JP2001122660A - 導電性ペースト、積層セラミック電子部品及びその製造方法 - Google Patents

導電性ペースト、積層セラミック電子部品及びその製造方法

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JP2001122660A
JP2001122660A JP30147099A JP30147099A JP2001122660A JP 2001122660 A JP2001122660 A JP 2001122660A JP 30147099 A JP30147099 A JP 30147099A JP 30147099 A JP30147099 A JP 30147099A JP 2001122660 A JP2001122660 A JP 2001122660A
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ceramic
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conductive paste
tic
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JP30147099A
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English (en)
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Hirotoshi Kawamura
浩敏 川村
Koichi Chazono
広一 茶園
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Taiyo Yuden Co Ltd
Original Assignee
Taiyo Yuden Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一般に、セラミック粉末は導電性ペーストの
主成分であるNi金属との濡れ性が悪いので、焼成の途
中でセラミック粉末がNi金属と分離し、分離したセラ
ミック粉末がセラミック層と反応して積層セラミック電
子部品の電気的特性に悪影響を及ぼし、また、内部電極
の連続性が悪化して欠陥の多い内部電極が形成され、積
層セラミック電子部品の電気的特性が悪化するという問
題がある。 【解決手段】 この発明は、Ni金属粒子と、該Ni金
属粒子の表面を被覆しているTiC粒子と、該Ni金属
粒子の表面の一部を被覆しているTiO粒子と、該T
iC粒子及び該TiO粒子によって被覆された該Ni
金属粒子を分散させている有機バインダとを含む導電性
ペーストにより上記課題を解決した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、積層セラミック
電子部品の内部電極を形成するための導電性ペースト、
この導電性ペーストで内部電極を形成した積層セラミッ
ク電子部品及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、積層セラミック電子部品はセラ
ミック層と内部電極とを所望の積層構造に形成し、これ
に外部電極を設けた電子部品をいい、例えば、積層セラ
ミックコンデンサ、積層インダクタ、積層圧電部品、積
層フィルタ、セラミック多層基板などが知られている。
【0003】このような積層セラミック電子部品のう
ち、積層セラミックコンデンサは例えば次のようにして
製造されている。
【0004】まず、誘電体磁器組成物からなるセラミッ
ク粉末、有機バインダ及び有機溶剤または水を所定量混
練してセラミック粉末を有機バインダ及び有機溶剤また
は水中に十分に分散させ、セラミックスラリーを形成す
る。そして、このセラミックスラリーをドクターブレー
ド法等のシート成型法により薄いシート状に成形してセ
ラミックグリーンシートを得る。
【0005】次に、このセラミックグリーンシート上に
導電性ペーストからなる内部電極パターンをスクリーン
印刷法等により印刷し、その後、内部電極パターン中の
有機溶剤又は水を乾燥・除去させる。
【0006】ここで、導電性ペーストとしては、Ni,
Pt,Pd,Au,Ag等の金属粒子を、エチルセルロ
ース樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ブチラール樹脂等
の有機バインダ、α−テルピネオール、トルエン等の溶
剤及び界面活性剤を含有する有機ビヒクルに分散させた
ものが一般に用いられている。
【0007】次に、内部電極パターンが印刷されたセラ
