JP5444593B2 - 積層型圧電素子 - Google Patents

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Description

本発明は、積層型圧電素子に関する。
複数の内部電極と複数の圧電体層とを交互に積層してなる従来の積層型圧電素子として、例えば特許文献1に記載されているものが知られている。かかる文献に記載の積層型圧電素子は、一方の最外層を構成する圧電体層を他の圧電体層よりも厚くすることで、一方の最外層に印加される電界強度を他の圧電体層に印加される電界強度よりも弱めている。
特許第3511981号公報
上述の積層型圧電素子では、一方の最外層を構成する圧電体層の厚さが他の圧電体層の厚さと異なるため、熱収縮率格差によって焼成時に変形が生じてしまうことがあった。
そこで、積層型圧電素子として焼成時の変形を抑制可能なものが望まれるが、積層型圧電素子においては、焼成時の変形抑制だけでなく、駆動時の変位量が十分であることも望まれていた。また、分極時に圧電体層の活性領域と不活性領域との間で発生する応力が大きくなると、分極時あるいは駆動時にクラック等が生じやすくなるため、この応力によるクラック等を抑制することも望まれていた。
以上の点を踏まえ、本発明は、焼成時の変形を抑制できると共に、駆動時に十分な変位量を得ながら応力によるクラック等を抑えることが可能な積層型圧電素子を提供することを課題とする。
本発明に係る積層型圧電素子は、複数の内部電極と複数の圧電体層とが交互に積層された積層体と、内部電極に接続された外部電極とを備える積層型圧電素子であって、複数の圧電体層のうち、一方の最外層を構成する第1の圧電体層と他方の最外層を構成する第2の圧電体層とは、厚さが同一であると共に、外部電極に電圧を印加した際に伸縮する活性領域と伸縮しない不活性領域とをそれぞれ有しており、複数の圧電体層が延びる方向において、第2の圧電体層の活性領域は、第1の圧電体層の活性領域よりも短くなっており、複数の圧電体層のうち、第1の圧電体層と第2の圧電体層との間に位置し且つ複数の圧電体層の積層方向における中央位置よりも第2の圧電体層側に配された第3の圧電体層は、活性領域を有していないことを特徴とする。
本発明の積層型圧電素子では、一方の最外層を構成する第1の圧電体層と他方の最外層を構成する第2の圧電体層とが同一の厚さを有している。一対の最外層の厚さが同じであるため、熱収縮率格差による焼成時の表面の変形が生じにくくなり、その結果、積層型圧電素子全体としても焼成時の変形が生じにくくなる。また、第1及び第2の圧電体層が共に活性領域と不活性領域とを有するので、分極時において一方の最外層で発生する応力と他方の最外層で発生する応力との間に、差が生じにくくなる。その結果、かかる応力差により積層型圧電素子の外側に歪みが生じ、これが一因となって分極時あるいは駆動時にクラックが発生するということを抑制できる。その上、一方の最外層と他方の最外層との間に、活性領域を有さない第3の圧電体層を挟むので、他の圧電体層にて分極時に発生する応力を、この第3の圧電体層によって緩和することができる。
更に本発明の積層型圧電素子では、第2の圧電体層の活性領域が第1の圧電体層の活性領域よりも短くなっている。このように一方の最外層と他方の最外層とで活性領域の長さを変えることにより、一方の最外層の変位量と他方の最外層の変位量とが異なることとなるため、積層型圧電素子全体としての変位量を相乗的に高めることができる。また、活性領域を有さない第3の圧電体層を、積層方向における中央位置よりも第2の圧電体層側に配しているので、中央位置よりも他方の最外層側は比較的伸縮が生じにくい部分となる。これに対して、中央位置よりも一方の最外層側は、長い活性領域を有する第1の圧電体層が形成されているため、伸縮が比較的生じやすい部分となる。このように、積層体の一方の側を比較的伸縮が生じやすい部分とし、他方の側を比較的伸縮が生じにくい部分とすることにより、一方の側で生じた変位を他方の側で増長させることとなる。その結果、積層型圧電素子E1全体としての変位量をより大きくすることができる。
したがって本発明によれば、焼成時の変形を抑制できると共に、駆動時に十分な変位量を得ながら応力によるクラック等を抑えることが可能な積層型圧電素子を得ることができる
