JP2013518422A - 圧電素子 - Google Patents

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Abstract

【解決手段】本発明は、互いに上下に配設された複数の圧電層(2、2’、2’’、2’’’、3、3’、3’’、3’’’)とその間に配設された電極層(4,5)から成る積層体(1a)を有する圧電素子(1)に関する。前記積層体(1a)は第1圧電定数を備える少なくとも1つの第1圧電層(2)と、直接これに隣接して、第2圧電定数を備える少なくとも1つの第2圧電層(3)とを有する。圧電定数は、電極層(4,5)に印加された電圧による電界に垂直な方向の圧電層(2,3)の歪みを表す。第1圧電定数は第2圧電定数とは異なる。
【選択図】図4

Description

本発明は圧電層を備える圧電素子に関する。
例えば、積層圧電アクチュエータのような積層圧電素子は、圧電材料からなる複数の層を含む。一般的に、アクチュエータ全体に同じ圧電材料が使用される。
圧電アクチュエータは、特許文献1及び特許文献2に開示されている。
独国特許発明第102 34 787号明細書(DE 102 34 787 C1) 独国特許出願公開103 07 825号明細書(DE 103 07 825 A1)
本発明の課題は、より優れた特性を備える圧電素子を提供することにある。
互いに上下に配設された複数の圧電層と、当該複数の圧電層の間に配設された電極層とから成る積層体を有する圧電素子であって、前記積層体が第1圧電定数を備える少なくとも1つの第1圧電層と、当該第1圧電層に直接隣接して、第2圧電定数を備える少なくとも1つの第2圧電層とを有する圧電素子が提供される。圧電定数は、電極層に印加された電圧での電界に垂直な方向の圧電層の歪みを表す。第1圧電定数は第2圧電定数とは異なる。
特に、圧電素子は積層構造の圧電アクチュエータとして構成してもよい。
圧電定数は、電極層に所定の電圧を印加した場合における、電界に垂直な方向の圧電層の歪みの大きさの尺度である。圧電定数が異なる2つの材料を互いに接触させると、極性が生じている間、それらの接触境界においては2つの材料の歪みが異なるために、機械的応力の差が生じ得る。これは両材料間の接触境界でのクラック形成を促進し得る。
こうしたクラックは、同一の電気極性を有する電極のみが存在するアクチュエータのいわゆる不活性領域では、例えば2つの圧電層の境界、すなわち1つの電極層の平面内に延びてもよい。クラックが、反対の極性の電極が交互に上下に配設されたアクチュエータのいわゆる活性領域に進入する際に、クラックの進入が制御されずに折れ曲がる場合、クラックは2つ以上の電極層にまたがる可能性がある。この場合、短絡が生じる可能性があり、圧電アクチュエータの故障につながり得る。従って、積層圧電アクチュエータの信頼性及び寿命は、場合によって生じるクラックの制御に依存する。発生するクラックの折れ曲がりは、第1圧電層及び第2圧電層の圧電定数が異なることによって防止され得る。
ここで示される圧電素子において、第1圧電層及び第2圧電層は、好ましくは両層間に接触境界が形成されるようにそれぞれ選択される。第1圧電層と第2圧電層との圧電定数の相違は、電極層に電圧が印加されると、接触境界の領域に、基本的に電極層に平行に延びるクラックが生じるために十分なほど大きいことが好ましい。
従って、ここで示される圧電素子は、クラックが生じる領域を予め決めることができるという利点を有する。更に、発生するクラックの延び具合も予め決めることができる。異なる圧電定数を備える圧電層を用いることにより、制御されることによって特に電極層に平行に延びるクラックが生じ、制御されずに折れ曲がるクラックが回避され得るように、圧電材料に生じる機械的応力を、特に解消することができる。こうして制御されずに生じて延びるクラックが2つ以上の電極層にまたがることを避けることができる。
有利な実施態様にて、圧電素子は多孔質の構造を有さない。
少なくとも2つの電極層にまたがる圧電材料中のクラックと異なり、内部電極に平行または少なくとも基本的に平行に延びるクラックは、アクチュエータの寿命の短縮の原因となることはほとんどない。ここで「基本的に」とは、クラックが、必ず完全に直線でかつ数学的な意味で平行というわけではないけれども、電極層に沿った主たる延長方向をもって延び、特に2つ以上の電極層にまたがり得るようには延びないことを言う。
素子の好ましい実施態様において、2つの圧電定数の一方は、他方よりも1.2乃至3.0倍大きい。
