JP5084744B2 - 積層型圧電素子、これを備えた噴射装置及び燃料噴射システム - Google Patents

積層型圧電素子、これを備えた噴射装置及び燃料噴射システム Download PDF

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Description

本発明は、積層型圧電素子、これを備えた噴射装置及び燃料噴射システムに関するものである。積層型圧電素子は、例えば、駆動素子(圧電アクチュエータ)、センサ素子及び回路素子に用いられる。駆動素子としては、例えば、自動車エンジンの燃料噴射装置、インクジェットのような液体噴射装置、光学装置のような精密位置決め装置、及び振動防止装置が挙げられる。センサ素子としては、例えば、燃焼圧センサ、ノックセンサ、加速度センサ、荷重センサ、超音波センサ、感圧センサ及びヨーレートセンサが挙げられる。また、回路素子としては、例えば、圧電ジャイロ、圧電スイッチ、圧電トランス及び圧電ブレーカーが挙げられる。
従来から、積層型圧電素子は、小型化が進められると同時に、大きな圧力下において大きな変位量を確保するように求められている。そのため、より高い電界が印加され、しかも長時間連続駆動させる過酷な条件下で使用できることが要求されている。
コンデンサ等の通常の積層型電子部品と異なり、積層型圧電素子は素子自体が断続的に寸法変化を起こす。そして、全ての圧電体層が内部電極を介して密着して駆動することにより、積層型圧電素子は全体として大きく駆動変形する。そのため、素子の端部の変形が特に大きくなり、素子の端部に大きな応力がかかる。
そこで、特許文献1で、圧電体層の厚みを変化させた圧電素子が提案されている。厚みが異なることにより変位量が変化することを利用して、素子端部にかかる応力の緩和が試みられている。
特開昭60−86880号公報
特許文献1に開示されている方法により、圧電素子の端部にかかる応力をある程度緩和することができる。そのため、素子にかかる応力をより効果的に緩和させることが必要となっている。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、高電界、高圧力下で長時間連続駆動させた場合であっても変位量の低下が抑制された積層型圧電素子、これを用いた噴射装置及び燃料噴射システムを提供することを目的とする。
本発明の積層型圧電素子は、積層構造体と正極及び負極の外部電極とを備えている。積層構造体は複数の圧電体層と複数の内部電極とが交互に積層されている。外部電極は、積層構造体の側面に形成されるとともに前記内部電極が接続される。また、前記積層構造体が、前記圧電体層の厚みを互いに異ならせた複数の変位可能な部位を有している。積層方向に隣り合う2つの前記部位間には、圧電体層よりも弾性率の高い高弾性層を備えた応力緩和部が設けられている。
本発明の第1の実施形態にかかる積層型圧電素子を示す斜視図である。 図1に示す実施形態の応力緩和部が配設された部分を拡大した断面図である。 本発明の第2の実施形態にかかる積層型圧電素子を示す斜視図である。 本発明の第3の実施形態にかかる積層型圧電素子を示す斜視図である。 図4に示す実施形態の低剛性層が配設された部分を拡大した分解斜視図である。 本発明の第4の実施形態にかかる積層型圧電素子を示す斜視図である。 本発明の第5の実施形態にかかる積層型圧電素子を示す斜視図である。 本発明の第6の実施形態にかかる積層型圧電素子を示す斜視図である。 本発明の第7の実施形態にかかる積層型圧電素子を示し、積層方向に平行な断面図である。 本発明の第8の実施形態にかかる応力緩和部が配設された部分を拡大した断面図である。 本発明の第9の実施形態にかかる応力緩和部が配設された部分を拡大した断面図である。 本発明の一実施形態にかかる噴射装置を示す概略断面図である。 本発明の一実施形態にかかる燃料噴射システムを示す概略図である。
図1、2に示すように、本発明の第1の実施形態にかかる積層型圧電素子1(以下、素子1ともいう)は、複数の圧電体層3と複数の内部電極5とが交互に積層された積層構造体7と、積層構造体7の側面に形成されるとともに内部電極5が接続された正極及び負極の外部電極9と、を備えている。また、積層構造体7は、圧電体層3の厚みを互いに異ならせた複数の部位を有している。すなわち、積層構造体7は、圧電体層3の厚みがL1である部位Aと、圧電体層3の厚みがL2である部位Bを有している(L1>L2)。
圧電体層3の厚みは、例えば、以下のようにして測定することができる。外部電極9の形成されていない積層構造体7の側面に内部電極5が露出している場合には、積層方向に垂直な幅方向の中心で、内部電極5の間の圧電体層3の厚みを測定すれば良い。また、積層構造体7の側面に内部電極5が露出していない場合には、内部電極5が露出するように、積層方向に平行な平面で積層構造体7を切断し、切断面において、同様に、積層方向に垂直な幅方向の中心で、内部電極5の間の圧電体層3の厚みを測定すれば良い。
そして、積層方向に隣り合う2つの部位間には、応力緩和部11が設けられている。このように、本実施形態の積層型圧電素子1は、圧電体層3の厚みが互いに異なる部位A、Bを有し、これらの部位A、B間に応力緩和部11を設けることにより耐久性を向上させている。
部位Aと部位Bとは、圧電体層の変位量が異なる。そのため、互いに変位量の異なる圧電体層の近傍に応力が集中しやすい。しかしながら、この部位AとBの間に応力緩和部11を設けることで、部位A、Bにかかる応力を効果的に緩和することができる。
また、図1、2に示すように、応力緩和部11は、隣接する一対の内部電極5と、一対の内部電極5に挟まれた圧電体層3とを備え、さらに、一対の内部電極5が、同極の外部電極9に接続されることが好ましい。同極の外部電極9に接続された、隣接する2つの内部電極5に挟まれた圧電体層3は、逆圧電効果を殆ど示さない。そのため、積層方向に隣り合う部位の変動に追従しやすいので、より高い応力緩和の効果が得られる。以下、同極の外部電極9に接続された2つの内部電極5及びこれらの外部電極9に挟まれた圧電体層3からなる部位を部位Cとする。
また、このような逆圧電効果を殆ど示さない部位Cの圧電体層3及び内部電極5が、部位A、Bを形成する圧電体層3及び内部電極5とそれぞれ同じ主成分を有していることがより好ましい。主成分が同じである材料を用いることにより、別途、部材を用意する必要がなく、単純な形状でありながらも高い応力緩和の効果を得ることが出来るからである。また、圧電体層3として同じ主成分の材料を用いているため、圧電体層3同士の結合力を高めることもできる。
