JP5066098B2 - 積層型圧電素子、これを備えた噴射装置及び燃料噴射システム - Google Patents

積層型圧電素子、これを備えた噴射装置及び燃料噴射システム Download PDF

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Description

本発明は、例えば、駆動素子(圧電アクチュエータ)、センサ素子及び回路素子に用いられる積層型圧電素子に関するものである。駆動素子としては、例えば、自動車エンジンの燃料噴射装置、インクジェットのような液体噴射装置、光学装置のような精密位置決め装置、振動防止装置が挙げられる。センサ素子としては、例えば、燃焼圧センサ、ノックセンサ、加速度センサ、荷重センサ、超音波センサ、感圧センサ及びヨーレートセンサが挙げられる。また、回路素子としては、例えば、圧電ジャイロ、圧電スイッチ、圧電トランス、圧電ブレーカーが挙げられる。
従来から、積層型圧電素子は、小型化が進められると同時に、大きな圧力下において大きな変位量を確保するように求められている。そのため、より高い電界が印加され、しかも長時間連続駆動させる過酷な条件下で使用できることが要求されている。しかしながら、大きな変位量を確保しようとすると、圧電体の変位に伴って外部電極には大きな応力がかかる。
そこで、特許文献1に開示されているように、外部電極の複数の箇所に導電体を接続する構造の素子が提案されている。多数の導電体を外部電極に接続することにより、外部電極に複数のクラックが生じた場合にも、素子の変位量が低下することが抑えられる。
特開2000−269562号公報
図1に示すように、本実施形態の積層型圧電素子1(以下、素子1ともいう。)は、複数の圧電体層3と複数の内部電極5とが交互に積層された積層構造7と、積層構造7の側面に形成されるとともに内部電極5が接続された陽極側及び陰極側の外部電極9と、を備えている。また、積層構造7は、圧電体層3及び内部電極5と比較して剛性が低く圧電体層3及び内部電極5と一体焼成された低剛性層11を備え、低剛性層11によって積層方向に区分される複数の部位を有している。そして、各部位には、陽極側及び陰極側の外部電極9にそれぞれ電気的に接続された少なくとも一対の通電部13(電力供給部材)が配設されている。
本実施形態において、低剛性層11とは、圧電体層3及び内部電極5と比較して層内の結合力及び/又は隣接する層との結合力が弱い層を意味している。このため、低剛性層11の層内及び/又は隣接する層との界面にはクラックが生じ易い。
このように、低剛性層11が、積層型圧電素子1の製造工程における分極時、焼成時、及び、積層型圧電素子1の使用時に破断しやすい。そのため、低剛性層11を用いることで積層構造7の所定の位置にクラックを生じさせることができる。仮に、圧電体層3にクラックが生じると、隣り合う内部電極5間で電気的短絡が発生する可能性がある。また、内部電極5にクラックが生じると、電圧が適切に印加されない部位が生じ、素子1の変位量が低下する可能性がある。しかし、上記のような低剛性層11を設けることにより、内部電極5や圧電体層3にクラックが生じる可能性を低減することができる。結果として、安定して駆動する信頼性の高い積層型圧電素子1を提供することができる。
積層型圧電素子の変位量が大きい場合には、外部電極の複数の箇所にクラックが生じる場合がある。この場合、長時間の駆動によって生じたクラックにより、積層構造の一部に電圧が印加されず変位量が低下する可能性がある。
しかしながら、低剛性層11を設けることにより、所定の位置にクラックを生じさせることが出来る、言い換えれば、予めクラックが生じる位置が分かっているため、低剛性層11によって積層方向に区分される複数の部位に、それぞれ外部電極9に電気的に接続される通電部13を無駄なく設けることができる。
各部位にそれぞれ通電部13が配設されているので、積層型圧電素子1の長期間の使用により、複数の低剛性層11でクラックが生じて、外部電極9の複数の箇所で破断が起きたとしても、安定してそれぞれの内部電極5に電圧を印加することが可能となる。このようにして、クラックの発生による積層型圧電素子1の変位量の減少を抑制することができる。
低剛性層11、圧電体層3及び内部電極5の剛性は、例えば素子に対して、積層方向に垂直な方向に荷重を加えることで容易に比較できる。具体的には、JIS3点曲げ試験(JIS R 1601)などにより、素子1に対して積層方向に垂直な方向から荷重を加えることで判断できる。上記の試験を行ったときに、どの部分で素子1が破断するかを確認すればよいからである。その破断箇所が素子の中で最も剛性が低い箇所である。
本実施形態の積層型圧電素子1は低剛性層11を備えているので、JIS3点曲げ試験を行うと、圧電体層3や内部電極5よりも、この低剛性層11及び/又は低剛性層11と圧電体層3との界面で優先的に破断が起きる。このように、破断した箇所が圧電体層3や内部電極5であるか、或いは、低剛性層11や低剛性層11と圧電体層3との界面であるかにより低剛性層11の有無を判断することができる。
なお、どの部分で素子1が破断するかを確認すればよいことから、試験片が小さく、上記JIS3点曲げ試験を用いることができない場合には、このJIS3点曲げ試験に準拠して、素子1を長方形の角柱となるように加工して試験片を作製し、この試験片を一定距離に配置された2支点上に置き、支点間の中央の1点に荷重を加えることにより、低剛性層11の有無を判断すればよい。
低剛性層11は、圧電体層3や内部電極5よりも剛性の低い材料を用いること、或いは、後述するように、多くの空隙が形成されていることなどにより、圧電体層3や内部電極5よりも剛性を低くすることができる。
また、低剛性層が、圧電体層及び内部電極と一体焼成されることにより形成されている場合には、弾性を有する導電性接着材を介して積層構造を複数積層する必要がない。そのため、複数の圧電素子を導電性接着材で接合するような工程は不要となる。結果として、積層型圧電素子をより簡易に作製することができる。
また、本実施形態において、低剛性層11、圧電体層3及び内部電極5の剛性は、ヤング率によっても評価することができる。圧電体層3及び内部電極5よりも剛性が小さい低剛性層11は、圧電体層3や内部電極5と比較してヤング率が小さいからである。低剛性層11のヤング率が小さい理由としては、例えば、後述するように、圧電体層3及び内部電極5と比較して多くの空隙が形成されていることなどが挙げられる。
ヤング率の測定方法としては、例えば、ナノインデンテーション法を用いることができる。測定装置としては、例えば、ナノインスツルメント社製の「ナノインデンターII」を用いることができる。積層構造7の積層方向に垂直若しくは平行な断面において、低剛性層11、圧電体層3又は内部電極5を露出させ、上記の測定装置を用いてヤング率を測定すれば良い。
次に、本発明の第2の実施形態について説明をする。
図3に示すように、積層型圧電素子1は、複数の圧電体層3と複数の内部電極5とが交互に積層された積層構造7と、積層構造7の側面に形成されるとともに内部電極5が接続された陽極側及び陰極側の外部電極9(電力供給部材)とを備えている。また、積層構造7は、圧電体層3及び内部電極5と比較して剛性が低く、圧電体層3及び内部電極5と一体焼成された低剛性層11を備えている。さらに、外部電極9は、積層構造7の側面において、低剛性層11を基準とした積層方向の一方側と他方側に離隔している。
本実施形態において、低剛性層11とは、圧電体層3及び内部電極5と比較して剛性が低い層である。これらの剛性は、本発明の第1の積層型圧電素子1と同様に、JIS3点曲げ試験(JIS R 1601)、上記のJIS3点曲げ試験に準拠した試験、或いは、ヤング率を測定することにより評価することができる。また、本発明の第1の積層型圧電素子1と同様に、低剛性層11は、圧電体層3及び内部電極5と比較して層内の結合力及び/又は隣接する層との結合力が弱い層であるとも言える。そのため、低剛性層11の層内及び/又は隣接する層との界面にはクラックが生じ易い。
