JP2002329638A - 積層型電子部品およびその製法 - Google Patents
積層型電子部品およびその製法Info
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Abstract
改善できる積層型電子部品およびその製法を提供する。 【解決手段】誘電体層7と内部電極層5とを交互に積層
してなる電子部品本体1の端面13に、前記内部電極層
5が交互に接続される一対の外部電極3をそれぞれ形成
してなる積層型電子部品において、前記内部電極層5の
周囲に空洞21を形成するとともに、該空洞21の前記
電子部品本体1端面13に開口する部分を金属を主成分
とする接続部11により閉そくしてなる。
Description
よびその製法に関し、特に、内部電極層と外部電極との
界面接合を改善した積層型電子部品およびその製法に関
する。
い、積層型電子部品、例えば、積層セラミックコンデン
サは小型高容量化が求められており、このため誘電体層
の薄層化とその誘電体層の積層数の増加が図られてい
る。
ては、内部電極層と外部電極との界面接合に関し、例え
ば、特開2000−216046号公報に開示されるよ
うなものが知られている。
は、外部電極ペースト中に含まれる金属粉末の平均粒径
と内部電極層の厚みとの関係に着目し、外部電極ペース
ト中の金属粉末の少なくとも一部に、内部電極層厚みの
2倍以下の平均粒径を有する金属粉末を用いて外部電極
が形成されている。
ートと内部電極パターンとを交互に積層して形成された
電子部品本体成形体の端面に内部電極パターンが露出す
るように作製されるが、焼成後に、内部電極層の端部が
電子部品本体の端面からその内部に位置するように変化
しても、この外部電極ペースト中の金属粉末の一部が、
内部電極層の端部にまで進入し、外部電極と内部電極層
とが電気的に接続されることが記載されている。
報に開示された積層型電子部品では、外部電極が、電子
部品本体の内部に引き込まれて形成された内部電極層の
端部とのみ接続されるため、外部電極との接続が充分で
はなく、折角、外部電極ペースト中に内部電極層の厚み
の2倍よりも平均粒径の小さな金属粉末を用いて外部電
極を形成したとしても、内部電極層の端部での外部電極
との接合が弱くなり、静電容量が低下するとともに、静
電容量のばらつきが大きくなるという問題があった。
ペーストを用いて形成されているため、内部電極層の側
端を含む端部は凹凸状になり易く、外部電極との確実な
接合が図れないという問題があった。
いて内部電極層の薄層化を図る場合には、焼成収縮によ
り内部電極層が網目状に形成されやすくなるため、誘電
体層を完全に被覆することが困難となり、内部電極層の
有効面積が低下し、このため所望の静電容量が得られな
いという問題があった。
との間の電気的接合性を改善できる積層型電子部品およ
びその製法を提供することを目的とする。
は、誘電体層と内部電極層とを交互に積層してなる電子
部品本体の端面に、前記内部電極層が交互に接続される
一対の外部電極をそれぞれ形成してなる積層型電子部品
において、前記内部電極層の周囲に空洞を形成するとと
もに、該空洞の前記電子部品本体端面に開口する部分を
金属を主成分とする接続部により閉そくしてなることを
特徴とする。
電極層の端部のみならず、接続部を介して、内部電極層
の側端とも接続されることから、例えば、積層型電子部
品の一つである積層セラミックコンデンサの場合に、誘
電体層の電荷を内部電極層を介して確実に外部電極から
取り出すことができ、静電容量の向上ならびに静電容量
のばらつきの低減を図ることができる。
ていることから、この空洞が焼成による歪みや変形を吸
収緩和し、また、焼成後のクラックを抑制することがで
きるとともに、耐熱衝撃性試験におけるクラックの発生
を防ぐことができる。
外部電極を構成している金属成分により形成されている
ことが望ましい。外部電極が電子部品本体の端面を起点
とした内部電極層の側端にまで進入して内部電極層と接
続されることにより、この電子部品本体に対する外部電
極のアンカー効果が高まり、内部電極層と外部電極との
接合を高めることができる。
端面から内部側に向けた接続部の長さが1μm以上であ
ることが望ましい。このように外部電極と接続される内
部電極層の側端における接続部を長くすることにより内
部電極層と外部電極との電気的、機械的接続性を向上で