圧電体層3の材料としては、圧電性を有するセラミックスを用いることができる。好ましくは、圧電歪み定数d33が高いセラミックスが用いられる。具体的には、チタン酸ジルコン酸鉛(PbZrO−PbTiO)のようなペロブスカイト型酸化物を主成分とすることが好ましい。例えば、圧電体層3がチタン酸バリウム(BaTiO)を代表とするペロブスカイト型圧電セラミックス材料で形成されるときには、その圧電特性を示す圧電歪み定数d33が高いことから、変位量を大きくすることができる。また、ペロブスカイト型圧電セラミックス材料で圧電体層3を形成する場合には、圧電体層3と内部電極5を同時に焼成することもできる。
内部電極5の材料としては、導電性を有するものを用いることができる。例えばCu及びNiといった単体の金属、並びに銀−白金及び銀−パラジウム合金といった合金を用いることができる。特に、耐マイグレーション性や耐酸化性があり、ヤング率が低く、かつ、安価であるという点から銀−パラジウムを主成分とすることが好ましい。
金属部19を備えた低剛性層17の組成は、以下のようにして測定することができる。
まず、内部電極5が露出するように、積層構造体7を切断するなどして、内部電極5の一部の組成を測定する。測定方法としては、ICP(誘導結合プラズマ)発光分析のような化学分析を用いることができる。また、積層型圧電素子1の切断面を、EPMA(Electron Probe Micro Analysis)法を用いて分析、測定してもよい。
積層構造体7の側面には、外部電極9が形成される。外部電極9は、陽極側及び陰極側の一対の電極として形成される。陽極側及び陰極側の外部電極9は、互いに電気的に短絡しないように配設されれば良いので、対向する側面に配設されていても、隣り合う側面に配設されていてもよい。しかし、上記の電気的な短絡を抑制する点、及び圧電素子にかかる応力を出来る限り分散させる点から、外部電極9は対向する側面に配設されることが好ましい。
外部電極9の材質としては、導電性の良いものを用いることができる。例えば、CuやNiといった金属やこれらの合金等を用いることができる。特に、電気抵抗が低く、取り扱いが容易であることから、銀、若しくは銀が主成分の合金を用いることが好ましい。
また、積層構造体7の積層方向の両端側には圧電体で形成された低活性層23が積層されている。低活性層23は一方の主面側に内部電極5が配置されているのみであり、他方の主面側には内部電極5が配置されていないので、電圧を印加しても逆圧電効果を殆ど示さない。
この積層型圧電素子1を圧電アクチュエータとして使用する場合には、一対の外部電極9にリード線を半田によりそれぞれ接続固定し、リード線を外部の電源に接続すればよい。この外部の電源からリード線を通じて隣り合う内部電極5間に所定の電圧を印加することにより、各圧電体層3が逆圧電効果によって変位する。
次に、他の構造を有する実施形態について説明する。なお、第1の実施形態と重複する説明については省略する。まず、本発明の第2の実施形態について説明する。
図3に示すように、本実施形態にかかる積層型圧電素子1は、応力緩和部11を備えている。応力緩和部11として、隣り合う部位AとBの間には、上記の逆圧電効果を殆ど示さない部位Cが複数設けられる。このように部位Cが複数形成されることで、応力緩和部11にかかる応力をより広範囲に分散させることができる。その結果、積層型圧電素子1の耐久性をより高くすることができる。
また、上記の部位Cを構成する圧電体層3の厚みが、この部位と隣り合う2つの部位のうち、圧電体層3の厚みの大きい方の部位に配設される圧電体層3の厚みと同じであることが好ましい。これにより、積層型圧電素子1の焼結後の冷却時に生じる圧電体層3と内部電極5との熱膨張差に起因する応力を小さくすることができる。すなわち、製造工程において積層型圧電素子1に加わる応力を低減することができる。
また、応力緩和部11が、圧電体層3よりも弾性率の高い高弾性層を備えてい。圧電体層3よりも弾性率の高い高弾性層を備えていることにより、より高い応力緩和の効果を得ることが出来る。
なお、本実施形態において、弾性率が高いとは、ヤング率が小さいことを意味している。このヤング率が小さい理由としては、例えば、後述する第8の実施形態のように、多くの空隙が形成されていることなどが挙げられる。
ヤング率の測定方法としては、例えば、ナノインデンテーション法を用いることができる。測定装置としては、例えば、ナノインスツルメント社製の「ナノインデンターII」を用いることができる。積層構造体7の積層方向に垂直若しくは平行な断面において、低剛性層17、圧電体層3又は内部電極5を露出させ、上記の測定装置を用いてヤング率を測定すれば良い。
高弾性層15としては、圧電体層3や内部電極5よりも弾性率の高い材料、具体的には、シリコーンゴム、エポキシ樹脂、又はポリイミド樹脂などの樹脂を用いることができる。
また、後述するように、多くの空隙が形成されていることなどにより、圧電体層3や内部電極5よりも弾性率を高くすることができる。
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
図4、5に示すように、本実施形態にかかる積層型圧電素子1は、応力緩和部11を備えている。そして、応力緩和部11が、圧電体層3及び内部電極5よりも剛性が低い低剛性層17を備えている。低剛性層17は圧電体層3及び内部電極5よりも破断しやすい。そのため、低剛性層17が破断することにより、圧電体層3や内部電極5を拘束する力を弱めることができる。
また、低剛性層17を優先的に破断させることにより、部位A及びBに配設された圧電体層3又は内部電極5にクラックが生じることを抑制することができる。結果として、素子1を安定して駆動させることができる。また同時に、変位量の低下を抑制することができる。
低剛性層17、圧電体層3及び内部電極5の剛性は、例えば素子1に対して、積層方向に垂直な方向に荷重を加えることで容易に比較できる。具体的には、JIS3点曲げ試験(JIS R 1601)などにより、素子1に対して積層方向に垂直な方向から荷重を加えることで低剛性層17の有無を確認できる。上記の試験を行ったときに、どの部分で素子1が破断するかを確認すればよいからである。その破断箇所が素子の中で最も剛性が低い箇所である。
本実施形態では、応力緩和部11に低剛性層17が備えられているので、JIS3点曲げ試験を行うと、低剛性層17で破断が起きる。このように、破断した箇所が部位A又は部位Bであるか、若しくは、部位間の低剛性層17であるかにより低剛性層17の有無を確認できる。
なお、試験片が小さく、上記JIS3点曲げ試験を用いることができない場合には、例えば、下記の方法により低剛性層17の有無を確認することができる。まず、試験片を柱状に加工する。そしてJIS3点曲げ試験に準拠して、この試験片を一定距離に配置された2支点上に置く。さらに、支点間の中央の1点に荷重を加える。以上により、低剛性層17の有無を確認することができる。
低剛性層17は、圧電体層3や内部電極5よりも剛性の低い材料を用いること、或いは、後述する第8の実施形態のように、多くの空隙が形成されていることなどにより、圧電体層3や内部電極5よりも剛性を低くすることができる。