そして、本実施形態においては、外部電極9が積層構造7の側面において低剛性層11を基準とした積層方向の一方側と他方側に離隔している。外部電極9が離隔している、換言すれば、外部電極9に予め所定の形状の破断箇所が設けられているので、低剛性層11に生じたクラックによる外部電極9への影響を小さくすることができる。これにより、外部電極9に予想外の方向にクラックが生じる可能性を小さくすることができる。
外部電極9は、積層構造7の側面において、低剛性層11を基準とした積層方向の一方側と他方側に離隔している。このとき、外部電極9の隙間が、低剛性層11の平均厚みの0.1倍〜2倍であることが好ましい。0.1倍以上であることにより、低剛性層11で生じるクラックの影響を小さくすることができる。また、2倍以下であることにより、安定してそれぞれの内部電極5に所定の電圧を印加することが可能となる。
そして、各部位に位置するとともに互いに離隔する、それぞれの外部電極9に通電部13を電気的に接続することによって、それぞれの内部電極5に安定して所定の電圧を印加することができる。結果、安定して駆動する信頼性の高い積層型圧電素子1を提供することができる。
次に、本発明の第3の実施形態について説明をする。
図4に示すように、積層型圧電素子1は、複数の圧電体層3と複数の内部電極5とが交互に積層された積層構造7と、積層構造7の側面に形成されるとともに内部電極5が接続された陽極側及び陰極側の外部電極9と、外部電極9の外表面に配設された導電性接着材15(電力供給部材)と、を備えている。また、積層構造7は、圧電体層3及び内部電極5と比較して剛性が低く圧電体層3及び内部電極5と一体焼成される低剛性層11を備えている。さらに、導電性接着材15は、積層構造7の側面において、低剛性層11を基準とした積層方向の一方側と他方側に離隔している。
本実施形態において、低剛性層11とは、本発明の第1の積層型圧電素子1と同様に、圧電体層3及び内部電極5と比較して剛性が低い層であり、JIS3点曲げ試験(JIS R 1601)や上記のJIS3点曲げ試験に準拠した試験、或いは、ヤング率を測定することにより評価することができる。また、本発明の第1の積層型圧電素子1と同様に、低剛性層11は、圧電体層3及び内部電極5と比較して層内の結合力及び/又は隣接する層との結合力が弱い層であるため、低剛性層11の層内及び/又は隣接する層との界面にはクラックが生じ易い。
そして、本実施形態においては、導電性接着材15が積層構造7の側面において低剛性層11を基準とした積層方向の一方側と他方側に離隔している。導電性接着材15が離隔している、換言すれば、導電性接着材15に予め所定の形状の破断箇所が設けられているので、低剛性層11にクラックが生じたとしても、導電性接着材15に予想外の方向にクラックが生じる可能性を低減できる。
本実施形態において、導電性接着材15は外部電極9と通電部13を接合するために用いられている。そして、この導電性接着材15は、外部電極9の外表面に層状に形成されることがある。これは、導電性接着材15を積層構造7の側面に形成する工程が簡易になると同時に、外部電極9と通電部13をより確実に接合することが出来るようになるからである。このように導電性接着材15が層状に形成されている場合には、導電性接着材15が上記のように離隔していることが特に有効となる。
また、導電性接着材15の厚みは、10μm〜200μmであることが好ましい。10μm以上である場合には、より確実にそれぞれの内部電極5に所定の電圧を印加することが可能となる。また、200μm以下である場合には、積層型圧電素子1を繰り返し駆動させることにより生じる応力によってもクラックが発生しにくくなる。
また、導電性接着材15は、積層構造7の側面において、低剛性層11を基準とした積層方向の一方側と他方側に離隔している。このとき導電性接着材15の隙間が、低剛性層11の平均厚みの0.1倍〜3倍であることが好ましい。低剛性層11の厚みの0.1倍以上であることにより、低剛性層11で生じるクラックの影響を受けることを低減することができる。また、3倍以下であることにより、安定してそれぞれの内部電極5に所定の電圧を印加することが可能となる。
導電性接着材15は、陽極側及び陰極側のそれぞれの外部電極9と通電部13を電気的に接続するものであれば、特に限定されることはない。そのため、導電性接着材15の材料として、具体的には、半田、ロウ材、或いは導電性樹脂を用いることができる。特に、外部電極9と通電部との接合の耐久性の面という点から鉛と錫と銀の合金を用いた半田が好適である。
上記のように互いに離隔する導電性接着材15を用いて、外部電極9と通電部13とを電気的に接続することにより、結果として、それぞれの内部電極5に安定して所定の電圧を印加することができる。これにより、安定して駆動する信頼性の高い積層型圧電素子1を提供することができる。
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。
図5に示すように、積層型圧電素子1は、外部電極9が、積層構造7の側面において、低剛性層11を基準として積層方向の一方側と他方側に離隔していることが好ましい。外部電極9及び導電性接着材15がこのように離隔していることにより、外部電極9及び導電性接着材15の双方に予想外のクラックが発生することを抑制できる。これにより、各々の内部電極5に対して、より確実に所定の電圧を印加することができる。結果、耐久性に優れ、高電界、高圧力下においても安定して長時間連続駆動する積層型圧電素子1を提供することが可能となる。
また、低剛性層11の積層方向の両側に、圧電体層3がそれぞれ隣接していることが好ましい。低剛性層11の積層方向の両側に、圧電体層3がそれぞれ隣接しているときには、絶縁性の高い圧電体により低剛性層11が挟まれているので、低剛性層11で生じるクラックを介しての電気的な短絡の発生を効果的に低減することができる。
具体的には、低剛性層11の積層方向の両側には、圧電体層3がそれぞれ隣接しているため、低剛性層11にクラックが生じたとしても、低剛性層11と積層方向に隣り合う内部電極5がクラック面に露出する可能性を小さくできる。その結果、低剛性層11と積層方向にそれぞれ隣り合う内部電極5の間及び/又は内部電極5と外部電極9との間でのクラックを介しての電気的な短絡が発生することを抑制することができる。
低剛性層11の材料としては、圧電体層3及び内部電極5と比較して剛性が低く、圧電体層3及び内部電極5と一体焼成できるものであればよい。具体的には、例えば、Cu又はNiのような単体の金属、若しくは、銀−白金又は銀−パラジウムのような合金が挙げられる。特に、耐マイグレーション性や耐酸化性があり、ヤング率が低く、安価であるという点から銀−パラジウムを主成分とすることが好ましい。
また、低剛性層11は、上記のように、金属成分を主成分として形成されていてもよいが、例えば、セラミックス等により形成されていてもよい。
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。
図6及び7に示すように、低剛性層11に多くの空隙17が形成され、この低剛性層11は、内部電極5及び圧電体層3よりも空隙率が高い。そのため、圧電体層3や内部電極5と比較して剛性が更に低い。これにより、クラックの生じる場所を低剛性層11により確実に集中させて、内部電極5や圧電体層3にクラックが生じる可能性を抑えることができる。また、低剛性層11に多くの空隙17が形成されている場合には、駆動によって低剛性層11と積層方向に隣り合う層が変形しても、この空隙17により応力を吸収し、緩和することができる。そのため、隣り合う層でのクラックの発生を抑制することができる。
また、低剛性層11は、互いに離隔した複数の金属部19を有している。低剛性層11がこのように形成されることにより、低剛性層11内での結合力及び/又は隣接する層との結合力が低下するからである。結果として、低剛性層11の剛性を低くすることができる。
金属部19を備えた低剛性層11の組成は、例えば、以下のようにして測定することができる。即ち、まず、低剛性層11の金属部19が露出するように、積層構造7を切断する。そして、低剛性層11の一部を採取する。次に、ICP(誘導結合プラズマ)発光分析等の化学分析をすることで、低剛性層11の組成を測定できる。あるいは、積層型圧電素子1の切断面を、EPMA(Electron Probe Micro Analysis)法を用いて分析、測定してもよい。また、積層型圧電素子1の切断面において、金属成分だけでなく、ボイド及び/又はセラミックス成分のような金属以外の成分も含まれている場合がある。このような場合であっても、低剛性層11をSEM(走査型電子顕微鏡)若しくは金属顕微鏡で観察することができる。また、低剛性層11をEPMA法により分析することができる。
