JP3468277B2 - インクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装置 - Google Patents
インクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装置Info
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Description
する圧力発生室の一部をたわみ振動するアクチュエータ
により膨張、収縮させて、ノズル開口からインク滴を吐
出させるインクジェット式記録ヘッド及びインクジェッ
ト式記録装置に関する。
発生室を機械的に変形させてインクを加圧する圧電振動
型と、圧力発生室の中に発熱素子を設け、発熱素子の熱
で発生した気泡の圧力によりインクを加圧するバブルジ
ェット型との2種類のものが存在する。そして圧電振動
型の記録ヘッドは、さらに軸方向に変位する圧電振動子
を使用した第1の記録ヘッドと、たわみ変位する圧電振
動子を使用した第2の記録ヘッドとの2種類に分類され
る。第1の記録ヘッドは、高速駆動が可能でかつ高い密
度での記録が可能である反面、圧電振動子の加工に切削
作業が伴ったり、また圧電振動子を圧力発生室に固定す
る際に3次元的組立作業を必要として、製造の工程数が
多くなるという問題がある。
コン単結晶基板を基材に使用して、圧力発生室やリザー
バ等の流路を異方性エッチングにより形成し、また圧電
振動子を圧電材料のスパッタリング等の膜形成技術で形
成する手法により、弾性膜を極めて薄く、また圧力発生
室や圧電振動子を高い精度で形成できるため、圧力発生
室の開口面積を可及的に小さくして記録密度の向上を図
ることが可能となる。
開口の加工精度を維持するためにノズルプレートには依
然として金属板が使用されているため、圧電振動子を焼
成により作り付ける前述の第2の記録ヘッドと同様に熱
膨張差に起因して記録ヘッド全体に歪みが生じるという
問題がある。このような問題は特開平6-122197号公報に
見られるような熱膨張特性調整部材を用いることにより
解消できるものの、圧電振動子を圧電材料のスパッタリ
ングにより構成した場合には、グリーンシートを焼成し
て構成されたものに比較して同一電圧で駆動する場合、
圧電振動子が薄い分だけ高い電界が印加され、大気中の
湿気を吸収した場合には駆動電極間のリーク電流が増加
しやすく、ついには絶縁破壊に至るという問題を抱えて
いる。
たものであって、その目的とするところは、膜形成技術
により形成された圧電振動子の湿気等の外部環境の変化
に起因する動作不良を密封雰囲気を形成することにより
解消し、且つ当該密封雰囲気内の圧力変化による不具合
を解消するインクジェット式記録ヘッド及びインクジェ
ット式記録装置を提供することである。
明の第1の態様は、一方面にノズル開口に連通すると共
に複数の隔壁で区画された圧力発生室の列を備え、他方
面に前記圧力発生室の一部を構成する弾性膜を有する流
路形成基板を具備し、前記圧力発生室に対応する領域に
圧電振動子を有するインクジェット式記録ヘッドにおい
て、前記流路形成基板の前記圧電振動子側に接合され、
その運動を阻害しない程度の空間を確保した状態で当該
空間を密封するキャップ部材を具備し、このキャップ部
材の空間の圧力変化を吸収する圧力変化吸収手段を有す
ることを特徴とするインクジェット式記録ヘッドにあ
る。
ップ部材により外部と遮断され、圧力変化吸収手段によ
り、キャップ内部の圧力が一定に保たれる。
て、前記圧力変化吸収手段は、前記キャップ部材内に設
けられた弾性多孔質部材であることを特徴とするインク
ジェット式記録ヘッドにある。
設けられた弾性多孔性部材により、キャップ部材内部の
圧力変動が吸収される。
て、前記圧力変化吸収手段は、前記キャップ部材に設け
られた可撓部であり、当該キャップ部材内の空間が前記
可撓部を介して外部と相対向していることを特徴とする
インクジェット式記録ヘッドにある。
ップ部材内の圧力変化が吸収される。
て、前記圧力発生室に隣接してインクが供給されないダ
ミーの圧力発生室を有し、前記圧力変化吸収手段は、前
記ダミーの圧力発生室と前記キャップ部材内の空間との
境界となる可撓性板であることを特徴とするインクジェ
