JP2004247664A - 積層セラミック電子部品の製造方法 - Google Patents

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洋平 渡部
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Abstract

【課題】層間剥離がない、電気特性が良好な製品が得られ、かつ還元雰囲気や残留カーボン量を調整するための工程が不要な積層セラミック電子部品の製造方法を提供する。
【解決手段】セラミックグリーンシートと内部電極を形成したシートを複数層積み重ねて形成した積層セラミック電子部品において、内部電極としてCu粉末表面にAgを被覆した金属粉末をペースト化したものを用い、脱バインダーを行った後、焼成する積層セラミック電子部品の製造方法。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、セラミックグリーンシートと内部電極を形成したシートを重ね合わせて一体焼成する積層セラミックコンデンサ、積層圧電素子等の積層セラミック電子部品に関し、特に、Cu内部電極を有する積層セラミック電子部品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
積層セラミックコンデンサ等の積層セラミック電子部品は、次のように製造されている。まず、誘電体、圧電体等のセラミック粉末と有機樹脂等のバインダーを、有機溶剤中に分散混合させたスラリーを、ドクターブレード法等で一定の厚みに成膜し、セラミックグリーンシートを作製する。
【0003】
次に、スクリーン印刷法により、銅(Cu)、ニッケル(Ni)等の低抵抗金属と有機ビヒクルからなる内部電極ペーストを前記グリーンシート上へ印刷して内部電極を形成する。内部電極が交互に対向する電極となるように、このグリーンシートを打ち抜き、金型内へ積層し、熱プレス等で圧着して積層体を得る。
【0004】
この積層体を一個一個の積層セラミック素子に切断し、脱バインダー、焼成を行い、積層セラミック素子を得る。こうして得られた積層セラミック素子の対向する内部電極の各々の電極引き出し部が露出する両端面に、外部電極端子を形成し、積層セラミック電子部品が完成する。
【0005】
従来、有機樹脂等のバインダーを分解、飛散させるために大気中等の高酸素分圧下での予備焼成が行われているが、内部電極層に使用されているCu、Niは貴金属とは異なり酸化されやすく、このような積層セラミック電子部品を焼成する場合、内部電極が酸化されないよう中性あるいは還元雰囲気中にて焼成が行われる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
内部電極材料としてCuやNiを用いた場合、バインダーの分解・飛散を行う予備焼成(脱バインダー)の雰囲気を大気等の高酸素分圧下で行うと、酸化膨張するために、積層セラミック素子内に応力を生じさせ焼成時に層間剥離(デラミネーション)やクラックを生じやすい。
【0007】
そこで、内部電極材料として酸化銅ペーストを用いて、脱バインダー時に内部電極の酸化膨張が起こらないようにする方法が提案されている。この場合、脱バインダー後に、内部電極を酸化銅から金属銅に還元することが必要になるが、還元が不十分であると、内部電極の一部が酸化銅のまま残り、焼成時にセラミック中に拡散して、絶縁抵抗劣化や誘電体、圧電体特性を変化させる要因となる。
【0008】
このような問題を解決するために、特許文献1において、バインダー成分を除去した後に誘電体と内部電極を共に還元させる工程と、前記還元工程の後に、内部電極が酸化せず、誘電体が酸化する雰囲気中で前記誘電体と内部電極を焼成する工程とを備えた製造方法が提案されている。
【0009】
【特許文献1】
特開平5−82387号公報
【0010】
この方法は、誘電体をも還元してしまうような強還元条件で内部電極の還元処理を行った後、誘電体の再酸化処理を行っている。この場合、焼成工程において還元及び再酸化工程と相反する工程を行うため、工程が複雑で、かつ再酸化制御が難しいものであった。
【0011】
また、セラミック素子内の有機樹脂等によるバインダーによる残留カーボン量が多いと、焼成時に還元性雰囲気が強まり、内部電極切れが発生したり、セラミックの焼成が抑制され、絶縁性が低下するため、十分な脱バインダーが必要となる。
【0012】
特許文献2において、脱バインダー時のチップ内の残留カーボン量が0.05〜3%となるよう空気中200〜600℃で予備焼成することが提案されている。
【0013】
【特許文献2】
特開平7−106187号公報
【0014】