ミックグリーンシートを複数枚積層し、内部電極パター
ンが印刷されていないセラミックグリーンシートを上下
に適宜の枚数積層し、厚み方向に加圧してセラミック層
−内部電極パターン層及びセラミック層同士を密着さ
せ、これを内部電極パターン毎に格子状に裁断してチッ
プ状のセラミック積層体を得る。
【0008】次に、このチップ状のセラミック積層体を
加熱して含有されている有機バインダを燃焼・除去させ
た後、更に昇温し、高温で焼成してセラミックグリーン
シート及び内部電極パターンを焼結させ、積層セラミッ
クコンデンサの素体を得る。そして、この素体の両端面
に外部電極用ペーストを塗布し、これを焼き付けて外部
電極を形成し、積層セラミックコンデンサを得る。
【0009】ところで、上述したようにして積層セラミ
ック電子部品を製造する場合、内部電極パターンとセラ
ミックグリーンシートを同時焼成することになるが、導
電性ペーストの主成分が例えばNi金属粒子の場合、内
部電極パターンの焼結温度がセラミックグリーンシート
の焼結温度よりかなり低いので、焼成中に内部電極パタ
ーンが先に焼結して収縮し、そのため内部電極パターン
とセラミックグリーンシートとの間で歪みを生じ、得ら
れた積層セラミック電子部品にデラミネーション(層間
剥離)を生じたり、クラックを生ずることがある。
【0010】そこで、このような問題を解決するため
に、従来から種々の方法が試みられているが、最新の方
法として、導電性ペースト中に積層セラミックコンデン
サの誘電体と同じ材料系のセラミック粉末を添加して導
電性ペーストの焼結温度を上げ、これによってデラミネ
ーションやクラックの発生を防止する方法(特開平8−
78267号)が提案されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかし、一般に、セラ
ミック粉末は導電性ペーストの主成分であるNi金属と
の濡れ性が悪いので、焼成の途中でセラミック粉末がN
i金属と分離し、分離したセラミック粉末が、セラミッ
ク層と反応し、積層セラミック電子部品の電気的特性に
悪影響を及ぼしてしまうという問題がある。
【0012】図4は従来の積層セラミックコンデンサの
断面状態を示す説明図であり、導電性ペーストから分離
したセラミック粉末がセラミック層と反応している様子
が示されている。同図において、複数のセラミック層2
0の間には内部電極22が積層形成され、内部電極22
に接するセラミック層20中には反応層24が形成され
ている。反応層24は導電性ペーストから分離したセラ
ミック粉末がセラミック層20と反応して形成された層
である。
【0013】また、一般に、セラミック粉末は導電性ペ
ーストの主成分であるNi金属との濡れ性が悪いので、
積層セラミック電子部品の薄層化が進むと、内部電極の
連続性が悪化し、欠陥の多い内部電極が形成され、積層
セラミック電子部品の電気的特性が悪化するという問題
がある。
【0014】この発明は、焼成の途中でセラミック粉末
がNi金属と分離しないようにした、セラミック層との
結合強度の高い導電性ペーストを提供することを目的と
する。
【0015】
【課題を解決するための手段】この発明に係る導電性ペ
ーストの一つは、Ni金属粒子と、該Ni金属粒子の表
面を被覆しているTiC粒子と、該Ni金属粒子の表面
の一部を被覆しているTiO粒子と、該TiC粒子及
び該TiO粒子によって被覆された該Ni金属粒子を
分散させている有機バインダとを含むものである。
【0016】この発明に係る導電性ペーストの別の一つ
は、Ni金属粒子と、該Ni金属粒子の表面にコーティ
ングされたガラス成分と、該ガラス成分中に分散してい
るTiC粒子と、該ガラス成分及び該TiC粒子を備え
た該Ni金属粒子を分散させている有機バインダとを含
むものである。
【0017】また、この発明に係る積層セラミック電子
部品の一つは、素体と、該素体の表面に形成された外部
電極とを備え、該素体は、積層された複数層のセラミッ
ク層と、該複数層のセラミック層間に各々形成された複
数層の内部電極とを備え、該内部電極は、Ni金属粒子
と、該Ni金属粒子の表面を被覆しているTiC粒子
と、該Ni金属粒子の表面の一部を被覆しているTiO
粒子と、該TiC粒子及び該TiO粒子によって被
覆された該Ni金属粒子を分散させている有機バインダ
とを含む導電性ペーストを焼結させたものからなるもの
である。
【0018】また、この発明に係る積層セラミック電子
部品の別の一つは、素体と、該素体の表面に形成された
外部電極とを備え、該素体は、積層された複数層のセラ
ミック層と、該複数層のセラミック層間に各々形成され
た複数層の内部電極とを備え、該内部電極は、Ni金属
粒子と、該Ni金属粒子の表面にコーティングされたガ