ット式記録ヘッドにある。
室とキャップ部材の空間との境界となる可撓性板によっ
て、キャップ部材内の圧力変化が吸収される。
て、前記可撓性板は、少なくとも前記弾性膜からなるこ
とを特徴とするインクジェット式記録ヘッドにある。
ャップ部材内の圧力変化が吸収される。
て、前記キャップ部材全体が、可撓性材質からなること
を特徴とするインクジェット式記録ヘッドにある。
で、キャップ部材内の圧力変化が吸収される。
て、前記可撓性材質が、内面にコーティングを施した紙
又はアルミニウムであることを特徴とするインクジェッ
ト式記録ヘッドにある。
部材内の圧力変化が吸収される。
において、前記可撓性材質は、アルミニウム溶着により
前記流路形成基板に接合されていることを特徴とするイ
ンクジェット式記録ヘッドにある。
易且つ確実に流路形成基板に接合される。
の態様において、前記流路形成基板がシリコン単結晶基
板からなり、前記圧力発生室が異方性エッチングにより
形成され、前記圧電振動子の各層が成膜及びリソグラフ
ィ法により形成されたものであることを特徴とするイン
クジェット式記録ヘッドにある。
口を有するインクジェット式記録ヘッドを大量に且つ比
較的容易に製造することができる。
かの態様において、前記流路形成基板には前記圧力発生
室に連通されるリザーバが画成され、前記ノズル開口を
有するノズルプレートが接合されることを特徴とするイ
ンクジェット式記録ヘッドにある。
インクを吐出するインクジェット式記録ヘッドを容易に
実現できる。
かの態様において、前記流路形成基板には、前記圧力発
生室にインクを供給する共通インク室と、前記圧力発生
室と前記ノズル開口とを連通する流路とを形成する流路
ユニットが接合されていることを特徴とするインクジェ
ット式記録ヘッドにある。
介してノズル開口からインクが吐出される。
れかの態様のインクジェット式記録ヘッドを具備するこ
とを特徴とするインクジェット式記録装置にある。
に起因するヘッドの動作不良が防止され、インク吐出を
良好に行うことのできるインクジェット式記録装置を実
現することができる。
て詳細に説明する。
1に係るインクジェット式記録ヘッドを示す分解斜視図
であり、図2は、その1つの圧力発生室の長手方向及び
幅方向における断面構造を示す図である。
実施形態では面方位(110)のシリコン単結晶基板か
らなる。流路形成基板10としては、通常、150〜3
00μm程度の厚さのものが用いられ、望ましくは18
0〜280μm程度、より望ましくは220μm程度の
厚さのものが好適である。これは、隣接する圧力発生室
間の隔壁の剛性を保ちつつ、配列密度を高くできるから
である。
り、他方の面には予め熱酸化により形成した二酸化シリ
コンからなる、厚さ1〜2μmの弾性膜50が形成され
ている。
リコン単結晶基板を異方性エッチングすることにより、
複数の隔壁11により区画された圧力発生室12の列1
3が2列と、2列の圧力発生室12の列13の三方を囲
むように略コ字状に配置されたリザーバ14と、各圧力
発生室12とリザーバ14とを一定の流体抵抗で連通す
るインク供給口15がそれぞれ形成されている。なお、
リザーバ14の略中央部には、外部から当該リザーバ1
4にインクを供給するためのインク導入孔16が形成さ
れている。
結晶基板をKOH等のアルカリ溶液に浸漬すると、徐々
に侵食されて(110)面に垂直な第1の(111)面
と、この第1の(111)面と約70度の角度をなし且
つ上記(110)面と約35度の角度をなす第2の(1
11)面とが出現し、(110)面のエッチングレート
と比較して(111)面のエッチングレートが約1/1
80であるという性質を利用して行われるものである。
かかる異方性エッチングにより、二つの第1の(11
1)面と斜めの二つの第2の(111)面とで形成され
る平行四辺形状の深さ加工を基本として精密加工を行う
ことができ、圧力発生室12を高密度に配列することが
できる。
を第1の(111)面で、短辺を第2の(111)面で
形成している。この圧力発生室12は、流路形成基板1
0をほぼ貫通して弾性膜50に達するまでエッチングす
ることにより形成されている。ここで、弾性膜50は、
シリコン単結晶基板をエッチングするアルカリ溶液に侵
される量がきわめて小さい。また各圧力発生室12の一
