JP2006097738A - 電磁クラッチ - Google Patents

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Akikazu Matsumoto
晃和 松本
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Abstract

【課題】動力伝達の接続を行う吸着力を増加させるのに有利な電磁クラッチを提供する。
【解決手段】電磁クラッチは、吸着面117をもつ回転可能な回転体1と、励磁電流を通電するとき回転体1を励磁する励磁コイル2と、励磁コイル2に励磁電流を流したときに生じる磁力により回転体1の吸着面117に吸着される被吸着面40をもつ動力伝達部材3とを具備する。回転体1の外周部に保持され内周側及び外周側に磁極を有する永久磁石6が設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は動力の伝達及び切断を切り替える電磁クラッチに関する。
特許文献1には、吸着面をもつ回転可能なロータと、励磁電流の通電により回転体を励磁する励磁コイルと、励磁コイルに励磁電流を流したときに生じる磁力によりロータの吸着面に吸着される被吸着面をもつアーマチャとを備える電磁クラッチが開示されている。励磁電流が励磁コイルに通電されると、ロータの吸着面にアーマチャの被吸着面が吸着される。
特許文献2には、励磁コイルと、励磁コイルに励磁電流を流したときに生じる磁力によりロータの吸着面に吸着される可動部材とを備える電磁クラッチが開示されている。可動部材は、永久磁石と、永久磁石を半径方向内方に付勢する付勢バネとを有する。このものによれば、励磁電流が励磁コイルに通電されていないときであっても、付勢バネにより永久磁石が半径方向内方に移動するため、永久磁石による吸着力が増加し、可動部材はロータと共に連れ回りする。そして、ロータが高速で回転するとき、その遠心力により永久磁石は半径方向の外方に移動し、永久磁石による吸着力は低減し、可動部材の連れ回りが解除される。
特開2004−11744号公報 特開平8−028593号公報
上記した電磁クラッチでは、狭いスペースでも吸着力を増大させ得ることが要請されている。アーマチャの吸着力を増加させるためには、特許文献1に係る技術によれば、励磁コイルの巻数を増加させる必要があり、電磁クラッチの厚みの増大を招いている。
特許文献2に係る技術によれば、永久磁石を用いているものの、永久磁石の磁力を遠心力に応答させるためであり、励磁電流を励磁コイルに通電するときに、動力伝達の接続を行う吸着力を増加させるというものではない。
本発明は上記した実情に鑑みてなされたものであり、動力伝達の接続を行う吸着力を増加させるのに有利な電磁クラッチを提供することを課題とする。
(1)本発明者は上記した課題のもとに電磁クラッチについて開発を進めている。そして、吸着面をもつ回転可能な回転体と、励磁電流の通電により回転体を励磁する励磁コイルと、励磁コイルに励磁電流を流したときに生じる磁力により回転体の吸着面に吸着される被吸着面をもつ動力伝達部材とを具備する電磁クラッチにおいて、内周側及び外周側に磁極を有するリング形状に配置された永久磁石を、回転体の外周部に同軸的に保持することにすれば、上記した吸着力を増加させるのに有利な電磁クラッチを提供することができることを知見し、本発明を完成させた。
また、吸着面をもつ回転可能な回転体と、励磁電流の通電により回転体を励磁する励磁コイルと、励磁コイルに励磁電流を流したときに生じる磁力により回転体の吸着面に吸着される被吸着面をもつ動力伝達部材とを具備する電磁クラッチにおいて、動力伝達部材を、励磁コイルに励磁電流を流したときに生じる磁力により回転体の吸着面に吸着される被吸着面をもつアーマチャと、アーマチャに係合する動力伝達ギヤとで構成し、内周側及び外周側に磁極を有するリング形状に配置された永久磁石をアーマチャのうち被吸着面と背向する背向面に同軸的に保持することにすれば、上記した吸着力を増加させるのに有利な電磁クラッチを提供することができることを知見し、本発明を完成させた。
上記した吸着力を増加させる効果が得られる理由としては、上記した永久磁石を上記位置に設ければ、 ロータ及びアーマチャを透過する磁路における磁束量を増加させることができるためと推察される。