ラス成分と、該ガラス成分中に分散しているTiC粒子
と、該ガラス成分及び該TiC粒子を備えた該Ni金属
粒子を分散させている有機バインダとを含む導電性ペー
ストを焼結させたものからなるものである。
【0019】また、この発明に係る積層セラミック電子
部品の製造方法の一つは、セラミックグリーンシートを
形成するシート形成工程と、該シート形成工程で得られ
たセラミックグリーンシートの表面に導電性ペーストか
らなる内部電極パターンを印刷する印刷工程と、該印刷
工程で内部電極パターンを印刷したセラミックグリーン
シートを積層・圧着してセラミック積層体を形成する積
層工程と、該積層工程で得られたセラミック積層体を内
部電極パターン毎に裁断してチップ状のセラミック積層
体を得る裁断工程と、該裁断工程で得られたチップ状の
セラミック積層体を焼成して素体を得る焼結工程と、該
焼結工程で得られた素体に外部電極を形成する外部電極
形成工程とを備え、前記導電性ペーストが、Ni金属粒
子と、該Ni金属粒子の表面を被覆しているTiC粒子
と、該Ni金属粒子の表面の一部を被覆しているTiO
粒子と、該TiC粒子及び該TiO粒子によって被
覆された該Ni金属粒子を分散させている有機バインダ
とを含むものである。
【0020】また、この発明に係る積層セラミック電子
部品の製造方法の別の一つは、セラミックグリーンシー
トを形成するシート形成工程と、該シート形成工程で得
られたセラミックグリーンシートの表面に導電性ペース
トからなる内部電極パターンを印刷する印刷工程と、該
印刷工程で内部電極パターンを印刷したセラミックグリ
ーンシートを積層・圧着してセラミック積層体を形成す
る積層工程と、該積層工程で得られたセラミック積層体
を内部電極パターン毎に裁断してチップ状のセラミック
積層体を得る裁断工程と、該裁断工程で得られたチップ
状のセラミック積層体を焼成して素体を得る焼結工程
と、該焼結工程で得られた素体に外部電極を形成する外
部電極形成工程とを備え、前記導電性ペーストが、Ni
金属粒子と、該Ni金属粒子の表面にコーティングされ
たガラス成分と、該ガラス成分中に分散しているTiC
粒子と、該ガラス成分及び該TiC粒子を備えた該Ni
金属粒子を分散させている有機バインダとを含むもので
ある。
【0021】ここで、導電性ペースト中にはセラミック
粒子が更に含有されていてもよい。この場合、前記セラ
ミック粒子は、使用を予定されている積層電子部品のセ
ラミック層を形成している磁器組成物と略同一組成のセ
ラミック粒子や、TiC粒子が好ましい。
【0022】Ni金属粒子の平均粒径は0.1〜1.0
μmの範囲が好ましい。Ni金属粒子の平均粒径が0.
1μm未満になると焼結開始温度が低くなり過ぎという
という不都合があり、また、平均粒径が1.0μmを越
えると内部電極パターンが厚くなり過ぎ、焼成時にデラ
ミネーション等の欠陥が生じや易くなるからである。
【0023】TiC粒子及びTiO粒子をコーティン
グさせたNi金属粒子は、まずNi金属粒子の表面にT
iC粒子をコーティングさせ、このTiC粒子の一部を
酸化させることにより得ることができる。
【0024】Ni金属粒子の表面にTiC粒子をコーテ
ィングさせる方法や、ガラス成分をコーティングし、こ
のコーティングしたガラス成分中にTiC粒子を分散さ
せる方法としては噴霧熱分解法を用いることができる。
【0025】噴霧熱分解法は、析出させる金属の塩を含
む溶液を噴霧して液滴にし、その液滴を該塩の分解温度
より高い温度、望ましくは該金属の融点近傍又はそれ以
上の温度で加熱し、該塩を熱分解して金属又は化合物の
粒子を析出させる方法である。
【0026】TiC粒子の総添加量は0.1重量%〜5
0重量%の範囲が好ましい。TiC粒子の総添加量が
0.1重量%未満になると添加による効果が少なくなる
という不都合があり、50重量%を越えると電極の電気
伝導度が低下するという不都合があるからである。
【0027】なお、積層セラミック電子部品としては、
例えば積層セラミックコンデンサ、積層圧電部品、積層
インダクタ、積層フィルタ、セラミック多層基板などの
積層構造の電子部品をいう。
【0028】
【発明の実施の形態】まず、還元性雰囲気中で噴霧熱分
解法を用いて、TiC粒子で被覆されたNi金属粒子を
形成し、これを酸化させて図1に示すようなNi金属粒
子を形成し、これを実施例1のNi金属粒子とした。噴
霧熱分解時の雰囲気は、酸化ニッケル生成のための標準
自由エネルギー−47.3kcal/molOを超え
ない条件とした。また、この時温度は1500℃で行っ
たが、本発明はこの温度に限らず、Niの融点(145
2℃)を超えていればよい。同図において、Ni金属粒
