JP2005515641A6 - ピエゾ電気構成素子およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、相互に重なっているピエゾ電気層(2)と、ピエゾ電気層の間に位置する電極層(3a, 3b)から成る積層体(1)を有しているピエゾ電気構成素子に関する。電極層(3a, 3b)は積層体(1)内部において中間区間(4)と、積層体(1)の垂直な縁部ゾーン(5)の内側によって制限されている終端区間(6)を有しており、電極層(3a, 3b)の終端区間(6)は第1のピエゾ電気材料(7)によって取り囲まれており、第1のピエゾ電気材料の相対的な伸張度は第2のピエゾ電気材料(9)の相対的な伸張度より低く、第2のピエゾ電気材料は、隣り合う2つの電極層(3a, 3b)間の中間領域(8)内に配置されている。さらに本発明は、前記ピエゾ電気構成素子の製造方法に関する。本発明による構成素子は、内部電極の終端近傍で機械的負荷が低減させ、これによって構成素子の寿命を長くするという利点を有する。
Description
本発明は、相互に重なっているピエゾ電気層とピエゾ電気層の間に位置する電極層から成る積層体を有するピエゾ電気構成素子に関する。さらに本発明は、当該ピエゾ電気構成素子を製造する方法に関する。
刊行物DE19905340A1号から、多層技術でセラミック材料から製造されている、冒頭に記載した形式のピエゾ電気構成素子が公知である。セラミック材料としては有利には、PZT(ジルコン酸チタン酸鉛)が使用される。この構成部分は内部電極を有しており、この内部電極は、構成部分内の至る所で、積層体の縁部まで達しているのではない。これによっていわゆるパッシブゾーンが生じる。パッシブゾーンでは、内部電極間に電圧を印加することによって、非常に僅かな電界のみが構成される。従ってこのようなパッシブゾーンでは、セラミック材料は実質的に極性化されずに、ピエゾ電気構成素子のストローク変動に寄与しない。この隣りにアクティブゾーンが存在する。ここでは、隣接する内部電極が直接的に相対して設けられている。これによって、電圧を印加すると高いピエゾ電気的ストローク変動が生じる。この構成素子のアクティブゾーンにおいては押圧応力(Druckspannung)が生じ、また構成部分のパッシブゾーンには引っ張り応力(Zugspannungen)が加えられる。材料負荷は、積層体内部で内部電極が終わっている箇所、すなわちアクティブゾーンとパッシブゾーンの間の移行部分で非常に大きくなる。内部電極の終端部分では、ピーク作用によって電界強度の上昇が生じる。力線は、内部電極の終端領域において放射状に合流し、そこで特に高い電界を引き起こす。
公知の構成素子は、パッシブゾーン内の大きな引っ張り応力の領域において、僅かな亀裂が生じてしまうという欠点を有する。この亀裂は、積層体内部の内部電極に沿って構成素子を継続的に負荷することによって、大きくなってしまう恐れがある。殊に、この亀裂は、内部電極に沿って大きくなる。これによって、構成部分の寿命が制限されてしまう。このことは構成部分の使用に対する本質的な欠点である。
従って本発明の課題は、長い寿命を有する構成素子を提供することである。
上述の課題は、相互に重なっているピエゾ電気層と、当該ピエゾ電気層の間に位置する電極層から成る積層体を有しており、前記電極層は、積層体内部に中間区間と、積層体の垂直な縁部ゾーンの内側によって制限されている終端区間を有しており、電極層の当該終端区間は、第1のピエゾ電気材料によって取り囲まれており、当該第1のピエゾ電気材料の相対的な伸張度は第2のピエゾ電気材料の相対的な伸張度より低く、当該第2のピエゾ電気材料は、隣り合う2つの電極層の間の中間領域内に配置されている、ことを特徴とする、ピエゾ電気構成素子によって解決される。本発明の有利な構成並びにピエゾ電気構成素子の製造方法は別の請求項に記載されている。