圧電層の圧電定数が大きいほど、電極層に電圧を印加することによって生ぜしめられる所定の強さの電界に垂直な方向の層における歪みは大きい。2つの圧電定数の一方は、他方よりも1.2乃至3.0倍、好ましく1.3乃至2.0倍大きい。こうして生じる圧電層の異なる歪みにより、意図的に局所的な応力を生じさせ、クラックを圧電層間の接触境界に意図的に発生及び伸長させるように、再び応力を解消することができる。こうして圧電材料の寿命を著しく伸ばすことができる。
第1圧電層及び第2圧電層は、異なるキュリー温度を備えることができ、その結果として、それらの層は異なる圧電定数を備えることができる。
キュリー温度は圧電層の分極率の尺度であり、従って所定の強度の電界中での層の歪み特性の尺度でもある。圧電層のキュリー温度は、その層の圧電定数と直接関係している。特に、圧電材料のキュリー温度が上昇するにつれ、圧電定数は下がり、そして圧電材料の歪み特性は低下する。
素子の好ましい実施態様において、第1圧電層と第2圧電層とのキュリー温度の差は、20℃乃至200℃である。
圧電層のキュリー温度を上述したように選択することにより、電界中における層の異なる歪みを生ぜしめることができ、その結果して、特に圧電層間の接触境界において、意図するようなクラックが形成され、またクラックは基本的に電極層に平行に延びることになる。第1圧電層及び第2圧電層のキュリー温度の差は20℃乃至200℃、好ましくは20℃乃至80℃であってもよい。キュリー温度の差は、例えば、圧電層のドーピング、好ましくは異なるドーピングにより達成可能である。
素子の好ましい実施態様において、第1圧電層及び第2圧電層は、セラミック材料、ドープ物質、ドープ物質濃度、使用される出発材料の粒径、層厚等の特性のうち少なくとも1つが異なる。
異なる圧電定数を備える第1圧電層及び第2圧電層を形成するために、層は上記の特性のうちの1つのみが異なっていてもよく、又は上記の特性のうちの幾つかが異なっていてもよい。ここで第1圧電層及び第2圧電層が上記の特性の1つのみ、または少数のみが異なっている場合、加工性及び製造工程の経済性の点で有利となり得る。
例えば、第1圧電層は鉛を含むセラミック材料、又はジルコン酸チタン酸鉛(PZT)をベースとするセラミック材料を備えてもよい。第2圧電層は、鉛を含まないセラミック材料を備えてもよい。これらに代えて、第1圧電層及び第2圧電層のそれぞれが鉛を含まないセラミック材料を有し、上記の特性のうち1つ、例えばセラミック材料のドープの点で異なってもよい。
素子の一実施態様として、第1圧電層及び第2圧電層のそれぞれは、複数の化学元素から成るセラミック材料を有し、当該元素のそれぞれは特定の濃度で存在している。第1圧電層及び第2圧電層は、セラミック材料の元素のうち少なくとも1つの濃度が互いに異なってもよい。
第1圧電層及び第2圧電層のそれぞれがPTZをセラミック材料として構成されている場合、第1圧電層及び第2圧電層は、例えばチタン含有量、すなわち元素チタンの濃度が互いに異なってもよい。
素子の一実施態様として、第1圧電層及び第2圧電層は同一の化学元素で構成されたセラミック材料を備えており、ここで当該セラミック材料は、セラミック材料中の元素のうちの少なくとも1つの濃度に依存して、2つの異なる構造を示す。第1圧電層及び第2圧電層を構成する前記セラミック材料の前記少なくとも1つの元素の濃度は、第1圧電層が第1構造のセラミック材料を、第2圧電層が第2構造のセラミック材料を備えるようにそれぞれ選択されている。
換言すれば、セラミック材料は、セラミック材料の第1構造と第2構造との間に存在する、いわゆるモルフォトロピック相境界を有していてもよい。こうして第1圧電層及び第2圧電層は、1つの元素の濃度が異なるセラミック材料を備えるため、当該セラミック材料はその元素の濃度に依存して相転移をなし、第1圧電層のセラミック材料は第2圧電層のセラミック材料とは異なる構造で存在することになる。ここでモルフォトロピック相境界は、相転移によって明確に境界付けられて形成される必要はなく、2つの結晶構造間の連続的な転移によって形成されてもよい。第1構造と第2構造とを異ならしめるために、第1圧電層の圧電定数と第2圧電層の圧電定数とは異なることが好ましい。
例えば、PZTはチタン約50mol%、ジルコン酸約50mol%の領域にモルフォトロピック相境界を備えるが、これらの数値はセラミック材料の厳密な組成に依存する。チタン約46mol%からチタンの含有量が増加するにつれ、圧電定数はモルフォトロピック相境界を超えるまでは増加するため、圧電素子のために例えばチタン含有量が46mol%より少ない第1圧電層と、チタン含有量が約48mol%の第2圧電層とを選択することができる。
第1圧電層及び第2圧電層のために、元素に関しては等しく、且つ少なくとも1つの元素の濃度が第1圧電層と第2圧電層とで異なるセラミック材料を選択することにより、第1及び第2圧電層の間の接触境界における圧電層の応力を正確に制御することが可能になるという利点が生じる。特にセラミック材料中の少なくとも1つの元素の濃度の相違によって、すなわち上記場合において、例えばセラミック材料中のチタン含有量を変えることにより、第1圧電定数及び第2圧電定数を適合させることが可能である。
