JP3800317B2 - インクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装置 - Google Patents

インクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インク滴を吐出するノズル開口と連通する圧力発生室の一部を振動板で構成し、この振動板を介して圧電素子を設けて、圧電素子の変位によりインク滴を吐出させるノズルプレートを備えたインクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装置に関する。
【0002】
【従来技術】
インク滴を吐出するノズル開口と連通する圧力発生室の一部を振動板で構成し、この振動板を圧電素子により変形させて圧力発生室のインクを加圧してノズル開口からインク滴を吐出させるインクジェット式記録ヘッドには、圧電素子が軸方向に伸長、収縮する縦振動モードの圧電アクチュエータを使用したものと、たわみ振動モードの圧電アクチュエータを使用したものの2種類が実用化されている。
【0003】
前者は圧電素子の端面を振動板に当接させることにより圧力発生室の容積を変化させることができて、高密度印刷に適したヘッドの製作が可能である反面、圧電素子をノズル開口の配列ピッチに一致させて櫛歯状に切り分けるという困難な工程や、切り分けられた圧電素子を圧力発生室に位置決めして固定する作業が必要となり、製造工程が複雑であるという問題がある。
【0004】
これに対して後者は、圧電材料のグリーンシートを圧力発生室の形状に合わせて貼付し、これを焼成するという比較的簡単な工程で振動板に圧電素子を作り付けることができるものの、たわみ振動を利用する関係上、ある程度の面積が必要となり、高密度配列が困難であるという問題がある。
【0005】
一方、後者の記録ヘッドの不都合を解消すべく、特開平5−286131号公報に見られるように、振動板の表面全体に亙って成膜技術により均一な圧電材料層を形成し、この圧電材料層をリソグラフィ法により圧力発生室に対応する形状に切り分けて各圧力発生室毎に独立するように圧電素子を形成したものが提案されている。
【0006】
これによれば圧電素子を振動板に貼付ける作業が不要となって、リソグラフィ法という精密で、かつ簡便な手法で圧電素子を作り付けることができるばかりでなく、圧電素子の厚みを薄くできて高速駆動が可能になるという利点がある。
【0007】
また、このようなインクジェット式記録ヘッドでは、インク滴を吐出するための複数のノズル開口を、例えば、ステンレス鋼等の基板に機械的にあるいはレーザ等によって形成したノズルプレートが用いられ、このノズルプレートがノズル開口と圧力発生室とを連通するように流路形成基板に接合されている。
【0008】
このような従来のノズルプレートは、機械的あるいはレーザ等によって形成していたので、ノズル開口の形状が直線的であり、インク滴の吐出量、吐出速度等のインク吐出性能が低いという問題があった。そこで、インク吐出特性を向上するために、吐出側の径が略同一の同径部と、圧力発生室側の開口面積が開口に向かって漸大するテーパ部とを有するノズル開口を形成したノズルプレートが提案されている。
【0009】
しかしながら、ノズル開口の寸法は非常に小さいため、所望の形状に精度良く形成するのは困難であり、このようなノズルプレートを用いたインクジェット式記録ヘッドでは、ノズル開口を高密度で配置できないと、圧力発生室及び圧電素子が高密度で配置できず、一つのチップサイズが大きくなってしまう。さらに、このようなノズル開口を精度よく形成するには、製造工程が多くなってしまい、製造コストがかかってしまう。
【0010】
そして、上述した問題に加えて、ノズルプレートと流路形成基板は接着剤により接合されているので、ノズルプレートと流路形成基板とを接着する際に、余分な接着剤が流路へ流れ込む虞があり、圧力発生室等のインク流路に影響を及ぼす虞があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような事情に鑑み、ノズル開口の形成精度及び高密度化を図ることができるノズルプレートを備え、ノズルプレートと流路形成基板とを接着する際に無駄な接着剤の流路への流れ込みを防止したインクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装置を提供することを課題とする。
【0012】
【発明が解決するための手段】