きる。また、内部電極層の周囲に形成されている空洞の
密閉性を高めることができ、積層型電子部品の耐湿性を
向上できる。
解メッキ膜であることが望ましい。このように内部電極
層を電解メッキで形成することにより、穴などの欠陥の
ない内部電極層を形成することができ、そのため有効面
積が高まり、例えば、積層セラミックコンデンサの静電
容量を容易に高めることができる。
みが1.5μm以下であることが望ましい。内部電極層
の端面のみならずその側端にも外部電極との接続部を形
成する本発明の積層型電子部品では、内部電極層が極め
て薄層化された場合にも外部電極との電気的、機械的接
続性を確保することができる。また、内部電極層を薄層
化することにより、デラミネーションを抑制できる。
縁部に酸化膜が形成されていることが望ましい。このよ
うに内部電極層の周縁部に酸化膜を形成することによ
り、内部電極層とその周囲を取り囲んでいる誘電体層と
の接合性を高めることができ、積層型電子部品のデラミ
ネーションやクラックをさらに抑制するとともに、たわ
み強度を高めることができる。
グリーンシートの一方主面上に電解メッキにより形成さ
れた内部電極パターンを転写し、該内部電極パターンの
周囲に沿って有機樹脂を塗布して有機樹脂パターンを形
成する工程と、前記内部電極パターンが転写され且つそ
の周囲に有機樹脂パターンが形成された誘電体グリーン
シートを複数積層して電子部品本体成形体を作製する工
程と、該電子部品本体成形体を焼成して、異なる2つの
端面に内部電極層の一端が交互に露出するとともに、前
記内部電極層の周囲に空洞が形成された電子部品本体を
作製する工程と、前記内部電極層の一端が露出した前記
電子部品本体の端面に外部電極ペーストを塗布した後、
焼き付けを行い、前記電子部品本体の端面に外部電極を
形成するとともに、前記空洞の前記電子部品本体端面に
開口する部分に前記外部電極と一体化した接続部を形成
する工程とを含む製法である。
いて内部電極層を形成し、さらに、内部電極パターンの
周囲に有機樹脂パターンを形成することにより、導体ペ
ーストを用いて形成された内部電極層に比較して、均一
で平滑な内部電極層を形成できるとともに、その内部電
極層の側面に凹凸が少ないことから、内部電極層の周囲
に形成される空洞を均一な断面積で形成できる。
トを進入させることができることから、内部電極層の側
端に、外部電極を構成している金属からなる接続部を容
易に形成でき、内部電極層と外部電極との接合性を高く
できる。
に形成されていることから、電子部品本体を酸化処理し
た際に、この内部電極層の周縁部に酸化膜を容易に形成
できる。
ペースト中に、内部電極層の厚みよりも小さい平均粒径
を有する金属粉末を含むことが望ましい。このように外
部電極ペースト中に内部電極層厚みよりも平均粒径の小
さい金属粉末を用いることにより、外部電極と内部電極
層とを確実に接触させることができる。
である積層セラミックコンデンサについて、図1の概略
断面図をもとに詳細に説明する。
子部品本体1の両端部に外部電極3を形成して構成され
ている。
層7とを交互に積層し、さらに、誘電体層7と同一材料
からなる絶縁層9を積層して構成されている。
層7は、シート状のセラミック焼結体からなり、例え
ば、BaTiO3を主成分とする誘電体グリーンシート
を焼成して形成した誘電体磁器からなる。
た金属膜からなり、金属成分としては、例えば、Ni、
Co、Cu等の卑金属が使用されており、この例では、
卑金属としてNiが使用されている。また、この内部電
極層5は電解メッキにより形成された穴などのない金属
膜である。
望ましい。特に、この内部電極層5によるデラミネーシ
ョンを防止するとともに、内部電極層5の破断や穴の形
成を抑制し、信頼性を高める点で、0.2〜1.0μm
の範囲であることが望ましい。
きは、静電容量の安定化と絶縁抵抗の向上および安定化
のために0.1μm以下が好ましい。
れた内部電極層5の表面粗さ(Ra)は80nm以下で
あることが望ましいが、内部電極層5と誘電体層7との
接着性ならびに外部電極3との接続性を高める上で、特
に30〜70nmであることがより望ましい。
はCuとNiの合金ペーストを焼き付けて形成され、こ
の例では、Cuが使用されており、その表面には、順に
Niメッキ層、Snメッキ層もしくはSn−Pb合金メ