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。
図6に示すように、本実施形態にかかる積層型圧電素子は応力緩和層11を備えている。そして、応力緩和部11は、同極の外部電極9に接続された2つの内部電極5と積層方向両側でそれぞれ隣接する圧電体層3を備えた少なくとも2つの部位Cと、これらの部位の間に圧電体層3を介して配置された低剛性層17と、からなる。
応力緩和部11が、このように形成されていることで、隣り合う部位間に集中させた応力を上記の部位Cに集中させることができる。さらに、低剛性層17が破断することにより、上に示した応力を、より吸収できる。
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。
図7に示すように、本実施形態にかかる積層型圧電素子は応力緩和層11を備えている。そして、応力緩和部11が、同極の外部電極9に接続された2つの内部電極5と積層方向両側でそれぞれ隣接する圧電体層3を備え、この圧電体層3の内部に低剛性層17が設けられている。圧電体層3の厚みを互いに異ならせた複数の部位間に応力が集中するため、低剛性層17の応力緩和の効果をより高めることができる。
次に、本発明の第6の実施形態について説明する。
図8に示すように、本実施形態にかかる積層型圧電素子は応力緩和部11を有し、この応力緩和部11には、複数の低剛性層17が設けられている。応力緩和部11に複数の低剛性層17を設けることで、より大きな応力緩和の効果を得ることができる。応力緩和部11を介して隣り合う2つの部位のそれぞれに配設された圧電体層3の厚みが大きく異なる場合には、特に有効となる。
次に、本発明の第7の実施形態について説明する。
さらに、図9に示すように、本実施形態にかかる素子1は、中央に位置する部位から端部に位置する部位に向かうに従い、段階的に圧電体層3の厚みが大きくなっている。このように、圧電体層3の厚みを変化させていくことで、応力を分散させ、一定の場所に応力が集中することを抑制できる。そのため、素子の端部に強い応力がかかることが抑制され、かつ、応力緩和部11に過度の応力がかかる可能性がより小さくなる。
本実施形態において、隣り合う2つの部位間の圧電体層3の厚みの差が、圧電体層3の厚みの大きい部位の10%以上であることが好ましい。上記の差が10%以上である場合には、応力緩和部11による応力緩和の効果をより向上させることができる。また、隣り合う2つの部位間の圧電体層3の厚みの差が、50%以上であることが、より好ましい。上記の差が50%以上である場合には、応力緩和部11による応力緩和の効果をより大きくできる。
さらには、圧電素子1の積層方向の中央に位置する部位から端部に位置する部位に向かい圧電体層3の厚みが実質的に整数倍となるように、それぞれの部位に配設された圧電体層3の厚みを変化させていくことがより一層好ましい。具体的には、中央に位置する部位に配設される圧電体層3の厚みを1とした場合に、この部位と隣り合う部位に配設される圧電体層3の厚みを2とし、さらに、この部位の、積層構造体7の端部側で隣り合う部位に配設される圧電体層3の厚みを3とすればよい。
このように積層構造体7を形成する場合には、一定の厚みの圧電体層3を用意すればよく、非常に簡単に積層構造体7を作製することができる。積層構造体7の端部に近づくに従って、この圧電体層3の積層する枚数を変えていくことで、上記の圧電素子1を作製することができるからである。このような構成により、低コストかつ小型の圧電素子1を作製することができる。なお、それぞれの部位に配設される圧電体層3の厚みにばらつきがある場合には、それぞれの部位に配設される圧電体層3の平均をとればよい。
また、圧電素子1の積層方向の中央に位置する部位から端部に位置する部位に向かって各部位の圧電体層3の厚みが倍となるように、それぞれの部位に配設された圧電体層3の厚みを変化させていくことも好ましい。具体的には、中央に位置する圧電体層3の厚みを1とした場合に、この部位と隣り合う部位に形成されている圧電体層3の厚みを2とし、さらに、この部位の、積層構造体7の端部側で隣り合う部位の圧電体層3の厚みを4とすればよい。
このように積層構造体7を形成する場合には、既に示したように、一定の厚みの圧電体層3を用意すればよく、非常に簡単に積層構造体7を作製することができる。このような構成により、より高い応力緩和の効果を有する積層型圧電素子1を作製することができる。
さらにこの時、この応力緩和部11に配設される圧電体層3aの厚みが、この応力緩和部11と隣り合う部位のうちの圧電体層3の厚みの大きい方の部位に位置する圧電体層3の厚みと同じであることが好ましい。応力緩和部11に配設される圧電体層3aの厚みを上記のようにすることで、既に示したように、積層型圧電素子1の焼結後の冷却時に生じる圧電体層3と内部電極5との熱膨張差に起因する応力を小さくすることができるからである。さらに、駆動時に生じる圧電体層3特有の圧電振動波(Acoustic wave)の位相を安定して揃えることができる。これにより、ノイズの発生を抑制できるので、駆動電源やケーブルにノイズ防止の被覆をしなくても信頼性の高い信号伝達と素子駆動を実現することができる。
また、複数の部位をそれぞれ構成する圧電体層3は、積層構造体7の積層方向の中心から第1の端部に向かう厚み分布と、この中心から第2の端部に向かう厚み分布とがほぼ同一であることが好ましい。このように、各部位に配設される圧電体層3の厚みの分布を上下対称にすることによって応力分布をより均一に近くできる。結果として、ひずみがより小さくなり、耐久性を改善することができる。
本実施形態において、上下対称にするとは、積層方向の中心に位置する部位を基準として、積層構造体7の各々の端部に向かって、それぞれ隣り合う部位の圧電体層3の厚みがほぼ同等であることをいう。なお、部位の数、応力緩和数11の数、低剛性層17の数などについては、本実施形態に限定されるものではない。
次に、本発明の第8の実施形態について説明する。
図10に示すように、本実施形態の積層型圧電素子は低剛性層17を有している。そして低剛性層17は、互いに離隔した複数の金属部19を備えている。上記の構成の低剛性層17は、圧電体層3と比較して破断しやすい。そして、金属部19が圧電体層3の変動に追従して変形する、或いは破断することにより、応力を分散させることができる。その結果、耐久性および信頼性を改善した積層型圧電素子1を得ることができる。
この金属部19としては、例えば、Cu及びNiのような単体の金属、並びに、銀−白金及び銀−パラジウムのような合金が挙げられる。耐マイグレーション性や耐酸化性があり、ヤング率が低く、かつ、安価であるという点から銀−パラジウムを主成分とすることが好ましい。
