JP2006170231A - 電磁クラッチ - Google Patents

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Abstract

【課題】 従来のリターンスプリングを無くして、ロータとアマチュア間のトルク伝達時間およびトルク解放時間の双方の短縮化を図り、応答性に優れた電磁クラッチを提供する。
【解決手段】 ロータ3、アマチュア5、およびヨーク4を含む磁路形成部材が軟磁性体であり、ロータ3および回転体2により囲まれた内部空間S内にアマチュア5が軸方向に沿って摺動可能に配置されるとともに、アマチュア5の周方向に沿う複数箇所には回転体2に向けて突出した係合片54が形成され、回転体2には係合片54と係合するアマチュア係止部24が形成されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、小型の電磁クラッチに関する。
例えば、複写機やプリンタ等の画像形成装置においては、感光体ドラムに形成されたトナー画像の先端と用紙先端との給紙タイミングが一致するように、レジストローラに結合された電磁クラッチをオンすることによりレジストローラを駆動して用紙の適切な位置に画像が転写されるようにしている。
このような画像形成装置に適用される小型の電磁クラッチとして、従来、例えば図9に示す構造のものが提供されている(例えば、特許文献1等参照)。
この電磁クラッチは、中空の駆動軸1を備え、この駆動軸1の横断面D字状のDカット部11には図示しない負荷(上記の画像形成装置の場合はレジストローラの軸)が連結されている。この駆動軸1の外側には、回転体2が回転自在に遊嵌されるとともに、ロータ3が嵌着されて駆動軸1と一体回転するようになっている。そして、回転体2は、駆動軸1に遊嵌された円筒軸部21の外側に図外のモータによって駆動される歯車部22が設けられている。さらに、駆動軸1の外側には、ヨーク4が遊嵌軸承されている。したがって、ヨーク4は駆動軸1およびロータ3が回転しても滑りを起こして静止状態を維持する。
上記のロータ3は、外側円筒部31、内側円筒部32、および両円筒部31,32を連結する連結部33を有し、連結部33には、その周方向に沿う複数箇所に遮磁穴34が形成されている。これらの遮磁穴34は後述のアマチュア5への磁路が容易に形成されるように磁気抵抗を確保するためのものである。
そして、ロータ3の連結部33と回転体2との間の遮磁穴34に略対向する位置には中空円板状のアマチュア5が配置されており、このアマチュア5には中空皿状のリターンスプリング6の一端が固定され、リターンスプリング6の他端は回転体2に固定されている。したがって、アマチュア5は、リターンスプリング6および回転体2と一体回転するとともに、リターンスプリング6によって軸方向に微動できるようになっている。
ヨーク4は、大径筒部41、小径筒部42、および両筒部41,42を連結する底板部43によって構成されており、各部41〜43で囲まれた内部には、アマチュア5とロータ3の連結部33とが対向する磁極部に対して起磁力を与えるためのコイル7が巻かれたボビン8が収納されている。
そして、このヨーク4は、大径筒部41がロータ3の外側円筒部31と僅かな空隙を介して重合し、また小径筒部42が樹脂などでできた摩擦低減材91を介して駆動軸1に支承されている。さらに、ボビン8とロータ3の内側円筒部32との間には樹脂などでできた摩擦低減材92が介在されている。
また、駆動軸1の左右端の外周には係止溝93が形成され、各係止溝93には周方向の一部に切欠を有する平面C字状の止め輪94が嵌合され、各止め輪94の内側にガタ防止用のワッシャ95が設けられている。そして、回転体2は、ロータ3とワッシャ95を介した止め輪94とによって軸方向にずれないように位置規定されている。また、ヨーク3は、ロータ3とワッシャ95を介した止め輪94とによって軸方向にずれないように位置決め規定されている。なお、96はコイル7に接続されたリード線である。