ここで好ましくは、同一のドープ物質が同一のドープ物質濃度で存在することである。第1圧電層及び第2圧電層に同一のドープ物質を用いることは、圧電素子の加工において特別な利点を提供できる。これは、第1圧電層と第2圧電層との間の化学的不均一性がこのようにして低く保たれ得るため、当該圧電層の焼結挙動に影響しないからである。この場合において、第1圧電層と第2圧電層との間で焼結収縮を特に適合させる必要はない。
別の実施態様において、第1圧電層及び第2圧電層は、粒径の異なる出発粉末から製造されたセラミック材料を有するようにしている。ここで、出発粉末の粒径は0.3μm以上かつ2.0μm以下であり、出発粉末の粒径の差は0.1μm以上かつ1.5μm以下である。
圧電素子のセラミック層は、例えば焼結補助剤のような追加成分のほかにセラミック粉末を含むような、いわゆるグリーンシートから製造することができる。例えばスクリーン印刷法により、グリーンシートに電極層を塗布することができる。次に、グリーンシートは当該電極層とともに焼結される。ここで、化学的組成は同一であるが、焼結工程前の出発粉末の粒径が異なるセラミック材料は、圧電定数が異なる第1圧電層及び第2圧電層を製造するのに適し得る。特に、出発粉末がより粗いセラミック材料は、焼結工程終了後において通常より粗い粒子となり、この結果として圧電定数はより大きくなり、そして所定の強さ電界に垂直な方向の圧電材料の歪みはより大きくなり得る。
ここで粒径とは、特に、各状態におけるセラミック材料の粒径の分布の中間値d50を言う。従って、以下において、当該中間値d50を粒径d50と称する。焼結工程前の第1圧電層及び第2圧電層の出発粉末の粒径d50は、0.3μm以上かつ2.0μm以下であることが可能で、好ましくは0.4μm以上かつ1.2μm以下である。第1圧電層の粒径d50の第2圧電層の粒径d50値に対する差は、0.1μm以上かつ1.5μm以下、好ましくは0.3μm以上かつ1.0μm以下であってもよい。上記の粒径及び粒径差は、第1圧電定数及び第2圧電定数が同時に適切に選択されれば、圧電素子の加工性にとって特に有利となる。
更に、第1圧電層及び第2圧電層は、添加されるドープ物質が異なってもよい。特に、第1圧電層及び第2圧電層は、同一の元素を含み、かつ各元素を同一の濃度で含む同一のセラミック材料を備える場合において、第1圧電層のセラミック材料には、第2圧電層のセラミック材料に添加されるものとは別のドープ物質が添加されている。この場合、第1圧電層が例えばネオジム(Nd)でドープされ、第2圧電層が亜鉛(Zn)とニオブ(Nb)の混合物でドープされていてもよい。このようなドープ物質の組み合わせは、特にPZTの場合に有利であるが、他のセラミック材料の場合にも有利となり得る。
更に、第1圧電層及び第2圧電層が異なるドープ物質濃度を備えていてもよい。この場合、両方の層のドープ物質自体が同一であってもよい。セラミック材料がPZTであってドープ物質がZnとNbとの混合物である場合、例えば第1圧電層が2mol%のドープ物質濃度を備え、第2圧電層が5mol%のドープ物質濃度を備えていてもよい。ここで、各態様におけるドープ物質及びドープ物質濃度は、各態様のセラミック材料並びに第1圧電層及び第2圧電層にとって適切な圧電定数に依存する。
素子の更なる別な実施態様は、第1圧電層は第1層厚を有し、第2圧電層は第2層厚を有している。ここで、第1層厚と第2層厚とは互いに異なり、第1層厚と第2層厚との比は1.1以上3.0で以下ある。
第1層厚及び第2層厚を調節することにより、第1層厚の第1圧電定数と第2層厚の第2圧電定数とを適合させることができる。第1層厚の第2層厚に対する相違は、標準的な膜厚に関して、1.1以上3.0以下、好ましくは1.3以上2.5以下となり得る。
素子の少なくとも1つの実施態様によれば、圧電素子の積層体は直接上下に配設された層の配列を有する。当該配列は、電極層に印加される電圧によって第1極性を備える第1電極層、第1圧電層、電極層に印加された電圧によって第2極性を備える第2電極層、第2圧電層、及び更なる第1電極層から構成されている。
こうして積層方向に隣り合う第1電極層及び第2電極層1つずつの間に第1圧電層が配設され、当該第2電極層と当該第2電極層に対して隣り合う更なる第1電極層との間に第2圧電層が配設されている。
少なくとも1つの更なる別な実施態様によれば、圧電素子の積層体は直接上下に配設された層の配列を有する。当該配列は、電極層に印加される電圧によって第1極性を備える第1電極層、第1圧電層、第2圧電層、及び前記第1電極層と隣り合い且つ電極層に印加される電圧によって第2極性を備える第2電極層から構成されている。すなわち、第1圧電層及び第2圧電層はともに第1電極層と当該第1電極層に対して隣り合う第2電極層との間に存在する。