ッキ層が形成されている。これらは外部電極3のはんだ
食われ防止やはんだ濡れ性を補うものである。尚、内部
電極層5と外部電極3は必ずしも同一材料から構成され
る必要はなく、特に、内部電極層5がNi、外部電極3
がCuからなることが望ましい。
周囲には空洞21が形成されており、その断面形状は、
略三角形であり、この空洞21の断面積は0.5μm2
以上であることが望ましいが、内部電極層5の有効面積
を高め、耐湿性を確保するという理由から、この空洞2
1の断面積は0.7〜1μm2の範囲が望ましい。
メッキにより形成された金属膜である場合には、空洞2
1の断面積が、長辺方向のいずれの箇所をとってもほぼ
同じ面積に形成され、これにより積層型電子部品の、特
に内部電極層5の周辺に発生する応力を均一に緩和でき
る。
いるように、電子部品本体1の端部において、内部電極
層5の端面のみならず、この電子部品本体の端面13を
起点とした内部電極層5の側端15にも接続され、こう
して内部電極層5と外部電極3との接続部11が形成さ
れている。
いる内部電極層5の周囲に空洞21を形成するととも
に、この空洞21の電子部品本体1端面13に開口する
部分を金属を主成分とする接続部11により閉そくして
なるものである。
うに、主に外部電極3を構成している金属成分により形
成されているが、一部内部電極層5との界面領域17に
は、この内部電極層5を構成している金属成分との間に
形成された合金相19が存在する。例えば、内部電極層
5がNiで形成され、一方、外部電極3がCuで形成さ
れた場合には、内部電極層5と外部電極3との界面には
Ni、Cuからなる合金相19が形成されている。
面13を起点としたときの長さは、内部電極層5の端面
のみならず側端15とも外部電極3との接合ができ、接
続強度をより高められるという理由から1μm以上であ
ることが望ましい。
の周縁の、特に、空洞21に向いて露出した側には、内
部電極層5を構成している金属成分の酸化膜23が形成
されている。この酸化膜23の厚みは0.1μm以下が
望ましく、内部電極層5とその周囲の誘電体層7との接
続性を高めるとともに導電性を確保するという理由から
0.03〜0.09μmが望ましい。
製法について具体例を示す。
mの誘電体グリーンシートを作製する。この誘電体グリ
ーンシートは、例えば、比表面積の大きなBaTiO3
原料粉末を用いて形成することができ、主原料のBaT
iO3粉の合成法は、固相法、液相法(シュウ酸塩を経
過する方法等)、水熱合成法等があるが、そのうち粒度
分布が狭く、結晶性が高いという理由から水熱合成法が
望ましい。そして、BaTiO3粉の比表面積は1.7
〜6.6(m2/g)が好ましい。
原料粉末を用いて誘電体グリーンシートを形成する方法
として、ドクターブレード法、引き上げ法、リバースロ
ールコータ法、グラビアコータ法、スクリーン印刷法が
好適に用いられる。薄層化した誘電体グリーンシートを
形成するために、特に、ダイコータ法が用いられてい
る。
バインダおよび溶媒を含有するセラミックスラリをキャ
リアフィルム上に塗布し、高速でキャスティングし、乾
燥することにより形成される。
トの厚みは12μm以下であり、特に、積層型電子部品
の小型大容量化という理由から1.5〜5μmの範囲に
形成されることが望ましい。
電極層5は電解メッキにより形成される。この場合、成
膜用の基板プレートとして、表面を鏡面加工したステン
レス板やチタン板等が用いられる。この基板プレートの
表面の全面に感光性レジスト樹脂を塗布し、内部電極層
5となる内部電極パターンを形成する部分を感光させな
いようにマスクを当て、露光、現像を行う。
ことにより、内部電極層5が形成される部分のレジスト
が除かれた電解メッキ用のレジストパターンを形成す
る。
行い、その後、アルカリ洗浄によりマスク部分の感光性
樹脂の除去を行うことによって、基板プレート上に内部
電極層となる厚み0.2〜1.0μmのNi金属膜から
なる内部電極パターンを形成する。
法を用いて形成することにより、内部電極層5を、例え
ば、1μm以下に極めて薄層化しても穴などの欠陥が殆
ど無く、均一な厚みを有する積層セラミックコンデンサ
を作製することが可能となる。
基板プレートを、誘電体グリーンシート上に熱圧着転写
することにより、この誘電体グリーンシートの一方主面
上に内部電極パターンを形成する。
を形成する上で、誘電体グリーンシートの焼成収縮率と