上記構成において、リード線96を介してコイル7に通電されて励磁されると、ロータ3の連結部33とアマチュア5との対向部分により形成された磁極部に吸引力が発生して両者3,5が結合し、その結果、図外のモータにより駆動される回転体2からリターンスプリング6、アマチュア5を介してロータ3にトルクが伝わり、さらにロータ3に一体結合されている駆動軸1が回転して図外の負荷が駆動される。なお、ヨーク4、コイル7、ボビン8は、ロータ3および駆動軸1が回転しても摩擦低減材91,92との間で滑りを起こして静止状態を維持する。
このコイル7に通電した時の磁路は、ヨーク4の大径筒部41→ロータ3の外側円筒部31→ロータ3の連結部33→アマチュア5→ロータ3の連結部33→ロータ3の内側円筒部32→駆動軸1の外周部→ヨーク4の小径筒部42→ヨーク4の底板部43→ヨーク4の大径筒部41となっている。
また、コイル7を消磁すると,アマチュア5とロータ3との電磁結合が解除されてアマチュア5がリターンスプリング6のばね力によって回転体2側に復帰し、トルク伝達が遮断される。
特開平8−210384号公報
ところで、従来の電磁クラッチでは、コイル7の消磁後もロータ3、アマチュア5、およびヨーク4の磁路形成部材に残留磁束が残ってロータ3とアマチュア5間に残留吸引力が発生してトルクが伝達されてしまう恐れがあるので、リターンスプリング6によってアマチュア5をロータ3から強制的に引き離すようにしている。
しかしながら、リターンスプリング6を使用するときには、そのばね力のばらつきに起因して、コイル7の励磁時にロータ3とアマチュア5とが確実に結合するまでに要する時間(以下、トルク伝達時間という)や、コイル7の消磁時に両者3,5の結合が解放されるまでに要する時間(以下、トルク解放時間という)が変動する。
そして、上記の画像形成装置の場合を例にとると、トルク伝達時間が変動するとレジストローラの回転開始タイミングがずれて感光体ドラムに形成されたトナー画像の先端とシートの先端とがずれる。また、トルク解放時間が変動すると、レジストローラが正規の位置で止まることができず,後から送られてきたシートを止めることができないといった問題を生じる。
このように、リターンスプリング6を使用する限り、そのばね力のばらつきによりトルク伝達時間やトルク解放時間にばらつきが発生するとともに、アマチュア5はリターンスプリング6のばね力に打ち勝ってロータ3と結合する必要があるため、応答時間の短縮化には自ずと限界がある。
本発明は、リターンスプリングを使用せずに、トルク伝達時間およびトルク解放時間の双方の短縮化を図ることができて応答性に優れた電磁クラッチを提供することを目的とする。
本発明は、上記の目的を達成するために、負荷に連結される駆動軸と、この駆動軸の外周に遊嵌された回転体と、上記駆動軸と一体回転するロータと、上記回転体と一体回転するとともに上記ロータに対して離接可能に設けられたアマチュアと、このアマチュアと上記ロータとが対向する磁極部に対して起磁力を与えるコイルを有するヨークと、を備えた電磁クラッチにおいて、次の構成を採用している。
すなわち、本発明では、上記ロータ、アマチュア、およびヨークを含む磁路形成部材が軟磁性体であり、かつ、上記ロータおよび回転体により囲まれた内部空間内に上記アマチュアが軸方向に沿って摺動可能に配置されるとともに、このアマチュアの周方向に沿う複数箇所には上記回転体に向けて突出した係合片が形成される一方、上記回転体には上記係合片と係合するアマチュア係止部が形成されていることを特徴としている。
本発明の電磁クラッチは、リターンスプリングを無くしており、従来のようにコイル励磁時にばね力に打ち勝ってアマチュアがロータに結合することはなく、このため直ちに両者は結合してトルクが伝達される。しかも、ロータおよびアマチュアを含む磁路の構成部材が軟磁性体でできているので、ロータとアマチュアの相互の吸引力が大きくなってコイルを励磁すると両者は強固に結合する一方、コイル消磁時には、ロータとアマチュア間の残留磁気が殆ど無いので、両者間の吸引力は直ちに解消してトルク伝達が無くなる。
