JP2002298649A - 導電性ペースト及びそれを用いたチップ型電子部品 - Google Patents

導電性ペースト及びそれを用いたチップ型電子部品

Info

Publication number
JP2002298649A
JP2002298649A JP2001097726A JP2001097726A JP2002298649A JP 2002298649 A JP2002298649 A JP 2002298649A JP 2001097726 A JP2001097726 A JP 2001097726A JP 2001097726 A JP2001097726 A JP 2001097726A JP 2002298649 A JP2002298649 A JP 2002298649A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
conductive paste
type electronic
electronic component
powder
dielectric block
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001097726A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideyuki Ishida
秀幸 石田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Corp filed Critical Kyocera Corp
Priority to JP2001097726A priority Critical patent/JP2002298649A/ja
Publication of JP2002298649A publication Critical patent/JP2002298649A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 積層セラミックコンデンサなどのチップ型電
子部品の外部電極を形成するのに用いた場合、塗布乾燥
工程で角状突起などの変形が生じず、均一な厚みに塗布
することが可能であるとともに、焼き付け工程でエッジ
切れなどが発生することがない導電性ペーストを提供す
ることにある。 【解決手段】 チップ型電子部品の所定の面に塗布する
ことで外部電極として形成する導電性ペーストであっ
て、導電性ペーストの粘度が150〜350Poise
の範囲にあり、少なくとも該導電性ペーストは、球状の
金属粉末とフレーク状の金属粉末が0:100〜30:
70の重量比で含有されている金属粉末と、樹脂成分
と、溶剤とで構成したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、浸漬塗布工法によ
りチップ型電子部品の外部電極を形成するのに適した導
電性ペーストの改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】積層セラミックコンデンサなどのチップ
型電子部品は、一般にチップ型電子部品の構成する誘電
体ブロックの端面を導電性ペーストに浸漬して、付着さ
せる浸漬塗布工法が用いられており、これにより誘電体
ブロックに付着させた導電性ペーストを焼き付けること
によって外部電極が形成されている。
【0003】このように外部電極を形成する導電性ペー
ストは、コストダウン・高周波対応のために、従来より
銅を主成分とするもの、銅・ニッケルを主成分とするも
の、銅・銀を主成分とするもの等が用いられる。特に、
銅を主成分とする導電性ペーストは、誘電体ブロックに
導電性ペーストを焼き付ける際に、銅・ニッケルを主成
分とする導電性ペーストより焼結性が良くなり、しか
も、ニッケルを内部電極とした場合に、銅・銀を主成分
とする導電性ペーストより接続性がよい。これらのこと
から、銅を主成分とする導電性ペーストが多く用いられ
ている。
【0004】このような導電性ペーストは、金属粉末、
ガラス成分、及びベース樹脂と有機溶剤とで作製された
有機ビヒクル等を混合して構成されている。
【0005】なお、上記導電性ペーストに用いられるガ
ラス成分は、誘電体ブロックと外部電極の接合強度を保
つ充填剤としての重要な役割を果たすもので、ガラス成
分が外部電極を焼き付ける最中に溶融し、焼結を促進す
るとともに、誘電体ブロックと外部電極の界面に移動す
ることで誘電体ブロックと外部電極との接着剤として作