また、熱伝導性の観点からは、銀が主成分であることが好ましい。銀は熱伝導特性が優れているので、応力集中により素子が局所的に加熱されたとしても、熱を効率良く吸収できるからである。さらに、表面に酸化層の皮膜が形成されていないことが好ましい。酸化皮膜の少ない金属粒子は柔軟性に富んでいるので、より応力を吸収しやすくなる。
金属部19を備えた低剛性層17の組成は、既に示したEPMA法の分析方法を用いることで特定できる。具体的には、低剛性層17の金属部19が露出するように、積層構造体7を切断するなどして、低剛性層17の一部の組成を測定すればよい。なお、積層型圧電素子1の切断面において、低剛性層17は、金属成分だけでなく、ボイドや、セラミックス成分等の金属以外の要素も含まれている場合がある。このような場合であっても、ボイド以外の部位をEPMA法により分析することができる。
また、低剛性層17は、大きさの異なる多数の金属部19がランダムに配設されたものであってもよい。ばらつきのある応力が低剛性層17に加わるような場合には、このように低剛性層17を形成することが特に有効である。低剛性層17の一部に応力が局所的に集中する可能性を小さくし、より広範囲に応力を分散させることができるからである。
さらに、低剛性層17は、空隙を介して互いに離隔した複数の金属部19を備えてい。空隙を介していることにより、金属部19が圧電体層3の変動に追従して変形したり、或いは破断したりすることがより容易となるからである。これにより、低剛性層17のより広範囲にわたる金属部19に応力を分散させることができ、積層型圧電素子1の耐久性をより向上させることができる。
また、上記のように低剛性層17が形成されている場合、この低剛性層17の空隙率は10%〜95%であることが好ましい。10%以上であれば、クラックの進展をより抑制させることができる。また、95%以下であれば、積層型圧電素子1の外形の形状を安定して保持することができる。
なお、本実施形態において、空隙率とは、積層構造体7の積層方向に垂直若しくは平行な断面において、低剛性層17の断面積に対して空隙の面積が占める割合(%)を意味する。空隙率を測定するには、例えば以下のようにして行えばよい。まず、積層方向に垂直な断面が露出するように、積層構造体7を公知の研磨手段を用いて研磨処理する。例えば、研磨装置としてケメット・ジャパン(株)社製卓上研磨機KEMET−V−300を用いてダイヤモンドペーストで研磨する。この研磨処理により露出した断面に対して、走査型電子顕微鏡(SEM)、光学顕微鏡又は金属顕微鏡を用いて断面処理をして、断面画像を得る。この断面画像において、空隙が占める面積の割合を測定する。このようにして、圧電体層3、内部電極5及び低剛性層17の各々の空隙率を測定することができる。
なお、図示しないが、低剛性層が、互いに離隔していた複数のセラミック部が備えられた構成であることも好ましい。セラミック部自体が順次破損するので、圧電体層の変位により生じる応力を分散させることができる。これにより、高い耐久性を有するとともに高い信頼性を備えた積層型圧電素子を得ることができる。
さらに、セラミック部が圧電体により形成されることが好ましい。圧電体からなるセラミック部が互いに離隔して配設される場合には、下記の理由により、さらに高い応力緩和効果を得ることができるからである。互いに離隔するようにセラミック部を配設することで、セラミック部の自由度が高くなる。セラミック部の自由度が高くなると、セラミック部に応力が加わったときに、圧電体の結晶内のイオンの配置が移動して、応力方向に応じて結晶構造が変形しやすくなる。そのため、セラミック部がより応力を吸収しやすくなるので、高い応力緩和効果が得られる。
圧電体により形成されるセラミック部としては、具体的には、チタン酸ジルコン酸鉛(PbZrO−PbTiO)等のペロブスカイト型酸化物を用いることができる。圧電体により形成されるセラミック部の成分は、既に述べたようにEPMA法のような分析方法を用いることで分析及び測定をすることができる。
また、低剛性層が、大きさの異なる多数のセラミック部がランダムに配設されたものであってもよい。ばらつきのある応力が低剛性層に加わるような場合には、上記のように低剛性層を形成することが特に有効である。低剛性層の一部に応力が局所的に集中する可能性を小さくし、より広範囲に応力を分散させることができるからである。
さらに、低剛性層は、空隙を介して互いに離隔した複数のセラミック部を備えていることがより好ましい。セラミック部自体がより破損しやすくなるので、圧電体層が変位することにより生じる応力をより広範囲に分散させることができる。この場合、低剛性層の空隙率は30%〜90%であることがより一層好ましい。
低剛性層の空隙率が30%以上であれば、応力を吸収して緩和するのに十分な空隙が存在するので、信頼性の高い積層型圧電素子とすることができる。さらに、空隙率は50%以上であることがより好ましい。低剛性層に接する圧電体層に応力が伝わった時に、空隙に接するセラミック部が、応力に対して十分に変形することができる。結果、セラミック部による応力吸収の効果がより高められるので、信頼性の特に高い積層型圧電素子1が得られる。
また、低剛性層の空隙率が90%以下であれば、素子寸法の長時間駆動による変形を抑制して、安定に駆動させることができる。これは、セラミック部により、低剛性層に接する圧電体層同士が安定して支持されるからである。これにより、低剛性層が破損する場合であっても、急激に破損することなく、応力の集中した箇所から徐々に柱が破損し、素子の急激な破壊が生じる可能性を小さくすることができる。結果、素子駆動制御系において、余裕をもって異常検知をすることが可能となり、信号制御系回路で素子外部から素子の駆動を細かく制御することができる。なお、本実施形態における空隙率は、先に説明したものと同じものである。また、空隙率の測定方法も先に示した方法を用いればよい。
次に、本発明の第9の実施形態について説明する。
図11に示すように、本実施形態の積層型圧電素子は低剛性層17を有している。そして低剛性層17は、互いに離隔した複数の金属部19及び複数のセラミック部21を備えている。これにより、耐久性の改善された積層型圧電素子1を得ることができる。これは、急激な応力は主にセラミック部により吸収され、常時加わる応力は主に金属部19により吸収されるからである。結果、様々な形態の応力に対応できるので、耐久性の非常に優れた積層型圧電素子1を得ることができる。
低剛性層17における金属部19とセラミック部21とは、互いに接するか、空隙を介して隔離した状態であるのが好ましい。金属部19とセラミック部21とが互いに接する場合、金属部19及びセラミック部21による各々の応力緩和効果を高めることができる。
既に示したように、金属部19、セラミック部21は応力緩和の作用効果にそれぞれ特徴がある。金属部19とセラミック部21とが互いに接していることで、金属部19とセラミック部21とが別々に作用するのではなく、この接している部分で金属部19とセラミック部21とを一体となって作用させることができるからである。また、金属部19とセラミック部21とが、空隙を介して互いに離隔している場合、金属部19及びセラミック部21による応力緩和の効果をより高めることができる。