(2)すなわち、第1様相に係る電磁クラッチは、吸着面をもつ回転可能な回転体と、励磁電流の通電により回転体を励磁する励磁コイルと、励磁コイルに励磁電流を流したときに生じる磁力により回転体の吸着面に吸着される被吸着面をもつ動力伝達部材とを具備する電磁クラッチにおいて、
内周側及び外周側に磁極を有するリング形状に配置された永久磁石が、回転体の外周部に同軸的に設けられていることを特徴とするものである。
上記した永久磁石を上記位置に設ければ、ロータ及びアーマチャを透過する磁路における磁束量を増加させることができるためと推察される。
(3)第2様相に係る電磁クラッチは、吸着面をもつ回転可能な回転体と、励磁電流の通電により回転体を励磁する励磁コイルと、励磁コイルに励磁電流を流したときに生じる磁力により回転体の吸着面に吸着される被吸着面をもつ動力伝達部材とを具備する電磁クラッチにおいて、
動力伝達部材は、励磁コイルに励磁電流を流したときに生じる磁力により回転体の吸着面に吸着される被吸着面をもつアーマチャと、アーマチャに係合する動力伝達ギヤとを備えており、内周側及び外周側に磁極を有するリング形状に配置された永久磁石が、アーマチャのうち被吸着面と背向する背向面に同軸的に設けられていることを特徴とするものである。
上記した内周側及び外周側に磁極を有するリング形状に配置された永久磁石を上記位置に設ければ、ロータ及びアーマチャを透過する磁路における磁束量を増加させることができるためと推察される。
本発明によれば、動力伝達の接続を行う吸着力を増加させるのに有利な電磁クラッチを提供することができる。
本発明によれば、永久磁石は、回転体の外周面に固着され回転体とほぼ同軸的なリング状に配置されていることが好ましい。ここで、『リング状に配置されている』とは、リング状に成形された永久磁石を用いる形態、あるいは、ブロック状の複数個の永久磁石をリング状に並設する形態を採用することができる。
本発明によれば、動力伝達部材としては、回転体の吸着面に吸着される被吸着面をもつアーマチャと、アーマチャに係合する動力伝達ギヤとを備えている形態を採用することができる。この場合、アーマチャと動力伝達ギヤとは機械的に係合させることができる。アーマチャに被係合部を形成すると共に、アーマチャの被係合部と係合する係合部を動力伝達ギヤに形成することができる。回転体は、シャフトと、シャフトと一体的に回転する吸着面を有するロータとを備えている形態を採用することができる。
本発明によれば、ロータには、アーマチャに対面する内リング溝を形成する第1連結部と、外リング溝を形成する第2連結部とが設けられており、内リング溝及び外リング溝は同軸的配置とされている実施形態を採用することができる。この場合、内リング溝及び外リング溝は磁気抵抗が高くなるため、磁束案内作用を期待でき、ロータの吸着面とアーマチャの被吸着面との境界を介して、ロータからの磁束をアーマチャの肉厚の内部に透過させるのに有利である。
更に、アーマチャには、ロータ側に開口すると共に内リング溝と外リング溝との間に位置する中間リング溝を形成する第3連結部が設けられており、内リング溝、外リング溝、中間リング溝は同軸的配置とされている実施形態を採用することができる。この場合、後述するように、ロータの吸着面とアーマチャの被吸着面との境界を介して、ロータからの磁束をアーマチャの肉厚の内部に透過させるのに有利である。また、ロータの吸着面とアーマチャの被吸着面との境界を介して、アーマチャからの磁束を、ロータの肉厚の内部に透過させるのに有利である。この結果、吸着力を高めることができる。
本発明の実施例1に係る電磁クラッチについて、図1〜図3を参照して説明する。図1は、実施例1に係る電磁クラッチの概念図を示す。本実施例に係る電磁クラッチは、回転可能な回転体1と、励磁電流の通電により回転体1を励磁する励磁コイル2と、励磁コイル2に励磁電流を流したときに生じる磁力により回転体1に吸着される動力伝達部材3とを備える。