本発明のインクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装置に用いられるノズルプレートの製造方法は、圧電素子の設けられた流路形成基板に接合されるノズルプレートにおいて、シリコン単結晶基板の一方面側からドライエッチングすることにより、深さ方向に径が略同一のノズル開口の同径部を当該シリコン単結晶基板を貫通することなく形成する第1の工程と、前記シリコン単結晶基板の他方面側から前記同径部の底部までウェットエッチングすることにより開口面積が開口に向かって漸大する前記ノズル開口のテーパ部を形成する第2の工程とを有することを特徴とする。
【0013】
このため、容易にテーパ部の形状を形成でき、高精度のノズル開口を形成することができる。
【0014】
そして、前記第2の工程では、前記圧電素子の運動を阻害しない程度の空間を確保する圧電素子保持部と前記テーパ部とを同時にウェットエッチングすることにより形成することを特徴とする。
【0015】
このため、圧電素子保持部を容易に形成することができると共にテーパ部と圧電素子保持部とを同時に形成することで製造工程を簡略化することができる。
【0016】
また、前記第2の工程では、前記流路形成基板との接合領域に接着剤の逃げ孔である複数の凹部と前記テーパ部とを同時にウェットエッチングすることにより形成することを特徴とする。
【0017】
このため、凹部を容易に形成することができると共にテーパ部と凹部とを同時に形成することで製造工程を簡略化することができる。
【0018】
また、前記シリコン単結晶基板の主面が(100)方位であることを特徴とする。
【0019】
このため、テーパ部をウェットエッチングにより容易且つ高精度に形成することができる。
【0020】
上記課題を解決するための請求項1に係る本発明のインクジェット式記録ヘッドは、ノズル開口が穿設されたノズルプレートと、前記ノズル開口に連通する圧力発生室が複数の隔壁により画成される流路形成基板と、前記圧力発生室の一部を構成する振動板を介して前記圧力発生室に対向する領域に設けられて前記圧力発生室内に圧力変化を生じさせる圧電素子とを具備するインクジェット式記録ヘッドにおいて、前記ノズルプレートが前記流路形成基板の圧電素子側に接着剤を介して接合されると共に前記ノズルプレートは、前記流路形成基板に接合される面に、前記圧電素子に対向する領域に設けられて当該圧電素子の運動を阻害しない程度の空間を確保した状態で当該空間を密封可能な圧電素子保持部と、前記流路形成基板に接合される領域に前記接着剤の逃げ孔である複数の凹部とを有することを特徴とする。
【0021】
請求項1に係る本発明では、ノズルプレートと流路形成基板とを接着する際に、無駄な接着剤が凹部に流れ込むため、流路への流れ込みが防止される。
【0022】
そして、請求項2に係る本発明のインクジェット式記録ヘッドは、請求項1に記載のインクジェット式記録ヘッドにおいて、前記ノズル開口が、厚さ方向に径が略同一に設けられた同径部と、該同径部に連通して径が開口に向かって漸大するテーパ部とを有することを特徴とする。
【0023】
請求項2に係る本発明では、インク吐出特性を向上することができる。
【0024】
そして、前記ノズルプレートがシリコン単結晶基板からなることが好ましい。
【0025】
これにより、ノズルプレートを容易且つ高精度に形成することができる。
【0026】
また、シリコン単結晶基板の主面が(100)方位であると共に前記圧電素子保持部、前記凹部及び前記ノズル開口の前記テーパ部がウェットエッチングにより形成されていることが好ましい。
【0027】
これにより、容易に且つ高精度でノズル開口のテーパ部及び凹部を形成することができる。
【0028】
また、前記流路形成基板がシリコン単結晶基板からなり、前記圧力発生室が異方性エッチングにより形成されていることが好ましい。
【0029】
これにより、異方性エッチングによって圧力発生室をより容易且つ高精度に形成することができる。
【0030】
上記課題を解決するための請求項3に係る本発明のインクジェット式記録装置は、請求項1または2の何れかに記載のインクジェット式記録ヘッドを具備することを特徴とする。
【0031】
請求項3に係る本発明では、インク吐出特性を向上したインクジェット式記録装置を実現できる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0033】
(実施形態)
図1は、本発明の実施形態に係るインクジェット式記録ヘッドを示す分解斜視図であり、図2は、図1の断面図であり、(a)は圧力発生室の長手方向断面図、(b)は(a)のA−A´断面図であり、図3は、ノズルプレートの斜視図である。
【0034】
図示するように、圧力発生室12が形成される流路形成基板10は、例えば、150μm〜1mmの厚さを有し、面方位(100)のシリコン単結晶基板からなり、その一方面側の表層部分には、異方性エッチングにより複数の隔壁11によって区画された圧力発生室12が形成されている。
