5(b)に示すように、圧電体膜70及
び上電極膜80のみをエッチングして、第1の圧電振動
子300Aと、幅方向両端部が第2の圧電振動子300
Bとなる中間セグメント310のパターニングを行う。
のパターンを形成後、第1及び第2の圧電振動子300
A,300Bをパターニングすることによりパターニン
グが完了する。
ングした後には、好ましくは、各上電極膜80の上面の
少なくとも周縁、及び圧電体膜70および下電極膜60
の側面を覆うように電気絶縁性を備えた絶縁体層90を
形成する(図1参照)。
子300A及び中間セグメント310の一端部に対応す
る部分の上面を覆う部分の一部には後述するリード電極
100と接続するために上電極膜80の一部を露出させ
るコンタクトホール90a,90bが形成されている。
そして、このコンタクトホール90a,90bを介して
各上電極膜80に一端が接続し、また他端が接続端子部
に延びるリード電極100が形成されている。リード電
極100は、駆動信号を上電極膜80に確実に供給でき
る程度に可及的に狭い幅となるように形成されている。
に示す。
80の周縁部、圧電体膜70および下電極膜60の側面
を覆うように絶縁体層90を形成する。この絶縁体層9
0の材料は、本実施形態ではネガ型の感光性ポリイミド
を用いている。
90をパターニングすることにより、第1の圧電振動子
300Aの各圧力発生室12のインク供給側の端部近傍
に対応する部分にコンタクトホール90aを形成し、図
示しないが、コンタクトホール90aとは逆方向の中間
セグメント310の端部にコンタクトホール90bを形
成する。このコンタクトホール90a及び90bは、リ
ード電極100と上電極膜80との接続をするためのも
のである。
は、第1の圧電振動子300Aと中間セグメント310
とに同一の長手方向端部に形成してもよいが、配線の都
合上、本実施形態のように、逆方向の端部に形成するこ
とが好ましい。
して膜形成を行った後、図6(c)に示すように、前述
したアルカリ溶液によるシリコン単結晶基板の異方性エ
ッチングを行い、圧力発生室12等を形成する。なお、
以上説明した一連の膜形成及び異方性エッチングは、一
枚のウェハ上に多数のチップを同時に形成し、プロセス
終了後、図1に示すような一つのチップサイズの流路形
成基板10毎に分割する。また、分割した流路形成基板
10を、封止板20、共通インク室形成基板30、及び
インク室側板40と順次接着して一体化し、インクジェ
ット式記録ヘッドとする。
は、図示しない外部インク供給手段と接続したインク導
入口42からインクを取り込み、共通インク室31から
ノズル開口11に至るまで内部をインクで満たした後、
図示しない外部の駆動回路からの記録信号に従い、リー
ド電極100を介して下電極膜60と上電極膜80との
間に電圧を印加し、弾性膜50、下電極膜60及び圧電
体膜70をたわみ変形させることにより、圧力発生室1
2内の圧力が高まりノズル開口11からインク滴が吐出
する。
記録ヘッドの要部を示す平面図及び断面図を図7に示
す。
施形態では、第1の圧電振動子300Aを構成する圧電
体膜70及び上電極膜80の各圧力発生室12に対向す
る領域の部分が第1の圧電体能動部320Aを構成して
いる。また、中間セグメント310の両端の部分は、第
2の圧電振動子300Bとなり、その圧電体膜70及び
上電極膜80が圧力発生室12に対向する部分が、第2
の圧電体能動部320Bを構成している。第2の圧電体
能動部320Bは、本実施形態では、隣接する圧力発生
室12間に設けられた中間セグメント310の両端に設
けられているので、第2の圧電体能動部320Bを駆動
する場合には、全体を一緒に駆動することになる。
ェット式記録ヘッドの駆動について説明する。図8は、
本実施形態の駆動による振動板の変形を示す図であり、
図9は、圧電振動子への電圧の印加時期を示すグラフで
ある。
圧電体能動部320A,320Bに電圧を印加していな
い状態では、膜の内部応力の影響により、振動板は下に
凸に変形している(図8(a))。そして、このように
振動板が下に変形した状態で、まず第2の圧電振動子3
00Bに所定のパルス電圧Vbを印加する。これによ