子10の表面はTiC粒子12で被覆され、TiC粒子
12の一部は酸化してTiO粒子14になっている。
【0029】また、還元雰囲気中で噴霧熱分解法を用い
て、図2に示すような、Ni金属粒子を形成し、これを
実施例2のNi金属粒子とした。同図において、Ni金
属粒子10の表面はガラス成分16で被覆され、ガラス
成分16の内部にはTiC粒子18が分散している。
【0030】ここで、ガラス成分としては、LiO−
BaO−SiO,LiO−Al −SiO
CaO−MgO−SiOで示された組成のガラス成分
を使用したが、これに限定されるものではなく、これら
以外のガラス成分を使用してもよい。
【0031】また、表面に何もコーティングしてないN
i金属粒子を用意し、これを比較例1のNi金属粒子と
した。
【0032】そして、これら実施例1,2及び比較例1
の各Ni金属粒子について、Ni金属粒子を有機ビヒク
ル中に入れ、十分に分散させ、導電性ペーストを各々作
成した。有機ビヒクルとしては、エチルセルロース樹脂
をバインダとし、α−テルピネオールを溶剤としたもの
を使用したが、これに限定されるものではなく、他の組
成の有機ビヒクルを使用してもよい。そして、比較例1
のものについては、更に後述するセラミックグリーンシ
ートと同一組成のセラミック粉末を添加した。
【0033】また、BaTiO系の誘電体セラミック
原料粉末と、ポリビニルブチラール(有機バインダ)と
トルエン(有機溶剤)を所定の割合でボールミルに入
れ、混練してこれらを十分に分散させ、セラミックスラ
リーを作成した。そして、このセラミックスラリーを脱
泡させた後、ドクターブレード法でPETフィルム上に
膜状に塗布し、これを乾燥させてセラミックグリーンシ
ートを得た。
【0034】次に、上記のようにしてして作成した各導
電性ペースト及びセラミックグリーンシートを用い、セ
ラミックグリーンシート上に内部電極パターンをスクリ
ーン印刷法により印刷した。
【0035】次に、この内部電極パターンを印刷したセ
ラミックグリーンシートを所定枚数、積層セラミックコ
ンデンサが形成されるように積み重ね、これらを内部電
極パターンを印刷してないセラミックグリーンシートで
更に挟み、上下方向から押圧して圧着させ、セラミック
積層体を得た。そして、このセラミック積層体を、内部
電極パターン毎に格子状に裁断し、チップ状のセラミッ
ク積層体を得た。
【0036】次に、このチップ状のセラミック積層体を
加熱し、含有されている有機バインダを燃焼・除去さ
せ、その後更に昇温し、非酸化性の雰囲気中において高
温で焼成してこのセラミック積層体を焼結させ、積層セ
ラミックコンデンサの素体を得た。そして、この素体の
両端面に導電性ペーストを塗布し、これを焼き付けて外
部電極を形成し、積層セラミックコンデンサを得た。得
られた積層セラミックコンデンサの外形寸法は、長さ
3.2mm、幅1.6mmで、内部電極間の誘電体厚み
は5μmであった。
【0037】次に、このようにして得られた積層セラミ
ックコンデンサについて、その耐湿負荷試験、内部電極
の連続性、デラミネーションを調べた。結果は表1に示
す通りであった。デラミネーションは積層セラミックコ
ンデンサ100個当たりの発生個数で現わした。
【0038】ここで、内部電極の連続性及びデラミネー
ションは、積層セラミックコンデンサをその内部電極に
垂直な面で切断・研磨し、その断面を顕微鏡で観察する
ことにより調べた。実施例1,2の積層セラミックコン
デンサの断面は図3に示すようになっていた。同図にお
いて、複数のセラミック層20の間に内部電極22が連
続的に積層形成されている。耐湿負荷試験は、2気圧、
相対湿度95%以上、120℃、直流電流15Vの条件
で300時間に達するまでに抵抗値が10Ω以下にな
ったものを不良とした。不良数は50個あたりの発生個
数で表した。
【0039】
【表1】
【0040】表1に示された結果から、実施例1,2の
ものは比較例1のものと比較して、耐湿負荷、内部電極
の連続性に優れ、デラミネーションの発生がないことが
わかる。
【0041】
【発明の効果】この発明は、Ni金属粒子の表面がTi
C粒子とTiO粒子が被覆されているので、導電性ペ
ーストから分離した添加材により生ずるセラミック層中
のセラミック粒子の粒成長がなくなり、寿命特性の低下
などを生じない電気的特性の良好な積層セラミック電子
部品が得られるという効果がある。
【0042】この発明は、Ni金属粒子の表面がTiC
粒子とTiO粒子が被覆されているので、このTiC
粒子とTiO粒子の介在により焼成時における導電性
ペーストないし内部電極とセラミック層との結合強度が
向上し、形成される内部電極の連続性が向上し、電気的
特性の良好な積層セラミック電子部品が得られるという