【0035】
また、各圧力発生室12の長手方向一端部には、後述するリザーバ15と圧力発生室12とを接続するための中継室であるインク連通部13が圧力発生室12よりも幅の狭い狭隘部14を介して連通されている。また、これらインク連通部13及び狭隘部14は、圧力発生室12と共に異方性エッチングによって形成されている。なお、狭隘部14は、圧力発生室12のインクの流出入を制御するためのものである。
【0036】
この異方性エッチングは、ウェットエッチング又はドライエッチングの何れの方法を用いてもよいが、シリコン単結晶基板を厚さ方向に途中までエッチング(ハーフエッチング)することにより圧力発生室12は浅く形成されており、その深さは、ハーフエッチングのエッチング時間によって調整することができる。
【0037】
一方、流路形成基板10の他方面側には、各インク連通部13に連通し、各圧力発生室12にインクを供給するリザーバ15が形成されている。このリザーバ15は、流路形成基板10の他方面側から、所定のマスク56を用いて異方性エッチング、本実施形態では、ウェットエッチングによって形成されている。このリザーバ15は、本実施形態では、ウェットエッチングによって形成されているため、流路形成基板10の他方面側ほど開口面積が大きくなる形状を有し、インクを供給するすべての圧力発生室12の容積に対して、それよりも十分に大きい容積となっている。
【0038】
このような流路形成基板10上には、例えば、酸化ジルコニウム(ZrO2)等の絶縁層からなる、厚さ1〜2μmの弾性膜50が設けられている。この弾性膜50は、その一方の面で圧力発生室12の一壁面を構成している。
【0039】
このような弾性膜50上の各圧力発生室12に相対向する領域には、厚さが例えば、約0.5μmの下電極膜60と、厚さが例えば、約1μmの圧電体層70と、厚さが例えば、約0.1μmの上電極膜80とが、後述するプロセスで積層形成されて、圧電素子300を構成している。ここで、圧電素子300は、下電極膜60、圧電体層70及び上電極膜80を含む部分をいう。一般的には、圧電素子300の何れか一方の電極を共通電極とし、他方の電極及び圧電体層70を各圧力発生室12毎にパターニングして構成する。そして、ここではパターニングされた何れか一方の電極及び圧電体層70から構成され、両電極への電圧の印加により圧電歪みが生じる部分を圧電体能動部という。本実施形態では、下電極膜60を圧電素子300の共通電極とし、上電極膜80を圧電素子300の個別電極としているが、駆動回路や配線の都合でこれを逆にしても支障はない。何れの場合においても、各圧力発生室毎に圧電体能動部が形成されていることになる。また、ここでは、圧電素子300と当該圧電素子300の駆動により変位が生じる弾性膜とを合わせて圧電アクチュエータと称する。
【0040】
また、各圧電素子300の個別電極である上電極膜80は、圧電素子300の長手方向一端部近傍から弾成膜50上に延設されたリード電極90を介して図示しない外部配線と接続されている。
【0041】
さらに、圧力発生室12の長手方向のインク連通部13とは反対側の端部近傍には、弾性膜50及び下電極膜60を除去することにより、後述するノズル開口21に連通するノズル連通孔52が、各圧力発生室12毎に設けられている。
【0042】
また、圧電素子300が形成された弾性膜50及び下電極膜60上には、図1及び図2に示すように、各圧力発生室12にノズル連通孔52を介して連通するノズル開口21が穿設されたノズルプレート20が接着剤55を介して接合されている。このノズルプレート20は、面方位(100)の単結晶シリコン基板からなり、圧電素子300に対向する領域に、圧電素子300の運動を阻害しない程度の空間を確保した状態で、その空間を密封可能な圧電素子保持部22が設けられており、圧電素子300は、この圧電素子保持部22内に密封されている。
【0043】
この圧電素子保持部22は、圧電素子300のそれぞれに個別に設けてもよいし、並設された圧電素子300に亘って設けるようにしてもよい。本実施形態では、圧電素子保持部22を並設された圧電素子300に亘って設けるようにした。
【0044】
また、図3に示すように、ノズルプレート20に設けられたノズル開口21は、吐出側の面から厚さ方向に貫通することなく径が略同一に設けられた円筒形状の同径部21aと、この同径部21aに連通して開口面積が圧力発生室12側に向かって漸大する四角錐形状のテーパ部21bとを有する。
【0045】
