JP2002298643A - 外部電極用導電性ペースト及びそれを用いた積層セラミックコンデンサ - Google Patents

外部電極用導電性ペースト及びそれを用いた積層セラミックコンデンサ

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JP2002298643A
JP2002298643A JP2001097717A JP2001097717A JP2002298643A JP 2002298643 A JP2002298643 A JP 2002298643A JP 2001097717 A JP2001097717 A JP 2001097717A JP 2001097717 A JP2001097717 A JP 2001097717A JP 2002298643 A JP2002298643 A JP 2002298643A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子部品の外部電極を形成するために用いた
場合に、外部電極が十分且つ均一に緻密化し、酸化によ
る容量の低下や、熱衝撃(ΔT)試験におけるクラック
を防止するとともに、焼き付け工程を簡単にし、工程歩
留まりを向上させ、品質を安定化することが可能な導電
性ペーストを提供する。 【解決手段】本発明に用いられる外部電極5,6用の導
電性ペーストは、粒子の表面を酸化物ガラスでコートし
てなる銅粉末を主成分とする金属成分と、ガラス成分
と、溶剤と、必要に応じた無機添加物のみからなること
を特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、銅粉末を主成分と
してなる外部電極用導電性ペースト及びそれを用いた積
層セラミックコンデンサに関し、詳しくは、浸漬塗布工
法により積層セラミックコンデンサの外部電極を形成す
るのに適した導電性ペーストに関するものである。
【0002】
【従来の技術】積層セラミックコンデンサに代表される
チップ型電子部品は、一般に、チップ型電子部品の構成
する誘電体ブロックの端面を導電性ペーストに浸漬し
て、付着させる浸漬塗布工法が用いられており、これに
より誘電体ブロックに付着させた導電性ペーストを焼き
付けることによって外部電極が形成されている。
【0003】このように外部電極を形成する導電性ペー
ストは、コストダウン、高周波化のために、銅を主成分
としたものを用いている。このような導電性ペーストは
銅粉末、ガラスフリット、及び有機バインダー等の樹脂
成分と有機溶剤とで作製された有機ビヒクル等を混合し
て構成されている。
【0004】この銅粉末の粒子は、一般的に、ペースト
調製前の粒子の酸化を防ぐために、あらかじめ粒子の表
面をオレイン酸、ステアリン酸などの有機成分でコート
されている。
【0005】従来より、上記銅粉末を主成分とする導電
性ペーストの焼き付けは、100〜500℃の温度で脱
脂を行った後、760〜900℃の温度で焼き付けを行
っており、且つ卑金属である銅が酸化されて導電性を失
うことがないように中性雰囲気で導電性ペーストの焼き
付けが行われていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記導
電性ペーストは、粒子の表面をオレイン酸、ステアリン
酸などの有機成分でコートしており、また中性雰囲気で
焼き付けを行うため、焼き付け時に上記有機成分を完全
に分解・燃焼させることができず、焼結体の外部電極内
部に残ってしまう。そして、有機成分が残留しているた
め、銅粒子の粒成長が十分に進行せず、外部電極を十分
に緻密化させることができない。このため、静電容量が
低下したり、チップを340℃の高温半田槽に2秒浸す
熱衝撃(ΔT)試験において、クラックが発生するとい
う問題点があった。
【0007】ここで、樹脂成分と銅粉末は混合されてい
る状態なので、樹脂成分は脱脂温度の100〜500℃
でほぼ燃焼・分解するが、有機成分は銅粉末の粒子の表
面をコートしているので、760〜900℃でも完全に
燃焼・分解するのは困難である。
【0008】また、銅粒子は大気中で酸化されやすいた
め、導電性ペースト中の銅粒子が酸化されないようにす
るとともに、且つ十分に脱脂が行われるように、通常は
脱脂が行われる昇温過程の100〜500℃の温度領域
で酸素または空気を導入して、酸素濃度を数10〜数1
00ppmにする。
【0009】しかしながら、このときの酸素濃度につい
ては、非常にシビアな管理が必要であり、品質の安定化
が困難であるという問題があった。
【0010】一方、一般に脱脂工程の昇温速度は、焼き