ピエゾ電気構成素子は、相互に重なっているピエゾ電気層と、このピエゾ電気層の間にある電極層から成る積層体を含む。電極層は積層体内部に中間区間並びに終端区間を有している。終端区間はここで積層体の垂直な縁部ゾーンの内側によって制限されている。電極層の終端区間は、第1のピエゾ電気材料によって取り囲まれている。第1のピエゾ電気材料の、印加される電界強度あたりの相対的伸張度(relative Dehnung)は、第2のピエゾ電気材料の相対的伸張度より低い。第2のピエゾ電気材料は、隣り合う2つの電極層の間の中間領域に配置されている。
第1のピエゾ電気材料は有利には、縁部ゾーン内に達している。
電極層の終端区間領域においてセラミック材料の伸張度を低減させることによって、終端区間ゾーンにおける機械的な負荷を減らすことができる。これによって本発明は、材料の付加を軽減し、ひいては構成素子の寿命を長くするという利点を有する。従って、電極層の終端区間と、この電極区間に対向している電極層の間のピエゾ電気層では、2つの電極層間の中間部分において最大である相対的伸張度の勾配が生じる。伸張度は、電極層へ向かって減少する。
構成素子の寿命上昇の特に有利な作用を得るために、第1のピエゾ電気材料の相対的伸張度が最大で、第2のピエゾ電気材料の相対的伸張度の95%であると有利である。
ピエゾ電気材料の相対的伸張度の尺度としてピエゾ電気的特性量(Kenngroesse)d33ならびに別のピエゾ電気的特性量d31が使用される。これらの特性量は、ピエゾ電気的応力テンソルの要素である。ここでd33は、極性化方向に対して平行な外部電界方向でのピエゾ電気材料の伸張を示す。第2のピエゾ電気的特性量d31は、この電界方向に対して垂直な方向での収縮を示す。d33およびd31は反対の符号を有している。これによって、ピエゾ電気セラミックの体積の維持が示される。
第1のピエゾ電気材料と第2のピエゾ電気材料の間の相対的な伸張度の違いが、さらに大きいと、さらに有利である。これは、第1のピエゾ電気材料の相対的な伸張度が最大で、第2のピエゾ電気材料の相対的な伸張度の90%になる場合である。
電極終端部領域におけるピエゾ電気構成素子の負荷上昇は、内部電極の終端部分に厳格に限定されているのではなく、電極終端部分に接する内部電極領域にも関する。従って、有利には、第1のピエゾ電気材料によって取り囲まれる縁部ゾーンは最も少なくて、電極層の面積の5%を有する。
構成素子の機械的な安定性を高めるために、第1のピエゾ電気材料と第2のピエゾ電気材料の間の移行部が、相対的伸張度に関して段階的である、すなわち連続的であると有利である。これによって2つの異なるピエゾ電気材料間の境界層が回避される。これによって、材料内に亀裂が生じるのが付加的に抑圧される。
有利な実施形態では第1のピエゾ電気材料が、第2の電気材料から、電極層内に存在するドーパントの拡散によって形成されることで、異なるピエゾ電気材料間に段階的な移行部が実現される。取り囲んでいるピエゾ電気材料の相対的な伸張度を低減させるドーパント材料を拡散することによって、急峻ではなく段階的に、ピエゾ電気材料の異なる特性間での移行が生じる。
有利な実施形態では、電極層は銅を含んでいる。これは同時に、ピエゾ電気材料の伸張特性を変えることのできるドーパント材料である。
第1のピエゾ電気材料は例えば、4〜10モルパーセントの割合の銅を含むPb0. 97 Zr0. 54 Ti0. 46 Nd0. 02 03である。第2のピエゾ電気材料は例えば、約2モルパーセントの非常に僅かな割合の銅を含む上述の第1のピエゾ電気材料である。
さらに本発明は、ピエゾ電気構成素子が層連続体E−A−B−A−Eを有する層から成る積層体から形成されることによって実現される。ここでEは電極層をあらわし、Aは第1のピエゾ電気材料を含むセラミック薄膜をあらわし、Bは第2のピエゾ電気材料を含むセラミック薄膜をあらわす。