図1に示すように、回転体1は、電磁クラッチの中心側に配置されているシャフト10と、平坦状の吸着面117を有するロータ11とを備えている。シャフト10及びロータ11は、同軸的に一体回転するように係合されている。ロータ11は、内筒部110と、内筒部110と同軸的に配置された外筒部112と、内筒部110と外筒部112とを半径方向に繋ぐフランジ部113とを備えている。内筒部110及び外筒部112はシャフト10と同軸的配置とされており、軸芯Pに沿って延設されている。なおロータ11のフランジ部113は後述のアーマチャ4対面する。
ロータ11は透磁性をもつ金属材料(具体的には鉄系材料)で形成されている。ロータ11の外筒部112の外周面は、リング状をなす永久磁石保持面114とされている。シャフト10はロータ11の内筒部110の中央孔110xに嵌合されており、図略の駆動モータに接続され、当該駆動モータによりシャフト10の軸芯Pのまわりで回転駆動される。
図1に示すように、永久磁石6は、ロータ11の外筒部112の永久磁石保持面114に接着剤等より固着されて保持されている。即ち、永久磁石6は、シャフト10の軸芯Pを1周するようにリング形状をなしており、ロータ11とほぼ同軸的に配置されている。このような永久磁石6はロータ11と一体回転する。永久磁石6は、永久磁石6の粉末と樹脂製の結合材との混合物を硬化させることにより形成されている。図1に示すように、永久磁石6は、ロータ11の外筒部112の永久磁石保持面114に保持されたリング状の内周面60と、ロータ11の永久磁石保持面114に背向するリング状の外周面61と、ロータ11のフランジ部113の外縁部113eに対面して保持されるリング状の第1端面62と、第1端面62に背向すると共に外気に触れるリング状の第2端面63とをもつ。内周面60、外周面61、第1端面62、第2端面63は軸芯Pの回りを1周している。このように永久磁石6の内周面60と第1軸端面62とは、ロータ11により拘束されて固定されている。永久磁石6は、内周側及び外周側にそれぞれ異なる磁極を有する。具体的に、永久磁石6の内周側の磁極はS極とされていると共に、永久磁石6の外周側の磁極はN極とされている。即ち、永久磁石6の内周側の全面はS極とされていると共に、永久磁石6の外周側の全面はN極とされている。
図1に示すように、動力伝達部材3は、円盤形状をなすアーマチャ4と、アーマチャ4に係合する動力伝達ギヤ5とを備えている。アーマチャ4及びロータ5はシャフト1と同軸的に配置されている。アーマチャ4は、ロータ11と対面する平坦状の被吸着面40をもつ。アーマチャ4の被吸着面40は、回転体1のロータ11のフランジ部113の吸着面117に吸着可能とされている。アーマチャ4のうちロータ11と背向する背向面43には、凹状の被係合部41が複数個形成されている。アーマチャ4は、透磁性をもつ金属材料(具体的に鉄系材料)で形成されている。
図1に示すように、動力伝達ギヤ5のうちアーマチャ4に対向する対向面50には、凸状をなす係合部51が複数個間隔を隔てて形成されている。動力伝達ギヤ5の係合部51は、アーマチャ4の凹状の被係合部41にそれぞれ係合する。この結果、アーマチャ4が回転すると、動力伝達ギヤ5が一体回転する。
図1に示すように、動力伝達ギヤ5は円盤形状をなしており、その外周部に複数個の歯部52を備えている。動力伝達ギヤ5は樹脂を基材として形成されている。従って動力伝達ギヤ5は、樹脂のみで形成されていても良いし、あるいは、繊維強化樹脂で形成されていても良い。
図1に示すように、ロータ11に対面するように励磁コイル2がロータ11に付設されている。励磁コイル2は、フィールドコア7の凹部7pにボビン20(材質:樹脂)と共に収容されている。フィールドコア7はシャフト10と同軸的に設けられており、透磁性をもつ金属材料(具体的に鉄系材料)で形成されている。図1に示すように、フィールドコア7は、内筒部70と、外筒部71と、内筒部70及び外筒部71を繋ぐ底部72とをもつ。フィールドコア7の内周面とシャフト10の外周面との間には、リング状の軸受73が設けられている。従ってシャフト10がロータ11と共に回転するとき、フィールドコア7及び励磁コイル2は連れ回転しないようにされている。従ってシャフト10及びロータ11が軸芯Pの回りで回転したとしても、励磁コイル2に給電する給電線は、軸芯Pのまわりで回転しないようにされている。図1において、100はフィールドコア7の内筒部70ととロータ11の内筒部110との間の隙間であり、110はフィールドコア7の外筒部71とロータ11の外筒部112との間の隙間である。なお、フィールドコア7は図示しないハウジングに固定されている。