用する。
【0006】従来より、上記銅粉末を含む導電性ペース
トの焼き付けは、外部電極の外形をある程度保持するた
めに、銅の融点より低い760〜900℃の温度で行っ
ており、かつ、卑金属である銅が酸化されて導電性を失
うことがないように中性雰囲気で導電性ペーストの焼き
付けが行われていた。但し、外部電極を形成する導電性
ペーストの焼き付け時の酸素濃度が低い(数ppm以
下)と、導電性ペーストに含まれる樹脂などの有機成分
により、セラミック誘電体層と内部電極界面の酸化層が
還元され、接着強度の低下を招き、熱衝撃試験や寿命試
験での劣化の原因となるため、導電性ペースト中の脱脂
が行われる昇温過程の100〜500℃の温度領域で酸
素または空気を導入して、酸素濃度を数10〜数100
ppmにして焼き付けられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上のような導電性ペ
ーストにおいては、金属粉末として、球状粉末を使用す
ることが一般的である。しかしながら、球状粉末を用い
ると、導電性ペーストを均一な厚みに塗布することが困
難で、エッジ部分の塗布厚みが小さくなるため、焼き付
け工程において、図4に示すように、外部電極4、5に
エッジ切れ(外部電極4、5がエッジ部分で断線するこ
と)6が発生するという問題点があった。
【0008】この問題を解決するために、全体のペース
ト塗布量を多くすると、外部電極の寸法が大きくなって
しまう。そして、チップ型電子部品の寸法は規格で決め
られているため、外部電極の寸法が大きくなると、それ
だけ誘電体ブロックの寸法を小さくしなければならず、
この部品の内部電極の面積及び積層数が制限される。ま
た、外部電極が誘電体ブロックの端面から両主面に回り
込んだ部分の厚みが大きくなり、チップ型電子部品の平
滑性が低くなるため、実装の際に、真空吸引による吸着
性が低下したり、ケース内の途中で引っかかるという問
題がある。
【0009】さらに、エッジ部分の塗布厚みを大きくす
るために、球状粉末にフレーク状粉末を混合した導電性
ペーストを用いる方法も考えられる。しかし、この方法
ではフレーク状粉末の割合が少ない場合は、塗布厚みを
大きくする効果が現れず、一方、フレーク状粉末の割合
が多い場合は、導電性ペーストの流動性が悪くなりやす
く、図5に示すように、乾燥後に角(つの)状突起7が
形成されてしまう。
【0010】ここで、角状突起が形成されるメカニズム
を説明する。導電性ペーストの乾燥工程においては、生
産速度を向上させるために、150〜200℃の乾燥温
度で導電ペーストの溶剤を蒸発させる。ここで、電子部
品上に塗布された導電性ペーストは、厚みが最も大きく
なる端面側中央付近に、角状突起が形成される。これ
は、塗布時にセラミック積層体とペースト槽との間で糸
を引いたものが残るものである。この後、乾燥時に、電
子部品端部のペースト塗布部分を上にして乾燥を行うた
め、ペーストに重力がかかることにより、電子部品端部
の中央部から周辺部に向かって、導電性ペーストの移動
が起こり、均一な厚みになる。しかしながら、導電性ペ
ーストの流動が不十分である場合、乾燥後に、図5に示
すように、角状突起7が形成される。
【0011】そして、このような角状突起7は、焼き付
け後も残ってしまい、製品の外観を損なうばかりでな
く、実装時に所定の姿勢で実装することを困難にする原
因ともなる。さらに、これらの問題点を解消しようとす
ると、製品を全数検査しなければならず、製造コストの
増大を招くという問題点があった。
【0012】本発明は上述の問題点に鑑みて案出された
ものであり、その目的は、積層セラミックコンデンサな
どのチップ型電子部品の外部電極を形成するのに用いた
場合、塗布乾燥工程で角状突起などの変形が生じず、均
一な厚みに塗布することが可能であるとともに、焼き付
け工程でエッジ切れなどが発生することがない導電性ペ
ーストを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の導電性ペースト
は、チップ型電子部品の所定の面に塗布することで外部
電極として形成する導電性ペーストであって、該導電性
ペーストの粘度が150〜350Poiseの範囲にあ
り、少なくとも該導電性ペーストは、球状の金属粉末と
フレーク状の金属粉末が0:100〜30:70の重量
比で含有されている金属粉末と、ガラス成分と、樹脂成
分と、溶剤とで構成したことを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の導電性ペーストを