り、第2の圧電体能動部320Bが変形され、振動板は
引張方向の力fを受けて引き上げられ、圧力発生室12
とは反対側に変形する(図8(b))。次いで、第2の
圧電振動子300Bへのパルス電圧Vbの印加が解除さ
れると同時に、第1の圧電振動子300Aに、パルス電
圧Vaを印加する。これにより、第1の圧電体能動部3
20Aが変形し、これと共に振動板が下に凸に変形し
て、圧力発生室12内のインクがノズル開口から吐出さ
れる(図8(c))。その後は、上述同様に、第2の圧
電振動子300Bへのパルス電圧Vbの印加と、第1の
圧電振動子へのパルス電圧Vaの印加とを繰り返すこと
により、印刷が実行される。なお、本実施形態では、第
1の圧電体能動部320Aが駆動されない圧力発生室に
おいても、常に第2の圧電体能動部320Bが駆動され
ることになるが、第2の圧電体能動部320Bのみの駆
動によってはインクが吐出されないように設定されてい
る。
体能動部320Bを駆動させることにより振動板を一旦
インクの吐出とは反対の方向に引き上げた後、第1の圧
電体能動部320Aを駆動させることによりインクを吐
出させる。したがって、振動板の変位量が向上し、排除
体積が増大する。
部320Bに印加した電圧を解除した後に、第1の圧電
体能動部320Aに電圧を印加してインクを吐出してい
るが、これに限定されず、例えば、第2の圧電体能動部
320Bに電圧を印加したまま、第1の圧電体能動部3
20Aに電圧を印加してインクを吐出するようにしても
よい。このように、第2の圧電体能動部320Bに電圧
を印加した状態では、図8(b)のように、振動板が上
に押し上げられるため、第1の圧電体能動部320Aに
は引張り応力がかかる。この応力により、第1の圧電体
能動部320Aの圧電特性が向上され、第1の圧電振動
子320Aの駆動による振動板の変位量が増大し、第1
の圧電体能動部320Aのみの駆動よりも、排除体積が
向上する。
体能動部320Aを単独で駆動することによってもイン
クを吐出することができる。
クジェット式記録ヘッドを用いることにより、複数種類
の異なる径のインク滴を吐出することができる。すなわ
ち、上述した第2の圧電体能動部320Bと第1の圧電
体能動部320Aとの駆動を組み合わせて排除体積を増
加させた場合、インク径の大きなインク滴を吐出するよ
うに設定できるので、第1の圧電体能動部320Aのみ
の駆動により、比較的小さなインク滴を吐出できるよう
にすれば、2種類の径の異なるインク滴を打ち分けるこ
とができる。したがって、上述したように、第1の圧電
体能動部320Aと第2の圧電体能動部320Bとの組
み合わせ方を変えることにより、異なるインク径のイン
ク滴を打ち分けるようにすれば、3種類のインク滴を吐
出することができる。これらの方法によれば、圧電体能
動部に印加する電圧及び駆動波形等の条件が同一でも、
吐出方法を変更するだけで振動板の変形量が変えること
ができ、径の異なるインク滴を容易に吐出させることが
できる。
室12毎に第1の圧電振動子300Aの幅方向両側に設
けた第2の圧電体能動部320Bを駆動させることによ
り、振動板を圧力発生室12とは反対方向に引き上げる
ことができる。したがって、第1の圧電体能動部320
Aの駆動による振動板の変形量を増加させることがで
き、十分な排除体積を得ることができる。また、これら
の圧電体能動部の駆動方法を変更するだけで、駆動電圧
及び駆動波形等の条件を変えることなく、容易に複数種
類の異なる径のインク滴を吐出することもでき、状況に
応じた印刷を実行することができる。
300Aを圧力発生室12に対向する領域のみに設け、
また、中間セグメント310も長手方向において、第1
の圧電振動子300Aと略同一の長さで設けるようにし
たが、これに限定されず、例えば、図10(a)に示す
ように、それぞれ、長手方向一端部を周壁に対向する領
域に延設するようにしてもよい。このとき、第1の圧電
振動子300Aと中間セグメント310とは、それぞれ
逆方向に延設されることが好ましい。これにより、第1
の圧電振動子300A及び中間セグメント310への配
線を容易に形成することができる。