このノズル開口21は、詳しくは後述するが、ノズルプレート20の一方面からドライエッチングすることにより、同径部21aが形成され、他方面からウェットエッチングすることによりテーパ部21bが形成されている。
【0046】
このテーパ部21bによって、インク滴の吐出量、吐出速度等のインク吐出性能が向上される。
【0047】
ここで、インク滴吐出圧力をインクに与える圧力発生室12の大きさと、インク滴を吐出するノズル開口21の大きさとは、吐出するインク滴の量、吐出スピード、吐出周波数に応じて最適化される。例えば、1インチ当たり360個のインク滴を記録する場合、ノズル開口21は数十μmの直径で精度よく形成する必要がある。
【0048】
本実施形態では、ノズルプレート20の厚みを60〜80μmとし、ノズル開口21の同径部21aの直径を20〜30μm、同径部21aの深さを25〜30μmとした。
【0049】
また、本実施形態のノズルプレート20は、流路形成基板10との接着部分、例えば、ノズル開口21及び圧電素子保持部22の周囲に対応する領域に、各圧力発生室12の周縁に沿って複数の凹部23が設けられている。このような凹部23を設けることにより、詳しくは後述するが、ノズルプレート20と流路形成基板10とを接着剤を介して接着する際に、無駄な接着剤がこの凹部23に流れ込むため、接着剤がノズル開口21及びノズル連通孔52内へ過度に流れ込むのを防止することができる。
【0050】
さらに、ノズルプレート20は、流路形成基板10と同一材料で形成されているため、流路形成基板10との接着時の熱工程や実装時の後工程の熱工程で、反りや反応の発生がなく、流路形成基板10あるいはノズルプレート20に割れが発生することがない。また、ノズルプレート20がシリコン単結晶基板からなるため、ノズルプレート20側から赤外線反射等によって、凹部23と圧力発生室12との位置合わせを容易且つ高精度に行うことができる。
【0051】
ここで、このようなノズルプレート20の形成方法について詳細に説明する。なお、図4及び図5は、ノズルプレートの製造方法を示す断面図である。
【0052】
まず、図4(a)に示すように、ノズルプレートとなる面方位(100)のシリコン単結晶基板200の一方面に、例えば、熱酸化により形成した酸化シリコンからなるマスク210を形成すると共にマスク210のノズル開口21の同径部21aとなる領域に、例えば、フッ酸(HF)等でエッチングして所定形状の開口220を形成する。
【0053】
次いで、図4(b)に示すように、シリコン単結晶基板210の一方面に設けられたマスク210をマスクパターンとしてドライエッチングすることにより、円筒形状の同径部21aを形成する。この同径部21aを形成するドライエッチングでは、シリコン単結晶基板200を厚さ方向に途中までハーフエッチングすることにより同径部21aを所定の深さ、本実施形態では、25〜35μmで形成した。
【0054】
次いで、図4(c)に示すように、シリコン単結晶基板200のマスク210を例えば、フッ酸(HF)等で剥離し、シリコン単結晶基板200の露出する全面にマスク211を形成すると共にシリコン単結晶基板200の他方面側に設けられたマスク211のテーパ部21b、圧電素子保持部22及び凹部23となる領域のそれぞれに矩形の開口221、222、223をエッチングにより形成する。
【0055】
なお、本実施形態では、マスク210を剥離した後、マスク211をシリコン単結晶基板210の露出する全面に設けることにより、膜厚の均一なマスク211を形成するようにしたが、これに限定されず、例えば、シリコン単結晶基板210の他方面側及び同径部21aの内面などの露出する面のみにマスク211を形成するようにしてもよい。
【0056】
次いで、図4(d)に示すように、開口221、222及び223の形成されたマスク211をマスクパターンとして、シリコン単結晶基板210を異方性エッチング(ウェットエッチング)することによりテーパ部21b、圧電素子保持部22及び凹部23を形成する。このウェットエッチングでは、面方位(100)のシリコン単結晶基板200をKOH等のアルカリ溶液に浸漬すると、シリコン単結晶基板200の面方向に対して54度の(111)面が露出されて、この(111)面の交差する点でエッチングが自動的に終了する。
【0057】
また、テーパ部21bを形成する開口221のエッチングでは、シリコン単結晶基板200の(111)面が同径部21aの底面側縁部となり、形成されたテーパ部21bが同径部21aの底面で連通するように開口221の大きさを適宜決定する必要がある。なお、このテーパ部21bを形成するウェットエッチングでは、同径部21の内面に設けられたマスク211により(111)面が交差する点までエッチングされることなく、同径部21aの底面で終了される。
【0058】