ここで、焼結中のピエゾ電気構成素子の亀裂を阻止するために、2つのピエゾ電気材料の焼結萎縮度は相互に整合していなければならないことに注意されたい。さらに、特性における設定された差が、焼結中の拡散によって部分的または完全に相殺されない、すなわちドーパント材料が制限された可動性を有していなければならないということに注意されたい。
すなわちこの実施例では積層体は、例えばシルクスクリーン印刷によって製造された電極層と、セラミック薄膜から形成されたピエゾ電気層によって構成される。
さらに本発明は、積層体が層連続体E−C−B−C−Eを有する層から形成されることによって実現される。ここでEは電極層をあらわし、Aは第1のピエゾ電気材料を含むセラミック薄膜をあらわし、Cは互いに並んでいる2つのシルクスクリーン印刷層によって形成された層をあらわす。第1のシルクスクリーン印刷層は第1のピエゾ電気材料を含み、隣の電極層の終端区間を覆う。第2のシルクスクリーン印刷層は第2のピエゾ電気材料を含み、隣の電極層の中間区間を両側から覆う。
本発明の有利な実施形態では、シルクスクリーン印刷層は共同で層Bを完全に覆い、それぞれ電極層の終端区間の内部縁部まで達する。これによって積層体全体にわたって厚さ変動および隙間のない層構成が続く。
本発明による構成素子がモノリシック焼結体であるのは殊に有利である。モノリシック焼結体は高い機械的な安定性を可能にし、重なって積層されている層を一緒に焼結することによって容易かつ廉価に製造可能である。
さらに、ピエゾ電気構成素子の製造方法も開示する。ここで製造は相互に重なっているグリーン薄膜と電極層から成る積層体の焼結によって行われる。ここで電極層のドーパント材料の第2のセラミック材料への拡散は、800〜1300℃の温度での焼結中に行われる。例えば銅を用いたドーピング時には950〜1050℃の温度が考えられ、銀/パラジウムを用いたドーピング時には1000〜1200℃の焼結温度が考えられる。
以下で本発明を実施例および実施例に属する図面に基づいてより詳細に説明する。
図1には、本発明によるピエゾ電気構成素子の例が斜視図で示されており、
図2には、図1の構成素子の拡大部分図が概略的に断面図で示されており、
図3には、図2の線Kに沿った濃度プロファイルの例が示されており、
図3Aには、図2の線Kに沿った、測定された濃度プロファイルが示されており、
図4には、図2の例に従った、押圧応力および引っ張り応力の種々異なるゾーンが示されており、
図5には、本発明による別のピエゾ電気構成素子が概略的に断面図で例示されており、
図6には、本発明による別のピエゾ電気構成素子が概略的に断面図で例示されている。
図2には、図1の構成素子の拡大部分図が概略的に断面図で示されており、
図3には、図2の線Kに沿った濃度プロファイルの例が示されており、
図3Aには、図2の線Kに沿った、測定された濃度プロファイルが示されており、
図4には、図2の例に従った、押圧応力および引っ張り応力の種々異なるゾーンが示されており、
図5には、本発明による別のピエゾ電気構成素子が概略的に断面図で例示されており、
図6には、本発明による別のピエゾ電気構成素子が概略的に断面図で例示されている。
図1には、相互に重なっているピエゾ電気層2と、電極層3a, 3bから成る積層体1が示されている。ここで第1の種類の電極層3aは、第2の種類の電極層3bと交互になっている。それぞれ1つの種類である電極層3a, 3bは、外側で積層体1に接している金属条片13によってともにコンタクトされている。異なって極性化されたパルス状電圧を電極層3aないし3bに印加することによって、それぞれ2つの相互に対向している電極層3aおよび3bがピエゾ電気層2で電界を生じさせることが可能になる。これによって、ピエゾアクチュエータの垂直なストローク行程が生じる。電極層3a, 3bは、それぞれ異なる積層体1の縁部領域から積層体1の対向している側まで達しているのではなく、縁部ゾーン5は解放されている。積層体1の縁部ゾーン5は、パッシブゾーンである。ここではピエゾ電気材料2が実質的に引っ張り応力にさらされる。これは図4にも示されている。電極層3a, 3bが直接的にオーバーラップしている領域はアクティブゾーン12である。ここではピエゾ電気層は実質的に押圧負荷されている(再び図4を参照)。