同等か、もしくは、それよりも大きいことが望ましい。
た内部電極パターンの周囲に沿って有機樹脂を塗布して
有機樹脂パターンを形成する。この有機樹脂パターンの
塗布厚みは内部電極パターンの厚みに相当し、断面形状
が略矩形状となるように形成される。このため有機樹脂
としては、主成分が誘電体グリーンシート中に含まれる
粘結剤、あるいは従来のスクリーン印刷による内部電極
パターンの形成で用いられていた導電性ペースト中の粘
結剤と同じものが用いられる。
大きさに直接的に影響することから、積層型電子部品の
機械的強度や耐湿性の低下を抑えるという理由から1〜
3μmが望ましい。
電体グリーンシートを複数積層し、この上下面に、さら
に内部電極パターンが形成されていない誘電体グリーン
シートを複数積層し、加熱加圧によって積層体を作製す
る。
て電子部品本体成形体を作製する。
0〜300℃または酸素分圧0.1〜1Paの低酸素雰
囲気中500〜800℃で脱バイした後、非酸化性雰囲
気で1250〜1350℃で2〜3時間焼成し、電子部
品本体1を作製する。
分が分解蒸発した際に、内部電極パターンの周縁に塗布
された有機樹脂パターンも分解蒸発することにより内部
電極層5の周囲に空洞21が形成される。
素分圧が0.1〜10-4Pa程度の低酸素分圧下、90
0〜1100℃で5〜15時間熱処理を行う。
空洞21を通じて酸素が透過するため、この空洞21に
露出した内部電極層5の周縁に酸化膜23が形成され
る。
外部電極3を形成するための外部電極ペーストを調製す
る。
剤、および溶剤を用いて調製される。
りも小さい平均粒径を有するCuの微粉末がCu粉末全
量中に10重量%以上含まれることが望ましい。特に、
外部電極3を焼付けした時の収縮率を適正化するととも
に、電子部品本体1に形成された空洞21内に、この外
部電極ペーストを注入しやすくするために、Cu粉末全
量中の微粉末量は30〜70重量%であることが望まし
い。
粉末や有機樹脂以外に、ペースト中に焼結助剤としてガ
ラスを10〜20重量%含むことが、電子部品本体1と
外部電極3との接着接合性を高める上で望ましい。
スとしては、融点が800℃以上であることが望まし
く、例えば、BaO−B2O3−SiO2−ZnO−Ca
O−Al2O3系からなる耐酸性のガラスフリットであ
り、粒径は10μm以下で、融点は800℃以上とされ
ている。
3に、このCuの微粉末を含む外部電極ペーストを塗布
して、これを700〜900℃で焼き付けて外部電極3
を形成する。このとき、外部電極3は内部電極層5の端
面のみならず側端15とも接続することができる。
は平均粒径が0.05〜2μmであり、特に、内部電極
層5との接続を高めるために、0.7μm以下の金属粒
子が30重量%以上含まれていることが望ましい。ま
た、内部電極層5との界面には、外部電極3との合金相
が形成されていてもよい。
る金属粉末は、内部電極層5の厚みよりも小さな平均粒
径を有する金属微粉末を10重量%以上含有することが
望ましく、電子部品本体1の内部電極層5の周囲に形成
された空洞21に進入し、外部電極3と一体化した接続
部11を形成するとともに、外部電極3の過度の焼成収
縮率を抑制するという理由から、特に、金属の微粉末量
は30〜70重量%であることが望ましい。尚、残部は
ガラス成分で構成されている。
よびSnメッキを形成し、積層セラミックコンデンサを
作製する。
子部品およびその製法では、内部電極層5の周囲に空洞
21を形成するとともに、この空洞21の、電子部品本
体1端面13に開口する部分を、金属を主成分とする接
続部11により閉そくさせることにより、極めて薄くし
た内部電極層5であっても、この内部電極層5と外部電
極3との接続性を高めることができ、高い静電容量を得
ることができる。
成されていることから、この空洞21が焼成による歪み
や変形を吸収緩和し、また、焼成後のクラックを抑制す
ることができるとともに、耐熱衝撃性試験におけるクラ
ックの発生を防ぐことができる。
空洞21を通して内部電極層5の周縁に酸化膜23が形
成されていることから、内部電極層5とその周囲を取り
囲んでいる誘電体層7との接続性を高めることができ、
積層型電子部品のたわみ強度を高めることができる。
コンデンサを以下のようにして作製した。先ず、BaT
iO399.5モル%とMnO0.5モル%とからなる