更に、上記したような直接上下に配設された層の配列の双方は、1つの圧電素子内に配設されてもよい。
素子の一実施態様において、第1圧電層の数量は第2圧電層の数量と異なるようにしている。
特に、当該圧電素子は、ただ1つの第2圧電層、及び複数の第1圧電層を備える積層体を有してもよい。これに代えて、圧電素子は、第2圧電層も複数有していてもよい。好ましくは、積層体内のすべての層の5%乃至20%が第2圧電層である。
本発明の一実施態様として、積層体が同数の第1圧電層及び第2圧電層を有し、これにより積層体の全圧電層の半分が第1圧電層又は第2圧電層であるようにしている。
圧電アクチュエータの概略図である。 圧電アクチュエータの概略図である。 圧電アクチュエータの概略図である。 一実施形態による圧電材料の概略図である。 一実施形態による圧電材料の概略図である。 一実施形態による圧電素子の概略図である。 別な実施形態による圧電素子の概略図である。 更に別な実施形態による圧電素子の概略図である。 更に別な実施形態による圧電素子の概略図である。 2つの異なる圧電材料の歪みDを、電界強度Eの関数として示すグラフである。 異なる圧電材料の圧電定数d31を、キュリー温度Tcの関数として示すグラフである。 圧電定数d31を、ジルコン酸チタン酸鉛ベースの圧電材料中のチタン含有量Tの関数として表したグラフである。
以下において、上述した実施態様の説明のため、図1乃至10と結び付けて、典型的な例として幾つかの圧電素子について述べる。
実施例及び図面において、同一の構成要素または同一の作用を奏する構成要素のそれぞれは、同一の参照符号が付されている場合がある。図示の要素、及び要素間の大きさの関係は基本的に縮尺通りに示さず、むしろ個々の要素、例えば層、構成部分、構成要素、領域のような要素はよりよく表せるように、またはよりよく理解されるように、誇張した厚みや大きさをもって表わす場合もある。
図1は、圧電材料の複数の圧電層100と、圧電層100の間の内部電極92、93を含む積層体91を有する積層圧電アクチュエータを示す。本実施例においては、アクチュエータ全体に同じ圧電材料が用いられている。
アクチュエータにおいては、内部電極92、93に対して容易にアクセスできるように、同一の電気極性に割り当てられた内部電極92、93の一方だけが、アクチュエータの一方のへりの領域、すなわち不活性領域97にまで延びているように構成されている。同一の電気極性に割り当てられた内部電極92、93の他方は、当該アクチュエータの一方側のへりまでには完全に延びていない。アクチュエータの内部領域、すなわち活性領域96では、反対の極性の内部電極92、93が交互に上下に配置されている。従って、内部電極92、93はそれぞれ櫛のような構造を成し、互いの内に押し入れられた櫛の形に構成されている。積層体91の外側の金属被膜94、95との接触面を介して電圧を印加することができる。
内部電極92、93が交互に上下に配設されている積層体91の活性領域96には、内部電極92、93に電圧を印加することにより電界が形成される。これによりアクチュエータの圧電材料の歪みが引き起こされる。積層体91の不活性領域97には、内部電極92、93に電圧を印加することにより極めて弱い電界しか形成されないため、この領域では、圧電材料の歪みがほとんど生じない。これにより、特に不活性領域97に引張応力が生じ、この引張応力はクラックを生じさせ得る(図2A及び2Bのクラック98及び99参照)。
図2A及び2Bは圧電アクチュエータの概略図を示す。特に、図2A及び2Bは図1に示された積層体91の一部の領域を示す。
図2Bに示されているように、内部電極92、93に電圧が印加されると、活性領域と不活性領域における圧電材料の歪みの違いによりクラック99が生じるが、このクラック99は内部電極92、93にほとんど平行に延びている。図2Aに示された実施例と違って、内部電極92、93にほとんど平行に延びるクラックは、アクチュエータの故障にはつながらない。
しかしながら、圧電アクチュエータには、図2Aに示されているように、これと並んで不活性領域97から活性領域96に移る際に折れ曲がるクラック98も生じ、この場合クラック98が図2Aに示唆されているように内部電極92、93にまたがることもあり得、その場合には短絡が生じる。この種のクラック98は圧電アクチュエータの故障につながる。
図3A乃至3Cは一実施形態による圧電材料の概略図を示す。これらの圧電材料は積層圧電アクチュエータに使用するのに適している。