端に連通する各インク供給口15は、圧力発生室12よ
り浅く形成されている。すなわち、インク供給口15
は、シリコン単結晶基板を厚さ方向に途中までエッチン
グ(ハーフエッチング)することにより形成されてい
る。なお、ハーフエッチングは、エッチング時間の調整
により行われる。
各圧力発生室12のインク供給口15とは反対側で連通
するノズル開口17が穿設されたノズルプレート18が
接着剤や熱溶着フィルム等を介して固着されている。な
お、ノズルプレート18は、厚さが例えば、0.1〜1
mmで、線膨張係数が300℃以下で、例えば2.5〜
4.5[×10-6/℃]であるガラスセラミックス、又
は不錆鋼などからなる。ノズルプレート18は、一方の
面で流路形成基板10の一面を全面的に覆い、シリコン
単結晶基板を衝撃や外力から保護する補強板の役目も果
たす。
る圧力発生室12の大きさと、インク滴を吐出するノズ
ル開口17の大きさとは、吐出するインク滴の量、吐出
スピード、吐出周波数に応じて最適化される。例えば、
1インチ当たり360個のインク滴を記録する場合、ノ
ズル開口17は数十μmの直径で精度よく形成する必要
がある。
側の弾性膜50の上には、厚さが例えば、約0.5μm
の下電極膜60と、厚さが例えば、約1μmの圧電体膜
70と、厚さが例えば、約0.1μmの上電極膜80と
が、後述するプロセスで積層形成されて、圧電振動子
(圧電素子)300を構成している。ここで、圧電振動
子300は、下電極膜60、圧電体膜70、及び上電極
膜80を含む部分をいう。一般的には、圧電振動子30
0の何れか一方の電極を共通電極とし、他方の電極及び
圧電体膜70を各圧力発生室12毎にパターニングして
構成する。そして、ここではパターニングされた何れか
一方の電極及び圧電体膜70から構成され、両電極への
電圧の印加により圧電歪みが生じる部分を圧電体能動部
320という。本実施形態では、下電極膜60は圧電振
動子300の共通電極とし、上電極膜80を圧電振動子
300の個別電極としているが、駆動回路や配線の都合
でこれを逆にしても支障はない。何れの場合において
も、各圧力発生室毎に圧電体能動部が形成されているこ
とになる。なお、上述した例では、弾性膜50及び下電
極膜60が振動板として作用するが、下電極膜が弾性膜
を兼ねるようにしてもよい。
対向する領域にパターニングされた圧電体膜70及び上
電極膜80から構成される圧電体能動部320を有し、
この圧電体能動部320を構成する圧電体膜70及び上
電極膜80がインク供給口15及びリザーバ14に対向
する領域まで連続的に延設されている。また、リザーバ
14に対向する領域の上電極膜80には、後述するコン
タクトホール90aを介してリード電極100が接続さ
れている。
形成基板10上に、圧電体膜70等を形成するプロセス
を図3及び図4を参照しながら説明する。
基板10となるシリコン単結晶基板のウェハを約110
0℃の拡散炉で熱酸化して二酸化シリコンからなる弾性
膜50を形成する。
リングで下電極膜60を形成する。下電極膜60の材料
としては、Pt等が好適である。これは、スパッタリン
グやゾル−ゲル法で成膜する後述の圧電体膜70は、成
膜後に大気雰囲気下又は酸素雰囲気下で600〜100
0℃程度の温度で焼成して結晶化させる必要があるから
である。すなわち、下電極膜60の材料は、このような
高温、酸化雰囲気下で導電性を保持できなければなら
ず、殊に、圧電体膜70としてPZTを用いた場合に
は、PbOの拡散による導電性の変化が少ないことが望
ましく、これらの理由からPtが好適である。
70を成膜する。この圧電体膜70の成膜にはスパッタ
リングを用いることもできるが、本実施形態では、金属
有機物を溶媒に溶解・分散した、いわゆるゾルを塗布乾
燥してゲル化し、さらに高温で焼成することで金属酸化
物からなる圧電体膜70を得る、いわゆるゾル−ゲル法
を用いている。圧電体膜70の材料としては、チタン酸
ジルコン酸鉛(PZT)系の材料がインクジェット式記
録ヘッドに使用する場合には好適である。
80を成膜する。上電極膜80は、導電性の高い材料で
あればよく、Al、Au、Ni、Pt等の多くの金属
や、導可電性酸化物等を使用できる。本実施形態では、
Ptをスパッタリングにより成膜している。
生室12それぞれに対して圧電振動子を配設するよう