構成素子の寸法は、例えば底面において7×7mm、高さにおいて30mmである。ここでは、数360までの内部電極をピエゾ電気構成素子内に組み込むことが可能である。底面20×6mmおよび高さ1. 5mmを有する、いわゆる湾曲部(Bieger)を製造することも可能である。このような湾曲部は、例えば20個の内部電極を有している。
電極層3aないし電極層3bは、それぞれ櫛型構造体として構成可能である。ここでこの櫛型構造体は、製造された構成素子内で相互にかみ合っている櫛形の形で配置されている。これによってピエゾアクチュエータのより大きな機械的なストローク変動が得られる。電極層3a, 3b自体の形はここでは任意であり、重要なのは電極の面に対して垂直な領域(いわゆるパッシブゾーン)において1つおきにのみ電極が設けられているということだけである。
ピエゾ電気層2に対しては、通常使用されているPZTセラミックが使用可能である。
図2には、図1の構成素子の詳細な部分図が示されている。電極層3a, 3bは、第1のセラミック材料7によって取り囲まれている。この第1のセラミック材料は、電圧の印加時により低い相対的な伸張度を有する。隣り合う2つの電極層3a, 3bの間には、中間領域8において、より高い相対的な伸張度を有している第2のピエゾ電気材料9が配置されている。第1のピエゾ電気材料7は、電極層3a, 3bの終端区間のみを取り囲むのではなく、電極層3a, 3b全体を取り囲む。第1のピエゾ電気材料7は、第2のピエゾ電気材料9から、電極層3a, 3b内に存在するドーパントを拡散することによって生成される。ドーパントとしては、例えば銅が考えられる。ドーピングは、構成素子の焼結中に行われる温度ステップによって実行される。
図3には、モデルとして、図2の線Kに沿ったドーパント材料の相対的な濃度cが示されている。ポジションZ1およびZ2には、それぞれ電極層3bないし3aが配置されている。ポジションZ1とZ3の間には、緩慢に低減するドーパント材料濃度が示されている。ドーパント材料濃度は最大ドーパント材料濃度cmaxと最小ドーパント材料濃度cminとの間で変動する。このゾーン内には、比較的低い伸張度を有する第1のピエゾ電気材料7が存在する。
低い伸張度は、高い伸張度を有する第2のピエゾ電気材料9を修正することによって実現される。ポジションZ3とZ4の間には、比較的低いドーパント材料濃度cminを有するゾーンが存在する。これは、高い相対的伸張度を有する第2のピエゾ電気材料9のことである。cminは非常に小さく、場合によって0と等しいこともある。
低い伸張度は、高い伸張度を有する第2のピエゾ電気材料9を修正することによって実現される。ポジションZ3とZ4の間には、比較的低いドーパント材料濃度cminを有するゾーンが存在する。これは、高い相対的伸張度を有する第2のピエゾ電気材料9のことである。cminは非常に小さく、場合によって0と等しいこともある。
図3からも、ドーピングを用いて、第2のピエゾ電気材料9を修正することによって、
異なるピエゾ電気材料7, 9間で段階的な移行が実現されることがわかる。
異なるピエゾ電気材料7, 9間で段階的な移行が実現されることがわかる。
電極層3a, 3bは、例えばシルクスクリーン印刷電極の形で、20〜200μmの間隔で構成される。ドーパント材料としては、銅の他に、他の化学的な要素も考えられる。殊に、濃度が上昇するにつれてピエゾ電気定数が減少する場合、より硬いPZTセラミックの製造に用いられるドーパント材料が考えられる。
ここでドーパント濃度cは、電極層3a, 3bから出発して、電極層3a, 3b間の中間領域8に向かって継続的に減少する。これによって、殊に電極層3a, 3bの近傍に、僅かな相対的伸張度を有するピエゾ電気材料が存在することが保証される。