ここで図3Aに示されているように、第1圧電材料101は第1圧電定数d31を有する。第2圧電材料102は第2圧電定数d31を有する。2つの圧電定数d31の一方は、2つの圧電定数d31の他方よりも、1.3倍〜2.0倍大きいことが好ましい。図示の実施例においては、第2圧電定数d31の方が第1圧電定数d31よりも大きい。例えば、第2圧電定数d31は、第1圧電定数d31の2倍である。しかしながら、第1圧電定数d31のほうが第2圧電定数d31よりも大きな値を有するように代えてもよい。
ここで、圧電定数d31は、電極層(ここでは明確に図示せず)に印加された電圧での電界に垂直な方向の圧電材料の歪みの尺度である。
図3Bは、第1圧電材料101と第2圧電材料102との間に機械的接触がない場合における、電極層への電圧印加による第1圧電材料101と第2圧電材料102の変形を概略的に示す。ここで、電圧印加により生じる電界は、プラス及びマイナス記号により示されている。図面を簡素化するために、電極層を図示していない。電界によって引き起こされる典型的な一例としての変形が、第2圧電材料102について矢印103、104で示されている。ここで、矢印103は電界の力線に垂直な方向の第2圧電材料102の変形を示す。矢印104は電界の力線に平行な方向の変形を示す。ここで、圧電定数がより大きい第2圧電材料102は、第1圧電材料101よりも歪みが大きい。
圧電材料101、102を互いに接触させた状態で焼結した場合(ここでは示されていない)に電極層に電圧を印加すると、図3Cに示されているように、第1圧電材料101及び第2圧電材料102の変形が生じる。第1圧電材料101及び第2圧電材料102は互いに固く結合されているため、電界中での第1圧電材料101及び第2圧電材料102の歪みの相違と、その結果として第1圧電材料101には圧縮応力106、第2圧電材料102には引張応力105が生じることと、から第1圧電材料101と第2圧電材料102との間の接触境界に機械的応力が生じる。これにより、第1圧電材料101と第2圧電材料102との間の接触境界に応力の勾配が形成され、当該応力の勾配はこの領域でのクラック形成につながるはずである。ここで、発生するクラックは基本的に接触境界、特に電極層に平行に延びるため、2つ以上の電極層にまたがることが抑制される。このようにして、圧電定数d31の違いとそれによる第1圧電材料101及び第2圧電材料102の歪みの相違とにより、制御されずに折れ曲がるクラック(例えば図2のクラック98を参照)は回避され、特に電極層に平行に延びる制御されたクラックが第1圧電材料101と第2圧電材料102との間の接触境界で促進されるように、機械適応力が生ぜしめられる。
図4は一実施形態による圧電素子の概略図を示す。
図4には、積層構造の圧電アクチュエータとして構成され、互いに上下に配設された圧電層2、2’、3とその間に配設された第1電極層4及び第2電極層5から成る積層体1aを有する圧電素子1が示されている。見やすいように、圧電層2,2’,3と、第1電極層4及び第2電極層5の一部とにだけ参照符号が付されている。破線は圧電層を示すために記載されている。
積層体1aは第1圧電定数d31を有する少なくとも1つの第1圧電層2と、直接的に第1圧電層2に隣接し、第2圧電定数d31を有する少なくとも1つの第2圧電層3とを有する。第1圧電定数d31と第2圧電定数d31とは互いに異なる。例えば、第2圧電定数d31は、第1圧電定数d31の2倍である。しかしながらこのような場合に代えて、第1圧電定数d31を第2圧電定数d31よりも大きくしてもよい。見やすいように、第1電極層4及び第2電極層5と接触して電圧を供給するための、積層体1の外側の金属被覆は示されていない。第1電極層4及び第2電極層5は、本実施例においては銅から構成されている。第1電極層4及び第2電極層5は、銅に代えて、例えば以下の材料または材料の混合物(銀、プラチナ、銅とパラジウムの合金または混合物、銀とパラジウムの合金または混合物、プラチナと銀の合金または混合物)のうちの1つを有してもよい。
第1圧電層2と第2圧電層3は、それぞれ隣り合う2つの第1電極層4と第2電極層5との間に配設されている。従って、本実施例の積層体1aは、第1電極層4及び第2電極層5に印加される電圧であって第1極性を有する第1電極層4、第1圧電層2、第1電極層4及び第2電極層5に印加される電圧であって第2極性を有する第2電極層5、第2圧電層3、及び更なる第1電極層4から成る層の配列を有する。図4に示された実施例において、第1圧電層2、2’の数量は、第2圧電層3の数量と異なっている。特に、圧電素子1は、ただ1つの第2圧電層3と複数の第1圧電層2、2’とを有する。なお、圧電素子1は、複数の第2圧電層3を有していてもよい(例えば、図5を参照)。