したがって、従来のようなリターンスプリングのばね力に起因したトルク伝達時間およびトルク解放時間のばらつきが無くなるとともに、トルク伝達時間およびトルク解放時間のいずれもが短縮化されて電磁クラッチの応答性が向上する。
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1における電磁クラッチの側面断面図、図2は同電磁クラッチの分解斜視図、図3はアマチュアと回転体の組み付け状態を一部切欠いて示す側面図、図4は止め輪を示すもので、同図(a)はその正面図、同図(b)はその側面図である。なお、図9に示した従来技術と対応する構成部分には同一の符号を付す。
この実施の形態1の電磁クラッチは、駆動軸1、回転体2、ロータ3、ヨーク4、アマチュア5、およびコイル7を主体に構成されており、従来のようなリターンスプリングは省略されている。
上記の駆動軸1は中空のもので、その横断面D字状のDカット部11には図示しない負荷(画像形成装置の場合はレジストローラの軸)が連結されている。また、この駆動軸1の軸方向の中間位置には径方向外方に張り出したフランジ部12が形成され、このフランジ部12の回転体2側の周側面には周方向に沿う複数箇所(本例では3箇所)に突起13が形成されている。
回転体2は、合成樹脂成形品であって、駆動軸1の外側に遊嵌された円筒軸部21、この円筒軸部21の外周に設けられて図外のモータにより駆動される歯車部22、円筒軸部21から一体に延設された冠状のキャップ部23を備える。
そして、このキャップ部23には、アマチュア5に形成された後述の係合片54と係合する凹状のアマチュア係止部24が周方向に沿う複数箇所(本例では6箇所)に形成されるとともに、アマチュア5の後述のリング部51を受け止める短円柱状のアマチュア受座部25が周方向に沿う複数箇所(本例では6箇所)に設けられている。
ロータ3は、円筒部35と、この円筒部35から径方向内方に縮径されて断面段差状に形成された縮径部36と、両部35,36を連結する連結部37とを有する。そして、連結部37には、径方向に二重に形成された遮磁穴34a,34bが周方向に沿う複数箇所(本例では3箇所)に設けられており、各遮磁穴34a,34bの間はリブ38で連結されている。また、縮径部36は駆動軸1の前述のフランジ部12に着座されており、これにより、ロータ3が軸方向に沿って僅かに移動しても縮径部36は常にフランジ部12と接触状態を維持できる。このため、常に安定した磁路が確保される。
さらに、ロータ3の縮径部36の内周端には駆動軸1の各突起13に係合する係止部としての突起係止切欠39が設けられている。そして、この突起係止切欠39が突起13と係合されることによりロータ3は駆動軸1と一体回転するようになっている。なお、駆動軸1のフランジ部12の周方向に沿う複数箇所に凹部を設け、また、ロータ3の内周端にはこの凹部と係合する突起を設けて両者を係合させる構成とすることも可能である。
アマチュア5は、駆動軸1の外側にあってロータ3および回転体2で囲まれた内部空間S内において軸方向に沿って摺動可能に配置されている。すなわち、アマチュア5は、ロータ3の縮径部36の外径よりも大きな内径を有するリング部51を有し、このリング部51には周方向に沿う複数箇所(本例では3箇所)に遮磁穴52が形成されており、各遮磁穴52の間はリブ53で連結されている。そして、この場合のアマチュア5の遮磁穴52とロータ3の遮磁穴34a,34bとは互いに径方向に位置ずれして形成されている。このため、ロータ3とアマチュア5とが対向する磁極部は4極あることになる。
なお、ロータ3とアマチュア5の各遮磁穴の数を変えることで極数を変えた構成とすることも可能である。