組成物100モル%に対して、Y、Mgの各酸化物を所
定量配合し、ZrO2ボールを用いたボールミルにて湿
式粉砕した。次に、ポリビニルブチラール系の有機粘結
剤、フタル酸エステル系の可塑剤、分散剤、およびトル
エン溶媒を所定量混合し、振動ミルを用いて、粉砕、混
練し、スラリーを調製した後、ダイコーターにより、ポ
リエステルよりなるキャリアフィルム上に厚み2.4μ
mの誘電体グリーンシートを作製した。
ペーストを用いてスクリーン印刷により形成したものと
電解メッキ法を用いて作製したものを使用して試料を作
製した。
電極パターンは、鏡面加工を施したステンレス板製の基
板プレートを用いて、その表面に感光性レジスト樹脂を
塗布し、露光、洗浄後に電極パターンのマスクを形成し
た。
トをNiメッキ浴に浸漬した状態で電解メッキを行い、
厚みが0.5μmのNi金属薄膜層を形成した。
iメッキ膜からなる内部電極パターンを80℃、80k
g/cm2の条件で熱圧着転写し、内部電極パターンを
形成した誘電体グリーンシートを作製した。
電極パターンの周縁にポリビニルブチラール系の粘結剤
を主成分とする有機樹脂パターンを形成した。
電体グリーンシートを400枚積層し、温度100℃、
圧力200kgf/cm2の条件での積層プレスにより
積層成形体を作製した。
て、電子部品本体成形体を得た。この積層成形体の側面
には、内部電極層の電極パターンの一端が交互に露出
し、厚み方向に重畳して積層された内部電極層の電極パ
ターンは、位置ずれもなく形成されていた。
00℃または酸素分圧0.1〜1Paの低酸素雰囲気中
500℃で脱バイした後、酸素分圧10-7Paの非酸化
性雰囲気中1300℃で2時間焼成し、さらに、酸素分
圧が0.01Paの低酸素分圧下1000℃で10時間
の再酸化処理を施し、電子部品本体1を得た。
本体に対し、内部電極層が露出した各端面に外部電極ペ
ーストを塗布し、窒素雰囲気中、900℃で焼き付けを
行った。その後、Niメッキ層およびSnメッキ層を形
成し、内部電極層と電気的に接続された外部電極を形成
して積層セラミックコンデンサを作製した。
径1μmのCu粗粉末と平均粒径が約0.2μmのCu
微粉末とを所定量混合し、さらに、これらの金属粉末に
対し、ガラス成分や有機樹脂および溶剤を加えて調製し
た。そして、接続部11の長さはCu微粉末の混合量に
よって調整した。
ターンを形成せずに作製した従来の電子部品本体を比較
試料として作製した。尚、目標とする静電容量は10.
0±0.5μFとした。
ンデンサの外形寸法は、幅1.25mm、長さ2.0m
m、厚さ1.25mmであり、内部電極層間に介在する
誘電体層の厚みは2.5μmであった。
各100個について、静電容量と絶縁抵抗を測定した。
測定条件は基準温度25℃で行い、静電容量は周波数1
kHz、測定電圧1Vrmsの条件で測定した。
の静電容量の測定値より算出した静電容量の平均値、標
準偏差より、平均値に対する標準偏差の比を静電容量の
ばらつき(%)とした。なお静電容量のばらつきは、1
%以上では静電容量の歩留まりが低下するので、1%未
満を良とした。
RH、6.3Vの条件において湿中負荷試験を1000
時間行った。この試験では、1000時間後のCR積が
500ΩF以上のものを合格品とした。尚、絶縁抵抗
は、直流電圧6.3Vを1分間印加したときの絶縁抵抗
を測定した。そして、測定した静電容量(C)と絶縁抵
抗(R)値の積を算出してCR積(ΩF)とした。
それを両側から引っ張ることにより、外部電極の接続強
度を測定した。この場合、試料数は各10個とした。
−エポキシ樹脂から成るプリント基板の中央部に1個実
装した状態でたわみ強度を測定した。この評価では、積
層セラミックコンデンサの実装面の反対面から荷重をか
けてプリント基板を1mmたわませ、このときの積層セ
ラミックコンデンサの機械的損傷(クラック等)の発生
数を評価した。この場合、試料数は各10個とした。そ
れらの測定結果を表1に示した。
10個を内部電極層に平行な面で切断、研磨して内部電
極層と外部電極との接続状態と接続部の長さおよび内部
電極層の周囲に形成された空洞を観察した。
に形成された酸化膜を分析電子顕微鏡を用いて評価し
た。
本体の端面を起点とする内部電極層の側端に、外部電極
と一体化した接続部を形成した試料No.2〜6では、
静電容量が7.6μF以上、静電容量のばらつきが0.