図3A乃至3Cに関して説明したように、熱処理、鍍金、半田付け、ポーリング工程の際、または圧電素子の駆動中における電界に垂直な方向の第1圧電層2及び第2圧電層3の歪みの相違により、第1圧電層2と第2圧電層3との間の接触境界6に局所的な応力が発生するように、第1圧電層2と第2圧電層3との圧電定数d31は異なっている。こうした局所的応力は、接触境界6の領域におけるクラック発生につながる。ここで、クラックは、基本的に第1電極層4及び第2電極層5に対して平行に延びる。
更に、積層体1aは、更なる第1圧電層2’を有し、当該第1圧電層2’も直接第2圧電層3に隣接して配設され、第2圧電層3とともに更なる接触境界6’を形成し、当該接触境界6’においても、第1電極層4及び第2電極層5に対して基本的に平行に延びるクラックが意図的に形成され得る。
本実施例において、第1圧電層2、2’及び第2圧電層3は、それぞれジルコン酸チタン酸鉛(PZT)をベースとするセラミック材料を有する。第2圧電層3は第1圧電層2、2’とは成分チタンの濃度が異なる組成を備え、その結果として、第1圧電層2、2’及び第2圧電層3の圧電定数d31は異なることになる。第1圧電層2、2’及び第2圧電層3の層厚は図示の実施例では同じであるが、互いに異なっていてもよい。
第1圧電層2、2’と第2圧電層3とで異なる圧電定数d31を達成するため、上述のチタン濃度に加え又はその代わりとして、本実施例及び他の実施例にて、第1圧電層2、2’及び第2圧電層3は、それぞれのセラミック材料、ドープ物質、ドープ物質濃度、又はそれぞれに使用される出発材料の粒径の観点において異なっていてもよい。例えば、第1圧電層2、2’は鉛を含むセラミック材料、例えばPZTを備えていてもよく、第2圧電層3は鉛を含まないセラミック材料を備えていてもよい。
これに加え、又はこの代わりとして、第1圧電層2、2’及び第2圧電層3は異なるキュリー温度を備えることによって異なる圧電定数d31を有するようにしてもよい。
圧電材料の歪み、圧電材料のキュリー温度、及び圧電定数d31に係る実施例について、図8乃至10を参照しつつ説明する。
図5は、別な実施形態による圧電素子の概略図を示す。
図4の実施例と比較すると、圧電素子の積層体1aは、複数の第1圧電層2、2’、2’’、2’’’と、これと並び且つ交互に上下に配設された複数の第2圧電層3、3’、3’’、3’’’とを有し、このような構成の結果として、クラックが意図的に生ぜしめられ得る複数の接触境界6、6’、6’’、6’’’が形成されている。図示の実施例では積層体1aは同数の第1、第2圧電層を有しており、従って積層体1aの全圧電層の50%が第2圧電層3として形成されている。
この実施例においても、積層体1aは、第1電極層4及び第2電極層5に印加される電圧によって第1極性を備える第1電極層4、第1圧電層2、第1電極層4及び第2電極層5に印加される電圧によって第2極性を備える第2電極層5、第2圧電層3、及び更なる第1電極層4から成る層の配列を有している。
図6及び7は、更に別な実施形態による圧電素子の概略図を示す。
図6及び図7においては、第1圧電層2及び第2圧電層3が直接互いに隣接し、特に、第1電極層4とそれと隣り合う第2電極層5と間に第1圧電層2及び第2圧電層3が共に配設されている点で、図4及び図5の実施例とは異なる、圧電素子の別な実施例が示されている。
図6の実施例によれば、積層体1a中には、隣り合う2つの電極層(第1電極層4及び第2電極層5)の間に1つの第1圧電層2が配設され、そして、当該1つの第1圧電層2に直接隣接して1つの第2圧電層3が配設されるように1度だけ積層されている。積層体1a中には、このほかに多数の第1圧電層2が隣り合う2つの電極層(第1電極層4及び第2電極層5)の間に配設置されている。
図7の実施例によれば、すべての隣り合う2つの電極層(第1電極層4及び第2電極層5)の間に第1圧電層2、2’、2’’、2’’’と第2圧電層3、3’、3’’、3’’’とが1つずつ配設されている。これにより、隣り合う2つの第1電極層4と第2電極層5との間のそれぞれに、意図的にクラックが生ぜしめられ得る接触境界6、6’、6’’、6’’’が形成され得る。
図6及び7の実施例の代わりに、隣り合う2つの第1電極層4と第2電極層5との間に2つ以上の第1圧電層及び1つの第2圧電層を配設してもよい。その他、図4及び5の実施例に関して説明した特徴はすべて、図6及び7で説明した実施例にもあてはまる。
図8には、典型的な例として示す2つの異なる圧電材料の、電界に垂直な方向の歪みD(%)を、電界強度E(kV/mm)の関数として示す曲線7、7’、8、8’を含むグラフが示されている。上述の実施例の第1及び第2圧電層はこれらの圧電材料から製造可能である。