また、本実施形態では、圧電素子保持部22を並設された圧電素子300の全てを覆うように形成するため、開口222からのエッチングはハーフエッチングとなる。そのため、テーパ部21bの形成が自動的に終了する時間よりも若干長めの時間で圧電素子保持部22を形成しなくてはならず、圧電素子保持部22を形成する開口222の大きさも適宜決定する必要がある。
【0059】
なお、本実施形態では、テーパ部21bと圧電素子保持部22とを同時にウェットエッチングにより形成するようにしたが、勿論、別途形成するようにしてもよい。
【0060】
さらに、本実施形態の圧電素子保持部22は、並設された圧電素子300の全てを覆うものであるため、圧電素子保持部22の形状は、断面が台形状とするためにハーフエッチングにより形成される。この圧電素子保持部22のハーフエッチングでは、テーパ部21bの形成が終了するよりも長い時間行われるため、その時間に合った大きさで形成される。
【0061】
次いで、図5に示すように、シリコン単結晶基板200の両面側及び同径部21aの内面に設けられたマスク211を剥離して、同径部21aとテーパ部21bとを連通すると共に、シリコン単結晶基板200の露出する全面に亘ってマスク212を形成することでノズルプレート20が形成される。
【0062】
このマスク212は、ノズルプレート20の傷を防止すると共に親水性、接着性を向上するためのものである。
【0063】
その後、ノズルプレート20を流路形成基板10の圧電素子300側に接着剤により接合する。このとき、本実施形態では、ノズルプレート20の流路形成基板10との接着部分に複数の凹部23が形成されているため、無駄な接着剤25がこの凹部23に流れ込み、接着剤25がノズル開口21のテーパ部21b、ノズル連通孔52及び圧電素子保持部22等に過度に流れ込むことがない。これにより、流路形成基板10とノズルプレート20とを良好に接合することができ、接着による特性劣化を防止することができる。
【0064】
このように、本実施形態では、ノズル開口21の同径部21aをドライエッチングで形成すると共にテーパ部21bをウェットエッチングで形成するようにしたため、ノズル開口21を精度よく形成することができる。
【0065】
また、ノズル開口21のテーパ部21bと同時に、圧電素子保持部22及び凹部23を異方性エッチング(ウェットエッチング)により形成するようにしたため、製造工程を簡略化することができ、製造時間の短縮及び製造コストの低減を図ることができる。
【0066】
さらに、本実施形態では、ノズル開口21が穿設されたノズルプレート20を流路形成基板10の圧電素子300側に設けるようにしたので、圧力発生室12は流路形成基板10を貫通することなく形成されていてもよい。したがって、圧力発生室12を比較的薄く形成して各圧力発生室12を区画する隔壁11の剛性を高めることができ、複数の圧力発生室12を高密度に配列することができる。さらに、隔壁11のコンプライアンスが小さくなり、インクの吐出特性が向上する。
【0067】
また、流路形成基板10の厚さを比較的厚くできるため、大きなサイズのウェハとしても取り扱いが容易となる。したがって、ウェハ一枚当たりのチップの取り数を増加することができ、製造コストを低減することができる。また、チップサイズを大きくできるので、長尺のヘッドも製造することができる。さらには、流路形成基板の反りの発生も抑えられ、他の部材と接合する際に位置合わせが容易となり、接合後も、圧電素子の特性変化が抑えられてインク吐出特性が安定する。
【0068】
(他の実施形態)
以上、本発明の各実施形態を説明したが、インクジェット式記録ヘッドの基本的構成は上述したものに限定されるものではない。
【0069】
上述した実施形態では、圧電素子保持部22を並設された圧電素子300に亘って設けるようにしたが、これに限定されず、例えば、圧電素子保持部を各圧電素子300毎に設けるようにしてもよい。このような圧電素子300毎に設けられる圧電素子保持部とするときに、圧電素子保持部の形状は、ハーフエッチングにより断面が略台形状になるようにな形状としてもよいし、ウェットエッチングが自動的に終了されるように、断面が略三角形状となる形状としてもよい。
【0070】
また、上述の実施形態で説明した本発明のノズルプレートの用途は、インクジェット式記録ヘッドに限定されず、ノズル開口から液滴を吐出する他の液体噴射装置に適用することができることは言うまでもない。
【0071】
また、上述した実施形態のインクジェット式記録ヘッドは、インクカートリッジ等と連通するインク流路を具備する記録ヘッドユニットの一部を構成して、インクジェット式記録装置に搭載される。図6は、そのインクジェト式記録装置の一例を示す概略図である。