0は、第1の圧電振動子300Aが周壁上へ延設される
端部近傍以外で、圧力発生室12の幅方向両側から圧力
発生室12に臨むように形成されているが、中間セグメ
ント310を第1の圧電振動子300Aが延設される端
部まで延ばしてもよく、さらには、例えば、図10
(b)に示すように、中間セグメント310は、圧力発
生室12の第1の圧電振動子300Aが引き出される側
の端部を除く三方向から圧力発生室12に臨むように形
成されていていもよい。また、例えば、図10(c)に
示すように、中間セグメント310は、第1の圧電振動
子300Aの周り全てから圧力発生室12に臨むように
形成されていてもよい。これらの何れの構造によって
も、上述同様の効果を得ることができる。
るインクジェット式記録ヘッドの要部を示す平面図及び
断面図である。
を各圧力発生室毎12に駆動することができるようにし
た例である。
間セグメント310を構成する上電極膜80及び圧電体
膜70を圧力発生室12の幅方向の周壁上に対向する領
域でパターニングして、各圧力発生室12毎に第2の圧
電振動子300Bを独立して形成するようにした。そし
て、第2の圧電振動子300Bの長手方向一端部近傍に
は、それぞれ、コンタクトホール90bを介して上電極
膜80とリード電極100とが接続され、各圧力発生室
12毎に第2の圧電体能動部320Bをそれぞれ独立し
て駆動させることができる。
圧電体能動部320Aの駆動及び第2の圧電体能動部3
20Bの駆動とを組み合わせて、排除体積を大きくする
ことができる。また、このような構成では、インク吐出
を行う圧力発生室12に対応する第2の圧電振動子30
0Bのみを駆動すればよいため、無駄な駆動を防止する
ことができる。
の駆動では、インクが吐出しないように設定することも
できるが、本実施形態によれば、例えば、圧電体膜70
をより圧電特性の優れた材料で形成したり、第2の圧電
体能動部320Bの幅等を変更することによって、第2
の圧電体能動部320の駆動のみでインクを吐出するこ
ともできる。ここで、第2の圧電体能動部320Bのみ
の駆動によるインク吐出とは、実施形態1で述べたよう
に、電圧を印加することにより振動板を圧力発生室12
とは反対方向に引き上げ、その後、電圧を解除して振動
板が元に戻ることによりインクを吐出させるものであ
る。この場合には、複数種類の異なる径のインク滴を打
ち分けることができる。以下に、その方法を示す。
記録ヘッドを用いた場合、まず第1に、第1の圧電体能
動部320Aのみの駆動によるインク吐出、第2に、第
2の圧電体能動部320Bのみの駆動によるインク吐
出、第3に、第2の圧電体能動部320Bの駆動及び第
1の圧電体能動部320Aの駆動の組み合わせによるイ
ンク吐出が可能である。また、第1の圧電体能動部32
0Aと第2の圧電体能動部320Bとの駆動の組み合わ
せを、上述したように2種類とすることもできる。した
がって、このようなインク吐出方法では、印加電圧及び
駆動波形等が同じとしても、それぞれ振動板の変形量が
異なるため、3種類又は4種類のインク径の異なるイン
ク滴を吐出することができる。
ク吐出方法に変更するだけで、常にその状況に応じた大
きさのインク滴を容易に吐出することができる。また、
本実施形態では、各圧力発生室12毎に第2の圧電振動
子300Bを独立して設けているので、所望の位置の圧
力発生室12に対応する第2の圧電体能動部320Bの
みを駆動させることができる。
態を説明したが、インクジェット式記録ヘッドの基本的
構成は上述したものに限定されるものではない。
電振動子300Aと第2の圧電振動子300Bとの対向
面を平面で形成するようにしたが、これに限定されず、
例えば、図12に示すように、両者の対向面321A,
321Bを波状に形成してもよく、あるいは、凹凸形状
としてもよい。何れにしても、第2の圧電振動子300
Bが、圧力発生室12の周壁に対向する領域から圧力発
生室12に対向する領域に臨むように形成されていれば
よい。
共通インク室形成板30をガラスセラミックス製として
もよく、さらには、薄肉膜41を別部材としてガラスセ
ラミックス製としてもよく、材料、構造等の変更は自由
である。