電界に垂直な方向の歪みDが曲線7、7’で示されている圧電材料は、290pC/Nの圧電定数d31を有する。電界に垂直な方向の歪みDが曲線8、8’で示されている圧電材料は、170pC/Nの圧電定数d31を有する。曲線7、8のそれぞれは、電界が強まる際のそれぞれの圧電材料の歪みDを示し、曲線7’、8’のそれぞれは、電界が弱まる際のそれぞれの圧電材料の歪みDを示す。これによれば、両材料とも電界が弱まる場合の所定の電界強度Eによる電界に垂直な方向の歪みDは、電界が強まる場合よりも大きい。従って、それぞれの圧電材料について、ヒステリシス曲線7、7’乃至8、8’が見られる。
両圧電材料とも、歪みDは、電界強度Eがここで示されている約3kV/mmの最大強度Eにまで増大するにつれて、大きくなる。圧電定数d31が曲線8、8’の材料より大きい曲線7、7’の材料では、3.0kV/mmの最大電界強度Eで、電界に垂直な方向に0.085%に至る大きな歪みDが達せられる。これに対し圧電定数d31がより小さい曲線8、8’の材料は、3.0kV/mmの最大電界強度Eで、はっきりとより小さい0.045の歪みDを示す。これにより、本実施例ではそれぞれの圧電材料の圧電定数d31が相違し、これにともなって最大歪みDの相違は約2倍である。
図9には、PZTベースの異なる圧電材料の圧電定数d31(pC/N)が、それぞれのキュリー温度Tcに依存することを示すグラフ9が示されている。ここで圧電材料のキュリー温度Tcは約150℃乃至約350℃の範囲にある。圧電定数d31の値は、それぞれの材料のキュリー温度Tcが上昇につれて低下する。従って、圧電材料のキュリー温度Tcが高いほど、所定の強度の電界中での材料の歪みは小さくなる。こうして圧電層のキュリー温度Tcを適切に選択することにより、所定の強度の電界で異なる層の歪みを達成することができ、これは特に圧電層間の接触境界での意図するようなクラック形成、並びに基本的に電極層に平行なクラックの延びにつながる。
図9から、同じキュリー温度Tcを備える圧電層について、圧電定数d31の値にばらつきが出ることがわかる。このばらつきは300℃で150pC/N乃至240pC/Nの範囲にある。このばらつきは、例えばセラミック材料の欠陥によってドメインの変化が阻まれるというような、物理的影響により引き起こされ得る。
図10には、一実施例によるジルコン酸チタン酸鉛ベースの圧電材料における、圧電定数d31のチタン含有量Tに対する依存性を表すグラフ10が示されている。参照符号11は、チタン濃度約48mol%にある圧電材料のモルフォトロピック相境界を示す。モルフォトロピック相境界を超えた後、チタン含有量Tが増加するにつれて圧電定数d31が減少することが見て取れる。
第1圧電層及び第2圧電層のために、例えば同じ組成のPZTのようなセラミック材料であって、それぞれのチタン含有量Tにより、異なる圧電定数d31をモルフォトロピック相境界11の異なる側に備えるセラミック材料を選択してもよい。これにより、例えば第1圧電層のためには、チタン含有量Tが約48mol%、好ましくは(図10にて点12によって示された)46mol%よりも少ない材料を、第2圧電層のためには、チタン含有量Tが(図10にてモルフォトロピック相境界11近くの点によって示される)約48mol%の材料を選択し、第1圧電定数d31が第2圧電定数d31よりも小さくなるようにしてもよい。
予め明に言及したセラミック材料はもっぱら典型的な例として挙げたものであって、説明した実施形態を限定するものではない。むしろ予め説明した実施態形及び実施例は、言及したセラミック材料とは別の圧電セラミック材料を有していてもよい。
1 圧電素子
1a 積層体
2、2’、2’’、2’’’ 第1圧電層
3、3’、3’’、3’’’ 第2圧電層
4 第1電極層
5 第2電極層
6、6’ 接触境界
7、7’ 歪み
8、8’ 歪み
9 圧電定数
10 圧電定数
11 モルフォトロピック相境界
12 点
91 積層体
92 内部電極
93 内部電極
94 金属被膜
95 金属被膜
96 活性領域
97 不活性領域
98 クラック
99 クラック
100 圧電層
101 圧電材料
102 圧電材料
103 電界の力線に垂直な材料の変形
104 電界の力線に平行な材料の変形
105 引張応力
106 圧縮応力

Claims (14)

  1. 互いに上下に配設された複数の圧電層(2、2’、2’’、2’’’、3、3’、3’’、3’’’)とその間に配設された電極層(4、5)から成る積層体(1a)を有する圧電素子(1)であって、
    前記積層体(1a)は第1圧電定数を備える少なくとも1つの第1圧電層(2)と、
    前記第1圧電層に直接的に隣接し、第2圧電定数を備える少なくとも1つの第2圧電層(3)と、を有し、
    前記第1圧電定数及び前記第2圧電定数は、前記電極層(4、5)に印加された電圧よる電界に垂直な方向の前記圧電層(2、3)の歪みを表し、