また、アマチュア5のリング部51の外周には、周方向に沿う複数箇所に回転体2に向けて突出した平面視U字状の係合片54が形成されている。そして、この係合片54は回転体2に設けた前述のアマチュア係止部24に挿入されている。これにより、アマチュア5のリング部51は、ロータ3の連結部37と回転体2のアマチュア受座部25との間で、軸方向に沿って微動可能で、かつ、周方向には係合片54がアマチュア係止部24に係止されて回転体2と一体回転するようになっている。
ヨーク4は、大径筒部41、小径筒部42、および両者41,42間を連結する底板部43によって構成されており、各部41〜43で囲まれた内部にはコイル7が巻かれたボビン8が収納されている。そして、このヨーク4は、大径筒部41がロータ3の円筒部35と僅かな空隙を介して重合し、また小径筒部42が摩擦低減材91を介して駆動軸1に支承されている。したがって、ヨーク4は駆動軸1およびロータ3が回転しても滑りを起こして静止状態を維持する。
ここに、上記の駆動軸1、ロータ3、ヨーク4、アマチュア5の各磁路形成部材はそれぞれ軟磁性体が使用されている。この場合の軟磁性体としては、例えば無方向性電磁鋼板(JIS C2552)や電磁軟鉄(JIS C2504)などが適用される。
また、磁路形成部材となるロータ3、ヨーク4、アマチュア5に軟磁性体を使用する場合でも、消磁後に残留磁束が存在すると、ロータ3とアマチュア5との対向部分の磁極部にも残留吸引力が発生して両者3,5の結合が継続してトルクが伝達されてしまう恐れがある。この残留磁束は材料の保磁力Hcに左右され、この保磁力は加工歪により増大する。
したがって、残留磁束を少なくするには、加工歪みを解消して保磁力を小さくする必要がある。そのためには、例えば約550〜600℃で30〜90分の水蒸気雰囲気にさらす水蒸気処理を行うことが好ましい。このような水蒸気処理を施せば、磁路内の残留磁束量が少なくなるため、軟磁性体を使用することと相俟って、消磁時にリターンスプリングを設けていなくてもアマチュア5とロータ3とのトルク解放時間を短縮化することができる。また、この水蒸気処理を行う場合の副次的な効果として、材料表面に磁性皮膜の硬化層ができるので、安価な防錆処理が可能となるとともに、アマチュア5やロータ3が磨耗しにくくなる。なお、水蒸気処理の代わりに約750℃の雰囲気で焼鈍処理を行っても同様な効果が得られる。
駆動軸1の両側には止め輪100がそれぞれ嵌合されている。これにより、一方(図1中、右側)の止め輪100と駆動軸1のフランジ部12とで回転体2、ロータ3、およびアマチュア5が挟まれて軸方向に位置規制されており、また、他方(図1中、左側)の止め輪100と駆動軸1のフランジ部12とでヨーク4が挟まれて軸方向に位置規制されている。しかも、一方の止め輪100については、アマチュア5のリング部51がロータ3の連結部33と回転体2のアマチュア受座部25との間において軸方向に沿って微動できる僅かなスラスト隙間が確保されるように、その取り付位置が設定されている。
上記の各止め輪100は、円環部111と、この円環部111の内周側において周方向に沿って等ピッチで形成された突起部112とからなり、突起部112は、円環部111から径方向内方に突出するとともに、軸方向に屈曲して形成されている。そして、この突起部112が駆動軸1の外周に嵌合されることにより、止め輪100が駆動軸1の軸方向に沿う任意の位置で固定できるようになっている。したがって、このような止め輪100を使用すれば、従来のように止め輪溝やワッシャは不要となるので、従来に比べ簡単かつ安価に電磁クラッチを組み立てることができる。
なお、96はコイル7に接続されたはリード線、97は合成樹脂等でできたリング状のクッション材である。
この実施の形態1の電磁クラッチにおいて、コイル7に通電すると、ロータ3の連結部37とアマチュア5のリング部51との対向部分により形成された磁極部に吸引力が発生してアマチュア5が軸方向に沿って摺動してロータ3に結合する。