図3Aには例として、図2の線Kに沿って、ドーパント、すなわち銅の濃度が質量パーセントで示されている。ここで銅濃度cKupferは、Z2で存在する内部電極の間隔dに依存して示されている。d=70μmでは、第2の内部電極3bが存在する。これは図2ないしは図3のポジションZ1に相当する。ここで、第2のピエゾ電気材料としてセラミックPb0. 97 Zr0. 54 Ti0. 46 Nd0. 02 O3から出発する。内部電極3a, 3bは、図3Aに従ったこの例では銅電極として構成されている。温度1000°および持続時間約5時間での焼結中の拡散によって、図3AにおいてWDX/EDX測定によって測定された濃度プロファイルが得られる。第2のピエゾ電気材料での銅の濃度特性は質的に、図3にモデルとして示された濃度特性に相応する。間隔d=0からd=18μmの間の領域ないし間隔d=45からd=70μmの間の領域では、内部電極3a, 3bからの銅の拡散によって、第2のピエゾ電気材よりも僅かな相対的な伸張度を有している第1のピエゾ電気材料が生成される。ここで第1の曲線14は上述したような第2のピエゾ電気材料に対する原材料を示しており、第2の曲線15は原材料として、上述し、第1の曲線14で示されたのと同じ材料を示しているが、さらに約1〜2モルパーセントの付加的な銅ドーピングを有している。ここで1モルパーセントCu濃度は0. 196質量パーセントに相応する。
上述したジルコン酸チタン酸鉛では、690pm/Vの相対的な伸張度が、1モルパーセントより多い銅でドーピングすることにより低減され、650pm/Vを下回る相対的伸張度が結果として生じる。相対的な伸張度は、ここでは前圧縮された多層構造アクチュエータの変位として測定される。アクチュエータは適切に極性化され、約2KV/mmの電界強度が加えられている。銅の割合を上昇させることによって、相対的な伸張度はさらに低減される。
図4には、アクチュエータの電気的負荷時の押圧応力ないし引っ張り応力の発生と、その相対的な強度に関する図2の下部領域における関係が示されている。アクティブゾーン12では、主に押圧応力が生じている。参照番号7で示されたゾーンでは、第1のピエゾ電気材料の僅かな伸張度が原因で、生じている押圧応力が比較的僅かである。参照番号9で示されたゾーンでは、生じている押圧応力は比較的大きい。なぜならここには第2のピエゾ電気材料が配置されているからである。縁部ゾーン5では、押圧応力の代わりに引っ張り応力が生じている。押圧応力は、<−−−>によって記号化されており、引っ張り応力は>−−−<によって記号化されている。二重矢印の長さはここで単に大まかな停止点であって、殊に上述の応力は矢印の長さに比例するものではない。
図5には、本発明の別の実施例が示されている。ここでは相応に図1のピエゾアクチュエータを参照する。図2と異なり、図5では第1のピエゾ電気材料がドーパントの拡散によって製造されるのではなく、もともと相応のセラミックグリーン薄膜を使用することによって製造されている。すなわち図5には、連続体E−A−B−A−Eの層積層体が示されている。電極層3bを介してここでは、第1のピエゾ電気材料7を含むセラミックグリーン薄膜が配置される。これに、第2のピエゾ電気材料9を含むセラミックグリーン薄膜が続く。再び連続体に相応して層A、そして電極層3aが続く。セラミック層においてAおよびBに対して使用されるセラミック薄膜はそれぞれPZTベースのセラミックに基づく。この場合には各ピエゾセラミックないしピエゾ電気材料7, 9の相対的な伸張度の調整は、1つまたは複数のドーパント材料を付加すること、またはジルコン/チタン割合を変えることによって行われる。上述した2つの手法を組み合わせることもできる。
セラミックグリーン薄膜の層厚はこの場合、20〜200μmである。他の層厚も可能である。
電極層3a, 3bの厚さは、5〜10μmである。