このとき、金属部19とセラミック部21の比率が同程度であることが好ましい。それぞれの応力緩和の効果が効率よく発揮されて、非常に耐久性の高い積層型圧電素子1を得ることができる。なお、ここでの比率は、積層構造体7の積層方向に垂直若しくは平行な断面における金属部19とセラミック部21のそれぞれの面積を合計したものの比率を意味している。
また、低剛性層17に対して積層方向に隣り合う2つの内部電極5のうち、圧電体層3の厚みが大きい方の部位に位置する内部電極5は、圧電体層3の厚みが小さい方の部位に位置する内部電極5よりも空隙が多。内部電極5の空隙が上記のように形成されていることによって、圧電体層3の厚みが大きい方の部位に位置する内部電極5に印加される電界強度が小さくなるので、厚みの大きい圧電体層3の変位量が小さくなる。そのため、低剛性層17に加わる応力が、圧電体層3の厚みの小さい方の部位に位置する圧電体層3よりも、厚みの大きい部位に位置する圧電体層3に偏るからである。
これにより、低剛性層17に対して積層方向に隣り合う2つの内部電極5のうち、圧電体層3の厚みの大きい方の部位に位置する内部電極5の空隙によって、応力をより効果的に分散させることができるので、より耐久性の高い積層型圧電素子1を得ることができる。
なお、本実施形態において、空隙率とは、第6の実施形態において示した通りである。また、空隙率の測定方法も第6の実施形態において示した方法を用いればよい。
また、応力緩和部11に対して積層方向に隣り合う2つの部位のうち、積層構造体7の端部に近い方の部位を構成する圧電体層3が、他方の部位を構成する圧電体層3よりも厚みが大きいことが好ましい。
次に、本発明の積層型圧電素子にかかる製法の一例を説明する。
まず、圧電体層3となるセラミックグリーンシートを作製する。PbZrO−PbTiOのペロブスカイト型酸化物を用いた圧電セラミックスの仮焼粉末と、アクリル系及びブチラール系の有機高分子からなるバインダーと、DBP(フタル酸ジブチル)及びDOP(フタル酸ジオチル)の可塑剤とを混合してスラリーを作製する。次に、このスラリーをドクターブレード法又はカレンダーロール法といった周知のテープ成型法を用いることにより圧電体層3となるセラミックグリーンシートを作製する。
次に、銀−パラジウム等の内部電極5を構成する金属粉末、セラミック粉末にバインダー及び可塑剤を添加混合して導電性ペーストを作製する。これを各グリーンシートの上面にスクリーン印刷等によって1〜40μm程度の厚みに印刷する。
バインダー及び可塑剤と金属粉末及びセラミック粉末との比を変えること、スクリーンのメッシュの度数を変えること、又はスクリーンのパターンを形成するレジスト厚みを変えることにより、内部電極5及び圧電体層3の厚みを変化させることができる。
また、同じ厚みのセラミックグリーンシートを複数重ねて、圧電体層3の厚みを変えることが有効である。つまり、圧電素子1の積層方向の中央に位置する部位から端部に位置する部位に向かって圧電体層3の厚みが整数倍となるようにセラミックグリーンシートの積層数を変える。これにより、より簡易に素子1を作製することができる。
具体的には、中央に位置する部位にはセラミックグリーンシート1枚で一層の圧電体層3を形成し、この部位と隣り合う部位にはセラミックグリーンシートを2枚重ねて一層の圧電体層3を形成する。さらに、この部位と積層構造体7の端部側で隣り合う部位ではセラミックグリーンシートを3枚重ねて一層の圧電体層3を形成すればよい。
このように積層構造体7を形成する場合には、一定の厚みのセラミックグリーンシートを用意すればよく、非常に簡単に積層構造体7を作製することができる。積層構造体7の端部に近づくに従って、この圧電体層3の積層する枚数を変えていくことで、本実施形態の圧電素子1を作製することができるからである。このような構成により、低コストかつ小型の圧電素子1を作製することができる。
また、圧電素子1の積層方向の中央に位置する部位から端部に位置する部位に向かって各部位のセラミックグリーンシートの厚みが倍となるように、それぞれの部位に配設されたセラミックグリーンシートの積層枚数を変化させていくことも有効である。具体的には、中央に位置する圧電体層3の一層あたりのセラミックグリーンシートの積層数を1とした場合に、この部位と隣り合う部位に形成されているセラミックグリーンシートの積層数を2とし、さらに、この部位の、積層構造体7の端部側で隣り合う部位でのセラミックグリーンシートの積層数を4とすればよい。
次に、低剛性層17となるペーストを作製する。低剛性層17に関して、まず、セラミック部21について説明する。PbZrO−PbTiOのペロブスカイト型酸化物を用いた圧電セラミックスの仮焼粉末に、バインダー及び可塑剤を添加混合することでセラミック部21となるペーストを作製する。これを上記の各グリーンシートの上面における所望の位置にスクリーン印刷等によって1〜40μm程度の厚みに印刷し、乾燥させる。以上により、セラミック部21となるグリーンシートが作製される。
バインダー及び可塑剤とセラミック粉末との比を変えること、スクリーンのメッシュの度数を変えること、或いはスクリーンのパターンを形成するレジスト厚みを変えることで、セラミック部21の大きさ、空隙の大きさ、空隙率等を変化させることができる。
次に、低剛性層17の一つである金属部19について説明する。銀−パラジウムの金属粉末にバインダー及び可塑剤を添加混合した金属部19となるペーストを作製する。これを、上記の各グリーンシートの上面の所望の位置にスクリーン印刷等によって1〜40μm程度の厚みに印刷する。
このとき、空隙を介して複数の金属部19を互いに離隔させるためには、バインダー及び可塑剤と金属粉末との比を変える、スクリーンのメッシュの度数を変える、或いはスクリーンのパターンを形成するレジスト厚みを変えて金属ペーストを作製すればよい。これにより、金属部19の大きさ、空隙の大きさ、空隙率等を変化させることができる。
また、内部電極5が銀−パラジウムからなる時には、内部電極5となる導電性ペーストと比較して銀−パラジウムの銀比率の高い導電性ペーストを用いることにより、複雑な工程を経ることなく低剛性層17を形成することができる。これは、低剛性層17が形成される位置に上記の銀比率の高い導電性ペーストを配設して同時焼成により積層構造体7を形成すると、銀比率の高い導電性ペーストから銀が拡散していくからである。銀が拡散することによって空隙が形成され、結果、上記の銀比率の高い導電性ペーストは圧電体層3や内部電極5と比較して剛性の低い低剛性層17となる。
なお、本実施形態においては、セラミック部21となるペーストの印刷パターンと金属部19となるペーストの印刷パターンは、互いに重なり合わないことが好ましく、相互の間に隙間を持つことが好ましい。これは、互いに重なり合わないことで、低剛性層17に厚みの大きい箇所と厚みの小さい箇所が生じてしまうことを抑制できるからである。これにより、低剛性層17と隣接する圧電体層3との間で不要な剥離が生じることを抑制できる。