上記した電磁クラッチにおいては、励磁電流が励磁コイル2に通電されていないときには、励磁コイル2は励磁されていない。このため、励磁コイル2による磁路がロータ11及びアーマチャ4に形成されていない。したがって、アーマチャ4の被吸着面40はロータ11の吸着面117に吸着されていない。故に、アーマチャ4の被吸着面40とロータ11の吸着面117との間における動力伝達は、切断されている。この結果、駆動モータによりシャフト10及びロータ11が回転するとしても、アーマチャ4を介してロータ11と動力伝達ギヤ5とは連結されていない。この結果、動力伝達ギヤ5は回転しない。
これに対して、励磁電流が励磁コイル2に通電されるときには、励磁コイル2が励磁されるため、励磁コイル2による磁路がロータ11及びアーマチャ4を透過するように形成される。この結果、アーマチャ4の被吸着面41がロータ11の吸着面117に吸着される。故に、駆動モータによりシャフト10及びロータ11が回転されると、アーマチャ4を介してロータ11と動力伝達ギヤ5とは接続される。この結果、シャフト10と共に動力伝達ギヤ5はつれ回転する。なお、励磁コイル2による磁極の方向は、軸芯Pの方向においてアーマチャ4側に近い側がN極とされ、アーマチャ4に遠さざかる側がS極とされる。
上記した電磁クラッチにおいては、ロータ11の吸着面117とアーマチャ4の被吸着面40との間における摩擦力と、ロータ11の吸着面117とアーマチャ4の被吸着面40との間における吸着力とに基づいて、電磁クラッチの限界トルクが基本的には決定される。限界トルクを越えるトルクがシャフト10に入力されるときには、ロータ11の吸着面117とアーマチャ4の被吸着面40との間において滑りが発生し、動力伝達は切断される。故に、シャフト10が回転するものの、動力伝達ギヤ5の回転は規制される。
以上説明したように本実施例によれば、図1に示すように、内周側及び外周側に磁極を有するリング状の永久磁石6が、アーマチャ4を吸着するロータ11の外筒部112のリング状の永久磁石保持面114に設けられている。このような永久磁石6を上記位置に搭載する実施例に係る電磁クラッチは、この永久磁石6を搭載していない比較例に係る電磁クラッチよりも、アーマチャ4をロータ11に吸着する吸着力を増加させることができる。その理由としては、上記した永久磁石6を上記位置に設けると、ロータ11及びアーマチャ4を透過する磁路における磁束量を増加させることができるためと推察される。このようにアーマチャ4の吸着力を増加させることができれば、励磁コイル2の巻数を過剰に増加させずとも、限界トルクを向上させることができ、電磁クラッチの小型化、高性能化に有利である。
本実施例によれば、図2に示すように、ロータ11のフランジ部113には、アーマチャ4に対面する内リング溝11aを形成する薄肉状の第1連結部11bと、外リング溝11cを形成する薄肉状の第2連結部11dとが設けられている。更に、アーマチャ4には、アーマチャ4側に開口する中間リング溝11eを形成する薄肉状の第3連結部11fが設けられている。図2に示すように、中間リング溝11eは、ロータ11の径方向において、内リング溝11aとロータ11の外リング溝11cとの間に位置している。なお図2に示すように、内リング溝11、外リング溝11c、中間リング溝11eは互いに同軸的配置とされている。また、内リング溝11a、外リング溝11c、中間リング溝11eは空気に触れており、磁気抵抗が高くなっている。換言すると、上記した第1連結部11b及び第2連結部11dは厚みが薄いため、磁気抵抗が高くなり、磁束の透過が制限され、磁束案内作用を期待できる。
更に図2に示すように、ロータ11のフランジ部113には、内リング溝11aに対向する第2内リング溝11rが同軸的に形成されている。更にロータ11のフランジ部113には、外リング溝11cに対向する第2外リング溝11sが同軸的に形成されている。