に、上電極膜80および圧電体膜70のパターニングを
行う。図3(e)では圧電体膜70を上電極膜80と同
一のパターンでパターニングを行った場合を示している
が、上述したように、圧電体膜70は必ずしもパターニ
ングを行う必要はない。これは、上電極膜80のパター
ンを個別電極として電圧を印加した場合、電界はそれぞ
れの上電極膜80と、共通電極である下電極膜60との
間にかかるのみで、その他の部位には何ら影響を与えな
いためである。しかしながら、この場合には、同一の排
除体積を得るためには大きな電圧印加が必要となるた
め、圧電体膜70もパターニングするのが好ましい。ま
た、この後、下電極膜60をパターニングして不要な部
分、例えば、圧力発生室12の幅方向両側の縁部内側近
傍を除去してもよい。なお、下電極膜60の除去は必ず
しも行う必要はなく、また、除去する場合には、全てを
除去せず、厚さを薄くするようにしてもよい。
ンを形成した後、エッチング等を行うことにより実施す
る。
ンコートなどにより塗布し、所定形状のマスクを用いて
露光・現像・ベークを行うことにより形成する。なお、
勿論、ネガレジストの代わりにポジレジストを用いても
よい。
置、例えば、イオンミリング装置を用いて行う。なお、
エッチング後には、レジストパターンをアッシング装置
等を用いて除去する。
ンミリング法以外に、反応性エッチング法等を用いても
よい。また、ドライエッチングの代わりにウェットエッ
チングを用いることも可能であるが、ドライエッチング
法と比較してパターニング精度が多少劣り、上電極膜8
0の材料も制限されるので、ドライエッチングを用いる
のが好ましい。
膜80の周縁部および圧電体膜70の側面を覆うように
絶縁体層90を形成する。この絶縁体層90の材料は、
本実施形態では、ネガ型の感光性ポリイミドを用いてい
る。
90をパターニングすることにより、リザーバ14に対
向する部分にコンタクトホール90aを形成する。この
コンタクトホール90aは、後述するリード電極100
と上電極膜80との接続をするためのものである。
全面に成膜した後、パターニングすることにより、リー
ド電極100を形成する。
して膜形成を行った後、図4(c)に示すように、前述
したアルカリ溶液によるシリコン単結晶基板の異方性エ
ッチングを行い、圧力発生室12等を形成する。
弾性膜50上には、圧電体能動部の駆動を妨げない程度
の空間を有し、圧電体能動部を密封するキャップ部材1
10が設けられている。
の接合側の圧力発生室12の各列13の間に対向する領
域に、圧電体能動部に接触しない空間からなる凹部11
2を区画する区画壁111を有する。
より弾性膜50の表面に固定され、各凹部内に圧電体能
動部を密封している。本実施形態では、キャップ部材1
10を弾性膜50上に接着するようにしたが、これに限
定されず、例えば、圧電体膜70まで除去して、下電極
膜60に接着するようにしてもよい。いずれにしても、
キャップ部材110を確実に接着することができる。
発生室の列13方向の略中央部には、列13の方向に亘
って、凹部112と外部とを繋ぐ貫通溝113が形成さ
れ、この貫通溝113の外側の開口は、凹部112内の
圧力変化を変形によって吸収する可撓部114により塞
がれている。この可撓部114は、弾性変形可能な部
材、例えば、樹脂、ゴム、金属等の薄膜で形成され、図
5の模式図に示すように、凹部112内の圧力変化に伴
い容易に変形可能なものである。
きさは、特に限定されないが、各凹部112内の圧力変
化を吸収可能であればよい。あるいは、複数の貫通孔及
びこれを塞ぐ可撓部を設けるようにしてもよい。
キャップ部材110により密封され、外部環境に起因す
る動作不良が防止される。また、圧電体能動部を密封し
ている凹部112内の圧力が変化した場合でも、可撓部
114が変形することにより、凹部112内の圧力を一
定に保つことができる。したがって、凹部112内の圧
力変化に起因する圧電体能動部の動作不良を容易に防止
することができる。
方性エッチングは、一枚のウェハ上に多数のチップを同
時に形成し、プロセス終了後、図1に示すような一つの
チップサイズの流路形成基板10毎に分割する。また、
分割した流路形成基板10を、ノズルプレート18、キ
ャップ部材110と順次接着してインクジェット式記録