81%以下、外部電極の接続強度が4.5kgf以上
で、たわみ強度試験においても破壊した試料が無く、さ
らに、湿中負荷試験においても不良が無かった。特に、
電解メッキにより内部電極パターンを形成した試料N
o.3〜6では、静電容量が9.8μF以上でそのばら
つきが0.53%と低かった。さらに、外部電極ペース
ト中のCu微粉末量を50重量%とした試料No.6で
は、電子部品本体の端面からの接続部の長さが28μm
となり、静電容量が10.5μF、接続強度が5.6k
gfまで増加した。
ターンを形成し、有機樹脂パターンを形成しなかった試
料No.1では、静電容量のばらつきが大きくなり、接
続強度が低かった。
では、内部電極層の周囲に空洞を形成するとともに、こ
の空洞の、電子部品本体端面に開口する部分を、金属を
主成分とする接続部により閉そくさせることにより、極
めて薄くした内部電極層であっても内部電極層と外部電
極との接続性を高めることができ、高い静電容量を得る
ことができる。
いることから、この空洞が焼成による歪みや変形を吸収
緩和し、また、焼成後のクラックを抑制することができ
るとともに、耐熱衝撃性試験におけるクラックの発生を
防ぐことができる。
洞を通して内部電極層の周縁に酸化膜が形成されている
ことから、内部電極層とその周囲を取り囲んでいる誘電
体層との接続性を高めることができ、積層型電子部品の
たわみ強度を高めることができる。
の空洞を示す電子部品本体の概略断面模式図である。
洞の電子部品本体端面に開口する部分に設けられた接続
部を示す本発明の積層型電子部品の概略平面図である。
Claims (8)
- 【請求項1】誘電体層と内部電極層とを交互に積層して
なる電子部品本体の端面に、前記内部電極層が交互に接
続される一対の外部電極をそれぞれ形成してなる積層型
電子部品において、前記内部電極層の周囲に空洞を形成
するとともに、該空洞の前記電子部品本体端面に開口す
る部分を金属を主成分とする接続部により閉そくしてな
ることを特徴とする積層型電子部品。 - 【請求項2】接続部が、主に外部電極を構成している金
属成分により形成されていることを特徴とする請求項1
記載の積層型電子部品。 - 【請求項3】電子部品本体の端面から内部側に向けた接
続部の長さが1μm以上であることを特徴とする請求項
1または2に記載の積層型電子部品。 - 【請求項4】内部電極層が電解メッキ膜であることを特
徴とする請求項1乃至3のうちいずれかに記載の積層型
電子部品。 - 【請求項5】内部電極層の厚みが1.5μm以下である
ことを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれかに記載
の積層型電子部品。 - 【請求項6】内部電極層の周縁部に酸化膜が形成されて
いることを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれかに
記載の積層型電子部品。 - 【請求項7】誘電体グリーンシートの一方主面上に電解
メッキにより形成された内部電極パターンを転写し、該
内部電極パターンの周囲に沿って有機樹脂を塗布して有
機樹脂パターンを形成する工程と、前記内部電極パター
ンが転写され且つその周囲に有機樹脂パターンが形成さ
れた誘電体グリーンシートを複数積層して電子部品本体
成形体を作製する工程と、該電子部品本体成形体を焼成
して、異なる2つの端面に内部電極層の一端が交互に露
出するとともに、前記内部電極層の周囲に空洞が形成さ
れた電子部品本体を作製する工程と、前記内部電極層の
一端が露出した前記電子部品本体の端面に外部電極ペー
ストを塗布した後、焼き付けを行い、前記電子部品本体
の端面に外部電極を形成するとともに、前記空洞の前記
電子部品本体端面に開口する部分に前記外部電極と一体
化した接続部を形成する工程とを具備する積層型電子部
品の製法。 - 【請求項8】外部電極ペースト中に、内部電極層の厚み
よりも小さい平均粒径を有する金属粉末を含むことを特
徴とする請求項7記載の積層型電子部品の製法。
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