JP3597652B2 - 電磁クラッチ用シャフト及び電磁クラッチ - Google Patents

電磁クラッチ用シャフト及び電磁クラッチ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電磁クラッチ用シャフト及び電磁クラッチに関し、更に詳しくは、コストダウンを可能とした電磁クラッチ用シャフト及び電磁クラッチに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の電磁クラッチは、例えば、図5に示すように構成されている。この図に示す電磁クラッチは、複写機の給紙機構等に適用されるものであり、一面に開口202を有し、対向する他面に底部204を有するハウジング206と、このハウジング206の開口202を覆うカバー208とから構成されたフィールド210を備えている。このフィールド210の底部204には、その中心部に穿設された貫通孔212に軸受214が配設され、フィールド210のカバー208には、その中心部に穿設された貫通孔216に軸受218が配設されている。
【0003】
また、フィールド210には、底部204の軸受214とカバー208の軸受218とを貫通してシャフト220が回転可能に配設されている。このシャフト220は、その軸心方向に形成された貫通孔221を有すると共に、軸心方向に沿って小径部222と大径部224とを有し、小径部222側が軸受214を貫通し、大径部224側が軸受218を貫通している。このシャフト220の小径部222の外周には、一部がフィールド210の底部204側の外部に突出するように筒体226が回転可能に嵌合されている。この筒体226の外周には、フィールド210の外部位置にギア228が嵌合されている。
【0004】
フィールド210内には、励磁コイル230が筒体226の外周に遊嵌されて底部204側に固定されている。また、フィールド210内には、励磁コイル230に隣接する位置に支持部材234がシャフト220の外周に回転可能に嵌合されており、この支持部材234には、カバー208側に板ばね236を介してアーマチュア238が取り付けられている。この支持部材234は、コイルばね240により筒体226に一体に連結され、筒体226と一緒に回転可能となっている。また、フィールド210内には、アーマチュア238に隣接する位置に、スリット242の形成されたロータ244がシャフト220に一体に取り付けられている。
【0005】
上記のように構成された電磁クラッチは、ギア228が外部の駆動源により回転することにより筒体226がシャフト220の外周を回転すると、支持部材234が筒体226と一緒に回転し、それによってアーマチュア238が回転するようになっている。
【0006】
いま、励磁コイル230に通電されると、シャフト220、フィールド210のハウジング206及びロータ244により形成される磁路中に励磁コイル230による磁束が生成され、ロータ244のスリット242に生じる漏れ磁束によってロータ244に吸着力が生じる。そのため、アーマチュア238は、板ばね236の弾性力に抗してロータ244に吸着される。その結果、ロータ244がギア228を回転させている駆動源により回転することになり、ロータ244と一体となっているシャフト220が回転する。
【0007】
一方、励磁コイル230への通電が遮断されると、磁束が消滅するためにロータ244とアーマチュア238間の吸着力が消滅し、その結果、アーマチュア238は板ばね236の弾性力により支持部材234側に引き戻され、ロータ244から離反することになる。その結果、ギア228が回転していてもシャフト220の回転は停止する。
【0008】
上記のように構成された電磁クラッチにおいて、シャフト220は、その小径部222の端部の内径をそこに挿通される給紙機構等を構成するシャフトの断面形状に応じて図6に示すような断面D字形状等の回り止め形状にする必要がある場合がある。この場合、シャフト220は、その内径部の形状の関係で金属棒を切削加工して得るのが困難となることから、磁性材料の粉末を一方の端部の内径部が断面D字形状等の回り止め形状となるような筒状に成型したものを高温で焼結することにより得るようにしていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、シャフト220を上記のように焼結体で構成すると、成型工程、焼成工程等の多数の工程が必要となり、しかも成型時の材料密度の偏り等が原因で焼結時に不可避的に変形が生じる。そのため、焼結後に研磨手段等で所定の形状となるように必ず修正しなければならず、シャフト220のコストダウンが図りがたいという問題があった。又、その結果として、電磁クラッチのコストダウンにも制約を受けるという問題があった。