ヘッドとする。その後、インクジェット式記録ヘッドを
ホルダー105に固定し、キャリッジに搭載して、イン
クジェット式記録装置に組み込む。
は、図示しない外部インク供給手段と接続したインク導
入孔16からインクを取り込み、リザーバ14からノズ
ル開口17に至るまで内部をインクで満たした後、図示
しない外部の駆動回路からの記録信号に従い、リード電
極100を介して下電極膜60と上電極膜80との間に
電圧を印加し、弾性膜50と圧電体膜70とをたわみ変
形させることにより、圧力発生室12内の圧力が高まり
ノズル開口17からインク滴が吐出する。
インクジェット式記録ヘッドを示す分解斜視図であり、
図7は、実施形態2にかかる圧力発生室の幅方向におけ
る断面構造を示す図である。
プ部材120を、内側に圧電振動子の駆動を阻害しない
程度の空間である凹部112Aを区画する区画壁111
Aを有する第1キャップ部材121と、この第1キャッ
プ部材121の一方の面を封止する第2キャップ部材1
22とで構成し、この第1キャップ部材121と第2キ
ャップ部材122とを接着剤等で固着するようにした。
また、この区画壁111Aの流路形成基板10とは反対
側端部で、圧力発生室12の長手方向の略中央に、隣接
する凹部112A同士を連通する連通孔115を設け、
圧力発生室12の列13に対応する全ての凹部112A
を連通するようにした以外は実施形態1と同様である。
形態1と同様に、キャップ部材120で圧電体能動部を
外部と遮断することができ、外部環境に起因する動作不
良を防止できる。また、各凹部112Aの圧力変化は、
連通孔115を介して可撓部114によって吸収される
ため、キャップ部材120内部の圧力を一定に保つこと
ができる。これにより、内部圧力変化に伴う圧電体能動
部の動作不良を防止することができる。
連通孔115を設けているが、貫通溝113を全ての圧
力発生室12に設けるようにした場合には、貫通溝11
3によって各圧力発生室12が連通されるため、連通孔
115を設けなくても同様の効果が得られる。
る圧力発生室の幅方向における断面構造を示す図であ
る。
生室の列13の一方の端部に位置する圧力発生室をダミ
ーの圧力発生室12Aとし、この圧力発生室12Aに対
向する領域の下電極膜60を除去し、除去した部分の弾
性膜50aが凹部112A内の圧力変化を吸収するため
の可撓性板として機能するようにした以外は、基本的に
は実施形態2と同様である。
50aが凹部112A内の圧力変化に伴い変形すること
により、凹部112A内の圧力が一定に保たれ、圧力変
化に伴う圧電体能動部の動作不良が防止される。なお、
圧力吸収の効果を高めるためには、ダミーの圧力発生室
12Aは外部に連通するのが好ましい。
室12Aに対向する部分には、弾性膜50aのみが設け
られるようにしたが、これに限定されず、例えば、下電
極膜60を残すようにしてもよく、また、弾性膜50の
一部まで除去するようにしてもよい。また、ダミーの圧
力発生室12Aとキャップ部材120Aとの境界の可撓
性板は、弾性膜に限定されず、他の部材で形成するよう
にしてもよい。
る圧力発生室の長手方向及び幅方向における断面構造を
示す図である。
の圧力変化を吸収する可撓部を設ける代わりに、図9に
示すように、キャップ部材120の凹部112Aの深さ
dを大きく形成するとともに上電極膜80と接触しない
ように凹部112Aの奥側に水分の含有量が少ないシリ
コーンオイル等を含浸した多孔質材116を装填した以
外は実施形態2と同様である。
様に、圧電体能動部を外部と遮断することができ、外部
環境に起因する動作不良を防止することができる。ま
た、シリコーンオイル等を含浸した多孔質材116が変
形することによって、キャップ部材120内部の圧力変
化が吸収されるため、内部圧力変化に伴う圧電体能動部
の動作不良を防止することができる。
2Aを連通する連通孔115が形成されているため、連
通された全ての凹部112Aの内部圧力変化を吸収でき
るように、多孔質材116にシリコーンオイル等を含浸
するようにしたが、多孔質材116が独立気泡を有する
ものであれば、シリコーンオイル等を含浸させない多孔
質部材を設けるようにしてもよく、これによっても、十
分に内部圧力変化を吸収することができる。
かる圧力発生室の長手方向における断面構造を示す図で