この方法では、300℃未満の低温で予備焼成を行う場合には、バインダーを分解するために長時間の予備焼成が必要となり、生産性が悪い。また、300℃以上でバインダーを分解する場合、内部電極の酸化が始まり、内部電極材料のCu、Niの膨張が生じ、本焼成において層間剥離や特性劣化を引き起こす場合があった。
【0015】
従って、本発明の目的は、層間剥離がなく、電気特性が良好な積層セラミック電子部品が得られ、かつ還元雰囲気や残留カーボン量を調整するための工程が不要な積層セラミック電子部品の製造方法を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、セラミックグリーンシートと内部電極を形成したシートを複数層積み重ねて形成した積層セラミック電子部品において、内部電極としてCu粉末表面にAgを被覆した金属粉末をペースト化したものを用いて積層化し、脱バインダを行った後、焼成する積層セラミック電子部品の製造方法が得られる。
【0017】
本発明によれば、内部電極としてCu粉末表面にAgを被覆した金属粉末において、Agの被覆率はCu粉末粒径の10〜50%の厚みであり、Cu粉末粒径が3μm以下である積層セラミック電子部品の製造方法が得られる。ここで、Agの被覆率とは、Ag膜の厚みとCu粉末の粒子径との比である。
【0018】
本発明によれば、セラミックグリーンシートにおいて、セラミック材料は、PbZrO−PbTiO系にV、MoO、Biの少なくとも1種を含むようなPZT、PbZrO−PbTiO−Pb(Mn1/3Sb2/3)系やPb(Mg1/3Nb2/3)O−PbTiO系の鉛複合ペロブスカイトであり、高酸素分圧下で脱バインダーを行い、1000℃以下の温度で焼成する積層セラミック電子部品の製造方法が得られる。
【0019】
本発明によれば、内部電極として用いるCu粉末表面にAgを被覆した金属粉末において、ゾルーゲル、有機金属塩、PVD、無電解めっき、もしくは湿式混合にてCu粉末表面にAgを被覆し、この金属粉末を有機溶剤及び有機樹脂によってペースト化したものを用いる積層セラミック電子部品の製造方法が得られる。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態による積層セラミック電子部品の製造方法について、以下に説明する。
【0021】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1の積層セラミックコンデンサは、誘電体セラミックとしてPb(Mg1/3Nb2/3)O−PbTiO系粉末を主成分とし、有機バインダ、分散剤、可塑剤及び有機溶剤を秤量、混錬しスラリー化して、ドクターブレード法などを用いてグリーンシートを作製した後、湿式混合にてCu粉末表面にAgを被覆した金属粉末と有機ビヒクルを混錬した内部電極ペーストをスクリーン印刷法により、グリーンシート上に形成したものを積層し、熱プレスによって得られる積層体を所定のチップサイズになるように切断し、セラミックコンデンサチップ素子のグリーン積層体が得られる。
【0022】
ここで、今回、Cu粉末表面へのAg被覆は、湿式混合にて作製したものを例示したが、ゾルーゲル、有機金属塩、PVD、無電界めっきのどの方法によって作製しても良い。このセラミックコンデンサチップ素子のグリーン積層体を大気中にて有機バインダの分解する300℃以上の温度で脱バインダを行った後、950℃で本焼成を行うことで、セラミックコンデンサ焼結体素子を得ることができる。
【0023】
表1は、平均粒径0.5μmのCu粉末にAgの被覆率を変化させたときの層間剥離発生率と静電容量及び等価直列抵抗について比較したものである。電気的な特性を比較するために、80wt%Ag−20wt%パラジウム粉末による内部電極ペーストを用いたものも作製した。積層セラミックコンデンサチップは、長さ3.2×幅1.6×厚み1.0mmで、比較品で静電容量が1μFとなるように設計した構造のものを作製した。層間剥離の評価は、超音波探傷法を用いて行った。また、得られた積層セラミックコンデンサの電気特性は、LCRメータおよびインピーダンスアナライザを用いて、静電容量(C)および等価直列抵抗(ESR)を測定した。
【0024】
【表1】
Figure 2004247664
【0025】
表1の結果より、Cu粉末へのAg被覆率がCu粒径の10%以下の厚みになると脱バインダー時にCuが酸化してしまうため、Cu粉末の膨張による応力によって層間剥離を引き起こすと共に、Cu金属成分が減少するために電気特性が劣化した。また、Cu粉末へのAg被覆率がCu粒径の51%以上の厚みになると、焼結時のAgの溶融が進み電極切れが進み所定の静電容量が得られなくなると共に等価直列抵抗が増加している。
【0026】
(実施の形態2)