【0072】
図6に示すように、インクジェット式記録ヘッドを有する記録ヘッドユニット1A及び1Bは、インク供給手段を構成するカートリッジ2A及び2Bが着脱可能に設けられ、この記録ヘッドユニット1A及び1Bを搭載したキャリッジ3は、装置本体4に取り付けられたキャリッジ軸5に軸方向移動自在に設けられている。この記録ヘッドユニット1A及び1Bは、例えば、それぞれブラックインク組成物及びカラーインク組成物を吐出するものとしている。
【0073】
そして、駆動モータ6の駆動力が図示しない複数の歯車およびタイミングベルト7を介してキャリッジ3に伝達されることで、記録ヘッドユニット1A及び1Bを搭載したキャリッジ3はキャリッジ軸5に沿って移動される。一方、装置本体4にはキャリッジ3に沿ってプラテン8が設けられている。このプラテン8は図示しない紙送りモータの駆動力により回転できるようになっており、給紙ローラなどにより給紙された紙等の記録媒体である記録シートSがプラテン8に巻き掛けられて搬送されるようになっている。
【0074】
上述した実施形態例では、ノズルプレートのノズル開口の同径部をドライエッチングにより形成し、テーパ部をウェットエッチングにより形成するようにしたため、ノズル開口を精度よく形成することができる。また、ノズルプレートに面方位(100)のシリコン単結晶基板を用いることによりテーパ部のテーパ角が他の結晶方位を用いる場合よりも小さくできるため、テーパ部の開口を小さくでき、このようなノズルプレートを用いたインクジェット式記録ヘッドでは圧電素子を高密度で配置できると共に一つのチップサイズを小さくすることができる。
【0075】
また、ノズルプレートを形成する際に、ノズル開口のテーパ部と圧電素子保持部と凹部とを同時にウェットエッチングにより形成することで、製造工程を簡略化することができ、コストを低減することができる。
【0076】
【発明の効果】
以上説明したように本発明では、ノズルプレートの流路形成基板との接合面に凹部を設け、流路形成基板との接着時に無駄な接着剤がこの凹部内に流れ込むようにしたので、ノズル開口と連通する圧力発生室等のインク流路内に接着剤が流れ出るのを防止することができる。したがって、このようなノズルプレートをインクジェット式記録ヘッド等に用いれば、接着による特性劣化を防止して信頼性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係るインクジェット式記録ヘッドの斜視図である。
【図2】 本発明の一実施形態に係るインクジェット式記録ヘッドの断面図であり、(a)は圧力発生室の長手方向の断面図、(b)は(a)のA−A´断面図である。
【図3】 本発明の一実施形態に係るノズルプレートの斜視図である。
【図4】 本発明の一実施形態に係るノズルプレートの製造方法を示す断面図である。
【図5】 本発明の一実施形態に係るノズルプレートの製造方法を示す断面図である。
【図6】 本発明の一実施形態に係るインクジェット式記録装置の概略図である。
【符号の説明】
10 流路形成基板
11 隔壁
12 圧力発生室
20 ノズルプレート
21 ノズル開口
21a 同径部
21b テーパ部
22 圧電素子保持部
23 凹部
50 弾性膜
60 下電極膜
70 圧電体層
80 上電極膜
90 リード電極
300 圧電素子

Claims (3)

  1. ノズル開口が穿設されたノズルプレートと、前記ノズル開口に連通する圧力発生室が複数の隔壁により画成される流路形成基板と、前記圧力発生室の一部を構成する振動板を介して前記圧力発生室に対向する領域に設けられて前記圧力発生室内に圧力変化を生じさせる圧電素子とを具備するインクジェット式記録ヘッドにおいて、
    前記ノズルプレートが前記流路形成基板の圧電素子側に接着剤を介して接合されると共に前記ノズルプレートは、前記流路形成基板に接合される面に、前記圧電素子に対向する領域に設けられて当該圧電素子の運動を阻害しない程度の空間を確保した状態で当該空間を密封可能な圧電素子保持部と、前記流路形成基板に接合される領域に前記接着剤の逃げ孔である複数の凹部とを有することを特徴とするインクジェット式記録ヘッド。
  2. 請求項1に記載のインクジェット式記録ヘッドにおいて、前記ノズル開口が、厚さ方向に径が略同一に設けられた同径部と、該同径部に連通して径が開口に向かって漸大するテーパ部とを有することを特徴とするインクジェット式記録ヘッド。
  3. 請求項1または2の何れかに記載のインクジェット式記録ヘッドを具備することを特徴とするインクジェット式記録装置。
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