付け工程の昇温速度の0.5〜0.8倍である。このた
め、脱脂を十分行うためには、工程が長くなるという問
題があった。特に、脱脂工程を焼き付け工程とは別の炉
で行う場合、一旦脱脂炉の炉内温度を室温まで下げた
後、焼き付け炉に入れる必要があるため、さらに工程が
長くなる。
【0011】本発明は上述の問題点に鑑みて案出された
ものであり、その目的は、銅粉末を主成分として形成し
た外部電極が十分且つ均一に緻密化し、酸化による容量
の低下や、熱衝撃(ΔT)試験におけるクラックを防止
するとともに、焼き付け工程を簡単にし、工程歩留まり
を向上させ、品質を安定化することが可能な外部電極用
導電性ペースト及びそれを用いた積層セラミックコンデ
ンサを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の導電性ペースト
は、粒子の表面を無機ガラスでコートしてなる銅粉末を
主成分とすることを特徴とする。
【0013】また、上記導電性ペーストは、粒子の表面
を無機ガラスでコートしてなる銅を主成分とする金属成
分と、ガラス成分と、溶剤のみからなることを特徴とす
る。
【0014】また、上記導電性ペーストに、無機添加剤
を添加したことを特徴とする。
【0015】本発明の積層セラミックコンデンサは、誘
電体層を複数積層して成る誘電体ブロックの各層間に、
内部電極を配設するとともに、各内部電極を交互に対向
する誘電体ブロックの端面側に延出させ、該各延出部を
前記誘電体ブロックの端面に上記導電性ペーストを用い
て形成された外部電極に接続してなることを特徴とす
る。
【作用】本発明の導電性ペーストは、粒子の表面を無機
ガラスでコートしてなる銅粉末を主成分とするため、無
機ガラスはペースト調製時・脱脂時にはコートした状態
を保ち、金属部分と酸素が接触しにくくなるように働
き、銅の酸化を防止する。そして、焼き付け時にはガラ
ス成分の一部として、外部電極を焼き付ける最中に溶融
し、焼結を促進すると共に、積層体本体と外部電極の界
面に移動することで積層体本体と外部電極との接着剤と
して作用する。
【0016】このため、粒子の表面をオレイン酸、ステ
アリン酸などの有機成分でコートしなくても、粒子の酸
化を防ぐことができる。そして、焼き付け時に有機成分
が残留することがないため、焼結後の外部電極が十分且
つ均一に緻密化し、外部電極の断面積に対する金属成分
の面積占有率が70〜95%と向上する。さらに、静電
容量(Cap)の低下や、メッキ液浸入による熱衝撃
(ΔT)試験時のクラック防止することができる。
【0017】また、本発明の導電性ペーストは、粒子の
表面を無機ガラスでコートしてなる銅を主成分とする金
属成分と、ガラス成分と、溶剤と、必要に応じた無機添
加剤のみからなり、有機バインダーなどの樹脂成分を含
有していないため、脱脂工程が不要になり、工程が大幅
に短縮されるとともに、酸素濃度などのシビアな管理が
不要になるため、工程歩留まりが向上し、品質が安定化
する。さらに、従来は脱脂を完全に行う目的からも、銅
粉末を含む導電性ペーストの焼き付けは、760〜90
0℃の温度で行っていたが、本発明の導電性ペースト
は、700〜750℃の温度での焼き付けが可能になる
ため、積層セラミックコンデンサの機械的強度が向上す
る。
【0018】好ましくは、本発明の導電性ペーストは、
無機添加剤を添加することにより、積層体本体と外部電
極の収縮挙動を完全に一致させることができ、焼き付け
時の残留応力によるクラックを防止することができる。
なお、無機添加剤は焼き付け時に燃焼しないため、銅粒
子の酸化に影響はない。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の導電性ペーストを
図面に基づいて説明する。
【0020】図1は、本発明の導電性ペーストを形成し
た積層セラミックコンデンサの外観斜視図であり、図2
は、その断面図である。
【0021】図において、1は誘電体ブロックであり、
2は誘電体ブロック1を構成する誘電体層、3は誘電体
ブロック1内に形成した内部電極であり、4、5は本発
明の導電性ペーストにより形成した外部電極である。
【0022】誘電体層2は、チタン酸バリウムを主成分
とする非還元性誘電体材料及びガラス成分を含む誘電体
材料からなり、その形状は、2.0mm×1.2mmな
どであり、その厚みは高容量化のために1〜5μmとし
ている。この誘電体層2が図上、上方向に積層して誘電
体ブロック1が構成される。なお、誘電体層2の形状、
厚み、積層数は容量値によって任意に変更することがで
きる。
【0023】内部電極3は、Niを主成分とする材料か