図面に基づいて説明する。
【0015】図1は、本発明の導電性ペーストを形成し
た積層セラミックコンデンサの外観斜視図であり、図2
は、その断面図である。
【0016】図において、1は誘電体ブロックであり、
2は誘電体ブロック1を構成する誘電体層、3は誘電体
ブロック1内に形成した内部電極であり、4、5は本発
明の導電性ペーストにより形成した外部電極である。
【0017】誘電体層2は、チタン酸バリウムを主成分
とする非還元性誘電体材料、及びガラス成分を含む誘電
体材料からなり、その形状は、2.0mm×1.2mm
などであり、その厚みは高容量化のために1〜5μmと
している。この誘電体層2が図上、上方向に積層して誘
電体ブロック1が構成される。なお、誘電体層2の形
状、厚み、積層数は容量値によって任意に変更すること
ができる。
【0018】内部電極3は、Niを主成分とする材料か
ら構成されている。そして、誘電体層2の積層方向に隣
接しあう2つの内部電極3は、互いに誘電体ブロック1
の異なる端面側に延出し、各々異なる外部電極4、5に
接続されている。その厚みは1〜2μmとしている。
【0019】外部電極4、5は、下地導体膜41、51
からなり、必要に応じてNiメッキ、Snメッキ、半田
メッキなどの表面メッキ層42、52が形成されてい
る。外部電極4、5の下地導体膜41、51は、銅を主
成分とする導体及びガラス成分によって構成されてい
る。
【0020】本発明の外部電極用導電性ペーストは、該
導電性ペーストの粘度が150〜350Poiseの範
囲にあり、少なくとも該導電性ペーストは、球状の金属
粉末とフレーク状の金属粉末が0:100〜30:70
の重量比で含有されている金属粉末と、ガラス成分と、
樹脂成分と、溶剤とで構成したことを特徴とする。
【0021】ここで、樹脂成分とは、有機バインダーな
ど100〜500℃で分解・燃焼する成分のことをい
う。
【0022】また、溶剤とは、有機溶剤の他、200℃
以下で蒸発する可塑剤などの成分も含む。
【0023】すなわち、フレーク状の金属粉末の割合が
70wt%以上であるため、粉末同士が互いにからみ合
いやすく、また粘度が150Poise以上であること
からも、ペーストの流動が抑制される。そして、浸漬塗
布後の外部電極のエッジ部分の膜厚が十分に確保される
ため、エッジ切れを防ぐことができる。
【0024】また、フレーク状の金属粉末の割合が70
wt%以上であるが、ペースト中の有機溶剤や有機バイ
ンダーの種類・量を選択し、粘度を350Poiseに
調節することにより、フレーク状の金属粉末の割合が多
くなったとしても乾燥時のペーストの流動が十分起こる
ため、角状突起の形成を防止することができる。このた
め、従来は必要であった製品の全数検査を撤廃して、製
品コストの削減を図ることが可能になる。
【0025】また、全体のペースト塗布量を少なくして
も、エッジ部分の膜厚が十分に確保されるため、全体と
して外部電極厚みを小さくできる。このため、同一寸法
において、内部電極の面積及び積層数を増大できる。ま
た、外部電極が誘電体ブロックの端面から両主面に回り
込んだ部分の厚みが小さくなり、チップ型電子部品の平
滑性が良好になるため、実装の際に、真空吸引による吸
着性が低下したり、ケース内の途中で引っかかるという
問題を解決できる。
【0026】ここで、フレーク状の金属粉末の割合が7
0wt%未満の場合、粉末同士が互いにからみ合う効果
が小さく、エッジ部分の膜厚が小さくなり、エッジ切れ
が発生してしまう。同様に、導電性ペーストの粘度が1
50Poise未満の場合も、エッジ切れが発生する。
一方、導電性ペーストの粘度が350Poiseより大
きい場合、導電性ペーストの流動が不十分であるため、
角状突起7が形成されるとともに、塗布後に部品本体を
ペースト槽から引き上げる際に、部品本体がペーストに
引っ張られ、部品本体をペースト槽に落としてしまう問
題点がある。ここで、粘度は、25℃において回転粘度
計によって測定した。
【0027】好ましくは、図3に示すように導電性ペー
ストの層を形成していない平面(鉄板など)30上に、
チップ型電子部品の端部を押し当て、余分な導電性ペー
スト41を除去して回収すると良い。このことにより、
上記角状突起7はなくなり、平滑な外部電極4、5が形
成される。また、部品本体1と平面30との距離を変え
ることで、ペースト41の塗布厚みを調節することもで
きる。
【0028】球状粉末、フレーク状粉末の平均粒径とし