【0010】
従って、本発明は、製作工程を簡素化することによって、コストダウンを可能とした内径部に回り止め形状を有する電磁クラッチ用シャフト及び電磁クラッチを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、請求項1に係る電磁クラッチ用シャフトは、軸心方向に断面円形の貫通孔を備え、この貫通孔に回転被伝達側のシャフトが挿入される磁性を有する金属材料からなる筒体と、この筒体の少なくとも一方端部に配設され、上記シャフトの上記筒体内における回転を阻止する回り止め部材とからなり、上記筒体は、その内周面と外周面とを連通すると共に、上記筒体の内周面側の間口が外周面側の間口よりも狭くなる方向のテーパを有する形状とされた通孔からなる係合部を有するものであり、上記回り止め部材は、上記筒体の内周面の一部に沿って配設される回り止め部と、この回り止め部に連設されると共に、上記係合部に係合される位置決め部とからなるものであることを特徴としている。
【0012】
この請求項1に係る電磁クラッチ用シャフトでは、磁性を有する金属材料からなる筒体が励磁コイルから発生する磁束を通過させる磁路の一部となる。また、筒体の内周面の一部に沿って配設される回り止め部が、テーパを有する形状とされた通孔からなる係合部に位置決め部を係合させることで筒体内に確実に固定されるようにした回り止め部材により、筒体内に挿入された回転被伝達側のシャフトの上記筒体内における回転が阻止され、電磁クラッチ用シャフトの回転が回転被伝達側のシャフトに効率よく伝達される。
【0013】
また、請求項2に係る電磁クラッチ用シャフトは、請求項1に係るものにおいて、上記筒体が、その外周面に上記通孔に連通された周方向の溝が形成されたものであり、上記回り止め部材が、上記位置決め部に連設されると共に、上記溝に係合される抜け止め部を備えたものであることを特徴としている。
【0014】
この請求項2に係る電磁クラッチ用シャフトでは、筒体の外周面の溝に係合される抜け止め部により筒体の通孔に配設された位置決め部の通孔からの抜出が阻止され、回り止め部が筒体内に確実に固定される。
【0015】
また、請求項3に係る電磁クラッチ用シャフトは、軸心方向に断面円形の貫通孔を備え、この貫通孔に回転被伝達側のシャフトが挿入される磁性を有する金属材料からなる筒体と、この筒体の少なくとも一方端部に配設され、上記シャフトの上記筒体内における回転を阻止する回り止め部材とからなり、上記筒体が、その内周面と外周面とを連通する通孔からなる係合部を有すると共に、その外周面に上記通孔に連通された周方向の溝が形成されたものであり、上記回り止め部材が、上記筒体の内周面の一部に沿って配設される回り止め部と、この回り止め部に連設されると共に、上記係合部に係合される位置決め部と、この位置決め部に連設されると共に、上記溝に係合される抜け止め部とを備えたことを特徴としている。
【0016】
この請求項3に係る電磁クラッチ用シャフトでは、磁性を有する金属材料からなる筒体が励磁コイルから発生する磁束を通過させる磁路の一部となる。また、筒体の内周面の一部に沿って配設される回り止め部が、通孔からなる係合部に位置決め部を係合させると共に、筒体の外周面の溝に係合させた抜け止め部により筒体内に確実に固定されるようにした回り止め部材により、筒体内に挿入された回転被伝達側のシャフトの上記筒体内における回転が阻止され、電磁クラッチ用シャフトの回転が回転被伝達側のシャフトに効率よく伝達される。
【0017】
また、請求項4に係る電磁クラッチ用シャフトは、請求項1乃至3のいずれかに記載のものにおいて、上記回り止め部材がインサート成型により形成された樹脂からなるものであることを特徴としている。
【0018】
この請求項4に係る電磁クラッチ用シャフトでは、筒体に回り止め部材が容易に形成される。
【0019】
また、請求項5に係る電磁クラッチは、フィールドと、このフィールドの内部を貫通してそのフィールドに回転可能に取り付けられたシャフトと、上記フィールド内のシャフトに取り付けられ、外部から与えられる回転力によりシャフトの回りを回転する入力側回転体と、上記フィールド内のシャフトに連結された出力側回転体と、上記フィールド内のシャフトの周囲に配設された励磁コイルとを備え、上記励磁コイルへの通電時に上記入力側回転体と上記出力側回転体とが磁気的に吸着されて互いに連結され、上記入力側回転体の回転が上記出力側回転体に伝達されるようにしたものにおいて、上記シャフトに請求項1乃至4のいずれかに記載の電磁クラッチ用シャフトを用いたことを特徴としている。
【0020】