次に、低活性層23を形成するグリーンシート、導電性ペーストが印刷されたグリーンシートおよび低剛性層17を形成するグリーンシートを所望の構成で積層する。導電性ペーストを印刷していないグリーンシートを複数枚重ねた上に導電性ペーストを印刷することにより、厚みの異なる部位が形成される。もちろんあらかじめ厚みの異なるグリーンシートを作製し、これに導電性ペーストを印刷することにより、厚みの異なる部位を形成してもよい。重石をのせるなどして積層構造体7に加圧した状態で所定の温度で脱バインダーを行った後、金属層の厚みに差ができるように加圧による負荷をはずして900〜1200℃で焼成することにより、積層構造体7が作製される。
このとき、低活性層23の部分のグリーンシート中に、銀−パラジウムのような内部電極5を構成する金属粉末を添加することにより、低活性層23と圧電体層3の焼結時の収縮挙動ならびに収縮率を近づけることができる。このようにして、より緻密な積層構造体7を形成することができる。また、低活性層23の部分のグリーンシートを積層する際に、銀−パラジウムのような内部電極5を構成する金属粉末、無機化合物、バインダー及び可塑剤を備えたスラリーをグリーンシート上に印刷することによっても、低活性層23と圧電体層3の焼結時の収縮挙動ならびに収縮率を近づけることができる。
なお、積層構造体7は、上記製法によって作製されるものに限定されるものではなく、複数の圧電体層3と複数の内部電極5とを交互に積層してなる積層構造体7を形成できれば、いずれの製法によって形成されても良い。
次に、積層構造7の2つの側面に、互い違いになるように一層おきに内部電極5に沿ってそれぞれ溝部を形成する。この溝部に、圧電体層3よりもヤング率の低い、樹脂またはゴム等の絶縁体を配設する。
また、外部電極9となる銀ガラス導電性ペーストを作製する。ガラス粉末に、バインダーを加えることで銀ガラス導電性ペーストを作製する。この銀ガラス導電性ペーストをシート状に成形し、乾燥させる。ここで、上記の銀ガラス導電性ペーストを乾燥させる工程は、溶媒を飛散させ、シートの生密度が6〜9g/cm3となるように制御することが好ましい。このようにして作製されたシートを、積層構造体7の外部電極9の形成面に転写する。そして、ガラスの軟化点よりも高い温度であって、銀の融点(965℃)以下の温度、且つ、積層構造体7の焼成温度(℃)の4/5以下の温度で焼き付けを行う。これにより、銀ガラス導電性ペーストを用いて作製したシート中のバインダー成分が飛散して消失し、3次元網目構造をなす多孔質導電体からなる外部電極9を形成することができる。
このとき、外部電極9を構成するペーストを多層のシートに積層してから焼付けを行っても、1層ごとに積層しては焼付けを行っても良い。特に、多層のシートに積層してから焼付けを行うことが好ましい。多層のシートに積層してから一度に焼付けを行う方が、量産性に優れているからである。
また、上記の多層のシートに関して、一層ごとにガラス成分を変える場合は、シートごとにガラス成分の質量比を変えたものを用いればよい。圧電体層3に最も接した面にごく薄くガラスリッチな層を形成したい場合は、積層構造体7にスクリーン印刷等の方法でガラスリッチなペーストを印刷した上で、多層のシートを積層する方法を用いればよい。このとき、印刷に代えて5μm以下のシートを用いても良い。
なお、銀ガラス導電性ペーストの焼き付け温度は、500〜800℃の範囲に設定することが望ましい。これは、ネック部を効果的に形成し、銀ガラス導電性ペースト中の銀と内部電極5を拡散接合させることができるからである。これにより、外部電極9中の空隙を有効に残存させることができる。また、外部電極9と柱状の積層構造体7の側面とを部分的に接合させることもできる。また、銀ガラス導電性ペースト中のガラス成分の軟化点は、500〜800℃であるのが望ましい。
焼き付け温度を800℃以下とすることにより、銀ガラス導電性ペーストの銀粉末の焼結が進みすぎることを抑えることができる。これにより、3次元網目構造をなす多孔質導電体を形成できるので、外部電極9を適度に緻密にさせることができる。そのため、外部電極9のヤング率が高くなりすぎることが抑制されて、外部電極9の断線が抑制される。結果、駆動時の応力をより広範囲に分散させることができる。より好ましくは、ガラスの軟化点の1.2倍以内の温度で焼き付けを行うことがよい。
また、焼き付け温度を500℃以上とすることにより、内部電極5の端部と外部電極9との間での拡散による接合性をより高めることができる。これにより、より強固なネック部を形成することができる。結果、駆動時に内部電極5と外部電極9との間でより安定して通電させることができる。
そして、外部電極9にリード線を接続し、リード線を介して一対の外部電極9に0.1〜3kV/mmの直流電圧を印加し、積層構造体7を分極処理する。これにより、本発明の積層型圧電素子1を利用した圧電アクチュエータが完成する。リード線を外部の電圧供給部に接続し、リード線及び外部電極9を介して圧電体層3に電圧を印加させれば、各圧電体層3は逆圧電効果によって大きく変位する。以上により、例えば、エンジンに燃料を噴射供給する自動車用燃料噴射弁として機能させることができる。
次に、本発明の一実施形態にかかる流体の噴射装置について説明する。図12に示すように、本実施形態の噴射装置25は、一端に噴射孔27を有する収納装置29の内部に上記の実施形態に代表される積層型圧電素子1が収納されている。
収納容器29内には、噴射孔27を開閉することができるニードルバルブ31が配設されている。噴射孔27には流体通路33がニードルバルブ31の動きに応じて連通可能になるように配設されている。この流体通路33は外部の流体供給源に連結され、流体通路33に常時高圧で流体が供給されている。従って、ニードルバルブ31が噴射孔27を開放すると、流体通路33に供給されていた流体が外部または隣接する容器、例えば内燃機関の燃料室(不図示)に、噴出されるように構成されている。
また、ニードルバルブ31の上端部は内径が大きくなっており、収納装置29に形成されたシリンダ35と摺動可能なピストン37が配置されている。そして、収納装置29内には、上記した積層型圧電素子1が収納されている。
このような噴射装置25では、圧電アクチュエータが電圧を印加されて伸長すると、ピストン37が押圧され、ニードルバルブ31が噴射孔27を閉塞し、流体の供給が停止される。また、電圧の印加が停止されると圧電アクチュエータが収縮し、皿バネ39がピストン37を押し返し、噴射孔27が流体通路33と連通して流体の噴射が行われるようになっている。
なお、積層型圧電素子1に電圧を印加することによって流体流路33を開放し、電圧の印加を停止することによって流体流路を閉鎖するように構成しても良い。