を流路形成基板10の端面に形成しているが、面に垂直
な方向に突出するノズル開口を形成してもよい。
を図13、その流路の断面を図14にぞれぞれ示す。こ
の実施形態では、ノズル開口11が圧電振動子とは反対
のノズル基板120に穿設され、これらノズル開口11
と圧力発生室12とを連通するノズル連通口22が、封
止板20,共通インク室形成板30及び薄肉板41A及
びインク室側板40Aを貫通するように配されている。
Aとインク室側板40Aとを別部材とし、インク室側板
40に開口40bを形成した以外は、基本的に上述した
実施形態と同様であり、同一部材には同一符号を付して
重複する説明は省略する。
た実施形態と同様に、第1の圧電振動子の幅方向両側に
第2の圧電振動子を設けることにより、排除体積を向上
することができる。
内に形成したタイプのインクジェット式記録ヘッドにも
同様に応用できる。
びリソグラフィプロセスを応用することにより製造でき
る薄膜型のインクジェット式記録ヘッドを例にしたが、
勿論これに限定されるものではなく、例えば、基板を積
層して圧力発生室を形成するもの、あるいはグリーンシ
ートを貼付もしくはスクリーン印刷等により圧電体膜を
形成するもの、又は結晶成長により圧電体膜を形成する
もの等、各種の構造のインクジェット式記録ヘッドに本
発明を採用することができる。
縁体層を設けた例を説明したが、これに限定されず、例
えば、絶縁体層を設けないで、各上電極に異方性導電膜
を熱溶着し、この異方性導電膜をリード電極と接続した
り、その他、ワイヤボンディング等の各種ボンディング
技術を用いて接続したりする構成としてもよい。
い限り、種々の構造のインクジェット式記録ヘッドに応
用することができる。
式記録ヘッドは、インクカートリッジ等と連通するイン
ク流路を具備する記録ヘッドユニットの一部を構成し
て、インクジェット式記録装置に搭載される。図15
は、そのインクジェット式記録装置の一例を示す概略図
である。
録ヘッドを有する記録ヘッドユニット1A及び1Bは、
インク供給手段を構成するカートリッジ2A及び2Bが
着脱可能に設けられ、この記録ヘッドユニット1A及び
1Bを搭載したキャリッジ3は、装置本体4に取り付け
られたキャリッジ軸5に軸方向移動自在に設けられてい
る。この記録ヘッドユニット1A及び1Bは、例えば、
それぞれブラックインク組成物及びカラーインク組成物
を吐出するものとしている。
い複数の歯車およびタイミングベルト7を介してキャリ
ッジ3に伝達されることで、記録ヘッドユニット1A及
び1Bを搭載したキャリッジ3はキャリッジ軸5に沿っ
て移動される。一方、装置本体4にはキャリッジ軸5に
沿ってプラテン8が設けられており、図示しない給紙ロ
ーラなどにより給紙された紙等の記録媒体である記録シ
ートSがプラテン8に巻き掛けられて搬送されるように
なっている。
第1の圧電振動子と、その幅方向両側に形成された第2
の圧電振動子との駆動により、一旦、振動板を引き上げ
てから、振動板を下に凸に変形させてインクを吐出する
ことができる。したがって、振動板の変形量を増加し、
排除体積を増加させることができる。また、これら、第
1及び第2の圧電振動子の駆動を組み合わせることによ
り、振動板の変形量を変化させることができ、径の異な
るインク滴を容易に吐出することができるという効果を
奏する。
録ヘッドの分解斜視図である。
録ヘッドを示す図であり、図1の平面図及び断面図であ
る。
ある。
ある。
ある。
録ヘッドの要部を示す平面図及び断面図である。
グを示すグラフである。
記録ヘッドの変形例を示す平面図である。
記録ヘッドの要部を示す平面図及び断面図である。
式記録ヘッドの要部を示す平面図である。
式記録ヘッドの分解斜視図である。
式記録ヘッドを示す断面図である。
記録装置の概略図である。
Claims (18)
- 【請求項1】 ノズル開口に連通する圧力発生室の一部
を構成する弾性膜と、該弾性膜上に設けられた下電極
と、この下電極上に形成された圧電体層と、該圧電体層
の表面に形成された上電極とを有する圧電振動子を具備
したインクジェット式記録ヘッドにおいて、 前記下電極と前記圧電体層と前記上電極とからなり且つ