ら構成されている。そして、誘電体層2の積層方向に隣
接しあう2つの内部電極3は、互いに誘電体ブロック1
の異なる端面側に延出し、該延出部が各々異なる外部電
極4、5に接続されている。その厚みは、1〜2μmと
している。
【0024】外部電極4、5は、導電性ペーストを硬化
して形成されるものであり、下地導体膜41、51から
構成されており、さらにその裏面に表面メッキ層42、
52を形成してもよい。外部電極4、5の下地導体膜4
1、51は、銅を主成分とする導体及びガラス成分によ
って構成されており、表面メッキ層42、52は、Ni
メッキ、Snメッキ、半田メッキなどが例示できる。
【0025】本発明の特徴的なことは、外部電極4、5
の下地導体膜41、51となる導電性ペーストは、粒子
の表面を無機ガラスでコートしてなる銅粉末を主成分と
する金属成分と、ガラス成分と、溶剤のみから構成され
ることである。すなわち、有機バインダーなどの樹脂成
分を含有していない。さらに好ましい形態としては、上
記導電性ペーストに、無機添加剤を添加したことであ
る。
【0026】ここで、無機ガラスとは、ホウケイ酸亜
鉛、ホウケイ酸バリウム、ホウケイ酸亜鉛バリウムなど
が挙げられる。
【0027】また、銅粉末を主成分とする金属成分と
は、Cuの他、Cuに固溶するNiのような金属成分を
添加した金属成分も含まれる。
【0028】また、溶剤とは、有機溶剤の他、200℃
以下で蒸発する可塑剤などの成分も含む。
【0029】すなわち、銅粒子の表面をコートしている
無機ガラスは、ペースト調製時・脱脂時にはコートした
状態を保ち、金属部分と酸素が接触しにくくなるように
働き、銅の酸化を防止する。そして、焼き付け時にはガ
ラス成分の一部として、外部電極を焼き付ける最中に溶
融し、焼結を促進すると共に、積層体本体と外部電極の
界面に移動することで積層体本体と外部電極との接着剤
として作用する。
【0030】このため、粒子の表面をオレイン酸、ステ
アリン酸などの有機成分でコートしなくても、粒子の酸
化を防ぐことができる。そして、焼き付け時に有機成分
が残留することがないことから、焼結後の外部電極が十
分且つ均一に緻密化し、外部電極の断面積に対する金属
成分の面積占有率が70〜95%と向上する。さらに、
静電容量(Cap)の低下や、メッキ液浸入による熱衝
撃(ΔT)試験時のクラック防止することができる。
【0031】また、樹脂成分を含んでいないため、脱脂
工程が不要になり、工程が大幅に短縮されるとともに、
酸素濃度などのシビアな管理が不要になるため、工程歩
留まりが向上し、品質が安定化する。さらに、従来は脱
脂を完全に行う目的からも、銅粉末を含む導電性ペース
トの焼き付けは、760〜900℃の温度で行っていた
が、本発明の導電性ペーストは、700〜750℃の温
度での焼き付けが可能になるため、積層セラミックコン
デンサの機械的強度が向上する。
【0032】また、樹脂成分の分解・燃焼が遅くなり、
ガラスが溶け出す高温まで樹脂が残ってしまい、残留し
た樹脂成分の分解・燃焼により発生した気体で外部電極
表面に球状のふくらみが生じるという問題も解決でき
る。
【0033】なお、樹脂成分は、導電性ペーストの粘度
を高くし、塗布後の外部電極形状を保つ役割をもつた
め、ペーストに樹脂成分を添加しない場合、溶剤などの
他の添加物の種類・量を調節する必要がある。例えば、
溶剤として、タピネオール、DBP、DOP、ブチルカ
ルビトールアセテートなどの粘度が高いものを用いると
良い。また、導電性ペーストの粘度を高くすれば、他の
条件を変化させなくても、塗布後の外部電極形状を保つ
ことができる。
【0034】また、無機ガラスをコートするコート厚み
は17〜23nmの範囲にあることが望ましい。
【0035】すなわち、コート厚みが17nm未満で
は、銅粒子が完全にコートされないため、銅の酸化によ
る導通不良が発生する。一方、コート厚みが23nmを
越えると、焼き付け温度においても、コートガラスが銅
粒子を覆った状態を保ち、銅粒子の移動が妨げられるた
め、焼結不十分となる。
【0036】なお、溶剤は、中性雰囲気においても、2
00℃以下で全て蒸発してしまうため、銅粒子の酸化に
影響はない。
【0037】また、必要に応じてアルミナなどの無機添
加剤を添加しても良い。このことにより、積層体本体と
外部電極の収縮挙動を完全に一致させることができ、焼
き付け時の残留応力によるクラックを防止することがで
きる。なお、無機添加剤は焼き付け時に燃焼しないた
め、銅粒子の酸化に影響はない。
【0038】また、調製前の粉末の凝集を防ぐために
は、ペースト調製前に粉末をふるいにかけておくと良
い。