ては、いずれも1〜10μmの範囲にあることが望まし
い。これは、いずれかの銅粉末の平均粒径を1μm未満
にした場合、銅粉末の表面積が大きくなるため、焼き付
けの際に酸化しやすくなり、銅粉末の酸化による容量低
下が起こり、逆に、いずれかの銅粉末の平均粒径を10
μmより大きくした場合、焼結性及び膜密度が低下し、
メッキ液や湿気に対する封止性が低下するため、信頼性
試験で不良率が高くなる。
【0029】また、導電性ペーストを乾燥させた後の膜
密度が、4.0g/cm3以上となることが好ましい。
膜密度が4.0g/cm3以上の導電性ペーストを用い
た場合には、膜中での銅粉末の充填性が高いため、同じ
銅塗布量(単位面積当たりの銅重量)でも緻密な膜形成
が可能で、かつ焼き付け時にも空孔の少ない連続性の良
い外部電極が形成される。このためメッキ液や湿気に対
する封止性が向上し、信頼性が向上する。また、膜密度
を4.0g/cm3以上としたが、8.93g/cm3
上になると銅の理論密度以上となるために、銅の理論密
度が上限となる。
【0030】なお、膜密度は以下の方法で測定する。即
ち、導電性ペーストをPETフィルム上に5×10cm
の面積で膜厚が30μmとなるように印刷後、120℃
で1時間空気中で乾燥させる。乾燥した導電性ペースト
を1×1cmに切断し、厚みと重量を測定し、膜密度を
算出するものである。
【0031】また、平均粒径1〜10μmの球状及びフ
レーク状粉末100wt%に対して、ガラス成分6〜2
0wt%を含有させていることが望ましい。すなわち、
ガラス成分の添加量を銅粉末に対して6wt%未満にし
た場合、誘電体ブロックと外部電極の接着強度が弱くな
り、また、銅粉末の焼結性が低下し、ガラス自体による
封止性も低下するため、信頼性が低下するという問題点
がある。逆に、ガラス成分の添加量を銅粉末に対して2
0wt%より大きくした場合、過剰なガラスが外部電極
表面に浮き出たり、誘電体磁器表面に流れ出るなどの外
観上の問題や、焼き付けの際にチップをのせる冶具に融
着するという問題点がある。
【0032】ガラス成分は、焼き付け温度が710〜7
60℃であるため、ガラスの種類としては、B、Ba、
Zn成分を含有し、かつ500〜600℃に軟化点を有
する酸化物ガラスであることが望ましい。これは、軟化
点が高すぎると高温域までガラスは溶融せず、焼結促進
剤として十分に作用せず、また低すぎると外部電極表面
や誘電体磁器表面ににガラスが染み出すことによる。ま
た、環境汚染を防止するために、ガラス成分はPbを含
まないものが望ましい。
【0033】また、必要に応じてアルミナなどの無機添
加剤を添加しても良い。このことにより、積層体本体と
外部電極の収縮挙動を完全に一致させることができ、焼
き付け時の残留応力によるクラックを防止することがで
きる。なお、無機添加剤は焼き付け時に燃焼しないた
め、銅粒子の酸化に影響はない。
【0034】また、本発明の外部電極4、5の焼き付け
温度としては710〜760℃の範囲にあることが望ま
しい。焼き付け温度を710℃以下にすると、焼結性が
低下し、信頼性が低下してしまう。逆に、焼き付け温度
を760℃以上にすると、銅粉末が過剰に焼結して外部
電極のエッジ切れが発生したり、外部電極の収縮により
誘電体ブロックを圧縮し、熱衝撃試験で劣化する。
【0035】本発明の導電性ペーストの製造方法として
は、導電性ペーストに含まれる金属粉末として、フレー
ク状の銅粉末を用意し、これにガラスと有機ビヒクルを
添加して作製する。
【0036】外部電極の形成方法は、誘電体ブロック1
の両端面部分に外部電極4、5の下地導体形成用の導電
性ペーストをディッピング方法で塗布し、100〜20
0℃にて乾燥を行い、中性雰囲気(酸素濃度:10〜2
00ppm)中で500℃まで昇温する。その後、ガラ
スと銅粉末との濡れ性を向上し焼結性を促進させるため
中性雰囲気(酸素濃度:1〜10ppm)中で焼き付け
ピーク温度(710〜760℃)まで昇温する。続い
て、焼き付けピーク温度で10〜15分保持して外部電
極の下地導体41、51の焼き付けを行う。その後、N
i及びSn、またはSn−Pbの電解メッキを行い、積
層セラミックコンデンサの外部電極を得る。
【0037】なお、本発明は上記の実施の形態例に限定
されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内
での種々の変更や改良などは何ら差し支えない。
【0038】例えば、本実施の形態では、金属粉末とし