この請求項5に係る電磁クラッチでは、請求項1乃至4に係る電磁クラッチ用シャフトが従来の焼結体からなるものと全く同様の機能を果たすため、電磁クラッチとしても従来のものと全く同様の性能を維持したものとなる。
【0021】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に係る電磁クラッチ用シャフトが適用された電磁クラッチの断面図であり、図2は図1の右側からみた電磁クラッチ用シャフト(以下、単にシャフトという。)のみを示す断面図である。これらの図において、電磁クラッチは、一面に開口12を有し、対向する他面に底部14を有する円筒状のハウジング16と、このハウジング16の開口12を覆う板状のカバー18とから構成されたフィールド20を備えている。
【0022】
また、ハウジング16の底部14には、その中心部に貫通孔28が形成され、この貫通孔28に軸受29が嵌合されている。上記貫通孔28は、一部に直線部分を有する回り止め形状とされており、軸受29の貫通孔28への嵌合部は、上記貫通孔28に合致した形状とされている。また、カバー18には、その周縁に径方向に突出する回り止め突起30が形成されると共に、中心部に貫通孔31が形成され、この貫通孔31に軸受32が嵌合されている。
【0023】
フィールド20には、シャフト34が、底部14の軸受29とカバー18の軸受32とを貫通して回転可能に配設されている。このシャフト34は、その軸心方向に形成された断面円形の貫通孔35を有すると共に、全長の1/2よりも少し長い小径部36及びこの小径部36より少し短い大径部37とを有する筒体38と、この筒体38内の小径部36側の端部に配設された回り止め部材40とから構成され、小径部36側が軸受29を貫通し、大径部37側が軸受32を貫通している。
【0024】
筒体38の小径部36の端部には、その外周面と内周面とを連通する通孔42が形成されている。この通孔42は、後述するように回り止め部材40を位置決めするものであり、筒体38の外周面側よりも内周面側の間口が狭くなる方向のテーパを有する円錐台形形状を有している。また、筒体38の小径部36端部の外周面には周方向にワッシャ溝43が形成されている。回り止め部材40は、小径部36側の貫通孔35に挿入された回転被伝達側のシャフトである複写機の給紙機構等のシャフトSFが貫通孔35内において回転するのを阻止し、シャフト34の回転が回転被伝達側のシャフトSFに効率よく伝達されるようにするものである。
【0025】
この回り止め部材40は、筒体38の貫通孔35の内周面の一部に沿って配設され、回転被伝達側のシャフトSFが挿入される側の貫通孔35の形状を断面D字形状とする回り止め部44と、この回り止め部44に一体に形成され、上記通孔42内に係合して配設された位置決め部46とから構成されている。なお、この回り止め部材40は、図略の金型内に筒体38の小径部36側の端部を配置すると共に、その金型内に液状の樹脂を流し込んで硬化させるインサート成型により形成したものである。なお、回り止め部材40の回り止め部44は、回転被伝達側のシャフトの断面形状に応じて種々の形状に変更することが可能である。
【0026】
また、筒体38の小径部36端部の外周には、一部がフィールド20の底部14側の外部に突出するように筒状の嵌合体48が回転可能に嵌合されている。この嵌合体48の外周のフィールド20の外部位置には、駆動力伝達部材としてのギア50が嵌合体48と一緒に回転し得るように嵌合されると共に、筒体38のワッシャ溝43にワッシャ51が嵌合され、嵌合体48が筒体38から抜け出るのを阻止すると共に、ギア50が嵌合体48から抜け出るのを阻止している。
【0027】
また、筒体38には、その大径部37の外周と嵌合体48の外周とに跨って連結部材としてのコイルばね56が嵌合されている。このコイルばね56は、嵌合体48側に位置する一方の端部58がコイルばね56の軸心側に屈曲され、大径部37側に位置する他方の端部60がコイルばね56の外周側に屈曲されており、一方の端部58が嵌合体48に形成された係止孔49に係止されている。このコイルばね56は、他方の端部60が固定された状態で一方の端部58に対して図1の右側からみて時計方向の回転力を加えたとき、そのコイルばね56が巻き締められる方向に巻回されたものである。
【0028】
フィールド20内には、中央部に貫通孔62を有する励磁コイル64がコイルばね56の外周に遊嵌されて底部14側に接着等の手段で固定され、励磁コイル64の引出線66がフィールド20の外部に引き出されている。また、コイルばね56の外周には、励磁コイル64に隣接する位置に、中心部にコイルばね56の外径よりも大きな径を有する貫通孔68の形成された板状の支持部材70が嵌合されている。
【0029】