また、低剛性層11は、大きさの異なる多数の金属部19がランダムに配設されたものであることが好ましい。1つの低剛性層11内で応力に大きなばらつきがあるような場合には、低剛性層11を上記の形状に形成することが特に有効である。1つの低剛性層11内に応力が局所的に集中する可能性を小さくし、1つの低剛性層11内のより広範囲に応力を分散させることができるからである。
次に、本発明の第6の実施形態について説明する。
図8及び9に示すように、低剛性層11が、空隙17を介して互いに離隔した複数の金属部19を有していることがより好ましい。低剛性層11は、空隙17を介して互いに離隔した複数の金属部19を有している。これにより、クラックの生じる場所を低剛性層11により確実に集中させることができる。そのため、内部電極5や圧電体層3にクラックが生じる可能性をより小さくすることができる。また、互いに離隔した複数の金属部19を有していることにより、低剛性層11で生じるクラックを介しての電気的な短絡の発生の可能性をより低減することができる。
ここで、空隙率とは、積層構造7の積層方向に垂直若しくは平行な断面において、積層構造7の断面積に対して空隙17の面積が占める割合(%)を意味する。
空隙率を測定するには、例えば以下のようにして行えばよい。まず、積層方向に垂直な断面が露出するように、積層構造7を公知の研磨手段を用いて研磨処理する。具体的には、例えば研磨装置としてケメット・ジャパン(株)社製卓上研磨機KEMET−V−300を用いてダイヤモンドペーストで研磨することができる。この研磨処理により露出した断面を、例えば走査型電子顕微鏡(SEM)、光学顕微鏡、金属顕微鏡などにより観察することで断面画像を得る。この断面画像を画像処理することによって内部電極5及び低剛性層11の空隙率を測定することができる。
具体的には、光学顕微鏡にて撮影した内部電極5及び低剛性層11の画像に対して、空隙部分を黒色に塗りつぶし、空隙以外の部分を白色に塗りつぶす。そして、黒色部分の比率、即ち、(黒色部分の面積)/(黒色部分の面積+白色部分の面積)を求め、百分率で表すことにより空隙率を算出することができる。また、断面画像がカラーである場合は、グレースケールに変換して黒色部分と白色部分に分ければよい。このとき、黒色部分と白色部分に2階調化するための境界のしきい値を設定する必要がある場合には、画像処理ソフトウェアや目視により境界のしきい値を設定して2値化すればよい。
なお、低剛性層11の空隙率は10%〜95%であることが好ましい。10%以上であるときには、低剛性層11で生じたクラックの圧電体層3及び/又は内部電極5への進展を効果的に抑制することができる。また、95%以下であるときには、積層型圧電素子1の外形の形状を安定して保持することができる。
また、低剛性層11が、互いに離隔した複数のセラミック部21を有していることが好ましい。セラミック部21自体が順次破損するので、圧電体層3が変位することにより生じる応力を広範囲に分散させることができるからである。これにより、高い耐久性を有するとともに高い信頼性を備えた積層型圧電素子1を得ることができる。
セラミック部21としては、具体的には、チタン酸ジルコン酸鉛(PbZrO−PbTiO)等のペロブスカイト型酸化物を用いることができる。セラミック部21の成分は、既に述べたようにEPMA法等の分析方法を用いることで分析、測定することができる。
また、低剛性層11は、大きさの異なる多数のセラミック部21がランダムに配設されたものであることが好ましい。1つの低剛性層11内で応力に大きなばらつきがある場合には、低剛性層11を上記の形状に形成することが特に有効である。低剛性層11の一部に応力が局所的に集中する可能性を小さくするとともに、より広範囲に応力を分散させることができるからである。
さらに、低剛性層11は、空隙17を介して互いに離隔した複数のセラミック部21を有していることがより好ましい。セラミック部21自体がより破損しやすくなるので、圧電体層3が変位することにより生じる応力をより広範囲に分散させることができるからである。この場合、低剛性層11の空隙率は30%〜90%であることが好ましい。
低剛性層11の空隙率が30%以上であるときには、低剛性層11による応力分散の効果が高まり、信頼性の高い積層型圧電素子1とすることができる。さらに、空隙率は50%以上であることがより好ましい。低剛性層11に接する圧電体層3に応力が伝わった時に、各々のセラミック部21が、応力に対して大きく変形することができる。結果、素子の応力分散の効果がより高まって、信頼性の特に高い積層型圧電素子1とすることができる。
また、低剛性層11の空隙率が90%以下であるときには、素子1を長時間使用したとしても、素子の寸法が変化することを抑制できるので、安定して駆動させることができる。これは、低剛性層11が主に、柱状のセラミック部21によって形成されるからである。このようなセラミック部21により、低剛性層11に接する圧電体層3同士が支持される。これにより、低剛性層11が破損する場合であっても、急激に破損するのではなく、応力の集中した箇所から徐々に破損する。結果、素子駆動制御系において、余裕をもって異常検知をすることが可能となり、信号制御系回路で外部から素子の駆動を細かく制御することができる。
なお、本実施形態において、空隙率とは、既に示したように、積層構造7の積層方向に垂直若しくは平行な断面において、低剛性層11の断面積に対して空隙17の面積が占める割合(%)を意味する。また、空隙率の測定方法も既に示した方法を用いればよい。
次に、本発明の第7の実施形態について説明する。
図10に示すように、互いに離隔した複数の金属部19及び複数のセラミック部21が低剛性層11に備えられていることで、耐久性の優れた積層型圧電素子1とすることができる。
これは、急激な応力に対してはセラミック部21により優れた応力緩和効果が発揮され、常時加わる応力に対しては金属部19により優れた応力緩和効果が発揮されるからである。結果、様々な形態の応力に対応できるので、耐久性の非常に優れた積層型圧電素子1を得ることができる。
さらに、低剛性層11が、金属部19とセラミック部21とを備え、金属部19とセラミック部21が互いに接した部位を有していることが好ましい。このように低剛性層11が形成されているときには、応力緩和の効果がより大きくなる。既に示したように、金属部19、セラミック部21は応力緩和の作用効果にそれぞれ特徴がある。そして、金属部19とセラミック部21とが互いに接しているときには、応力緩和の効果にそれぞれ特徴のある、これらの部位を一体となって作用させることができるからである。
また、このとき、金属部19とセラミック部21の比率が同程度であることが好ましい。それぞれの効果が効率よく発揮されて、耐久性の非常に高い積層型圧電素子1とすることが出来るからである。なお、ここでの比率は、積層構造7の積層方向に垂直若しくは平行な断面における金属部19とセラミック部21のそれぞれの面積を合計したものの比率を意味している。
また、セラミック部21が圧電体により形成されることが好ましい。圧電体によりセラミック部21が形成されることで、より高い応力緩和効果を発揮することができる。これは、互いに離隔するように圧電体を配設することで、圧電体であるセラミック部21の自由度が高くなるからである。セラミック部21の自由度が高くなると、セラミック部21に応力が加わったときに、圧電結晶内のイオンの配置が移動して、応力方向に応じて結晶構造が変形しやすくなる。これにより、高い応力緩和効果を得ることができるようになる。
また、低剛性層11の厚みは1〜20μmであることが好ましい。1μm以上であるときには、低剛性層11が変形しやすくなるので、広範囲に応力を解放することができる。また、20μm以下であるときには、低剛性層11において破断の生じる位置を安定させることができる。