効果がある。
【0043】この発明は、Ni金属粒子の表面がTiC
粒子とTiO粒子が被覆されているので、このTiC
粒子とTiO粒子の介在により焼成時における導電性
ペーストないし内部電極とセラミック層との結合強度が
向上し、形成される内部電極の連続性が向上し、積層セ
ラミック電子部品の薄層化が可能になり、積層密度の高
い積層セラミック電子部品が得られるという効果があ
る。
【0044】この発明は、Ni金属粒子の表面がTiC
粒子とTiO粒子が被覆されているので、Ni金属粒
子とセラミック層がTiC粒子とTiO粒子を介して
強固に結合し、内部電極とセラミック層との結合強度が
向上し、形成される内部電極の連続性が向上し、電気的
特性の良い積層セラミック電子部品が得られるという効
果がある。
【0045】この発明は、Ni金属粒子の表面がガラス
成分によりコーティングされているので、焼結時におい
てNi金属粒子の酸化が防止され、電気伝導度の良好な
内部電極が形成され、電気的特性の良い積層セラミック
電子部品が得られるという効果がある。
【0046】この発明は、添加材が、使用を予定されて
いる積層電子部品のセラミック層の磁器組成物と同一組
成の磁器組成物からなる場合、内部電極とセラミック層
との結合強度が向上し、デラミネーションの無い積層セ
ラミック電子部品が得られるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】TiC粒子−TiO粒子によってコーティン
グされたNi金属粒子の説明図である。
【図2】TiC粒子を分散させたガラス成分によってコ
ーティングされたNi金属粒子の説明図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係る積層セラミックコ
ンデンサの内部電極の断面状態を示す説明図である。
【図4】従来の積層セラミックコンデンサの一例の内部
電極の断面状態を示す説明図である。
【符号の説明】
10 Ni金属粒子 12 TiC粒子 14 TiO粒子 16 ガラス成分 18 TiC粒子 20 セラミック層 22 内部電極 24 反応層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01G 4/30 301 C04B 35/00 J 311 G Fターム(参考) 4G030 AA10 AA16 AA45 AA61 BA02 BA09 CA03 GA07 4G031 AA06 AA11 AA37 AA39 BA02 BA09 CA03 GA05 5E001 AB03 AC09 AE02 AE03 AH01 AJ01 5E082 AA01 AB03 EE04 EE11 EE23 EE27 EE35 EE45 FF05 FG06 FG26 GG10 GG28 JJ23 LL01

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Ni金属粒子と、該Ni金属粒子の表面
    を被覆しているTiC粒子と、該Ni金属粒子の表面の
    一部を被覆しているTiO粒子と、該TiC粒子及び
    該TiO粒子によって被覆された該Ni金属粒子を分
    散させている有機バインダとを含むことを特徴とする導
    電性ペースト。
  2. 【請求項2】 Ni金属粒子と、該Ni金属粒子の表面
    にコーティングされたガラス成分と、該ガラス成分中に
    分散しているTiC粒子と、該ガラス成分及び該TiC
    粒子を備えた該Ni金属粒子を分散させている有機バイ
    ンダとを含むことを特徴とする導電性ペースト。
  3. 【請求項3】 前記有機バインダ中にセラミック粒子が
    含まれていることを特徴とする請求項1又は2に記載の
    導電性ペースト。
  4. 【請求項4】 前記セラミック粒子が、使用を予定され
    ている積層セラミック電子部品のセラミック層を形成し
    ている磁器組成物と略同一組成の磁器組成物からなるこ
    とを特徴とする請求項3に記載の導電性ペースト。
  5. 【請求項5】 前記セラミック粒子がTiC粒子である
    ことを特徴とする請求項3に記載の導電性ペースト。
  6. 【請求項6】 素体と、該素体の表面に形成された外部
    電極とを備え、該素体は、積層された複数層のセラミッ
    ク層と、該複数層のセラミック層間に各々形成された複
    数層の内部電極とを備え、該内部電極は、Ni金属粒子
    と、該Ni金属粒子の表面を被覆しているTiC粒子
    と、該Ni金属粒子の表面の一部を被覆しているTiO
    粒子と、該TiC粒子及び該TiO粒子によって被