実施の形態2の積層型の圧電トランスについて説明する。圧電体セラミックとしてPbZrO−PbTiO−Pb(Mn1/3Sb2/3)粉末を主成分とし、積層セラミックコンデンサと同様に有機バインダ、分散剤、可塑剤及び有機溶剤を秤量、混錬しスラリー化して、ドクターブレード法などを用いてグリーンシートを作製した後、Cu粉末表面にAgを被覆した金属粉末と有機ビヒクルを混錬した内部電極ペーストをスクリーン印刷法により、グリーンシート上に形成したものを積層、熱プレスによって得られた積層体を所定のチップサイズになるように切断して圧電トランス素子のグリーン積層体が得られる。
【0027】
この圧電トランス素子のグリーン積層体を大気中にて有機バインダの分解する300℃以上の温度で脱バインダを行った後、950℃で本焼成を行いセラミックコンデンサ焼結体素子を得た。
【0028】
表2は、平均粒径0.5μmのCu粉末にAgの被覆率を変化させたときの層間剥離発生率と入力側の電容量及び結合係数について比較したものである。電気的な特性を比較するために、80wt%Ag−20wt%パラジウム粉末による内部電極ペーストを用いたものも作製した。圧電トランス素子は、長さ20×幅10×厚み1.0mmの1/2λモードで、入力側の静電容量が、比較品で10nFとなるように設計した構造のものを作製した。層間剥離の評価は、超音波探傷法を用いて行った。また、得られた圧電トランスの電気特性は、インピーダンスアナライザを用いて、入力側の静電容量(C)および結合係数を測定した。
【0029】
【表2】
Figure 2004247664
【0030】
表2の結果より、積層セラミックコンデンサと同様に、Cu粉末へのAg被覆率がCu粒径の10%以下の厚みになると脱バインダー時にCuが酸化してしまうため、Cu粉末の膨張による応力によって層間剥離を引き起こすと共にCu金属成分が減少するために電気特性が劣化した。また、Cu粉末へのAg被覆率がCu粒径の51%以上の厚みになると焼結時のAgの溶融が進み電極切れが進み所定の電気特性が得られなくなった。
【0031】
本発明によれば、Cu粉末表面にAgを被覆した金属粉末を用いているので、高酸素分圧下における脱バインダー工程時にCu粉末の酸化が抑制されることで、有機樹脂の分解、除去が十分に行えるため本焼成において層間剥離や特性劣化が防止できる。また、全ての工程が高酸素分圧下で行えるため、還元焼成や再酸化工程が不要であり、簡単な工程で行える。これらのことより、焼成時に層間剥離や残留カーボンによるセラミックヘの影響が無くなり特性の劣化の無い積層セラミック電子部品が提供できる。
【0032】
また、Cu粉末の平均粒径は、大きいとペーストでの電極印刷の不良や、内部電極の焼結不良が起こり易くなるため、平均粒径3μm以下が望ましい。
【0033】
なお、本発明の実施の形態において、積層セラミックコンデンサと圧電トランスを例にして説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく高酸素分圧下において1000℃以下の温度で焼結できる積層セラミック電子部品に適用し得るものである。
【0034】
【発明の効果】
本発明により、内部電極用のCu粉末へのAg被覆率がCu粒径の10%〜50%の厚みで、1000℃以下の焼成温度で焼結体素子を作製することで、層間剥離のない電気特性が良好で、特に還元雰囲気や残留カーボン量を調整するための工程が不要な積層セラミック電子部品の製造方法を提供することができる。

Claims (4)

  1. セラミックグリーンシートとCu粉末表面にAgを被覆した金属粉末をペースト化したものを用い、内部電極を形成したシートを複数層積み重ねて積層し、脱バインダーを行った後、焼成することを特徴とする積層セラミック電子部品の製造方法。
  2. 前記内部電極のCu粉末表面にAgを被覆した金属粉末は、被覆したAg膜の厚みと、Cu粉末の粒子径との比が、10〜50%の範囲であり、Cu粉末粒径が3μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
  3. 請求項1記載のセラミックグリーンシートにおいて、セラミック材料は鉛複合ペロブスカイトであり、高酸素分圧下で脱バインダーを行い、1000℃以下の温度で焼成することを特徴とする積層セラミック電子部品の製造方法。
  4. ゾルーゲル、有機金属塩、PVD、無電解めっき、もしくは湿式混合にてCu粉末表面にAgを被覆した金属粉末を、有機溶剤及び有機樹脂によってペースト化したものを用いることを特徴とする積層セラミック電子部品の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006196717A (ja) * 2005-01-14 2006-07-27 Nec Tokin Corp 積層型圧電セラミックス素子およびその製造方法

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