また、積層構造7が、積層方向に複数の低剛性層11を有していることが好ましい。具体的には、5〜300層の圧電体層3毎に低剛性層11を配設することが好ましい。5層以上の圧電体層3毎に低剛性層11を配設することにより、圧電体層3を拘束する力が向上し、圧電体層3との接合強度が向上する。また300層以下の圧電体層3毎に低剛性層11を配設することにより、十分に圧電体層3を拘束する力を分散させることができる。
また、低剛性層11は、複数存在し、これらが積層方向に規則的に配置されていることが好ましい。規則的に配置することで積層構造7全体の拘束力を分散でき、低温の長時間駆動においても圧電変位の変化量の減少が抑えられ、安定して長時間駆動させることができる。
例えば、各々の低剛性層11間に配設される圧電体層3を同じ数にするなどして、各々の低剛性層11間を一定の間隔とすることにより、単純な構成であって製造が簡易でありながらも、低剛性層11以外でクラックが生じることを抑制できる。
次に、本発明の第8の実施形態について説明する。
また、低剛性層11は、積層構造7の積層方向に一定の間隔で配設されていてもよいが、図11に示すように、積層方向の中心から両端面に向かって徐々に間隔を空けるように配設してもよい。積層構造7の中心付近に応力が集中するので、低剛性層11がこのように配設されることにより、応力の集中を抑制して分散させることができる。これにより、電圧印加時に生じる積層構造7の歪みを抑えることができる。
さらに、例えば、応力が集中する積層構造7の中心付近には、複数の低剛性層11を一定の間隔で配設し、この低剛性層11が一定の間隔で配設された部位の両端側では、低剛性層11の間隔を漸次増加させてもよい。これにより、応力の集中を防止して分散させつつ、また、変位量の大きい積層型圧電素子1を製造することができる。
次に、本発明の第9の実施形態について説明する。
図12に示すように、積層型圧電素子1は、複数の圧電体層3と複数の金属層23とが交互に積層された積層構造7と、積層構造7の側面に形成された陽極側及び陰極側の外部電極9と、を備えている。金属層23は、陽極側及び陰極側の外部電極9に接続される内部電極5と、圧電体層3及び内部電極5と比較して剛性が低い低剛性金属層25と、を有している。また、積層構造7が、低剛性金属層25によって積層方向に区分される複数の部位を有している。そして、各部位には、陽極側及び陰極側の外部電極9にそれぞれ電気的に接続された少なくとも一対の通電部13(電力供給部材)が配設されている。
本実施形態において、低剛性金属層25とは、圧電体層3及び内部電極5と比較して剛性が低く、層内の結合力及び/又は隣接する層との結合力が弱い層を意味している。このため、低剛性金属層25の層内及び/又は隣接する層との界面にはクラックが生じ易い。
このような低剛性金属層25を有していることにより、本発明の第1の積層型圧電素子1における低剛性層11と同様の作用効果を得ることができる。つまり、積層型圧電素子1の製造工程における分極時や焼成時、或いは積層型圧電素子1として使用する間に低剛性金属層25が破断し易い。そのため、内部電極5や圧電体層3にクラックが生じる可能性を低減することができる。結果として、安定して駆動する信頼性の高い積層型圧電素子1を提供することができる。
また、低剛性金属層25を設けることにより、本発明の第1の積層型圧電素子1と同様に、クラックが生じる位置を予想しやすい。そのため、低剛性金属層25によって積層方向に区分される複数の部位に、それぞれ外部電極9に電気的に接続される通電部13を無駄なく設けることができる。
このように、上記それぞれの部位に少なくとも一対の通電部13が配設されているので、外部電極9の複数の箇所で破断が起きたとしても、安定してそれぞれの内部電極5に電圧を印加することが可能となる。結果、クラックの発生による積層型圧電素子1の変位量の減少を抑制することができる。
なお、低剛性金属層25、圧電体層3及び内部電極5の剛性は本発明の第1の積層型圧電素子1と同様に、JIS3点曲げ試験(JIS R 1601)、上記のJIS3点曲げ試験に準拠した試験、又は、ヤング率を測定することにより評価することができる。
本実施形態の積層型圧電素子1は低剛性金属層25を備えているので、JIS3点曲げ試験を行うと、圧電体層3や内部電極5よりも、この低剛性金属層25や低剛性金属層25と圧電体層3との界面で優先的に破断が起きる。このように、破断した箇所が圧電体層3や内部電極5であるか、或いは、低剛性金属層25や低剛性金属層25と圧電体層3との界面であるかにより低剛性金属層25の有無を確認できる。
低剛性金属層25は、圧電体層3や内部電極5よりも剛性の低い材料を用いること、或いは、後述するように、多くの空隙17が形成されていることなどにより、圧電体層3や内部電極5よりも剛性を低くすることができる。
また、外部電極9が、積層構造7の側面において、低剛性金属層25を基準とした積層方向の一方側と他方側に離隔していることが好ましい。そのため、外部電極9が積層構造7の側面において低剛性金属層25を基準とした積層方向の一方側と他方側に離隔していることにより、外部電極9に予想外の方向にクラックが生じることを防止できるからである。
また、外部電極9の外表面には、低剛性金属層25を基準とした積層方向の一方側と他方側に離隔する導電性接着材15が配設されていることが好ましい。このように導電性接着材15が配設されていることにより、本発明の第3の積層型圧電素子1と同様に、簡易な工程でありながらも、安定して外部電極9と通電部13とを電気的に接続することができるからである。
また、低剛性金属層25が、互いに離隔した複数の金属部19を有している。低剛性層11と同様に、低剛性金属層25がこのように形成されることにより、低剛性金属層25内での結合力及び/又は隣接する層との結合力が低下するからである。そのため、剛性
さくすることができる。
金属部19を備えた低剛性金属層25の組成は、低剛性層11の測定と同様に、EPMA(Electron Probe Micro Analysis)法等の分析方法を用いることで分析、測定することができる。
低剛性金属層25の材料としては、例えば、Cu、Ni等の単体の金属、銀−白金や銀−パラジウム等の合金を用いることができる。特に、耐マイグレーション性や耐酸化性があり、ヤング率が低く、安価であるという点から銀−パラジウムを主成分とすることが好ましい。
さらに、低剛性金属層25が、空隙17を介して互いに離隔した複数の金属部19を有していることが好ましい。低剛性層11と同様に、低剛性金属層25がこのように形成されることにより、内部電極5や圧電体層3にクラックが生じる可能性をより小さくすることができるからである。また、空隙17を介して互いに離隔した複数の金属部19を有していることで、低剛性金属層25で生じるクラックを介しての電気的な短絡の発生を効果的に低減することができる。
ここで、空隙率とは、積層構造7の積層方向に垂直若しくは平行な断面において、積層構造7の断面積に対して空隙17の面積が占める割合(%)を意味する。空隙率を測定するには、既に示したように、低剛性層11の場合と同様にして行えばよい。
次に、本発明の第10の実施形態について説明する。
図13に示すように、積層型圧電素子1は、複数のセラミック層27と複数の内部電極5とが交互に積層された積層構造7と、積層構造7の側面に形成されるとともに内部電極5が接続された陽極側及び陰極側の外部電極9と、を備えている。セラミック層27は、圧電体層3と、圧電体層3及び内部電極5と比較して剛性が低い低剛性セラミック層29と、を有している。また、積層構造7が、低剛性セラミック層29によって積層方向に区分される複数の部位を有している。そして、各部位には、陽極側及び陰極側の外部電極9にそれぞれ電気的に接続された少なくとも一対の通電部13(電力供給部材)が配設されている。
本実施形態において、低剛性セラミック層29とは、圧電体層3及び内部電極5と比較して剛性が低く、層内の結合力及び/又は隣接する層との結合力が弱い層を意味している。このため、低剛性セラミック層29の層内及び/又は隣接する層との界面にはクラックが生じ易い。