本実施例によれば、上記した内リング溝11、外リング溝11c、中間リング溝11eが設けられていないときには、ロータ11を透過する磁束は、アーマチャ4の表層を透過する率が低くなる。故にアーマチャ4をロータ11に吸着させる吸着力の向上には好ましくない。
これに対して、上記した内リング溝11a、外リング溝11c、中間リング溝11eが形成されていると、当該溝11a、11c、11eの磁気抵抗が高くなり、磁束案内作用を期待できる。このため、図2から理解できるように、ロータ11の吸着面117とアーマチャ4の被吸着面40との境界を介して、ロータ11からの磁束をアーマチャ4の肉厚の内部に透過させるのに有利である。また、ロータ11の吸着面117とアーマチャ4の被吸着面40との境界を介して、アーマチャ4からの磁束を、ロータ11の肉厚の内部に透過させるのに有利である。これによりロータ11の吸着面117とアーマチャ4の被吸着面40との吸着力の増加に有利である。この場合、励磁コイル2の巻線の数を過剰にせずとも良く、電磁クラッチの小型化に有利である。
(試験結果)
図2及び図3は、実施例1に係る電磁クラッチについて、解析モデルを用いてFEM磁場解析した試験結果を示す。この解析モデルによれば、寸法関係は実機品を考慮して設定されている。すなわち、図2において永久磁石6の外径D1は72ミリメートル、ロータ11の永久磁石6を保持する永久磁石保持面114の外径D2は64.8ミリメートル、ロータ11の内筒部110の肉厚T1は4.0ミリメートル、ロータ11の外筒部112の肉厚T2は2.4ミリメートル、ロータ11のフランジ部113の外周部の肉厚T3は1.6ミリメートル、ロータ11のフランジ部113からのリング突部115までの高さH1は1.6ミリメートル、アーマチャ4の外径D3は65ミリメートル、アーマチャ4の肉厚T4は3.72ミリメートル、フィールドコア7の内筒部70の肉厚T5は4.1ミリメートル、フィールドコア7の外筒部71の肉厚T6は2.8ミリメートル、フィールドコア7の底部72の肉厚T7は2.6ミリメートル、永久磁石6の長さL1は8.6ミリメートルとして設定されている。なお外径とは直径を意味する。
この解析モデルにおいても、リング状の永久磁石6は内周側及び外周側に磁極を有する。すなわち、リング状の永久磁石6の内周側の磁極はS極とされ、永久磁石6の外周側の磁極はN極とされている。上記した実施例について、磁路の概略的経路を図2に矢印として示す。比較例に係る電磁クラッチについても、同様に解析した。比較例では、上記した寸法関係及び上記した材質として行った。但し、比較例では永久磁石6が取り付けられていない。
図3は実施例1と比較例との試験結果を示す。図3の横軸は励磁電流の電流値を示し、縦軸はアーマチャ4をロータ11に吸着させる吸着力を示す。図3において『磁石なし』は比較例を意味し、『ラジアル異方性着磁』は実施例を意味する。図3に示すように、上記した磁極を有する永久磁石6を上記位置に搭載する実施例は、永久磁石6を搭載していない比較例よりも、アーマチャ4をロータ11に吸着する吸着力が増加している。このように励磁電流を励磁コイル2に通電したときにおいて、アーマチャ4をロータ11に吸着させる吸着力を増加させることができれば、励磁コイル2の巻数を過剰に増加させずとも、限界トルクを向上させることができる。故に電磁クラッチの小型化に有利である。なお、上記した試験結果によれば、永久磁石6の保磁力としては140〜600KA/m、180〜430KA/mが好ましいものであった。
図4〜図6は本発明の実施例2を示す。実施例2は実施例1と基本的には同様の構成、作用効果を有する。以下、実施例1と相違する部分を中心として説明する。本実施例によれば、アーマチャ4のうちロータ11の吸着面117に背向する平坦な背向面43が形成されている。そして背向面43に設けられている平坦な永久磁石保持面49には、永久磁石6Bが接着剤等により保持されている。この永久磁石6Bはアーマチャ4及びロータ11と同軸的に配置にされた薄肉のリング形状をなしており、永久磁石6Bは内周側及び外周側にそれぞれ異なる磁極を有する。具体的に、永久磁石6Bの内周側の磁極はS極とされ、永久磁石6Bの外周側の磁極はN極とされている。