    前記第1圧電定数は、前記第2圧電定数とは異なることを特徴とする圧電素子(1)。
  2. 前記第1圧電層(2)及び前記第2圧電層(3)は、両層(2,3)間に接触境界(6)が形成されるようにそれぞれ選択されており、
    前記第1圧電定数と前記第2圧電定数との相違は、前記電極層(4,5)に対する電圧の印加によって前記圧電層(2,3)に歪みが生じることにより、前記電極層(4,5)に対して基本的に平行に延びるクラックが前記接触境界(6)の領域に形成されるのに十分なほど大きいことを特徴とする請求項1に記載の圧電素子(1)。
  3. 前記第1圧電定数及び前記第2圧電定数の一方は、他方よりも1.2乃至3.0倍大きいことを特徴とする請求項1又は2に記載の圧電素子(1)。
  4. 前記第1圧電層(2)及び前記第2圧電層(3)は、異なるキュリー温度を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の圧電素子(1)。
  5. 前記第1圧電層(2)のキュリー温度と前記第2圧電層(3)のキュリー温度との差は、20℃乃至200℃であることを特徴とする請求項4に記載の圧電素子(1)。
  6. 前記第1圧電層(2)及び前記第2圧電層(3)は、セラミック材料、ドープ物質、ドープ物質濃度、出発材料の粒径、及び層厚のうち少なくとも1つが異なることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の圧電素子(1)。
  7. 前記第1圧電層(2)及び前記第2圧電層(3)は、それぞれが特定の濃度で存在する複数の元素から成るセラミック材料を有し、前記セラミック材料の元素のうちの少なくとも1つの濃度が互いに異なっていることを特徴とする請求項6に記載の圧電素子(1)。
  8. 前記第1圧電層(2)及び前記第2圧電層(3)のそれぞれは、同一の複数の元素を備えるセラミック材料から形成されており、
    前記セラミック材料は、前記セラミック材料中の元素のうち少なくとも1つの濃度に依存して2つの異なる構造を示し、
    前記第1圧電層(2)又は前記第2圧電層(3)を成す前記セラミック材料の前記少なくとも1つの元素の濃度のそれぞれは、前記第1圧電層(2)が第1構造のセラミック材料を、前記第2圧電層(3)が第2構造のセラミック材料を備えるように選択されていることを特徴とする請求項7に記載の圧電素子(1)。
  9. 前記第1圧電層(2)及び前記第2圧電層(3)は、粒径の異なる出発粉末から製造されたセラミック材料を有し、
    前記出発粉末の粒径は、0.3μm以上かつ2.0μm以下であり、
    前記出発粉末の粒径の差は、0.1μm以上かつ1.5μm以下であることを特徴とする請求項6乃至8のいずれか1項に記載の圧電素子(1)。
  10. 前記第1圧電層(2)は第1層厚を、前記第2圧電層(3)は第2層厚を有し、
    前記第1層厚と前記第2層厚とは互いに異なり、前記第1層厚と前記第2層厚との比は1.1以上かつ3.0以下であることを特徴とする請求項6乃至9のいずれか1項に記載の圧電素子(1)。
  11. 前記積層体(1a)は、互いに上下に直接的に配設された層の配列を有し、
    前記配列は、前記電極層(4,5)に印加される電圧で第1極性を備える第1電極層(4)、前記第1圧電層(2)、前記電極層(4,5)に印加される電圧で第2極性を備える第2電極層(5)、前記第2圧電層(3)、及び更なる第1電極層(4)から構成されることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の圧電素子(1)。
  12. 前記積層体(1a)は、互いに上下に直接的に配設された層の配列を有し、
    前記配列は、前記電極層(4,5)に印加される電圧で第1極性を備える第1電極層(4)、前記第1圧電層(2)、前記第2圧電層(3)、及び前記第1電極層と隣り合い且つ前記電極層(4,5)に印加される電圧で第2極性を備える第2電極層(5)から構成されることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の圧電素子(1)。
  13. 前記第1圧電層(2)の数量は、前記第2圧電層(3)の数量と相違していることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の圧電素子(1)。
  14. 前記積層体は同数の前記第1圧電層(2)及び前記第2圧電層(3)を有することを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の圧電素子(1)。
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