このような低剛性セラミック層29を有することにより、本発明の第1の積層型圧電素子1における低剛性層11と同様の効果を得ることができる。これは、積層型圧電素子1の製造工程上の分極時や焼成時、或いは積層型圧電素子1の使用時に低剛性セラミック層29が破断し易い。そのため、内部電極5や圧電体層3にクラックが生じる可能性を低減することができる。結果として、安定して駆動する信頼性の高い積層型圧電素子1を提供することができる。
また、低剛性セラミック層29を設けることにより、本発明の第1の積層型圧電素子1と同様に、予めクラックが生じる位置を予測しやすい。そのため、低剛性セラミック層29によって積層方向に区分される複数の部位に、それぞれ外部電極9に電気的に接続される通電部13を無駄なく設けることができる。
このように、上記それぞれの部位に少なくとも一対の通電部13が配設されているので、外部電極9の複数の箇所で破断が起きたとしても、安定してそれぞれの内部電極5に電圧を印加することが可能となる。結果、積層型圧電素子1の変位量の減少を抑制することができる。
なお、低剛性セラミック層29、圧電体層3及び内部電極5の剛性は本発明の第1の積層型圧電素子1と同様に、JIS3点曲げ試験(JIS R 1601)、上記のJIS3点曲げ試験に準拠した試験、又は、ヤング率を測定することにより評価することができる。
本実施形態の積層型圧電素子1は低剛性セラミック層29を備えているので、JIS3点曲げ試験を行うと、圧電体層3や内部電極5よりも、この低剛性セラミック層29や低剛性セラミック層29と圧電体層3との界面で優先的に破断が起きる。このように、破断した箇所が圧電体層3や内部電極5であるか、或いは、低剛性セラミック層29や低剛性セラミック層29と圧電体層3との界面であるかにより低剛性セラミック層29の有無を確認できる。
低剛性セラミック層29は、圧電体層3や内部電極5よりも剛性の低い材料を用いること、或いは、後述するように、多くの空隙17が形成されていることなどにより、圧電体層3や内部電極5よりも剛性を低くすることができる。
また、外部電極9が、積層構造7の側面において、低剛性セラミック層29を基準とした積層方向の一方側と他方側に離隔していることが好ましい。外部電極9が積層構造7の側面において低剛性セラミック層29を基準とした積層方向の一方側と他方側に離隔していることにより、外部電極9において、予想外の方向にクラックが生じることを防止できるからである。
また、外部電極9の外表面において、低剛性セラミック層29を基準とした積層方向の一方側と他方側に離隔する導電性接着材15を備えていることが好ましい。このように導電性接着材15を形成することにより、本発明の第3の積層型圧電素子1と同様に、簡易な工程でありながらも、安定して外部電極9と通電部13とを電気的に接続することができるからである。
また、低剛性セラミック層29は、互いに離隔した複数のセラミック部21を有していることが好ましい。低剛性層11と同様に、低剛性セラミック層29がこのように形成されることにより、低剛性セラミック層29内での結合力及び/又は隣接する層との結合力が低下するからである。そのため、剛性をより小さくすることができる。
セラミック部21を備えた低剛性セラミック層29の組成は、低剛性層11の測定と同様に、EPMA(Electron Probe Micro Analysis)法等の分析方法を用いることで分析、測定することができる。
セラミック部21としては、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PbZrO−PbTiO)等のペロブスカイト型酸化物を用いることができる。
さらに、低剛性セラミック層29は、空隙17を介して互いに離隔した複数のセラミック部21を有していることが好ましい。本発明の第1の積層型圧電素子1の実施形態の一つと同様に、セラミック部21自体がより破損しやすくなるので、圧電体層3が変位することにより生じる応力をより広範囲に分散させることができるからである。この場合、低剛性セラミック層29の空隙率は30%〜90%であることが好ましい。
なお、本実施形態において、空隙率とは、低剛性層11の場合と同様に、積層構造7の積層方向に垂直若しくは平行な断面において、低剛性セラミック層29の面積に対して空隙17の面積が占める割合(%)を意味する。また、空隙率の測定方法は既に示した方法を用いればよい。
さらに、セラミック部21が圧電体により形成されることが好ましい。このように圧電体によりセラミック部21が形成されることで、より高い応力緩和効果を発揮することができる。これは、互いに離隔するように圧電体を配設することで、圧電体であるセラミック部21の自由度が高くなるからである。このようにセラミック部21の自由度が高くなると、セラミック部21に応力が加わったときに、圧電結晶内のイオンの配置が移動して、応力方向に応じて結晶構造が変形しやすくなる。これにより、高い応力緩和効果を得ることができるようになる。
圧電体層3の厚みは、0.05mm以上であることが好ましい。圧電体層3の厚みを0.05mm以上とすることで、積層型圧電素子1に高い電圧を印加しても、隣り合う内部電極5間で高い絶縁性を保つことができるからである。これにより、より大きな変位量を得ることができる。また、圧電体層3の厚みは、0.25mm以下であることが好ましい。圧電体層3の厚みを0.25mm以下とすることで、積層型圧電素子1の小型化を図ることができる。
圧電体層3の材料としては、圧電性を有するセラミックスであれば良い。好ましくは、圧電歪み定数d33が高いセラミックスを用いることが良い。具体的には、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛Pb(Zr,Ti)O、或いはチタン酸バリウムBaTiOを主成分とする圧電セラミック材料などを用いることができる。
内部電極5の厚みは、1〜10μm以上であることが好ましい。内部電極5の厚みを1μm以上とすることで、安定して所定の電圧を印加することができる。また、内部電極5の厚みは、10μm以下であることが好ましい。内部電極5の厚みを10μm以下とすることで、内部電極5の断線をより確実に防ぐことができる。
内部電極5の材料としては、例えば、Cu、Ni等の単体の金属、銀−白金、銀−パラジウム等の合金を用いることができる。特に、耐マイグレーション性や耐酸化性があり、ヤング率が低く、安価であるという点から銀−パラジウムを主成分とすることが好ましい。
積層構造7の対向する側面には、陽極側及び陰極側の外部電極9が形成されている。陽極側及び陰極側の外部電極9には、それぞれ一層おきに内部電極5や場合によっては低剛性層11が、交互に電気的に接続される。なお、外部電極9は、内部電極5が一層おきに交互に電気的に接続されれば良いことから、対向する側面に形成しても、隣接する側面に形成してもよい。
外部電極9の厚みは、5〜100μmであることが好ましい。5μm以上であることにより、より安定して、それぞれの内部電極5に所定の電圧を印加することができる。また、100μm以下である場合には、外部電極9の残留応力が小さくなるので、外部電極9が積層構造7から剥離しにくくなる。
また、外部電極9の材質としては導電性の良いものであればよい。例えば、Cu、Ni等の金属又はこれらの合金を用いることができる。特に、電気抵抗が低く、取り扱いが容易であることから、銀、若しくは銀を主成分とする合金を用いることが好ましい。
通電部13は、各外部電極9と外部電源を電気的に接続することが出来る構成であればよい。例えば、図14に示すように、外部電極9にリード線13aを接続することにより通電部13としても良い。また、図15に示すように、積層型圧電素子1側面に金属板13bを設けることにより通電部13としても良い。
通電部13の材質としては、導電性を有しているものであれば、特に限定されないが、例えばCuやNiといった単体の金属や、銀−白金や銀−パラジウム合金等を用いることができる。
次に、本発明の第11の実施形態及び第12の実施形態について説明する。
図14、図15に示すように、陽極側外部電極9aに接続された複数の通電部13と陰極側外部電極9bに接続された複数の通電部13とをそれぞれ接続させてあることが好ましい。積層型圧電素子1全体で通電部13が一対にまとめられているので、外部電源との接続が容易となるからである。