【0039】また、銅粒子同士の接触面積を大きくし、
焼結を進行させやすくするためには、銅粒子はフレーク
状であることが好ましい。
【0040】また、導電性ペーストを乾燥させた後の膜
密度が、4.0g/cm3以上となることが好ましい。
膜密度が4.0g/cm3以上の導電性ペーストを用い
た場合には、膜中での銅粉末の充填性が高いため、同じ
銅塗布量(単位面積当たりの銅重量)でも緻密な膜形成
が可能で、かつ焼き付け時にも空孔の少ない連続性の良
い外部電極が形成される。このためメッキ液や湿気に対
する封止性が向上し、信頼性が向上する。また、膜密度
を4.0g/cm3以上としたが、金属成分の理論密度
値が上限となる。
【0041】なお、膜密度は以下の方法で測定する。即
ち、導電性ペーストをPETフィルム上に5×10cm
の面積で膜厚が30μmとなるように印刷後、120℃
で1時間空気中で乾燥させる。乾燥した導電性ペースト
を1×1cmに切断し、厚みと重量を測定し、膜密度を
算出するものである。
【0042】なお、本発明は上記の実施の形態例に限定
されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内
での種々の変更や改良などは何ら差し支えない。
【0043】例えば、本発明の導電性ペーストは、セラ
ミックコンデンサに限らず、圧電共振部品やチップ抵抗
などの種々の電子部品の端子電極を形成する場合にも、
用いることができる。
【0044】
【実施例】以下、本発明の実施例を以下に示す。
【0045】まず、導電性ペーストを作製する。これ
は、表面をコートしたフレーク状銅粒子100wt%に
対して、B、Ba、Zn成分を含有するガラス粉末を
0.5〜20wt%添加し、さらに溶剤を適宜配合し、
3本ロールで分散させて行われる。ここで、溶剤は、ベ
ンジルアルコールとタピネオールを使用して、導電性ペ
ーストを調整する。
【0046】表1に示すように、試料番号1〜5は、粒
子の表面をホウケイ酸亜鉛でコートし、コート厚みを1
5〜25nmとし、有機バインダーを添加しなかった。
試料番号6〜7は、粒子の表面をホウケイ酸亜鉛でコー
トし、コート厚みを15、20nmとし、有機バインダ
ーを添加した。試料番号8、9は、粒子の表面をそれぞ
れホウケイ酸バリウム、ホウケイ酸亜鉛バリウムでコー
トし、コート厚みを20nmとし、有機バインダーを添
加しなかった。
【0047】比較例として、試料番号10は、粒子の表
面をコートせず、有機バインダーを添加した。試料番号
11は、粒子の表面をオレイン酸でコートし、コート厚
みを20nmとし、有機バインダーを添加した。試料番
号12は、粒子の表面をオレイン酸でコートし、コート
厚みを20nmとし、有機バインダーを添加しなかっ
た。
【0048】そして、この導電性ペーストを誘電体ブロ
ックに塗布した後、170℃で導電性ペーストを乾燥さ
せ、350℃の空気中で脱脂を行った後、銅粒子が酸化
しないように酸素濃度を50ppm以下にして、ピーク
温度で導電性ペーストを誘電体ブロックに焼き付けて積
層セラミックコンデンサを作成した。具体的には、20
12型(L寸法:2.0mm、W寸法:1.2mm)の
容量値100nFとなる積層セラミックコンデンサを製
造した。なお、脱脂が行われる昇温過程の100〜50
0℃の温度領域での酸素または空気の導入は行わなかっ
た。
【0049】そして、得られたチップについて、静電容
量、熱衝撃(ΔT)試験を行った。
【0050】また、焼結後の外部電極における緻密性の
評価方法は、外部電極部の断面研磨面の銅の占める割合
を画像処理し、70%未満をバツ印、70〜80%を丸
印、80%以上を二重丸印とした。
【0051】静電容量(Cap)は、JIS C 64
29に基づき、インピーダンスアナライザーを用いて、
1kHz、1.0Vrmsの条件で測定し、95nF以
上であるものを良品、95nF未満であるものを不良品
とした。
【0052】熱衝撃(ΔT)試験は、300個のチップ
を365℃の高温半田槽に2秒浸し、クラックの発生数
を調査した。
【0053】結果を表1に示す。
【0054】
【表1】
【0055】なお、表1において、試料No.に*を付
したものは、比較例である。
【0056】表1のように、銅粒子の表面をホウケイ酸
亜鉛、ホウケイ酸バリウム、ホウケイ酸亜鉛バリウムで
コートした本実施例(試料番号1〜9)では、焼結後の
外部電極の断面積に対する金属成分の面積占有率は70
%以上、静電容量(Cap)は90nF以上、熱衝撃
(ΔT)試験におけるクラックの発生数は0/300個
となった。
【0057】これに対し、粒子の表面をコートせず、有