てCu粉末を用いた場合について説明したが、その他の
卑金属粉末、貴金属粉末にも適用可能である。
【0039】また、本実施の形態では、積層セラミック
コンデンサの外部電極を形成する場合を例にとって説明
したが、本発明の導電性ペーストは、積層セラミックコ
ンデンサに限らず、圧電共振部品やチップ抵抗などの種
々の電子部品の外部電極を形成する場合にも好適に用い
ることができる。
【0040】
【実施例】以下、本発明の実施例を示す。
【0041】表1に示すように、球状とフレーク状の銅
粉末を混合し、ホウケイ酸アルカリ酸化物系のガラス成
分を銅粉末100wt%に対して12wt%添加し、さ
らに、樹脂成分及び溶剤を適宜配合・混合して導電性ペ
ーストを作製した。
【0042】そして、この導電性ペーストを誘電体ブロ
ックに塗布し、このペーストが塗布された面を鉄板面に
付け、ペーストのかき取りを行った。このとき、鉄板面
までの距離を変えて、いずれも塗布厚みが50μm程度
になるようにした。その後、導電性ペーストを170℃
で乾燥させ、710〜760℃で導電性ペーストを誘電
体ブロックに焼き付けて積層セラミックコンデンサを作
製した。具体的には2012型(L寸法:2.0mm,
W寸法:1.2mm)の容量値1μFとなる積層セラミ
ックコンデンサを製造した。
【0043】ここで、表1に示すように、試料番号1〜
7は、導電性ペースト中のCu粉末の比率を球状:フレ
ーク状=0:100に固定し、ペースト粘度を100〜
400Poiseに変化させた。
【0044】また、試料番号8〜14は、ペースト粘度
を300Poiseに固定し、Cu粉末の比率を球状:
フレーク状=0:100〜35:65の重量比に変化さ
せた。
【0045】得られた積層セラミックコンデンサ500
個について、金属顕微鏡で外部電極の外観を観察し、エ
ッジ切れ及び角状突起の有無を確認した。
【0046】結果を表1に示す。
【0047】
【表1】
【0048】なお、表1において、試料No.に*を付
したものは、比較例である。
【0049】表1のように、導電性ペーストの粘度が1
50〜350Poiseの範囲にあり、導電性ペースト
中のCu粉末は、球状のCu粉末とフレーク状のCu粉
末が0:100〜30:70の重量比で含有されている
本実施例(試料番号2〜6、8〜13)については、外
部電極にエッジ切れも角状突起も発生しなかった。
【0050】これに対し、導電性ペーストの粘度が10
0Poiseである場合(試料番号1)、外部電極にエ
ッジ切れが58/500個発生した。すなわち、導電性
ペーストの流動が大きくなり、エッジ切れが発生したと
考えられる。一方、導電性ペーストの粘度が400Po
iseである場合(試料番号9)、外部電極に角状突起
が13/500個発生した。すなわち、乾燥時に導電性
ペーストの流動が不十分であるため、導電性ペーストの
塗布形状の角状突起がそのまま残ってしまったと考えら
れる。また、球状のCu粉末とフレーク状のCu粉末が
35:65の重量比で含有されている場合(試料番号
9)、外部電極にエッジ切れが5/500個発生した。
すなわち、導電性ペースト中の球状のCu粉末とフレー
ク状のCu粉末がからみ合う効果が不十分なため、流動
が大きくなり、エッジ切れが発生したと考えられる。
【0051】
【発明の効果】以上の通り、本発明の導電性ペーストに
よれば、粘度が150〜350Poiseの範囲にあ
り、少なくとも導電性ペーストは、球状の金属粉末とフ
レーク状の金属粉末が0:100〜30:70の重量比
で含有されている金属粉末と、ガラス成分と、樹脂成分
と、溶剤とで構成しているため、積層セラミックコンデ
ンサなどのチップ型電子部品の外部電極を形成する場合
において、塗布乾燥工程で角状突起などの変形が生じ
ず、均一な厚みに塗布することが可能である。このた
め、従来は必要であった製品の全数検査を撤廃して、製
品コストの削減を図ることが可能になる。
【0052】また、浸漬塗布後の外部電極のエッジ部分
の膜厚が十分に確保されるため、エッジ切れを防ぐこと
ができる。さらに、全体として外部電極厚みを小さくで
きるため、同一寸法において、内部電極の面積及び積層
数を増大できる。
【0053】また、外部電極が誘電体ブロックの端面か
ら両主面に回り込んだ部分の厚みが小さくなり、チップ
型電子部品の平滑性が良好になるため、実装の際に、真
空吸引による吸着性が低下したり、ケース内の途中で引
っかかるという問題を解決できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の導電性ペーストを用いた積層セラミッ