また、陽極側外部電極9aに接続された複数の通電部13と陰極側外部電極9bに接続された複数の通電部13とがそれぞれ別々に外部電源と接続されていてもよい。この場合には、各々の通電部13に電気的に接続された内部電極5をそれぞれ別々に制御できるので、応力の分布に応じて、印加する電圧値を変化させることが出来るので、応力の集中を抑制することができる。
また、低剛性層11上の外部電極9及び導電性接着材15を隔離する方法としては、例えば、外部電極9及び導電性接着材15が入り込まないように、低剛性層11上にレジスト塗布を行うことが挙げられる。特に、この方法は、低剛性層11上の外部電極9及び導電性接着材15を容易に離隔させることができるので好ましい。
また、積層構造7の積層方向の両端面には、低活性層31が形成されていることが好ましい。低活性層31は一方の主面側に内部電極5が配置されているのみであり、他方の主面側には内部電極5が配置されていないので、電圧を印加しても殆ど圧電変位しない。こような低活性層31が形成されていることにより、電圧を印加した時に生じる積層構造7の歪みを抑えることができる。低活性層31には、例えば、チタン酸バリウムBaTiOを主成分とする圧電セラミック材料を用いることができる。
さらに、低活性層31は圧電体層3と同一の材料を用いて、具体的には圧電体層3を複数積層することにより、形成されることが好ましい。圧電体層3と同じ材料を用いることで、別の材料を用いる必要がなく、容易に作製できる。また、積層構造7と低活性層31との間の焼成時や電圧を印加した時に生じる歪みを抑え、より緻密な圧電素子1を形成することができる。
さらに、低活性層31を形成する圧電体層3のグリーンシート中に、銀−パラジウム等の内部電極5を構成する金属粉末を添加することが好ましい。または、低活性層31を形成する圧電体層3のグリーンシートを積層する際に、銀−パラジウム等の内部電極5を構成する金属粉末および無機化合物とバインダーと可塑剤からなるスラリーをグリーンシート上に印刷することが好ましい。このようにして低活性層31を形成することで、低活性層31と積層構造7の焼結時の収縮挙動ならびに収縮率を近づけることができる。そのため、より緻密な圧電素子1を形成することができる。
次に、本実施形態の積層型圧電素子1の製法を説明する。まず、PbZrO−PbTiOを主成分とするペロブスカイト型酸化物の圧電セラミックスの仮焼粉末と、アクリル系、ブチラール系等の有機高分子から成るバインダーと、DBP(フタル酸ジブチル)、DOP(フタル酸ジオチル)可塑剤とを混合してスラリーを作製する。このスラリーを用いて、周知のドクターブレード法又はカレンダーロール法のテープ成型法により圧電体層3となるセラミックグリーンシートを作製する。
次に、内部電極5を形成するために、銀−パラジウム等の金属粉末にバインダー及び可塑剤を添加混合して導電性ペーストを作製する。この導電性ペーストをセラミックグリーンシート上にスクリーン印刷法を用いて配設することにより内部電極5を形成する。
また、金属部19を有する多孔質の低剛性層11を形成するために、上記の導電性ペーストにバインダーや樹脂が飛散する成分であるアクリルビーズを混入させた導電性ペーストを作製する。この導電性ペーストをセラミックグリーンシート上にスクリーン印刷法を用いて配設することにより低剛性層11を形成する。
空隙17を形成する成分は、焼成や脱脂の工程で飛散する成分であれば良い。例えば、カーボン成分であるバインダー又は樹脂を用いることができる。
なお、空隙17を形成する方法は、上記の方法に限られない。例えば、スクリーンのメッシュの度数や、パターン形状を変更することにより空隙17を形成することができる。
具体的には、スクリーンのメッシュサイズを15μm以下とすることで、スクリーンを通過するインクペーストの量を不十分にして、かすれさせることで空隙17を作製することができる。また、スクリーンにインクペーストを通さないようにマスキングすることで、インクが通らない部分を空隙17とすることができる。空隙17を形成するマスキングの形状としては、特に、楕円や円形といった略円形が応力を緩和する効果が高いので好ましい。
さらに、バインダー及び可塑剤と金属粉末との比率、スクリーンのメッシュの度数、或いはスクリーンのパターンを形成するレジスト厚み、を変えることで、低剛性層11の厚み、又は低剛性層11の中の空隙17の形状や空隙率等を変化させることができる。
また、内部電極5が銀−パラジウムからなる時には、内部電極5となる導電性ペーストと比較して銀−パラジウムの銀比率の高い導電性ペーストを用いることにより、複雑な工程を経ることなく低剛性層11を形成することができる。これは、低剛性層11が形成される位置に上記の銀比率の高い導電性ペーストを配設して同時焼成により積層構造7を形成すると、銀比率の高い導電性ペーストから銀が拡散していくからである。銀が拡散することによって空隙が形成される。その結果として、上記の銀比率の高い導電性ペーストが圧電体層3や内部電極5と比較して剛性の低い低剛性層11となる。
そして、このようにして作製した低剛性層11となる導電性ペーストを各グリーンシートの上面にスクリーン印刷等によって1〜40μmの厚みに印刷する。
また、セラミック部21を有する多孔質の低剛性層11を形成するためには、上記のセラミックグリーンシートと比較して、バインダー及び/又は樹脂が飛散する成分であるアクリルビーズをより多く混入させたセラミックペーストを作製すればよい。このようなセラミックペーストをセラミックグリーンシート上にスクリーン印刷法を用いて配設することによりセラミック部21を有する低剛性層11を形成することができる。
そして、導電性ペーストが印刷されたグリーンシートを複数積層し、脱バインダーを行う。この時、低剛性層11中の空隙17を有効に形成するために、飛散する成分のTg温度より高い温度で脱脂することが好ましい。
また、脱バインダーの温度は200〜800℃が望ましい。脱バインダーの温度を200℃以上とすることで、積層構造7自体が過度に柔らかくなることが防止されるので、空隙17が形成される低剛性層11が変形しにくくなる。そのため、空隙17の面積や形状が制御されやすくなる。また、800℃以下とすることにより、バインダーが飛散しやすくなり、カーボンが素子自体に残存しにくくなる。そのため、圧電体層3の変位特性が安定する。
さらに、脱バインダーの温度より高い温度で焼成することによって積層構造7が作製される。焼成温度としては、900〜1200℃であることが好ましい。焼成温度が900℃以上であることにより、圧電体層3の焼結をより促進させることができるので、変位特性への影響が抑制される。また、1200℃以下であることにより、低剛性層11の融解や分解が抑制されるので、低剛性層11を保持することができる。これにより、空隙17の形成をより安定させることができる。また、低剛性層11中の空隙17を有効に形成するために、飛散する成分のTg温度より高い温度で保持することが望ましい。
なお、積層構造7は、上記製法によって作製されるものに限定されることはなく、複数の圧電体層3と複数の内部電極5とを交互に積層してなる積層構造7を作製できれば良い。
その後、積層構造7の側面のなかで低剛性層11側方に位置する部分に外部電極9及び/又は導電性接着材15が形成されないようにするため、レジスト塗布を行う。そして、積層構造7の側面に端部が露出する内部電極5と導通が得られるように外部電極9を形成する。この外部電極9は、ガラス粉末に、バインダーを加えて銀ガラス導電性ペーストを作製し、この導電性ペーストを印刷、焼き付けることによって得ることができる。
焼き付ける温度は、500〜800℃が望ましい。銀ガラス導電性ペースト中の銀と内部電極5とを拡散接合させることにより、ネック部をより確実に形成することができるからである。また、外部電極9中の空隙を有効に残存させることもできる。
なお、外部電極9は、上記のように、導電性ペーストを塗布し、焼成することにより作製できるが、金属板を貼り付けるといった方法により形成することも可能である。
次に、シリコーンゴムからなる外装樹脂を含む樹脂溶液に、外部電極9を形成した積層構造7を浸漬する。さらに、シリコーン樹脂溶液を真空脱気することにより、積層構造7の外周側面の凹凸部にシリコーン樹脂を密着させる。その後シリコーン樹脂溶液から積層構造7を引き上げる。これにより、積層構造7の側面にシリコーン樹脂がコーティングされる。