この場合、アマチュア5が軸方向に沿って微動する範囲は僅かであり、しかも、従来のようなリターンスプリングを使用していないので、そのばね力に打ち勝ってアマチュア5がロータ3に結合する必要がなく、このため、トルク伝達時間が短縮化され応答性が高まる。また、リターンスプリングのばね力のばらつきに起因してトルク伝達時間がばらつくといったこともないのでトルク伝達時間が安定化する。
そして、ロータ3とアマチュア5とが結合すると、図外のモータにより駆動される回転体2からアマチュア5を介してロータ3にトルクが伝わり、さらにロータ3に接合されている駆動軸1が回転して図外の負荷が駆動される。なお、ヨーク4、コイル7、ボビン8は、ロータ3や駆動軸1が回転しても摩擦低減材との間で滑りを起こして静止状態を維持する。
また、コイル7を励磁した際に生じる磁路は、ロータ3の円筒部35→ロータ3の連結部37→アマチュア5のリング部51→ロータ3の連結部37→ロータ3の縮径部36→駆動軸1のフランジ部12→駆動軸1の外周部→ヨーク4の小径筒部42→ヨーク4の底板部43→ヨーク4の大径筒部41となっている。
ここでコイル7を消磁すると,アマチュア5は吸引力から開放され、ロータ3の連結部37とアマチュア5のリング部51との結合が解除されてトルク伝達が遮断される。
この場合、アマチュア5の係合片54をU字状として回転体2のアマチュア係止部24と係合させているので、コイル励磁時にはアマチュア5の係合片54が捩りモーメントを受けて歪んだ状態になっている。このため、コイル7を消磁した時には、この捩りモーメントによってロータ3とアマチュア5の磁束密度が高い磁極部に隙間が容易に生じて、両者3,5の結合が速やかに解除され、トルク解放時間が短縮化される。
上記構成の電磁クラッチを組み立てるには、駆動軸1の一端側(図1中右側)にロータ3を挿入し、フランジ部12の突起13にロータ3の突起係止切欠39を係合させるとともに、フランジ部12に縮径部36を着座させる。次いで、アマチュア5の係合片54を回転体2のマチュア係止部24に係合させた状態でアマチュア5および回転体2を駆動軸1に挿入する。引き続いて、駆動軸1の一端側に止め輪100を挿入してフランジ部12との間でロータ3、アマチュア5、および回転体2を軸方向に位置規制する。
また、駆動軸1の他端側(図1中左側)にボビン8、ヨーク4、および止め輪100を順次挿入し、この止め輪100とフランジ部12との間でボビン8およびヨーク4を軸方向に位置規制する。
駆動軸1の一端側(図1中右側)に止め輪100を挿入する場合に、止め輪100をフランジ部12側に向けて差し込み過ぎると、アマチュア5のリング部51が回転体2のアマチュア受座部25とロータ3の連結部37とによって強固に挟着されて軸方向に微動できなくなってクラッチとしての役目を果たさなくなる。したがって、アマチュア5のリング部51がロータ3の連結部37と回転体2のアマチュア受座部25との間で微動できるようにこれらの相互間に僅かなスラスト隙間を確保しておく必要がある。また、回転体2が樹脂成形品の場合には温度上昇により膨張するので、この点からもスラスト隙間を確保しておく必要がある。
そのためには、例えば図5に示すようなギャップ調整治具120を使用する。すなわち、このギャップ調整治具120は、駆動軸1の外径よりも大きな内径を有する円筒部121の一端側の内周面を止め輪100の外径以上に拡げて拡径部122が形成されている。そして、止め輪100を駆動軸1に挿入した後、ギャップ調整治具120を駆動軸1に挿入してその円筒部121と拡径部122とで生じる段差部分に止め輪100の円環部111を当接した状態で、ギャップ調整治具120をさらに押し込み、拡径部122側の側端面を回転体2の側端面に突き当てる。
この場合、拡径部122の軸方向長さXを予め適切に設定しておくと、アマチュア5のリング部51が回転体2のアマチュア受座部25とロータ3の連結部37との間で微動するのに適した一定のスラスト隙間を常に確保することができ、トルク伝達時間およびトルク解放時間のばらつきを無くすことができる。