この支持部材70は、その貫通孔68に連続して凹溝72が形成されており、この凹溝72にコイルばね56の他方の端部60が係止されて嵌合体48に連結され、嵌合体48と一緒に回転可能となっている。また、支持部材70には、中心部にシャフト34の大径部37よりも大きな径の貫通孔74を有する板状のアーマチュア76が板ばね78を介してカバー18側に取り付けられている。また、アーマチュア76に隣接する位置には、周方向に複数の弧状のスリット80の形成された板状のロータ82がシャフト34の大径部37に一体に取り付けられている。
【0030】
なお、上記の支持部材70とアーマチュア76は、外部の駆動源により直接回転する入力側回転体を構成し、上記ロータ82は、励磁コイル64に通電されたときに上記入力側回転体の回転が伝達されて回転され、励磁コイル64への通電が遮断されたときに回転を停止する出力側回転体を構成する。また、上記構成部品のうち、少なくともフィールド20、シャフト34を構成する筒体38、アーマチュア76及びロータ82は鉄系金属等の磁性材料で構成され、ギア50及び支持部材70は樹脂等の非磁性材料で構成されている。また、フィールド20を構成するカバー18は、ハウジング16内に各構成部材が配設された後に開口12に配設され、その後に所定の位置でかしめられてハウジング16に固定されることになる。
【0031】
上記のように構成された電磁クラッチは、給紙機構等のシャフトSFがシャフト34の小径部36の端部側に回り止め部材40により回り止めされた状態で挿入されると共に、カバー18に形成された回り止め突起30が複写機等の機器内部の固定部材に固定されてフィールド20が回転しないように位置決めされた状態で、外部の駆動源からギア50に図1の右側からみて時計方向に回転する回転力が与えられる。これにより、嵌合体48がシャフト34の外周を回転すると共に、支持部材70が嵌合体48と一緒に回転し、それによってアーマチュア76が回転する。
【0032】
いま、励磁コイル64に通電されると、シャフト34、フィールド20のハウジング16及びロータ82を介して形成される鎖線Mで示す磁路中に励磁コイル64による磁束が生成され、ロータ82のスリット80に生じる漏れ磁束によってロータ82に吸着力が生じる。そのため、アーマチュア76は、板ばね78の弾性力に抗してロータ82に吸着される。その結果、ロータ82がギア50を回転させている駆動源により回転することになり、ロータ82と一体となっているシャフト34が回転する。この回転により、シャフト34の小径部36の端部に挿入された回転被伝達側のシャフトSFが回転する。
【0033】
一方、励磁コイル64への通電が遮断されると、磁束が消滅するためにロータ82とアーマチュア76間の吸着力が消滅し、その結果、アーマチュア76は板ばね78の弾性力により支持部材70側に引き戻され、ロータ82から離反することになる。その結果、ギア50が回転していてもシャフト34の回転は停止する。
【0034】
本発明に係る電磁クラッチ用シャフト34は、筒体38と回り止め部材40とから構成されているので、従来の焼結体からなるものと全く同様の機能を果たすことになるにもかかわらず、その製作工程が簡素化できてコストダウンが可能となる結果、それを用いた電磁クラッチのコストダウンも可能となる。
【0035】
なお、上記図1及び図2に示す実施形態では、シャフト34を構成している回り止め部材40は、その位置決め部46が、シャフト34を構成する筒体38に形成されたテーパを有する形状の通孔42に係合して配設されることにより、位置決め部46が通孔42から抜け出ないようになって回り止め部44が筒体38の内周面に確実に固定されることになるが、係合部である通孔42に代え、内周面に通孔42と同様のテーパを有する形状の凹部を設けるようにしてもよい。この場合でも、位置決め部46が係合部である凹部に係合され、回り止め部44を筒体38の内周面に確実に固定することができる。また、図3に示すような構成によっても回り止め部44を筒体38の内周面に確実に固定することができる。
【0036】
すなわち、図3(a)及び(b)に示すように、シャフト34を構成する筒体38の端部に上記通孔42に代えて外周面側と内周面側との間口が同じ大きさの通孔90を形成し、筒体38の外周面に通孔90に連通された周方向の溝92を形成する。このような通孔90と溝92の形成された筒体38を金型内に配設し、この金型内に液状の樹脂を流し込むことによって図3(c)及び(d)に示すように、筒体38の内周面に配設される回り止め部94と、通孔90内に係合して配設されると共に、回り止め部94に連続する位置決め部96と、溝92に係合して配設されると共に、位置決め部96に連続する抜け止め部98とからなる回り止め部材100を構成する。この図3に示す構成において、通孔90は図1及び図2に示すようなテーパを有する形状としてもよいし、溝92は外周面を一周するリング形状としてもよい。