ある。
材質で形成し、流路形成基板に直接接合した例であり、
図10に示すように、可撓部を設けていない以外、基本
的構造は実施形態1と同様である。
樹脂コーティングを施した紙又はアルミニウム製のフィ
ルム等を挙げることができる。このようなキャップ部材
を用いることにより、その内部の空間の圧力変化は、当
該キャップ部材の変形により吸収できる。
価であり、また、成形等のコストも低減でき、しかも、
例えばアルミニウム溶着により容易に流路形成基板に接
合できるという効果を奏する。
実に接合するために、弾性膜50上に接合したが、これ
に限定されず、流路形成基板あるいは下電極膜60上に
接合してもよいことは言うまでもない。
を説明したが、インクジェット式記録ヘッドの基本的構
成は上述したものに限定されるものではない。
基板10に圧力発生室12と共にリザーバ14を形成し
ているが、共通インク室を形成する部材を流路形成基板
10に重ねて設けてもよい。
ヘッドの部分断面を図11に示す。この実施形態では、
ノズル開口17Aが穿設されたノズル基板18Aと流路
形成基板10Aとの間に、封止板160、共通インク室
形成板170、薄肉板180及びインク室側板190が
挟持され、これらを貫通するように、圧力発生室12B
とノズル開口17Aとを連通するノズル連通口31が配
されている。すなわち、封止板160、共通インク室形
成板170および薄肉板180とで共通インク室32が
画成され、各圧力発生室12Bと共通インク室32と
は、封止板160に穿設されたインク連通孔33を介し
て連通されている。
に外部からインクを導入するためのインク導入孔34も
穿設されている。
の間に位置するインク室側板190には各共通インク室
32に対向する位置に貫通部35が形成されており、イ
ンク滴吐出の際に発生するノズル開口17Aと反対側へ
向かう圧力を、薄肉壁180が吸収するのを許容するよ
うになっており、これにより、他の圧力発生室に、共通
インク室32を経由して不要な正又は負の圧力が加わる
のを防止することができる。なお、薄肉板180とイン
ク室側板190とは一体に形成されてもよい。
基板10Aの開口面とは反対側に設けられ、圧電体能動
部を密封するキャップ部材に、圧電体能動部を密封する
空間の圧力変化を吸収する可撓部を設けることにより、
圧電体能動部の圧力変化に伴う動作不良を防止すること
ができる。
びリソグラフィプロセスを応用することにより製造でき
る薄膜型のインクジェット式記録ヘッドを例にしたが、
勿論これに限定されるものではなく、例えば、基板を積
層して圧力発生室を形成するもの、あるいはグリーンシ
ートを貼付もしくはスクリーン印刷等により圧電体膜を
形成するもの、又は結晶成長により圧電体膜を形成する
もの等、各種の構造のインクジェット式記録ヘッドに本
発明を採用することができる。
膜とリード電極との接続部は、何れの場所に設けてもよ
く、圧力発生室の何れの端部でも又は中央部であっても
よい。
縁体層を設けた例を説明したが、これに限定されず、例
えば、絶縁体層を設けないで、各上電極に異方性導電膜
を熱溶着し、この異方性導電膜をリード電極と接続した
り、その他、ワイヤボンディング等の各種ボンディング
技術を用いて接続したりする構成としてもよい。
い限り、種々の構造のインクジェット式記録ヘッドに応
用することができる。
式記録ヘッドは、インクカートリッジ等と連通するイン
ク流路を具備する記録ヘッドユニットの一部を構成し
て、インクジェット式記録装置に搭載される。図12
は、そのインクジェット式記録装置の一例を示す概略図
である。
録ヘッドを有する記録ヘッドユニット1A及び1Bは、
インク供給手段を構成するカートリッジ2A及び2Bが
着脱可能に設けられ、この記録ヘッドユニット1A及び
1Bを搭載したキャリッジ3は、装置本体4に取り付け
られたキャリッジ軸5に軸方向移動自在に設けられてい
る。この記録ヘッドユニット1A及び1Bは、例えば、
それぞれブラックインク組成物及びカラーインク組成物
を吐出するものとしている。
い複数の歯車およびタイミングベルト7を介してキャリ
ッジ3に伝達されることで、記録ヘッドユニット1A及
び1Bを搭載したキャリッジ3はキャリッジ軸5に沿っ
て移動される。一方、装置本体4にはキャリッジ軸5に
沿ってプラテン8が設けられており、図示しない給紙ロ