なお、このようなギャップ調整治具120を使用する代わりに、例えば規定厚みのゲージを回転体2と止め輪100との間に挿入することで止め輪100の挿入位置を設定することも可能である。また、回転体2側の止め輪100だけでなく、ヨーク4側の止め輪100についても同様に行うことができる。
このように、この実施の形態1の電磁クラッチは、従来のようなリターンスプリングを無くしているので、励磁時にリターンスプリングのばね力のばらつきに起因してトルク伝達時間がばらつくといったことがない。また、消磁時も従来のようなリターンスプリングのばね力のばらつきに起因してトルク解放時間がばらつくといったこともない。
また、この実施の形態1では、駆動軸1、ロータ3、ヨーク4、アマチュア5の各磁路形成部材に軟磁性体を使用し、また、必要に応じて水蒸気処理等を行うことで磁路内の残留磁束量を低減して残留吸引力を減らしているので、ロータ3とアマチュア5の対向部分である磁極間の吸引ギャップを極めて小さく設定することができる。すなわち、ロータ3と回転体2との間にアマチュア5が介在された場合のスラスト隙間を極めて小さく設定できるため、アマチュア5の軸方向の移動量を微小にできる。その結果、アマチュア5が軸方向に移動するときの余分な時間が省かれてトルク伝達時間およびトルク解放時間が共に短縮化され、クラッチの応答性が高まる。しかも、アマチュア5の軸方向の移動量は微小であるため、励磁時にロータ3とアマチュア5とが吸引されるときに発生する衝撃音や、消磁時にアマチュア5がロータ3から離れるときに発生する衝撃音を共に低減することができる。さらにまた、従来のようなリターンスプリングを使用していないため、電磁クラッチ全体の軸方向長さを短くすることができ、小型化が可能になる。
上記の実施の形態1に対して、次の変形例を考えることができる。
(1)上記の実施の形態1では、アマチュア5の外周部に設けた係合片54をU字形に形成しているが、このような形状に限らず、例えば、図6(a)に示すように、軸線方向にL字状に曲げた係合片55としたり、あるいは、図6(b)に示すようなI字状に形成した係合片56とすることも可能である。
このような構成とした場合も、実施の形態1の場合と同様、励磁時にはアマチュア5の係合片55,56が捩りモーメントを受けて歪んだ状態になっているので、消磁時には、この捩りモーメントによってロータ3とアマチュア5の磁束密度が高い磁極部に隙間が容易に生じて両者3,5の結合が速やかに解除され、トルク解放時間を短縮化することができる。
なお、これらの係合片54〜56の形成箇所は、リング部51の外周部に限らず、内周部に設けることもできる。
(2)上記の実施の形態1では、アマチュア5のリング部51に設けた係合片54を回転体2のアマチュア係止部24に係合することで、励磁時にアマチュア5が捩りモーメントを受けるようにして、消磁時にこの捩りモーメントによってロータ3とアマチュア5との解放を速やかに行えるようにしているが、このような構成に限らず、例えば、図7に示すように、アマチュア5の周面の全体または一部を周方向に沿って波形状に形成して軸方向にスプリング性が付与された構成としたり、あるいは、図8に示すように、アマチュア5を軸方向に緩やかに傾斜したすり鉢状に形成して軸方向にスプリング性が付与された構成とすることもできる。
これにより、消磁時には、アマチュア5のスプリング性によってロータ3との間の磁束密度が高い磁極部に隙間が容易に生じるため、両者3,5の結合が速やかに解除されてトルク解放時間を短縮化することができる。しかも、アマチュア5の軸方向に積極的にスプリング力をもたせた場合には、励磁時にアマチュア5がロータ3に吸引されて密着する際や、消磁時にアマチュア5がロータ3から離間する際に発生する衝撃音を共に低減する効果が得られる。なお、ここではアマチュア5にスプリング性をもたせているが、その代わりにロータ3に軸方向のスプリング性を付与してもよい。