【0037】
また、上記図1及び図2に示す実施形態では、回り止め部材40はインサート成型により形成された樹脂からなるものであるが、例えば、金属材料で構成することも可能である。すなわち、金属材料で構成する場合、通孔42に配設される位置決め部46を通孔42よりも小さい径で少し長めに構成しておき、その位置決め部46を通孔42に挿入した後に筒体38の外周面側から殴打して通孔42の内部形状に合致するように変形させればよい。
【0038】
また、上記図1及び図2に示す実施形態では、回り止め部材40は、インサート成型により形成されたものであるが、例えば、次のようにして構成することもできる。すなわち、図4(a)に示すように、筒体38に外周面側と内周面側との間口が同じ大きさの通孔102を形成する一方、図4(b)に示すように、筒体38の内周面に配設される回り止め部104と、この回り止め部104の外周面に一体に形成された通孔102に配設される位置決め部106とを有する回り止め部材108を樹脂材料、金属材料等であらかじめ形成しておき、この回り止め部材108を筒体38の内周面と通孔102とに接着剤で固着する。
【0039】
なお、この通孔102に代えて筒体38の内周面に形成した凹部としてもよい。また、回り止め部材を回り止め部のみで構成し、この回り止め部を筒体の内周面に貼着してもよい。この場合には、筒体には通孔等は不要となる。さらには、筒体の内周面に係合部としての突起を係止する一方、回り止め部にその突起に係合される凹部を形成しておき、その突起と凹部とを嵌合させて回り止め部を筒体の内周面に固定するようにしてもよい。
【0040】
また、上記図1及び図2に示す実施形態では、回り止め部材40は、筒体38の小径部36の端部に配設されたものであるが、筒体38の大径部37の端部に配設することも可能であり、筒体38の全域に配設するようにすることも可能である。
【0041】
さらに、上記図1及び図2に示す実施形態では、励磁コイル64がフィールド20を構成するハウジング16の底面14側に配設されると共に、ロータ82がフィールド20を構成するカバー18側に配設されているが、励磁コイル64をカバー18側に配設すると共に、ロータ82を底面14側に配設することもできる。また、支持部材70とアーマチュア76が入力側回転体となるようにし、ロータ82が出力側回転体となるようにしているが、ロータ82が入力側回転体となるようにし、支持部材70とアーマチュア76が出力側回転体となるようにすることもできる。要するに、電磁クラッチ用シャフト34を除く電磁クラッチの他の構成については、任意の構成を採用することが可能である。
【0042】
【発明の効果】
以上のように請求項1の発明によれば、金属材料からなる筒体と、この筒体の少なくとも一方端部に配設された回り止め部材とから電磁クラッチ用シャフトを構成したので、その製作工程を焼結体からなるものに比べて簡素化することができ、コストダウンが可能となる。また、上記筒体が、その外周面と内周面とを連通すると共に、上記筒体の内周面側の間口が外周面側の間口よりも狭くなる方向のテーパを有する形状とされた通孔からなる係合部を備えたものであり、上記回り止め部材が、上記筒体の内周面に配設される回り止め部と、この回り止め部に連設されると共に、上記係合部に係合される位置決め部とからなるものであるので、筒体の通孔に配設された位置決め部の通孔からの抜出が阻止される結果、回り止め部を筒体内に確実に固定することができる。
【0043】
また、請求項2の発明によれば、上記筒体が、その外周面に上記通孔に連通された周方向の溝の形成されたものであり、上記回り止め部材が、上記位置決め部に連設されると共に、上記溝に係合される抜け止め部を備えたものであるので、回り止め部を筒体内に確実に固定することができる。
【0044】
また、請求項3の発明によれば、金属材料からなる筒体と、この筒体の少なくとも一方端部に配設された回り止め部材とから電磁クラッチ用シャフトを構成したので、その製作工程を焼結体からなるものに比べて簡素化することができ、コストダウンが可能となる。また、上記筒体が、その外周面と内周面とを連通する通孔からなる係合部を有すると共に、その外周面に上記通孔に連通された周方向の溝が形成されたものであり、上記回り止め部材が、上記筒体の内周面に配設される回り止め部と、この回り止め部に連設されると共に、上記係合部に係合される位置決め部と、この位置決め部に連設されると共に、上記溝に係合される抜け止め部とからなるものであるので、筒体の通孔に配設された位置決め部 の通孔からの抜出が阻止される結果、回り止め部を筒体内に確実に固定することができる。