本実施例においても、図5に示すように、ロータ11のフランジ部113には、内リング溝11aを形成する薄肉状の第1連結部11bと、外リング溝11cを形成する薄肉状の第2連結部11dとが設けられている。更に、アーマチャ4には、ロータ11の外リング溝11cと内リング溝11aとの間において、ロータ11に対面する中間リング溝11eを形成する薄肉状の第3連結部11fが設けられている。
内リング溝11a、外リング溝11c、中間リング溝11eが設けられていないときには、ロータ11を透過する磁束はアーマチャ4の表層を透過する率が低くなり、アーマチャ4をロータ11に吸着させる吸着力の向上には好ましくない。上記したように内リング溝11a、外リング溝11c、中間リング溝11eが形成されていると、実施例1で述べたように、ロータ11からの磁束をアーマチャ4の肉厚の内部に透過させるのに有利であり、ロータ11とアーマチャ4との吸着力を増大できる。
図4に示すように、永久磁石6Bは、シャフト10の軸芯Pを1周する連続しており、回転体1とほぼ同軸的なリング状をなすように配置されている。このように永久磁石6Bを搭載する実施例に係る電磁クラッチは、永久磁石6Bを搭載していない比較例に係る電磁クラッチよりも、アーマチャ4をロータ11に吸着する吸着力を増加させることができる。その理由としては、ロータ11及びアーマチャ4を透過する磁路における磁束量を増加させることができるためと推察される。上記したようにアーマチャ4を吸着させる吸着力を増加させることができれば、励磁コイル2の巻数を過剰に増加させずとも、限界トルクを向上させることができる。この場合、電磁クラッチの小型化、高性能化に有利である。
上記した電磁クラッチにおいては、励磁電流が励磁コイル2に通電されていないときには、励磁コイル2が励磁されていない。このため、励磁コイル2による磁路がロータ11及びアーマチャ4に形成されていない。したがって、アーマチャ4の被吸着面40がロータ11の吸着面117に吸着されていない。故に、アーマチャ4の被吸着面40とロータ11の吸着面117との間における動力伝達は、切断されている。この結果、駆動モータによりシャフト10及びロータ11が回転していたとしても、アーマチャ4を介してロータ11と動力伝達ギヤ5とは連結されていない。この結果、動力伝達ギヤ5は回転しない。
これに対して、励磁電流が励磁コイル2に通電されるときには、励磁コイル2が励磁されるため、励磁コイル2による磁路がロータ11及びアーマチャ4に形成される。この結果、アーマチャ4の被吸着面41がロータ11の吸着面117に吸着される。故に、駆動モータによりシャフト10及びロータ11が回転されると、アーマチャ4を介してロータ11と動力伝達ギヤ5とは接続される。この結果、シャフト10と共に動力伝達ギヤ5はつれ回転する。なお、励磁コイル2による磁極の方向は、軸芯Pの方向においてアーマチャ4側に近い側がN極とされ、アーマチャ4に遠さざかる側がS極とされる。
(解析結果)
図5及び図6は、実施例2に係る電磁クラッチについて、解析モデルを用いてFEM磁場解析した試験結果を示す。この解析モデルにおいても、寸法関係は実機品を考慮して設定されている。すなわち、基本的には実施例1に係る解析モデルの寸法関係と同様であり、図5において永久磁石6Bの外径D5は65.5ミリメートル、永久磁石6Bの内径D6は48ミリメートル、厚みT9は1ミリメートルを示す。この解析モデルにおいても、永久磁石6Bは内周側及び外周側にそれぞれ異なる磁極を有する。すなわち、永久磁石6Bの内周側の磁極はS極とされ、永久磁石6Bの外周側の磁極はN極とされている。アーマチャ4及びロータ11における磁路の概略的経路を、図5に矢印として示す。比較例に係る電磁クラッチについても同様に解析した。比較例では、上記した寸法関係及び上記した材質として行った。但し比較例では永久磁石6Bが取り付けられていない。
図6は実施例と比較例との試験結果を示す。図6の横軸は励磁電流の電流値を示し、縦軸はアーマチャ4をロータ11に吸着させる吸着力を示す。図6において『磁石なし』は比較例を意味し、『磁石あり』は実施例を意味する。図6に示すように、永久磁石6Bを搭載する実施例は、永久磁石6を搭載していない比較例よりもアーマチャ4をロータ11に吸着する吸着力が増加していた。このようにアーマチャ4をロータ11に吸着させる吸着力を増加させることができれば、励磁コイル2の巻数を過剰に増加させずとも、限界トルクを向上させることができる。この場合、電磁クラッチの小型化、高性能化に有利である。