また、本発明の積層型圧電素子は、積層体は積層方向に沿う一対の側面を備えており、第1の圧電体層の活性領域は、積層方向と直交する方向における中央部分から一方の側面側にかけて連続的に形成されており、第2の圧電体層の活性領域は、中央部分よりも他方の側面側に形成されており、第1及び第2の圧電体層の活性領域は、積層方向から見たときに互いに重なりを有さないことが好ましい。この場合、一方の側面寄りの部分を固定した状態で積層型圧電素子を駆動したときに、第1の圧電体層の活性領域による伸縮と、第2の圧電体層の活性領域による伸縮との相乗的作用がより効果的に発揮されるため、積層型圧電素子をいっそう大きく変位させることができる。
本発明によれば、焼成時の変形を抑制できると共に、駆動時に十分な変位量を得ながら分極応力を緩和することが可能な積層型圧電素子を提供することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
図1(a)は本実施形態に係る積層型圧電素子を示す斜視図であり、図1(b)は図1(a)に示した積層型圧電素子の側面図である。
本実施形態の積層型圧電素子は、例えば、超小型電気機械システム(MEMS)を駆動機構としたハードディスクドライブ(HDD)において、アクチュエータとして用いられるものである。図1(a)に示されるように、本実施形態の積層型圧電素子E1は、直方体状の積層体2を備えている。積層体2は、6つの圧電体層3と、5つの電極層4(内部電極)及び電極層5とを交互に積層してなるものであり、圧電体層3の積層方向に互いに対向する第1及び第2の主面2a,2bと、第1及び第2の主面2a,2bに隣り合い且つ圧電体層3の積層方向に沿う第1及び第2の側面2c,2dと、第1及び第2の主面2a,2b及び第1及び第2の側面2c,2dに隣り合う第3及び第4の側面2e,2fとを有している。
電極層4は、電極層4a,4b,4c,4d,4eで構成されている。電極層4a,4b,4c,4d,4eは、この並びで積層体2の第1の主面2a側から順に形成されており、特に電極層4a〜4dはその一部領域が圧電体層3を挟んで対向するように交互に積層されている。電極層4a,4cは積層体2の第2の側面(他方の側面)2dに引き出されており、電極層4b,4d,4eは積層体2の第1の側面(一方の側面)2cに引き出されている。また、電極層4e上には圧電体層3を介して電極層5が形成されている。電極層5は、積層体2の第2の主面2bに露出すると共に、その一部領域が圧電体層3を挟んで電極層4eと対向するように配置されている。電極層5は、積層体2の第2の側面2dに引き出されている。電極層4a〜4e,5は、例えばAg:Pd=7:3の比率で構成された導電材料からなっている。なお、電極層4a〜4e,5は、Au:Pd=7:3の比率で構成された導電材料からなるとしてもよい。
積層体2の第1の側面2cには、電極層4b,4d,4eと電気的に接続された外部電極6aが設けられている。この外部電極6aは、積層体2の第1の側面2cから第1の主面2aまで延在している。積層体2の第2の側面2dには、電極層4a,4c,5と電気的に接続された外部電極6bが設けられている。この外部電極6bは、積層体2の第2の側面2dから第1の主面2aまで延在している。外部電極6a,6bは、第1の主面2aにおいて所定の距離隔てられている。外部電極6a,6bには、電圧印加用のリード線(図示せず)が接続されている。このような外部電極6a,6bは、例えばAu等で形成されている。
圧電体層3は、例えばPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)を主成分とした圧電セラミック材料で形成されている。圧電体層3のうち、外部電極6a,6bと電極層4a間に位置する圧電体層3a(第1の圧電体層)が、積層体2の一方の最外層、すなわち第1の主面2a側の最外層を構成し、電極層5と電極層4e間に位置する圧電体層3b(第2の圧電体層)が、積層体2の他方の最外層、すなわち第2の主面2b側の最外層を構成している。圧電体層3aと圧電体層3bとは、厚さが同一となっている。また、圧電体層3のうち、電極層4d,4e間に位置する圧電体層3c(第3の圧電体層)は、圧電体層3a,3bの約3倍の厚さを有している。なお本実施形態において、電極層4a〜4d間に位置する3つの圧電体層3は、圧電体層3a,3bと同一の厚さをそれぞれ有している。
圧電体層3cを除く各圧電体層3は、外部電極6a,6b間に電圧を印加した時に伸縮する活性領域7と、伸縮しない不活性領域とをそれぞれ有している。各圧電体層3において、活性領域7を除く領域が不活性領域に相当する。活性領域7は、外部電極6aと電極層4a、電極層4aと電極層4b、電極層4bと電極層4c、電極層4cと電極層4d、及び電極層4eと電極層5、が重なり合う領域である。