また、本発明の噴射装置25は、噴射孔27を有する容器と、上記積層型圧電素子1とを備え、容器内に充填された流体を積層型圧電素子1の駆動により噴射孔27から吐出させるように構成されていてもよい。すなわち、積層型圧電素子1が必ずしも容器の内部にある必要はなく、積層型圧電素子1の駆動によって容器の内部に圧力が加わるように構成されていればよい。なお、本発明において、流体とは、燃料、インクなどの他、種々の液状流体(導電性ペースト等)および気体が含まれる。噴射装置を用いる事によって、流体の流量および噴出タイミングを制御することができる。
本発明の積層型圧電素子を採用した噴射装置を内燃機関に用いれば、従来の噴射装置に比べてエンジン等の内燃機関の燃料室に燃料をより長い期間精度よく噴射させることができる。
次に、本発明の一実施形態にかかる流体噴射システムについて説明する。図13に示すように、本実施形態の流体噴射システム41は、高圧流体を蓄えるコモンレール43と、このコモンレール43に蓄えられた流体を噴射する複数の上記噴射装置25と、コモンレール43に高圧の流体を供給する圧力ポンプ45と、噴射装置25に駆動信号を与える噴射制御ユニット47と、を備えている。
噴射制御ユニット47は、外部情報または外部からの信号に基づいて流体噴射の量やタイミングを制御する。例えば、エンジンの燃料噴射に噴射制御ユニットを用いた場合、エンジンの燃焼室内の状況をセンサ等で感知しながら燃料噴射の量やタイミングを制御することができる。圧力ポンプ45は、流体タンク49から流体燃料を高圧でコモンレール43に送り込む役割を果たす。例えばエンジンの燃料噴射システムの場合には1000〜2000気圧程度、好ましくは1500〜1700気圧程度にしてコモンレール43に流体を送り込む。コモンレール43では、圧力ポンプ45から送られてきた燃料を蓄え、適宜噴射装置25に送り込む。噴射装置25は、上述したように噴射孔27から一定の流体を噴射装置から外部または隣接する容器に噴射する。例えば、エンジンの場合には燃料を燃焼室内に霧状に噴射する。
積層型圧電素子を備えた圧電アクチュエータを以下のようにして作製した。まず、平均粒径が0.4μmのチタン酸ジルコン酸鉛(PbZrO−PbTiO)を含有する圧電セラミックスの仮焼粉末、バインダー及び可塑剤を混合したスラリーを作製した。このスラリーを用いて、ドクターブレード法により、厚み150μmの圧電体層3になるセラミックグリーンシートを作製した。
次に、銀−パラジウムの合金(銀95質量%−パラジウム5重量%)にバインダーを加えて内部電極5となる導電性ペーストを作製した。この導電性ペーストを、先に作製したグリーンシートの片面に、レジスト厚み20μmの製版で、10μmの厚さとなるようにスクリーン印刷法により印刷を行った。
このとき、試料番号1の積層型圧電素子1では、各々のグリーンシートの片面にそれぞれ上記導電性ペーストを印刷することにより、グリーンシートの厚みを一定にしている。そして、これらのシートを300枚積層し、焼成した。焼成は、800℃で保持した後に、1000℃で焼成した。
一方、試料番号2−7の積層型圧電素子1では、上記セラミックグリーンシートの厚みを基準としてグリーンシートの一部を2枚又は3枚重ねることにより、基準となるセラミックグリーンシートと比較して厚みが2倍又は3倍となるグリーンシートをそれぞれ作製した。これらのグリーンシートの片面にそれぞれ上記導電性ペーストを印刷した。これらの厚みの異なるグリーンシートをそれぞれ厚みの異なるもの毎に積層することで圧電体層3の厚みの異なる部位を形成した。
そして、これらの部位を積層方向の中心から一方及び他方の端部のそれぞれに向かうに従ってグリーンシートの厚みが段階的に大きくなるように積層した。その後、試料番号1の積層型圧電素子1と同様にして焼成を行った。
試料番号3の積層型圧電素子1は、図2に示した構造を有する。図2に示したように、圧電体層3の厚みを互いに異ならせた部位Aと部位Bとの間に同極の外部電極9に接続された2つの内部電極5と、を備えた応力緩和部11である部位Cが配設されている。
試料番号4−6の積層型圧電素子1は、図4に示した構造を有する。すなわち、これらの積層型圧電素子1は低剛性層17を具備している。また、試料番号7の積層型圧電素子1は、図7に示した構造を有する。すなわち、同極の外部電極9に接続された2つの内部電極5と積層方向両側でそれぞれ隣接する圧電体層3と、この圧電体層3内に形成された低剛性層17と、を有している。
試料番号4−7の積層型圧電素子1には、図9または10に示したように、低剛性層17を形成するグリーンシートは表1に示すように金属部19および/またはセラミック部21が印刷により形成されている。特に、試料番号6及び7の積層型圧電素子1の低剛性層17は、図10に示したように金属部19とセラミックス部21とを備えている。
本実施例においては、セラミック部21としては、圧電体層3の形成に用いたセラミックグリーンシートと同じく、チタン酸ジルコン酸鉛(PbZrO−PbTiO)を含有する圧電セラミックスの仮焼粉末、バインダー及び可塑剤からなるシートを用いている。また、セラミック部21となるペーストをレジスト厚み10μmの製版で5μmの厚さとなるように印刷を行った後、80℃で20分間乾燥している。
また、本実施例においては、金属部19として、内部電極5の形成に用いた導電性ペーストを用い、所望の金属部19を形成する箇所にレジスト厚み5μmの製版で、5μmの厚さとなるように印刷をしている。
なお、試料番号4−7の積層型圧電素子1の低剛性層17の空隙率を既に示した方法により測定したところ、試料番号4、5の積層型圧電素子1では、どちらも0.5であった。また、試料番号6、7の積層型圧電素子1では、どちらも0.25であった。
次に、平均粒径2μmのフレーク状の銀粉末と、残部が平均粒径2μmのケイ素を主成分とする軟化点が640℃のガラス粉末とを混合した。この混合物に、バインダーを、銀粉末とガラス粉末の合計質量100質量部に対して8質量部となるように添加した。このバインダーを加えた混合物を十分に混合して銀ガラス導電性ペーストを作製した。このようにして作製した銀ガラス導電性ペーストを離型フィルム上にスクリーン印刷し、乾燥させた。その後、離型フィルムより剥がして、銀ガラス導電性シートを得た。そして、銀ガラス導電性シートを積層構造体7の外部電極9形成面に転写して積層し、700℃で30分焼き付けを行い、外部電極9を形成した。
その後、外部電極9にリード線を接続し、正極及び負極の外部電極9にリード線を介して3kV/mmの直流電界を15分間印加して分極処理を行い、各々の積層型圧電素子1を備えた圧電アクチュエータを作製した。
このようにして得られたそれぞれの圧電アクチュエータに170Vの直流電圧を印加したところ、すべての圧電アクチュエータにおいて、積層方向に変位量が得られた。この時の変位量を初期状態の変位量として表1に示す。この圧電アクチュエータを室温で0〜+170Vの交流電圧を150Hzの周波数で印加して、1×10回まで連続駆動する試験を行った。結果は表1に示すとおりである。