クコンデンサの外観斜視図である。
【図2】本発明の導電性ペーストを用いた積層セラミッ
クコンデンサの断面図である。
【図3】(a)〜(c)は本発明の導電性ペーストの塗
布工程を示す正面図である。
【図4】従来の導電性ペーストを用いた積層セラミック
コンデンサの問題点を示す平面図である。
【図5】従来の導電性ペーストを用いた積層セラミック
コンデンサの他の問題点を示す平面図である。
【符号の説明】
1 誘電体ブロック 2 誘電体磁器層 3 内部電極 4、5 外部電極 6 エッジ切れ 7 角状突起 30 平面

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チップ型電子部品の所定の面に塗布する
    ことで外部電極として形成する導電性ペーストであっ
    て、 該導電性ペーストの粘度が150〜350Poiseの
    範囲にあり、 少なくとも該導電性ペーストは、球状の金属粉末とフレ
    ーク状の金属粉末が0:100〜30:70の重量比で
    含有されている金属粉末と、ガラス成分と、樹脂成分
    と、溶剤とで構成したことを特徴とする導電性ペース
    ト。
  2. 【請求項2】 誘電体層を複数積層してなる誘電体ブロ
    ックの各層間に、内部電極を配設するとともに、各内部
    電極を交互に対向する誘電体ブロックの端面側に延出さ
    せ、該各延出部を前記誘電体ブロックの端面に請求項1
    の導電性ペーストを用いて形成された外部電極に接続し
    たことを特徴とするチップ型電子部品。
JP2001097726A 2001-03-29 2001-03-29 導電性ペースト及びそれを用いたチップ型電子部品 Pending JP2002298649A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001097726A JP2002298649A (ja) 2001-03-29 2001-03-29 導電性ペースト及びそれを用いたチップ型電子部品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001097726A JP2002298649A (ja) 2001-03-29 2001-03-29 導電性ペースト及びそれを用いたチップ型電子部品

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002298649A true JP2002298649A (ja) 2002-10-11

Family

ID=18951469

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001097726A Pending JP2002298649A (ja) 2001-03-29 2001-03-29 導電性ペースト及びそれを用いたチップ型電子部品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002298649A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008112759A (ja) * 2006-10-27 2008-05-15 Tdk Corp セラミック電子部品及びその製造方法
JP2008244119A (ja) * 2007-03-27 2008-10-09 Tdk Corp 電子部品及びその製造方法
JP2009188121A (ja) * 2008-02-05 2009-08-20 Tdk Corp 電子部品の製造方法
JP2014209559A (ja) * 2013-03-26 2014-11-06 株式会社村田製作所 セラミック電子部品及びセラミック電子部品内蔵配線基板
JP2014209551A (ja) * 2013-03-26 2014-11-06 株式会社村田製作所 セラミック電子部品
JP2014209550A (ja) * 2013-03-26 2014-11-06 株式会社村田製作所 セラミック電子部品及びガラスペースト
KR101565639B1 (ko) * 2013-02-20 2015-11-03 삼성전기주식회사 적층 세라믹 전자부품

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008112759A (ja) * 2006-10-27 2008-05-15 Tdk Corp セラミック電子部品及びその製造方法