ーラなどにより給紙された紙等の記録媒体である記録シ
ートSがプラテン8に巻き掛けられて搬送されるように
なっている。
電体能動部の駆動を阻害しない程度の空間からなる凹部
を有するキャップ部材を設け、このキャップ部材に、凹
部内の圧力変化を吸収する可撓部を設けるようにしたの
で、外部環境に起因する圧電体能動部の動作不良を防止
することができ、且つ凹部内の圧力変化に伴う動作不良
も防止することができる。
記録ヘッドの分解斜視図である。
記録ヘッドの、圧力発生室の長手方向、及び圧力発生室
の配列方向での断面構造として示す図である。
ある。
ある。
記録ヘッドの分解斜視図である。
記録ヘッドの、圧力発生室の長手方向での断面構造とし
て示す図である。
記録ヘッドの、圧力発生室の長手方向での断面構造とし
て示す図である。
記録ヘッドの、圧力発生室の長手方向、及び圧力発生室
の配列方向での断面構造として示す図である。
式記録ヘッドの、圧力発生室の長手方向での断面構造と
して示す図である。
ト式記録ヘッドの、圧力発生室の長手方向での断面構造
として示す図である。
記録装置の概略図である。
Claims (9)
- 【請求項1】 一方面にノズル開口に連通すると共に複
数の隔壁で区画された圧力発生室の列を備え、他方面に
前記圧力発生室の一部を構成する弾性膜を有する流路形
成基板を具備し、前記圧力発生室に対応する領域に圧電
振動子を有するインクジェット式記録ヘッドにおいて、 前記流路形成基板の前記圧電振動子側に接合され、その
運動を阻害しない程度の空間を確保した状態で当該空間
を密封するキャップ部材を具備し、このキャップ部材の
空間の圧力変化に伴って変形することにより当該圧力変
化を吸収する圧力変化吸収手段を有し且つ該圧力変化吸
収手段が、前記キャップ部材内に設けられた弾性多孔質
部材であることを特徴とするインクジェット式記録ヘッ
ド。 - 【請求項2】 一方面にノズル開口に連通すると共に複
数の隔壁で区画された圧力発生室の列を備え、他方面に
前記圧力発生室の一部を構成する弾性膜を有する流路形
成基板を具備し、前記圧力発生室に対応する領域に圧電
振動子を有するインクジェット式記録ヘッドにおいて、 前記圧力発生室に隣接してインクが供給されないダミー
の圧力発生室を有すると共に、前記流路形成基板の前記
圧電振動子側に接合され、その運動を阻害しない程度の
空間を確保した状態で当該空間を密封するキャップ部材
を具備し、このキャップ部材の空間の圧力変化に伴って
変形することにより当該圧力変化を吸収する圧力変化吸
収手段を有し且つ該圧力変化吸収手段が、前記ダミーの
圧力発生室と前記キャップ部材内の空間との境界となる
可撓性板であることを特徴とするインクジェット式記録
ヘッド。 - 【請求項3】 請求項2において、 前記可撓性板は、少
なくとも前記弾性膜からなることを特徴とするインクジ
ェット式記録ヘッド。 - 【請求項4】 一方面にノズル開口に連通すると共に複
数の隔壁で区画された圧力発生室の列を備え、他方面に
前記圧力発生室の一部を構成する弾性膜を有する流路形
成基板を具備し、前記圧力発生室に対応する領域に圧電
振動子を有するインクジェット式記録ヘッドにおいて、 前記流路形成基板の前記圧電振動子側に接合され、その
運動を阻害しない程度の空間を確保した状態で当該空間
を密封するキャップ部材を具備し、このキャッ プ部材の
空間の圧力変化に伴って変形することにより当該圧力変
化を吸収する圧力変化吸収手段を有し、前記キャップ部
材全体が可撓性材質からなると共に、該可撓性材質がア
ルミニウム溶着により前記流路形成基板に接合されてい
ることを特徴とするインクジェット式記録ヘッド。 - 【請求項5】 請求項4において、 前記可撓性材質が、
アルミニウム又は内面にコーティングを施した紙である
ことを特徴とするインクジェット式記録ヘッド。 - 【請求項6】 請求項1〜5の何れかにおいて、 前記流
路形成基板がシリコン単結晶基板からなり、前記圧力発
生室が異方性エッチングにより形成され、前記圧電振動
子の各層が成膜及びリソグラフィ法により形成されたも
のであることを特徴とするインクジェット式記録ヘッ
ド。 - 【請求項7】 請求項1〜6の何れかにおいて、 前記流
路形成基板には前記圧力発生室に連通される共通インク