【0045】
また、請求項4の発明によれば、上記回り止め部材がインサート成型により形成された樹脂からなるものであるので、筒体に回り止め部材を容易に形成することができる。
【0046】
また、請求項5の発明によれば、請求項1乃至4のいずれかの電磁クラッチ用シャフトを用いて電磁クラッチを構成したので、従来の電磁クラッチと同じ性能を維持したものとなるにもかかわらず、容易にコストダウンを図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る電磁クラッチ用シャフトが適用された電磁クラッチの断面図である。
【図2】図1に示す電磁クラッチに適用された本発明に係る電磁クラッチ用シャフトの側面断面図である。
【図3】本発明の他の実施形態に係る電磁クラッチ用シャフトの構造を説明する図で、(a)はシャフトを構成する筒体の要部断面図、(b)は(a)に示す筒体の外観斜視図、(c)は回り止め部材の配設された筒体の要部断面図、(d)は(c)に示す筒体の側面断面図である。
【図4】本発明の別の実施形態に係る電磁クラッチ用シャフトの構造を説明する図で、(a)はシャフトを構成する筒体の要部断面図、(b)は回り止め部材の外観斜視図である。
【図5】従来例の電磁クラッチの断面図である。
【図6】電磁クラッチ用シャフトの断面形状を説明する図である。
【符号の説明】
12 開口
14 底部
16 ハウジング
18 カバー
20 フィールド
34 シャフト
35 貫通孔
36 小径部
37 大径部
38 筒体
40,100,108 回り止め部材
42,90,102 通孔
44,94,104 回り止め部
46,96,106 位置決め部
64 励磁コイル
70 支持部材
76 アーマチュア
78 板ばね
82 ロータ
98 抜け止め部

Claims (5)

  1. 軸心方向に断面円形の貫通孔を備え、この貫通孔に回転被伝達側のシャフトが挿入される磁性を有する金属材料からなる筒体と、この筒体の少なくとも一方端部に配設され、上記シャフトの上記筒体内における回転を阻止する回り止め部材とからなり、上記筒体は、その内周面と外周面とを連通すると共に、上記筒体の内周面側の間口が外周面側の間口よりも狭くなる方向のテーパを有する形状とされた通孔からなる係合部を有するものであり、上記回り止め部材は、上記筒体の内周面の一部に沿って配設される回り止め部と、この回り止め部に連設されると共に、上記係合部に係合される位置決め部とからなるものであることを特徴とする電磁クラッチ用シャフト。
  2. 上記筒体は、その外周面に上記通孔に連通された周方向の溝が形成されたものであり、上記回り止め部材は、上記位置決め部に連設されると共に、上記溝に係合される抜け止め部を備えたものであることを特徴とする請求項記載の電磁クラッチ用シャフト。
  3. 軸心方向に断面円形の貫通孔を備え、この貫通孔に回転被伝達側のシャフトが挿入される磁性を有する金属材料からなる筒体と、この筒体の少なくとも一方端部に配設され、上記シャフトの上記筒体内における回転を阻止する回り止め部材とからなり、上記筒体は、その内周面と外周面とを連通する通孔からなる係合部を有すると共に、その外周面に上記通孔に連通された周方向の溝が形成されたものであり、上記回り止め部材は、上記筒体の内周面の一部に沿って配設される回り止め部と、この回り止め部に連設されると共に、上記係合部に係合される位置決め部と、この位置決め部に連設されると共に、上記溝に係合される抜け止め部とを備えたことを特徴とする電磁クラッチ用シャフト。
  4. 上記回り止め部材は、インサート成型により形成された樹脂からなるものであることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の電磁クラッチ用シャフト。
  5. フィールドと、このフィールドの内部を貫通してそのフィールドに回転可能に取り付けられたシャフトと、上記フィールド内のシャフトに取り付けられ、外部から与えられる回転力によりシャフトの回りを回転する入力側回転体と、上記フィールド内のシャフトに連結された出力側回転体と、上記フィールド内のシャフトの周囲に配設された励磁コイルとを備え、上記励磁コイルへの通電時に上記入力側回転体と上記出力側回転体とが磁気的に吸着されて互いに連結され、上記入力側回転体の回転が上記出力側回転体に伝達されるようにした電磁クラッチにおいて、上記シャフトに請求項1乃至のいずれかに記載の電磁クラッチ用シャフトを用いたことを特徴とする電磁クラッチ。
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