JP2008244119A (ja) * 2007-03-27 2008-10-09 Tdk Corp 電子部品及びその製造方法
JP4539671B2 (ja) * 2007-03-27 2010-09-08 Tdk株式会社 電子部品及びその製造方法
JP2009188121A (ja) * 2008-02-05 2009-08-20 Tdk Corp 電子部品の製造方法
KR101565639B1 (ko) * 2013-02-20 2015-11-03 삼성전기주식회사 적층 세라믹 전자부품
US9190207B2 (en) 2013-02-20 2015-11-17 Samsung Electro-Mechanics Co., Ltd. Multilayer ceramic electronic component having external electrodes which include a metal layer and conductive resin layer
JP2014209559A (ja) * 2013-03-26 2014-11-06 株式会社村田製作所 セラミック電子部品及びセラミック電子部品内蔵配線基板
JP2014209551A (ja) * 2013-03-26 2014-11-06 株式会社村田製作所 セラミック電子部品
JP2014209550A (ja) * 2013-03-26 2014-11-06 株式会社村田製作所 セラミック電子部品及びガラスペースト
US9667174B2 (en) 2013-03-26 2017-05-30 Murata Manufacturing Co., Ltd. Ceramic electronic component

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4952723B2 (ja) 積層セラミックコンデンサおよびその製造方法
JP5971236B2 (ja) セラミック電子部品及びガラスペースト
JP5799948B2 (ja) セラミック電子部品及びその製造方法
JP5794222B2 (ja) セラミック電子部品
WO2006129542A1 (ja) 電子部品および電子部品の製造方法
JPH08180731A (ja) 導電性厚膜組成物、厚膜電極、セラミック電子部品、および積層セラミックコンデンサ
US9466424B2 (en) Paste for external electrode, multilayer ceramic electronic component, and method of manufacturing the same
US11682526B2 (en) Multilayer ceramic electronic component and board for mounting of the same
JP2023099415A (ja) 積層型電子部品
JP2000077258A (ja) セラミック電子部品及びその製造方法
JP2020061468A (ja) 積層セラミック電子部品およびその実装構造
JP2002298649A (ja) 導電性ペースト及びそれを用いたチップ型電子部品
JP4269795B2 (ja) 導電性ペースト及びインダクタ
JPH08306580A (ja) セラミック電子部品の製造方法及びセラミック電子部品
JPH11329073A (ja) 導電ペースト及びそれを用いたセラミック電子部品
JP2000182883A (ja) 積層セラミック電子部品の製造方法
JP4380145B2 (ja) 導電ペースト及びセラミック電子部品の製造方法
JP2001338830A (ja) 導電性ペースト及びそれを用いた積層セラミックコンデンサ
JP3850212B2 (ja) 導電性ペースト及びそれを用いた積層セラミックコンデンサ
JPH03296205A (ja) セラミックコンデンサ
JP2003059337A (ja) 導電性ペースト及びそれを用いたチップ型電子部品
JP2001338831A (ja) 導電性ペースト及びそれを用いた積層セラミックコンデンサ
JP2002298643A (ja) 外部電極用導電性ペースト及びそれを用いた積層セラミックコンデンサ
JP2000260654A (ja) 極小チップ型電子部品
JP3460667B2 (ja) 積層セラミック電子部品