室が画成され、前記ノズル開口を有するノズルプレート
が接合されることを特徴とするインクジェット式記録ヘ
ッド。 - 【請求項8】 請求項1〜7の何れかにおいて、 前記流
路形成基板には、前記圧力発生室にインクを供給する共
通インク室と、前記圧力発生室と前記ノズル開口とを連
通する流路とを形成する流路ユニットが接合されている
ことを特徴とするインクジェット式記録ヘッド。 - 【請求項9】 請求項1〜8 の何れかのインクジェット
式記録ヘッドを具備することを特徴とするインクジェッ
ト式記録装置。
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---|---|---|---|
JP11973098A JP3468277B2 (ja) | 1997-04-30 | 1998-04-28 | インクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装置 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12641997 | 1997-04-30 | ||
JP10-57729 | 1998-03-10 | ||
JP9-126419 | 1998-03-10 | ||
JP5772998 | 1998-03-10 | ||
JP11973098A JP3468277B2 (ja) | 1997-04-30 | 1998-04-28 | インクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装置 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003130683A Division JP3570514B2 (ja) | 1997-04-30 | 2003-05-08 | インクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装置 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11320871A JPH11320871A (ja) | 1999-11-24 |
JP3468277B2 true JP3468277B2 (ja) | 2003-11-17 |
Family
ID=27296359
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP11973098A Expired - Fee Related JP3468277B2 (ja) | 1997-04-30 | 1998-04-28 | インクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装置 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3468277B2 (ja) |
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JP2001150668A (ja) * | 1999-11-25 | 2001-06-05 | Seiko Instruments Inc | インクジェットヘッド |
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US7648229B2 (en) | 2006-08-02 | 2010-01-19 | Seiko Epson Corporation | Liquid jet head and its manufacturing method |
JP4333724B2 (ja) | 2006-10-05 | 2009-09-16 | セイコーエプソン株式会社 | 液滴吐出ヘッド、液滴吐出装置、液滴吐出ヘッドの製造方法及び液滴吐出装置の製造方法 |
-
1998
- 1998-04-28 JP JP11973098A patent/JP3468277B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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