機バインダーを添加した比較例(試料番号10)では、
焼結後の外部電極の緻密性は70%未満、静電容量(C
ap)は9.5nF、熱衝撃(ΔT)試験におけるクラ
ックの発生数は20/300個となった。すなわち、粒
子の表面がコートされていないため、例えば導電性ペー
ストの調製時などに銅粒子が酸化され、静電容量が大き
く低下したと考えられる。また、銅粒子の表面をオレイ
ン酸でコートし、有機バインダーを添加した比較例(試
料番号11)では、焼結後の外部電極の緻密性は70%
未満、静電容量(Cap)は80.3nF、熱衝撃(Δ
T)試験におけるクラックの発生数は63/300個と
なった。すなわち、焼き付け時も銅粒子の表面をコート
したオレイン酸が残留しているため、熱衝撃(ΔT)試
験におけるクラックが発生しやすいと考えられる。さら
に、銅粒子の表面をオレイン酸でコートし、有機バイン
ダーを添加した比較例(試料番号12)では、焼結後の
外部電極の緻密性は70%未満、静電容量(Cap)は
85.3nF、熱衝撃(ΔT)試験におけるクラックの
発生数は55/300個となった。すなわち、有機バイ
ンダーの有無による差は小さいと考えられる。
【0058】
【発明の効果】以上の通り、本発明の導電性ペースト
は、粒子の表面を無機ガラスでコートしてなる銅粉末を
主成分とする金属成分と、ガラス成分と、必要に応じた
無機添加剤のみからなるため、焼き付け時に有機成分が
残留することがないことから、焼結後の外部電極が十分
且つ均一に緻密化し、積層セラミックコンデンサの焼結
密度が向上する。また、メッキ液浸入による熱衝撃(Δ
T)試験時のクラックが低減するとともに、中性雰囲気
で焼き付けを行った場合も、金属部分と酸素が接触しに
くくなるため、銅の酸化による静電容量(Cap)の低
下も防止することができる。
【0059】ここで、銅粒子の表面をコートしている無
機ガラスは、ペースト調製時・脱脂時にはコートした状
態を保ち、焼き付け時にはガラス成分の一部として、銅
の焼結を促進する。
【0060】また、樹脂成分を含んでいないため、脱脂
工程が不要になり、シビアな管理が不要になることによ
り品質が安定化するとともに、工程が大幅に短縮され
る。さらに、従来は脱脂を完全に行う目的からも、銅粉
末を含む導電性ペーストの焼き付けは、760〜900
℃の温度で行っていたが、本発明の導電性ペーストは、
700〜750℃の温度での焼き付けが可能になり、ま
たこのことから積層セラミックコンデンサの機械的強度
が向上する。
【0061】好ましくは、本発明の導電性ペーストは、
無機添加剤を添加することにより、積層体本体と外部電
極の収縮挙動を完全に一致させることができ、焼き付け
時の残留応力によるクラックを防止することができる。
なお、無機添加剤は焼き付け時に燃焼しないため、銅粒
子の酸化に影響はない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の導電性ペーストを用いた積層セラミッ
クコンデンサの外観斜視図である。
【図2】本発明の導電性ペーストを用いた積層セラミッ
クコンデンサの断面図である。
【符号の説明】
1・・・・誘電体ブロック 2・・・・誘電体磁器層 3・・・・内部電極 4、5・・外部電極

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒子の表面を無機ガラスでコートしてな
    る銅粉末を主成分とすることを特徴とする外部電極用導
    電性ペースト。
  2. 【請求項2】 粒子の表面を無機ガラスでコートしてな
    る銅を主成分とする金属成分と、ガラス成分と、溶剤の
    みからなることを特徴とする請求項1記載の外部電極用
    導電性ペースト。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の導電性ペーストに、無機
    添加剤を添加したことを特徴とする外部電極用導電性ペ
    ースト。
  4. 【請求項4】 誘電体層を複数積層して成る誘電体ブロ
    ックの各層間に、内部電極を配設するとともに、各内部
    電極を交互に誘電体ブロックの互いに異なる端面に延出
    させ、かつ該各延出部を前記誘電体ブロックの各端面に
    形成した請求項1〜3の外部電極用導電性ペーストから
    なる外部電極に互いに接続したことを特徴とする積層セ
    ラミックコンデンサ。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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