電極層3a, 3bの終端区間6だけではなく、電極層3a, 3b全体が、より低い相対伸張度を有している第1のピエゾ電気材料7によって取り囲まれることが、図5に示された実施例にも当てはまる。
図6には、本発明の別の実施例が示されている。ここでは、積層体1は図5に相応して構成されている。しかしここでは、層連続体において、層Aが層Cによって置き換えられている。ここで層Cは、セラミックグリーン薄膜によって構成されるのではなく、2つのシルクスクリーン印刷層10, 11から構成されている。これらの2つのシルクスクリーン印刷層10, 11は互いに、ピエゾアクチュエータの横断面全体にわたって延在する層Cを補う。シルクスクリーン印刷層10, 11は、図5に示されたセラミックグリーン薄膜よりも格段に薄く構成可能であるという利点を有している。これによって、ピエゾアクチュエータの全体的なストローク行程ができるかぎり妨害されないという利点が生じる。従って例えば、厚さ3〜10μmのシルクスクリーン印刷層10, 11が製造可能である。シルクスクリーン印刷層10は、より低い相対的伸張度を有している第1のピエゾ電気材料7を含む。シルクスクリーン印刷層10はここでそれぞれ、電極層3a, 3bの各終端区間6の上面および下面を覆う。すなわちこれによって、電極層3a, 3bの各終端区間6は、第1のピエゾ電気材料7によって取り囲まれる。シルクスクリーン印刷層10を、完全な積層体層Cに対して補っているシルクスクリーン印刷層11は、それぞれ電極層3a, 3bの各中間区間4の上面および下面を覆う。シルクスクリーン印刷層11は第2のピエゾ電気材料9を含む。これは隣り合う電極層3a, 3b間の中間領域8にも存在する。
図6に相応した構成によって、電極層3a, 3bのクリチカルな終端区間6のみが第1のピエゾ電気材料によって覆われる。これによって、ピエゾアクチュエータのストローク変動全体ができるかぎり妨害されないという利点が得られる。
本発明では、電極層の終端区間が、相対的に低い伸張度を有するピエゾ電気材料によって取り囲まれるということが重要である。本発明は、電極層全体が第1のピエゾ電気材料によって取り囲まれる実施形態に制限されるものではない。
1 積層体
2 ピエゾ電気層
3a, b 電極層
4 中間区間
5 縁部ゾーン
6 終端区間
7, 9 ピエゾ電気材料
8 中間領域
10, 11 シルクスクリーン印刷層
12 アクティブゾーン
13 金属条片
Z, Z1, Z2, Z3, Z4 Z座標
c, cmax, cmin ドーパント濃度
d 間隔
Ckupfer 銅濃度
14 第1の曲線
15 第2の曲線
2 ピエゾ電気層
3a, b 電極層
4 中間区間
5 縁部ゾーン
6 終端区間
7, 9 ピエゾ電気材料
8 中間領域
10, 11 シルクスクリーン印刷層
12 アクティブゾーン
13 金属条片
Z, Z1, Z2, Z3, Z4 Z座標
c, cmax, cmin ドーパント濃度
d 間隔
Ckupfer 銅濃度
14 第1の曲線
15 第2の曲線
Claims (14)
- ピエゾ電気構成素子であって、
相互に重なっているピエゾ電気層(2)と、当該ピエゾ電気層の間に位置する電極層(3a, 3b)から成る積層体(1)を有しており、
前記電極層(3a, 3b)は、積層体(1)内部に中間区間(4)と、積層体(1)の垂直な縁部ゾーン(5)の内側によって制限されている終端区間(6)を有しており、
電極層(3a, 3b)の当該終端区間(6)は、第1のピエゾ電気材料(7)によって取り囲まれており、当該第1のピエゾ電気材料の相対的な伸張度は第2のピエゾ電気材料(9)の相対的な伸張度より低く、当該第2のピエゾ電気材料は、隣り合う2つの電極層(3a, 3b)の間の中間領域(8)内に配置されている、
ことを特徴とする、ピエゾ電気構成素子。 - 前記第1のピエゾ電気材料(7)の相対的な伸張度は最大で、前記第2のピエゾ電気材料(9)の相対的な伸張度の約95%である、請求項1記載の構成素子。