    覆された該Ni金属粒子を分散させている有機バインダ
    とを含む導電性ペーストを焼結させたものからなること
    を特徴とする積層セラミック電子部品
  7. 【請求項7】 素体と、該素体の表面に形成された外部
    電極とを備え、該素体は、積層された複数層のセラミッ
    ク層と、該複数層のセラミック層間に各々形成された複
    数層の内部電極とを備え、該内部電極は、Ni金属粒子
    と、該Ni金属粒子の表面にコーティングされたガラス
    成分と、該ガラス成分中に分散しているTiC粒子と、
    該ガラス成分及び該TiC粒子を備えた該Ni金属粒子
    を分散させている有機バインダとを含む導電性ペースト
    を焼結させたものからなることを特徴とする積層セラミ
    ック電子部品
  8. 【請求項8】 前記有機バインダ中にセラミック粒子が
    含まれていることを特徴とする請求項6又は7に記載の
    導電性ペースト。
  9. 【請求項9】 前記セラミック粒子が、前記セラミック
    層を形成している磁器組成物と略同一組成の磁器組成物
    からなることを特徴とする請求項8に記載の導電性ペー
    スト。
  10. 【請求項10】 前記セラミック粒子がTiC粒子であ
    ることを特徴とする請求項8に記載の導電性ペースト。
  11. 【請求項11】 セラミックグリーンシートを形成する
    シート形成工程と、該シート形成工程で得られたセラミ
    ックグリーンシートの表面に導電性ペーストからなる内
    部電極パターンを印刷する印刷工程と、該印刷工程で内
    部電極パターンを印刷したセラミックグリーンシートを
    積層・圧着させてセラミック積層体を形成する積層圧着
    工程と、該積層圧着工程で得られたセラミック積層体を
    内部電極パターン毎に裁断してチップ状のセラミック積
    層体を得る裁断工程と、該裁断工程で得られたチップ状
    のセラミック積層体を焼成して素体を得る焼結工程と、
    該焼結工程で得られた素体に外部電極を形成する外部電
    極形成工程とを備え、前記導電性ペーストが、Ni金属
    粒子と、該Ni金属粒子の表面を被覆しているTiC粒
    子と、該Ni金属粒子の表面の一部を被覆しているTi
    粒子と、該TiC粒子及び該TiO粒子によって
    被覆された該Ni金属粒子を分散させている有機バイン
    ダとを含むことを特徴とする積層セラミック電子部品の
    製造方法。
  12. 【請求項12】 セラミックグリーンシートを形成する
    シート形成工程と、該シート形成工程で得られたセラミ
    ックグリーンシートの表面に導電性ペーストからなる内
    部電極パターンを印刷する印刷工程と、該印刷工程で内
    部電極パターンを印刷したセラミックグリーンシートを
    積層・圧着させてセラミック積層体を形成する積層圧着
    工程と、該積層圧着工程で得られたセラミック積層体を
    内部電極パターン毎に裁断してチップ状のセラミック積
    層体を得る裁断工程と、該裁断工程で得られたチップ状
    のセラミック積層体を焼成して素体を得る焼結工程と、
    該焼結工程で得られた素体に外部電極を形成する外部電
    極形成工程とを備え、前記導電性ペーストが、Ni金属
    粒子と、該Ni金属粒子の表面にコーティングされたガ
    ラス成分と、該ガラス成分中に分散しているTiC粒子
    と、該ガラス成分及び該TiC粒子を備えた該Ni金属
    粒子を分散させている有機バインダとを含むことを特徴
    とする積層セラミック電子部品の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記有機バインダ中にセラミック粒子
    が含まれていることを特徴とする請求項11又は12に
    記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記セラミック粒子が、前記セラミッ
    クグリーンシートを形成している磁器組成物と略同一組
    成の磁器組成物からなることを特徴とする請求項13に
    記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記セラミック粒子がTiC粒子であ
    ることを特徴とする請求項13に記載の積層セラミック
    電子部品の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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