図1(b)に示すように、第1の主面2aにおいて、外部電極6aは積層方向と直交する方向における中央位置8を越えて第2の側面2d側まで延在している。また、電極層4aは、上述した中央位置8を越えて第1の側面2c側まで延在している。これにより、活性領域7のうち、外部電極6aと電極層4aとが重なり合ってなる活性領域7aは、中央位置8の周辺部分(中央部分)から第1の側面2c側にかけて、連続的に形成されることとなる。
一方、第2の主面2bにおいて、電極層5は中央位置8を越えることなく第2の側面2d側に延在している。また、電極層4eは、中央位置8を越えて第2の側面2d側まで延在している。これにより、活性領域7のうち、電極層4eと電極層5とが重なり合ってなる活性領域7bは、中央位置8の周辺部分には至らず、当該部分よりも第2の側面2d側に形成されることとなる。
このように、電極層4eと電極層5とが重なり合ってなる活性領域7bは、外部電極6aと電極層4aとが重なり合ってなる活性領域7aよりも短くなっている。また、活性領域7a,7bは、積層方向から見たときに互いに重ならないように形成されている。例えば圧電体層3a,3bの厚さが約13μmであり、積層体2の積層方向における長さ(高さ)が約115μmである場合には、活性領域7bの長さD1は約0.2mm以下とする。なおこのとき、積層体2の第1の主面2aにおいて、外部電極6a,6b間の距離D2は約0.2mm以下とする。
電極層4dと電極層4eとの間に位置する圧電体層3cは、他の圧電体層3と異なり、活性領域を有していない。この圧電体層3cは、積層方向における中央位置9よりも圧電体層3b側に配されている。
次に、上述した積層型圧電素子E1を製作する手順について説明する。まず、圧電体層3を形成するグリーンシートを成形する。グリーンシートを作製するにあたって、例えばPZTを主成分としたセラミック粉体に有機バインダ樹脂および有機溶剤等を混合したペーストを作製する。そして、例えばドクターブレード法によって、上記ペーストをキャリアフィルム上に塗布することにより、グリーンシートを複数枚作製する。
次に、グリーンシートに、電極層4a〜4e及び電極層5に相当する電極パターンを複数、より具体的には、後述する分割チップ数に対応する数、形成する。電極パターンを形成するにあたって、例えばAg:Pd=7:3の比率で構成された導電材料に有機バインダ樹脂および有機溶剤等を混合したペーストを作製する。なお、導電材料はAu:Pd=7:3の比率で構成されたものを用いるとしてもよい。そして、そのペーストをグリーンシートにスクリーン印刷して乾燥させることにより、電極層4a〜4e,5に相当する電極パターンが形成されたグリーンシートをそれぞれ得る。
次に、電極パターンが形成されたグリーンシートを重ねて加熱圧着し、シート積層体を得る。このとき、電極層4dに相当する電極パターンが形成されたグリーンシートと電極層4eに相当する電極パターンが形成されたグリーンシートとの間には、電極パターンが形成されていないグリーンシートを2枚積層する。これにより、電極層4d,4e間に位置する圧電体層3cがその他の圧電体層3の約3倍の厚さとなる。
続いて、得られたシート積層体を切断して、チップ形状のシート積層体を複数得る。チップ形状のシート積層体をセッターに載せ、シート積層体の脱脂(脱バインダ)を400℃程度の大気雰囲気中にて10時間程度行う。その後、シート積層体が載置されたセッターを密閉炉内に入れ、1100℃程度の大気中にてシート積層体の焼成を2時間程度行い、焼結体を得る。本実施形態において、焼成後の各グリーンシートの厚さは約13μmとなり、そのため焼結体の厚さは電極層の厚みが加わり約115μmとなる。
得られた焼結体に、温度120℃の環境下で、焼結体の厚みに対する電界強度が2〜3kV/mmとなるように所定の電圧を3分間印加することにより、焼結体の分極処理を行う。分極処理は、隣り合う圧電体層3の分極方向が互いに反転の関係となるように行う。これにより、圧電体層3と電極層4,5とを有する、図1に示される積層体2が得られることとなる。
その後、積層体2の側面に金をスパッタリングすることにより外部電極6a,6bを形成する。このとき、積層体2の第1の主面2aにおける外部電極6a,6b間の距離D2が約0.2mm以下となるようにする。以上の工程を経て、積層型圧電素子E1が完成する
このようにして製造された積層型圧電素子E1に関して、実際に行った評価について説明する。図2は、積層型圧電素子E1の評価方法を説明するための図である。