そして、外部電極9に通電部13としてリード線13aを導電性接着材15等で接続する。
リード線13aを介して一対の外部電極9に0.1〜3kV/mmの直流電圧を印加することにより、積層構造7を分極処理する。このようにして、本実施形態の積層型圧電素子1が完成する。リード線13aを外部の電圧供給部(不図示)に接続し、通電部13であるリード線13a及び外部電極9を介して内部電極5に電圧を印加することにより、各圧電体層3を逆圧電効果によって大きく変位させることができる。これにより、例えばエンジンに燃料を噴射供給する自動車用燃料噴射弁として機能させることが可能となる。
さらに、金属のメッシュ若しくはメッシュ状の金属板からなる導電性補助部材(不図示)を導電性接着材15に埋設してもよい。導電性接着材15に上記の導電性補助部材を埋設することにより、素子を高速で駆動させる場合においても、導電性補助部材に大電流を流すことができる。そのため、外部電極9に過度の電流が流れることを抑制できる。これにより、外部電極9が局所発熱を起こし断線することを効果的に防ぐことができ、耐久性を大幅に向上させることができる。
また、導電性接着材15中に金属のメッシュ若しくはメッシュ状の金属板を埋設しているときには、導電性接着材15に亀裂が生じる可能性を小さくすることができる。なお、金属のメッシュとしては、例えば、金属線を編み込んだものが上げられる。また、メッシュ状の金属板としては、例えば、金属板に孔を形成してメッシュ状にしたものが挙げられる。
次に、本発明の一実施形態にかかる噴射装置について説明する。
図16に示すように、噴射装置33においては、一端に噴射孔35を有する収納容器37の内部に上記実施形態に代表される積層型圧電素子1が収納されている。収納容器37の内部には、噴射孔35を開閉することができるニードルバルブ39が配設されている。噴射孔35には燃料通路41がニードルバルブ39の動きに応じて連通可能に配設されている。この燃料通路41は外部の燃料供給源に連結され、燃料通路41に常時一定の高圧で燃料が供給されている。従って、ニードルバルブ39が噴射孔35を開放すると、燃料通路41に供給されていた燃料が一定の高圧で内燃機関の燃料室内に噴出されるように構成されている。
また、ニードルバルブ39の上端部は内径が大きくなっており、収納容器37に形成されたシリンダ43と摺動可能なピストン45が配置されている。そして、収納容器37内には、上記した積層型圧電素子1が収納されている。
このような噴射装置33では、積層型圧電素子1が電圧を印加されて伸長すると、ピストン45が押圧され、ニードルバルブ39が噴射孔35を閉塞し、燃料の供給が停止される。また、電圧の印加が停止されると積層型圧電素子1が収縮し、皿バネ47がピストン45を押し返し、噴射孔35が燃料通路41と連通して燃料の噴射が行われるようになっている。
また、本実施形態の噴射装置33は、噴射孔35を有する容器と、積層型圧電素子1とを備え、容器内に充填された液体が積層型圧電素子1の駆動により噴射孔35から吐出させるように構成されていてもよい。すなわち、積層型圧電素子1が必ずしも容器の内部にある必要はなく、積層型圧電素子1の駆動によって容器の内部に圧力が加わるように構成されていればよい。なお、本実施形態において、液体とは、燃料、インクなどの他、導電性ペースト等の種々の液状流体が含まれる。
次に、本発明の一実施形態にかかる燃料噴射システム49について説明する。
図17に示すように、燃料噴射システム49は、高圧燃料を蓄えるコモンレール51と、このコモンレール51に蓄えられた燃料を噴射する複数の上記噴射装置33と、コモンレール51に高圧の燃料を供給する圧力ポンプ53と、噴射装置33に駆動信号を与える噴射制御ユニット55と、を備えている。
噴射制御ユニット55は、エンジンの燃焼室内の状況をセンサ等で感知しながら燃料噴射の量やタイミングを制御するものである。圧力ポンプ53は、燃料タンク57から燃料を1000〜2000気圧程度、好ましくは1500〜1700気圧程度にしてコモンレール51に送り込む役割を果たす。コモンレール51では、圧力ポンプ67から送られてきた燃料を蓄え、適宜噴射装置33に送り込む。噴射装置33は、上述したように噴射孔35から少量の燃料を燃焼室内に霧状に噴射する。
なお、本発明は、積層型圧電素子1、噴射装置33、及び燃料噴射システム49に関するものであるが、上記実施例に限定されるものではなく、例えば、自動車のエンジンの燃料噴射装置、インクジェット等の液体噴射装置、光学装置等の精密位置決め装置、振動防止装置等に搭載される駆動素子(圧電アクチュエータ)、燃焼圧センサ、ノックセンサ、加速度センサ、荷重センサ、超音波センサ、感圧センサ、ヨーレートセンサ等に搭載されるセンサ素子、圧電ジャイロ、圧電スイッチ、圧電トランス、圧電ブレーカー等に搭載される回路素子以外であっても、圧電特性を用いた素子であれば、実施可能である。
また、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更を行うことは何等差し支えない。
(実施例1)
本発明の積層型圧電素子を備えた積層型圧電アクチュエータを以下のようにして作製した。
まず、平均粒径が0.4μmのチタン酸ジルコン酸鉛(PbZrO−PbTiO)を含有する圧電セラミックの仮焼粉末、バインダー、及び可塑剤を混合したスラリーを作製した。このスラリーを用いて、ドクターブレード法により、厚み150μmの圧電体層3になるセラミックグリーンシートを作製した。
このセラミックグリーンシートの片面に、銀−パラジウム合金にバインダーを加えた内部電極5となる導電性ペーストをスクリーン印刷法により形成した。この導電性ペーストが印刷されたシートを300枚積層した。そして、積層されたセラミックグリーンシートを980〜1100℃で焼成して積層焼成体を得た。
このとき、試料番号2には、低剛性層11を形成するために、上記セラミックグリーンシート20層毎に、内部電極5となる導電性ペーストの代わりに低剛性層11となる導電性ペーストを厚さ4μmとなるように印刷した。
ここで、低剛性層11となる導電性ペーストは、銀−パラジウム合金に、平均粒径0.5μmのアクリルビーズを銀−パラジウム合金100体積%に対して200体積%となるように加えて混合し、さらに、この混合物にバインダーを加えて作製した。そして、得られた積層焼成体を平面研削盤にて研削し、積層構造7を得た。
次に、平均粒径2μmの銀粉末、平均粒径2μmのケイ素を含有する軟化点が650℃のガラス粉末及びバインダーの混合することにより、銀ガラス導電性ペーストを作製した。この銀ガラス導電性ペーストを積層構造7側面の外部電極9が形成される部分に30μmの厚みでスクリーン印刷した。側面に銀ガラス導電性ペーストが印刷された積層構造7を700℃にて30分焼き付けを行うことにより、外部電極9を備える積層構造7を作製した。
さらに、導電性接着材15として鉛と錫と銀からなる半田を用いた。この半田を印刷する際、低剛性層11との塗れ性を低下させるレジストを塗布した。このように、レジストを塗布することにより、半田が、積層構造7の側面において、低剛性層11を基準とした積層方向の一方側と他方側とに離隔している試料(試料番号2)を作製した。
その後、外部電極9にリード線13aを接続し、分極処理を行った。分極処理としては、正極及び負極の外部電極9にリード線13aを介して3kV/mmの直流電界を15分間印加した。ここで、試料番号1では、図16に示すように、一対のリード線13aを積層構造7の一端側にのみ配設した。試料番号2では、図2に示すように、低剛性層11によって積層方向に区分される複数の部位に、それぞれ一対のリード線13aを配設した。
以上のようにして、本発明の積層型圧電素子1を備えた圧電アクチュエータを作製した。得られた積層型圧電アクチュエータに200Vの直流電圧を印加したところ、積層方向に変位量40μmが得られた。
さらに、この積層型圧電アクチュエータを室温で0〜+200Vの交流電圧を150Hzの周波数で印加して、1×10回まで連続駆動させる試験を行った。得られた結果を表1に示す。
Figure 0005066098