- 前記第1のピエゾ電気材料(7)の相対的な伸張度は最大で、前記第2のピエゾ電気材料(9)の相対的な伸張度の約90%である、請求項1記載の構成素子。
- 前記縁部ゾーン(6)の面積は少なくとも、前記電極層(3a, 3b)の面積の5%を有している、請求項1から3までのいずれか1項記載の構成素子。
- 移行部は、前記第1のピエゾ電気材料と第2のピエゾ電気材料(7, 9)の間の相対的な伸張度において連続的である、請求項1から4までのいずれか1項記載の構成素子。
- 前記第1のピエゾ電気材料(7)は、前記第2のピエゾ電気材料(9)から、前記電極層(3a, 3b)から生じているドーパント材料の拡散によって形成されている、請求項1から5までのいずれか1項記載の構成素子。
- 前記ドーパント材料は銅である、請求項6記載の構成素子。
- 前記第1のピエゾ電気材料(7)は、3〜10モルパーセントの割合のCuを有するPb0. 97 Zr0. 56 Ti0. 46 Nd0. 02 O3であり、前記第2のピエゾ電気材料(9)は、1〜2モルパーセントの割合のCuを有する2 Pb0. 97 Zr0. 56 Ti0. 46 Nd0. 02 O3である、請求項6記載の構成素子。
- 前記積層体(1)は層連続体E−A−B−A−Eの層から構成されており、
Eは電極層(3a, 3b)をあらわし、
Aは第1のピエゾ電気材料(7)を含んでいるセラミック薄膜をあらわし、
Bは、第2のピエゾ電気材料(9)を含んでいるセラミック薄膜をあらわしている、
請求項1から5までのいずれか1項記載の構成素子。 - 前記積層体(1)は層連続体E−C−B−C−Eの層から構成されており、
Eは電極層(3a, 3b)をあらわし、
Aは第1のピエゾ電気材料(7)を含んでいるセラミック薄膜をあらわし、
Cは、隣り合っている2つのシルクスクリーン印刷層(10, 11)によって構成されている層をあらわし、
前記第1のシルクスクリーン印刷層(10)は第1のピエゾ電気材料(7)を含んでおり、隣りの電極層(3a, 3b)の終端区間(6)を覆っており、
前記第2のシルクスクリーン印刷層(11)は第2のピエゾ電気材料(9)を含んでおり、隣りの電極層(3a, 3b)の中間区間(4)を覆っている、
請求項1から5までのいずれか1項記載の構成素子。 - 前記シルクスクリーン印刷層(10, 11)は前記層Bを完全に覆っており、それぞれ隣りの電極層(3a, 3b)の終端区間(6)の内側縁部にまで達している、請求項10記載の構成素子。
- 前記積層体(1)は、モノリシック焼結体である、請求項1から11までのいずれか1項記載の構成素子。
- 前記電極層(3a, 3b)は銅を含んでいる、請求項1から12までのいずれか1項記載の構成素子。
- ピエゾ電気構成素子の製造方法であって、
当該ピエゾ電気構成素子は、相互に重なっているピエゾ電気層(2)と、当該ピエゾ電気層の間に位置する電極層(3a, 3b)から成る積層体(1)を有しており、
当該電極層(3a, 3b)は、第1のピエゾ電気材料(7)によって取り囲まれており、当該第1のピエゾ電気材料の相対的な伸張度は第2のピエゾ電気材料(9)の相対的な伸張度より低く、当該第2のピエゾ電気材料は、隣り合う2つの電極層(3a, 3b)の間の中間領域(8)内に配置されており、
相互に重なっているセラミックグリーン薄膜および電極層(3a, 3b)から成る積層体(1)の焼結によって製造し、
前記第1のピエゾ電気材料(7)を、前記積層体(1)の焼結中に達する800℃〜1500℃の温度での4〜10時間の持続時間にわたる、前記電極層(3a, 3b)に含まれているドーパント材料の拡散によって、前記第2のピエゾ電気材料(9)から形成する、
ことを特徴とする、ピエゾ電気構成素子の製造方法。
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