前記下電極及び前記上電極の何れか一方が前記圧力発生
室に対向する領域にパターニングされた第1の圧電振動
子と、この第1の圧電振動子の幅方向両側に設けられ且
つその当該第1の圧電振動子側の端部が前記圧力発生室
に対向する領域に臨む一対の第2の圧電振動子とを設け
たことを特徴とするインクジェット式記録ヘッド。 - 【請求項2】 請求項1において、隣接する前記圧力発
生室に設けられた前記第2の圧電振動子が連続した層の
両端に設けられていることを特徴とするインクジェット
式記録ヘッド。 - 【請求項3】 請求項1において、隣接する前記圧力発
生室に設けられた前記第2の圧電振動子が独立して設け
られていることを特徴とするインクジェット式記録ヘッ
ド。 - 【請求項4】 請求項3において、前記第2の圧電振動
子は、前記圧力発生室毎に独立して駆動可能であること
を特徴とするインクジェット式記録ヘッド。 - 【請求項5】 請求項1〜4の何れかにおいて、前記第
2の圧電振動子に電圧を印加した後当該電圧を解除する
駆動では前記ノズル開口からインクを吐出しないことを
特徴とするインクジェット式記録ヘッド。 - 【請求項6】 請求項4において、前記第2の圧電振動
子に電圧を印加した後当該電圧を解除する駆動により前
記ノズル開口からインクを吐出することを特徴とするイ
ンクジェット式記録ヘッド。 - 【請求項7】 請求項1〜6の何れかにおいて、前記第
1の圧電振動子と前記第2の圧電振動子のそれぞれを構
成する少なくとも前記圧電体層は、前記圧電振動子の長
手方向の一端部から前記圧力発生室に対向する領域外ま
で延設されていることを特徴とするインクジェット式記
録ヘッド。 - 【請求項8】 請求項7において、前記第1の圧電振動
子の延設方向と、前記第2の圧電振動子の延設方向とが
逆方向であることを特徴とするインクジェット式記録ヘ
ッド。 - 【請求項9】 請求項7又は8において、前記圧力発生
室に対向する領域外まで延設された前記圧電体層上には
前記上電極が延設されていることを特徴とするインクジ
ェット式記録ヘッド。 - 【請求項10】 請求項1〜9の何れかにおいて、前記
圧電振動子の上面にはリード電極と前記上電極との接続
を行うコンタクト部を有することを特徴とするインクジ
ェット式記録ヘッド。 - 【請求項11】 請求項10において、前記圧電振動子
の上面には絶縁体層が形成され、前記リード電極と前記
上電極との接続を行う前記コンタクト部は、前記絶縁体
層に形成されたコンタクトホール内に形成されているこ
とを特徴とするインクジェット式記録ヘッド。 - 【請求項12】 請求項1〜11において、前記圧力発
生室がセラミックス製の基板に形成され、前記圧電振動
子の各層がグリーンシート貼付又は印刷により形成され
ていることを特徴とするインクジェット式記録ヘッド。 - 【請求項13】 請求項1〜11の何れかにおいて、前
記圧力発生室がシリコン単結晶基板に異方性エッチング
により形成され、前記圧電振動子の各層が成膜及びリソ
グラフィ法により形成されたものであることを特徴とす
るインクジェット式記録ヘッド。 - 【請求項14】 請求項1〜13の何れかのインクジェ
ット式記録ヘッドを具備することを特徴とするインクジ
ェット式記録装置。 - 【請求項15】 ノズル開口に連通する圧力発生室の一
部を構成する弾性膜と、該弾性膜上に設けられた下電極
と、この下電極上に形成された圧電体層と、該圧電体層
の表面に形成された上電極とを有し、前記下電極と前記
圧電体層と前記上電極とからなり且つ前記下電極及び前
記上電極の何れか一方が前記圧力発生室に対向する領域
にパターニングされた第1の圧電振動子と、この第1の
圧電振動子の幅方向両側に設けられ且つその当該第1の
圧電振動子側の端部が前記圧力発生室に対向する領域に
臨む一対の第2の圧電振動子とを設けたインクジェット
式記録ヘッドの駆動方法であって、 前記第2の圧電振動子に電圧を印加し、その後、前記第
2の圧電振動子に印加した電圧を解除すると共に、前記
第1の圧電振動子に電圧を印加することにより、前記圧
力発生室内のインクに圧力を付与してインクを吐出する
工程を具備することを特徴とするインクジェット式記録