本発明の電磁クラッチは、複写機、プリンタ等の画像形成装置の構成部品としての使用に限られるものではなく、各種の事務用機器や家電製品、その他の機器に広く適用することが可能である。
本発明の実施の形態1における電磁クラッチの側面断面図である。 同電磁クラッチの分解斜視図である。 同電磁クラッチにおけるアマチュアと回転体の組み付け状態を一部切欠いて示す側面図である。 止め輪の形状を示すもので、同図(a)はその正面図、同図(b)はその側面図である。 ギャップ調整治具を使用して止め輪を駆動軸に位置決め固定する場合の説明図である。 アマチュアの外周部に形成した係合片の変形例を説明するもので、同図(a),(b)共にアマチュアと回転体の組み付け状態を一部切欠いて示す側面図である。 アマチュアの変形例を示すもので、同図(a)は正面図、同図(b)は側面図である。 アマチュアの他の変形例を示すもので、同図(a)は正面図、同図(b)は側面図である。 従来の電磁クラッチの側面断面図である。
符号の説明
1 駆動軸、12 フランジ部、13 突起、2 回転体、24 アマチュア係止部、
3 ロータ、36 縮径部、39 突起係止切欠(係止部)、4 ヨーク、
5 アマチュア、54 係合片、7 コイル、100 止め輪、S 内部空間。

Claims (7)

  1. 負荷に連結される駆動軸と、この駆動軸の外周に遊嵌された回転体と、上記駆動軸と一体回転するロータと、上記回転体と一体回転するとともに上記ロータに対して離接可能に設けられたアマチュアと、このアマチュアと上記ロータとが対向する磁極部に対して起磁力を与えるコイルを有するヨークと、を備えた電磁クラッチにおいて、上記ロータ、アマチュア、およびヨークを含む磁路形成部材が軟磁性体であり、かつ、上記ロータおよび回転体により囲まれた内部空間内に上記アマチュアが軸方向に沿って摺動可能に配置されるとともに、このアマチュアの周方向に沿う複数箇所には上記回転体に向けて突出した係合片が形成される一方、上記回転体には上記係合片と係合するアマチュア係止部が形成されていることを特徴とする電磁クラッチ。
  2. 上記磁路形成部材は、水蒸気処理が施されていることを特徴とする請求項1記載の電磁クラッチ。
  3. 上記ロータには縮径部が形成され、また上記駆動軸の軸方向の中間位置には上記縮径部が着座するフランジ部が形成され、かつ、上記縮径部とフランジ部のいずれか一方には周方向に沿う複数箇所に突起が、他方には上記各突起に係合する係止部がそれぞれ形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電磁クラッチ。
  4. 上記アマチュアおよびロータのいずれか一方は、その周面の全体又は一部が周方向に沿って波形状に形成されて軸方向にスプリング性が付与されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の電磁クラッチ。
  5. 上記アマチュアおよびロータのいずれか一方は、軸方向に傾斜したすり鉢状に形成されて軸方向にスプリング性が付与されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の電磁クラッチ。
  6. 上記駆動軸の一端側には止め輪が嵌合され、この止め輪と上記駆動軸のフランジ部とで上記ロータおよび回転体が挟まれて軸方向に位置規制されていること特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の電磁クラッチ。
  7. 上記駆動軸の他端端側には止め輪が嵌合され、この止め輪と上記駆動軸のフランジ部とで上記ヨークが挟まれて軸方向に位置規制されていること特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の電磁クラッチ。
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