(他の実施例)
上記した実施例1及び実施例2によれば、動力伝達ギヤ5のうち、アーマチャ4に対向する対向面50には、アーマチャ4の被係合部41に係合する凸状をなす係合部51が形成されているが、これに限らず、凹凸関係は逆としても良い。上記した実施例1及び実施例2によれば、永久磁石6の内周側の磁極はS極とされ、永久磁石6の外周側の磁極はN極とされているが、逆の関係の磁極としても良い。但し励磁コイル2への通電方向を考慮する必要がある。
上記した実施例1及び実施例2によれば、内リング溝11a、外リング溝11c、中間リング溝11e、第2内リング溝11r、第2外リング溝11sには空気が侵入するが、当該溝11a、11c、11e、11r、11sについては、ロータ11における磁路を構成する材料よりも磁気抵抗が高い材料(例えば樹脂等)で埋めることにしても良い。
実施例1に係り、電磁クラッチの断面図である。 実施例1に係り、電磁クラッチの半分を示す拡大断面図である。 実施例1に係る電磁クラッチと比較例に係る電磁クラッチとについて、励磁コイルに通電する電流と吸着力との関係を示すグラフである。 実施例2に係り、電磁クラッチの断面図である。 実施例2に係り、電磁クラッチの半分を示す拡大断面図である。 実施例2に係る電磁クラッチと比較例に係る電磁クラッチとについて、励磁コイルに通電する電流と吸着力との関係を示すグラフである。
符号の説明
1は回転体、10はシャフト、114は永久磁石保持面、117は吸着面、2は励磁コイル、3は動力伝達部材、4はアーマチャ、40は被吸着面、41は被係合部、5は動力伝達ギヤ、50は対向面、51は被係合部、6は永久磁石、60は内周面、61は外周面を示す。

Claims (6)

  1. 吸着面をもつ回転可能な回転体と、
    励磁電流の通電により前記回転体を励磁する励磁コイルと、
    前記励磁コイルに励磁電流を流したときに生じる磁力により前記回転体の前記吸着面に吸着される被吸着面をもつ動力伝達部材とを具備する電磁クラッチにおいて、
    内周側及び外周側に磁極を有するリング形状に配置された永久磁石が、前記回転体の外周部に同軸的に設けられていることを特徴とする電磁クラッチ。
  2. 請求項1において、前記動力伝達部材は、前記回転体の前記吸着面に吸着される被吸着面をもつアーマチャと、前記アーマチャに係合する動力伝達ギヤとを備えていることを特徴とする電磁クラッチ。
  3. 吸着面をもつ回転可能な回転体と、
    励磁電流の通電により前記回転体を励磁する励磁コイルと、
    前記励磁コイルに励磁電流を流したときに生じる磁力により前記回転体の前記吸着面に吸着される被吸着面をもつ動力伝達部材とを具備する電磁クラッチにおいて、
    前記動力伝達部材は、前記励磁コイルに励磁電流を流したときに生じる磁力により前記回転体の前記吸着面に吸着される被吸着面をもつアーマチャと、前記アーマチャに係合する動力伝達ギヤとを備えており、
    内周側及び外周側に磁極を有するリング形状に配置された永久磁石が、前記アーマチャのうち前記被吸着面と背向する背向面に同軸的に設けられていることを特徴とする電磁クラッチ。
  4. 請求項1〜請求項3のうちのいずれか一項において、前記回転体は、シャフトと、前記シャフトと一体的に回転する前記吸着面を有するロータとを備えていることを特徴とする電磁クラッチ。
  5. 請求項1〜請求項4のうちのいずれか一項において、前記ロータには、前記アーマチャに対面する内リング溝を形成する第1連結部と、外リング溝を形成する第2連結部とが設けられており、前記内リング溝及び前記外リング溝は同軸的配置とされていることを特徴とすることを特徴とする電磁クラッチ。
  6. 請求項5において、前記アーマチャには、前記ロータ側に開口すると共に前記内リング溝と前記外リング溝との間に位置する中間リング溝を形成する第3連結部が設けられており、前記内リング溝、前記外リング溝、前記中間リング溝は同軸的配置とされていることを特徴とする電磁クラッチ。
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