表1に示すように、試料番号1及び2のいずれも、初期の変位量は、40μmと同一であった。しかし、1×10回の連続駆動後においては、試料番号1の変位量が15μmにまで低下してしまったのに対して、試料番号2の変位量は30μmまでしか低下することがなく、圧電アクチュエータの連続駆動後の変位量の維持が大幅に向上していることが分かる。
(実施例2)
実施例1と同等の方法で、積層構造7を得た。次に、積層構造7の側面のうち、低剛性層11の側方に位置する部分に塗れ性を低下
させるレジストを塗布した。その後、平均粒径2μmの銀粉末と、平均粒径2μmのケイ素を含有するとともに軟化点が650℃であるガラス粉末とを混合した。さらに、この混合物にバインダー添加することにより、銀ガラス導電性ペーストを作製した。この銀ガラス導電性ペーストを積層構造7側面の外部電極9が形成される部分に30μmの厚みでスクリーン印刷した。
さらに、この銀ガラス導電性ペーストが印刷された積層構造7を700℃にて30分焼き付けを行った。これにより、積層構造7の側面において、外部電極9が低剛性層11を基準とした積層方向の一方側と他方側とに離隔している試料(試料番号3)を作製した。
また、導電性接着材15として鉛と錫と銀からなる半田を印刷する際、低剛性層11との塗れ性を低下させるレジストを積層構造7の側面のうち低剛性層11の側方に位置する部分に塗布した。これにより、半田が、積層構造7の側面において、低剛性層11を基準とした積層方向の一方側と他方側とに離隔している試料(試料番号4)を作製した。
なお、試料番号3及び4では、試料番号2と同様にアクリルビーズを添加した導電性ペーストを用いて低剛性層11を形成した。試料番号3及び4における低剛性層11は、金属部19が点在した形状であった。また、この低剛性層11の空隙率を調べたところ約80%であった。
その後、低剛性層11を基準として積層方向の一方側と他方側とに離隔した外部電極9に、それぞれ一対のリード線13aを接続した。さらに、正極及び負極の外部電極9にリード線13aを介して3kV/mmの直流電界を15分間印加して分極処理を行った。このようにして、図3(試料番号3)、図4(試料番号4)に示すような積層型圧電素子1を用いた圧電アクチュエータをそれぞれ作製した。
得られた積層型圧電アクチュエータに200Vの直流電圧を印加したところ、積層方向に変位量40μmが得られた。さらに、この積層型圧電アクチュエータに室温で0〜+200Vの交流電圧を150Hzの周波数で印加して、1×10回まで連続駆動した試験行った。得られた結果を表2に示す。
Figure 0005066098
表2に示すように、初期の変位量は、試料番号3の積層型圧電アクチュエータも試料番号4の積層型圧電アクチュエータもどちらも40μmであった。連続駆動試験後において、試料番号3の積層型圧電素子1は変位量が35μmであった。このように試料番号3の積層型圧電素子1では変位量の低下が5μmに抑えられ、長期間の連続駆動によっても変位量が高いレベルで維持されていることが分かった。さらに、試料番号4の積層型圧電素子1は連続駆動後の変位量が40μmと全く低下していなかった。
本発明の第1の実施形態にかかる積層型圧電素子を示す斜視図である。 図1に示す実施形態のII−II断面図である。 本発明の第2の実施形態にかかる層型圧電素子を示す断面図である。 本発明の第3の実施形態にかかる積層型圧電素子を示す断面図である。 本発明の第4の実施形態にかかる積層型圧電素子を示す断面図である。 本発明の第5の実施形態にかかる積層型圧電素子を示す、積層方向に平行な方向の断面図である。 図6に示す実施形態の積層方向に垂直な方向、かつ、低剛性層を含む平面での断面図である。 本発明の第6の実施形態にかかる積層型圧電素子を示す、積層方向に平行な方向の断面図である。 図8に示す実施形態の積層方向に垂直な方向、かつ低剛性層を含む平面での断面図である。 本発明の第7の実施形態にかかる積層型圧電素子を示す積層方向に垂直な方向、かつ低剛性層を含む平面での断面図である。 本発明の第8の実施形態にかかる積層型圧電素子を示す断面図である 本発明の第9の実施形態にかかる積層型圧電素子を示す斜視図である。 本発明の第10の実施形態にかかる積層型圧電素子を示す斜視図である。 本発明の第11の実施形態にかかる積層型圧電素子を示す積層方向に平行な方向の断面図である。 本発明の第12の実施形態にかかる積層型圧電素子を示す積層方向に平行な方向の断面図である。 本発明の一実施形態にかかる噴射装置を示す断面図である。 本発明の一実施形態にかかる燃料噴射システムを示す概略図である。

Claims (13)

  1. 複数の圧電体層と複数の内部電極とが交互に積層された積層構造を備えた積層型圧電素子であって、
    前記積層構造は、前記圧電体層及び前記内部電極と比較して剛性が低く前記圧電体層及び前記内部電極と一体焼成された低剛性層を備えるとともに該低剛性層によって積層方向に区分される複数の部位を有し、前記低剛性層は、互いに離隔した複数の金属部を有しており、
    各部位には、陽極側及び陰極側の電力供給部材が配設されていることを特徴とする積層型圧電素子。
  2. 前記積層構造の側面に形成されるとともに前記内部電極が接続された、陽極側及び陰極側の外部電極をさらに備え、
    前記電力供給部材は、前記陽極側及び陰極側の外部電極にそれぞれ電気的に接続された一対の通電部であり、各部位には、前記一対の通電部がそれぞれ配設されていることを特徴とする請求項1に記載の積層型圧電素子。
  3. 前記電力供給部材は、前記積層構造の側面における前記低剛性層の位置を基準とした積層方向の一方側と他方側に離隔した外部電極であることを特徴とする請求項1に記載の積層型圧電素子。
  4. 前記電力供給部材は、前記積層構造の側面において、前記低剛性層の位置を基準とした積層方向の一方側と他方側に離隔した導電性接着材であることを特徴とする請求項1に記載の積層型圧電素子。
  5. 前記低剛性層は、互いに離隔した複数のセラミック部を有していることを特徴とする請求項1に記載の積層型圧電素子。
  6. 前記積層構造は、積層方向に複数の前記低剛性層を有していることを特徴とする請求項1に記載の積層型圧電素子。
  7. 複数の圧電体層と複数の内部電極とが交互に積層された積層構造を備えた積層型圧電素子であって、
    前記積層構造は、前記圧電体層及び前記内部電極と比較して剛性が低い低剛性層を備えるとともに該低剛性層によって積層方向に区分される複数の部位を有し、
    前記低剛性層は、低剛性金属層又は低剛性セラミック層を有し、前記低剛性金属層は、互いに離隔した複数の金属部を有しており、
    各部位には、陽極側及び陰極側の電力供給部材が配設されていることを特徴とする積層型圧電素子。
  8. 前記積層構造の側面に形成されるとともに前記内部電極が接続された、陽極側及び陰極側の外部電極をさらに備え、
    各部位には、前記陽極側及び陰極側の外部電極にそれぞれ電気的に接続された一対の通電部が配設されていることを特徴とする請求項に記載の積層型圧電素子。
  9. 前記電力供給部材は、前記積層構造の側面における前記低剛性層の位置を基準とした積層方向の一方側と他方側に離隔した外部電極であることを特徴とする請求項に記載の積層型圧電素子。
  10. 前記電力供給部材は、前記積層構造の側面において、前記低剛性層の位置を基準とした積層方向の一方側と他方側に離隔した導電性接着材であることを特徴とする請求項に記載の積層型圧電素子。
  11. 前記低剛性セラミック層は、互いに離隔した複数のセラミック部を有していることを特徴とする請求項に記載の積層型圧電素子。
  12. 請求項1または7に記載の積層型圧電素子と噴射孔とを備え、前記積層型圧電素子の駆動により前記噴射孔から液体を吐出させるように構成されたことを特徴とする噴射装置。
  13. 高圧燃料を蓄えるコモンレールと、
    このコモンレールに蓄えられた燃料を噴射する請求項1に記載の噴射装置と、
    前記コモンレールに高圧の燃料を供給する圧力ポンプと、
    前記噴射装置に駆動信号を与える噴射制御ユニットと、
    を備えた燃料噴射システム。
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