ヘッドの駆動方法。 - 【請求項16】 ノズル開口に連通する圧力発生室の一
部を構成する弾性膜と、該弾性膜上に設けられた下電極
と、この下電極上に形成された圧電体層と、該圧電体層
の表面に形成された上電極とを有し、前記下電極と前記
圧電体層と前記上電極とからなり且つ前記下電極及び前
記上電極の何れか一方が前記圧力発生室に対向する領域
にパターニングされた第1の圧電振動子と、この第1の
圧電振動子の幅方向両側に設けられ且つその当該第1の
圧電振動子側の端部が前記圧力発生室に対向する領域に
臨む一対の第2の圧電振動子とを設けたインクジェット
式記録ヘッドの駆動方法であって、 前記第2の圧電振動子のみを駆動することにより前記圧
力発生室内のインクに圧力を付与してインクを吐出する
工程を具備することを特徴とするインクジェット式記録
ヘッドの駆動方法。 - 【請求項17】 ノズル開口に連通する圧力発生室の一
部を構成する弾性膜と、該弾性膜上に設けられた下電極
と、この下電極上に形成された圧電体層と、該圧電体層
の表面に形成された上電極とを有し、前記下電極と前記
圧電体層と前記上電極とからなり且つ前記下電極及び前
記上電極の何れか一方が前記圧力発生室に対向する領域
にパターニングされた第1の圧電振動子と、この第1の
圧電振動子の幅方向両側に設けられ且つその当該第1の
圧電振動子側の端部が前記圧力発生室に対向する領域に
臨む一対の第2の圧電振動子とを設けたインクジェット
式記録ヘッドの駆動方法であって、 前記第1の圧電振動子のみを駆動することにより前記圧
力発生室内のインクに圧力を付与してインクを吐出する
工程を具備することを特徴とするインクジェット式記録
ヘッドの駆動方法。 - 【請求項18】 ノズル開口に連通する圧力発生室の一
部を構成する弾性膜と、該弾性膜上に設けられた下電極
と、この下電極上に形成された圧電体層と、該圧電体層
の表面に形成された上電極とを有し、前記下電極と前記
圧電体層と前記上電極とからなり且つ前記下電極及び前
記上電極の何れか一方が前記圧力発生室に対向する領域
にパターニングされた第1の圧電振動子と、この第1の
圧電振動子の幅方向両側に設けられ且つその当該第1の
圧電振動子側の端部が前記圧力発生室に対向する領域に
臨む一対の第2の圧電振動子とを設けたインクジェット
式記録ヘッドの駆動方法であって、 前記第2の圧電振動子に電圧を印加したまま、前記第1
の圧電振動子を駆動することにより前記圧力発生室内の
インクに圧力を付与してインクを吐出する工程を具備す
ることを特徴とするインクジェット式記録ヘッドの駆動
方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP17784798A JP3750709B2 (ja) | 1998-06-24 | 1998-06-24 | インクジェット式記録ヘッド |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2006069115A (ja) * | 2004-09-03 | 2006-03-16 | Fuji Xerox Co Ltd | インクジェット記録ヘッド |
US8402622B2 (en) | 2008-01-31 | 2013-03-26 | Brother Kogyo Kabushiki Kaisha | Method for producing liquid transport apparatus including piezoelectric actuator and method for producing piezoelectric actuator |
JP2014172342A (ja) * | 2013-03-12 | 2014-09-22 | Seiko Epson Corp | 液体噴射ヘッド、液体噴射装置及びアクチュエーター装置 |
-
1998
- 1998-06-24 JP JP17784798A patent/JP3750709B2/ja not_active Expired - Fee Related
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