より具体的は、シミュレーションを用いて、積層型圧電素子E1の圧電歪定数d31方向の変位評価を行った。すなわち、積層型圧電素子E1を用意し、この積層型圧電素子E1における積層体2の第1の側面2c側を固定して、外部電極6a,6b間に電圧を印加した。そして、電圧印加前の積層型圧電素子E1(図2の積層型圧電素子E1a)を基準とし、電圧印加時の積層型圧電素子E1(図2の積層型圧電素子E1b)について、外部電極6bの角部における変位量B1を計測した。なお、積層型圧電素子E1としては、活性領域7bの長さD1が0.1mm又は0.2mm、外部電極6a,6b間の距離D2が0.1mm又は0.2mmとなっているものを用意した。
上述の積層型圧電素子E1とは別に、図3に示すように、8つの圧電体層13と6つの電極層14a,14b,14c,14d,14e,14fとを交互に積層してなる積層体12を備える積層型圧電素子E2を用意する。電極層14a〜14gで挟まれた圧電体層13が有する活性領域17は、すべて同一の長さとなっている。この積層型圧電素子E2において、電極層14a〜14cは積層体12の第2の側面12dに引き出されており、電極層14d〜14fは積層体12の第1の側面12cに引き出されている。積層体12の第1の側面12c及び第2の側面12dは、図1に示す積層体2の第1の側面2c及び第2の側面2dに相当する。この積層型圧電素子E2についても、積層型圧電素子E1と同様にして変位量を計測した。
計測した積層型圧電素子E1の変位量を積層型圧電素子E2の変位量で除算し、得られた除算値を変位量の増加率とした。変位量の増加率を表1に示す。

Figure 0005444593

表1からもわかるとおり、本実施形態の積層型圧電素子E1では、電圧印加時の変位量が図3に示す積層型圧電素子E2に比べて大きくなる。
以上詳細に説明したように、本実施形態の積層型圧電素子E1では、積層体2において第1の主面2a側の最外層を構成する圧電体層3aと、第2の主面2b側の最外層を構成する圧電体層3bとが、同一の厚さを有している。一対の最外層の厚さが同じであるため、熱収縮率格差による焼成時の表面の変形が生じにくくなり、その結果、積層型圧電素子E1全体としても焼成時の変形が生じにくくなる。また、圧電体層3a,3bが共に活性領域7a,7bと不活性領域とを有するので、第1の主面2a側で発生する分極時の応力と、第2の主面2b側で発生する分極時の応力との間に、差が生じにくくなる。その結果、積層型圧電素子E1の外側が分極時に歪むことが原因で、分極時あるいは駆動時にクラックが発生するということを抑制できる。その上、第1の主面2a側の最外層と第2の主面2b側の最外層との間に、活性領域を有さない圧電体層3cを挟むので、他の圧電体層3にて分極時に発生する応力を、この圧電体層3cによって緩和することができる。
更に積層型圧電素子E1では、圧電体層3bの活性領域7bが圧電体層3aの活性領域7aよりも短くなっている。このように一方の最外層と他方の最外層とで活性領域の長さを変えることにより、一方の最外層の変位量と他方の最外層の変位量とが異なることとなるため、積層型圧電素子E1全体としての変位量を相乗的に高めることができる。また積層型圧電素子E1では、積層方向における中央位置9よりも圧電体層3b側に、活性領域を有さない圧電体層3cを形成している。これにより、中央位置9よりも第2の主面2b側は比較的伸縮が生じにくい部分となる。これに対して、中央位置9よりも第1の主面2a側は、活性領域を有する圧電体層3が4層形成されているため、伸縮が生じやすい部分となる。このように、積層体2の一方の側を比較的伸縮が生じやすい部分とし、他方の側を比較的伸縮が生じにくい部分とすることによって、積層体2の一方の側で生じた変位を他方の側で増長させることが可能となり、積層型圧電素子E1全体としての変位量をより大きくすることができる。
したがって本実施形態によれば、焼成時の変形を抑制できると共に、駆動時に十分な変位量を得ながら応力によるクラック等を抑えることが可能な積層型圧電素子E1を得ることができる。
また、本実施形態の積層型圧電素子E1では、外部電極6aと電極層4aとが重なり合ってなる活性領域7aは、中央位置8の周辺部分から第1の側面2c側にかけて、連続的に形成されている。一方、電極層4eと電極層5とが重なり合ってなる活性領域7bは、中央位置8の周辺部分には至らず、当該部分よりも第2の側面2d側に形成されている。更に、活性領域7a,7bは、積層方向から見たときに互いに重ならないように形成されている。この場合、第1の側面2c寄りの部分を固定した状態で積層型圧電素子E1を駆動すると、活性領域7aによる伸縮と、第2の圧電体層の活性領域による伸縮との相乗的作用がより効果的に発揮されるため、積層型圧電素子E1をいっそう大きく変位させることができる。