Figure 0005084744
表1に示すように、試料番号1及び2の素子1は連続駆動の試験中に破損してしまっている。これは、比較例である試料番号1では、積層型圧電素子1の端部に位置する圧電体層3に応力が集中してしまったと考えられる。また、試料番号2では、積層型圧電素子1の端部に位置する圧電体層3への応力の集中は低減できたものの、圧電体層3の厚みを互いに異ならせた部位の境界に位置する圧電体層3に応力が集中してしまったからである。
結果として、試料番号1及び2では、それぞれ一部の圧電体層3にかかる負荷が増大して圧電体層3の一部が破損した。そのため、積層型圧電素子1が破断し、その結果、破断した圧電体層3と積層方向の両方に隣接する内部電極5間で電気的な短絡が起きた。
これに対して、試料番号3〜7の素子1では、積層方向に隣り合う2つの部位間に応力緩和部11を備えていることにより、1×10回連続駆動試験の後においても、素子変位量が著しく低下することなく、圧電アクチュエータとして必要とされる実効変位量を有していた。このようにして、耐久性の改善された圧電アクチュエータを作製することができた。
また、試料番号1−3及び5の積層型圧電素子1においては、複数の内部電極5の空隙率はそれぞれ同等であった。一方で、試料番号4、6及び7の積層型圧電素子1においては、応力緩和部11と隣り合う1層となりの内部電極5の空隙率が、この内部電極5と上記応力緩和部11とは積層方向の反対側で隣り合う、応力緩和部11に対して2層となりの内部電極5の空隙率よりも小さくなっていた。このように、応力の集中する応力緩和部11により近い内部電極5の方が、空隙率が大きく変位しやすいので、より大きな応力緩和効果が得られた。
特に、試料番号6及び7の積層型圧電素子1においては、低剛性層17が、金属部19とセラミックス部21とを備えていることにより、1×10回連続駆動させた後も、素子変位量が殆ど低下しておらず、非常に高い性能が得られていることが分かる。

Claims (13)

  1. 複数の圧電体層と複数の内部電極とが交互に積層された積層構造体と、該積層構造体の側面に形成されるとともに前記内部電極が接続された正極及び負極の外部電極とを備えた積層型圧電素子において、
    前記積層構造体は、前記圧電体層の厚みを互いに異ならせた複数の変位可能な部位を有し、
    積層方向に隣り合う2つの前記部位の間には、前記圧電体層よりも弾性率の高い高弾性層を備えた応力緩和部が設けられていることを特徴とする積層型圧電素子。
  2. 複数の圧電体層と複数の内部電極とが交互に積層された積層構造体と、該積層構造体の側面に形成されるとともに前記内部電極が接続された正極及び負極の外部電極とを備えた積層型圧電素子において、
    前記積層構造体は、前記圧電体層の厚みを互いに異ならせた複数の変位可能な部位を有し、
    積層方向に隣り合う2つの前記部位の間には、前記圧電体層及び前記内部電極のいずれよりも剛性が低い低剛性層を備えた応力緩和部が設けられていて、
    前記低剛性層は互いに離隔した複数の金属部を備えていることを特徴とする積層型圧電素子。
  3. 前記低剛性層は、空隙を介して互いに離隔した複数の前記金属部を備えていることを特徴とする請求項に記載の積層型圧電素子。
  4. 複数の圧電体層と複数の内部電極とが交互に積層された積層構造体と、該積層構造体の側面に形成されるとともに前記内部電極が接続された正極及び負極の外部電極とを備えた積層型圧電素子において、
    前記積層構造体は、前記圧電体層の厚みを互いに異ならせた複数の変位可能な部位を有し、
    積層方向に隣り合う2つの前記部位の間には、前記圧電体層及び前記内部電極のいずれよりも剛性が低い低剛性層を備えた応力緩和部が設けられていて、
    前記低剛性層に対して積層方向に隣り合う2つの内部電極のうち、圧電体層の厚みが大きい方の部位に位置する内部電極は、圧電体層の厚みが小さい方の部位に位置する内部電極よりも空隙が多いことを特徴とする積層型圧電素子。
  5. 前記応力緩和部は、同極の前記外部電極に接続された2つの前記内部電極と積層方向両側
    でそれぞれ隣接する前記圧電体層を備えた少なくとも2つの部分と、これらの部分の間に前記圧電体層を介して配置された前記低剛性層と、からなることを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれかに記載の積層型圧電素子。
  6. 前記応力緩和部は、同極の前記外部電極に接続された2つの前記内部電極と積層方向両側でそれぞれ隣接する前記圧電体層を備え、当該圧電体層内に前記低剛性層が設けられていることを特徴とする請求項2乃至請求項5のいずれかに記載の積層型圧電素子。
  7. 前記低剛性層は、互いに離隔した複数のセラミック部を備えていることを特徴とする請求項2乃至請求項6のいずれかに記載の積層型圧電素子。
  8. 前記低剛性層は、空隙を介して互いに離隔した複数の前記セラミック部を備えていることを特徴とする請求項に記載の積層型圧電素子。
  9. 前記応力緩和部は、隣接する一対の前記内部電極と、該一対の内部電極に挟持された圧電体層とを備え、前記一対の内部電極は、同極の前記外部電極に接続されることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の積層型圧電素子。
  10. 前記応力緩和部に対して積層方向に隣り合う2つの前記部位のうち、前記積層構造体の端部に近い方の部位を構成する圧電体層は、他方の部位を構成する圧電体層よりも厚みが大きいことを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれかに記載の積層型圧電素子。
  11. 前記複数の部位をそれぞれ構成する圧電体層は、前記積層構造体の積層方向の中心から第1の端部に向かう厚み分布と、前記中心から第2の端部に向かう厚み分布とが同一であることを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれかに記載の積層型圧電素子。
  12. 請求項1乃至請求項11のいずれかに記載の積層型圧電素子と噴射孔とを備え、前記積層型圧電素子の駆動により前記噴射孔から液体を吐出させることを特徴とする噴射装置。
  13. 高圧燃料を蓄えるコモンレールと、
    このコモンレールに蓄えられた燃料を噴射する請求項12に記載の噴射装置と、
    前記コモンレールに高圧の燃料を供給する圧力ポンプと、
    前記噴射装置に駆動信号を与える噴射制御ユニットと、
    を備えた燃料噴射システム。
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