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、本実施形態では、圧電体層3a,3b及び電極層4a〜4d間に位置する圧電体層3の厚さを約13μmとしたが、圧電体層の厚さはこれに限られない。
また、本実施形態では、電極層4d,4e間に位置する圧電体層3cは圧電体層3a,3bの約3倍の厚さを有しているとしたが、少なくとも約2倍の厚さを有していればよい。
また、本実施形態では、積層体2は6つの圧電体層3と5つの電極層4を有するとしたが、圧電体層及び電極層の数はこれに限られない。また、圧電体層3、電極層4、電極層5、及び外部電極6a,6bに用いられる材料は、上述したものに限られない。
本実施形態に係る積層型圧電素子を示す斜視図および側面図である。 本実施形態に係る積層型圧電素子の評価方法を説明するための図である。 他の積層型圧電素子を示す側面図である。
符号の説明
2…積層体、2a…第1の主面、2b…第2の主面、2c…第1の側面、2d…第2の側面、3,3a〜3c…圧電体層、4,4a〜4e,5…電極層、6a,6b…外部電極、7,7a,7b…活性領域、E1…積層型圧電素子。

Claims (2)

  1. 複数の内部電極と複数の圧電体層とが交互に積層された積層体と、前記複数の内部電極のうち対応する内部電極に接続された複数の外部電極とを備える積層型圧電素子であって、
    前記積層体は、前記複数の内部電極と前記複数の圧電体層との積層方向に互いに対向する第1及び第2の主面と、前記第1及び第2の主面に隣り合い且つ前記積層方向に沿う第1及び第2の側面と、前記第1及び第2の主面並びに前記第1及び第2の側面に隣り合う第3及び第4の側面と、を有し、
    前記複数の外部電極は、前記第1の側面と前記第1の主面とに延在するように設けられている第1の外部電極と、前記第2の主面に設けられている電極層と接続され且つ前記第2の側面に設けられている第2の外部電極と、を有し、
    前記複数の内部電極は、前記積層方向で互いに交互に配置されたそれぞれ複数の第1及び第2の内部電極と、前記電極層と対向するように配置され且つ前記第1の側面に引き出されて前記第1の外部電極に接続された第3の内部電極と、を含み、
    前記複数の第1の内部電極は、前記第2の側面に引き出されて前記第2の外部電極に接続され、前記複数の第2の内部電極は、前記第1の側面に引き出されて前記第1の外部電極に接続され、
    前記複数の圧電体層のうち、前記第1の主面側の最外層を構成する第1の圧電体層と前記第2の主面側の最外層を構成する第2の圧電体層とは、厚さが同一であり、
    前記第1の圧電体層は、記複数の第1の内部電極のうち前記第1の外部電極と対向するように配置された第1の内部電極と前記第1の外部電極とが重なり合っている領域であって、前記第1及び第2の外部電極に電圧を印加した際に伸縮する活性領域と、該活性領域を除く領域であって、伸縮しない不活性領域と、を有し、
    前記第2の圧電体層は、前記電極層と前記第3の内部電極とが重なり合っている領域であって、前記第1及び第2の外部電極に電圧を印加した際に伸縮する活性領域と、該活性領域を除く領域であって、伸縮しない不活性領域と、を有しており、
    前記複数の圧電体層が延びる方向において、前記第2の圧電体層の前記活性領域は、前記第1の圧電体層の前記活性領域よりも短くなっており、
    前記複数の圧電体層のうち、前記第1の圧電体層と前記第2の圧電体層との間に位置し且つ前記積層方向における中央位置よりも前記第2の圧電体層側に配された第3の圧電体層は、前記活性領域を有しておらず、
    前記積層体における前記中央位置よりも前記第1の主面側の最外層側は、前記積層体における前記中央位置よりも前記第2の主面側の最外層側よりも伸縮が生じやすく、前記積層体における前記中央位置よりも前記第1の主面側の最外層側で生じた変位が前記積層体における前記中央位置よりも前記第2の主面側の最外層側で増長することを特徴とする積層型圧電素子。
  2. 前記第1の圧電体層の前記活性領域は、前記積層方向と直交する方向における中央部分から前記第1の側面側にかけて連続的に形成されており、
    前記第2の圧電体層の前記活性領域は、前記中央部分よりも前記第2の側面側に形成されており、
    前記第1及び第2の圧電体層の前記活性領域は、前記積層方向から見たときに互いに重なりを有さないことを特徴とする請求項1に記載の積層型圧電素子。
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